JP2002505255A - βカテニンに基づくヒトの疾患の治療薬、その製造及び使用 - Google Patents

βカテニンに基づくヒトの疾患の治療薬、その製造及び使用

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JP2002505255A JP2000532433A JP2000532433A JP2002505255A JP 2002505255 A JP2002505255 A JP 2002505255A JP 2000532433 A JP2000532433 A JP 2000532433A JP 2000532433 A JP2000532433 A JP 2000532433A JP 2002505255 A JP2002505255 A JP 2002505255A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は癌治療、特に大腸癌及び黒色腫の治療のための、LEF-1/TCF-4転写因子から誘導されたペプチド及び類似の分子に関する。このペプチド及び類似の分子はβカテニンとLEF-1/TCFの相互作用に影響を及ぼす。本発明の本質的部分はLEF-1/TCF-4転写因子の一部を含むペプチド及びその変異型と突然変異体である。このペプチドはLEF-1又はTCF-4のN末端領域の10-40個のアミノ酸からなることが好ましい。また本発明はLEF-1/TCF、APC、コンダクチン及びE-カドヘリンとの相互作用ドメインとして同定されたβカテニンのアルマジロ領域から誘導されたペプチド又は類似の分子を包含する。これらのペプチド又は類似の分子も同じくβカテニンとLEF-1/TCFの相互作用を阻害し、又はAPC又はコンダクチンの場合のように細胞のβカテニン濃度を増加させる。後者の分子は組織及び器官形成の調節、例えば毛髪の成長促進のために使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はβカテニンと転写因子及び癌抑制遺伝子産物との相互作用に影響を及
ぼす物質に基づく、ヒトの疾患の治療薬に関する。LEF-1/TCF-4転写因子及びβ
カテニンから誘導されたペプチド及び類似の分子がこれに含まれる。
【0002】 また本発明はこのような物質を見出すための方法及びとりわけ腫瘍、例えば大
腸癌及び黒色腫の治療のための薬剤の適用に関する。
【0003】 従って本発明の応用分野は、製薬業及び医療である。
【0004】 βカテニンは細胞内にある種々の機能をもつ細胞質タンパク質である。カドヘ
リン群の細胞接着分子との複合体として、βカテニンは細胞骨格との結合を作る
(J.Huelskenら「E-カドヘリンとAPCはβカテニン及び細胞骨格との相互作用 で競合する」、J-Cell-Biol.127:2061-9,1994年)。さらにβカテニンは胚増
殖において大きな役割を果たすWntシグナル伝達の成分である。転写因子LEF-1は
このシグナルカスケードでβカテニンの相互作用パートナーとして同定された(
J.Behrensら「βカテニンと転写因子LEF-1の機能的相互作用」、Nature,382:
638-42,1996年)。βカテニンとLEF-1によるシグナル伝達機構は次のように解 明された。即ちこの機構は、LEF-1によって仲介されるβカテニンの細胞核への 輸送である。細胞核内でこの複合体は、複合体内でLEF-1により誘導されたDNAの
折れ曲がり及びβカテニンのカルボキシ末端トランス活性化ドメインが変わるこ
とにより、遺伝子発現を調節する。一方では、転写因子のLEF-1/TCF群の他のメ
ンバー、例えばTCF-4もこのシグナル伝達を仲介し得ることが示された(V.Kori
nekら「APC/大腸癌でのβカテニンTcf複合体による構成的転写活性化」、Scien
ce,275:1784-87,1997年)。
【0005】 このβカテニン依存性のシグナル伝達のための前提は、カドヘリン結合のない
自由なβカテニンの細胞質プールの安定化である。このプールはグリコーゲンシ
ンテターゼ・キナーゼ3β、癌抑制遺伝子産物APC及びコンダクチン/アキシンに
よってネガティブに調節される。
【0006】 癌腫及び黒色腫の場合、βカテニンのN末端又はAPCのβカテニン結合ドメイ ンの突然変異がこの調節を引き起こすことが判明した(P.J.Morinら「βカテ ニン又はAPCの突然変異による大腸癌のβカテニンTcfシグナルの活性化」、Scie
nce,275:1787-90,1997年)。その結果βカテニンプールが安定化される。黒 色腫ではこの安定化がLEF-1の仲介によるβカテニンの細胞核への転位をもたら すが、大腸癌ではとりわけTCF-4がこの機能を遂行する。癌細胞系での複合体の 転写活性がレポーター遺伝子の活性化によって証明された。さらにAPC欠失大腸 癌細胞系でこの活性がAPCの再導入の後に抑制されることを示すことができた。
【0007】 大多数の大腸癌でAPC突然変異が同定されたが、APC欠失がない腫瘍はβカテニ
ン遺伝子に突然変異を有する。APC又はβカテニンのこの突然変異の結果がβカ テニン−LEF-1/TCF複合体によるシグナル伝達の活性化である。腫瘍発生におけ
るβカテニンの重要な役割が強調される。APC突然変異は大腸癌の発症の初期事 象として同定され、βカテニン−LEF-1/TCF複合体の活性化はおそらく腫瘍発生
の中心的な段階である。
【0008】 腫瘍発生におけるβカテニンの重要な役割を癌治療薬の開発のために利用する
ことがすでに試みられている。米国でほとんど同時に2件の特許出願が行われ、こ
れらはWO公報として公開された。WO98/41631(ジョンホプキンス大学−B.Voge
lstein)では、発癌阻止のためにβカテニン、TCF-4及び癌抑制タンパク質APCの 相互作用を調節することが請求事項とされた。ところが結腸直腸腫瘍で検出され
た突然変異APC遺伝子の産物は、βカテニン/TCF-4転写活性化をもはや調節し得
ないことが判明した。また無傷のAPC遺伝子を有する結腸大腸腫瘍は、βカテニ ンのN末端に活性化突然変異を有し、それが重要なリン酸化部位の機能に影響を 及ぼす。このことから、βカテニンの調節はAPCの腫瘍抑制効果にとって極めて 重要であり、この調節はAPC又はβカテニンの突然変異によって回避されると推 論される。主クレームはTCF-4に対してコードするイントロンなしのDNA分子に関
するものである。
【0009】 WO98/42296(Onyx Pharmaceuticals Inc. −Rubinfeld)は、βカテニン/転
写因子相互作用によって引き起こされる疾患の診断及び治療のための組成物と方
法に関するものである。主クレームは単離され、安定化されたβカテニン及びそ のフラグメントに関するが、このようなフラグメントは示されていない。
【0010】 ここに記載する発明は、まず癌腫又は組織及び器官の異常成長の治療薬を提供
することを目的とする。発明の根底にあるのは、細胞核内の複合体の転位と活性
の前提であるβカテニンとLEF-1/TCF転写因子との相互作用に影響を及ぼすとい
う特異な課題である。このモジュレーションは特異でなければならない。即ちβ
カテニン以外との (例えばAPC、コンダクチン又はE-カドヘリンとの) 相互作用 と重複してはならない。また本発明の目的は、それぞれβカテニンの1つの相互作
用にだけ極めて特異的に影響を及ぼす分子を見出すサブスタンスライブラリーの
検索のための固相酵素免疫検定法を開発することである。
【0011】 本発明は特許請求の範囲に基づき実現される。従属請求項は有利な変型である
【0012】 本発明の最初の態様において、βカテニンに対するLEF-1/TCF転写因子の結合
ドメインが同定された(図1)。それは本発明に係るペプチド及び類似の分子を得 るための出発点である。このペプチドはLEF-1又はTCF-4のN末端領域の10-20アミ
ノ酸長の配列からなることが好ましい(図2)。特に好適なのは −下記の配列 GDPELCATDEMIPFKDEGDPQKEK のLEF-1のN末端アミノ酸11-34(図1)からなる、又は −下記の配列 ELCATDEMIPFKDE のLEF-1のN末端アミノ酸14-27からなる、又は −下記の配列 GGDDLGANDELISFKDEGEQEEK のTCF-4のN末端アミノ酸7-29(図2)からなる、又は −下記の配列 DLGANDELISFKDE のTCF-4のN末端アミノ酸10-23からなる ペプチドである。
【0013】 また酸性アミノ酸が5アミノ酸間隔で配列され、疎水性及び塩基性アミノ酸が両
端にあるペプチドが好適である(図2)。
【0014】 このペプチドは本発明に基づき腫瘍治療に使用することができる。そのために
2つの基本的方法が可能である。
【0015】 a)ペプチド自体の使用 ペプチドはプロテアーゼに対して不安定であり、膜透過性に欠けるため、腫瘍
治療のためにペプチドを直接使用することは一般に考えられない。そこで第2の ペプチドに結合することによって安定化が行われ、そのためにはいわゆるアンテ
ナペディアペプチドRQIEIWFQNRRMEWEEが適している。このペプチドは100アミノ 酸長以下の結合ペプチドを、細胞膜を貫通して細胞質及び細胞核へ輸送すること
ができる。結合されたペプチドは腫瘍治療に有利に使用することができる。
【0016】 b)薬剤設計のためのペプチドの使用(ペプチドミミクリー[Peptidmimicry]) 本発明に係るペプチドは、所期の修飾により細胞内の安定性と効果が高まった
物質を設計するための基礎技術として利用される(ペプチドミメティクス[Pepti
domimetics])。これは例えば、反応性の基の導入、アミノ酸の交換又は耐加水 分解性のペプチド様結合の導入によって行うことができる。
【0017】 ペプチドの炭素骨格を、同じ配列の官能基を導入した合成炭素骨格と交換する
ことによって、分子の安定性を同じく高めることができる(非ペプチドミメティ クス)。βカテニンに対するLEF-1/TCFの最小結合ドメインから誘導された阻害 性ペプチド(図3及び4)の生物学的活性のこの分子ミミクリーは、腫瘍治療のため
の有能な作用物質の製造を可能にする。
【0018】 本発明の実現の第2段階では、LEF-1/TCF-4、APC(20及び15アミノ酸リピート を含むドメイン)、コンダクチン及びE-カドヘリンとの特異な結合に関与するβ カテニンの領域が同定された。これらの領域は一部が重複し、βカテニンのアル
マジロドメイン3-8に関係することが判明した(図5及び6)。この段階の核心は、 個々のパートナーとの特異的な相互作用を阻害するよう、βカテニンに突然変異
を生じさせたことにある。別紙に記載したβカテニンの部分配列(表1)にあるよ うに、具体的には下記の突然変異が取上げられる。
【0019】 His470、Arg469 LEF-1/TCF-4との相互作用なし Trp383 APC20aaとの相互作用なし Arg386 APC15aaとの相互作用なし Phe253、Arg274、Trp338 コンダクチンとの相互作用なし
【0020】 こうしてβカテニンとAPC、βカテニンとコンダクチン又はβカテニンとE-カ ドヘリンの相互作用を特異的に阻害するペプチド及び類似の分子を生成すること
が可能になる。これらの分子は新規な薬剤の生成にも適している。そのためにこ
れらのタンパク質が結合する条件のもとで、癌抑制効果を検定すべき候補物質を
βカテニン及び例えばLEF-1と接触させる(例えば固相酵素免疫検定で)。次に この結合が添加物質によってどの程度阻害されるかを測定する。
【0021】 Wntシグナル伝達及びその成分も、例えば脳、四肢、腎臓及び皮膚の特定の領 域の組織及び器官の成長及び維持において役割を果たす。マウスのβカテニン遺
伝子の組織特異的な遮断は、βカテニンが皮膚、特に毛髪の成長にとって重要で あることを示す。よって本発明は、βカテニン(又は安定なβカテニン)の発現を
増加させ、皮膚及び毛髪の成長を促進するための方法にも及ぶ。これは例えばAP
C又はコンダクチンとの相互作用を阻害することによって得られる。
【0022】 本発明に基づき細胞又は組織に高いβカテニン濃度を得るために、βカテニン
/APC又はβカテニン/コンダクチン相互作用の特異的阻害剤を利用することが できる。またアキシンと類似のタンパク質であるコンダクチンは、βカテニンの
分解を促進する。器官の成長過程に干渉するように、βカテニン/APC及びβカ テニン/コンダクチン相互作用の阻害剤を使用することができる。例えばヒトの
毛髪の成長をこうして局所的に促進することができる。
【0023】 詳細には、以下の研究を行った。
【0024】 1.βカテニンに対するLEF-1/TCFの最小結合ドメインの特性決定。 最小結合ドメインの同定のために「酵母2ハイブリッド系」を使用した(図1)
。最小結合ドメインをLEF-1のN末端アミノ酸11-27に局限することができた。こ れはTCF-4のアミノ酸7-29に相当する(図2)。lacZレポーター遺伝子の活性化に基
づき、N末端LEF-1フラグメントとβカテニンの相互作用を決定した(実施例を参
照)。
【0025】 合成ペプチドによる固相酵素免疫検定で、当該のペプチド(11-34、14-27)がβカ
テニン/LEF-1複合体形成を特異的に阻害することが判明した。βカテニン/TCF
-4複合体形成に関して、同じことがTCF-4ペプチド7-29及び10-23にも当てはまる(
図2)。
【0026】 阻害のために必須なアミノ酸が突然変異ペプチドの合成によって同定された( 図2)。疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン)と1個の塩基性アミノ酸(リ
シン)が両端にある5アミノ酸間隔の酸性アミノ酸(アスパラギン酸及びグルタ ミン酸)の対称配列が、ペプチドの機能にとって不可欠である。フェニルアラニ
ン又はリシンとアラニンの交換も同じくペプチドによる阻害を引き起こす。全LE
F-1分子に関連した酸性及び芳香族アミノ酸残基の意義は、内生βカテニンのコ ア転位検定(図4)及び哺乳動物細胞のトランス活性化検定により証明された。
【0027】 2.LEF-1、APC、コンダクチン及びE-カドヘリンに対するβカテニンの相互作用
ドメインの特性決定 βカテニンのアルマジロ領域が1997年Huberらにより結晶化され、X線結晶構造
解析により特性が示された。LEF-1の酸性アミノ酸(上記を参照)との相互作用に 関与する塩基性ピットを同定することができた。そこでβカテニンのアルマジロ
繰返し単位3-9の塩基性アミノ酸(Lys、Arg、His)及び幾つかの芳香族アミノ酸(Trp
)に突然変異を生じさせた(図5)。とりわけピットの塩基を形成するヘリックス3 の遊離アミノ酸残基及び一方の側のアミノ酸残基(ヘリックス1)を幾つか突然
変異させるように配慮した。突然変異βカテニンが相互作用パートナーLEF/TCF
、APC、コンダクチン及びE-カドヘリンとなお相互作用するか否かを検定した(表
2)。これにより、特異的相互作用にとって重要なβカテニンの問題のアミノ酸残 基を同定することができた(図5及び6)。こうして個々の相互作用パートナーに 対して特異なβカテニンの領域を同定することができた(図6)。これらの領域は 、βカテニンとLEF-1、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンの相互作用に特異的に
影響する分子の同定のために重要である。
【0028】 βカテニンとLEF-1/TCF、APC、コンダクチン及びE-カドヘリンとの結合ドメ インが部分的に重複するとの所見は、新規な治療薬の選択のために重要である。 選択は例えば次のように行われる。βカテニンとLEF-1/TCF、βカテニンとAPC (20又は15アミノ酸リピート)、βカテニンとコンダクチン又はβカテニンとE-
カドヘリンの相互作用に特異的に影響するか否かについて、サブスタンスライブ
ラリーを検定する。またβカテニンの突然変異によって同定されたβカテニンの
アルマジロ領域3-8のペプチド又は類似の表面構造を生成し、続いて種々の相互 作用パートナーの結合に対する作用を検定する。
【0029】 LEF-1/TCF-4との相互作用は発癌性、即ち発癌を促進する可能性があり、APC 、コンダクチン及びE-カドヘリンとの相互作用は潜在的に抗癌性で、即ち発癌を
阻害する。従ってWntシグナル経路に干渉するすべての新規な物質の特異的効果 を入念に検定しなければならない。βカテニンの結合ドメインのここで紹介する
特性は、そのための基礎をなす。従ってβカテニン/LEF-1/TCF-4相互作用を特
異的に減少する物質は有望な抗癌治療薬である。APC、コンダクチン又はE-カド ヘリンとの相互作用を阻害する物質は潜在的にWntシグナル経路を促進し、組織の
成長の増強、例えば毛髪の成長促進のために使用することができる。
【0030】 次に本発明を実施例により詳述する。
【0031】 1.βカテニンに対するLEF-1の最小結合ドメインの同定 LEF-1の部分ドメインとβカテニンの相互作用を、製造元(Clontech)の方式 に従って、酵母2ハイブリッド系でβガラクトシダーゼ活性の決定により分析し た。この目的のために、LEF-1のN末端部分ドメインをコードするDNAをLex-A DN
A結合ドメインを含むベクターTM116のクローニング部位に挿入し、配列決定によ
り検査した。LEF-1のDNAフラグメントをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び制限エ ンドヌクレアーゼとのインキュベーションにより作成した。βカテニンをコード
するDNAを、GAL-4の活性化ドメインに対するベクターpGAD424(Clontech)にク ローニングした(Behrensら、1996年)。ハイブリッドの相互作用の比較のために
、別実験でβガラクトシダーゼ活性により標準化した。
【0032】 LEFハイブリッド及びβカテニンのないGAL-4活性化ドメインを作る酵母のβガ
ラクトシダーゼ活性に基づいて、LEF-1ハイブリッドとβカテニンの相互作用の 特異性を検査した(図1)。酵母細胞ライゼートによる免疫ブロット法で、ハイブ リッドのLex-Aドメインに対する抗体(Clontech)によりLEF-1ハイブリッドの発現
を検査した。ライゼートの調製のために、培地の光学密度が同じ酵母バッチを使
用した。
【0033】 2.コア輸送検定によるLEF-1のβカテニン結合ドメインの特性決定 LEF-1の cDNAの in vitro 突然変異誘発により、βカテニンに対するLEF-1結 合ドメインに点特異突然変異を導入した。突然変異誘発はClontech社の“Transf
ormer Site-Directed Mutagenesis Kit”(トランスフォーマー位置指定突然変 異誘発キット)により製造元の指示に従って行った。次のアミノ酸をアラニンで
置換した。Glu14、Asp19、Glu20、Phe24、Lys25、Asp26及びGlu27。突然変異体 を配列決定により検査し、ベクター pCG-LEF-1(Behrensら、1996年)にクロー ニングした。LEF-1又はその突然変異体によるMDCK細胞のトランスフェクション した後、内生βカテニンの細胞核への転位を免疫細胞学的方法で分析した。この
ために各々2.5×10個のMDCK細胞にpCG-LEF-1でトランスフェクションを行った
。LEF-1の免疫検定をウサギのLEF-1血清抗体及びCy2複合抗ウサギ抗体で行い、 βカテニンの検出をモノクローナル抗体及びCy3複合抗マウス抗体で行った(図4A
)。
【0034】 3.固相酵素免疫検定による阻害ペプチドの特性決定と数量化 合成ペプチドによるLEF-1/βカテニン相互作用の阻害を数量化するために、N
末端ヒスチジン配列で組換えた細菌の2つのタンパク質を作り、ニッケルクロマト
グラフィーにより精製した(Behrensら、1996年)。ペプチドはPSSM-8自動装置(
日本、島津)によるBiosyntan社Fmoc/But方式を使用して調製した(E.Atherton
及びR.C.Sheppard、1989年 IRL Press, Oxford:「固相ペプチド合成−実用手法」
)。約50ngのLEF-1を室温で90分間固相酵素免疫検定プレートのウエルに吸着 した。続いてウエルを4℃で16時間PBS(リン酸塩緩衝塩水)中の5%脱脂粉乳で 覆った。その後のすべての段階は室温で50mMのTris HCl(pH7.5) を含むPBSで行 った。ウエルをPBSで洗浄した後、ペプチド希釈液を加えた。200mg/mlのBSA( ウシ血清アルブミン)の存在で50-100ngのβカテニンとともにインキュベーショ
ンを行った。βカテニンのカルボキシ末端に対する抗体PA2によりLEF-1とβカテ
ニンの複合体の形成が検出された(Huelskenら、1994年)。PA2は、PBS中の3%脱 脂粉乳に1:5000の点希釈して10分間にわたり加えた。ウエルをPBSで洗浄した後
、ペルオキシダーゼ複合検定抗体(PBS中3%脱脂粉乳で1:2500、Dianova)によ り数量化を行ない、405nmで吸光測定してo-フェニレンジアミンの転化を決定し
た。ペプチドは100μMないし0.3μMの濃度で使用した。LEF-1/βカテニン相互 作用の阻害特異性検査のため、βカテニンをウエルに吸着し、ペプチドの存在及 び不存在で同じ抗体により検出した(図2及び3)。
【0035】 合成に際しては、ペプチドの突然変異分析のために上記のアミノ酸をアラニン
で置換した。βカテニンとLEF-1の複合体形成阻害の数量化を前述のように行っ た(図2)。
【0036】 4.LEF-1、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンとの相互作用を調節するβカテ ニンの突然変異体の調製と検定 アルマジロリピート3-8のβカテニンの突然変異誘発をClontech社の「突然変
異誘発キット」(Mutagenese Kit)で製造元の方式に従って行ない、突然変異体を
配列決定により検査した(図5)。すべての突然変異体で元のアミノ酸がアラニン
で置換された。相互作用の分析のために、アミノ酸Leu218-Leu781をコードする ヒトβカテニンのcDNA(アルマジロリピート3からタンパク質のC末端まで)又は
その突然変異体を、Gal-4(pGAD42、Clontech)の活性化領域に対する融合ベクター
にクローニングした。相互作用パートナーの結合ドメインのcDNAを、LexA融合ベ
クターBTM116にクローニングした。このためにアミノ酸1-99のLEF-1、アミノ酸A
la342-Arg465のコンダクチン、アミノ酸His1012-Glu1215 (APC15アミノ酸リピー ト)及びアミノ酸Ser1259-Asp1400(APC20アミノ酸リピート) のヒトAPC及びアミ ノ酸Gln773-Asp884(細胞質ドメイン)のE-カドヘリンを、適当なプライマーPCRで
増幅した。Lex-Aハイブリッドとβカテニン及びその突然変異体との相互作用を 、酵母2ハイブリッド系(プロトコール:「マッチマーカー」[Matchmarker] 、Clontech)のβガラクトシダーゼ・レポーター活性に基づき数量化した(表2及
び図6)。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】βカテニンに対するLEF-1の最小結合ドメインの同定 LEF-1とβカテニンの結合ドメインの一部との相互作用を、酵母2ハイブリッド
系のβガラクトシダーゼ・レポーター活性に基づき分析した。LEF-1のGlu27まで のC末端アミノ酸、及びGly10までのN末端アミノ酸を欠失させても結合活性の消 失をもたらさないが(11-27)、その他の部分の欠失は相互作用を阻害する(11-23、
17-34)。従ってβカテニンに対するLEF-1の最小結合ドメインは17個のアミノ酸(
11-27)からなり、酸性の特徴を有する。Met21からVal56までのLEF-1の部分ドメ インは、βカテニンに対して結合活性を示さない。
【図2】固相酵素免疫検定で示されたβカテニンとLEF-1の結合の阻害によるTC
F-4の最小結合ドメインの特性決定 前記のアミノ酸残基を置換したhTCF-4のN末端の合成ペプチドの、LEF-1とβカ
テニンの相互作用を阻害する能力を検定した。TCF-4のAsp10、Asp15及びAsp22の 酸性アミノ酸残基をアラニンで置換すると、当該のペプチドによる阻害を引き起 こす。Phe20及びLys21の置換も同じ効果がある。欠失法によって14アミノ酸長の
βカテニンに対するTCF-4の酸性最小結合ドメイン(Asp10ないしGlu23)が同定さ れた。
【図3】固相酵素免疫検定で示されたLEF-1の最小結合ドメインからの合成ペプ
チドによる、LEF-1とβカテニンの相互作用の阻害 LEF-1の最小結合ドメイン(10-34)の合成ペプチドは、固相酵素免疫検定でLEF-
1とβカテニンの相互作用を阻害する。4μMのペプチド濃度で複合体形成の50%へ
の減少が測定されたが、アミノ酸Ile35-Val56を有するLEF-1のペプチドは複合体
形成を阻害しない。
【図4】LEF-1の最小結合ドメイン内の酸性アミノ酸残基をフェニルアラニンで
置換すると、βカテニンの細胞核への転位が阻止される。 A.MDCK細胞をLEF-1の野生型及び突然変異体でトランスフェクションし、内生β カテニンの細胞核への転位を免疫蛍光検定により検査した。Asp19、Glu20、Asp26 及びGlu27の酸性アミノ酸残基をアラニンで置換すると、βカテニンの細胞核へ の転位が阻止される。芳香族アミノ酸Phe24の置換も同じ効果がある。Glu14及び
Lys25の置換は転位を阻止しない。矢印は内生βカテニンの免疫検定によるLEF-1
トランスフェクション細胞を標示する。 B.LEF-1及びTCF-4の最小結合ドメインの当該のアミノ酸位置の比較
【図5】LEF-1、APC、コンダクチン及びE-カドヘリンとの相互作用が70%以上減少
するような、βカテニンのアルマジロドメイン内のアラニン突然変異 構造的関連に関する突然変異の所在(ヘリックス1-3、枠の中)を示す。配列中の
アミノ酸の上の数字は、分析可能な突然変異体を表示する。相互作用が70%以上 減少した突然変異体をLEF-1(赤)、APC(青)、コンダクチン(緑)及びE-カドヘリン( 黄)と色でマークした。グレーで下塗りしたアミノ酸は、すべてのリピートで保 存された同一の及び化学的に類似するアミノ酸を表す。
【図6】LEF-1、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンの結合だけを特異的に阻害
するβカテニンのアルマジロドメインの突然変異 それぞれの相互作用の30%未満(赤)又は30-60%(黄)の減少を示す突然変異を有 するアルマジロドメイン・リピート3-8を図示する。矢印はそれぞれの相互作用に
対して特異的な突然変異体を表示する。即ちLEF-1の結合に対してはArg469及びH
is470が、APC(20アミノ酸リピート)に対してはTrp383が、APC(15アミノ酸リピー
ト)に対してはArg386が、コンダクチンに対してはPhe253、Arg274及びTrp338がそ
れである。相互作用は、酵母2ハイブリッド系でβガラクトシダーゼ・レポーター
活性に基づき決定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 C07K 19/00 C07K 19/00 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/543 545Z 33/543 545 A61K 37/02 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA16 BA02 BA23 ZB261 ZB262 4H045 AA10 BA16 BA17 BA18 BA19 BA41 CA40 EA20 FA72 FA74

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】βカテニンと転写因子及び癌抑制遺伝子産物との相互作用に影響
    を及ぼす物質をベースとするヒトの疾患の治療薬。
  2. 【請求項2】βカテニンと転写因子及び癌抑制遺伝子産物との相互作用を阻害
    する物質をベースとするヒトの疾患の治療薬。
  3. 【請求項3】βカテニンと転写因子及び癌抑制遺伝子産物との相互作用を促進
    する物質をベースとするヒトの疾患の治療薬。
  4. 【請求項4】βカテニンとLEF-1の相互作用に影響を及ぼすことを特徴とする 請求項1に記載の治療薬。
  5. 【請求項5】βカテニンとTCF-4の相互作用に影響を及ぼすことを特徴とする 請求項1に記載の治療薬。
  6. 【請求項6】βカテニンとAPC15又はAP20アミノ酸リピートの相互作用に影響 を及ぼすことを特徴とする請求項1に記載の治療薬。
  7. 【請求項7】βカテニンとコンダクチンの相互作用に影響を及ぼすことを特徴
    とする請求項1に記載の治療薬。
  8. 【請求項8】βカテニンとEカドヘリンの相互作用に影響を及ぼすことを特徴 とする請求項1に記載の治療薬。
  9. 【請求項9】LEF-1/TCF-4転写因子の一部を含むペプチド並びにその変異型及
    び突然変異体。
  10. 【請求項10】LEF-1又はTCF-4のN末端領域の10-40アミノ酸長の配列からなる 請求項9に記載のペプチド。
  11. 【請求項11】下記の配列 GDPELCATDEMIPFKDEGDPQKEK のLEF-1のN末端アミノ酸11-34からなる請求項9又は10に記載のペプチド。
  12. 【請求項12】下記の配列 ELCATDEMIPFKDE のLEF-1のN末端アミノ酸14-27からなる請求項9又は10に記載のペプチド。
  13. 【請求項13】下記の配列 GGDDLGANDELISFKDEGEQEEK のTCF-4のN末端アミノ酸7-29からなる請求項9又は10に記載のペプチド。
  14. 【請求項14】下記の配列 DLGANDELISFKDE のTCF-4のN末端アミノ酸10-23からなる請求項9又は10に記載のペプチド。
  15. 【請求項15】疎水性アミノ酸が両末端にある5アミノ酸の酸性アミノ酸と、1個
    の塩基性アミノ酸とを含むことを特徴とする、請求項9ないし14のいずれかに記 載のペプチド。
  16. 【請求項16】前記ペプチドを第2のペプチドと結合し、その上で適当な形で適用
    することを特徴とする、請求項9ないし15のいずれかに記載のペプチドの腫瘍治
    療のための使用。
  17. 【請求項17】第2のペプチドとしてアンテナペディアペプチド RQIEIWFQNRRMEWEE を使用することを特徴とする、請求項16に記載の使用。
  18. 【請求項18】安定性を高めるためにペプチド及び結合領域を修飾することを特 徴とする、請求項16に記載の使用(ペプチドミメティクス[Peputidomimetics]
    )。
  19. 【請求項19】炭素骨格を同じ配列の官能基をもつ炭素骨格と交換することを特 徴とする、請求項16に記載のペプチド及び結合領域の使用(非ペプチドミメティ
    クス)。
  20. 【請求項20】全βカテニン分子に関連し、LEF-1、TCF-4、APC、コンダクチン又
    はE-カドヘリンとの特異的相互作用ドメインの少なくとも1つを含む、βカテニ ン(別紙:表1の配列)のアルマジロドメイン(arm単位3-8)のペプチド及び類 似の分子並びに突然変異体。
  21. 【請求項21】His470及び/又はArg469の領域及びそのフラグメントを含む、請 求項20に記載のβカテニンのペプチド及び結合領域(LEF-1/TCF結合部位)。
  22. 【請求項22】突然変異His470及び/又はArg469を有する、請求項20に記載のβ カテニン突然変異体。
  23. 【請求項23】Trp383の領域及びそのフラグメントを含む、βカテニンのペプチ ド及び結合領域(APC結合部位、20アミノ酸リピート)。
  24. 【請求項24】突然変異Trp383を有する、請求項20に記載のβカテニン突然変異 体。
  25. 【請求項25】Arg386の領域及びそのフラグメントを含む、請求項20に記載のβ カテニンのペプチド及び結合領域(APC結合部位、15アミノ酸リピート)。
  26. 【請求項26】突然変異Arg386を有する、請求項20に記載のβカテニン突然変異 体。
  27. 【請求項27】Arg386、Phe253、Arg274、Trp338の領域及びそのフラグメントを含 む、請求項20に記載のβカテニンのペプチド及び結合領域(コンダクチン結合部
    位)。
  28. 【請求項28】次の突然変異:Arg386、Phe253、Arg274、Trp338のいずれか1つ 又は組合せを有する、請求項20に記載のβカテニン突然変異体。
  29. 【請求項29】ペプチドミメティクス又は非ペプチドミメティクスによって請求 項20ないし28のいずれかから得られる物質の使用。
  30. 【請求項30】腫瘍、組織又は器官損傷例えば脱毛の治療薬の合成のための請求項
    20ないし28のいずれかに記載のペプチド又は類似の分子の使用。
  31. 【請求項31】βカテニンとLEF/TCF、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンの相
    互作用を極めて特異的に阻害又は増強する物質のスクリーニングのための請求項
    20ないし28のいずれかに記載のペプチド及び類似の分子の使用。
  32. 【請求項32】βカテニンとLEF/TCF、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンの相
    互作用を阻害する、請求項20ないし28のいずれかに記載のペプチド及び類似の分
    子の、腫瘍治療のための使用。
  33. 【請求項33】βカテニンとLEF/TCF、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンの相
    互作用を促進する、請求項20ないし28のいずれかに記載のペプチド及び類似分子
    の、組織及び器官の再生(例えば毛髪の成長の促進)のための使用。
  34. 【請求項34】βカテニンとLEF/TCF、APC、コンダクチン又はE-カドヘリンの相
    互作用に影響を及ぼす成分に対するサブスタンスライブラリーの検索のための固
    相酵素免疫検定。
  35. 【請求項35】請求項9ないし15及び20ないし28のいずれかに記載のペプチド、突
    然変異体及び類似の分子を含む、腫瘍治療並びに組織及び器官再生用の物質の同
    定のための請求項35に記載の固相酸素免疫検定。
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