JP2002503967A - ヒレグリン様因子 - Google Patents

ヒレグリン様因子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒレグリンファミリーのメンバーである、新規なHLFタンパク質に関する。詳細には、ヒトHLFタンパク質をコードする単離された核酸分子が提供される。HLFポリペプチドはまた、それらを産生するためのベクター、宿主細胞および組換え方法と同様に提供される。本発明はさらに、HLF活性のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。また、細胞増殖の調節障害を検出するための診断方法、および細胞増殖の調節障害を処置するための治療方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒレグリン様因子 発明の分野 本発明は、ヒレグリンファミリーの新規なメンバーであるポリペプチドをコー ドする、新規なヒト遺伝子に関する。より詳細には、ヒレグリン様因子(本明細 書中では以下、「HLF」と呼ぶ)と命名されたヒトポリペプチドをコードする単 離された核酸分子が提供される。HLFポリペプチドはまた、それらを産生するた めのベクター、宿主細胞および組換え方法と同様に提供される。原発性ガンに関 連する障害を検出するための診断方法、およびこのような障害を処置するための 治療方法もまた提供される。本発明はさらに、HLF活性のアゴニストおよびアン タゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。 発明の背景 erbB2(またはHER2)と名づけられる原ガン遺伝子は、p185erbB2と称される18 5kDaの膜貫通チロシンキナーゼ分子をコードする。このレセプター分子の過剰発 現は、多くのヒトのガン(とりわけ、乳ガン、卵巣ガン、子宮内膜ガン、ファロ ーピウス管ガン、子宮頸ガン、および結腸ガンを含む)における予後の乏しさと 強く相関する(Nowak,F.ら,Exp.Cell Res.231:251-259;1997;Cirisano,F. D.およびKarlan,B.Y.,J.Soc.Gynecol.Investig.3(3):99-105;1996)。ヒレグ リン(HRG)遺伝子のさまざまにスプライシングされた転写産物は、トランスリ ン酸化、またはerbB3およびp180erbB4とのレセプターヘテロダイマー化を介して p185erbB2を間接的に刺激することが見出されている。HRG-aと称される45kDaの タンパク質は、p185erbB2のチロシンリン酸化を特異的に誘導し、そしてヒト乳 房腫瘤細胞株の馴化培地から精製されている(Holmes,W.E.ら,Science 256:12 05-1210;1992)。第2に、新規のHRG遺伝子スプライス産物ではなく新規の遺伝 子の産物であり得る52kDaの関連するHRG分子は、一過性の膜波打ちの誘導、ラメ リポディウム形成、細胞運動性、およびヒト乳ガン細胞の増殖を含む類似の特 性を示すことが同定されている(Kung,W.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun .202(3):1357-1365;1994)。さらに、より最近の研究により、ヒレグリンがp18 5erbB2だけでなくいくつかのさらなるEGFR関連ファミリーのメンバー(erbB3お よびp180erbB4を含む)のチロシンリン酸化を誘導し得るがことが報告された(T zahar,E.ら,J.Biol.Chem.269:25226-25223;1994;Plowman,G.D.ら,Nature 3 66:473-475;1993)。 Lewisら(Cancer Res.56:1457-1465;1996)は、最近、乳房腫瘤細胞株および 卵巣肺瘍細胞株のパネルに対するヒレグリンファミリーのタンパク質の効果につ いて大量の分析を行なった。HRGに対する生物学的応答はまた、EGFに対して、お よび増殖阻害性抗ErbB2抗体4D5に対して比較された。ほぼ全ての場合に、DNA合 成のHRG刺激は、細胞周期の進行および細胞数に対する正の効果と、ならびに軟 寒天中でのコロニー形成の増強と相関した。乳房細胞および卵巣細胞に対するヒ レグリンファミリーのタンパク質の効果に加えて、類似の効果もまた、ヒトのシ ュワン細胞に対して最近観察されている(Levi,A.D.ら,J.Neurosci.15(2):1 329-1340;1995;Morrissey,T.K.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92(5):1431-1 435;1995)。このことは、ヒレグリンファミリーのタンパク質が多数のガンの発 生において重要な役割を果たすことを示唆する。 ヒレグリンファミリーのタンパク質は、少なくとも、ヒレグリン、Neu分化因 子、グリア増殖因子-I、-II、および-III,ならびに筋肉のアセチルコリンレセ プター合成(synthsis)(ARIA)を刺激するタンパク質の多数のスプライス改変 体からなる。このようなポリペプチドが腫瘍形成事象において果たし得る明白な 役割に加えて、これらのタンパク質はまた、Pseudomonas外毒素A融合タンパク 質として、いくつかの乳ガン細胞株の増殖を阻害するため、ならびにマウスに移 植したヒト乳房腫瘤細胞の増殖を遅延させるために開発されている(Jeschke,M .ら,Int.J.Cancer 60:(5):730-739;1995)。 従って、腫瘍形成事象および既存の腫瘍のレギュレーターとして機能するポリ ペプチドについての必要性が存在する。それゆえ、このような障害を検出、予防 、緩和、または矯正する役割を果たし得るこのようなヒトポリペプチドの同定お よび特徴付けについての必要性が存在する。 発明の要旨 本発明は、配列番号2に示される完全なアミノ酸配列、またはアメリカンタイ プカルチャーコレクション(ATCC)に1997年6月19日にプラスミドDNAとして寄託 され、ATCC受託番号209123が割り当てられたcDNAクローンによってコードされる 完全なアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの少なくとも一部をコードするポ リペプチドを含む、単離された核酸分子を提供する。ATCCは、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110-2209に位置する。寄託されたHLFクロー ンを配列決定することにより決定されるヌクレオチド配列(これは、図1Aおよび 1B(配列番号1)に示される)は、157アミノ酸残基の完全なポリペプチドをコ ードするオープンリーディングフレーム(フレームにおいてはヌクレオチド2〜 4位に対応するポリペプチドのアミノ末端においてセリン残基で始まり、そして 約17.7kDaの推定分子量を有する)を含む。本発明の核酸分子は、配列番号2に 示される完全なアミノ酸配列、またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクロー ンによってコードされる完全なアミノ酸配列をコードする核酸分子(この分子は またHLFアミノ酸配列のN末端に融合されたさらなるアミノ酸配列をコードし得 る)を含む。 本発明のHLFタンパク質は、以下の保存されたドメインを含む、ヒレグリンに ついてのヒトmRNAの翻訳産物(図2;配列番号3)との配列相同性を共有する: (a)約101アミノ酸の推定細胞外ドメイン;(b)約19アミノ酸の推定膜貫通 ドメイン、および(c)約35アミノ酸の推定細胞内ドメイン。ヒレグリンは、腫 瘍形成において重要であると考えられる。ヒレグリンとHLFとの相同性は、HLFが また、腫瘍形成に関与し得ることを示す。 従って、本発明の1つの局面は、以下からなる群より選択されるヌクレオチド 配列を含むポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する:(a)配列 番号2(すなわち、配列番号2の1位〜157位)の完全なアミノ酸配列、またはA TCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ 酸配列を有するHLFポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;(b)配列 番号2(すなわち、配列番号2の1位〜101位)の、またはATCC受託番号209123 に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミノ配列を有するHLFポ リペプチドの推定細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(c)配列番 号2(すなわち、配列番号2の102位〜121位)の、またはATCC受託番号209123に 含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミノ配列を有するHLFポリ ペプチドの推定膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列;(d)配列番号 2(すなわち、配列番号2の122位〜157位)の、またはATCC受託番号209123に含 まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミノ配列を有するHLFポリペ プチドの推定細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;(e)細胞外ドメ インおよび細胞内ドメインを有するが、膜貫通ドメインを欠く可溶性HLFポリペ プチドをコードする、ヌクレオチド配列;および(f)上記の(a)〜(e)の ヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。 本発明のさらなる実施態様は、上記の(a)〜(f)のヌクレオチド配列のい ずれかに対して少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96 %、97%、98%、もしくは99%同一なヌクレオチド配列(もしくは別の方法で述 べた場合、最大10%異なる、そしてより好ましくは5%、4%、3%、2%、も しくは1%異なる、ヌクレオチド配列)を有するポリヌクレオチド、またはスト リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で上記の(a)〜(f)のポリヌ クレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子 を含む。このハイブリダイズするポリヌクレオチドは、ストリンジェントなハイ ブリダイゼーション条件下でA残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド 配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸 の実施態様は、上記の(a)〜(e)のアミノ酸配列を有する、HLFポリペプチ ドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単 離された核酸分子に関する。 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、および組 換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細胞を作 製する方法、ならびに組換え技術によるHLFポリペプチドまたはペプチドの産生 のためにこれらを用いる方法に関する。 本発明はさらに、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離され たHLFポリペプチドを提供する:(a)配列番号2に示される完全なアミノ酸配 列(すなわち、配列番号2の1位〜157位)、またはATCC受託番号209123に含ま れるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するHLFポリペ プチドのアミノ酸配列;(b)配列番号2(すなわち、配列番号2の1位〜101 位)に示されるかまたはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコ ードされる通りのアミノ配列を有するHLFポリペプチドの推定細胞外ドメインの アミノ酸配列;(c)配列番号2(すなわち、配列番号2の102位〜121位)に示 されるかまたはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされ る通りのアミノ配列を有するHLFポリペプチドの推定膜貫通ドメインのアミノ酸 配列;(d)配列番号2(すなわち、配列番号2の122位〜157位)に示されるか またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りの アミノ配列を有するHLFポリペプチドの推定細胞内ドメインのアミノ酸配列;お よび(e)細胞外ドメインおよび細胞内ドメインを有するが、膜貫通ドメインを 欠く可溶性HLFポリペプチドのアミノ酸配列。本発明のポリペプチドはまた、上 記の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載されるアミノ酸配列 に対して少なくとも80%同一(もしくは最大20%異なる)、より好ましくは少な くとも90%同一(もしくは最大10%異なる)、そしてさらにより好ましくは95% 、96%、97%、98%、もしくは99%同一なアミノ酸配列(もしくは5%、4%、 3%、2%、もしくは1%異なる、アミノ酸配列)を有するポリペプチド、なら びに上記のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の類似性、およびより好ましく は少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。 本発明のこの局面のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、( d)、または(e)に記載されるアミノ酸配列を有する、HLFポリペプチドのエ ピトープ保有部分のアミノ酸配列を含む、ペプチドまたはポリペプチドに関する 。本発明のHLFポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプ チドまたはポリペプチドは、少なくとも6または7個、好ましくは少なくとも9 個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸〜約50個のアミノ酸を有 する、このようなポリペプチドの部分を含むが、上記の本発明のポリペプチドの 全アミノ酸配列までの任意の長さおよびこれを含むエピトープ保有ポリペプチ ドもまた、本発明に含まれる。 別の実施態様では、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、また は(e)に記載されるアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドに特異的に結合す る単離された抗体を提供する。本発明はさらに、本明細書中に記載される通りの アミノ酸配列を有するHLFポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するため の方法を提供する。このような抗体は、下記の通りに診断的または治療的に有用 である。 本発明はまた、例えば、多くの型のガンを処置するために用いられ得るHLFポ リペプチド、特にヒトのHLFポリペプチドを含む薬学的組成物を提供する。HLFポ リペプチドが必要な個体を処置する方法もまた提供される。 本発明はさらに、インビトロの細胞、エクスビボの細胞、およびインビボの細 胞、または多細胞生物への投与のためのHLFポリヌクレオチドまたはHLFポリペプ チドを含む組成物を提供する。本発明のこの局面の特に好ましい特定の実施態様 では、組成物は、疾患の処置のための、宿主生物におけるHLFポリペプチドの発 現のためのHLFポリヌクレオチドを含む。これに関して特に好ましいのは、HLFの 異常な内在活性に関連する機能不全の処置のための、ヒト患者における発現であ る。 本発明はまた、HLFポリペプチドの生物学的活性を増強または阻害し得る化合 物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。この方法は、HLFポリペプ チドにより阻害または増強されるレセプターを、HLFポリペプチドの存在下で候 補化合物と接触させる工程、候補化合物およびHLFポリペプチドの存在下におけ るレセプターおよび/もしくは対応するシグナル伝達カスケードにおいて下流で ある他の分子のチロシンリン酸化状態の変化をアッセイする工程、ならびにレセ プター活性化状態を標準レベルと比較する工程(標準は、接触がレセプターとの 間で、そしてHLFポリペプチドの存在下および候補化合物の非存在下で行なわれ る場合にアッセイされる)を包含する。このアッセイでは、標準を超えるレセプ ター活性化状態の増加は、候補化合物がHLF活性のアゴニストであり、そして標 準と比較したレセプター活性化状態の減少は、化合物がHLF活性のアンタゴニス トであることを示す。 別の局面では、レセプターへのHLF結合に対して候補化合物が有する効果を決 定する工程を包含する、アゴニストおよびアンタゴニストについてのスクリーニ ングアッセイが提供される。詳細には、この方法は、レセプターを、HLFポリペ プチドおよび候補化合物と接触させる工程、およびレセプターに対するHLFポリ ペプチドの結合が候補化合物の存在に起因して増加するかまたは減少するかを決 定する工程を包含する。このアッセイでは、標準の結合を超えるHLFの結合の増 加は、候補化合物がHLF結合活性のアゴニストであることを示し、そして標準に 比較したHLF結合の減少は、化合物がHLF結合活性のアンタゴニストであることを 示す。 HLFは扁桃、脳全体、および初代乳房培養組織においてのみ発現されることが 発見されている。それゆえ、本発明の核酸は、生物学的サンプル中に存在する組 織または細胞型の差示的同定のためのハイブリダイゼーションプローブとして有 用である。同様に、これらのポリペプチドに対するポリペプチドおよび抗体は、 組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供するために有用 である。さらに、上記の(特に、神経系の)組織または細胞の多くの障害につい ては、「標準」のHLF遺伝子発現レベル(すなわち、神経系の障害を有さない個 体からの健常組織におけるHLF発現レベル)に対して顕著に高いかまたは低いレ ベルのHLF遺伝子発現は、このような障害を有する個体から採取された特定の組 織(例えば、ガン性および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑 液、もしくは脊髄液)において検出され得る。従って、本発明は、このような障 害の診断の間に有用な診断方法を提供する。この方法は以下の工程を包含する: (a)個体の細胞または体液におけるHLF遺伝子の発現レベルをアッセイする工 程:(b)HLF遺伝子の発現レベルを、標準のHLF遺伝子の発現レベルと比較し、 それによって標準の発現レベルと比較して、アッセイされたHLF遺伝子の発現レ ベルの増加または減少は、神経系における障害を示す、工程。 本発明のさらなる局面は、身体におけるHLF活性のレベルの増加が必要な個体 を処置する方法に関する。この方法は、このような個体に、本発明の単離された HLFポリペプチドまたはそのアゴニストの治療有効量を含有する組成物を投与す る工程を包含する。 本発明のなおさらなる局面は、身体におけるHLF活性のレベルの減少が必要な 個体を処置するための方法に関する。この方法は、このような個体に、HLFアン タゴニストの治療有効量を含有する組成物を投与する工程を包含する。本発明に おいて使用するのに好ましいアンタゴニストは、HLF特異的抗体である。 図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、HLFのヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸 配列(配列番号2)を示す。多くの他のEGF様ポリペプチドにおいて保存される 細胞外上皮増殖因子(EGF)ドメインを、図1Aおよび1Bにおいて下線を付す。 図2は、コンピュータープログラムBestfit(Wisconsin Sequence Analysis P ackage,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)によってデフォールトパラメ ーターを用いて決定した、HLFタンパク質と、ヒレグリンについてのヒトmRNAの 翻訳産物(配列番号3)とのアミノ酸配列間の同一性の領域を示す。 図3は、HLFアミノ酸配列の分析を示す。α、β、ターン、およびコイル領域 ;親水性および疎水性;両親媒性領域;可撓性領域;抗原性指数、および表面確 率が示されている。「抗原性指数−Jameson-Wolf」のグラフにおいて、正のピー クは、HLFタンパク質の高度に抗原性の領域(すなわち、本発明のエピトープ保 有ペプチドが得られ得る領域)の位置を示す。 図4は、HLFタンパク質の組換えEGFドメイン(図中では「H」と称する;実施 例5に記載される通り)の生化学的活性を示す。この図は、HLFタンパク質の組 換えEGFドメインまたは組換えヒレグリンで処理したかまたは偽処理した培養物 から調製されるMCF-7細胞溶解物のウェスタンブロットを示す。このブロットを 抗ホスホチロシンモノクローナル抗体で免疫ブロットした。 図5は、EGF/ヒレグリンファミリーの増殖因子およびNRG-3新規配列のアミノ 酸配列を示す。EGFドメインの基本構造を規定するシステイン(C)および高度 に保存されたアミノ酸を太字で示す。列挙したのは、トランスフォーミング増殖 因子(TGF)- α(配列番号11);上皮増殖因子(EGF;配列番号12);ヘパリン 結合EGF(HB-EGF;配列番号13);アンフィレグリン(amphiregulin)(Amph; 配列番号14);b-セルリン(b-Cell;配列番号15);ニューレグリン(neuR;配 列番号16);ヒトヒレグリン1-a(Hrga1;配列番号17)および1-b(HRGb1;配列 番号18);ヒレグリン関連遺伝子(HRG)-2(配列番号19);および本発明のHLF のアミノ酸29〜80(配列番号2のアミノ酸29〜80)のEGF様ドメインについての 配列である。 詳細な説明 本発明は、クローニングされたcDNAを配列決定することにより決定された、配 列番号2に示されるアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドをコードするポリヌ クレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。図1Aおよび1Bに示されるヌ クレオチド配列(配列番号1)は、アメリカンタイプカルチャーコレクション, 12301 Park Lawn Drive,Rockville,Maryland 20852(ATCCは現在10801 Univer sity Boulevard,Manassas,Virginia 20110-2209に位置する)に1997年6月19日 に寄託され、そしてATCC受託番号209123が与えられたHAGFE38クローンを配列決 定することによって得られた。寄託されたクローンは、pBluescript SK(-)プラ スミド(Stratagene,La Jolla,CA)に含まれている。 本発明のHLFタンパク質は、ヒレグリンについてのヒトmRNAの翻訳産物との配 列相同性を共有する(図2;配列番号3)。ヒレグリンは、細胞表面レセプター のerbBファミリーの活性化経路において重要な分子であると考えられる。ヒレグ リンおよび関連するリガンド分子、ならびにerbBファミリーのレセプター分子の 変化した発現は、しばしば、細胞増殖および最終的には腫瘍形成の調節の喪失を 導き得る。例えば、neu分化因子(NDF)は、ヒレグリンおよびHLFの両方のホモ ログである。NDFは、シュワン細胞前駆体の生存、増殖、および成熟を調節する ことが観察されている、ニューロン/グリア特異的シグナル伝達分子である(Do ng,Z.ら,Neuron 15:585-596;1995;Marchionni,M.A.ら,Nature 362:312-318 ;1993)。HLFは、同じヒレグリンファミリーのメンバーのタンパク質であり、 そして少なくとも、ヒレグリンおよびNDFについて上記で記載した活性と類似の 活性を有する。 核酸分子 他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定 されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied B iosystems,Inc.,Foster City,CAからのModel 373)を用いて決定され、そして 本明細書中で決定されるDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべての アミノ酸配列は、上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって推定された。 従って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該 分野において公知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列は いくつかの誤差を含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配 列決定されるDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくと も約90%同一(すなわち10%相違)、より代表的には少なくとも約95%から少な くとも約99.9%同一(すなわち多くとも約5%から多くとも約0.1%相違)であ る。実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のア プローチによってさらに正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のよう に、実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入ま たは欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを引き起こし、そ の結果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる推定アミノ酸配列は 、配列決定されるDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に 異なる。このような差異は、このような挿入または欠失の点にて始まる。 核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」によって、DNA分子 またはポリヌクレオチドについてはデオキシリボヌクレオチドの配列、およびRN A分子またはポリヌクレオチドについては対応するリボヌクレオチド(A,G, CおよびU)の配列(ここで、特定したデオキシリボヌクレオチド配列中のそれ ぞれのチミジンデオキシリボヌクレオチド(T)がリボヌクレオチドウリジン(U )により置換される)が、意図される。 本明細書中に提供した情報、例えば、図1Aおよび1B(配列番号1)のヌクレオ チド配列を使用して、HLFポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、標準 のクローニングおよびスクリーニング手順(例えば、出発物質としてmRNAを使用 してcDNAをクローン化する手順)を使用して入手され得る。本発明の実例として 、 図1Aおよび1B(配列番号1)に記述される核酸分子は、ヒト扁桃由来のcDNAライ ブラリー中に発見された。 図1Aおよび1B(配列番号1)のHLF cDNAの決定されたヌクレオチド配列は、15 7アミノ酸残基のタンパク質(図1A(配列番号1)中のヌクレオチド配列のヌク レオチド2-4位のアミノ末端セリンコドン、および約17.7KDaの推定分子量を有す る)をコードするオープンリーディングフレームを含む。配列番号2中に示され るHLFタンパク質のアミノ酸配列は、ヒレグリンのヒトmRNA(図2)に約32.7% 同一である。ヒトヒレグリンのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、Holmesまた は共同研究者により報告されている(Science 256:1205-1210;1992;GenBank登録 番号M94166)。 HLF遺伝子のオープンリーディングフレームは、ヒレグリンのヒトmRNA(図2 ;配列番号3)(約67アミノ酸(配列番号2のアミノ酸26-93)の、HLF中の保存 性EGFドメインを含む)の翻訳産物と配列相同性を共有する。ヒレグリンは細胞 表面レセプターのerbBファミリーの活性化部位の調節に、細胞増殖制御の調節に 、および究極的には腫瘍形成の調節に重要であると考えられる。ヒレグリンとHL Fとの間の相同性は、HLFもまた細胞表面レセプターのerbBファミリーの活性化部 位の調節に、細胞増殖制御の調節に、および究極的には脛瘍形成の調節に関与し 得ることを示す。 当業者が認識するように、上記に議論した配列決定エラーの可能性が原因で、 寄託したcDNAによりコードされる実際の完全なHLFポリペプチドは、約157アミノ 酸を構成するが、いくらか長いまたは短い可能性がある。より一般的に、この実 際のオープンリーディングフレームは、図1A(配列番号1)中に示されるN末端 のセリンコドンから推定されたものの、±100アミノ酸、±20アミノ酸の範囲、 より好ましくは±10アミノ酸の範囲のいずれかであり得る。様々な機能的なドメ インを同定するために使用される分析用判定基準に依存して、HLFポリペプチド の細胞外、EGF、膜貫通、および細胞内のドメインの正確な「アドレス」は、上 記の推定位置とは僅かに異なり得ることがより認識される。例えば、配列番号2 中のHLF EGFドメインの正確な位置は、このドメインを定義するために使用する 判定基準に依存して僅かに変動し得る(例えばこのアドレスは、約1〜約20残基 、 より好ましくは約1〜約5残基「シフト」し得る)。この場合には、膜貫通ドメ インの末端およびEGFドメインの開始部は、図1Aに示される様に、配列番号2の3 5、43、49、62、64および73位の保存性システイン残基の同定に基づいて推定さ れた。いかなる場合にも、以下でさらに議論される様に、本発明は完全なポリペ プチドのN末端から様々な残基が欠失したポリペプチドをさらに提供するが、こ れは本明細書中に記述される細胞外のEGFドメインのN末端から1つ以上のアミノ 酸を欠くポリペプチドを含んでおり、これは、HLFタンパク質の細胞外EGFドメイ ンの可溶性形態を構成する。 リーダー配列および成熟配列 さらに、タンパク質が分泌リーダー並びにリーダー配列の切断点を有するかど うかを推定するための方法が利用できる。例えば、McGeoch(Virus Res.3:271-28 6;1985)の方法では、完全な(非切断の)タンパク質の短いN末端荷電領域およ び直ぐ後の非荷電領域からの情報が使用される。von Heinjeの方法(Nucleic Aci ds Res.14:4683-4690;1986)では、切断部位の周囲の残基(代表的には、残基-13 〜+2、ここで、+1は成熟タンパク質のアミノ末端を示す)からの情報が使用 される。各これらの方法に関して既知の哺乳動物分泌タンパク質の切断点を推定 する精度は、75〜80%の範囲にある(von Heinje、前出)。しかしこの2つの方 法は、所定のタンパク質に関して同じ推定切断点を常に生じるとは限らない。 この場合、完全なHLFポリペプチドの推定アミノ酸配列は、京都大学、化学研 究所(Nakai,K.およびKanehisa,M.,Genomics 14:897-911;1992)のKenta Nakai博 士、より入手可能なコンピュータープログラムPSORTにより解析された。PSORTは アミノ酸配列に基づくタンパク質の細胞位置を推定するための専門システムであ る。局在化のこのコンピューター推定の一環として、McGeochおよびvon Heinje の方法が取りこまれる。このプログラムによるHLFアミノ酸配列の解析は、配列 番号2に示されるHLFアミノ酸配列に関連したN末端シグナル配列が存在しない ようであること、および配列番号2に示すとおり、HLF分子はIb型膜タンパク質 であるようであることを示した。 示されたとおり、本発明の核酸分子は、RNAの形態(例えばmRNA)で、またはD NAの形態(例えば、クローニングにより入手または合成的に生産されるcDNAおよ びゲノムDNAを含む)であり得る。このDNAは二本鎖または一本鎖であり得る。一 本鎖DNAまたはRNAは、センス鎖(sense strand)としても知られるコード鎖(codin g strand)であり得、またはアンチセンス鎖(anti-sense strand)とも呼ばれる非 コード鎖(non-coding strand)であり得る。 「単離された」核酸分子によって、ネイティブな環境から取り出された核酸分 子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分 子は、本発明の目的のために単離されていると考えられる。単離されたDNA分子 のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶 液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子 は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明 に従う単離された核酸分子は、合成的に生成されたような分子をさらに含む。 本発明の単離された核酸分子としては、図1A(配列番号1)に示されるヌクレ オチド配列の2〜4位のセリンコドンとインフレームで始まるオープンリーディ ングフレーム(ORF)を含むDNA分子が挙げられる。 さらに、本発明の単離された核酸分子としては、上記の配列とは実質的に異な るが、遺伝コードの縮重により、なおHLFタンパク質をコードする配列を含むDNA 分子が挙げられる。もちろん、遺伝コードおよび種特異的コドン優先度は、当該 分野で周知である。従って、例えば、特定の宿主に関してコドン発現を至適化す る(例えば、ヒトmRNA中のコドンをE.coliのような細菌宿主に好ましいコドンに 変更する)ために上記の縮重改変体を生成することは当業者にとって日常的であ る。 別の局面において、本発明は、1997年6月19日にATCC受託番号209123として寄 託されたプラスミド中に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列 を有するHLFポリペプチドをコードしている単離した核酸分子を提供する。 本発明は、図1Aおよび1B(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列もしくは 上記の寄託クローンに含まれるHLF cDNAのヌクレオチド配列を有する単離された 核酸分子、または上記の配列の1つに相補的な配列を有する核酸分子をさらに提 供する。このような単離した分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイチュハ イブリダイゼーションによる遺伝子地図作成に使用するプローブとして、および ヒト組織のHLF遺伝子の発現を(例えば、ノーザンブロット解析によって検出す るために)有用である。 本発明はさらに、本明細書中に記述されるヌクレオチド配列の一部をコードす る核酸分子、並びに本明細書中に記述した単離した核酸分子のフラグメントに関 する。特に本発明は、配列番号1の1〜2199位からなる配列番号1の一部を表し ているヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを提供する。 さらに本発明は、以下の関連cDNAクローンHAGFE38Rから決定した配列番号1の 一部に関連したヌクレオチド配列を有する核酸分子を提供する。 さらに本発明には、配列番号1の残基約1〜約220および約400〜2199のうちの 少なくとも約30ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドの任意の 部分を含むポリヌクレオチドが含まれる。より好ましくは、本発明には、ヌクレ オチド残基1〜2199、1〜1500、1〜1000、1〜500、1〜250、250〜2199、250 〜1500、250〜1000、250〜500、500〜2199、500〜1500、500〜1000、1000〜2199 、および1000〜1500を含んでいるポリヌクレオチドが含まれる。 より一般的には、寄託したcDNAのヌクレオチド配列または図1Aおよび1B(配列 番号1)に示されるヌクレオチド配列を有する単離した核酸分子のフラグメント により、本明細書中に議論したような診断プローブおよびプライマーとして有用 である、少なくとも約15nt、より好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ま しくは少なくとも約30nt、なおより好ましくは少なくとも約40nt長のフラグメン トが意図される。もちろん、50〜300nt長のより大きなフラグメントもまた、本 発明によって有用である。なぜなら寄託したcDNAの、または図1Aおよび1B(配列 番号1)に示したヌクレオチド配列の全てではないとしても、ほとんどに対応す るフラグメントである。例えば、少なくとも20nt長のフラグメントにより、寄託 したcDNAのヌクレオチド配列または図1Aおよび1B(配列番号1)に示される通り のヌクレオチド配列からの20以上の連続した塩基を含むフラグメントが意図され る。本発明の好ましい核酸フラグメントは、図3に同定したようにおよび以下に より詳細に記述した様にHLFポリペプチドのエピトープ保有部分をコードする核 酸分子を含む。本発明の好ましい核酸フラグメントはまた、図3に、または図3 に示したデータの図表示中に同定したようなHLFポリペプチドのGarnier-Robson および/もしくはChou-Fasmanのα、βおよび/もしくはターン領域、Garnier-R obsonのコイル領域、Kyte-Doolittleの親水性領域、Hopp-Woodsの疎水性領域、E isenbergのαおよび/もしくはβ両親媒性領域、Karplus-Schulzの可撓性領域、 Jameson-Wolfの抗原性領域、ならびに/またはEminiの表面確率領域をコードす る核酸分子を含む。 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条 件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC受託番号209123に含まれるcDNA クローン、または例えば上述の任意の特異的なHLFポリヌクレオチドフラグメン ト(限定されない例はChou-Fasmanのαターン領域))中のポリヌクレオチドの 一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供す る。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」によって、以下を含む 溶液中での42℃での一晩のインキュベーション、続いて約65℃での0.1×SSC中で のフィルターの洗浄が意図される:50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、1 5mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶 液、10%デキストラン硫酸、および20μg/mlの変性剪断サケ精子DNA、。 ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって 、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好まし くは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらに より好ましくは約30〜70(例えば50)ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド (DNAまたはRNAのいずれか)が意図される。これらは、先に議論し、そして以下 でより詳細に議論されるような診断用プローブおよびプライマーとして有用であ る。 例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの一部により、参照ポリヌ クレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図1Aおよび1B (配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列)由来の20以上の連続したヌ クレオチドが意図される。もちろん、ポリA配列(例えば図1B(配列番号1)に 示されるHLF cDNAの3'末端ポリ(A)トラクト(tract))のみに、またはT(も しくはU)残基の相補的なストレッチ(stretch)にハイブリダイズするポリヌク レオチドは、本発明の核酸の一部にハイブリダイズするために使用される本発明 のポリヌクレオチドに含まれない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、 ポリ(A)ストレッチを含む任意の核酸分子またはその相補体(例えば実用的に 任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズするからである。 示されるように、HLFポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、それ自 体完全なポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子;および完全なポリ ペプチドおよび追加配列のコード配列、例えば追加分泌リーダー配列(例えばプ レ、またはプロ、またはプレプロタンパク配列)をコードする核酸分子を含み得 るがこれに限定されない。 本発明の核酸によって、例えば、イントロンおよび非コード5'および3'配列( 転写、mRNAプロセシングにおいて役割(例えばリボソーム結合およびmRNAの安定 性)を演じる転写非翻訳配列(例えば、スプライシングおよびポリアデニル化シ グナルを含む)を含むがこれらに限定されない追加の非コード配列;追加アミノ 酸をコードする追加コード配列、例えば追加の機能性を提供するものとともに上 記のタンパク質配列もまたコードされる。 従って、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば、融合ポリ ペプチドの精製を促進するペプチドをコードする配列)と融合され得る。本発明 のこの局面のある好ましい実施態様について、このマーカーアミノ酸配列は、と りわけ、ヘキサヒスチジンペプチド、例えば、pQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)に提供されるタグ(多くのものは市販され ている)である。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821-824(1989)中に記 述されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは融合タンパク質の簡便な精製のた めに提供される。「HA」タグはインフルエンザ血球凝集素タンパク質(これはWi lsonらによりCell 37:767(1984)に記述されている)に由来するエピトープと対 応する精製に有用な別のペプチドである。以下に議論するように、他のこのよう な融合タンパク質は、NまたはC末端でFcに融合したHLFを含む。 改変体および変異体ポリヌクレオチド 本発明はさらに、本発明の核酸分子の改変体に関係し、これはHLFタンパク質 の一部、アナログまたは誘導体をコードする。改変体は、天然の対立遺伝子改変 体のように自然に発生し得る。「対立遺伝子改変体」により、生物の染色体上の 所定の遺伝子座を占有する遺伝子の幾つかの代替形態のひとつが意図される。Ge nes 11,Lewin,B.編、John Wiley & Sons,New York(1985)。天然発生でない改変 体は、当該分野において既知の変異誘発技術を使用して産出され得る。 このような改変体は、ヌクレオチドの置換、欠失または付加により生成した改 変体を含む。置換、欠失または付加は1つ以上のヌクレオチドを含み得る。この 改変体は、コード領域、非コード領域または両方で変更され得る。コード領域で の変化は、保存性または非保存性のアミノ酸の置換、欠失または付加を生成し得 る。これらの中で特に好ましいものは、サイレントな置換、付加および欠失であ り、これはHLFタンパク質またはその一部の特性および活性を変化させない。こ の関連でまた特に好ましいものは、保存的置換である。 最も高度に好ましいものは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するタン パク質のEGFドメイン、または寄託したcDNAクローン(配列番号1のヌクレオチ ド77〜280)によりコードされるHLFアミノ酸配列のEGFドメインをコードする核 酸分子である。 従って、本発明の1つの局面は、以下よりなる群から選択されたヌクレオチド 配列をもつポリヌクレオチドを含む単離され核酸分子を提供する;(a)配列番号 2の完全なアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の1〜157位)またはATCC受託 番号209123に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全なアミノ酸配列を有 するHLFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号2(すなわち 、配列番号2の1〜101位)の、またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクロ ーンによりコードされるとおりのアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの推定 細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(c)配列番号2(すなわち、配 列番号2の102〜121位)の、またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローン によりコードされるとおりのアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの推定膜貫 通ドメインをコードするヌクレオチド配列;(d)配列番号2(すなわち、配列番 号2の122〜157位)の、またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによ りコードされるとおりのアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの推定細胞内ド メ インをコードするヌクレオチド配列;(e)細胞外および細胞内ドメインを有する が膜貫通ドメインを欠く可溶性HLFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列 ;ならびに(f)上記(a)〜(e)の任意のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド 配列。 本発明のさらなる実施態様には、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f) の任意のヌクレオチド配列に、少なくとも90%同一、およびより好ましくは少な くとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を有するポ リヌクレオチド、または上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f)のポリヌク レオチドにストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子が含まれる。ハイブリダイズす るこのポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド 配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション 条件下でハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸実施態様は、上記の(a) 、(b)、(c)、(d)もしくは(e)のアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドのエピト ープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核 酸分子に関係する。 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクターに、および この組換えベクターを含む宿主細胞に、並びにこのようなベクターおよび宿主細 胞を作製する方法、ならびに組換え技術によりHLFポリペプチドまたはペプチド を生成するためにそれらを使用する方法に関連する。 HLFポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも9 5%「同一の」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、そのポリ ヌクレオチドのヌクレオチド配列が、HLFポリペプチドをコードする参照ヌクレ オチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異をポリヌクレオチド配 列が含み得ることを除いて、参照配列に同一であることが意図される。換言すれ ば、参照ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有す るポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオチドが 欠失され得るか、もしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参照配列 において全ヌクレオチドの5%までの多くのヌクレオチドが、参照配列中に挿入 され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末 端位置において、または参照配列中のヌクレオチド間で個々に、もしくは参照配 列内の1つ以上の連続した基のいずれかに散在されて、これらの末端位置の間の 任意の位置で生じ得る。 実際問題として、任意の特定の核酸分子が例えば図1Aおよび1Bに示されるヌク レオチド配列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90 %、95%、96%、97%、98%または99%同一(または多くとも10%、5%、4% 、3%、2%または1%相違)であるかどうかは、Bestfitプログラム(Wisconsi n Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,U niversity Research Park,575 Science Drive,Madison,WI53711)のような既知の コンピュータープログラムを使用して従来どおり決定され得る。Bestfitは、Smi thおよびWaterman,Advances in Applied Mathematics 2:482-489(1981)の局所 的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の最も相同性の高いセグメントを 見出す。Bestfitまたは任意の他の配列整列プログラムを使用して、特定の配列 が本発明による参照配列に、例えば95%同一であるか否かを決定する場合、当然 のことながらパラメーターは、同一性の百分率が、参照ヌクレオチド配列の全長 にわたって計算されるように、そして参照配列の総ヌクレオチド数の5%までの 相同性におけるギャップが許容されるように設定される。 例えば、本発明の参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%「同一」(または5 %相違)のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにより、このポリヌクレ オチド配列が、HLFポリヌクレオチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100 ヌクレオチド毎に5つ迄の点変異を含みうることを除いて、このポリヌクレオチ ドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることが意図される。換言すれば、 参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌ クレオチドを得るために、参照配列における5%迄のヌクレオチドが欠失され得 るかまたは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参照配列の全ヌクレオチ ドの5%迄の多くのヌクレオチドが参照配列中に挿入されうる。問合せ配列(que ry sequence)は、配列番号1に示される配列全体、ORF(オープンリーディング フレーム)、または本明細書中に記述のとおりに特定された任意のフラグメント であり得る。 実際問題として、任意の特定の核酸分子またはポリペプチドが本発明のヌクレ オチド配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一(または 多くとも10%、5%、4%、3%、2%または1%相違)であるかは、既知のコ ンピュータープログラムを使用して従来どおり決定されうる。問合せ配列(本発 明の配列)と対象配列(subject sequence)との間で最善の全体にわたるマッチン グを決定する好ましい方法はまた、包括的配列整列と呼ばれるが、Brutlagら(C omp.App.Bioscl.(1990)6:237-245)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータ ープログラムを使用して決定されうる。配列整列において、問合せ配列および対 象配列は共にDNA配列である。RNA配列はUをTに変えて比較し得る。上前の包括 的配列整列の結果は同一性のパーセントである。DNA配列のFASTDB整列中で使用 され、同一性パーセントを計算する好ましいパラメーターは以下の通りである: マトリックス(Matrix)=ユニタリ、K-tuple=4、ミスマッチペナルティー(Mism atch Penalty)=1、連結ペナルティー(Joining Penalty)=30、無作為化基長(R andomization GroupLength)=0、カットオフスコア(Cutoff Score)=1、ギャ ップペナルティー(Gap Penalty)=5、ギャップサイズペナルティー(Gap Size P enalty)=0.05、ウィンドウサイズ(Window Size)=500、または対象ヌクレオチ ド配列の長さのいずれか短い方。 対象配列が、内部欠失のためではなく、5'または3'欠失のため問合せ配列より も短いとき、結果に対して手動修正がなされるべきである。これは同一性パーセ ントを計算する場合、FASTDBプログラムは対象配列の5'または3'切断を考慮しな いからである。問合せ配列に対して、5'または3'末端で切断された対象配列につ いては、同一性パーセントは、対象配列の5'または3'側であるマッチング/整列 していない問合せ配列の塩基数を問合せ配列の全塩基のパーセントとして計算す ることによって修正される。ヌクレオチドがマッチング/整列しているかどうか は、FASTDB配列整列の結果により決定される。次にこの百分率は、最終同一性パ ーセントスコアに達するために特定パラメーターを使用して、上記のFASTDBプロ グラムにより計算された同一性パーセントから差し引かれる。この修正されたス コアは、本発明の目的のために用いられるものである。問合せ配列とマッチング /整列しない、対象配列の5'および3'塩基の外側の塩基のみ、FASTDB整列により 表されるように、同一性パーセントスコアを手で調整する目的で計算される。 例えば、90塩基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために、100塩基 の問合せ配列に対して整列される。対象配列の5'末端で欠失がおこり、そのため 、FASTDB整列は、5'末端の最初の10塩基のマッチング/整列を示さない。この10 個の対合しない塩基は、配列の10%(5'および3'末端でマッチングしない塩基の 数問合せ配列の全塩基数)を表し、よって10%は、FASTDBプログラムにより計算 された同一性パーセントスコアから差し引かれる。残りの90塩基が完全に適合す るなら、最終同一性パーセントは90%である。別の例では、90塩基の対象配列は 、100塩基の問合せ配列と比較される。このとき欠失は内部欠失であるから、問 合せ配列とマッチング/整列しない塩基は対象配列の5'または3'上にない。この 場合、FASTDBにより計算された同一性パーセントは手修正されない。もう一度、 問合せ配列とマッチング/整列しない対象配列の5'および3'塩基のみ手修正され る。他の手修正は本発明の目的のためには行われない。 本出願は、図1Aおよび1B(配列番号1)に示される核酸配列または寄託された cDNAの核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一(ま たは多くとも10%、5%、4%、3%、2%または1%相違)である核酸分子に 関し、それらがHLF活性を有するポリペプチドをコードするか否かとは無関係で ある。これは、特定の核酸分子がHLF活性を有するポリペプチドをコードしない 場合でさえ、当業者はなお、例えばハイブリダイゼーションプローブまたはポリ メラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーのような核酸分子の使用方法を知っている からである。HLF活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の 使用としては、とりわけ、以下が挙げられる:(1)cDNAライブラリーにおけるHLF 遺伝子またはその対立遺伝子改変体の単離;(2)VermaらHuman Chromosomes:A Ma nual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)に記載されていると おりの、HLF遺伝子の正確な染色体位置を提供するための中期染色体展開物への インサイチュハイブリダイゼーション(例えば、「FISH」);および特定の組織 でのHLF mRNA発現を検出するためのノーザンブロット解析。 しかし、図1Aおよび1B(配列番号1)に示される核酸配列または寄託されたcD NAの核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一(また は多くとも10%、5%、4%、3%、2%または1%相違)の配列を有する核酸 分子であって、これは実際HLFタンパク質活性をもつポリペプチドをコードする 核酸分子が好ましい。「HLF活性を有するポリペプチド」により、特定の生物学 的アッセイによって測定した場合に、本発明のHLFタンパク質の全長もしくは可 溶性EGFドメインの活性に類似するが同一である必要はない活性を提示するポリ ペプチドが意図される。例えば、本発明のHLFタンパク質は、細胞表面レセプタ ーのリン酸化状態の変化を解析することによって、活性がアッセイされ得る。Ma rchionniら(Nature 362:312-318;1993)により記述されたように、チロシンキ ナーゼ活性化アッセイはこのような活性の決定に使用されうる。このアッセイに おいて、広く多様な細胞および細胞株は低血清培地中で静止させうる。次にHLF タンパク質またはその改変体は、外因的に増殖培地に添加され得る。次に培養細 胞はSDSベースの溶解緩衝液中で溶解し、SDS-PAGEに供する。次にSDS-PAGEによ り分離されたタンパク質は膜に移され、抗ホスホチロシン抗体を用いてイムノブ ロッティングされる。次に細胞表面レセプター分子のチロシンリン酸化状態の変 化は、HLFまたはその改変体で処理されたまたは処理されなかった細胞試料のイ ムノブロットと比較することにより評価され得る。このような活性は、広く多様 な細胞表面レセプター分子の刺激に対するHLFまたはその改変体の影響を決定す るために、およびHLFまたはその改変体の結合によりどのシグナル伝達カスケー ドが開始されうるかを決定するために有用である。 HLFタンパク質結合はチロシンリン酸化状態を調節し、上記アッセイにおいて 用量依存様式でerbBファミリーまたは他の細胞表面レセプター分子の多様なシグ ナル伝達カスケードを開始する。従って、「HLFタンパク質活性を有するポリペ プチド」は、用量依存様式で、上記アッセイにおいて任意の同じ結合およびリン 酸化状態変更活性をまた提示するポリペプチドを含む。用量依存活性の程度は、 HLFタンパク質の用量依存活性と同一である必要はないが、好ましくは「HLFタン パク質活性を有するポリペプチド」は、HLFタンパク質と比較する場合、所定の 活性において実質的に類似の用量依存性を提示する(すなわち、候補ポリペプチ ドは、参照HLFタンパク質より高い活性または約25倍以下の倍率で低い活性およ び好ましくは約10倍以下の倍率で低い活性を提示する)。 さらに、特定のレセプター分子へのHLFまたはその改変体の結合は、HLFまたは HLF改変体を、細胞表面上に結合しているレセプターに架橋し、次に得られたリ ガンド/レセプター複合体を特異的抗血清で免疫沈降することによりアッセイさ れ得る。それによりこのようなアッセイは、HLFタンパク質についての特異的な レセプター結合プロフィールを示す。Holmesまたは共同研究者(Science 256:12 05-1210;1992)により記述されるように、125I-標識HLF(またはHLF改変体)タ ンパク質は、細胞懸濁液および106CPMの125I標識HLF(またはHLF改変体)、タン パク質をHankの平衡塩類(Life Technologies,Inc.,Rockville,MD)中22℃で30 分間インキュベートすることにより任意の様々な細胞または細胞株に架橋される 。ビス(スルホスクシンイミジル)スベレートは、細胞懸濁液に1mMの最終濃度ま で添加され、そしてこの懸濁液はさらに30分間インキュベートされる。細胞をTr is緩衝化生理食塩水(TBS)で洗浄し、次にTriton X-100(0.5%)を含むTBS中で溶 解する。次に、処理した培養物および模擬処理した培養物の一部を特定の細胞レ セプター分子に対する抗血清と合わせて使用して免疫沈降を行なう。次に試料を 、SDS試料緩衝液中で調整し、SDS-PAGE(5.5%ポリアクリルアミドゲル)により解 析し、そしてオートラジオグラフィーにより可視化する。 もちろん遺伝コードの縮重により、当業者は寄託したcDNAの核酸配列または図 1Aおよび1B(配列番号1)に示される核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、 97%、98%または99%同一(または多くとも10%、5%、4%、3%、2%また は1%相違)である配列を有する多数の核酸分子が「HLFタンパク質活性を有す る」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実際、これらのヌクレオ チド配列の縮重改変体は全て同じポリペプチドをコードするので、このことは上 記の比較アッセイを実施しなくとも当業者に明らかである。縮重改変体でないこ のような核酸分子については、妥当な数のものがHLFタンパク質活性を有するポ リペプチドをコードすることは、当該分野においてさらに認識される。これは、 以下にさらに記述するように、タンパク質の機能に顕著な効果を与える可能性が 低いかまたは与えそうにないアミノ酸置換(例えば、一つの脂肪族アミノ酸を第 二の脂肪族アミノ酸で置換すること)を当業者らは十分に知っているからである 。 ベクターおよび宿主細胞 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、本発明の組換え ベクターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるHLFポリペプチ ドまたはそのフラグメントの産生に関する。ベクターは、例えば、ファージベク ター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクター であり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテントまたは複製欠損であ り得る。後者の場合、ウイルス増殖は一般的に宿主細胞を相補することにおいて のみ起こる。 ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために、選択マーカーを含むベクタ ーに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物 のような沈澱物中か、または荷電された脂質との複合体中で導入される。ベクタ ーがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてイ ンビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。 1つの実施態様において、本発明のDNAは、ファージλPLプロモーター、E,col i lac、trp、phoA、およびtacプロモーター、SV40初期および後期プロモーター 、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーターなどのような、適切な異種調節エ レメント(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)に作動可能に結 合される。他の適切なプロモーターおよびエンハンサーは、当業者に公知である 。 ベクターが発現構築物を含む1つの実施態様において、これらの構築物は、転 写開始のための部位、終結のための部位、および転写された領域において翻訳の ためのリボソーム結合部位のための部位をさらに含む。構築物によって発現され る転写物のコード部分は、好ましくは、翻訳されるポリペプチドの最初の翻訳開 始コドンおよび翻訳されるポリペプチドの最後に適切に位置する終結コドン(UA A、UGAまたはUAG)を含む。 示されるように、発現ベクターは、好ましくは、少なくとも1つの選択マーカ ーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ 葉酸レダクターゼ、G418、またはネオマイシン耐性、ならびにE.coliおよび他の 細菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺 伝子、またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例と しては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosop hila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細 胞、293細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞が挙げられるが、こ れらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当該 分野で公知である。 細菌における使用に好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60、およびpQE-9 (QIAGEN,Inc.,前出から入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bl uescriptベクター、pNH8A、pNHl6a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能 );ならびにptrc99a.pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入 手可能)が含まれる。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、p OG44、pXT1、およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pM SG、およびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切なベクターは、当 業者に容易に明らかである。 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE -デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェク ション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもた らされ得る。このような方法は、Davisら,Basic Methods In Molecular Biolog y(1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。 ポリペプチドは、融合タンパク質((異なるタンパク質の)異種タンパク質配 列にペプチド結合を介して結合したポリペプチドを含む)のような改変された形 態で発現され得、そして分泌シグナルだけでなく、さらなる異種の機能的領域も 含み得る。そのようなタンパク質は、本発明のポリヌクレオチドおよび所望のア ミノ酸配列をコードする所望の核酸配列を、当該分野に公知の方法によって、適 切なリーディングフレーム内で互いに連結すること、ならびに当該分野で公知の 方法によって融合タンパク質産物を発現させることによって作製され得る。ある いは、このような融合タンパク質は、タンパク質合成技術、例えば、ペプチドシ ンセサイザーの使用によって作製され得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に荷 電アミノ酸の領域が、精製の間の、または続く取り扱いおよび保存の間の、宿主 細胞における安定性および持続性を改善するために、ポリペプチドのN末端に付 加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易にするためにポリペプチドへ付 加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に除去され得る。 とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を改善するため、および精製を 容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの付加は、当該分野でよく知ら れており、そして日常的な技術である。好ましい融合タンパク質は、タンパク質 の安定化および精製のために有用な免疫グロブリン由来の異種領域を含む。例え ば、EP-A-0 464 533(カナダ対応出願第2045869号)は、別のヒトタンパク質、 またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合 タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のFc部分は、治療および 診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば改善された薬物動態学的 特性を生じる(EP-A 0232 262)。一方、いくつかの使用について、融合タンパク 質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、そして精製された後に、 Fc部分が欠失し得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療および診断におけ る使用に対して障害となると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免疫のた めの抗原として使用されるべき場合)である。薬物探索において、例えばhIL-5 のようなヒトタンパク質は、hIL-5のアンタゴニストを同定するための高処理能 力スクリーニングアッセイの目的で、Fc部分と融合されている。D.Bennettら,J .Molecular Recognition 8:52-58(1995)、およびK.Johansonら,J.Biol.Chem .270:9459-9471(1995)を参照のこと。 HLFタンパク質は、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰 イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラ フィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ ー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフ ィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され 得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のため に用いられる。本発明のポリペプチドは以下を含む:天然の供給源からの精製産 物(直接的に単離されたか、または培養されたかのいずれかの、体液、組織、お よび細胞を含む);化学合成手順の産物;および原核生物宿主または真核生物宿 主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細 胞を含む)から組換え技術によって産生された産物。組換え産生手順において用 いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されていても よく、またはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチ ドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、最初の改変された 開始メチオニン残基を含み得る。従って、一般的に翻訳開始コドンによってコー ドされているN−末端メチオニンは、すべての真核細胞において翻訳後に任意の タンパク質から高い効率で除去されることが当該分野において周知である。大部 分の原核細胞においても、大部分のタンパク質上のN−末端メチオニンは効率的 に除去されるが、いくつかのタンパク質では、この原核生物の除去プロセスは、 N−末端メチオニンが共有結合しているアミノ酸の性質に依存して、非効率的で ある。 ポリペプチドおよびフラグメント 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、または 配列番号2のアミノ酸配列を有する、単離されたHLFポリペプチド、あるいは上 記ポリペプチドの一部を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。 改変体および変異体ポリペプチド HLFポリペプチドの特徴を改善または変化させるために、タンパク質工学が利 用され得る。当業者に公知である組換えDNA技術が、新規な変異体タンパク質、 あるいは単一のまたは複数のアミノ酸置換、欠失、付加を含むムテイン、あるい は融合タンパク質を作製するために使用され得る。このような改変されたポリペ プチドは、例えば、活性の増強または安定性の増加を示し得る。さらに、それら は高収量で精製され得、そして少なくとも特定の精製および貯蔵条件下で、対応 する天然のポリペプチドよりもより良好な可溶性を示す。 N-末端およびC-末端欠失変異体 例えば、膜結合タンパク質の細胞外ドメインまたは分泌タンパク質の成熟型を 含む多くのタンパク質について、生物学的な機能の実質的な損失なしにN-末端ま たはC-末端から1つ以上のアミノ酸を欠失させ得ることが、当該分野において公 知である。例えば、Ronら(J.Biol.Chem.,268:2984-2988;1993)は、改変さ れたKGFタンパク質が、アミノ末端の3、8、または27アミノ酸残基が欠けた 場合でさえ、ヘパリン結合活性を有していたことを報告した。今回の場合、本発 明のタンパク質は、EGFポリペプチドファミリーのメンバーであるので、配列番 号2の35位のシステインまでのN-末端アミノ酸の欠失は、レセプター結合および 対応するシグナル伝達カスケードの開始のような、いくらかの生物学的活性を保 持し得る。配列番号2の35位のシステイン残基を含む、さらなるN-末端欠失を有 するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持することは期待されない。 なぜなら、EGF様またはheregulinポリペプチドにおけるこの残基は、構造および 生物学的活性の両方に必要とされる6つの保存性システイン残基の1つであるこ とが公知であるからである。すなわち、この最初のシステインは、構造的な安定 性を提供するために必要であるいくつかのジスルフィド架橋の1つを形成するた めに必要であり、これはまた、レセプター結合およびシグナル伝達カスケードの 開始に必要である。 しかし、タンパク質のN-末端から1つ以上のアミノ酸の欠失がタンパク質の1 つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物学的活性はなお 保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質の、タンパク質の完全または細 胞外ドメインを認識する抗体を誘導する能力および/またはその抗体に結合する 能力は、タンパク質の完全または細胞外ドメインの大部分より少ない残基がN-末 端から除去された場合には、一般的に保持される。完全なタンパク質のN-末端残 基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、 本明細書中に記載される日常的な方法および当該分野において公知の他の方法に よって、容易に決定され得る。 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるHLFのアミノ酸配列のアミノ 末端から欠失した1つ以上の残基(35番目の位置のシステイン残基まで)を有す るポリペプチドおよびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを 提供する。特に本発明は、配列番号2の残基n〜35のアミノ酸配列を含むポリペ プチドを提供し、ここでnは1〜35の範囲の整数であり、そして35は、HLGタンパ ク質がそのレセプターに結合し、そして対応するシグナル伝達カスケードを開始 するために必要とされると考えられる、完全HLFポリペプチド(配列番号2に示 される)のN-末端からの最初の残基の位置である。 より詳細には、本発明は、配列番号2の1〜157、2〜157、3〜157、4〜157、5 〜157、6〜157、7〜157、8〜157、9〜157、10〜157、11〜157、12〜157、13〜15 7、14〜157、15〜157、16〜157、17〜157、18〜157、19〜157、20〜157、21〜15 7、22〜157、23〜157、24〜157、25〜157、26〜157、27〜157、28〜157、29〜15 7、30〜157、31〜157、32〜157、33〜157、34〜157、および35〜157の残基のア ミノ酸配列を含むか、またはそれらのアミノ酸配列からなるポリペプチドをコー ドするポリヌクレオチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポリヌ クレオチドもまた、提供される。 同様に、生物学的に機能的なC-末端欠失ムテインの多くの例が公知である。例 えば、インターフェロンγは、タンパク質のカルボキシ末端から8〜10アミノ酸 残基を欠失させることにより10倍まで高い活性を示す(Dobeliら、J.Biotech nology 7:199-216;1988)。今回の場合、本発明のタンパク質は、EGFまたはhere gulin様ポリペプチドファミリーのメンバーであるので、細胞外ドメインの大部 分のカルボキシ末端システインまで(配列番号2の73位)のC-末端アミノ酸の欠 失は、レセプター結合および対応するシグナル伝達カスケードの開始のようない くらかの生物学的活性を保持し得る。配列番号2の73位のシステイン残基を含む さらなるC-末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持す ることは期待されない。なぜなら、EGF様、またはheregulin様ポリペプチドにお けるこの残基は、構造および生物学的活性に必要である6つの保存性システイン 残基の1つであることが公知であるからである。すなわち、この最初のシステイ ンは、構造的な安定性を提供するために必要であるいくつかのジスルフィド架橋 の1つを形成するために必要であり、これはまた、レセプター結合およびシグナ ル伝達カスケードの開始に必要である。 しかし、タンパク質のC-末端から1つ以上のアミノ酸の欠失がタンパク質の1 つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物学的活性はなお 保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質の、タンパク質の完全または細 胞外ドメインを認識する抗体を誘導する能力および/またはその抗体に結合する 能力は、タンパク質の完全または細胞外ドメインの大部分より少ない残基がC-末 端から除去される場合には、一般的に保持される。完全なタンパク質のC-末端残 基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、 本明細書中に記載される日常的な方法および当該分野において公知の他の方法に よって、容易に決定され得る。 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるHLFのアミノ酸配列のカルボ キシ末端から1つ以上の残基(配列番号2の73位のシステイン残基まで)を有す るポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド を提供する。特に本発明は、配列番号2の残基1〜mのアミノ酸配列を有するポリ ペプチドを提供し、ここでmは73〜101の範囲の任意の整数であり、そして残基73 は、レセプター結合、および対応するシグナル伝達カスケードの開始に必要とさ れると考えられる、完全HLFポリペプチド(配列番号2に示される)のC-末端か らの最初の残基の位置である。 より詳細には、本発明は、配列番号2の残基1〜73、1〜74、1〜75、1〜76、1 〜77、1〜78、1〜79、1〜80、1〜81、1〜82、1〜83、1〜84、1〜85、1〜86、1〜 87、1〜88、1〜89、1〜90、1〜91、1〜92、1〜93、1〜94、1〜95、1〜96、1〜97 、1〜98、1〜99、1〜100、および1〜101のアミノ酸配列を含むか、またはそれら のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する 。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。 本発明はまた、アミノ末端およびカルボキシ末端の両方から欠失した1つ以上 のアミノ酸を有するポリペプチドを提供し、これは配列番号2の残基n〜mを有す るものとして一般的に記載され得る。ここでnおよびmは上記で述べたような整数 である。 ATCC受託番号209123に含まれる、cDNAクローンによってコードされる完全HLF アミノ酸配列の一部からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列もまた 含まれ、ここでこの部分はATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによって コードされる完全アミノ酸配列のアミノ末端からの1〜約34アミノ酸までを除外 するか、またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされ る完全アミノ酸配列のカルボキシ末端からの1〜約83アミノ酸、または上記のア ミノ末端およびカルボキシ末端の欠失の任意の組み合わせを除外する。上記の欠 失変異体ポリペプチド型全てをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される 。 上記のように、たとえタンパク質のN-末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が 、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じる場合でも、他の生 物学的活性は、まだ保持され得る。従って、完全または成熟タンパク質を認識す る抗体を誘導するおよび/または抗体に結合する短縮化されたHLFムテインの能 力は、一般的にN-末端から完全または成熟タンパク質の残基の大部分より少ない 残基が除去された場合に保持される。完全タンパク質のN-末端残基を欠く特定の ポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、本明細書中に記 載される日常的な方法および当該分野において公知の他の方法によって、容易に 決定され得る。N-末端アミノ酸残基の大部分を欠失したHLFムテインがいくらか の生物学的活性または免疫学的活性を保持し得ることは、あり得ないことではな い。実際、6つまで少ないHLFのアミノ酸残基からなるペプチドは、しばしば免 疫応答を引き起こし得る。 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるHLFのアミノ酸配列のアミノ 末端から欠失される1つ以上の残基(152番目の位置のアスパラギン残基まで) を有するポリペプチドおよびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオ チドを提供する。特に本発明は、配列番号2の残基n'〜152のアミノ酸配列を含 むポリペプチドを提供し、ここでn'は2〜152の範囲の整数であり、そして153は 、HLFタンパク質の免疫学的活性に少なくとも必要とされると考えられている完 全HLFポリペプチドのN-末端からの最初の残基の位置である。 より詳細には、本発明は、配列番号2に示されるHLF配列の の残基のアミノ酸配列を含むか、またはそれらのアミノ酸配列からなるポリペプ チドをコードするポリヌクレオチドを提供する。これらのポリペプチドをコード するポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる。 上記のようにまた、たとえタンパク質のC-末端からの1つ以上のアミノ酸の欠 失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じる場合でも、他 の生物学的活性は、まだ保持され得る。従って、完全または成熟タンパク質を認 識する抗体を誘導するおよび/または抗体に結合する短縮化されたHLFムテイン の能力は、一般的にC-末端から完全または成熟タンパク質の残基の大部分より少 ない残基が除去される場合に保持される。完全タンパク質のC-末端残基を欠く特 定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、本明細書中 に記載される日常的な方法および当該分野において公知の他の方法によって、容 易に決定され得る。C-末端アミノ酸残基の多くを欠失したHLFムテインがいくら かの生物学的活性または免疫学的活性を保持し得ることは、あり得ないことでは ない。実際、6つまで少ないHLFのアミノ酸残基からなるペプチドは、しばしば 免疫応答を引き起こし得る。 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるHLFのアミノ酸配列のカルボ キシ末端から欠失した1つ以上の残基(6番目の位置のアラニン残基まで)を有 するポリペプチドおよびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド を提供する。特に本発明は、配列番号2の残基l〜m'のアミノ酸配列を含むポリ ペプチドを提供し、ここでm'は7〜156の範囲の整数であり、そして6は、少なく ともHLFタンパク質の免疫学的活性に必要とされると考えられている完全HLFポリ ペプチドのC-末端からの最初の残基の位置である。 より詳細には、本発明は、配列番号2に示されるHLF配列の残基 のアミノ酸配列を含むか、またはそれらのアミノ酸配列からなるポリペプチドを コードするポリヌクレオチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポ リヌクレオチドもまた、提供される。 本発明はまた、HLFポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシ末端の両方か ら欠失した1つ以上のアミノ酸を有するポリペプチドを提供し、これは配列番号 2の残基n'〜M'を有するものとして一般的に記載され得る。ここでn'およびm'は 上記で述べたような整数である。 上記のようにまた、たとえタンパク質のN-末端からの1つ以上のアミノ酸の欠 失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じる場合でも、他 の生物学的活性は、まだ保持され得る。従って、完全または成熟タンパク質を認 識する抗体を誘導するおよび/または抗体に結合する短縮化されたHLFムテイン の能力は、一般的にN-末端から完全または成熟タンパク質の残基の大部分より少 ない残基が除去された場合に保持される。完全タンパク質のN-末端残基を欠く特 定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、本明細書中 に記載される日常的な方法および当該分野において公知の他の方法によって、容 易に決定され得る。N-末端アミノ酸残基の多くを欠失したHLFムテインがいくら かの生物学的活性または免疫学的活性を保持し得ることは、あり得ないことでは ない。実際、6つまで少ないHLFのアミノ酸残基からなるペプチドは、しばしば 免疫応答を引き起こし得る。 従って、本発明はさらに、配列番号22に示されるHLFのアミノ酸配列のアミ ノ末端から欠失される1つ以上の残基(715番目の位置のアスパラギン残基まで )を有するポリペプチドおよびこのようなポリペプチドをコードするポリヌク レオチドを提供する。特に本発明は、配列番号22の残基n''〜715のアミノ酸配 列を含むポリペプチドを提供し、ここでn''は2〜715の範囲の整数であり、そし て716は、少なくともHLFタンパク質の免疫学的活性に必要とされると考えられて いる完全HLFポリペプチドのN-末端からの最初の残基の位置である。 より詳細には、本発明は、配列番号22に示されるHLF配列の の残基のアミノ酸配列を含むか、またはそれらのアミノ酸配列からなるポリペプ チドをコードするポリヌクレオチドを提供する。これらのポリペプチドをコード するポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる。 上記のようにまた、たとえタンパク質のC-末端からの1つ以上のアミノ酸の欠 失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じる場合でも、他 の生物学的活性は、まだ保持され得る。従って、完全または成熟タンパク質を認 識する抗体を誘導するおよび/または抗体に結合する短縮化されたHLFムテイン の能力は、一般的に、C-末端から完全または成熟タンパク質の残基の大部分より 少ない残基が除去された場合に保持される。完全タンパク質のC-末端残基を欠く 特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するかどうかは、本明細書 中に記載される日常的な方法および当該分野において公知の他の方法によって、 容易に決定され得る。C-末端アミノ酸残基の多くを欠失したHLFムテインがいく らかの生物学的活性または免疫学的活性を保持し得ることは、あり得ないことで はない。実際、わずか6つHLFのアミノ酸残基からなるペプチドは、しばしば免 疫応答を引き起こし得る。 従って、本発明はさらに、配列番号22に示されるHLFのアミノ酸配列のカル ボキシ末端から欠失した1つ以上の残基(6番目の位置のアラニンまで)を有す るポリペプチドおよびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを 提供する。特に本発明は、配列番号22の残基l-m''のアミノ酸配列を含むポリ ペプチドを提供し、ここでm''は7〜718の範囲の整数であり、そして6は、少なく ともHLFタンパク質の免疫学的活性に必要とされると考えられている完全HLFポリ ペプチドのC-末端からの最初の残基の位置である。 より詳細には、本発明は、配列番号22に示されるHLF配列の残基 のアミノ酸配列を含むか、またはそれらのアミノ酸配列からなるポリペプチドを コードするポリヌクレオチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポ リヌクレオチドもまた、提供される。 本発明はまた、HLFポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシ末端の両方か ら欠失した1つ以上のアミノ酸を有するポリペプチドを提供し、これは配列番号 22の残基n''〜m''を有するものとして一般的に記載され得る。ここでn''およ びm''は上記で述べたような整数である。 他の変異体 上記で議論したようなタンパク質の末端欠失形態に加えて、HLFポリペプチド のいくつかのアミノ酸配列がタンパク質の構造または機能の顕著な効果なしで改 変され得ることもまた、当業者に認識される。配列におけるこのような差異が意 図される場合、活性を決定するタンパク質の重要な領域が存在するということは 、思い出されるべきである。 従って、本発明はさらに、実質的なHLFポリペプチド活性を示すか、または以 下で議論するタンパク質の一部のようなHLFタンパク質の領域を含む、HLFポリペ プチドの変動を含む。このような変異体は、活性にほとんど効果を有さないよう な、当該分野において公知の一般的な規則に従って選択された、欠失、挿入、転 換、反復、およびタイプ置換を含む。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸 置換を作製する方法に関するガイダンスは、Bowieら(Science 247:1306-1310;1 990)によって提供され、その中で著者らは、変化に対するアミノ酸配列の寛容 性を研究するための2つの主なアプローチが存在することを示す。第1の方法は 進化の過程に依存し、ここで変異は自然選択によって受け入れられるか、または 拒絶されるかのいずれかである。第2のアプローチは、遺伝子操作を使用して、 クローニングされた遺伝子の特定の位置にアミノ酸の変化を導入し、そして選択 またはスクリーニングして機能性を維持する配列を同定する。 著者らがいうように、これらの研究は、タンパク質がアミノ酸置換に対して驚 くべきほど寛容であることを明らかにしてきた。著者らはさらに、どのアミノ酸 変化がタンパク質の特定の位置において許容的でありそうかを示す。例えば、大 部分の埋没したアミノ酸残基は、非極性側鎖を必要とするが、一方、表面側鎖の 特徴は一般的にほとんど保存されていない。他のこのような表現型的にサイレン トな置換は、Bowie,J.U.ら、前出およびそこに引用される参考文献中に記載さ れる。代表的には、脂肪族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの間での別のものへ の置き換え;ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交 換、アミド残基AsnとGlnとの間の置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、ならび に芳香族残基Phe、Tyrの間の置き換えは、保存的置換と見なされる。 従って、配列番号2のポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログ、 あるいは寄託されたcDNAによってコードされるものは、(i)1つ以上のアミノ 酸残基が、保存されたアミノ酸残基または保存されていないアミノ酸残基(好ま しくは保存されたアミノ酸残基)で置換され、そしてそのような置換されたアミ ノ酸残基が遺伝コードによってコードされたものであってもよく、またはそうで なくてもよいもの、(ii)1つ以上のアミノ酸残基が、置換基を含むもの、( iii)HLFポリペプチドの細胞外ドメインが、ポリペプチドの半減期を増加さ せる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような、別の化合物と融合し ているもの、(iv)HLFポリペプチドのEGFドメインが、ポリペプチドの半減期 を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような、別の化合物 と融合しているもの、(v)さらなるアミノ酸が、IgG Fc融合領域ペプチドまた はリーダーもしくは分泌配列、または上記の形態のポリペプチドまたはプロタン パク質配列の精製に利用される配列のような、ポリペプチドの細胞外形態に融合 しているもの、あるいは(vi)さらなるアミノ酸が、IgG Fc融合領域ペプチド またはリーダーもしくは分泌配列、または上記の形態のポリペプチドまたはプロ タンパク質配列の精製に利用される配列のような、ポリペプチドのEGF形態に融 合しているものであり得る。このようなフラグメント、誘導体、およびアナロ グは、本明細書中の教示からの当業者の範囲内であると思われる。 従って、本発明のHLFは、天然の変異または人為的操作のいずれか由来の、1 つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。示されるように、変化は 好ましくはマイナーな性質であり、例えばタンパク質のフォールディングまたは 活性に顕著な影響を与えない保存的アミノ酸置換である(表1を参照のこと)。 表1.保存的アミノ酸置換 特定の実施態様において、図1Aおよび/または本明細書中に記載される任意 のポリペプチドフラグメントのアミノ酸配列における置換、欠失または付加の数 は、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、 13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、または30〜20、20〜10、20〜15 、15〜10、10〜5、または1〜5である。 本発明のHLFタンパク質の機能に必須のアミノ酸は、当該分野で公知の方法( 例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャン変異誘発(Cunninghamお よびWells,Science 244:1081-1085(1989))により同定され得る。後者の手順は、 分子のすべての残基に単一のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異体 分子は、生物学活性(例えば、レセプター結合またはインビトロまたはインビト ロでの増殖活性)について試験される。 特別に興味深いのは、高度に所望の改善された特徴(例えば、より少ない凝集 )を有するタンパク質を産生し得る、荷電したアミノ酸を他の荷電したアミノ酸 または中性アミノ酸で置換することである。凝集は、活性を低下させるだけでは なく、薬学的処方物を調製する場合においてもまた、問題である。なぜなら、凝 集物は免疫原性であり得るからである(Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:33 1-340(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838-845(1987);Clelandら、Crit.Rev .Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307-377(1993))。 アミノ酸の置き換えはまた、細胞表面レセプターに対するリガンドの結合の選 択性を変化させ得る。例えば、Ostadaら、Nature 361:266-268(1993)は2つの 既知のタイプのTNFレセプターの1つのみへのTNF-αの選択的な結合を生じる特 定の変異を記載する。リガンドーレセプター結合について決定的である部位はま た、構造解析(例えば、結晶化、核磁気共鳴法または光親和性標識)により決定 され得る(Smithら、J.Mol.Biol.224:899-904(1992)およびde Vosら、Science 25 5:306-312(1992))。 HLFは、EGF関連タンパク質ファミリーのメンバーであるので、HLFの生物学的 活性を完全に除去するのではなく、改変するためには、変異は、好ましくはHLF 保存ドメイン中のアミノ酸をコードする配列中(すなわち、配列番号2の約26か ら約93位のアミノ酸中)で作製され、より好ましくはEGFファミリーのすべての メンバーに保存されているわけではないこの領域内の残基において作製される。 本発明を形成する部分はまた、上記のHLF変異体をコードする核酸配列を含む単 離されたポリヌクレオチドである。 本発明のポリペプチドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そして好 ましくは実質的に精製されている。HLFポリペプチドの組換え産生版は、Smithお よびJohnson(Gene 67:31-40;1988)に記載される一工程法により実質的に精製 され得る。本発明のポリペプチドはまた、天然の、または組換えの供給源から、 本発明の抗HLF抗体をタンパク質精製の分野で周知の方法において使用して精製 され得る。 本発明はさらに、(a)配列番号2に示される完全アミノ酸配列を有するHLFポ リペプチドのアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の1〜157位)、またはAT CC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全アミノ酸配 列;(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの推定細 胞外ドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の1〜101位)、または ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列 ;(c)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの推定膜貫 通ドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の101〜121位)、また はATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配 列;(d)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの推定細 胞内ドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の122〜157位)、ま たはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸 配列;ならびに(e)細胞外および細胞内ドメインを有するが、膜貫通ドメイン を欠失する可溶性HLFポリペプチドのアミノ酸配列からなる群から選択されたア ミノ酸配列を含む単離されたHLFポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチ ドはまた、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載されるアミ ノ酸配列に対して、少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、 そしてなおより好ましくは95%、96%、97%、98%、または99%同一である(あ るいは、せいぜい20%異なる、より好ましくはせいぜい10%異なる、そしてなお より好ましくは5%、4%、3%、2%、もしくは1%異なる)アミノ酸配列を 有するポリペプチド、ならびに上記のポリペプチドに対して少なくとも90%の類 似性、そしてより好ましくは少なくとも95%類似性を有するアミノ酸配列を有す るポリペプチドを含む。 本発明のさらなるポリペプチドには、上記のポリペプチドに対して、少なくと も90%の類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性、そしてなおより好ま しくは少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%の類似性を有するポリペプチ ドが含まれる。本発明のポリペプチドはまた、寄託されたcDNAによってコードさ れるポリペプチドもしくは配列番号2のポリペプチドに対して、少なくとも80% 同一、より好ましくは少なくとも90%もしくは95%同一、なおより好ましくは少 なくとも96%、97%、98%、もしくは99%同一である(または、せいぜい20%異 なる、より好ましくはせいぜい10%もしくは5%異なる、なおより好ましくはせ いぜい4%、3%、2%、1%異なる)ポリペプチドを含み、そしてまた、少な くとも30アミノ酸、そしてより好ましくは少なくとも50アミノ酸を有するこのよ うなポリペプチドの部分を含む。 2つのポリペプチドについて「%類似性」によって、Bestfitプログラム(Wis consin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711) および類似性を決定するためのデフォルト設定を使用して2つのポリペプチドの アミノ酸配列を比較することによって生成される類似性スコアが意図される。Be stfitは、SmithおよびWaterman(Adv.Appl.Math.2:482-489;1981)の局所的 相同性アルゴリズムを使用して、2つの配列間の類似性の最良のセグメントを見 い出す。 HLFポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、例えば、95%「同一の」 アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、そのポリペプチド配列が、HLFポリ ペプチドの参照アミノ酸の各100アミノ酸毎に5つまでのアミノ酸変化を含み得 ることを除いて、そのポリペプチドのアミノ酸配列は参照配列と同一であること が意図される。言い換えれば、参照アミノ酸配列に対して少なくとも95%同一の アミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列において5%までの アミノ酸残基が、欠失されるかもしくは別のアミノ酸で置換され得、または参照 配列における総アミノ酸残基の5%までの多数のアミノ酸が参照配列に挿入され 得る。これらの参照配列の改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置もしくは カルボキシ末端位置でまたはこれらの末端位置の間のどこかで、参照配列の残基 間で個々に、もしくは参照配列内で1つ以上の連続した群のいずれかに散在して 、起こり得る。 実際に、任意の特定のポリペプチドが、例えば、配列番号2に示されるアミノ 酸配列、または寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列に対し て、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である(または 、せいぜい10%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%異なる)かどうかは、 Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Un ix、Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive ,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを使用して従 来通りに決定され得る。特定の配列が、本発明の参照配列に、例えば、95%同一 である(またはせいぜい5%異なる)かどうかを決定するために、Bestfitまた は任意の他の配列アラインメントプログラムを使用する場合、当然のことながら 、同一性のパーセンテージが参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、そし て参照配列内のアミノ酸残基の総数の5%までの相同性におけるギャップが許容 されるようにパラメーターが設定される。 本発明の問合せアミノ酸配列に、少なくとも、例えば、95%「同一」である( または、5%異なる)アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、対象ポリペプ チドのアミノ酸配列が、対象ポリペプチド配列が問合せアミノ酸配列の各100ア ミノ酸あたり5アミノ酸変化までを含み得ることを除いて、問い合わせ配列に同 一であることが意図される。換言すれば、問合せアミノ酸配列に少なくとも95% 同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、対象配列のアミ ノ酸残基の5%までが、挿入、欠失、(indels)、または別のアミノ酸で置換さ れ得る。参照配列のこれらの変更は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置または カルボキシ末端位置で、もしくはこれらの末端位置の間のどこかで、参照配列中 の残基の間に個々に散在して、または参照配列内で1つ以上の連続する群の中に 散在してのいずれかで起こり得る。 実際に、任意の特定のポリペプチドが、例えば、配列番号2に示すアミノ酸配 列に、または寄託されたDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列に、少 なくとも90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である(または、せ いぜい10%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%異なる)か否かは、公知の コンピュータプログラムを使用して従来的に決定され得る。問い合わせ配列(本 発明の配列)と対象配列との間の最良の全体的な一致(全体的配列アラインメン トとも呼ぶ)を決定するための好ましい方法は、Brutlagら(Comp.App.Biosci . (1990)6:237-245)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータプログラムを使 用して決定され得る。配列のアラインメントにおいて、問い合わせ配列および対 象配列は、両方ともヌクレオチド配列であるか、または両方ともアミノ酸配列で あるかのいずれかである。上記の全体的配列アラインメントの結果は、同一性パ ーセントとして与えられる。FASTDBアミノ酸アラインメントにおいて使用される 好ましいパラメータは:マトリックス=PAM 0、k-tuple=2、ミスマッチペナル ティー=1、連結ペナルティ=20、無作為化基長=0、カットオフスコア=1、 ウィンドウサイズ=配列長、ギャップペナルティー=5、ギャップサイズペナル ティー=0.05、ウインドウサイズ=500または対象アミノ酸配列の長さのいずれ か短い方。 対象配列が、内部欠失のためではなくN末端欠失またはC末端欠失のために問 い合わせ配列よりも短い場合、手動の補正がその結果についてなされなければな らない。これは、FASTDBプログラムが、全体の同一性パーセントを算出する際に 対象配列のN末端およびC末端の切断を考慮に入れないからである。N末端およ びC末端で切断された対象配列について、問い合わせ配列と比較して、同一性パ ーセントは、対応する対象残基と一致/整列しない対象配列のN末端およびC末 端である問い合わせ配列の残基の数を、問い合わせ配列の総塩基のパーセントと して計算することによって補正される。残基が一致/整列しているか否かは、FAS TDB配列アラインメントの結果によって決定される。次いで、このパーセンテー ジは、同一性パーセントから差し引かれ、特定のパラメータを使用して上記のFA STDBプログラムによって算出され、最終的な同一性パーセントスコアに到達する 。この最終的な同一性パーセントスコアは、本発明の目的のために使用されるも のである。問い合わせ配列と一致/整列しない、対象配列のN末端およびC末端 に対する残基のみが、同一性パーセントスコアを手動で調整する目的で考慮され る。すなわち、対象配列の最も遠いN末端およびC末端残基の外側の問合せ残基 位置だけである。 例えば、90アミノ酸残基の対象配列は、100残基の問い合わせ配列と整列され て、同一性パーセントが決定される。対象配列のN末端に生じる欠失、そしてそ れゆえFASTDBアラインメントは、N末端の最初の10残基の一致/整列を示さない 。 10個の対形成しない残基は、配列の10%(一致しないN末端およびC末端の残基 の数/問い合わせ配列における残基の総数)を表し、それで10%は、FASTDBプロ グラムによって算出される同一性パーセントスコアから差し引かれる。残りの90 残基が、完全に一致した場合、最終的な同一性パーセントは、90%である。別の 例において、90残基の対象配列は、100残基の問い合わせ配列と比較される。今 度は、欠失は内部欠失であり、そのため、問い合わせ配列と一致/整列しない対 象配列のN末端またはC末端には残基が存在しない。この場合、FASTDBによって 算出された同一性パーセントは、手動では補正されない。再び、FASTDBアライン メントに示された対象配列のN末端およびC末端の外側の残基位置のみ(これら は、問い合わせ配列とは一致/整列しない)が、手動で補正される。本発明の目 的のためには、他の手動での補正はなされない。 本発明のポリペプチドは、SDS-PAGEゲル上でまたは分子ふるいゲルろ過カラム 上で分子量マーカーとして、当業者に周知の方法を使用して使用され得る。 以下に詳細に記載されるように、本発明のポリペプチドはまた、以下に記載さ れるHLFタンパク質発現を検出するためのアッセイにおいて有用であるポリクロ ーナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起するために、またはHLFタンパク質 機能を増強もしくは阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニストとして使用され 得る。さらに、このようなポリペプチドは、酵母ツーハイブリッド系において、 本発明の候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあるHLFタンパク質結合タン パク質を「捕捉」するために使用され得る。酵母ツーハイブリッド系は、Fields およびSong、Nature 340:245-246(1989)に記載される。 エピトープ保有部分 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を 含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピトー プは、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである。「免疫 原性エピトープ」は、全てのタンパク質が免疫原である場合、抗体応答を誘発す るタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し得るタンパク質 分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。タンパク質の免疫原性エピ トープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない(Geysenら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 81:3998-4002;1983)。 抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の 領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一 部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応 する抗血清を日常的に誘発し得ることが当該分野で周知である(J.G.Sutcliffe ら、Science 219:660-666;1983)。タンパク質反応性血清を誘発し得るペプチド は、タンパク質の一次配列で頻繁に示され、一連の単純な化学的法則により特徴 付けられ得、そしてインタクトなタンパク質の免疫優性領域(すなわち、免疫原 性エピトープ)にも、アミノ末端またはカルボキシル末端にも、制限されない。 それゆえ、本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発 明のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を含む、抗体を惹起す るために有用である。例えば、Wilsonら、Cell 37:767-778(1984)の777頁を参照 のこと。 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリ ペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、好ましくは少なくとも7個、より好まし くは少なくとも9個、そして最も好ましくは約15〜約30個の間のアミノ酸の配列 を含む。HLF特異的抗体を生成するために使用され得る抗原性ポリペプチドまた はペプチドの非限定的な例には、以下が含まれる:約Ser-1から約Thr-8、約Thr- 9から約Lys-18、約Thr-23から約His-31、約Phe-32から約Leu-40、約Cys-43から 約Val-51、約Thr-56から約Tyr-68、約Gln-75から約Leu-84、約Tyr-126から約Ala -135、約Ser-137から約Leu-146、および約Ser-148から約Lys-157由来のアミノ酸 残基を含むポリペプチド。これらのポリペプチドフラグメントは、上記の図3に 示すように、Jameson-Wolf抗原性指標の分析によりHLFタンパク質の抗原性エピ トープを保有することが決定されている。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来の手段に より産生され得る。例えば、Houghten R.A.(1985)「General method for the ra pid solid-phase synthesis of large numbers of peptides:specificity of an tigen-antibody interaction at the level of individual amino acids.」Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131-5135を参照のこと;この「Simultaneous Multipl e Peptlde Synthesis(SMPS)」プロセスは、Houghtenらの米国特許第4,631,211号 (1986)でさらに記載される。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、当該分野で周知の方 法に従って抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、前出;Wil sonら、前出;Chow,M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:910-914;およびBit tle,F.J.ら、J.Gen.Virol.66:2347-2354(1985)を参照のこと。本発明の免疫 原性エピトープ保有ペプチド(すなわち、全タンパク質が免疫原である場合、抗 体応答を誘発するタンパク質の部分)は、当該分野で公知の方法に従って同定さ れる。例えば、Geysenら(前出)を参照のこと。さらになお、Geysen(1990)の米 国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位)に相 補的であるエピトープ(すなわち、「ミモトープ」)の位相幾何学的等価物であ るモノマー(アミノ酸または他の化合物)の配列を検出または決定する一般的な 方法を記載する。より一般的には、Geysen(1989)の米国特許第4,433,092号は、 目的の特定のレセプターのリガンド結合部位に相補的なリガンドの位相幾何学的 に等価物であるモノマーの配列を検出または決定する方法を記載する。同様に、 Peralkylated Oligopeptide Mixturesに関するHoughten,R.A.ら(1996)の米国特 許第5,480,971号は、直線状のC1〜C7アルキルペルアルキル化オリゴペプチドセ ットおよびこのようなペプチドのライブラリー、ならびにこのようなオリゴペプ チドセットおよびライブラリーを、目的のアクセプター分子に優先的に結合する ペルアルキル化オリゴペプチドの配列を決定するために使用する方法を開示する 。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これ らの方法によって日常的に作製され得る。 融合タンパク質 当業者が理解するように、本発明のHLFポリペプチドおよびその上記のエピト ープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの部分と結合 し得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を容易に し、そしてインビボで半減期の増加を示す。これは、例えば、ヒトCD4-ポリペプ チドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の 定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている(EP A 394,827;Trauneckerら、Nature 331:84-86(1988))。IgG部分によるジスル フィド結合二量体構造を有する融合タンパク質はまた、単量体HLFタンパク質ま たはタンパク質フラグメント単独よりも、他の分子の結合および中和においてよ り効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270:3958-3964;1995)。 さらに、本発明の目的のHLFポリペプチド、例えば、図1Aに示される細胞外EGF 様ドメインは、組換え毒素と組み合わされ得る。このような融合ポリペプチドは 、毒素(例えば、Pseudomonas外毒素A)を、腫瘍に対して、本発明のHLF分子の 細胞外またはより小さい可溶性ドメインの効率的な結合を介して標的化するため に使用され得る。実際に、Jeschkeら(Int.J.Cancer 60:730-739;1995)ならび にFiddesら(Cell Growth Differ.6:1567-1577;1995)は、ヒレグリン(heregu lin)毒素融合タンパク質は、このような様式で利用され得ることが実証されて いる。 抗体 本発明における使用のためのHLFタンパク質特異的抗体は、インタクトなHLFタ ンパク質またはその抗原性ポリペプチドフラグメントに対して惹起され得、これ は、アルブミンのようなキャリアタンパク質とともに、またはそれが十分に長け れば(少なくとも約25アミノ酸)、キャリアなしに、動物系(例えば、ウサギま たはマウス)に対して提示され得る。 本明細書中で使用される用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab )は、HLFタンパク質に特異的に結合し得るインタクトな分子、ならびに抗体フラ グメント(例えば、FabおよびF(ab')2フラグメント)を含むことを意味する。Fa bおよびF(ab')2フラグメントは、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠失し、 循環からより迅速に除去され、そしてインタクトな抗体のより非特異的でない組 織結合を有し得る(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。従って、これら のフラグメントが好ましい。 本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、HLFタン パク質またはその抗原性フラグメントを発現させる細胞は、ポリクローナル抗体 を含有する血清の産生を誘導するために動物に投与され得る。好ましい方法にお いて、HLFタンパク質の調製物が、天然の夾雑物を実質的に含まないようにする ために調製および精製される。次いで、このような調製物は、より特異的活性の 大きいポリクローナル抗血清を産生するために動物に導入される。 最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(またはそ のHLFタンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は 、ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Kohlerら、Nature 256:495(197 6:292(1976);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridoma,El sevier,N.Y.,(1981)、563〜681頁)。一般に、このような手順は、HLFタンパ ク質抗原またはより好ましくはHLFタンパク質発現細胞を使用した、動物(好ま しくはマウス)の免疫を含む。適切な細胞は、抗HLFタンパク質抗体に結合する それらの能力によって認識され得る。このような細胞は、任意の適切な組織培養 培地において培養され得る;しかし、10%胎児ウシ血清(約56℃で非働化)を補 充し、そして約10g/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約10 0μg/mlのストレプトマイシンを補充したEarleの改変Eagle培地において細胞を 培養することが好ましい。このようなマウスの脾細胞は、抽出され、そして適切 なミエローマ細胞株と融合される。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に 従って利用され得る;しかし、American Type Culture Collection,Rockville ,Marylandから入手可能である親ミエローマ細胞株(SP20)を利用することが好ま しい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞は、HAT培地において選択的に維持 され、次いで、Wandsらによって記載されるように(Gastroenterology 80:225-23 2(1981))、限界希釈によってクローン化される。次いで、このような選択によっ て得られるハイブリドーマ細胞は、HLFタンパク質抗原に結合し得る抗体を分泌 するクローンを同定するためにアッセイされる。 あるいは、HLFタンパク質抗原に結合し得るさらなる抗体は、抗イディオタイ プ抗体の使用を介して2工程手順において産生され得る。このような方法は、抗 体がそれ自身抗原であり、そしてそれゆえ第2の抗体に結合する抗体を得ること が可能であるという事実を利用する。この方法に従って、HLFタンパク質特異的 抗体は、動物(好ましくはマウス)を免疫するために使用される。次いで、この ような動物の脾細胞は、ハイブリドーマ細胞を産生するために使用され、そして そのハイブリドーマ細胞は、HLFタンパク質特異的抗体に結合する能力がHLFタン パク質抗原によってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するために スクリーニングされる。このような抗体は、HLFタンパク質特異的抗体に対する 抗イディオタイプ抗体を含み、そして動物を免疫してさらなるHLFタンパク質特 異的抗体の形成を誘導するために使用され得る。 本発明の抗体のFabおよびF(ab')2ならびに他のフラグメントは、本明細書中で 開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このようなフラグメン トは、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを生成するために)またはペプ シン(F(ab')2フラグメントを生成するために)のような酵素を使用する、タン パク質分解的切断によって生成される。あるいは、HLFタンパク質結合フラグメ ントは、組換えDNA技術を適用することによって、または合成化学によって産生 され得る。 ヒトにおける抗・LFのインビボでの使用のために、「ヒト化」キメラモノクロ ーナル抗体を使用することが好ましい場合がある。このような抗体は、上記のモ ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝子構築物を使用 して産生され得る。キメラ抗体を産生する方法は、当該分野で公知である(Morri son,Science 229:1202;1985);Oiら、BioTechniques 4:214;1986;Cabillyら、米 国特許第4,816,567号;Taniguchiら、EP171496;Morrisonら、EP173494;Neuber gerら、WO8601533;Robinsonら,WO8702671;Boulianneら、Nature 312:643;1984 ;Neubergerら、Nature 314:268;1985)。 細胞増殖の調節に関連する障害 診断 本発明者らは、HLFが、見かけ上、扁桃体、全脳、および初代乳房培養組織に おいてのみ検出可能に発現されることを発見した。細胞増殖の調節に関連する多 くの障害について、実質的に変化した(増大または減少した)HLF遺伝子発現の レベルは、このような障害を有する個体から得られる組織または他の細胞または 体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、または髄液)において、その障害を有さ ない個体からのこのような組織または体液におけるHLF発現レベル、すなわち「 標準」HLF遺伝子発現レベルに比較して、検出され得る。従って、本発明は、細 胞増殖の調節に関連する障害の診断の間に有用である診断方法を提供し、この方 法は、個体からのこのような組織または他の細胞または体液において、HLFタン パク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定する工程、および測定された遺伝 子発現レベルを標準的なHLF遺伝子発現レベルと比較する工程であって、それに より標準と比較した場合の遺伝子発現レベルの減少または増大が、このような障 害の指標である、工程を包含する。 特に、乳ガンまたは脳腫瘍を有する哺乳動物における特定の組織が、対応する 「標準」レベルと比較した場合に、有意に増大したレベルのHLFタンパク質およ びHLFタンパク質をコードするmRNAを発現すると考えられている。さらに、増強 されたレベルのHLFタンパク質は、このようなガンを有する哺乳動物由来の特定 の体液(例えば、血清、血漿、尿、および髄液)において、ガンを有さない同一 の種の哺乳動物からの血清と比較して、検出され得ると考えられている。 従って、本発明は、細胞増殖の調節の障害(いくつかの型のガンを含む)の診 断の間に有用である診断方法を提供し、この方法は、個体からの組織または他の 細胞または体液においてHLFタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定 する工程、およびその測定された遺伝子発現レベルを標準的なHLF遺伝子発現レ ベルと比較する工程であって、それにより標準と比較した遺伝子発現レベルにお ける増大または減少が、このような障害の指標である、工程を包含する。 腫瘍の診断を含む、細胞増殖の調節の障害の診断が、従来的な方法に従ってす でに行われている場合、本発明は、予後的指標として有用であり、これにより、 増強されたHLF遺伝子発現を示す患者が、標準的なレベルに近いレベルで遺伝子 を発現する患者に比較して、より悪い臨床的結果を経験するであろう。 「HLFタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」により、 第一の生物学的サンプルにおいて、HLFタンパク質のレベルまたはHLFタンパク質 をコードするmRNAのレベルを、直接的に(例えば、絶対的タンパク質レベルまた はmRNAレベルを決定または概算することによって)、あるいは相対的に(例えば 、第二の生物学的サンプルにおいてHLFタンパク質レベルまたはmRNAレベルに対 して比較することによって)、定性的または定量的に測定するかまたは概算する ことを意図する。好ましくは、第一の生物学的サンプルにおけるHLFタンパク質 レベルまたはmRNAレベルが測定または概算され、そして標準的なHLFタンパク質 レベルまたはmRNAレベル(障害を有さない個体から得られる第2の生物学的サン プルから得られる標準、または細胞増殖の調節の障害を有さない個体の集団から のレベルを平均化することによって決定される標準)に対して比較される。当該 分野で理解されるように、一旦標準的なHLFタンパク質レベルまたはmRNAレベル が知られると、それは比較のための標準として反復して使用され得る。 「生物学的サンプル」により、個体から得られる任意の生物学的サンプル、体 液、細胞株、組織培養物、またはHLFタンパク質もしくはmRNAを含有する他の供 給源が意図される。示されるように、生物学的サンプルは、遊離のHLFタンパク 質、またはHLFタンパク質の細胞外ドメインもしくはEGFドメインを含有する体液 (例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、癌組織、および、完全HLFタ ンパク質、またはHLFタンパク質の細胞外ドメインもしくはEGFドメイン、または HLFレセプターを発現することが見出されている他の組織供給源を含む。哺乳動 物からの組織生検および体液を得るための方法は、当該分野で周知である。生物 学的サンプルが、mRNAを含むべきである場合には、組織生検が好ましい供給源で ある。 本発明は、哺乳動物(好ましくはヒト)における細胞増殖の調節の種々の障害 の診断または処置のために有用である。このような障害には、乳ガン、脳腫瘍( 神経芽細胞腫およびグリア芽細胞種を含む)、発育障害、卵巣ガン、子宮体ガン 、何らかの型の結腸ガンなどが含まれる。 総細胞RNAは、ChomczynsklおよびSacchi(Anal.Biochem.162:156-159;1987 )に記載される一工程チオシアン酸グアニジンフェノールクロロホルム法のよう な任意の適切な技術を使用して生物学的サンプルから単離され得る。次いで、HL Fタンパク質をコードするmRNAのレベルは、任意の適切な方法を使用してアッセ イされる。これらには、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマッピング、 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT-P CR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT-LCR)が含まれる。 生物学的サンプルにおけるHLFタンパク質レベルのアッセイは、抗体に基づく 技術を用いて行い得る。例えば、組織でのHLFタンパク質発現は、古典的な免疫 組織学的方法を用いて研究され得る(Jalkanen M.ら、J.Cell.Biol.101:976 -985(1985);Jalkanen M.ら、J.Cell.Biol.105:3087-3096(1987))。HL Fタンパク質遺伝子発現を検出するために有用なその他の抗体に基づく方法は、 イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジオイ ムノアッセイ(RIA))を包含する。適切な抗体アッセイ標識は、当該分野で公 知であり、そしてグルコースオキシダーゼのような酵素標識、ヨウ素(125I、12 1 I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、テクネ チウム(99mTc)のような放射性標識、ならびにフルオレセインおよびローダミン のような蛍光標識、ならびにビオチンを含む。 個体から得た生物学的サンプルにおいてHLFタンパク質レベルをアッセイする のに加えて、HLFタンパク質はまた、インビボで画像化によって検出し得る。HLF タンパク質のインビボ画像化のための抗体標識またはマーカーは、X線撮影法、 NMR、またはESRによって検出可能なものを含む。X線撮影法について、適切な標 識には、検出可能な放射線を放射するが、被験体には明白に有害ではないバリウ ムまたはセシウムのようなラジオアイソトープが含まれる。NMRおよびESRのため の適切なマーカーには、関連するハイブリドーマの栄養素を標識することによっ て抗体中に取り込まれ得る検出可能な特徴的なスピンを有するもの(例えば、デ ュウテリウム)が含まれる。 ラジオアイソトープ(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過性物質、 または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような適切な検出可能な画像化部分 で標識したHLFタンパク質特異的抗体または抗体フラグメントは、免疫系の障害 について検査される哺乳動物中に導入される(例えば、非経口的に、皮下に、ま たは腹腔内に)。被験体のサイズおよび使用される画像化系は、診断画像を生成 するために必要とされる画像化部分の量を決定することが当該分野において理解 される。ラジオアイソトープ部分の場合、ヒト被験体において、注入される放射 能 の量は、通常、99mTcの約5〜20ミリキューリーの範囲である。次いで、標識さ れた抗体または抗体フラグメントは、HLFタンパク質を含有する細胞の位置に優 先的に蓄積する。インビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchlelら、「Immunopharmacok inetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments」(第13章、Tumor Imaging:The Radiochemical Detection of Cancer,S.W.BurchielおよびB.A.R hodes編、Masson Publishing Inc.(1982)に記載されている。 処置 上記のように、HLFポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、HLF活性の異常に 高いかまたは低い発現を含む状態の診断に有用である。HLFが発現される細胞お よび組織ならびにHLFによって調節された活性が与えられれば、標準的なまたは 「正常な」レベルに比較して、個体における実質的に変化した(増大または減少 した)レベルのHLFの発現は、HLFが発現され、および/または活性である身体の 系に関連する病理的状態を生じることが容易に明らかである。 本発明のHLFタンパク質が、EGFファミリーのメンバーであるので、そのタンパ ク質の細胞外ドメインは、HLFを発現する細胞からタンパク質分解的切断によっ て可溶性形態において放出され得ることがまた、当業者によって理解される。そ れゆえ、HLF可溶性細胞外ドメインが、外因的供給源から個体の細胞、組織、ま たは身体に添加された場合、そのタンパク質は、その個体のその標的細胞上でそ の生理学的活性を発揮する。 それゆえ、個体における標準的または正常なレベルのHLF活性における減少に よって引き起こされる状態(特に、細胞増殖調節の障害)は、HLFポリペプチド の(可溶性細胞外ドメインまたは完全なタンパク質を発現する細胞の形態で)投 与によって処置され得ることが理解される。従って、本発明はまた、増大したレ ベルのHLF活性を必要とする個体の処置の方法を提供し、この方法は、このよう な個体に、このような個体においてHLF活性レベルを増大させるのに有効な量の 本発明の単離されたHLFポリペプチド(特に、本発明のHLFタンパク質の細胞外形 態)を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。 増大したHLF活性を必要とする個体は、機能的なHLFタンパク質の十分な量を発 現せず、組換えHLFタンパク質、またはより簡単には活性細胞外ドメインもしく は活性EGFドメインを、このような個体に投与することによって、血流中でのHLF 活性の十分な濃度の存在を生じる。さらに、異常に増大したレベルのHLF活性を 有する個体は、本発明で記載されるHLF抗体またはアンタゴニストの使用を必要 とする。このようなHLFアンタゴニストの使用により、血流中でのHLF活性の有効 レベルを治療的に低下させる。このような処置の結果として、罹患した個体は、 「正常」と考えられる濃度に非常により近づいた有効濃度のHLF活性を有する。 当業者は、有効なHLF活性のレベルを治療的に調節する能力が所望される他の徴 候を認識する。 HLFが、特定の型の真核生物細胞のインビトロ培養物についての添加物または 補充物として使用され得ることが当業者によってさらに理解される。多くの細胞 型(初代細胞培養物を含む)は、高度に培養条件が難しく、そして首尾良い培養 物および細胞の生存を生じるために標準的な培養培地への添加物の複雑な混合物 を必要とする。公知の増殖因子および関連する分子の多くは、現在、種々の細胞 の培地に対する補充物として使用されている。このような因子は、上皮細胞成長 因子(EGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)、 インスリン様成長因子(IGF)-1、神経成長因子(NGF)、およびその他多数の分子を 含み得る。上記の成長因子のコレクションの利用可能性および使用にもかかわら ず、多数の細胞および細胞型が、全く培養不可能であるか、または延長した期間 培養不可能なままであるかのいずれかである。HLFの発現は、扁桃体、全脳、お よび初代乳房培養組織、または他の神経細胞および組織に限定されているようで あるので、HLFは、神経、ならびに多数の他の細胞および細胞型の培養物におけ る添加物または成長因子として有用である。 多くの細胞および細胞型が、特定の成長因子または関連する分子の、培養培地 からの不在を必要とすることが、当業者にさらに理解される。培養培地からのHL Fの不在を必要とする細胞を培養する場合、本明細書中に記載されるHLFのアン タゴニストまたは抗体は、HLFに結合してHLFを培養培地調製物から除去し、そう して「HLFを含まない」培養培地を生じるために使用され得る。 処方物 HLFポリペプチド組成物は良好な医学的実践に一致した様式で、個々の患者の 臨床状態(特に、HLFポリペプチド単独での処置の副作用)、HLFポリペプチド組 成物の送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮しつ つ処方され、そして投与される。従って、本明細書における目的のためのHLFポ リペプチドの「有効量」は、このような考慮事項によって決定される。 一般的な提案として、1用量あたりに非経口的に投与されるHLFポリペプチド の薬学的に有効な総量は、患者の体重あたり約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲 であるが、上記のように、これは治療上の裁量を受ける。より好ましくは、この 用量は、少なくとも0.01mg/kg/日そしてヒトについて最も好ましくは、ホルモン について約0.01と1mg/kg/日との間である。継続的に投与される場合、HLFポリペ プチドは、代表的には、約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で、1日 あたり1〜4回の注射によって、または、例えば、ミニポンプを使用する継続的 皮下注入によってのいずれかで投与される。静脈内点滴用バッグ溶液もまた使用 され得る。変化を観察するに必要な処置の長さ、および応答が生じるための処置 の後の間隔は、所望の効果に応じて異なるようである。 本発明のHLFを含有する薬学的組成物は、経口、直腸内、非経口、槽内(intrac istemally)、腟内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、液滴、または経皮パッチによる ような)、口腔に(bucally)、または経口もしくは経鼻スプレーとして投与され得 る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性固体、半固体、または液体充填 剤、希釈剤、カプセル化材料、または任意の型の処方補助剤を意味する。本明細 書で使用される場合、用語「非経口(的)」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨 内(intrasternal)、皮下、および関節内の注射および注入を包含する、投与様式 をいう。 HLFポリペプチドもまた、徐放系によって適切に投与される。徐放性組成物の 適切な例は、成型製品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態にお ける半透過性のポリマーマトリクスを含む。徐放性マトリクスは、ポリラクチド (米国特許第3,773,919号、EP58,481号)、L-グルタミン酸およびγ-エチル-L- グルタミン酸のコポリマー(Sidman、U.ら、Biopolymers 22:547-556(1983))、 ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら、J.Biomed.Mater.Res.1 5:167-277(1981)、およびR.Langer、Chem.Tech.12:98-105(1982))、エチレン 酢酸ビニル(R.Langerら、前出)またはポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP133,9 88)を含む。徐放性HLFポリペプチド組成物はまた、リポソームに捕捉されたHLF ポリペプチドを含む。HLFポリペプチドを含むリポソームは、それ自体公知の方 法によって調製される:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)8 2:3688-3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030-4034(1980 );EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本国特許出願83- 118008;米国特許第4,485,045号、および同4,544,545号;およびEP102,324を参 照のこと。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)単層型であり、ここで 脂質含有率は、30モル%コレステロールより多く、選択された部分は、最適なHL Fポリペプチド治療について調整される。 非経口投与について、1つの実施態様において、HLFポリペプチドは、一般に は、所望の程度の純度でこのポリペプチドを単位用量注入可能な形態(溶液、懸 濁液または乳濁液)で、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、使用された投 薬量および濃度においてレシピエントに対して非毒性であり、そして処方物の他 の成分と適合性であるもの)とを混合することによって処方される。例えば、処 方物は、好ましくは、酸化剤およびポリペプチドにとって有害であることが公知 である他の化合物を含まない。 一般に、処方物は、HLFポリペプチドを、液体キャリアまたは細かく粉砕した 固体キャリアまたは両方と、均一にかつしっかりと接触させることによって調製 される。次いで、必要である場合、産物は、所望の処方物へと成型される。好ま しくは、キャリアは、非経口キャリアであり、より好ましくは、レシピエントの 血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、水、生理食 塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液を含む。非水性ビヒクル(例えば 、不揮発油およびオレイン酸エチル)もまた、本明細書において、リポソームと 同様に有用である。 キャリアは、等張性および化学的安定性を増強する物質のような微量の添加物 を適宜含む。このような物質は、使用された投薬量および濃度においてレシピエ ントに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および 他の有機酸またはそれらの塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤 ;低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはト リペプチド);タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、またはイムノ グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸( 例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニン);単糖 、二糖および他の炭水化物(セルロースまたはその誘導体、グルコース、マンノ ース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖アルコー ル(例えば、マンニトールまたはソルビトール);対イオン(例えば、ナトリウ ム);および/または非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート、ポロキ サマーまたはPEG)を含む。 HLFポリペプチドは、代表的に、このようなビヒクル中で約0.1mg/ml〜100mg/m lの濃度で、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、pH約3〜8で処方される。上記の 特定の賦形剤、キャリア、または安定化剤の使用は、HLFポリペプチド塩の形成 をもたらすことが理解される。 治療的な投与について使用されるHLFポリペプチドは、滅菌されなければなら ない。滅菌性は、滅菌濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンメンブレン)を通 しての濾過により容易に達成される。治療的HLFポリペプチド組成物は、一般に 、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって穿孔可能なス トッパーを有する静脈溶液バッグまたはバイアルへ配置される。 HLFポリペプチドは、通常、単位または多用量容器、例えば、密封アンプルま たはバイアルにおいて、水溶液または再構成のための凍結乾燥処方物として貯蔵 される。凍結乾燥処方物の例として、10mlバイアルに、5mlの滅菌濾過1%(w/w v)水性HLFポリペプチド溶液を満たし、そして得られた混合物を凍結乾燥する。 注入溶液を、静菌注射用水を用いて凍結乾燥したHLFポリペプチドを再構成する ことによって調製する。 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1以上の成分を満たした1以上の容器 を含む薬学的パックまたはキットを提供する。薬学的産物または生物学的産物の 製造、使用または販売を規制する政府当局によって指示される形式の通知が、こ のような容器にともなう。この通知は、ヒトへの投与のための製造、使用または 販売の当局による承認を反映する。さらに、本発明のポリペプチドは、他の治療 化合物とともに使用され得る。 アゴニストおよびアンタゴニスト−アッセイおよび分子 本発明はまた、レセプター分子のようなHLF結合分子との相互作用のような、 細胞に対するHLFの作用を増強またはブロックする化合物を同定する化合物のス クリーニング方法を提供する。アゴニストは、HLFの天然の生物学的機能を増強 させるか、またはHLFと類似する様式で機能する化合物であり、他方、アンタゴ ニストは、このような機能を減少または消去する。 この実施態様の別の局面において、本発明は、HLFポリペプチドに特異的に結 合するレセプタータンパク質または他のリガンド結合タンパク質を同定するため の方法を提供する。例えば、細胞区画(例えば、メンブレンまたはその調製物) は、HLFを結合する分子を発現する細胞から調製され得る。調製物は、標識され たHLFとインキュベートされる。HLFおよびHLFがレセプターもしくは他の結合タ ンパク質に結合した複合体は、当該分野で公知の慣用方法に従って単離および特 徴づけされる。あるいは、HLFポリペプチドは、固体支持体に結合され得、その 結果、細胞から可溶化された結合分子は、カラムに結合し、次いで溶出され、そ して慣用方法に従って特徴づけされる。 アゴニストまたはアンタゴニストについての本発明のアッセイにおいて、細胞 区画(例えば、メンブレンまたはその調製物)は、HLFを結合する分子(例えば 、HLFによって調節されるシグナル経路または調節経路の分子)を発現する細胞 から調製され得る。調製物は、HLFアゴニストまたはアンタゴニストであり得る 候補分子の非存在または存在下で標識されたHLFとインキュベートされる。候補 物質が結合分子を結合する能力は、標識されたリガンドの結合の減少を反映する 。無償に、すなわちHLF結合分子の結合に対するHLFの効果を誘導することなく、 結合する分子が、おそらく良好なアンタゴニストである。良好に結合し、そして HLGと同一または密接に関連する効果を惹起する分子はアゴニストである。 可能性のあるアゴニストおよびアンタゴニストのHLF様の効果は、例えば、細 胞または適切な細胞調製物と候補分子との相互作用後に第二のメッセンジャー系 の活性を決定すること、およびHLFまたはHLFと同一の効果を惹起する分子と効果 を比較することによって測定され得る。この点に関して有用であり得る第二のメ ッセンジャー系は、AMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャネル、またはホスホ イノシチド加水分解第二メッセンジャー系を含むがこれらに限定されない。 HLFアンタゴニストについてのアッセイの別の例は、HLFおよび可能性のあるア ンタゴニストと、メンブレン結合HLFレセプター分子または組換えHLFレセプター 分子とを、競合阻害アッセイについて適切な条件下で合わせる競合アッセイであ る。HLFは、レセプター分子に結合したHLF分子の数を正確に決定して可能性のあ るアンタゴニストの有効性を評価し得るために、例えば、放射能で標識され得る 。 可能性のあるアンタゴニストは、本発明のポリペプチドに結合し、それによっ てその活性を阻害するかまたは消去する、有機低分子、ペプチド、ポリペプチド 、および抗体を含む。可能性のあるアンタゴニストはまた、有機低分子、ペプチ ドポリペプチド(例えば、結合分子(例えば、レセプター分子)上の同一の部位 にHLF誘導性活性を誘導せずに結合し、それによりHLFが結合することを排除する ことによってHLFの作用を妨害する、密接に関連するタンパク質または抗体)で あり得る。 他の可能性のあるアンタゴニストは、アンチセンス分子を含む。アンチセンス 技術を用いて、アンチセンスDNAまたはRNAを介して、あるいは三重らせん形成を 介して遺伝子発現を制御し得る。アンチセンス技術は、例えば、Okano、J.Neuro chem.56:560(1991);「Oligodeoxynucleotide as Antisense Inhibitors of Ge ne Expression.」CRC Press、Boca Raton、FL(1988)に記載される。三重らせん 形成は、例えば、Leeら、Nucleic Acids Research 6:3073(1979);Cooneyら、S cience 241:456(1988);およびDervanら、Science 251:1360(1991)に記載され る。この方法は、相補的DNAまたはRNAに対するポリヌクレオチドの結合に基づく 。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5'コード 部分を使用して、約10〜40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設 計し得る。DNAオリゴヌクレオチドを、転写に関与する遺伝子の領域に相補的で あるように設計し、それにより、転写およびHLGの産生を妨害する。ア ンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリダイズし、そ してmRNA分子のHLFポリペプチドへの翻訳をブロックする。上記のオリゴヌクレ オチドはまた、アンチセンスRNAまたはDNAがインビボで発現されてHLFタンパク 質の産生を阻害するように細胞へと送達され得る。 アゴニストおよびアンタゴニストは、例えば上記のような薬学的に受容可能な キャリアとの組成物において使用され得る。アンタゴニストを使用して、例えば 、erbBファミリーならびに他の公知または公知ではない細胞表面レセプター分子 に属する細胞表面レセプター分子への結合および活性化を阻害し得る。結果とし て、このようなレセプター結合の阻害は、対応するシグナル伝達経路の刺激の間 接的な阻害をもたらす。対応するシグナル伝達経路の多くが細胞分裂および増殖 の制御に関与する。他の関連するかまたは関連しない機構によって生じる多くの ガンの発生または加速化は、細胞表面レセプター分子刺激のレベルの異常な増加 と関連する。HLFアンタゴニストの活性は、HLF活性のレベルの異常な増加のブロ ックをもたらし、次いで、シグナル伝達経路の刺激レベルの異常な増加を減少す る。この状況は、最終的には、細胞分裂および増殖の正常な調節への復帰および 対応するガン遺伝子状態の対応する減弱化をもたらす。従って、本発明のHLGア ンタゴニストは、ガンを処置するのに使用され得る。上記の任意のアンタゴニス トは、例えば、本明細書以下に記載されるような薬学的に受容可能なキャリアと の組成物で使用され得る。 遺伝子マッピング 本発明の核酸分子はまた、染色体同定に有用である。この配列は、個々のヒト 染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置とハイブリダイズ し得る。さらに、染色体における特定の部位を同定することへの必要性が現在存 在する。実際の配列データ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在 、染色体位置をマークするのにはほどんと利用可能ではない。本発明に従う染色 体へのDNAのマッピングは、それらの配列を、疾患に関連した遺伝子と相関づけ ることにおいて重要な第一段階である。 この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中で開示されるcD NAは、HLFレセプター遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために用いられる。 これは、一般的に市販されている、種々の周知の技術およびライブラリーを用い て達成され得る。次いで、この目的のための周知の技術を用いて、インサイチュ 染色体マッピングのためにゲノムDNAが用られる。 さらに、いくつかの場合において、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましく は、15〜25bp)を調製することにより、染色体にマッピングされ得る。遺伝子の 3'非翻訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおいて1より多いエ キソンにまたがらず、従って、増幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に 選択する。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細胞 ハイブリッドのPCRスクリーニングのために用いられる。中期染色体スプレッド に対するcDNAクローンの蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(「FISH」)を用 いて、一工程で、正確な染色体位置を提供し得る。この技術は、50または60bp程 度の短いcDNA由来のプローブと共に用いられ得る。この技術の概説については、 Vermaら、Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press ,New York(1988)を参照。 一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理 的な位置は、遺伝子マップデータと相関づけられ得る。このようなデータは、例 えば、V.McKusick,Mendelian Inheritance In Man(Johns Hopkins University ,Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)に見出される。次い で、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析 (物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)によって同定される。 次に、罹患個体と非罹患個体との間でのcDNAまたはゲノム配列における差異を 決定することが必要である。変異がいくつかまたは全ての罹患個体において認め られるが、いずれの正常個体にも認められない場合、その変異は、疾患の原因因 子である可能性が高い。 本発明に一般的に記載されるように、以下の実施例を参照することにより、本 発明は、より容易に理解されるが、以下の実施例は、例示の目的で提供され、限 定として意図されない。 実施例 実施例1(a):E.coliにおけるHLFの「GSTタグ化」EGF様ドメインの発現および精 製 細菌性発現ベクターpGEX-3Xを、本実施例において、細菌性発現のために使用 する(Pharmacia,Inc.,Uppsala、Sweden)。pGEX-3Xはアンピシリン抗生物質耐 性(「Ampr」)をコードし、そして細菌の複製起点(「ori」)、IPTG誘導性プロモータ ー、GST精製モジュールの一つを用いるアフィニティー精製を可能にする、N末 端グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)をコードする配列をインフレー ムに、ならびにいくつかの適切な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレ メントは、ポリペプチドをコードする挿入されたDNAフラグメントが、そのN末 端GST融合タンパク質を伴うポリペプチドを発現するように、配置される。 HLFアミノ酸配列のEGF様ドメインを含むHLFタンパク質の所望の部分をコード するDNA配列は、HLFタンパク質の所望の部分のアミノ末端およびカルボキシ末端 配列とアニールされるPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて寄託されたcDN Aクローンから増幅された。pGEX-3Xベクターにおけるクローニングを容易にする 制限部位を含むさらなるヌクレオチドが、それぞれ、5'および3'プライマー配 列に付加された。HLFタンパク質のEGF様ドメインのクローニングのために、5' プライマーは、下線を付したBamHI制限部位、続いて図2のHLF配列のEGF様ドメ インのアミノ末端コード配列の16ヌクレオチドを含む、配列5'-GGCGGATCCCTCTTC TTCCTCCTCC-3'(配列番号5)を有した。3'プライマーは、下線を付したEcoRI制 限部位、続いて図1AのHLF DNA配列中のEGF様ドメインの3'末端に相補的な33ヌ クレオチドを含む、配列5'-GGCGAATTCTAAACTTCTTCACTCTCCATGAATTCAATCCCC-3'( 配列番号6)を有した。 増幅されたHLFDNAフラグメントおよびベクターpGEX-3Xは、BamHIおよびEcoRI で消化され、次いで消化されたDNAは、一緒に連結された。制限化されたpGEX-3X ベクターへHLF DNAを挿入することによって、IPTG誘導性プロモーターの下流に 、かつ開始AUGおよびN末端GST融合タグとインフレームに、HLFタンパク質コー ド領域を配置した。 連結混合物を、標準的な手順(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:a L aboratory Manual、第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spri ng Harbor,N.Y.(1989)に記載されるような手順)を使用してコンピテントなE.c oliを形質転換した。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてクローニ ングされたDNAの同一性を、制限分析、PCR、およびDNA配列決定によって確認し た。 所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)を補充したLB培地 における液体培養物中で一晩(「O/N」)増殖させた。O/N培養物を用いて約1:25〜1: 250の希釈率で大規模培養物に接種した。細胞を、約0.4の600nmでの光学密度(「O D600」)にまで増殖させた。次いで、イソプロピル-B-D-チオガラクトピラノシド(「 IPTG」)を添加して0.1mMの最終濃度にし、lacIリプレッサーを不活化することに より、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導した。細胞をさら に3時間から4時間の間引き続きインキュベートした。次いで細胞を遠心分離に より採集し、1×PBS中に再懸濁し、そして超音波処理によって溶解した。 発現したGST-HLF(EGFドメイン)融合タンパク質を、グルタチオンsepharose 4Bを用いて、実質的に製造者(Pharmacia、Uppsala、Sweden)によって記載さ れるように精製した。手短には、細胞溶解物を、グルタチオンsepharose4Bと合 わせた。混合物を、遠心分離によってペレット化し、そして洗浄した。ポリペプ チドのGST融合部分を、トロンビン部位特異的プロテアーゼを18時間添加するこ とによって切断した。切断後、トロンビンを、p−アミノベンズアミジンアガロ ースビーズに結合させた。トロンビン−p−アミノベンズアミジンアガロースビ ーズ複合体およびGSTグルタチオンsepharose複合体を、遠心分離によってペレッ ト化した。次いで、上清は、HLFタンパク質の精製されたEGFドメインを含んだ。 タンパク質調製物の純度を、SDS-PAGEによって分析した。次いで、精製したタン パク質を、−20℃で凍結保存した。 実施例2:.バキュロウイルス発現系におけるHLFタンパク質のクローニングおよ び発現 この例示的実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2GPを用いて、そ の天然に付随する分泌シグナル(リーダー)配列を欠く、成熟タンパク質をコー ドするクローニングされたDNAを、成熟HLFタンパク質を発現するバキュロウイル スに、バキュロウイルスリーダー、およびSummersら、A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures,、Texas Agricult ural Experimental Station Bulletin第1555号(1987)に記載のような標準的な方 法を用いて挿入する。この発現ベクターは、Autographa californica核多角体病 ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーターを含み、続いてバキュロウ イルスgp67タンパク質の分泌シグナルペプチド(リーダー)およびBamHI、XbaI およびAsp718のような都合良い制限部位を含む。シミアンウイルス40(「SV40」 )のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換えウ イルスの平易な選択のために、プラスミドは、同じ方向で、弱いDrosophilaプロ モーターの制御下で、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子を含み、続いて、 ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む。挿入された遺伝子は、野 生型ウイルスDNAとの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列の両側に隣接 して、クローニングされたポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを産 生する。 当業者に容易に理解されるように、構築物が、必要ならば、シグナルペプチド およびインフレームAUGを含む、転写、翻訳、分泌などのための適切に配置され たシグナルを提供する限り、多くの他のバキュロウイルスベクターを、上記のベ クター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)の代わりに用い得る。このよ うなベクターは、例えば、Luckowら、Virology 170:31〜39(1989)に記載される 。 寄託されたクローン中に、成熟のHLFレセプタータンパク質をコードするcDNA 配列(AUG開始コドン、および配列番号2に示される天然に付随するリーダー配 列を欠失する)を、遺伝子の5'配列および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオ チドプライマーを用いて増幅する。5'プライマーは、下線を付したBamHI制限酵 素部位、続いて、配列番号2に示される成熟HLFタンパク質の配列の16ヌクレオ チドを含み、HLFタンパク質の細胞外ドメインの示されるN末端で始まる、配列5' GGCGGATCCCCTCTTCTTCCTCCTCC-3'(配列番号7)を有する。3'プライマーは、下 線を付したAsp718制限部位に続いて図1Aの3'コード配列に相補的な33ヌクレオチ ドを含む、配列5'GGCGGTACCTAAACTTCTTCACTCTCCATGAATTCAATCCCC3'(配列番号 8)を有する。 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La J olla,Ca)を用いて、1%アガロースゲルから単離する。次いで、このフラグメ ントを、BamHIおよびAsp718で消化し、そして、再度1%アガロースゲル上で精 製する。このフラグメントを本明細書において「F1」と称する。 プラスミドを、制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し、そして必要に応じて、 当該分野で公知の慣用技術を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸 化し得る。次いで、このDNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca)を用いて1%アガロースゲルから単離する。このベクターDNAを、 本明細書中で「V1」と称する。 フラグメントF1および脱リン酸化プラスミドV1を一緒に、T4 DNAリガーゼで連 結する。E.coli HB101またはXL-1 Blue(Stratagene Cloning Systems,La Joll a,CA)細胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合物で形質転換し、そし て培養プレートに塗布する。BamHIおよびAsp718を用いて個々のコロニーからDNA を消化すること、次いでゲル電気泳動による消化産物の分析によってヒトHLF遺 伝子を有するプラスミドを含む細菌を同定する。クローニングされたフラグメン トの配列を、DNA配列決定によって確認する。このプラスミドを、本明細書中で 、pA2GPHLFと称する。 5μgのプラスミドpA2GPHLFを、FelgnerらProc.Natl.Acad.Sci.USA 84:74 13-7417(1987)によって記載されるリポフェクション法を用いて、1.0μgの市販 の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA」,Pharminge n,San Diego,CA.)とともに同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTM ウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpA2GPHLFを、50μlの無血清グレース培地 (Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含むマイクロタイタープレー トの滅菌ウェル中で混合する。その後、10μlのリポフェクチンおよび90μlのグ レース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次い で、このトランスフェクション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35m ・組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。 次いでプレートを、27℃で5時間インキュベートする。次いで、トランスフェク シ ョン溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレ ース昆虫培地を添加する。次いで培養を、27℃で4日間継続する。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith、前出に記載されるように プラークアッセイを行う。Blue Gal」(Life Technologies Inc.,Gaithersburg )を有するアガロースゲルを用いて、青色染色されたプラークを生じるgal発現 クローンの簡素な同定および単離を可能にする。(このタイプの「プラークアッ セイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Gaithersburg、で配布さ れる昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学のための使用者ガイド(9〜10頁) においても見い出され得る)。適切なインキュベーション後、青色染色されたプ ラークをマイクロピペッター(例えば、Eppendorf)のチップで拾う。次いで、 組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含む微小遠心管中に再懸 濁する。そして、組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を用いて、35mmディッシ ュに播種されたSf9細胞に感染させる。4日後、これらの培養ディッシュの上清 を収集し、次いでそれらを4℃で保存する。この組換えウイルスをV-HLFと称す る。 HLF遺伝子の発現を確認するために、Sf9細胞を、10%熱非働化FBSを補充した グレース培地中で増殖させる。細胞に、約2の感染多重度(「MOI」)で組換え バキュロウイルスV-HLFを感染させる。放射標識タンパク質が所望される場合、 6時間後にその培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF90 0 II培地(LifeTechnologiesInc.,Rockville,MDから入手可能)に置き換える 。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCiの35S−システイン(Amer shamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間インキュベートし、次いで 細胞を遠心分離により収集する。上清中のタンパク質および細胞内タンパク質を SDS-PAGE、続いて(放射性標識された場合)オートラジオグラフィーにより分析 する。 精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微量配列決定を用いて、HLFタ ンパク質の細胞外ドメインのアミノ末端配列を決定し得る。 実施例3:哺乳動物細胞におけるHLFのクローニングおよび発現 代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写の開 始を媒介する)、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポ リアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハン サー、Kozak配列、ならびにRNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセ プター部位に隣接する介在配列が挙げられる。非常に効率的な転写を、SV40由来 の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の長末端反復(LTR)(例 えば、RSV、HTLVI、HIVI)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモ ーターを用いて達成し得る。しかし、細胞性シグナル(例えば、ヒトアクチンプ ロモーター)もまた使用され得る。本発明の実施における使用に適切な発現ベク ターとしては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSV cat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI(ATCC 67109) のようなベクターが挙げられる。使用され得る哺乳動物宿主細胞としては、ヒト Hela細胞、293細胞、H9細胞およびJurkat細胞、マウスNIH3T3細胞およびC127細 胞、Cos1細胞、Cos7細胞およびCV1細胞、ウズラQC1-3細胞、マウスL細胞、なら びにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。 あるいは、遺伝子は、染色体に組み込まれたその遺伝子を含む安定な細胞株に おいて発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン、また はハイグロマイシン)との同時トランスフェクションは、トランスフェクトされ た細胞の同定および単離を可能にする。 トランスフェクトされた遺伝子はまた、増幅され、大量のコードされたタンパ ク質を発現し得る。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)マーカーは、目的の遺伝 子の数百または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用である。別の 有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bi ochem J.227:277-279(1991);Bebblngtonら、Bio/Technology 10:169-175(1992 ))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ 、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に組み 込まれた増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞お よびNSO細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LT R)(Cullenら、Molecular and Cellular Biology,438-447(1985年3月))お よびCMVエンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521-530(1985)) を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、お よびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクター はさらに、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3'イントロン、ポリアデニル化 シグナル、および終結シグナルを含む。 実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現 発現プラスミドpHLFHAを、HLFタンパク質の細胞外ドメインをコードするcDNA の一部を発現ベクターpcDNAI/AmpまたはpcDNAIII(これは、Invitrogen,Inc.か ら入手し得る)へクローニングすることによって作製する。ポリペプチドの可溶 性分泌形態を産生するために、細胞外ドメインを、ヒトIL-6遺伝子の分泌リーダ ー配列へと融合させる。 発現ベクターpcDNAI/ampは以下を含む:(1)E.coliおよび他の原核生物細胞に おける増殖に有効なE.coli複製起点;(2)プラスミド含有原核生物細胞の選択の ためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核生物細胞における増殖のためのSV40複 製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン;(5)cDNAが都 合良くCMVプロモーターの発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制 限部位の手段によってSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可能 に連結され得るように配置された、赤血球凝集素フラグメントをコードするいく つかのコドン(すなわち、精製を容易にするための「HA」タグ)に続く終止コド ンおよびポリアデニル化シグナル。HAタグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)に よって記載されたインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープ に対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合は、HAエピトープを認識する抗体 を用いた、組換えタンパク質の容易な検出および回収を可能にする。pcDNAIIIは さらに、選択可能なネオマイシンマーカーを含む。 HLFポリペプチドの細胞外ドメインをコードするDNAフラグメントを、組換えタ ンパク質発現がCMVプロモーターによって指向されるように、ベクターのポリリ ンカー領域にクローン化する。プラスミド構築戦略は、以下のとおりである。寄 託されたクローンのHLF cDNAを、E.coliにおけるHLF発現のためのベクターの構 築について先に記載されるのとほとんど同じように、都合の良い制限部位を含む プライマーを用いて増幅する。適切なプライマーは、以下の本実施例に使用され たプライマーを含む。5'プライマーは、下線を付したBamHI部位、コザック配列 、AUG開始コドン、ヒトIL-6遺伝子に由来する分泌リーダーペプチドをコードす る配列、およびHLFポリペプチドの細胞外ドメインの5'コード領域の16ヌクレオ チドを含み、以下の配列を有する:5'GCCGGATCCGCCACCATGAACTCCTTCTCCACAAGCGC CTTCGGTCCAGTTGCCTTCTCCCTGGGGCTGCTCCTGGTGTTGCCTGCTGCCTTCCCTGCCCCAGTCTCTTC TTCCTCCTCC3'(配列番号9)。3'プライマーは、下線を付したXbaI部位、および 停止コドン直前の3’コード配列に相補的な33ヌクレオチドを含み、以下の配列 を有する:5'GGCTCTAGATAAACTTCTTCACTCTCCATGAATTCAATCCCC3'(配列番号10)。 PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/Ampを、BamHIおよびXbaIで消 化し、次いで連結する。連結混合物で、E.coli株SURE(Stratagene Cloning Syst ems,11099 North Torrey Pines Road,La Jolla,CA 92037より入手可能)を形 質転換し、そして形質転換培養物を、次いでインキュベートしてアンピシリン耐 性コロニーの増殖を可能にするアンピシリン培地プレートへプレーティングする 。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてHLFポリペプチドの細胞外ド メインをコードするフラグメントの存在について制限分析または他の手段によっ て試験する。 組換えHLFの発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら,Molecular Clon ing:a Laboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,Cold Spring Harbo r,New York(1989)に記載のようにDEAE-DEXTRANを用いて、上記のように発現ベ クターでトランスフェクトする。細胞を、ベクターによるHLFの発現のための条 件下でインキュベートする。 HLF-HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら,Antibodies:A Laborator y Manual,第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor ,New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって検 出する。この目的のため、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S-シス テインを含む培地中で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞 および培地を採取し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用される )に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1%NP-40、0.1 % SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM TRIS、pH7.5で溶解する。タンパク質を 、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降する 。次いで、沈降されたタンパク質を、SDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーに よって分析する。期待されるサイズの発現産物は、細胞溶解物において観察され 、これはネガティブコントロールにおいては見られない。 実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現 ベクターpC4を、HLFポリペプチドの発現のために使用する。プラスミドpC4は 、プラスミドpSV2-dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。可溶性であり分 泌形態のポリペプチドを生成するため、細胞外ドメインを、ヒトIL-6遺伝子の分 泌リーダー配列と融合する。このプラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下 で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされてい るジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞または他の細胞 は、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイナスMEM、Life Te chnologies)中で細胞を増殖させることによって選択され得る。メトトレキサー ト(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、十分に考証されている (例えば、Alt,F.W.,Kellems,R.M.,Bertino,J.R.およびSchimke,R.T.,1978 ,J.Biol.Chem.253:1357-1370、Hamlin,J.L.およびMa,C.1990,Biochem.et B iophys.Acta,1097:107-143、Page,M.J.およびSydenham,M.A.1991,Biotechno logy 9:64-68を参照のこと)。漸増濃度のMTXにおいて増殖した細胞は、DHFR遺 伝子の増幅の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物への耐 性を生じる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子と連鎖する場合、通常、同時増幅され、 そして過剰発現される。増幅した遺伝子の1,000を超えるコピーを有する細胞株 を開発するためにこのアプローチを使用し得ることは、当該分野において公知で ある。続いて、メトトレキサートが取り除かれると、宿主細胞の1つ以上の染色 体に組み込まれた増幅遺伝子を含む細胞株が得られる。 プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルス(Culle nら、Molecular and Cellular Biology,1985年3月:438-447)の長末端反復(LT R)の強力なプロモーター、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshart ら、Cell 41:521-530(1985))の前初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフ ラグメントを含む。プロモーターの下流には、遺伝子の組み込みを可能にする以 下の単一の制限酵素切断部位が存在する:BamHI、XbaI、およびAsp718。これら のクローニング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロインスリン遺伝子 の3'イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーターもま た、例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター 、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)由来の長末端反復の発 現のために使用され得る。ClontechのTet-OffおよびTet-On遺伝子発現系および 類似する系は、哺乳動物細胞において調節された方法でHLFポリペプチドを発現 するために使用され得る(Gossen,M.およびBujard,H.1992,Proc.Natl.Acad.Sci .USA 89:5547-5551)。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグナル(例えば、 ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)も、同様に使用され得る。染色体 に組み込まれた目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、選択マーカー(例え ば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)との同時トランスフェクションに際 して選択され得る。最初は、1つより多い選択マーカー(例えば、G418およびメ トトレキサート)を使用することが、有利である。 プラスミドpC4を、制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し、次いで仔ウシ腸ホス ファターゼ(phosphate)を用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化す る。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。 HLFポリペプチドの細胞外ドメインをコードするDNA配列を、遺伝子の所望の部 分の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅 する。5'プライマーは、下線を付したBamHI制限部位、コザック配列、AUG開始コ ドン、ヒトIL-6遺伝子に由来する分泌リーダーペプチドをコードする配列、およ び有LFポリペプチドの細胞外ドメインの5'コード領域の16ヌクレオチドを含み、 以下の配列を有する(ここで、コザック配列は、斜体になっている): 5'GCCGGATCCGCCACCATGAACTCCTTCTCCACAAGCGCCTTCGGTCCAGTTGCCTTCTCCCTGGGGCTGC TCGTGTTGCCTGCTGCCTTCCCTGCCCCAGTCTCTTCTTCCTCCTCC3'(配列番号9)。3'プラ イマーは、下線を付したAsp718制限部位および図1A(配列番号1)に示されるよう な停止コドンの直前に3'コード配列に相補的な33ヌクレオチドを含み、以下の配 列を有する:5'GGCGGTACCTAAACTTCTTCACTCTCCATGAATTCAATCCCC3'(配列番号8) 。 増幅させたフラグメントを、エンドヌクレアーゼであるBamHIおよびAsp718で 消化し、次いで1%アガロースゲルで再度精製する。次いで、単離したフラグメ ントおよび脱リン酸化ベクターを、T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101またはXL-1 Blue細胞を形質転換し、そして例えば制限酵素分析を用いて プラスミドpC4に挿入されたフラグメントを含む細菌を同定する。 活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフ ェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン法 (Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoとともに同時トラン スフェクトする。プラスミドpSV2-neoは、優性選択マーカー(G418を含む一群の 抗生物質に対する耐性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。 細胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をト リプシン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/ ml G418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Gr einer,Germany)に播種する。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理 し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM )を用いて、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃 度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート (1μM、2μM、5μM、10μM、20μM)を含む新たな6ウェルプレートに移す 。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す 。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS-PAGEおよびウェスタンブロット分析 または逆相HPLC分析によって分析する。 実施例4:HLF mRNA発現の組織分布 ノーザンブロット分析を、とりわけSambrookら(上記に引用される)によって 記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるHLF遺伝子の発現を調べる。H LFタンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含むcDNAプローブを、redi primeTM DNA標識系(Amersham Life Science)を製造者の説明書に従って用いて32 Pで標識する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN-100TMカラム(Clontech Labor atories,Inc.)を製造者のプロトコル番号PT1200-1に従って用いて精製する。 次いで、精製した標識プローブを用いて、種々のヒト組織をHLF mRNAについて調 べる。 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple Tissue No rthern(MTN)ブロットを、Clontechから入手し、そしてExpressHybTMハイブリ ダイゼーション溶液(Clontech)を製造者のプロトコル番号PT1190-1に従って用 いて標識化プローブを用いて調べる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブ ロットをマウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝し、そして標準的な手 順に従って、フィルムを現像する。 実施例5:erbBレセプターファミリー活性化の分析 (実施例1において産生されるような)HLFタンパク質組の換えEGFドメインがer bBファミリーメンバーを活性化する能力を試験するために、チロシンキナーゼ活 性化アッセイを以下のように用いた。この分析において、ヒト乳癌細胞株(MCF-7 )は、低血清培地における培養の延長によって静止状態にさせた。HLFタンパク質 の外因性組換えEGFドメイン(10mg/ml)または組換えヒレグリン(0.1mg/ml)を増殖 培地に添加し、そして外因性タンパク質の存在下または非存在下において細胞培 養を30分間継続した。細胞を採取して、そしてSDS含有サンプル緩衝液(1% SDS ,0.15M Tris,pH8.6,5% BME,および1mMオルトバナジン酸ナトリウム)を添 加することによって溶解した。 次いで、細胞溶解物を、16〜20%のTris-グリシン勾配ゲル(Novex)においてSD S-PAGEに供した。続いて、電気泳動的に分離したタンパク質を、Hybond ECLニト ロセルロースメンブレン(Amersham)に転写した。チロシンホスフェートを含有す るタンパク質を、抗ホスホチロシン抗体を使用してイムノブロッティングによっ て同定した。 図4に示されるように、HLFタンパク質の組換えEGFドメインを含む培地で増殖 させた培養物から調製されたサンプルにおいて、約185kDaのサイズ範囲のタンパ ク質のチロシンリン酸化が明らかに増加する。細胞表面レセプター分子のerbBフ ァミリーは、少なくとも4つのメンバーから構成され、その全ては、この分析に おいてチロシンリン酸化の増加が認められるタンパク質のおよその分子量である 。さらに、この分析において組換えヒレグリンを有するMCF-7細胞の処理は、細 胞タンパク質のチロシンリン酸化状態における変化に関して同様の結果を引き起 こした。 これらの結果は、HLFタンパク質の組換えEGFドメインが、これらの細胞におい て発現された細胞表面レセプターのerbBファミリーの少なくとも1つのメンバー のリン酸化を活性化し得たことを強く示唆する。 実施例6:乳癌細胞におけるHLF、複数のerbBタンパク質の活性化 緒言 erbBファミリーのメンバーの増加した活性は、癌の発生と関連付けられている 。活性化の異なる分子機構が同定されている。EGF/ヒレグリンファミリーのリガ ンドは、乳癌において不適切に発現される。EGF、α-TGF、アンフィレグリン(am phiregulin)およびヒレグリンは、適切なレセプターを含む乳癌において発現さ れ、従って、オートクライン増殖刺激を導く。オートクライン増殖刺激の重要性 は、高レベルのEGFレセプターを有するNIH/3T3細胞の形質転換に必要とされる。 なぜなら、十分な形態学的形質転換には、α-TGFの同時発現が必要であるからで ある。乳癌におけるα-TGFによるオートクライン増殖刺激の原因となる役割は、 α-TGFの発現が相乗的に作用して頻繁に乳癌を生じる、トランスジェニック動物 を使用する実験において実証される。これらの知見は、erbBレセプタータンパク 質のerbBリガンドとの同時発生の発現が、異常な細胞増殖を生じ得るということ を示す。さらに、乳癌の20%において、erbB2遺伝子の増幅は、pI85erbB-2の過 剰発現を生じる。これらの癌において、シグナル伝達の活性化は、リガンド活性 化に非依存性であると考えられる。pI85erbB-2の過剰発現は、実験系におけるオ ンコジーン的な事象である。現在までに、erbB2にのみ結合するリガンドは、全 く単離されていない。しかし、最近の研究においては、erbB2が、ヒレグリンに 対するレセプターの一部を形成し得ることが示される。erbB1(EGFR)タンパク質 の過剰発現 は一般的であるが、遺伝子増幅は、乳癌においては、それほど頻繁ではない。 erbBレセプターは、二量体(2つの同一のerbBタンパク質から形成されるか(ホ モ二量体)、または2つの異なるタンパク質から形成される(ヘテロ二量体))とし てそれらのリガンドに結合する。EGFは、erbB1(EGFR)のホモ二量体またはerbB1 およびerbB2のヘテロ二量体に結合し得る。同様に、ヒレグリン1bは、erbB4のホ モ二量体またはerbB2およびerbB3のヘテロ二量体に結合し得る。EGF/ヒレグリン ファミリーの他のリガンドは、erbBタンパク質のホモおよびヘテロ二量体によっ て形成されるレセプターを有する。リガンド結合および二量体形成によって、細 胞内シグナル伝達経路を活性化するレセプタータンパク質および基質の自己リン 酸化の増加が導かれる。 EGF/ヒレグリンファミリーのメンバーによるレセプター刺激の細胞の結果は、 リガンドおよび細胞の状況とともに変化する。EGFおよびα-TGFは、培養におい て多くの細胞の増殖を刺激し得るが、EGFレセプターを過剰発現する乳癌の場合 には、EGFは、約10nMを超える濃度で増殖阻害性であり得る。同様の方法で、ヒ レグリンは、いくつかのヒト癌細胞の増殖の刺激、およびerbB2を過剰発現する 癌細胞の阻害の両方が可能である。乳癌細胞におけるerbBタンパク質の提示は、 均一ではない。多くの細胞は、ファミリーの1つ以上を欠失しており、他は、er bB1およびerbB2を非常に過剰発現している。ヒレグリンは、アクチン細胞骨格に おける変化によって証明されるように、細胞形態において明らかに効果を有する 。ヒレグリンは、神経−筋肉接合点、ニューロン細胞とグリア細胞との間、およ びシュワン細胞発生における適切な制御において多くの特異化された役割を果た すようである。出生前の発生において、ヒレグリンおよびerbB2およびerbB4は、 脳および心臓の形態形成を制御する。これらの知見は、EGF/ヒレグリンファミリ ーのメンバーが、細胞表現型において異なる効果を有し得るということを示す。 この研究において、本発明者らは、増殖因子のEGF/ヒレグリンファミリーにつ いての新たなリガンドを特徴づける。本発明者らの結果によって、HLFは、レセ プターのerbBファミリーの複数のメンバーと結合しかつそれらを活性化すること が示される。本発明者らは、HLFが、ヒト乳癌細胞株において発現され、そして ヒト乳癌細胞株の増殖を変化させ得ることを実証する。これらの結果は、HLFが 、 正常および悪性の乳房上皮細胞の増殖においてインビトロで効果を有し得ること を示す。 結果 HLFは、EGF様ドメインを含む。 EGF/ヒレグリンファミリーのリガンドは、本発明者らがHLFを同定するために 使用した十分に規定された配列類似性を有する。図5は、EGF/ヒレグリンファミ リーの公知のリガンドの編集結果を示す;全てのリガンドは、6つのシステイン を含む。4番目システインと6番目のシステインとの間には、保存された疎水性 アミノ酸(Y37(配列番号2のTyr-68))および保存されたグリシン(G39(配列番号2 のGly-70))を含む共通するEGF様折り畳みモチーフが存在する。この領域は、多 くの細胞外タンパク質において使用される非常に安定なコア構造を明らかに形成 する。リガンドの間の配列類似性は、この折り畳みモチーフに制限されるわけで はない。正確に保存されたアルギニン(R41(配列番号2のArg-72))および14位お よび16位における疎水性アミノ酸(配列番号2のAsn-45およびAsp-46)が存在する 。結合活性に必要とされる疎水性アミノ酸は、46位または47位において見られる (配列番号2のLeu-77またはPro-78)。システイン間のアミノ酸数は、ループBお よびループCの明らかな例外を伴いリガンド間で類似している。ヒレグリンは、E GF様リガンドより3アミノ酸長いループCを有する。EGF/ヒレグリンファミリー メンバーの間の全体的な配列類似性は、(同じ遺伝子に由来するHrg1aとHrg1bの 間を除外して)19〜42%である。最近、NRG2がラット脳において同定された。NGR 2は、EGF様ドメインにおいて42%の配列同一性を有するHrg1bに最も密接に関連 する。 EGFおよびヒレグリン配列に由来するコンセンサス配列を使用して、本発明者 らは、800,000配列を越えるHGSデータベースをスクリーニングした。図5に示さ れるように、1つのcDNAは、EGF様ドメイン内のEGFおよびヒレグリンファミリー に対して34〜38%の類似性を有するHLF配列をコードした。重要なことには、HLF 配列において、保存されたシステイン残基の全て、R41、およびG39(それぞれ、 配列番号2のGly-70およびArg-72)は、正確に保存されている。NRG-3、特に13位 、 15位、37位、および46-47位(それぞれ、配列番号2のLeu-44、Asp-46、Tyr-68、 およびLeu-77-Pro-78)における疎水性アミノ酸でさらなる配列保存が存在する。 BおよびCループの長さは、EGFよりもヒレグリンにより類似している。本発明者 らの現在のcDNAクローンによって規定されたコードフレーム内では、EGF様ドメ インに対して膜貫通ドメインC末端と一致した一連の疎水性アミノ酸の配列が存 在する。この構造は、a-TGF、EGF、ヒレグリン、および他のリガンド前駆体タン パク質(図5には示されていない)において見出される膜貫通ドメインに類似する 。HLF cDNAの配列の属性によって、HLF cDNAは、レセプターのerbBファミリーの 1つまたはいくつかと結合する新規な増殖因子をコードするものとしての強力な 候補物となされる。NGR-2は、高度に保存されたEGF様ドメインにおいてHLFに36 %同一であるので、それらは、異なる遺伝子の産物である。Don-1はまた、EGF/ ヒレグリンに対する配列類似性によって最近、独立して同定され、そして明らか にNRG-2と同じ遺伝子の産物である。 HLFが、erbBファミリータンパク質を活性化させることの実証。 レセプターのerbBファミリーについてのリガンドとしてHLFの作用の最初の推 測を得るために、本発明者らは、GST融合系を使用してE.coliにおいて組換えタ ンパク質を生成した(実施例1を参照のこと)。HLFのEGF様ドメインを、トロンビ ン切断によってGSTから遊離および精製した。得られたタンパク質は、SDS-PAGE で分析した場合、単一のポリペプチドを含んでいた。 組換えHLFがerbBファミリーのレセプターを活性化する能力を試験するために 、本発明者らは、チロシンキナーゼ活性化アッセイを使用した。次いで、チロシ ンホスフェートを含むタンパク質を、抗ホスホチロシン抗体を使用してイムノブ ロッティングによって同定した。本発明者らは、組換えHLFをMCF-7に適用する場 合、約pl85にてチロシンリン酸化の明らかな増加を見出した。MCF-7細胞におい て、組換えヒレグリン-1bは、ほぼこのサイズにてチロシンリン酸化タンパク質 の多きな増加を生じた。これらの結果は、組換えHLFが、MCF-7細胞において発現 されたerbBファミリーの少なくとも1つのメンバーのリン酸化を活性化し得るこ とを示す。 HLFは、複数のerbBタンパク質を活性化する。 HLFレセプターの分析を始めるために、本発明者らは、erbBタンパク質の提示 が制御され得る実験系を使用した。32D細胞は、erbBファミリーの遺伝子の発現 を欠いたマウス骨髄細胞株である。32D細胞の増殖は、WEHI馴化培地に存在するI L-3に依存する。erbBタンパク質をコードする発現構築物が32D細胞に導入される 場合、得られる細胞は、適切なEGF/ヒレグリンファミリーメンバーが存在してい るならばIL-3の非存在下において生存し得る。例えば、EGFレセプター発現の導 入は、EGFまたはaTGFの存在下における32D細胞の増殖を導き、そしてerbB4の導 入は、ヒレグリンにおける増殖を可能にする。類似の実験系を使用して、新たに 発見されたNRG-2のレセプター特異性を試験した。本発明者らはまた、HLFの存在 下において32D細胞の増殖が、EGFレセプターもしくはerbB4が1つずつ存在する か、またはerbB2およびerbB3が組み合わせて存在するかの場合にのみ生じること を示す。erbB2またはerbB3単独の発現は、HLF誘導された増殖を導かない。この 増殖刺激が、レセプター活性化の結果であったことを確認するために、本発明者 らは、HLFが、EGFレセプター、erbB4またはerbB2およびerbB3(共に発現された場 合)のチロシンリン酸化を誘導するか否かを決定した。本発明者らは、これらの3 2D細胞の細胞溶解物が抗ホスホチロシン抗体によってプローブされる場合、適切 なサイズのバンドの出現を示す。これらの結果は、HLFがerbB1ホモ二量体(EGFレ セプター)、erbB4ホモ二量体、およびerbB2+erbB3ヘテロ二量体を活性化し得る という強力な証拠である。 32D実験の結果によって、HLFのレセプター結合パターンは複雑であることが示 される。HLFがMCF-7細胞においてerbB4以外のタンパク質を活性化することを確 認するために、本発明者らは、erbB3を免疫沈降し、そしてイムノブロットによ るチロシンリン酸化レベルを決定した。本発明者らはまた、erbB3がHLF刺激の結 果としてチロシンにおいてリン酸化されることを観察した。 HLFの生物学的活性 EGF/ヒレグリンファミリーの効果は、顕著に変化する。細胞の表現系が異なる ことは、同じ細胞系において異なるリガンドによって誘導され得、そして同じリ ガンドは、異なる細胞の間で異なる効果を引き起こし得る。HLFのマイトジェン 活性は、32D細胞実験において検出された。MCF-7細胞は、フェノールレッドの形 態でまたはウシ胎仔血清に存在するかのいずれかで培地中のエストロゲンに依存 する。ステロイドを除去するために活性炭で処理した血清を含むフェノールレッ ドを含まない培地においては増殖はほとんど見られない。ヒレグリンは、エスト ロゲンの非存在下において、増殖を促進し得る。HLFが添加されると、明らかな 増殖刺激がまた存在する。増殖阻害効果もまた見られた。HLFは、乳癌細胞株MDA -MB-468の増殖を阻害する。これらの細胞はEGFレセプターを過剰発現し、低濃度 (<10nM)でEGFによって刺激され得、そしてより高濃度(>10nM)で増殖が阻害 され得る。HLFは、EGFレセプターを含む32D細胞の増殖刺激を引き起こす濃度に 類似の条件下でMDA-MB-468の増殖を阻害することが見出された。エストロゲンレ セプターのアゴニストを含む培地において細胞が増殖される場合、HLFがMCF-7細 胞に適用されると、増殖抑制または刺激が全く観察されない。 乳癌におけるHLF MRNA発現 ノザンブロッティング法を使用する予備実験によって、約2kDのサイズを有す る成体脳におけるHLF mRNAについての弱いシグナルが示された(データは示さず) 。現在のHLF研究において、同様のノザンブロットの結果が報告されている。こ のシグナルが弱いために、本発明者らは、RT-PCRを使用してHLF mRNAを検出した 。本発明者らは、脳における発現を確認し、そして正常組織および乳癌組織のサ ンプルにおいて等しいシグナルを検出する。RT-PCRは2つのプライマーセットを 使用した。この2つのプライマーセットは、一致した結果を生じた。これは、RT -PCRによって観察されるバンドが実際のHLF mRNAに起因したということを示す。 さらに、全てのアッセイは、夾雑DNAの存在を検出するために逆転写酵素を欠く コントロール反応を含んだ。340bpで観察されたバンドは、HLF cDNAに基づく推 定サイズに対応する。これは、クローニングされて、配列決定され、そしてHLF コード情報を含むことが示された。500bpおよび120bpのバンドもまた、配列決定 された。これらは、HLFコード情報を含まないため、関連しないmRNAにおけるRT- PC Rオリゴヌクレオチドによるミスプライミングを表すようである。これらの結果 は、HLFがヒト乳癌細胞株において発現され得るという強力な証拠である。 考察 本発明者らの結果によって、HLFは、erbB1およびerbB2+erbB3のヘテロ二量体 に結合し、かつそれらを活性化し得ることが示唆される。まとめると、入手可能 なデータによって、HLFの正確なレセプター結合および活性化のプロフィールは 、複雑であることが示唆される。本発明者らの結果は、erbB3は、HLF結合の結果 としてリン酸化され得ることを実証する。HLFが誘導したerbB3におけるチロシン リン酸化の増加によって、erbB3タンパク質はHLFレセプターの部分であり得るこ とが示唆される。本発明者らの32D細胞の研究は、erbB2がerbB3とのヘテロ二量 体レセプターの他のメンバーであるというこの結論を支持する。HLFが、erbB1+ erbB3ヘテロ二量体またはerbB3+erbB4ヘテロ二量体またはerbB2+erbB4ヘテロ 二量体と結合し得るか否かは、まだ決定されていない。本発明者らの予備データ は、HLFがレセプターのerbBファミリーについての新たなリガンドであることを 確かに決定的に実証する。これらの結果は、HLFが、いくらかb-セルリンに類似 のレセプター特異性を有し得ることを示唆する。 成体組織において、HLFの発現レベルは低いが、RT-PCRのような高感度の方法 を使用して検出し得る。HLFは、形態形成に重要な役割を果たす可能性が高い脳 において最も高レベルで発現される。興味深いことに、本発明者らは、HLFによ って活性化され得るレセプターを明らかに有する乳癌細胞株のMCF-7においてHLF 発現を同定する。本発明者らの結果はまた、HLFが、インビトロでMCF-7癌細胞の 増殖の変化を引き起こし得ることを示す。MCF-7細胞がエストロゲンの非存在下 で増殖を引き起こす能力は、ヒレグリンについて以前に報告されているものと類 似する。本発明者らの結果は、HLFによる細胞表現型における効果が細胞株に依 存し得ることを示唆する。高レベルのEGFRを有するMDA-MB-468は、インビトロに おいてHLFによって増殖阻害される。 本明細書における結果は、最近先に報告されたものとともに、HLFを増殖因子 レセプターのerbBファミリーの新たなリガンドとして同定し、そして正常乳房上 皮組織および悪性乳房上皮組織の増殖調節においてHLFの役割を示唆する。 材料および方法 組換えHLFの調製。組換えHLFの調製はまた、実施例1に記載される。本実施例 において産生されるタンパク質の場合、HLFのEGF様ドメインを含むコードセグメ ント(HGS38のヌクレオチド79〜279)をPCRによって増幅し、そして発現のためのp GEX3プラスミドに細菌のグルタチオンSトランスフェラーゼとの融合タンパク質 として挿入した。タンパク質を標準的方法を使用して調製した。細菌をOD600が 約0.4になるまで培養し、0.1mM IPTGの添加によって組換えタンパク質を発現す るように誘導した。細菌を遠心分離によって収集し、1×PBSに再懸濁し、そし て超音波処理によって溶解した。組換えタンパク質を、グルタチオンビーズとと もにインキュベーションすることによって回収した。洗浄後に、組換えHLFタン パク質を18時間のトロンビン切断によってビーズに結合したGSTから切断した。 トロンビンをp-アミノベンズアミジンアガロースビーズとともにインキュベーシ ョンすることによって取り除いた。再折り畳みは、組換え抗体フラグメントの調 製物に使用される方法に従った。簡潔には、組換えHLFを、65mM DTEを含む6Mグ アニジンHClで変性した。これを0.4Mアルギニン、0.1M Tris pH8.0、0.9mM酸化 型グルタチオン、2.0mM EDTAに100μg/mlの最終タンパク質濃度まで、迅速に100 倍に希釈した。再折り畳みを、24時間、4℃で進行させた。再折り畳みされたタ ンパク質を3000kDaカットオフメンブレンを使用して、PBSに対して徹底的に透析 した。タンパク質調製物を−20℃で保存した。 ホスホチロシンイムノブロットによるレセプター活性化の検出。 細胞を、増殖因子の示された量を添加する前に、(MCF-7については24時間、32 Dに由来する細胞株をについては4時間)飢餓させた。全細胞溶解物を、SDS-PAGE サンプル緩衝液(1%SDS、0.15M Tris pH8.6、5% BME、および1mMオルトバナ ジン酸ナトリウム)を直接細胞に添加することによって調製した。細胞を溶解し 、8〜16%Tris−Glycine勾配ゲル(Novex)において泳動した。タンパク質をHybo nd ECLニトロセルロースメンブレン(Amersham)に転写し、そして抗ホスホチロシ ンM Abを使用してイムノブロットした。 32D細胞実験。 erbB1、erbB2、erbB3、erbB4、ならびにerbB2およびerbB3の両方についての発 現構築物を含む32D細胞を、実験前にIL-3含有(WEHI馴化培地)またはHrg-1bにお いて増殖させた。erbBタンパク質の発現を、erbB特異的抗血清を使用して、FACS 分析によって確認した。細胞(104/ウェル)をIL-3含有培地(DMEM,10%FCS)の非存 在下または示された増殖因子(ヒレグリン-1b(100ng/ml)、EGF(100ng/ml)、およ びHLF(10μg/ml))の存在下において24ウェルディッシュに播種した。細胞を3日 間増殖させ、そして生存細胞を血球計算盤を使用して計数した。 erbB3の免疫沈降およびイムノブロット。 細胞を80%コンフルエントになるまで80cm2ディッシュ(DMEM+10%FCS)に播種 した。次いで、細胞を無血清培地(DMEM)において24時間静止状態にさせた。つい で、細胞を、示された増殖因子(ヒレグリン-1b(1μg/ml)およびHLF(10μg/ml)) で15分間刺激した。細胞を1mMオルトバナジン酸ナトリウム含有PBS中の1%Trit on X100で溶解した。核を遠心分離によって除去した。erbB3タンパク質を、モノ クローナル抗erbB3抗体(Neomarkers)を使用して免疫沈降し(40℃で2時間)、そ してプロテインAセファロースで回収した。タンパク質を1%SDSを含むPAGEサ ンプル緩衝液中、100℃でインキュベーションすることによって遊離させ、そし て8〜16%ゲル(Novagen)において電気泳動した。タンパク質をニトロセルロー スメンブレンに転写した。pTyrを含むタンパク質をモノクローナル抗ホスホチロ シン抗体(Oncogene Science)およびECL検出システム(Amersham)を用いて検出し た。 増殖アッセイ。 細胞を、IMEM+10%FBS中に96ウェルディッシュにおいて3000細胞/ウェルにて 播種した。細胞を無血清IMEM中で24時間静止状態にし、そして増殖因子EGF(2ng/ ml)およびHLF(10μg/ml)を培地に添加した。1、3、および5日での細胞増殖を 、 XTTアッセイ法を使用してモニターした。XTTを、ウェルの容量の25%まで、IMEM およびPMS(PBS中1.5mg/ml)に10μg/mlで37℃、4時間添加した。ODを540nmにて モニターした。 HLF mRNAの検出。 全RNAを培養細胞からRNazolB法(Tel-Test.CS-104)を使用して抽出した。最終 的なRNAペレットを、135μlのDEPC処理H2O中に再懸濁した。DNase処理をSNAP RN A単離キット(Invitrogen,K1950-01)を使用して行った。簡潔には、10×DNase緩 衝液およびRNaseを含まないDNase Iを、各サンプルに添加して、そして37℃で20 分間インキュベートした。RNA精製をキットに示されるように行った。各サンプ ルの濃度を決定し、サンプルを乾燥して、最終濃度2μg/μlに再検濁した。 RT-PCRを、Gene Amp RNA PCR Coreキット(Perkin Elmer,N808-0143)において 全RNAの2μgを使用して行った。cDNAを、下流プライマー5'-CCA CGA TGA CAA T TC CAA AG-3'(配列番号20)を使用して合成した。サンプルを37℃で1時間逆転写 した。RTを99℃で5分間不活化し、サンプルを氷上で冷却した。PCRを、上流プ ライマー5'-TAC CAC CAC CAC ACC AGA AA-3'(配列番号21)を使用してRT反応物全 体を用いて行った。この反応を、94℃で1分間、58℃で1分30秒、72℃で2分間 を40サイクル、次いで72℃で8分間の伸長を行った。サンプルをアガロースゲル 上で電気泳動し、そしてエチジウムブロミド染色で可視化した。 バンドの配列の確認を、アガロースゲルスライスからバンドを精製すること(W izard PCRプレップDNA精製システム、Promega,A7170)、および自動化配列決定の ためにTAベクター(Invtorogen,K2000-J10)にクローニングすることによって行っ た。反応産物に存在する未知のバンドをクローニングし、そして同様の様式で配 列決定した。 本発明は、前述の詳細な説明および実施例において詳細に記載されるもの以外 にも実施され得ることが明らかである。本発明の多くの変更および改変は、上記 の教示に鑑みて可能であり、それゆえ、添付の請求の範囲内にある。 本明細書中に引用される全ての刊行物(特許、特許出願、学術論文、原稿、実 験マニュアル、書籍、または他の文書を含む)の全体の開示が、本明細書中にお いて参考として援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ヤング,ポール アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザーズバーグ,ベックウイズ ストリ ート 122 (72)発明者 ルーベン,スティーブン エム. アメリカ合衆国 メリーランド 20832, オルニー,ヘリテッジ ヒルズ ドライブ 18528 (72)発明者 キング,シー.リッチャー アメリカ合衆国 ワシントン,ディーシー 20007,エヌ.ダブリュー.,ウィスコ ンシン アベニュー 2115,ジョージタウ ン ユニバーシティ内 (72)発明者 ヒジャジ,マイ エム. アメリカ合衆国 ワシントン,ディーシー 20007,エヌ.ダブリュー.,ウィスコ ンシン アベニュー 2115,ジョージタウ ン ユニバーシティ内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2の1位〜157位のアミノ酸配列、またはATCC受託番号209123 に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するHLF ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (b)配列番号2(すなわち、配列番号2の1位〜101位)の、またはATCC受 託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミノ配列を 有するHLFポリペプチドの推定細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列; (c)配列番号2(すなわち、配列番号2の102位〜121位)の、またはATCC受 託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミノ配列を 有するHLFポリペプチドの推定膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列; (d)配列番号2(すなわち、配列番号2の122位〜157位)の、またはATCC受 託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミノ配列を 有するHLFポリペプチドの推定細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列; (e)細胞外ドメインおよび細胞内ドメインを有するが、膜貫通ドメインを欠 く可溶性HLFポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;および (f)上記の(a)〜(e)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレ オチド配列、 からなる群から選択される配列に対して少なくとも95%同一であるヌクレオチド 配列を有するポリヌクレオチドを含む、核酸分子。 2.前記ポリヌクレオチドが図1Aおよび1B(配列番号1)の完全なヌクレオチド 配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 3.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の1位〜157位のアミノ酸配列を有す るHLFポリペプチドをコードする、図1Aおよび1B(配列番号1)のヌクレオチド 配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 4.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2のほぼ1位〜ほぼ101位のアミノ酸配 列を有するHLFポリペプチドの細胞外ドメインをコードする、図1Aおよび1B(配 列番号1)のヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 5.単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2の残基n〜157のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード するヌクレオチド配列であって、ここでnが1〜35の整数を表す、ヌクレオチド 配列; (b)配列番号2の残基1〜mのアミノ配列を含むポリペプチドをコードする ヌクレオチド配列であって、ここでmが73〜101の整数を表す、ヌクレオチド配 列; (c)配列番号2の残基n〜mからなるアミノ配列を有するポリペプチドをコ ードするヌクレオチド配列であって、ここでnおよびmがそれぞれ、上記(a) および(b)において定義された整数である、ヌクレオチド配列; (d)ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全 なHLFアミノ酸配列の一部からなるポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配 列であって、ここで、該部分は、ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンに よってコードされる該完全なアミノ酸配列のアミノ末端から1〜約35のアミノ酸 を除外する、ヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全 なHLFアミノ酸配列の一部からなるポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配 列であって、ここで、該部分は、ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンに よってコードされる該完全なアミノ酸配列のカルボキシ末端から1〜約83のアミ ノ酸を除外する、ヌクレオチド配列;ならびに (f)ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全 なHLFアミノ酸配列の一部からなるポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配 列であって、ここで、該部分は、上記の(d)および(e)におけるアミノ末端 欠失およびカルボキシ末端欠失の任意の組合せを含む、ヌクレオチド配列、 からなる群から選択される配列に対して少なくとも95%同一であるヌクレオチド 配列を有するポリヌクレオチドを含む、核酸分子。 6.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンの完 全なヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 7.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによ ってコードされる完全なアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドをコードするヌ クレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 8.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによ ってコードされるアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドの細胞外ドメインをコ ードするヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 9.請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)のヌクレオチド 配列と同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに対して、ストリンジ ェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド を含む、単離された核酸分子であって、ここで、ハイブリダイズする該ポリヌク レオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみ またはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにはハイ ブリダイズしない、核酸分子。 10.請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)のアミノ酸配 列を有するHLFポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードする ポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 11.請求項10に記載の単離された核酸分子であって、HLFポリペプチドのエ ピトープ保有部分をコードし、ここで、該部分のアミノ酸配列が、ほぼSer-1〜 ほぼThr-8、ほぼThr-9〜ほぼLys-18、ほぼThr-23〜ほぼHis-31、ほぼPhe-32〜ほ ぼLeu-40、ほぼCys-43〜ほぼVal-51、ほぼThr-56〜ほぼTyr-68、ほぼGln-75〜ほ ぼLeu-84、ほぼTyr-126〜ほぼAla-135、ほぼSer-137〜ほぼLeu-146、およびほぼ Ser〜148〜ほぼLys-157からなる配列番号2の配列群から選択される、核酸分子 。 12.請求項1の単離された核酸分子をベクターに挿入する工程を包含する、組 換えベクターの作製方法。 13.請求項12の方法によって産生される、組換えベクター。 14.請求項13の組換えベクターを宿主細胞に導入する工程を包含する、組換 え宿主細胞の作製方法。 15.請求項14の方法によって産生される、組換え宿主細胞。 16.HLFポリペプチドを産生するための組換え方法であって、該ポリペプチド が発現される条件下で請求項15に記載の組換え宿主細胞を培養する工程、およ び該ポリペプチドを回収する工程を包含する、組換え方法。 17.単離されたHLFポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2に示される完全なアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の1 位〜157位)、またはATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコー ドされる完全なアミノ酸配列を有するHLFポリペプチドのアミノ酸配列; (b)配列番号2(すなわち、配列番号2の1位〜101位)に示されるかまた はATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミ ノ配列を有するHLFポリペプチドの推定細胞外ドメインのアミノ酸配列; (c)配列番号2(すなわち、配列番号2の102位〜121位)に示されるかまた はATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミ ノ配列を有するHLFポリペプチドの推定膜貫通ドメインのアミノ酸配列; (d)配列番号2(すなわち、配列番号2の122位〜157位)に示されるかまた はATCC受託番号209123に含まれるcDNAクローンによってコードされる通りのアミ ノ配列を有するHLFポリペプチドの推定細胞内ドメインのアミノ酸配列;および (e)細胞外ドメインおよび細胞内ドメインを有するが、膜貫通ドメインを欠 く可溶性HLFポリペプチドのアミノ酸配列 からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む 、ポリペプチド。 18.HLFタンパク質のエピトープ保有部分を含む、単離されたポリペプチドで あって、該部分は、配列番号2のほぼSer-1〜ほぼThr-8、ほぼThr-9〜ほぼLys-1 8、ほぼThr-23〜ほぼHis-31、ほぼPhe-32〜ほぼLeu-40、ほぼCys-43〜ほぼVal-5 1、ほぼThr-56〜ほぼTyr-68、ほぼGln-75〜ほぼLeu-84、ほぼTyr-126〜ほぼAla- 135、ほぼSer-137〜ほぼLeu-146、およびほぼSer-148〜ほぼLys-157からのアミ ノ酸残基を含むポリペプチドからなる群より選択される、ポリペプチド。 19.請求項17に記載のHLFポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗 体。 20.単離された核酸分子であって、該核酸分子は、以下: (a)クローンHAGFE38Rのヌクレオチド配列(配列番号4); (b)図1Aおよび1B(配列番号1)に示される配列の一部のヌクレオチド配列 であって、ここで、該部分は、ほぼ1〜ほぼ220、およびほぼ400〜2199のヌクレ オチドからの少なくとも50個の連続したヌクレオチドを含む、ヌクレオチド配列 ; (c)図1Aおよび1B(配列番号1)に示される配列の一部のヌクレオチド配列 であって、ここで、該部分は、残基1〜2199、1〜1500、1〜1000、1〜500、 1〜250、250〜2199、250〜1500、250〜1000、250〜500、500〜2199、500〜1500 、500〜1000、1000〜2199、および1000〜1500からなる、ヌクレオチド配列;な らびに (d)上記の(a)、(b)、または(c)における該ヌクレオチド配列のい ずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一の配列を有するポリヌクレ オチドを含む、核酸分子。 21.ヒトにおけるガンを診断するための方法であって、以下: (a)個体の細胞または体液におけるHLF遺伝子の発現レベルをアッセイする 工程;および (b)該HLF遺伝子の発現レベルを、標準的なHLF遺伝子の発現レベルと比較す る工程であって、それによって、標準の発現レベルと比較して、アッセイされた HLF遺伝子の発現レベルの増加または減少は、アッセイされた組織型におけるガ ンを示す、工程、 を包含する、方法。
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