JP2001511648A - 樹状細胞由来成長因子 - Google Patents

樹状細胞由来成長因子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、プロトタイプが、昆虫由来(Insect-Derived)成長因子(IDGF)と呼ばれる成長因子の新しいファミリーのメンバーである新規DCDGFタンパク質に関する。詳細には、ヒトDCDGFタンパク質をコードする、単離された核酸分子が提供される。DCDGFポリペプチドはまた、ベクター、宿主細胞およびそれらを産生する組換え方法として提供される。本発明はさらに、DCDGF活性のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。DiGeorge症候群、および特に免疫系関連障害の診断のための診断方法ならびに免疫系関連障害の処置のための治療方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 樹状細胞由来成長因子 発明の分野 本発明は、新規の成長因子ファミリーのメンバーであるポリペプチドをコード するヒト遺伝子に関する。より詳細には、樹状細胞由来成長因子(本明細書中以 下「DCDGF」と称する)と呼ばれるヒトポリペプチドをコードする単離された核 酸分子が提供される。DCDGFポリペプチドも、ベクター、宿主細胞およびDCDGFポ リペプチドを産生するための組換え方法もまた同様に提供される。免疫系の機能 障害および免疫系および他の系の発達障害(特に、ディ・ジョージ症候群)を検 出するための診断方法ならびにこのような障害を処置するための処置方法もまた 提供される。本発明は、さらにDCDGF活性のアゴニストおよびアンタゴニストを 同定するためのスクリーニング方法に関する。 発明の背景 細胞増殖および細胞分化は、刺激因子、阻害因子および協同(Synergistic) 因子ならびにホルモンにより開始され、促進され、維持され、そして調節される ようである。細胞性ホメオスタシス機構の変化および/または崩壊は、増殖関連 障害(新形成を含む)の基礎的な原因であるようである。増殖調節因子は、広範 な種々の病理プロセスおよび生理的プロセス(シグナル伝達、細胞情報伝達(com munication)、増殖および発生、胚発生、免疫応答、造血細胞の生存および分化 、炎症、組織修復および再形成、アテローム硬化および癌を含む)において関係 がある。 いくつかの遺伝子ファミリーが、「成長因子」と呼ばれる、構造的および機能 的に関連するタンパク質の多様なグループをコードすることが公知である。この ような成長因子ファミリーの1つは、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミン グ成長因子α(TGFα)、βセルリン、アンフィレグリン(amphiregulin)およびワ クシニア成長因子を含み、これらは種々の細胞型(通常の生理的条件下または 外因性刺激に対する応答のいずれか)により産生された増殖調節タンパク質およ び分化調節タンパク質である。これらのペプチド成長因子は、自己分泌機構およ び傍分泌機構を介して細胞に影響を与え、組織(例えば、皮膚、角膜および消化 管)における通常の創傷治癒で重要な役割を果たす。これらはまた、保存された 3個の鎖内のジスルフィド結合の配置を含む、実質的なアミノ酸配列相同性を共 有する。 EGF関連ペプチド成長因子は、血小板、ケラチノサイト、および活性化マクロ ファージを含む創傷治癒に関与する、いくつかの細胞により合成される。これら の成長因子はまた、特定細胞の増殖および分化の両方の刺激に関係する(例えば 、新形成において、および他型の細胞の阻害)。例えば、βセルリンは、網膜色 素上皮細胞および血管性平滑筋細胞についての強力なマイトジェンである。アン フィレグリンは、二機能性細胞増殖調節因子であり、これは新生細胞でのDNA合 成を強力に阻害する活性を示し、なお、特定の正常細胞の増殖を促進する。アム フィレグリンについて、創傷および癌の処置を含む広範な種々の使用が挙示され てきた。例えば、アンフィレグリンは上皮起源のいくつかのヒト癌細胞株に対し てインビトロの強力な抗増殖効果を有する。アムフィレグリンはまた、米国特許 第5,115,096号で示されるようなヒト包皮線維芽細胞の増殖を誘導する。TGFαは 多面的な生物学的効果を有し、そして多くの発癌性に形質転換された細胞により 、ならびに種々の腫瘍(腎臓癌、乳癌および扁平上皮癌、メラノーマおよびグリ ア芽腫を含む)により合成される。TGFαはまた、正常な胚発生および成体生理 で役割を果たし、そして皮膚、脳、胃腸粘膜および活性マクロファージを含む多 くの組織で発現される(Derynck,R.Adv.Cancer Res.58:27-5(1992))。 ペプチド成長因子のトランスフォーミング成長因子β(TGFβ)ファミリーは 5個のメンバーを含み、TGF-β1〜TGF-β5と呼ばれ、これらの全てがおよそ25kD aのホモ二量体を形成する。TGF-βファミリーは、より広い拡大されたペプチド シグナル分子のスーパーファミリーに属し、これらは、ミュラー阻害物質(Cate ,R.Lら、Cell,45:685-698(1986))、デカペンタプレジック(Padgett,R.Wら、Nat ure 325:81-84(1987))、骨形成因子(Wozney,J.Mら、Science 242:1528-1534(198 8))、vgl(Weeks,D.L.およびMelton,D.A.,Cell 51:861867(1987))、アクチビン (Vale,Wら、Nature,321:776-779(1986))、ならびにインヒビン(Mason,A.J.ら、N ature 318:659-663(1985))を含む。これらの因子は、TGF-βの全体の構造に類似 するが、TGF-βタンパク質と、および互いにおよそ25%のアミノ酸同一性しか共 有しない。これらの分子全てが、増殖、発生および分化の調節において重要な役 割を果たすと考えられている。 線維芽細胞成長因子(FGF)は、多様な活性を有するペプチド成長因子の別の 拡大するファミリーを代表する(Miyamoto,Mら、Mol.and Cell.Biol.13(7):4251- 4259(1993))。これらのタンパク質は、ヘパリンに結合する特徴を共有し、それ ゆえヘパリン結合成長因子(HBGF)とも呼ばれる。FGFファミリーの異なるメンバ ーの発現は、種々の時間的および空間的な制御下での種々の組織で見出される。 これらのタンパク質は、線維芽細胞、角膜および血管内皮細胞、顆粒球、副腎皮 質細胞、軟骨細胞、筋芽細胞、血管平滑筋細胞、水晶体上皮細胞、メラニン細胞 、ケラチノサイト、乏突起膠細胞、星状膠細胞、骨芽細胞、および造血細胞を含 む、中胚葉性、外胚葉性、および内胚葉性起源の種々の細胞について強力なマイ トジェンである。 従って、このような調節の障害は、発生、止血、脈管形成、腫瘍転移、細胞移 動および排卵ならびに神経形成に関与し得ることから、広範な種々の発生プロセ スおよび生理的プロセスを調節する成長因子として機能するポリペプチドが必要 とされる。それゆえ、哺乳動物細胞の成長因子の新しいファミリー(特に新規の ヒト成長因子)の同定および特徴付けが必要であり、これらはこのような障害を 検出、予防、回復または抑制する際に役割を果たし得る。 最近、いくつかの哺乳動物成長因子およびそのレセプターの昆虫相同体が、シ ョウジョウバエにおいて遺伝学的に同定され、そして卵形成(Padgett,R.Wら、Na ture 325:81-84(1987);Fergoso,E.L.およびAnderson,K.V.,Cell 71:451-461(199 2);Stoehling-Hampton,Kら、Nature 372:783-786(1994);Panganiban,G.Eら、Mol .Cell Biol.10:2669-2677(1990))、胚形成(Xia,Tら、Science 283:1756-1759(19 94);Raz,EおよびShilo,B.Z.,Genes & Dev.7:1937-1943(1993);Brand,A.HおよびP erriman,N.,Genes & Dev.8:629-639(1994));Goode,Sら、Development 116:177-1 92(1992);Livneh,Eら、Cell 40:599-607(1985);Neuman-Silverberg,F.S.およ びSchupbach T.,Cell 75:165-174(1993))および特定器官の形態形成(Heberlain, Uら、Cell 75:913-926(1993);Nellen,Dら、Cell 78:225-237(1994);Brummel,T.J ら、Cell 78:251-261(1994);Penton,Aら、Cell 78:239-250(1994))において役割 を果たすことが示唆されてきた。例えば、多くの数のショウジョウバエTGF-βフ ァミリー、デカペンタプレジック(dpp)は、ショウジョウバエでの背−腹側のパ ターン形成についてのモルフォゲンとして作用することが示された(Fergoso,E, LおよびAnderson,K,V.,前出)。 しかし、哺乳動物相同体が知られていない新しいポリペプチド成長因子ファミ リーについてのプロトタイプが、昆虫において最近同定された(K.Hommaら、J.Bi ochem.271:13370-13775(1996))。この成長因子は「「昆虫由来成長因子(IDGF)」 と称され、NIH Sape-4細胞(ニクバエの胚細胞株)の馴化培地より単離され、そ して均質にまで精製された。種々の昆虫から樹立された多くの他の細胞株のよう に、高密度で播種されたNIH Sape-4細胞は、ウシ胎仔血清および公知の成長因子 不在下で増殖した。この知見で示唆されるように、これらの胚性昆虫細胞が成長 因子IDGFを産生することが見出された。IDGFは自己分泌様式でそれらの増殖を刺 激する。IDGFは分子量52kDaのタンパク質のホモ二量体であり、そして培養胚性 細胞の複製を刺激するためのその特異的活性は、標的細胞の複製を刺激する際の 哺乳動物成長因子に匹敵する。イムノブロット実験は、ニクバエの未受精成熟卵 が、胚発生を通じて維持される一定のレベルでこの成長因子を含むことを明らか にした。成長因子についてのcDNA分析は、この因子が553アミノ酸からなる新規 のタンパク質であることを示した。有意な配列同一性は、Aplysia californica の心房腺顆粒特異的抗原(AGSA)とおよそ25%のアミノ酸同一性を共有することを 除いて、この因子と他のタンパク質との間では見出されず、機能が以前に知られ ていなかったこの昆虫抗原もまた成長因子であることを示唆する。 樹状細胞(DC)は、一次免疫応答に関与する主要な抗原提示細胞であり;それら の主な機能は、組織中の抗原を得ること、およびリンパ球器官へ移動、およびT 細胞を活性化させることである(Mohamadzadeh,Mら、J.Immunol.156:3102-3106(1 996)。DCはまた、粘膜(HIVの性的な感染の主な部位)の炎症部位に到達する最 初の免疫細胞である(Weissman,Dら、J.Immunol.155:4111-4117(1995)。末梢血 中の成熟DCは、HIVをそれらの表面に結合させ、付加された刺激(例えば、マイ トジェン)の非存在下で自己CD4+T細胞を加えた場合、感染を誘導する。これら の成熟DCは、末梢血から直接単離された場合、T細胞に結合しているようであり 、そしてこれらの結合体は容易かつ生産的にHIVに感染される。これらの知見は 、HIV感染初期のDCの役割を示唆し、ここで、これらはウイルスと結合し、そし てT細胞との局所的な相互作用(つまり、リンパ球器官への遊走)の後に、従っ て生産的感染を確立する。さらに、これらは、HIV存在下でT細胞を活性化させる ことによるHIV感染の伝播において役割を果たすようであり、これはウイルス複 製および免疫細胞の破壊を導く。従って、T細胞の活性化またはHIV感染を導き得 る、DCとT細胞との間の相互作用を仲介し得る新しいポリペプチド因子を同定す ることが必要である。 ディ・ジョージ症候群(胸腺無形成症(通常で発達する器官の不全)とも呼ば れる)、胸腺発育不全(組織の発達障害)、または第三のおよび第四の鰐弓また は咽頭嚢症候群は、胚形成(2-8週間(包括的)の間の出生前の発生における段 階)の欠失または咽頭嚢の発育不全により特徴づけられる先天性免疫障害である 。この症候群は、先天性心臓欠損、大血管奇形、食道閉鎖(食道管発達の先天性 不全)および顔面構造の異常、ならびに副甲状腺機能低下症の結果としての低レ ベルの血清中のカルシウム(副甲状腺の不十分な分泌)としばしば関連する。ほ とんどの場合、第22染色体での観察可能な染色体欠損がある。 病理学的に、ディ・ジョージ症候群は、T細胞免疫不全の度合いを変化させて 、胸腺および副甲状腺の非存在または発育不全により特徴づけられる。細胞媒介 性免疫応答の欠乏は、感染に対する感受性の増加を生じ得る。副甲状腺または胸 腺発育不全の程度に依存して、低カルシウム血症性強縮(間欠性、緊張性痙攣、 発作性および極端を含む)が存在し得る。ディ・ジョージ症候群は、妊娠第6週 〜第10週の間の咽頭嚢の正常な胚形成の障害から生じる。従って、ディ・ジョー ジ症候群および類似する病理の診断および処置における補助のために、ディ・ジ ョージ症候群に関連する第22染色体の遺伝子座の近傍にマッピングされるポリペ プチド因子を同定することが必要とされ、この因子は発生初期に発現され、そし てまた胚細胞に対する影響も有する。 本発明の要旨 本発明は、図1に示される完全なアミノ酸配列(配列番号2)、または1997年 1月17日にプラスミドDNAとしてATCCに寄託されたヒトcDNAクローン(受託番号978 52)によりコードされる完全なアミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドの少なく とも一部分をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する 。寄託されたDCDGFクローンの配列決定により決定されたヌクレオチド配列(こ れは、図1(配列番号1)で示される)は、511アミノ酸残基の完全なポリペプ チドをコードするオープンリーディングフレーム(これは、図1でのヌクレオチ ド1位〜3位(配列番号1では、74位〜78位)のN末端のメチオニンをコードする 開始コドンを含む)、および約58.5kDaの推定分子量を含む。本発明の核酸分子は 、配列番号2で示されるN末端のメチオニンを除く完全なアミノ酸配列、またはA TCC受託番号97852のヒトcDNAクローンによりコードされるN末端のメチオニンを 除外する完全なアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレームを含み 、この分子はまた、DCDGFアミノ酸配列のN末端に融合されたさらなるアミノ酸を コードし得る。 本発明のDCDGFタンパク質は、昆虫由来成長因子(IDGF)についての昆虫のSarco phaga perigrina(ニクバエ)のmRNAの翻訳産物と配列相同性を共有する(図2、配 列番号3を参照のこと)。従って、配列番号2の完全なDCDGFアミノ酸配列は、デ フォルトのパラメーター(図2を参照のこと)を使用したBestfit(Wisconsin Se quence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,Univ ersity Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)での分析により決 定される場合、IDGFについて昆虫のmRNAによりコードされるアミノ酸配列と約38 .0%の同一性および約58.2%の類似性を共有する(Hommaら、前出、これは受託 番号D83125でGenBankで入手され得る)。共有される相同性は、配列番号2での1 08位および133位の保存されたシステインを含み、これらはまた、K.Hommaら(前 出)により報告されるように、Aplysia californicaの心房腺顆粒特異的抗原(AG SA)でも保存されている。IDGFは胚形成を通じて存在し、そして胚性昆虫細胞の 増殖を刺激し、それゆえ受精卵から昆虫への発生に重要であると考えられる。 IDGFとDCDGFとの間の相同性、およびDCDGFが樹状細胞により産生され、これがT 細胞を活性化させるという事実、およびディ・ジョージ症候群に関連する第22染 色体に遺伝子座にDCDGFの遺伝子がマッピングされることは全て、ヒトの発生初 期でのDCDGFの関与、ならびに例えば、ディ・ジョージ症候群ならびに免疫系障 害(特に、細胞免疫性に関する)を含む発生関連病理を示す。 コードされるポリペプチドは、図1の最初のおよそ26アミノ酸(下線で示され る)の推定リーダー配列を有し(配列番号2の-26位〜-1位);そして推定成熟D CDGFタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸残基1〜485(図1での 27〜511)として示される。従って、本発明の1つの局面は、以下の群から選択 されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提 供する:(a)図1の完全アミノ酸配列(配列番号2)を含む完全長DCDGFポリ ペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)図1の完全アミノ酸配列を有し 、N末端のメチオニン(すなわち、配列番号2の残基-25〜+485)を除く、DCDGF ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)図1の27位〜511位のアミ ノ酸配列(すなわち、配列番号2の残基1〜485)を有する推定成熟DCDGFポリペ プチドをコードするヌクレオチド配列;(d)ATCC受託番号97852に含まれるヒ トcDNAにコードされる完全DCDGFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAにコードされ,N末端のメチオニン を除く、完全アミノ酸を有するDCDGFをコードするヌクレオチド配列;(f)ATCC受 託番号97852に含まれるヒトcDNAにコードされ、アミノ酸配列を有する成熟DCDGF ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および(g)上記の(a)、(b )、(c)、(d)、(e)、または(f)の任意のヌクレオチド配列に相補的 なヌクレオチド配列。 本発明のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e )(f)または(g)のヌクレオチド配列のいずれかに対して、または上記の( a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)または(g)のポリヌクレオチ ドに対してストリンジェントなハイブリダイゼーション下でハイブリダイズする ポリヌクレオチドに対して、少なくとも90%同一であり、より好ましくは95%、 96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリ ヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む。このハイブリダイズするポリヌ クレオチドは、A残基のみからなるヌクレオチド配列、またはT残基のみからな るヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド配列に対しストリンジェントなハ イブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸の 実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のア ミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドのエピトープ保有部分をのアミノ酸配列 をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子に関する。 本発明はまた、組換えベクターに関し、これは本発明の単離された核酸分子を 含み、そして組換えベクターを含む宿主細胞、およびこのようなベクター、およ び宿主細胞の作製方法、ならびに組換え技術によるDCDGFポリペプチドまたはペ プチドの産生にこれらを使用することに関する。 本発明は、以下の群から選択されるアミノ酸配列を含む単離されたDCDGFポリ ペプチドをさらに提供する:(a)図1で示される全長DCDGFポリペプチドのア ミノ酸配列(配列番号2)を有する完全長DCDGFポリペプチドをコードするヌク レオチド配列;(b)図1で示される完全長アミノ酸配列を有し、N末端のメチ オニン(すなわち、配列番号2の残基-25〜+485)を除く、全長DCDGFポリペプチ ドのアミノ酸配列;(c)27位〜511位のアミノ酸配列(すなわち配列番号2の 残基1〜485)を有する成熟DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列;(d)ATCC受託 番号97852に含まれるヒトcDNAによりコードされる完全DCDGFポリペプチドのアミ ノ酸配列;(e)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコードされ、N 末端のメチオニンを除く、完全DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列;および(f )ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコードされる成熟DCDGFポリペプ チドのアミノ酸配列。本発明のポリペプチドはまた、上記の(a)、(b)、( c)、(d)、(e)または(f)に記載されるポリペプチドに対し、少なくと も80%同一であり、より好ましくは少なくとも90%同一であり、そしてなおより 好ましくは95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を有す るポリペプチド、ならびに上記のポリペプチドに対して少なくとも90%の類似性 、およびより好ましくは少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有する ポリペプチドを含む。 本発明のこの局面のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、( d)、(e)または(f)に記載されるアミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチ ドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドに関 する。本発明のDCDGFポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有す るペプチドまたはポリペプチドは、少なくとも6個または7個、好ましくは少な くとも9個、より好ましくは少なくとも約30アミノ酸〜約50アミノ酸のこのよう なポリペプチドの部分を含むが、任意の長さまでのエピトープ保有ポリペプチド 、および上記に記載された本発明のポリペプチドの完全なアミノ酸配列を含むエ ピトープ保有ポリペプチドもまた、本発明に含まれる。 別の実施態様では、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e )または(f)に記載されるアミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドに対し特 異的に結合する単離された抗体を提供する。本発明は、本明細書中に記載される アミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドに対し特異的に結合する抗体を単離す る方法をさらに提供する。このような抗体は、以下に記載される診断上または治 療上有用である。 本発明はまた、DCDGFポリペプチド、詳しくはヒトDCDGFポリペプチドを含む薬 学的組成物を提供し、これは、例えば、免疫系障害、詳しくは細胞性免疫の欠損 に対して処置するために使用され得る。DCDGFの欠損のための補充、または通常 レベルのDCDGF活性の増強のためにDCDGFポリペプチドを必要とする個体を処置す る方法もまた、提供され得る。 本発明は、インビトロでの細胞、エキソビボでの細胞、およびインビボでの細 胞または多細胞生物への投与のためのDCDGFポリヌクレオチドまたはDCDGFポリペ プチドを含む組成物をさらに提供する。例えば、本発明のDCDGFポリペプチドは 、血清の部分的な代替物として、培養物での種々の胚性細胞の複製を刺激するた めに、例えば、このような胚性細胞を必要とする宿主中に移植するための細胞を 産生させるために使用され得る。 本発明の、この局面における特定の詳細に好ましい実施態様では、組成物は、 疾患の処置のために、宿主生物中でのDCDGFポリペプチドの発現のためのDCDGFポ リヌクレオチドを含む。この関連において特に好ましいのは、DCDGF遺伝子の異 所内在性活性に関連する機能障害の処置のためのヒト患者の体内での発現である 。 本発明はまた、DCDGFポリペプチドの生物学的活性を増強し、または阻害し得 る化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。この方法は以下の工 程を含む:DCDGFポリペプチド存在下で、候補化合物と、DCDGFポリペプチドによ りその細胞機能(例えば、複製)が刺激される細胞とを接触する工程、候補化合 物およびDCDGFポリペプチドの存在下で、DCDHGポリペプチド活性を刺激する細胞 機能をアッセイする工程、および細胞機能を刺激する活性と標準レベルの活性と を比較する工程(この標準は、候補化合物の非存在下での細胞とDCDGFポリペプ チドとの間の接触がなされる場合にアッセイされる)。このアッセイでは、標準 を超える細胞機能刺激活性の上昇は、候補化合物がDCDGF活性のアゴニストであ ることを示し、そして標準と比較して細胞機能刺激活性の減少は、化合物がDCDG F活性にアンタゴニストであることを示す。 別の局面では、アゴニストおよびアンタゴニストについてのスクリーニングア ッセイが提供され、このアッセイは、候補化合物がDCDGFレセプターへのDCDGFの 結合に対して有する効果を決定する工程を含む。詳細には、この方法は、DCDGF ポリペプチドおよび候補化合物をDCDGFレセプターと接触させる工程、および候 補化合物の存在に起因してDCDGFレセプターへのDCDGFポリペプチドの結合が増加 するか減少するかどうか決定する工程を含む。このアッセイでは、標準の結合を 超えるDCDGFの結合の増加は、候補化合物はDCDGF結合活性のアゴニストであるこ とを示し、そして標準と比較したDCDGF結合の減少は、化合物はDCDGF結合活性の アンタゴニストであることを示す。 DCDGF mRNAが、主要な樹状細胞(本明細書の原型cDNAクローンが、この細胞か ら単離された)だけではなく、以下に列挙される組織においても、以下に示すよ うに決定されたほぼ相対するレベルで発現されることが見出された:種々の組織 ライブラリーの関連するcDNAの相対的な発現率による:活性化単球(樹状細胞よ りも低い)、胎児心臓、胎盤、骨髄、酸化LDL処置マクロファージ、ジャーカッ ト腫瘍、精巣腫瘍、8週齢胚(全て単球よりも低い);およびノーザンブロッテ ィングによる:末梢性血中白血球(最も高い)、リンパ節、胸腺および脾臓(高 い)、心臓、膵臓、胎児肝臓および虫垂(低いが検出可)。それゆえ、本発明の 核酸は、生物学試料での組織または細胞型に存在する差異を同定するためのハイ ブリダイゼーションプローブとして有用である。同様に、これらのポリペプチド に指向されるポリペプチドおよび抗体は、組織または細胞型の差異を同定するた めの免疫学的プローブを提供するために有用である。 さらに、上記の組織または細胞の多数の障害は、詳細には免疫系の機能障害お よび免疫系または他の系の発生障害、特にディ・ジョージ症候群であり、有意に より高いレベル、またはより低いレベルのDCDGF遺伝子発現が、「標準的な」DCD GF遺伝子発現レベル(すなわち、免疫系または循環系の障害を有さない個体由来 の健康な組織でのDCDGF発現レベル)と比較して、このような障害を有する個体 から採取した特定の組織(例えば、癌組織および創傷組織)または体液(例えば 、血清、血漿、尿、滑液または髄液)において検出され得る。従って、本発明は 、このような障害の診断において有用な診断方法を提供し、この方法は以下を含 む:(a)個体の細胞または体液でのDCDGF遺伝子発現レベルをアッセイする工 程;(b)標準のDCDGF遺伝子発現レベルとこのDCDGF遺伝子発現レベルを比較す る工程、これにより、標準発現レベルと比較した、アッセイしたDCDGF遺伝子発 現レベルの増加または減少を、免疫系の障害および/または発生初期に関連する 障害(例えば、ディ・ジョージ症候群)の指標となる。 より詳細には、本発明のDCDGFポリヌクレオチドは、ディ・ジョージ症候群の 指標である染色体異常を同定するために使用され得る。例えば、上記で説明され るように、ディ・ジョージ症候群に関連する症状の範囲は、発生的欠陥の重症度 および根本的な遺伝的欠陥に依存する。それゆえ、第22染色体でのDCDGF遺伝子 座、またはその近傍での変異の分析は、ディ・ジョージ症候群を患うと疑われる 胎児または小児についての予後を決定するための現在の染色体分析よりもより正 確な分析データを提供する。ディ・ジョージ症候群に関連する種々の型の多くの 異常のどれが、DCDGF変異に関連するかの決定はまた、示唆的診断およびこのよ うな異常の処置のための手段を提供し、これらは心臓および循環系の欠陥、特に 大動脈および胚動脈、低カルシウム血症を含む副甲状腺欠陥、種々の顔面変形、 免疫系不全、特に細胞免疫性の欠陥を含む。 本発明のさらなる局面は、体内でのDCDGF活性レベルの増加を必要とする個体 を処置するための方法に関し、このような個体に、本発明の治療的有効量の単離 されたDCDGGFポリペプチドまたはそのアゴニストを含む組成物を投与する工程を 含む。より詳細には、本発明のDCDGFポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、 十分量のDCDGFポリペプチドまたは十分に活性な形態のDCDGFポリペプチドの産生 をし得ない樹状細胞に起因する免疫系の欠陥を処置する際に有用である。さらに 、本発明は例えば、創傷または感染部位にDCDGFポリペプチドを適用することに よる創傷治癒を増強するために、患者の通常レベルのDCDGFT細胞化学誘引物質 の活性を増加させるための手段を提供する。より一般的には、DCDGFポリペプチ ドおよびアゴニストは、免疫抑制条件または白血病または他の免疫系の癌の種々 の形態を有する患者において、通常の免疫系細胞の複製を刺激するために使用さ れ得、または患者は日常的な腎臓透析を続ける。いくかの癌がDCDGFポリペプチ ドの分泌による腫瘍細胞の自己分泌刺激を含むことが予測されるので、本発明の DCDGFポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、このような癌の診断に有用であ る。 本発明のなおさらなる局面は、体内のDCDGF活性のレベルを減少させる必要の ある個体を処置する方法であって、治療的に効果的な量のDCDGFアンタゴニスト を含む組成物をそのような個体に投与する工程を包含する方法に関する。本発明 における使用のための好ましいアンタゴニストは、DCDGF特異的抗体である。い くつかのガンは、DCDGFポリペプチドの分泌による腫瘍細胞の自己分泌刺激を含 むことが予想されるので、DCDGF活性のアンタゴニストはそれらを処置するのに 有用である。 さらに、上記のように、樹状細胞(DC)は、HIVの性的な伝染の主要な部位で ある、粘膜上の炎症部位に到達する最初の免疫細胞である。分裂促進因子のよう な刺激の添加がないとき、自己のCD4+T細胞に加えられた場合、末梢血中の成熟D Cはそれらの表面にHIVを結合させ、そして感染を誘導する。これらの成熟DCは、 末梢血から直接単離されたとき、T細胞と結合しているようであり、そしてこれ らの結合物は容易にかつ生産的にHIVに感染する。これらの発見は、それらがウ イルスに結合し、そしてT細胞と局所的に相互作用する、またはリンパ器官に移 動後、よって生産的感染を確立する、初期のHIV感染におけるDCの役割を示唆す る。さらに、ウイルスの複製および免疫細胞の破壊に導く、HIVの存在下におけ るT細胞の活性化を行うことにより、それらはHIV感染の増殖においても役割を演 ずるようである。従って、DCDGFのアンタゴニストは、HIV感染の初期にDCから分 泌されるDCDGFによって媒介される、DCとT細胞との相互作用をブロックするため に有用であり、それによって生産的なHIV感染の確立を妨害するか、または遅ら せる。 図面の簡単な説明 図1は、DCDGFのヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸配列( 配列番号2)を示す。約26アミノ酸の推定リーダー配列に下線を付した。リーダ ー配列の初めのメチオニン残基は図1の位置番号(+)1に示され、一方配列番 号2の対応する配列中のリーダー位は負の位置番号で示されることに注目のこと 。このように、図1の1〜26位のリーダー配列は、配列番号2の-26〜-1位に対応 する。アスパラギン(N)のグリコシル化のための推定認識配列(RNV)は、図1 の126〜128位にイタリックで示される(配列番号2の100〜102位)。 図2は、コンピュータープログラム、Bestfit(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Resear ch Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)により、デフォルトのパラ メーターを使用して決定した、DCDGFタンパク質(配列番号2)および昆虫のIDG FmRNAの翻訳産物(配列番号3)のアミノ酸配列間の同一性の領域を示す。 図3は、DCDGFアミノ酸配列の分析を示す。α、β、ターン、およびコイル領 域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可変性領域;抗原性指標、および表面 可能性を示す。「抗原性指標−Jameson-Wolf」のグラフでは、正のピークが、DC DGFタンパク質の高い抗原性の領域(すなわち、本発明のエピトープ保有ペプチ ドが得られ得る領域)の位置を示す。 詳細な説明 本発明は、クローン化されたcDNAを配列決定することにより決定された、配列 番号2で示されるアミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドをコードするポリヌ クレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。図1(配列番号1)で示され るヌクレオチド配列は、HDPMJ44 cDNAクローン(アメリカンタイプカルチャーコ レクション12301 Park Lawn Drive,Rockville,Maryland 20852に1997年1月17 日に寄託され、そして、ATCC 97852の受託番号が与えられた)を配列決定するこ とにより得られた。寄託されたクローンは、pCMVSport3.0プラスミド(Pharmacla ,Gaithersburg,MD)に含まれる。 核酸分子 他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定 されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied B iosystems,Inc.,Foster City,CAのModel 373)を用いて決定され、そして本 明細書中で決定されるDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべてのア ミノ酸配列は、上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって推定された。従 って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分 野において公知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列はい くつかの誤りを含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配列 決定されるDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくとも 約90%同一、より代表的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%同一であ る。実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のア プローチによってさらに正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のよう に、実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入ま たは欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを引き起こし、そ の結果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる推定アミノ酸配列は 、配列決定されるDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に 異なり、このような挿入または欠失の点にて始まる。 核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」によって、DNA分子 またはポリヌクレオチドについてはデオキシリボヌクレオチドの配列が、そして RNA分子またはポリヌクレオチドについてはリボヌクレオチド(A,G,C,およびU )の対応する配列(ここで、特定されるデオキシリボヌクレオチド配列における 各チミジンデオキシリボヌクレオチド(T)は、リボヌクレオチドのウリジン(U) によって置き換えられる)が意図される。 図1(配列番号1)のヌクレオチド配列のような、本明細書中で提供される情 報を使用して、DCDGFポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、出発物質 としてmRNAを使用してcDNAをクローニングするための手順のような標準的なクロ ーニングおよびスクリーニング手順を使用して得られ得る。本発明の実例となる 、図1(配列番号1)に記載される核酸分子は、初代樹状細胞由来のcDNAライブ ラリーから発見された。同じ遺伝子のさらなるクローンもまた、上記で同定され たcDNAライブラリーで同定された。図1(配列番号1)のDCDGF cDNAの決定され たヌクレオチド配列は、511アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリ ーディングフレームを含む。 当業者が理解するように、上記で議論された配列決定誤差の可能性によって、 約511アミノ酸を含む寄託されたcDNAによりコードされる実際の完全なDCDGFポリ ペプチドは、いくらか長いかもしれないし、短いかもしれない。従って、実際の オープンリーディングフレームは、図1(配列番号1)で示されるN末端の最初 のメチオニンコドンから予測されるものの511±20アミノ酸の範囲、よりおそら くは511±10アミノ酸の範囲のいずれかにあり得る。 リーダー配列および成熟配列 完全DCDGFタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2に示されるようなリーダ ー配列および成熟タンパク質を含む。より詳細には、本発明は、DCDGFタンパク 質の成熟形態をコードする核酸分子を提供する。従って、シグナル仮説によれば 、粗面小胞体を通して成長しつつあるタンパク質鎖の輸送が一旦開始されると、 哺乳動物細胞から分泌されるタンパク質は、タンパク質の分泌される「成熟」形 態を生成するために完全なポリペプチドから切断されるシグナルまたは分泌リー ダー配列を有する。ほとんどの哺乳動物細胞および昆虫細胞もなお、同じ特異性 で、分泌されるタンパク質を切断する。しかし、いくつかの場合、分泌されるタ ンパク質の切断は、完全には均一ではなく、これによってタンパク質の2つ以上 の成熟種が生じる。さらに、分泌されるタンパク質の切断特異性が完全なタンパ ク質の一次構造によって究極的に決定される、すなわち、切断特異性はポリペプ チド のアミノ酸配列に固有であることが長い間知られている。 従って、本発明は、ATCC受託番号第97852号として同定された宿主中に含まれ るcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟DCDGFポリペプ チドをコードするヌクレオチド配列を提供する。「ATCC受託番号第97852号中のc DNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有する成熟DCDGFポリペプチド」 により、寄託される宿主中のベクターに含まれるクローンのヒトDNA配列により コードされる完全なオープンリーディングフレームを哺乳動物細胞(例えば、以 下に記載されるCOS細胞)で発現させることにより産生されるDCDGFタンパク質の 成熟形態が意味される。 さらに、分泌リーダーおよびそのリーダー配列のための切断点をタンパク質が 有するか否かを推定する方法が利用可能である。例えば、McGeoch(Virus Res.3 :271-286(1985))の方法は、完全(切断されていない)タンパク質の短いN末端 荷電領域および続く非荷電領域からの情報を使用する。von Heinje(Nucleic Aci ds Res.14:4683-4690(1986))の方法は、切断部位、代表的には残基-13〜+2(こ こで、+1は成熟タンパク質のアミノ末端を示す)の周囲の残基からの情報を使用 する。これらの各方法についての既知の哺乳動物分泌タンパク質の切断点を推定 することの精度は、75〜80%の範囲である(von Heinje、前出)。しかし、2つ の方法は、所定のタンパク質について同じ推定切断点を常に生じるわけではない 。 本発明の場合において、完全なDCDGFポリペプチドの推定アミノ酸配列は、Ins titute of Chemical Reseach,Kyoto UniversityのKenta Nakai博士より入手可 能な、コンピュータープログラム「PSORT」によって分析された(K.Nakaiおよび M.Kanehisa,Genomics 14:897-911(1992)を参照のこと)。PSORTはアミノ酸配列 に基づいてタンパク質の細胞位置を予測するための熟練したシステムである。こ のコンピューターによる位置決めの予測の一部として、McGeochおよびvon Heinj eの方法が組み込まれている。このプログラムによるDCDGFアミノ酸配列の分析は 、図1の22位(配列番号2の-5位)におけるSer残基の前に可能なリーダー切断 部位を予測した。これは、21アミノ酸のリーダー配列を生じた。しかし、既知の 切断部位配列を考慮した目視検査によって行われたDCDGFのN-末端配列のさらな る分析では、最も可能性の高いリーダーの切断部位は、約26アミノ酸のリーダー を 生じる、図1の27位のAla残基(配列番号2の+1位)の前であると予測された。 当業者が上述の議論から理解できるように、配列決定誤差の可能性および異な る公知のタンパク質における切断部位の可変性に起因して、寄託されたcDNAによ りコードされる成熟CDCGFポリペプチドは、約485アミノ酸(おそらく配列番号2 の残基1〜485)からなることが予想されるが、約476〜約496アミノ酸の範囲の任 意の数のアミノ酸からなり得;そしてこのタンパク質の実際のリーダー配列は、 約26アミノ酸(おそらく配列番号2の残基-26〜-1)からなることが予想される が、約16〜約36アミノ酸の範囲の任意の数のアミノ酸からなり得る。より詳細に は、本発明は、図1に示す配列を有するDCDGFポリペプチドフラグメントを提供 し、その配列は、残基16〜511、17〜511、18〜511、19〜511、20〜511、21〜511 、22〜511、23〜511、24〜511、25〜511、26〜511、27〜511、28〜511、29〜511 、30〜511、31〜511、32〜511、33〜511、34〜511、35〜511、および36〜511を 含むように記載され得る。 示されるように、本発明の核酸分子は、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはD NA(例えば、cDNA、およびクローニングによって得られるか、または合成的に生 成されるゲノムDNAを含む)の形態で存在し得る。DNAは、二本鎖または一本鎖で あり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)であ り得るか、または非コード鎖(アンチセンス鎖とも呼ばれる)であり得る。 「単離された」核酸分子によって、ネイティブな環境から取り出された核酸分 子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分 子は、本発明の目的のために単離されていると考えられる。単離されたDNA分子 のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶 液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子 は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明 に従う単離された核酸分子は、合成的に生成されたそのような分子をさらに含む 。 本発明の単離された核酸分子は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド 配列の1〜3位の開始コドンを伴うオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA 分子を含む。配列番号2の1〜485位に示される推定成熟DCDGFタンパク質のため のコード配列を含むDNA分子も含む。さらに、本発明の単離された核酸分子は、 実質的に上記の配列とは異なる配列を含むが、これは遺伝子コードの縮重に起因 し、なおDCDGFタンパク質をコードする、DNA分子を含む。もちろんのことながら 、遺伝コードおよび種特異的コドン選好性は当該分野において周知である。従っ て、当業者にとって、上記の縮重型改変体を生成する、例えば、特定の宿主のた めにコドン発現を最適化する(例えば、ヒトmRNAのコドンをE.coliのような細 菌宿主に好まれるコドンに変更する)ことは日常的である。 別の局面において、ATCC受託番号第97852号として1997年1月17日に寄託された プラスミド中に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有する DCDGFポリペプチドをコードする単離された核酸分子を、本発明は提供する。好 ましくは、この核酸分子は上記の寄託されたcDNAクローンによってコードされる 、成熟ポリペプチドをコードする。 本発明はさらに、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列、または上 記の寄託されたクローン中に含まれるDCDGF cDNAのヌクレオチド配列を有する単 離された核酸分子、あるいは上記配列の1つに相補的な配列を有する核酸分子を 提供する。このような単離された分子(特にDNA分子)は、染色体とのインサイ チュハイブリダイゼーションによる遺伝子マッピングのための、および例えば、 ノーザンブロット分析によるヒト組織におけるDCDGF遺伝子の発現を検出するた めのプローブとして有用である。 本発明はさらに本明細書中に記載されるヌクレオチド配列の部分をコードする 核酸分子、および本明細書中に記載される単離された核酸分子のフラグメントに 関する。特に、本発明は、配列番号1のオープンリーディングフレームをコード する1-1533位からなる配列番号1の部分で示されるヌクレオチド配列を有する、 ポリヌクレオチドを提供する。 さらに、本発明は、以下の関連するcDNAクローンより決定された、配列番号1 の拡張部分に関連するヌクレオチド配列を有する核酸分子を提供する:HHFCU06 (配列名HHFCU06R、配列番号4として記載)、HHFFZ27(配列名HHFFZ27R、配列 番号5として記載)、HTTDS65(配列名HTTDS65R、配列番号6として記載)、お よびHE8BJ92(配列名HE8BJ92R、配列番号7として記載)。本発明のさらなる実 施態様は、配列番号1の少なくとも30の連続したヌクレオチド、好ましくは少な くとも50の連続したヌクレオチドの任意の部分を含むポリヌクレオチドに対して 、少なくとも90%同一のヌクレオチド配列、そしてより好ましくは少なくとも95% 、96%、97%、98%、または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド を含む、単離された核酸分子を含む。上記の核酸分子で、好ましくは除外される ものは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7の配列を有す るポリヌクレオチド、あるいはそれらの少なくとも30、または好ましくは50の連 続するヌクレオチドの任意のフラグメントを含む核酸分子である。 より一般的には、受託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1に示されるヌ クレオチド配列(配列番号1)を有する単離された核酸分子のフラグメントによ って、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより 好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは約40ntの長さのフラ グメントが意図され、これらは本明細書中に記載されるように、診断用プローブ およびプライマーとして有用である。当然ながら、50〜300ntの長さのより長い フラグメントもまた、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1(配列番 号1)に示されるヌクレオチド配列の、全てではない場合には、そのほとんどに 対応するフラグメントと同様、本発明に従って有用である。例えば、少なくとも 20nt長のフラグメントにより、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1( 配列番号1)に示されるヌクレオチド配列由来の20以上の連続した塩基を含むフ ラグメントが意図される。本発明の好ましい核酸フラグメントは、図3に同定さ れるおよび以下により詳細に記載されるような、DCDGFポリペプチドのエピトー プ保有部分をコードする核酸分子を含む。 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条 件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC受託番号第97852号に含まれるc DNAクローン)中のポリヌクレオチドの一部にハイブリダイズするポリヌクレオ チドを含む単離した核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼ ーション条件」によって、以下:50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15m Mクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート溶液 、10%硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性剪断サケ精子DNA、を含む溶液 中での42℃での一晩のインキュベーション、続いて約65℃での0.1×SSC中でフ ィルターの洗浄が意図される。 ポリヌクレオチドの「部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって 、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好まし くは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらに より好ましくは約30〜70(例えば、50)ntにハイブリダイズするポリヌクレオチ ド(DNAまたはRNAのいずれか)が意図される。これらは、先に議論し、そして以 下でより詳細に考察されるような診断用プローブおよびプライマーとして有用で ある。 例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの部分により、参照ポリヌ クレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図1(配列番 号1)に示されるようなヌクレオチド配列)由来の20以上の連続したヌクレオチ ドが意図される。当然のことながら、ポリA配列(例えば、図1(配列番号1) に示されるDCDGF cDNAの3'末端ポリ(A)付加物)にのみ、またはT(もしくはU )残基の相補的なストレッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本 発明の核酸の一部分にハイブリダイズさせるために使用される本発明のポリヌク レオチドに含まれない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A) ストレッチまたはその相補体(例えば、実際には、任意の二本鎖cDNAクローン) を含む任意の核酸分子にハイブリダイズするからである。 示されるように、DCDGFポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、成熟 ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする配列自体;ならびに成熟ポリペプチド のコード配列および付加的配列(例えば、プレタンパク質配列またはプロタンパ ク質配列またはプレプロタンパク質配列のような約26アミノ酸のリーダー配列あ るいは分泌配列をコードする配列);上記の付加的コード配列を含むかまたは含 まない、成熟ポリペプチドのコード配列、を含み得るがこれらに限定されない。 本発明の核酸によって、上記タンパク質配列と共に、付加的な非コード配列も またコードされ、例えばイントロンおよび非コード5'および3'配列(例えば、転 写、mRNAプロセシング(スプライシングおよびポリアデニル化シグナル(例えば 、mRNAのリボソーム結合および安定性)を含む)において役割を演ずる、転写さ れた、非翻訳配列);さらなる機能性を提供するような付加的アミノ酸をコード す る付加的コード配列を含むがこれらに限定されない。 従って、ポリペプチドをコードする配列は、融合されたポリペプチドの精製を 容易にするペプチドをコードする配列のようなマーカー配列と融合され得る。本 発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、マーカーアミノ酸配列は、 とりわけ、pQEベクター(QIAGEN,Inc.9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91 311)中に提供されるタグのような、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであり、これ らの多くは市販されている。例えば、Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86 :821-824(1989)において記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパ ク質の簡便な精製を提供する。「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集素タン パク質由来のエピトープに対応する、精製のために有用な別のペプチドであり、 それは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されている。以下で考察さ れるように、他のそのような融合タンパク質には、N末端またはC末端にてFcに 融合されたDCDGFが含まれる。 改変体および変異体ポリヌクレオチド 本発明は、さらに、DCDGFタンパク質の一部分、アナログ、または誘導体をコ ードする、本発明の核酸分子の改変体に関する。改変体は、天然の対立遺伝子改 変体のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子改変体」によって、生物の染色体 上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの代わりの形態の1つが意図され る。Genes II,Lewin,B.編、John Wiley&Sons,New York(1985)。天然に存在し ない改変体は、当該分野で公知の変異誘発技術を用いて生成され得る。 このような改変体には、ヌクレオチドの置換、欠失、または付加により産生さ れる改変体が含まれる。この置換、欠失、または付加には1つ以上のヌクレオチ ドが含まれ得る。改変体は、コード領域、非コード領域、または両方において変 化され得る。コード領域における変化は、保存的または非保存的アミノ酸置換、 欠失、または付加を生じ得る。これらの間で特に好ましいのは、サイレントな置 換、付加、および欠失であり、これらはDCDGFタンパク質、またはそれらの一部 の特性および活性を変化させない。この点に関してまた特に好ましいのは、保存 的置換である。 もっとも高度に好ましくは、配列番号2に示すアミノ酸配列を有する成熟タン パク質をコードする核酸分子または寄託されたcDNAクローンによりコードされる 成熟DCDGFアミノ酸配列である。 本発明のさらなる実施態様には、以下から成る群から選択されるポリヌクレオ チドに対して少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96% 、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチ ドを含む単離された核酸分子が含まれる:(a)図1に示した完全アミノ酸配列 を有するDCDGFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号2);( b)図1の完全アミノ酸配列を有するが、N-末端メチオニンを欠損したDCDGFポ リペプチドをコードするヌクレオチド配列(すなわち配列番号2の-25〜+485位 );(c)図1の27〜511位(配列番号2の1〜485位)のアミノ酸配列を有する 推定成熟DCDGFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)ATCC受託番 号第97852号に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全アミノ酸配列を 有するDCDGFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(e)ATCC受託番号 第97852号に含まれるcDNAクローンによってコードされる、N-末端メチオニンが 除外されている以外は完全なアミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドをコード するヌクレオチド配列;(f)ATCC受託番号第97852号に含まれるcDNAクローン によってコードされるアミノ酸配列を有する成熟DCDGFポリペプチドをコードす るヌクレオチド配列;および(f)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、( e)または(f)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組み換えベクター、および 組み換えベクターを含む宿主細胞、ならびにそのようなベクターおよび宿主細胞 の作製方法、および組み換え技術によるDCDGFのポリペプチドまたはペプチドの 産生のためにそれらを使用する方法に関する。 DCDGFポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくと も95%「同一な」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、そのポ リヌクレオチドのヌクレオチド配列が、DCDGFポリペプチドをコードする参照ヌ クレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異をポリヌクレオチ ド配列が含み得ることを除いて、参照配列に同一であることが意図される。言い 換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列 を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオ チドが欠失され得るか、もしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参 照配列において全ヌクレオチドの5%までのある数のヌクレオチドが、参照配列 中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'もし くは3'末端位置において、または参照配列中のヌクレオチド間で個々に、もしく は参照配列内の1つ以上の連続した基中のいずれかに散在されて、これらの末端 位置の間のどこかで生じ得る。 実際には、任意の特定の核酸分子が、例えば、図1に示されるヌクレオチド配 列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、95%、 96%、97%、98%、または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(Wisc onsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer G roup,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)の ような公知のコンピュータープログラムを用いて従来通りに決定され得る。Best fitは、SmithおよびWaterman,Advances in Applied Mathematics 2:482-489(19 81)の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の最も相同性のセグメ ントを見出す。Bestfitまたは任意の他の配列整列プログラムを使用して、特定 の配列が、本発明による参照配列に例えば95%同一であるか否かを決定する場合 、パラメーターは、もちろん、同一性の割合が、参照ヌクレオチド配列の全長に わたって計算されるように、そして参照配列の総ヌクレオチド数の5%までの相 同性におけるギャップが許容されるように、設定される。 本出願は、DCDGF活性を有するポリペプチドをコードするか否かに関係なく、 図1(配列番号1)に示される核酸配列、または寄託されたcDNAの核酸配列と少 なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸分子に関す る。これは、特定の核酸分子がDCDGF活性を有するポリペプチドをコードしない 場合でさえ、当業者は、核酸分子をどのようにして、例えば、ハイブリダイゼー ションプローブ、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーとして使用す るかをなお知るからである。DCDGF活性を有するポリペプチドをコードしない、 本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ(1)DCDGF遺伝子またはその対立遺伝 子改変体をcDNAライブラリーから単離すること;(2)Vermaら,Human Chromosome s:A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)に記載の、 DCDGF遺伝子の正確な染色体位置を提供するための分裂中期染色体展開物に対す るインサイチュハイブリダイゼーション(例えば、「FISH」);および、特定の組 織におけるDCDGF mRNA発現を検出するためのノーザンブロット分析、が挙げられ る。 しかし、実際には、DCDGFタンパク質活性を有するポリペプチドをコードする 図1(配列番号1)に示される核酸配列、あるいは寄託されたcDNAの核酸配列に 少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する 核酸分子が好ましい。「DCDGF活性を有するポリペプチド」によって、特定の生 物学的アッセイにおいて測定される場合に、本発明の成熟DCDGF活性に類似する が必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチドが意図される。例えば、本発明 のDCDGFタンパク質は、培養中の胚細胞の複製を刺激すること、およびT細胞に 対する化学誘引活性を有することが予想される。胚細胞の複製を刺激する程度( 例えば、Hommaら、前述中に昆虫細胞については記載されている)もしくはT細 胞化学誘引の程度を測定するためのインビトロアッセイは、当該分野において公 知である。簡単には、胚細胞の刺激についてのアッセイは、このような細胞が複 製は行わないが生存し続け得る条件下(低い細胞密度および血清非存在下または 少量)で培養中に適切な胚細胞を播種する工程、(1)DCDGFタンパク質(もし くは候補ポリペプチド)を含むトランスフェクトされた宿主細胞の上清液または (2)トランスフェクトされていない宿主細胞上清コントロールのいずれかを添 加する工程、および、例えば、細胞カウントもしくは3Hチミジンのような標識D NA前駆体の取り込みによって胚細胞複製に対する効果を測定する工程、を包含す る。このような活性はDCDGFポリペプチドおよび候補アンタゴニストもしくはア ゴニストの胚細胞刺激活性の相対的レベルを決定するのに有用である。 DCDGFは、上記のアッセイにおいて用量依存的な様式で、胚細胞複製およびT 細胞化学誘引を刺激する。従って、「DCDGFタンパク質活性を有するポリペプチ ド」は、上記のアッセイにおいて用量依存的な様式で同様の活性のいずれかをも また示すポリペプチドを含む。用量依存的活性の程度はDCDGFタンパク質の活性 と同一である必要はないが、好ましくは、「DCDGFタンパク質活性を有するポリ ペプチド」は、所定の活性において、DCDGFタンパク質と比較した場合に実質的 に類似の用量依存を示す(すなわち、候補ポリペプチドは参照DCDGFタンパク質 と比較してより高い活性を示すか、または約1/25以下、および好ましくは約1/10 以下の活性を示す)。 さらに、DCDGFは白血球(例えば、単球、リンパ球および好中球を含む)に対 する活性を示すことが予想される。この理由のため、DCDGFはこれらの細胞型の 増殖、分化および遊走に関して活性である。このような活性は、免疫増強または 抑制、骨髄保護、幹細胞移動、急性および慢性炎症調節ならびに白血病の処置に 対して有用である。このような活性を測定するためのアッセイは当該分野におい て公知である。例えば、Petersら、Immun.Today 17:273(1996);Youngら、J.Exp. Med.182:1111(1995);Cauxら、Nature 390:258(1992);およびSantiago-Schwarz ら、Adv.Exp.Med.Biol.378:7(1995)を参照のこと。 もちろん、遺伝子コードの縮重のために、当業者は、寄託されたcDNAの核酸配 列、または図1(配列番号1)に示される核酸配列に少なくとも90%、95%、96 %、97%、98%、または99%同一である配列を有する多数の核酸分子が「DCDGF タンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実 際に、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体の全てが同じポリペプチドをコー ドするので、このことは、たとえ上記の比較アッセイを行わないとしても、当業 者に明らかである。縮重改変体ではないそのような核酸分子について、妥当な数 がDCDGFタンパク質活性を有するポリペプチドをコードすることもまた、当該分 野でさらに認識される。これは、当業者が、以下にさらに記載されるように、タ ンパク質の機能に有意に影響する可能性が低いか、またはその可能性がないかの いずれかのアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族アミノ酸の第二の脂肪族アミノ 酸での置換)を十分に知っているからである。 ベクターおよび宿主細胞 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、この組換えベク ターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるDCDGFポリペプチド またはそのフラグメントの産生に関する。ベクターは、例えば、ファージベクタ ー、プラスミドベクター、ウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターで あり得る。レトロウイルスベクターは複製適格または複製欠損であり得る。後者 の場合、ウイルス増殖は一般的に相補体宿主細胞においてのみ生じる。 ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために、選択マーカーを含むベクタ ーに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物 のような沈澱物中か、または荷電された脂質との複合体中で導入される。ベクタ ーがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてイ ンビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。 DNAインサートは、適切なプロモーター(例えば、少し名を挙げると、ファー ジλPLプロモーター、E.coli lacプロモーター、trpプロモーター、phoAプロモ ーターおよびtacプロモーター、SV40初期プロモーターおよび後期プロモーター 、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきで ある。他の適切なプロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、さらに 、転写開始、転写終結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾ ーム結合部位を含む。構築物によって発現される転写物のコード部分は、好まし くは、翻訳されるべきポリペプチドの始めに翻訳開始コドンを含み、そして終わ りに適切に位置される終止コドン(UAA、UGA、またはUAG)を含む。 示されるように、発現ベクターは、好ましくは、少なくとも1つの選択マーカ ーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ 葉酸レダクターゼ、G418またはネオマイシン耐性、ならびにE.coliおよび他の細 菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝 子またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例として は、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella typ himurium細胞);真菌細胞(例えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、2 93細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞が挙げられるが、これら に限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当該分野 で公知である。 細菌における使用に好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60、およびpQE-9 (QIAGEN,Inc.(前述)から入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bl ueScriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能 );ならびにptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入手 可能)が含まれる。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG 44、pXT1、およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSG 、およびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切なベクターは、当業 者に容易に明らかである。 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE -デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェク ション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもた らされ得る。このような方法は、Davisら,Basic Methods In Molecular Biolog y(1986)のような多くの標準的な研究室マニュアルに記載されている。 ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そし て分泌シグナルだけでなく、さらなる異種の機能的領域も含み得る。例えば、さ らなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、精製の間の、または続く取り扱い および保存の間の、宿主細胞における安定性および持続性を改善するために、ポ リペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易にする ためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最終調 製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を改善 するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの付加 は、当該分野でよく知られており、そして日常的な技術である。好ましい融合タ ンパク質は、タンパク質の安定化および精製のために有用な免疫グロブリン由来 の異種領域を含む。例えば、EP-A-0 464 533(カナダ対応出願第2045869号)は 、別のヒトタンパク質、またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域 の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中 のFc部分は、治療および診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば 改善された薬物動態学的特性を生じる(EP-A 0232 262)。一方、いくつかの使用 について、融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、 そ して精製された後に、Fc部分が欠失され得ることが望ましい。これは、Fc部分が 、治療および診断における使用に対して障害となると判明する場合(例えば、融 合タンパク質が免疫のための抗原として使用されるべき場合)である。薬物探索 において、例えばhIL-5のようなヒトタンパク質は、hIL-5のアンタゴニストを同 定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的でFc部分と融合されてい る。D.Bennettら、J.Molecular Recognition 8:52-58(1995)、およびK.Johanso nら、J.Biol.Chem.270:9459-9471(1995)を参照のこと。 DCDGFタンパク質は、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、 陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグ ラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフ ィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラ フィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製さ れ得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のた めに用いられる。本発明のポリペプチドは以下を含む:直接単離されたか、また は培養された、体液、組織および細胞を含む天然の供給源からの精製産物;化学 合成手順の産物;ならびに原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞 、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え 技術によって産生された産物。組換え産生手順において用いられる宿主に依存し て、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されていても、またはグリコシル化 されていなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドはまた、いくつかの場合 、宿主媒介プロセスの結果として、改変された開始メチオニン残基を含み得る。 従って、一般的に翻訳開始コドンによってコードされるN末端メチオニンは、全 ての真核生物細胞において、翻訳の後に任意のタンパク質から高い効率で除去さ れることが、当該分野で周知である。また、ほとんどの原核生物において、ほと んどのタンパク質上のN末端メチオニンが効率よく除去されるが、いくつかのタ ンパク質については、この原核生物除去プロセスは非効率的であり、N末端メチ オニンが共有結合されているアミノ酸の性質に依存する。 ポリペプチドおよびフラグメント 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、または 配列番号2のアミノ酸配列を有する、単離されたDCDGFポリペプチド、あるいは 上記ポリペプチドの部分を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。 改変体および変異体ポリペプチド DCDGFポリペプチドの特徴を改良または改変するために、タンパク質工学が使 用され得る。当業者に公知の組換えDNA技術は、単一もしくは複数のアミノ酸置 換、欠失、付加、もしくは融合タンパク質を含む、新規の変異体タンパク質また は「ムテイン」を作成するために使用され得る。このような改変されたポリペプ チドは、例えば、増強された活性または増加した安定性を示し得る。さらに、少 なくとも特定の精製条件および保存条件のもとでは、これらはより高い収率で精 製され得、そして対応する天然のポリペプチドより良好な溶解性を示し得る。 N末端欠失変異体およびC末端欠失変異体 例えば、膜結合タンパク質の細胞外ドメインまたは分泌タンパク質の成熟形態 を含む多くのタンパク質について、1つ以上のアミノ酸が生物学的機能の実質的 な損失なしでN末端またはC末端から欠失され得ることは当該分野で公知である 。例えば、Ronら、J.Biol.Chem.,268:2984-2988(1993)では、3個、8個または2 7個のアミノ末端のアミノ酸残基を失った場合でさえ、ヘパリン結合活性を有す る改変KGFタンパク質を、報告している。本発明の場合、本発明のタンパク質はI DGF成長因子ファミリーのメンバーであり、このファミリーではN末端領域はほ とんど保存されていないことから、最初の2つの隣接した保存された残基(配列 番号2中の+20位および+21位でのLeuおよびGly)までのN末端アミノ酸の欠失は 、いくつかの生物学的活性(例えば、レセプター結合および標的細胞活性の調節 )を維持し得る。 しかし、タンパク質のN末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質 の1つ以上の生物学的機能の損失という改変を生じ得る場合でさえ、他の生物学 的活性はなお維持され得る。従って、このタンパク質の完全形態または成熟形態 を認識する抗体を誘発し、そして/または抗体に結合する短縮型タンパク質の能 力は、一般に、完全成熟タンパク質の大部分ではない残基がN末端から除去され る場合、維持される。完全タンパク質のN末端残基を欠く特定のポリペプチドが 、このような免疫的活性を維持するかどうかは、本明細書に記載されている日常 的な方法およびそうでなければ当該分野で公知である日常的な方法により容易に 決定され得る。 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるDCDGFのアミノ酸配列のアミ ノ末端から1つ以上の残基が欠失されたポリペプチド、番号20位のLeu残基まで のポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド を提供する。詳細には、本発明は、配列番号2の残基n〜485のアミノ酸配列を 含むポリペプチドを提供する。ここで、nは、0を除く-25から+19の範囲の任意 の整数である。より詳細には、本発明は以下の残基のアミノ酸配列を有するポリ ペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する:配列番号2の-25〜485、-2 4〜485、-23〜485、-22〜485、-21〜485、-20〜485、-19〜485、-18〜485、-17 〜485、-16〜485、-15〜485、-14〜485、-13〜485、-12〜485、-11〜485、-10〜 485、-9〜485、-8〜485、-7〜485、-6〜485、-5〜485、-4〜485、-3〜485、-2〜 485、-1〜485、+1〜485、+2〜485、+3〜485、+4〜485、+5〜485、+6〜485、+7〜 485、+8〜485、+9〜485、+10〜485、+11〜485、+12〜485、+13〜485、+14〜485 、+15〜485、+16〜485、+17〜485、+18〜485、および+19〜485。これらのポリペ プチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。 同様に、生物学的に機能的なC末端欠失ムテインの多くの例が公知である。例 えば、インターフェロンγは、タンパク質のカルボキシ末端からの8〜10アミノ echnology 7:199-216(1988))。本発明の場合では、およそ配列番号2の464位のL ysまでの約20C末端アミノ酸までの欠失は、いくらかの生物学的活性(例えば、 レセプター結合および標的細胞活性の調節)を維持すると予想される。 しかし、タンパク質のC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質 の1つ以上の生物学的機能の損失という改変を生じる場合でさえ、他の生物学的 活性はそれでも維持され得る。従って、短縮型のタンパク質の完全または成熟形 態のタンパク質を認識する抗体を誘発および/または結合する能力は一般に、完 全または成熟な形態のタンパク質の決して大部分ではない残基がC末端から除去 されている場合、維持される。完全なタンパク質のC末端残基を欠失した特定の ポリペプチドがこのような免疫活性を維持するかどうかは、本明細書で記載され る日常的な方法およびそうでなければ当該分野で公知の日常的な方法により容易 に決定され得る。 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるDCDGFのアミノ酸配列のカル ボキシ末端からの1つ以上の残基を有するポリペプチド、配列番号2の464位のL eu残基までのポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌ クレオチドを提供する。詳細には、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の残基 -25〜m、好ましくは残基-2〜mのアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する 。ここで、mは、464から484の範囲の任意の整数である。より詳細には、本発明 は以下の残基のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチ ドを提供する:配列番号2の-25〜+464、-25〜+465、-25〜+466、-25〜+467、-2 5〜+468、-25〜+469、-25〜+470、-25〜+471、-25〜+472、-25〜+473、-25〜+47 4、-25〜+475、-25〜+476、-25〜+477、-25〜+478、-25〜+479、-25〜+480、-25 〜+481、-25〜+482、および-25〜+484。これらのポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチドもまた、提供される。 本発明はまた、1つ以上のアミノ酸をアミノ末端およびカルボキシル末端の両 方から欠失させたポリペプチドを提供し、これらは一般には、配列番号2のn〜 m位の残基(ここで、上記のようにnおよびmは整数)を有するとして記載され 得る。 ATCC受託番号97852に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全DCDGFアミ ノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列もまた含ま れ、ここで、この部分はATCC受託番号97852に含まれるcDNAクローンによりコー ドされる完全アミノ酸配列のアミノ末端由来の1位から約45位までのアミノ酸、 またはカルボキシ末端由来の1位から約20位までのアミノ酸、あるいはATCC受託 番号97852に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全アミノ酸配列の上記 のアミノ末端およびカルボキシ末端欠失の任意の組合せを含まない。上記の欠失 変異体ポリペプチド形態の全てをコードするポリヌクレオチドもまた提供される 。 他の変異体 上記で議論されたタンパク質の末端欠失形態に加えて、DCDGFポリペプチドの 幾つかのアミノ酸配列がタンパク質の構造または機能に有意な影響なしに変化し 得ることもまた、当業者により認識される。配列中でのこのような差違を考察す る場合、活性を決定するタンパク質の決定的な領域があることに留意すべきであ る。 従って、本発明は、実質的なDCDGFポリペプチド活性を示すDCDGFポリペプチド の改変体または以下で議論されるタンパク質部分のようなDCDGFタンパク質の領 域を含むDCDGFポリペプチドの改変体をさらに含む。このような変異体は、欠失 、挿入、転移、反復、および、当該分野で公知である一般的な規則に従って、活 性にほとんど影響しないように選択される型置換を含む。例えば、表現型的にサ イレントなアミノ酸置換をいかにして作製するかに関するガイダンスが、Bowie, J.U.ら、「Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amin o Acid Substitutions,」Science 247:1306-1310(1990)で提供され、ここで著者 らは、変化に対するアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主だったアプ ローチが存在すると示している。最初の方法は進化のプロセスに依存し、ここで 変異は天然の選択により受け入れられるか、または拒絶されるかのどちらかであ る。第2のアプローチは、クローン化された遺伝子の特定部位でのアミノ酸変化 を導入するための遺伝子工学ならびに機能的に維持する配列を同定するための選 択もしくはスクリーニングを使用する。 著者らが述べるように、これらの研究は、タンパク質がアミノ酸置換に驚くほ ど寛容性であることを明らかにしてきた。著者らは、タンパク質の特定の部位で どのアミノ酸変化が許容性であると思われるかをさらに示している。例えば、ほ とんどの包理したアミノ酸残基は非極性側鎖を必要とし、一方で表面側鎖のほと んどの特徴は一般に保存されない。他のこのような表現型的にサイレントな置換 は、Bowie,J.U.ら(前出)およびその中で引用される参考文献に記載される。 代表的には、保存的置換として見出されるのは、それぞれ、脂肪性アミノ酸のAl a、Val、Leu、およびIleの間の置き換え;ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換 、 酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGln間の置換、塩基性残基Ly sおよびArgの交換、ならびに芳香族残基Phe、Tyrの間の置き換えである。 従って、配列番号2のポリペプチドまたは寄託されたcDNAによりコードされる ポリペプチドの、フラグメント、誘導体またはアナログは、(i)1つ以上のア ミノ酸残基が、保存されたまたは保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保 存されたアミノ酸)で置換され、そしてこのような置換されたアミノ酸残基が遺 伝コードによりコードされてもよくされていなくてもよいもの;または(ii) 1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの、または(iii)成熟ポリペプチ ドが、ポリペプチドの半減期を増加させるための化合物(例えば、ポリエチレン グリコール)のような別の化合物と融合したもの、または(iv)さらなるアミ ノ酸が上記の形態のポリペプチド(例えば、IgG Fc融合領域ペプチド配列もしく はリーダー配列もしくは分泌配列または上記の形態のポリペプチド配列もしくは プロタンパク質配列の精製のために使用される配列)と融合したものであり得る 。このようなフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書の教示より当業 者の範囲内であると見なされる。 従って、本発明のDCDGFは、天然の変異もしくは人工操作のいずれかに由来す る1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。示されるように、タ ンパク質の折り畳みまたは活性に有意に影響しない保存的アミノ酸置換のような 、小さな性質の変化が好ましい(表1を参照のこと)。 表1。保存的アミノ酸置換 本発明のDCDGFタンパク質の機能に必須のアミノ酸は、当該分野で公知の方法 (例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャン変異誘発(Cunninghamお よびWells,Science 244:1081-1085(1989))により同定され得る。後者の手順は、 分子のすべての残基に単一のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異体 分子は生物学活性(例えば、レセプター結合またはインビトロまたはインビトロ での増殖活性)について試験される。 特に興味深いのは、荷電したアミノ酸の、荷電した別のアミノ酸または中性の アミノ酸での置換である。この置換によって、凝集しにくいなどのような、非常 に望ましい改善された特性を有するタンパク質が産生され得る。凝集は活性を減 少させるだけではなく、凝集体が免疫原性であり得るため、薬学的処方物を調製 する場合にも問題であり得る(Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:331-340(1967); Robbinsら、Diabetes 36:838-845(1987);Clelandら、Crit.Rev.Therapeutic Dru g Carrier Systems 10:307-377(1993))。 アミノ酸の置き換えはまた、細胞表面のレセプターに対するリガンドの結合選 択性を変化させ得る。例えば、Ostadeら、Nature 361:266-268(1993)は、TNFレ セプターの2つの公知の型の1つのみに対するTNF-αの選択的な結合を生じる特 定の変異体を記載する。リガンド−レセプター結合について決定的である部位は また、構造解析(例えば、結晶化、核磁気共鳴法または光親和性標識)により決 定され得る(Smithら、J.Mol.Biol.224:899-904(1992)およびde Vosら、Science 255:306-312(1992))。 本発明のポリペプチドは、好ましくは単離された形態で提供され、そして好ま しくは実質的に精製される。DCDGFポリペプチドの組換え産生バージョンは、Smi thおよびJohnson,Gene 67:31-40(1988)に記載される一工程法により実質的に精 製され得る。本発明のポリペプチドはまた、タンパク質精製の分野で周知である 方法で、本発明の抗DCDGF抗体を使用して、天然または組換えの供給源から精製 され得る。 本発明は、以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離されたDCDG Fポリペプチドをさらに提供する:(a)図1(配列番号2)で示される完全ア ミノ酸配列を有する全長DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列;(b)図1に示さ れる、N末端メチオニン(すなわち、配列番号2の-25〜+485位)を除く、完全 アミノ酸配列を有する全長DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列;(c)配列番号 2の1〜485位のアミノ酸配列を有する成熟DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列; (d)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによってコードされる全長ポリペ プチドのアミノ酸配列;(e)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによって コードされる、N末端メチオニンを除く完全DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列 ;および(f)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによってコードされる成 熟DCDGFポリペプチドのアミノ酸配列。本発明のポリペプチドはまた、上記の( a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)に記載されるポリペプチド に対して少なくとも80%の同一、より好ましくは少なくとも90%の同一、そして なおより好ましくは95%、96%、97%、98%、または99%同一のアミノ酸配列を 有するポリペプチドを含み、そして少なくとも30アミノ酸およびより好ましくは 少なくとも50アミノ酸のこのようなポリペプチドの部分もまた含む。 本発明のさらなるポリペプチドは、上記の配列に対して少なくとも90%の類似 性、より好ましくは少なくとも95%の類似性、そしてなおより好ましくは少なく とも96%、97%、98%、または99%の類似性を有するポリペプチドを含む。本発 明のポリペプチドはまた、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチドま たは配列番号2のポリペプチドに対して少なくとも80%同一、より好ましくは少 なくとも90%または95%同一、なおより好ましくは少なくとも96%、97%、98% 、または99%同一であるポリペプチド、ならびに少なくとも30のアミノ酸、そし てより好ましくは少なくとも50のアミノ酸を有するこのようなポリペプチドの部 分もまた含む。 2つのポリペプチドについての「類似性%」によって、Bestfitプログラム(W isconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix、Genetics Compute r Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711 )および類似性を決定するためのデフォルト設定を使用して2つのポリペプチド のアミノ酸配列を比較することによって生じる類似性スコアが意図される。Best fitは、SmithおよびWatermanの部分的相同性アルゴリズム(Advances in Applie d Mathematics 2:482-489,1981)を用いて、2つの配列の間の類似性について 最良のセグメントを見出す。 例えば、DCDGFポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、95%「同一の 」アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、そのポリペプチド配列が、DCDGF ポリペプチドの参照アミノ酸配列の各100アミノ酸毎に5つまでのアミノ酸改変 を含み得ることを除いて、そのポリペプチドのアミノ酸配列は参照配列と同一で あることが意図される。言い換えれば、参照アミノ酸配列に対して少なくとも95 %同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列において5 %までのアミノ酸残基が、欠失されるかもしくは別のアミノ酸で置換され得るか 、または参照配列における総アミノ酸残基の5%までの多数のアミノ酸が参照配 列に挿入され得る。これらの参照配列の改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端 位置もしくはカルボキシ末端位置で、または参照配列の残基間で個々に、もしく は参照配列内で1つ以上の連続した基内のいずれかに散在した、これらの末端位 置の間のどこかで起こり得る。 実際に、任意の特定のポリペプチドが、例えば、配列番号2に示されるアミノ 酸配列、または寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列に対し て、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるかどうか は、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 fo r Unix、Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science D rive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを使用し て従来通りに決定され得る。特定の配列が、例えば、本発明の参照配列に95%同 一であるかどうかを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列アラインメ ントプログラムを使用する場合、当然のことながら、同一性のパーセンテージが 参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、そして参照配列内のアミノ酸残基 の総数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるようにパラメーターが 設定される。 本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いるSDS-PAGEゲル、または 分子ふるいゲル濾過カラム上で分子量マーカーとして使用され得る。 以下に詳細に示されるように、本発明のポリペプチドを用いて、ポリクローナ ル抗体およびモノクローナル抗体もまた惹起し得る。これらの抗体は、以下に記 載のようにDCDGFタンパク質発現を検出するためのアッセイに有用であり、また はDCDGFタンパク質機能を増強または阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニス トとして有用である。さらにこのようなポリペプチドは酵母ツーハイブリッドシ ステムを使用して、本発明による候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあり 得るDCDGFタンパク質結合タンパク質を「捕獲」し得る。酵母ツーハイブリッド システムは、FieldsおよびSong、Nature 340:245-246(1989)に記載される。 エピトープ保有部分 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を 含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピトー プは、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである。「免疫 原性エピトープ」は、全てのタンパク質が免疫原である場合、抗体応答を誘発す るタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し得るタンパク質 分子の領域は、「抗原性エピトープ」として定義される。タンパク質の免疫原性 エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば、Ge ysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998-4002(1983)を参照のこと。 抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の 領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一 部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応 する抗血清を日常的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sutcli ffe,J.G.,Shinnick,T.M.,Green,N.およびLearner,R.A.(1983)「Antibodies that react with predetermined sites on proteins」,Science 219:660-666を参照 のこと。タンパク質反応性血清を誘発し得るペプチドは、タンパク質の一次配列 で頻繁に示され、一連の単純な化学的法則により特徴付けられ得、そしてインタ クトなタンパク質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミ ノ末端またはカルボキシル末端にも、制限されない。それゆえ本発明の抗原性エ ピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリペプチドに特異的に 結合するモノクローナル抗体を含む、抗体を惹起するために有用である。例えば 、Wilsonら、Cell 37:767-778(1984)の777頁を参照のこと。 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリ ペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、好ましくは少なくとも7個、より好まし くは少なくとも9個、そして最も好ましくは約15〜約30個の間のアミノ酸の配列 を含む。DCDGF特異的抗体を産生するために使用され得る抗原性ポリペプチドま たはペプチドの例は以下を含むが、これらに限定されない:配列番号2のほぼ-2 5位のLeu〜ほぼ-16位のAlaまでのアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2 のほぼHis124〜ほぼLys135までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2 のほぼLeu139〜ほぼVal149までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2 のほぼGly332〜ほぼLeu346までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2 のほぼTyr371〜ほぼIle379までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;および配列 番号2のほぼIle412〜ほぼMet419までのアミノ酸残基を含むポリペプチド。図3 に示されるように、上記のJameson-Wolf抗原性指数の分析により、これらのポリ ペプチドフラグメントがDCDGFタンパク質の抗原エピトープを保有することを決 定した。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来の手段に より産生され得る。例えば、Houghten,R.A(1985)「General method for the rap id solid-phase synthesis of large numbers of peptides:specificity of ant igen-antibody interaction at the level of individual amino acids.」Proc. Natl.Acad.Sci.USA 82:5131-5135を参照のこと;この「Simultaneous Multiple Peptide Synthesis(SMPS)」プロセスは、Houghtenらの米国特許第4,631,211号(1 986)でさらに記載される。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、抗体を誘導するため に当該分野で周知の方法に従って使用される。例えば、Sutcllffeら(前出);W ilsonら(前出);Chow,Mら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:910-914;およびBittl e,F.J.ら、J.Gen.Virol.66:2347-2354(1985)を参照のこと。本発明の免疫原性 のエピトープ保有ペプチド(すなわち、全てのタンパク質が免疫源である場合に 、抗体応答を誘発するタンパク質の部分)は、当該分野で公知の方法に従って同 定される。例えば、Geysenら(前出)を参照のこと。さらになお、Geysen(1990) の米国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位) に対して相補的なエピトープ(すなわち「ミモトープ」)の位相幾何学的等価物 であるモノマー(アミノ酸または他の化合物)の配列を検出または決定する一般 的な方法を記載する。より一般的には、Geysen(1989)の米国特許第4,433,092 号は、目的の特定のレセプターのリガンド結合部位に相補的であるリガンドの位 相幾何学的等価物であるモノマーの配列を検出または決定する方法を記載する。 同様に、Peralkylated Oligopeptide Mixturesに関するHoughten,R.A.ら(199 6)の米国特許第5,480,971号は、直鎖C1-C7-アルキル過アルキル化オリゴペプチ ドならびにこのようなペプチドのセットおよびライブラリー、ならびに目的のア クセプター分子に、優先的に結合する過アルキル化オリゴペプチドの配列を決定 するために、このようなオリゴペプチドのセットおよびライブラリーを使用する 方法を開示する。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドの非ペプチドアナロ グはまた、これらの方法により日常的に作製され得る。 融合タンパク質 当業者が理解するように、本発明のDCDGFポリペプチドおよびその上記のエピ トープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの部分と結 合し得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を容易 にし、そしてインビボで半減期の増加を示す。これは、例えば、ヒトCD4-ポリペ プチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖または軽鎖 の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている( EP A 394,827;Trauneckerら、Nature 331:84-86(1988))。IgG部分によるジ スルフィド結合二量体構造を有する融合タンパク質はまた、単量体DCDGFタンパ ク質またはタンパク質フラグメント単独よりも、他の分子の結合および中和にお いてより効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270:3958-3964(199 5))。 抗体 本発明で使用されるDCDGFタンパク質特異的抗体は、インタクトなDCDGFタンパ ク質またはその抗原性ポリペプチドフラグメントに対して惹起され得、これはキ ャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を用いて、あるいは十分に長い場合で は(少なくともほぼ25アミノ酸)キャリアを用いずに動物の系(例えば、ウサギ またはマウス)に提示され得る。 本明細書で使用される用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab) は、インタクトな分子ならびにDCDGFタンパク質に対し特異的に結合し得る抗体 フラグメント(例えば、FabおよびF(ab')2フラグメント)を含むことを意味する 。FabおよびF(ab')2フラグメントはインタクトな抗体のFcフラグメントを欠落し 、循環からより迅速に除去され、そしてインタクトな抗体の非特異的な組織への より少ない結合を有し得る(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。従って、 これらのフラグメントは好ましい。 本発明の抗体は、種々の方法のいずれかにより調製され得る。例えば、DCDGF タンパク質またはその抗原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル抗 体を含む血清の産生を誘導するために動物に対して投与され得る。好ましい方法 では、DCDGFタンパク質の調製は、それを天然の混入物を実質的に皆無にするた めに調製および精製される。次いで、このような調製物は、より特異的な活性の ポリクローナル抗血清を産生するために動物に導入される。 最も好ましい方法においては、本発明の抗体はモノクローナル抗体(またはDC DGFタンパク質のその結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗 oclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.,(1981)563-681頁中 )を使用して調製され得る。一般には、このような手順はDCDGFタンパク質抗原 、またはより好ましくはDCDGFタンパク質発現細胞での動物(好ましくはマウス )の免疫を含む。適切な細胞は、抗DCDGFタンパク質抗体に結合するそれらの能 力により認識され得る。このような細胞は任意の適切な組織培養培地で培養され 得るが、10%のウシ胎児血清(約56℃で不活化)を補充し、ならびに約10g/lの 非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマ イシンを補充したEarle改変Eagle培地中で細胞を培養することが好ましい。この ようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切なミエローマ細胞株と融合される 。任意の適切なミエローマ細胞株が本発明に従って使用され得る。しかし、ミエ ローマ細胞の親細胞株(SP20)(アメリカンタイプカルチャーコレクション(Rockvi lle Maryland)より入手可能)を使用することが好ましい。融合後、得られたハイ ブリドーマ細胞はHAT培地中で選択的に維持され、次いで、Wandsら(Gastroenter ology 80:225-232(1981))により記載されるような限界希釈によりクローン化さ れる。次いで、このような選択を通じて得られたハイブリドーマ細胞は、DCDGF タンパク質抗原に結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイ される。 あるいは、DCDGFタンパク質抗原に結合し得るさらなる抗体は、抗イディオタ イプの抗体の使用を通じて2段階の手順で産生され得る。このような方法は、抗 体がそれ自体の抗原であるという事実を使用し、しかもそれゆえに、第2の抗体 に結合する抗体を入手することが可能である。この方法に従って、DCDGFタンパ ク質特異的抗体は、動物(好ましくはマウス)を免疫するために使用される。次 いで、このような動物の脾細胞は、ハイブリドーマ細胞を産生するために使用さ れ、そしてハイブリドーマ細胞は、そのDCDGFタンパク質特異的抗体に結合する 能力が、DCDGFタンパク質抗原によりブロックされ得る抗体を産生するクローン を同定するためにスクリーニングされる。このような抗体は、DCDGFタンパク質 特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そしてさらなるDCDGFタンパ ク質特異的抗体の形成を誘導するための、動物の免疫に使用され得る。 本発明のFabおよびF(ab')2ならびに他の抗体のフラグメントは、本明細書で開 示される方法に従って使用され得ることが理解される。代表的には、このような フラグメントは、パパイン(Fabフラグメントを産生するため)またはペプシン (F(ab')2フラグメントを産生するため)のような酵素を使用して、タンパク質 分解切断により産生される。あるいは、DCDGFタンパク質結合フラグメントは、 組換えDNA技術の適用によって、または合成化学によって産生され得る。 ヒトにおける、インビボでの抗DCDGFの使用については、「ヒト化」キメラモ ノクローナル抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上述 されたモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝的構築 物を使用して産生され得る。キメラ抗体を産生するための方法は、当該分野で公 知である。総説については、Morrison,Science 229:1202(1985);Oiら、BioTech niques 4:214(1986);Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、EP 171 496;Morrisonら、EP 173494;Neubergerら、WO8601533;Robinsonら、WO8702671; Boulianneら、Nature 312:643(1984);Neubergerら、Nature 314:268(1985)を参 照のこと。 免疫系および発生関連障害 診断法 本発明者らは、DCDGF mRNAが、本発明のプロトタイプcDNAクローンが単離され た初代樹状細胞だけでなく、以下により記載のように決定されたおよその相対的 レベルで以下の組織でも発現されることを発見した:種々のライブラリーの関連 するcDNAクローンの相対的発生率により:活性化単球(樹状細胞より低い)、胎 児心臓、胎盤、骨髄、酸化LDL処理したマクロファージ、Jurkats腫瘍、精巣腫瘍 、8週齢胚(全てが単球より低い);およびノーザンブロッティングにより:末 梢 血白血球(最高)、リンパ節、胸腺および脾臓(高い)、心臓、膵臓、胎児肝臓 、および虫垂(低いが検出可能)。それゆえ、本発明の核酸は、生物学的サンプ ル中に存在する組織または細胞型の示差的同定のためのハイブリダイゼーション プローブとして有用である。同様に、これらのポリペプチドに対して指向される ポリペプチドおよび抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プ ローブを提供するために有用である。 さらに、上記組織または細胞の多数の障害、特に免疫系の機能的障害ならびに 免疫系および他の系の発生的障害(特にディジョージ症候群)に関して、DCDGF 遺伝子発現の有意により高いまたはより低いレベルが、「標準的な」DCDGF遺伝 子発現レベル(すなわち、免疫系または循環系障害を有さない個体由来の正常組 織でのDCDGF発現レベル)と比較して、このような障害を有する個体から採取さ れた特定の組織(例えば、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血 清、血漿、尿、滑液、または髄液)で検出され得る。従って、本発明は、このよ うな障害の診断の間に有用な診断方法を提供し、この方法は以下の工程を含む: (a)個体の細胞または体液でのDCDGF遺伝子発現レベルをアッセイする工程; (b)このDSDGF遺伝子発現レベルを標準的なDCDGF遺伝子発現レベルと比較する 工程。これによって、標準的な発現レベルと比較して、アッセイされたDCDGF遺 伝子発現レベルの増加または減少が、免疫系の障害および/またはディジョージ 症候群のような初期発生に関する障害の指標になる。 特に、ガンを有する哺乳動物の特定の組織、特に免疫系細胞のガンは、対応す る「標準的な」レベルと比較する場合、DCDGFタンパク質およびDCDGFタンパク質 をコードするmRNAの有意に増強されたレベルを発現すると考えられる。さらに、 DCDGFタンパク質の増強されたレベルが、ガンを有さない同じ種の哺乳動物由来 の血清と比較される場合、このようなガンを有する哺乳動物由来の特定の体液( 例えば、血清、血漿、尿、および髄液)で検出され得ると考えられる。従って、 本発明は、免疫系障害の診断の間に有用な診断方法を提供し、この方法は、個体 からの免疫系組織または他の細胞または体液のDCDGFタンパク質をコードする遺 伝子の発現レベルを測定する工程、およびこの測定された遺伝子発現レベルを標 準的なDCDGF遺伝子発現レベルと比較する工程を含む。これによって、標準と比 較した遺伝子発現レベルの増加または減少が、免疫系障害の指標になる。白血病 のようなガン性症状の診断を含む、免疫の障害の診断が従来の方法に従って既に なされた場合、本発明は、予後指標として有用である。これによって、増強され たDCDGF遺伝子発現を示す患者は、標準的レベルに近い遺伝子レベルで、遺伝子 を発現する患者と比較して、より悪い診療結果を経験する。 「DCDGFタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」ことに よって、DCDGFタンパク質のレベル、またはDCDGFタンパク質をコードするmRNAレ ベルを、第1の生物学的サンプルで、直接(例えば、タンパク質の絶対レベルま たはmRNAの絶対レベルの決定または評価によって)または相対的(例えば、第2 の生物学的サンプルのDCDGFタンパク質レベルまたはmRNAレベルの比較による) のいずれかで、定性または定量的に決定または評価することが意図される。好ま しくは、第1の生物学的サンプル中のDCDGFタンパク質レベルまたはmRNAレベル は、測定および評価され、そして標準的なDCDGFタンパク質レベルまたはmRNAレ ベルと比較され、この標準は、障害を有さない個体から得た第2の生物学的サン プルから得られるか、または免疫系の障害を有さない個体集団からのレベルを平 均して決定される。当該分野で理解されるように、一旦標準DCDGFタンパク質レ ベルまたはmRNAレベルが判明すると、比較のための標準として繰り返し使用され 得る。 「生物学的サンプル」によって、DCDGFタンパク質またはmRNAを含有する、個 体、体液、細胞株、組織培養物、またはその他の供給源から得られた、任意の生 物学的サンプルが意図される。示されるように、生物学的サンプルは、遊離DCDG Fタンパク質を含む体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、免疫 系組織、および完全もしくは成熟DCDGFまたはDCDGFレセプターを発現することが 認められているその他の組織供給源を含む。哺乳動物から組織生検および体液を 得る方法は、当該分野で周知である。生物学的サンプルが、mRNAを含む場合、組 織生検が好ましい供給源である。 本発明は、哺乳動物、特にヒトの種々の免疫系関連障害の診断または処置に有 用である。このような障害および任意の免疫細胞機能の調節不全には、自己免疫 疾患、関節炎、白血病、リンパ腫、免疫抑制、免疫、体液性免疫、炎症性腸疾患 、 骨髄抑制などが含まれるが、これらに限定されない。 全細胞RNAが、ChomczynskiおよびSacchi、Anal.Biochem.162:156-159(1987) に記載の1工程のグアニジウム−チオシアネート−フェノール−クロロホルム法 のような任意の適切な技術を使用して、生物学的サンプルから単離され得る。次 いで、DCDGFタンパク質をコードするmRNAのレベルが、任意の適切な方法を使用 してアッセイされる。これらの方法には、ノーザンブロット分析、Slヌクレアー ゼマッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わ せた逆転写(RT-PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT-LCR) が挙げられる。 生物学的サンプル中のDCDGFタンパク質レベルのアッセイは、抗体に基づく技 術を用いて実施され得る。例えば、組織でのDCDGFタンパク質発現は、古典的な 免疫組織学的方法によって研究され得る(Jalkanen,M.ら、J.Cell.Biol.10 1:976-985(1985);Jalkanen,M.ら、J.Cell.Biol.105:3087-3096(1987) )。DCDGFタンパク質遺伝子発現を検出するために有用なその他の抗体に基づく 方法は、イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)およびラ ジオイムノアッセイ(RIA))を包含する。適切な抗体アッセイ標識は、当該分 野で公知であり、グルコースオキシダーゼのような酵素標識、およびヨウ素(12 5 I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(11 2 In)、およびテクニチウム(99mTc)のようなラジオアイソトープ、およびフル オレセインおよびローダミンのような蛍光標識、およびビオチンを包含する。 個体から得た生物学的サンプル中のDCDGFタンパク質レベルのアッセイに加え て、DCDGFタンパク質はまた、画像診断によってインビボで検出され得る。DCDGF タンパク質のインビボ画像診断のための抗体標識またはマーカーは、X線撮影、 NMR、またはESRによって検出可能なものを包含する。X線撮影については、適切 な標識は、バリウムまたはセシウムのようなラジオアイソトープを包含し、これ は検出可能な放射線を放射するが、被験体に対して明らかに有害ではない。NMR およびESRのための適切なマーカーは、ジュウテリウムのような検出可能な特徴 的なスピンを有するものを包含し、関連ハイブリドーマに対する栄養物の標識に よって、抗体へ組み込まれ得る。 ラジオアイソトープ(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過性物質、 または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような、適切な検出可能イメージン グ部分で標識された、DCDGFタンパク質特異的抗体または抗体フラグメントが、 免疫系障害について試験されるべき哺乳動物へ導入される(例えば、非経口的、 皮下的または腹腔内に)。被験体の大きさおよび使用される画像診断システムが 、診断画像を作製するために必要な画像部分の量を決定することは、当該分野で 理解される。ラジオアイソープ部分の場合には、ヒト被験体について、注入され る放射活性の量は、通常、約5〜20ミリキュリーの99mTcの範囲である。次に、標 識抗体または抗体フラグメントは、DCDGFタンパク質を含有する細胞の位置に、 優先的に蓄積する。インビボ腫瘍画像診断は、S.W.Burchielら、「Immunopharma cokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments」(Tumor Imagi ngの第13章:The Radiochemical Detection of Cancer,S.W.BurchielおよびB.A .Rhodes編、Masson Publishing Inc.(1982))に記載されている。 処置 上記のように、DCDGFポリヌクレオチドおよびDCDGFポリペプチドは、DCDGF活 性の異常に高いかまたは低い発現に関与する症状の診断に有用である。DCDGFが 発現された場合、所定の細胞および組織ならびにDCDGFにより調節された活性は 、DCDGFが発現されるおよび/または活性である身体のシステムに関する病理学的 症状を引き起こす標準的または「通常の」レベルと比較して、個体のDCDGFの発 現レベルを実質的に変化(増加または減少)させることが容易に明らかである。 本発明のDCDGFタンパク質はIDGFファミリー(これは、分泌されたポリペプチ ド成長因子である)のメンバーであるので、成熟DCDGFタンパク質が、タンパク 質分解切断によってDCDGFを発現する細胞から可溶性形態で放出され得ることは 、当業者によってもまた理解される。それゆえ、DCDGF成熟形態が、外来の供給 源から個体の細胞、組織、または身体に添加された場合、このタンパク質は、個 体のその標的細胞について生理学的活性を発揮する。 それゆえ、個体のDCDGF活性の標準的または通常のレベルの減少によって引き 起こされる症状、特に免疫系の障害は、DCDGFポリペプチド(特に、成熟ポリペ プチドの形態またはその変異体の形態で)の投与によって処置され得ることが理 解され得る。従って、本発明は、増加したレベルのDCDGF活性を必要とする個体 に、本発明の単離されたDCDGFポリペプチド、特に、本発明のDCDGFタンパク質の 成熟形態の、このような個体のDCDGF活性レベルを増加させるために有効な量を 含む薬学的組成物を投与する工程を含む、このような個体を処置する方法もまた 提供する。 処方物 DCDGFポリペプチド組成物は、個々の患者の臨床状態(特に、DCDGFポリペプチ ド単独での処置の副作用)、DCDGFポリペプチド組成物の送達部位、投与方法、 投与計画、および当業者に公知のその他の要因を考慮して、良好な医療処置と一 致した様式で処方されて、そして投与される。従って、本明細書での目的のため のDCDGFポリペプチドの「有効量」は、このような考慮によって決定される。 一般的な提案として、用量あたり非経口的に投与されるDCDGFポリペプチドの 薬学的に有効な総量は、患者の体重あたり約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲であ るが、上記に示されているように、これは治療上の裁量を受ける。より好ましく は、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、そして最も好ましくは、ヒトに対し て、ホルモンについて約0.01と1mg/kg/日との間の範囲である。継続的に投与さ れる場合、DCDGFポリペプチドは、代表的には、約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時 間の用量速度で、1日あたり1〜4回注入によって、または、例えば、ミニポンプ を使用した継続的皮下注入によってのいずれかで投与される。静脈内点滴用バッ グ溶液もまた使用され得る。変化を観察するのに必要な処置の長さ、および応答 が生じる処置後の間隔は、所望の効果に依存して変化するようである。 本発明のDCDGFを含有する薬学的組成物は、経口、直腸内、非経口、槽内(int racistemally)、腟内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、液滴、または経皮パッチに よるように)、口腔に(bucally)、または経口スプレーもしくは経鼻スプレー として、投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」によって、非毒性固体 、半固体、または液状の充填剤、希釈物、カプセル化材料、または任意の型の処 方補助剤が意味される。本明細書で使用されているように、用語「非経口」は、 静 脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨下(intrasternal)、皮下、および関節内の注射お よび注入を包含する、投与様式をいう。 DCDGFポリペプチドはまた、持続放出システムにより適切に投与される。持続 放出組成物の適切な例は、成形物品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル (mirocapsule))の形態での半透過性ポリマーマトリックスを包含する。持続 放出マトリックスは、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L- グルタミン酸およびγ-エチル-L-グルタメートのコポリマー(Sidman,U.ら、Bi opolymers 22:547-556(1983))、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート) (R.Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167-277(1981)、およびR.Lange r,Chem.Tech.12:98-105(1982))、エチレンビニルアセテート(R.Langer ら、同書)またはポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)を包含する。 持続放出DCDGFポリペプチド組成物はまた、リポソーム封入DCDGFポリペプチドを 包含する。DCDGFポリペプチド含有リポソームは、それ自体既知の方法によって 調製される:DE 3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)82:368 8-3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030-4034(198 0);EP 52,322;EP 36,676;EP 88,046:EP 143,949;EP 142,641;日本国特許出願8 3-118008;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;および、EP 102,324。通 常、リポソームは、脂質含有量が約30モル%コレステロールより多い、小さな( 約200〜800オングストローム)単層型であり、選択される割合は、最適なDCDGF ポリペプチド治療について調整される。 非経口投与については、1つの実施態様で、DCDGFポリペプチドは、一般的に 、単位投与量の注入可能形態(溶液、懸濁液、またはエマルジョン)の所望の純 度で、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、使用される投与量および濃度で レシピエントに対して非毒性であり、かつ処方物のその他の成分と適合性である もの)と混合することにより、処方される。例えば、処方物は、好ましくは、酸 化剤、およびポリペプチドに対して有害なことが知られているその他の化合物を 含有しない。 一般的に、処方物は、DCDGFポリペプチドを均一および密接に、液体キャリア または細分割固体キャリアまたは両方と接触させることによって、調製される。 次いで、必要に応じて、産物は、所望の処方物に成形される。好ましくは、キャ リアは、非経口キャリアであり、より好ましくはレシピエントの血液と等張であ る溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル 液、およびデキストロース溶液を包含する。固定油およびオレイン酸エチルのよ うな、非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に、本明細書において有用であ る。 キャリアは、等張性および化学安定性を増強する物質のような、微量の添加物 を適切に含有する。このような材料は、使用される投与量および濃度でレシピエ ントに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および その他の有機酸またはその塩類のような、緩衝剤;アスコルビン酸のような、抗 酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、例えば、ポリアルギニンまた はトリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのような、 タンパク質;ポリビニルピロリドンのような、親水性ポリマー;グリシン、グル タミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニンのような、アミノ酸;セルロース またはその誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類 、二糖類、およびその他の炭水化物;EDTAのような、キレート剤;マンニトール またはソルビトールのような、糖アルコール;ナトリウムのような、対イオン; および/またはポリソルベート、ポリオキサマー(poloxamer)、またはPEGのよ うな、非イオン界面活性剤を包含する。 DCDGFポリペプチドは、代表的には、約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10 mg/mlの濃度で、pH約3〜8でこのようなビヒクル中に処方される。特定の前記賦 形剤、キャリア、または安定剤の使用が、DCDGFポリペプチド塩の形成をもたら すことは、理解される。 治療投与に使用されるDCDGFポリペプチドは、無菌でなければならない。無菌 は、滅菌濾過膜(例えば、0.2ミクロン膜)を通す濾過によって、容易に達成さ れる。治療DCDGFポリペプチド組成物は、一般的に、無菌出入口を有する容器( 例えば、皮下注射針によって刺し通し得る栓を有する静脈内点滴用溶液バッグま たはバイアル)へ入れられる。 通常は、DCDGFポリペプチドは、単回または多数回用量容器(例えば、密封ア ンプルまたはバイアル)中に、水溶液または再構成用の凍結乾燥処方物として、 貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlバイアルは、滅菌濾過された1%( w/v)DCDGFポリペプチド水溶液(5ml)で満たされ、得られた混合物は、凍結乾 燥される。注入溶液は、注射用静菌蒸留水を用いて、凍結乾燥DCDGFポリペプチ ドを再構成することによって、調製される。 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた、1つ以 上の容器を含む、薬学的パックまたはキットを提供する。このような容器には、 薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって 規定された形式の通知が伴われ得、この通知は、ヒト投与に対する製造、使用ま たは販売の機関による認可を反映する。さらに、本発明のポリペプチドは、その 他の治療化合物と併用して使用され得る。 アゴニストおよびアンタゴニスト−アッセイおよび分子 本発明はまた、細胞に対するDCDGFの作用(例えば、レセプター分子のようなD CDGF結合分子とDCDGFとの相互作用)を増強するかまたはブロックする化合物を 同定するための化合物のスクリーニング方法を提供する。アゴニストはDCDGFの 天然の生物学的機能を増加させるか、またはDCDGFと類似の様式で機能する化合 物であるが、アンタゴニストはこのような機能を減少させるかまたは消失させる 。 本実施態様の別の局面において、本発明はDCDGFポリペプチドに特異的に結合 する、レセプタータンパク質または他のリガンド結合タンパク質を同定するため の方法が提供される。例えば、細胞区画(例えば、膜またはその調製物)は、DC DGFを結合する分子を発現する細胞から調製され得る。調製物は、標識されたDCD GFとともにインキュベートされ、そしてレセプターまたは他の結合タンパク質に 結合したDCDGFの複合体は、当該分野で公知の日常的方法に従って、単離および 特徴付けられる。あるいは、DCDGFポリペプチドは、細胞から可溶化された結合 分子がカラムに結合されるように固体支持体へ結合され、次いで、日常的な方法 に従って溶出および特徴付けられ得る。 アゴニストまたはアンタゴニストについての本発明のアッセイにおいて、細胞 区画(例えば、膜またはその調製物)は、DCDGFを結合する分子(例えば、DCDGF により制御されるシグナル伝達経路または調節経路の分子)を発現する細胞から 調製され得る。調製物は、候補分子(DCDGFアゴニストまたはDCDGFアンタゴニス トであり得る)の非存在下または存在下で、標識されたDCDGFとともにインキュ ベートされる。結合分子に結合する候補分子の能力は、標識されたリガンドの結 合の減少に反映される。不必要に(すなわち、DCDGF結合分子を結合することに 対してDCDGFの効果を誘導することなく)結合する分子は、良好なアンタゴニス トである可能性が最も高い。DCDGFとうまく結合し、DCDGFと同じ効果またはDCDG Fと密接に関連する効果を誘発する分子は、アゴニストである。 潜在的なアゴニストおよびアンタゴニストのDCDGF様の効果は、例えば、細胞 または適切な細胞調製物と候補分子の相互作用後の、二次メッセンジャーシステ ムの活性を決定すること、およびこの効果を、DCDGFの効果またはDCDGFと同じ効 果を誘発する分子の効果と比較することにより測定され得る。この点で有用であ り得る二次メッセンジャーシステムは、AMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャ ンネルまたはホスホイノシチド加水分解二次メッセンジャーシステムを含むが、 これらに限定されない。 DCDGFアンタゴニストについてのアッセイの別の例は、競合阻害アッセイに適 切な条件下で膜結合DCDGFレセプター分子または組換えDCDGFレセプター分子とDC DGFおよび潜在的なアンタゴニストを組み合わせる競合アッセイである。DCDGFは 、潜在的なは潜在的なアンタゴニストの有効性を評価するためにレセプター分子 に結合したDCDGF分子の数が正確に決定され得るように、(例えば、放射能によ り)標識され得る。 潜在的なアンタゴニストは、本発明のポリペプチドに結合し、それによりポリ ペプチドの活性を阻害するかまたは失わせる、有機低分子、ペプチド、ポリペプ チドおよび抗体を含む。潜在的なアンタゴニストはまた、DCDGF誘導性活性を誘 導することなく、結合分子上の同じ部位に結合し、それにより、結合からDCDGF を除外することによりDCDGFの作用を妨害する、密接に関連したタンパク質また は抗体(例えば、レセプター分子)のような、有機低分子、ペプチド、ポリペプ チドであり得る。 他の潜在的なアンタゴニストはアンチセンス分子を含む。アンチセンス技術は 、 アンチセンスDNAまたはアンチセンスRNAによって、または三重らせん形成によっ て、遺伝子発現を制御するために使用され得る。アンチセンス技術は、例えば、 Okano,J.Neurochem.56:560(1991);「Oligodeoxynucleotides as Antisense I nhibitors of Gene Expression.」CRC Press,Boca Raton,FL(1988)で議論され ている。三重らせん形成は、例えば、Leeら、Nucleic Acids Research 6:3073(1 979);Cooneyら、Science 241:456(1988);およびDervanら、Science 251:1360(19 91)で議論されている。この方法は相補的なDNAまたはRNAにポリヌクレオチドを 結合させることに基づく。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチドの5’コード部分は、約10〜40塩基対の長さのアンチセンスRNAオ リゴヌクレオチドを設計するために使用され得る。DNAオリゴヌクレオチドは、 転写に関係する遺伝子領域に相補的であり、それにより、DCDGFの転写および産 生が防止されるように設計される。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、イ ンビボでmRNAにハイブリダイズし、mRNA分子のDCDGFポリペプチドへの翻訳をブ ロックする。上記のオリゴヌクレオチドはまた、DCDGFタンパク質の産生を阻害 するためにアンチセンスRNAまたはアンチセンスDNAがインビボで発現され得るよ うに細胞へ送達され得る。アゴニストおよびアンタゴニストは、薬学的に受容可 能なキャリア(例えば、上記のような)を有する組成物において使用され得る。 遺伝子マッピング 本発明の核酸分子はまた、染色体同定のために役立つ。配列は、個々のヒト染 色体上の特定の位置へ特異的に標的化されそしてハイブリダイズし得る。さらに 、現在、染色体上の特定の部位を同定する必要性がある。染色体位置をマーキン グするために現在利用可能な、実際の配列データ(反復多型)に基づく染色体マ ーキング試薬は、ほとんどない。本発明による染色体へのDNAのマッピングは、 それらの配列を、疾患に関連した遺伝子と相関づけることにおいて重要な第一歩 である。 この点についての特定の好ましい実施態様において、本明細書中で開示される cDNAは、DCDGFタンパク質遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために用いられ る。これは、一般的に市販される、種々の周知の技術およびライブラリーを用い て達成され得る。次いで、ゲノムDNAが、この目的のために周知の技術を用いて 、インサイチュ染色体マッピングのために用られる。 さらに、いくつかの場合において、配列は、cDNAからPCRプライマー(好まし くは、15〜25bp)を調製することにより、染色体にマッピングされ得る。遺伝子 の3'非翻訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおいて1つを超え るエキソンにまたがらないプライマーを迅速に選択し、従って、増幅プロセスを 複雑化する。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細 胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために用いられる。中期染色体展開物に 対するcDNAクローンの蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(「FISH」)は 、一工程で、正確な染色体位置を提供するために用いられ得る。この技術は、50 または60bp程度の短さのcDNA由来のプローブと共に用いられ得る。この技術の概 説については、Vermaら、Human Chromosomes:A Manual Of Basic Technlques,P ergamon Press,New York(1988)を参照のこと。 一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理 的な位置は、遺伝地図データと相関づけられ得る。このようなデータは、例えば 、V.McKusick,Mendelian Inheritance In Man(Johns Hopkins University,W elch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)に見出される。次いで 、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間の関連が、連鎖分析( 物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)によって同定される。 次に、罹患個体と非罹患個体との間でのcDNAまたはゲノム配列における差異を 決定することが必要である。変異が罹患個体のいくらかまたは全てにおいて認め られるが、いずれの正常個体でも認められない場合、変異は、疾患の原因因子の ようである。 本発明の場合、ヒトDCDGF遺伝子は、上記のように第22染色体上の22q1遺伝子 座に対してマッピングされている。本明細書中において上記のように、この遺伝 座は、多種多様な発生に基づく欠損を含むDiGeorge症候群に関連する。白血病に 関連する染色体切断点もまたこの遺伝子座で報告されている。 本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例を参照することにより、本発 明は、より容易に理解されるが、以下の実施例は、例示のために提供され、限定 することは意図されない。 実施例 実施例1(a):E.coliにおける「Hisタグ化」DCDGFの発現および精製 細菌性発現ベクターpQE9(pD10)を、本実施例の細菌性発現のために使用する( QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)。pQE9はアンピシリ ン抗生物質耐性(「Ampr」)をコードし、そして細菌の複製起点(「ori」)、IPTG 誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QIAGEN Inc.(前出)か ら販売されているニッケル-ニトリロ-三酢酸(「Ni-NTA」)アフィニティー樹脂を 用いるアフィニティー精製を可能にする、ヒスチジン残基をコードする6つのコ ドン、および適切な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは、ポ リペプチドをコードする、挿入されたDNAフラグメントが、このポリペプチドの アミノ末端に共有結合した6つのHis残基(すなわち、「6×Hisタグ」)を有す るこのポリペプチドを発現するように、配置される。 DCDGFアミノ酸配列の成熟物を含むDCDGFタンパク質の所望の部分をコードする DNA配列は、DCDGFタンパク質の所望の部分のアミノ末端配列、および寄託された 構築物におけるcDNAコード配列に対して3’側の配列にアニーリングするPCRオ リゴヌクレオチドプライマーを用いて、寄託されたcDNAクローンから増幅される 。pQE9ベクターにおけるクローニングを容易にする制限部位を含むさらなるヌク レオチドは、それぞれ、5'および3'プライマー配列に付加される。 成熟形態のDCDGFタンパク質をクローニングするために、5'プライマーは、下 線を付したBamHI制限部位、続いて配列番号2の成熟DCDGF配列のアミノ末端コー ド配列の18ヌクレオチドを含む、配列5'CATGGATCCAGCTCTATCCATAGATGAAACACG3' (配列番号8)を有する。当然、タンパク質コード配列において、5'プライマー が始まる点は、このタンパク質の成熟形態より短いかまたは長い、完全なDCDGF タンパク質の任意の所望の部分をコードするDNAセグメントを増幅するために変 動し得ることを、当業者は理解する。3'プライマーは、下線を付したHind III制 限部位、続いて図1のDNA配列のコード配列の末端の3’側の配列に相補的な13 ヌクレオチド、停止コドンおよびコード配列の少なくとも5ヌクレオチドを含む 、配列5'GCAAAGCTTGGCTAGCTTCTCCTCACTTTG3'(配列番号9)を有する。増幅され たDCDGF DNAフラグメントおよびpQE9ベクターは、BamHIおよびHind IIIで消化さ れ、次いで消化されたDNAは、一緒に連結される。制限処理されたpQE9ベクター へDCDGFのDNAを挿入することによって、IPTG誘導性プロモーターの下流および開 始AUGおよび6つのヒスチジンコドンにインフレームに、DCDGFタンパク質コード 領域を配置する。 連結混合物を、Sambrookら、Molecular Clonlng:a Laboratory Manual、第2 版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989) に記載される手順のような標準的な手順を用いて、コンピテントなE.coli細胞に 形質転換する。複数のコピーのプラスミドpREP4(これは、lacリプレッサーを発 現し、そしてカナマイシン耐性(「Kanr」)を付与する)を含有するE.coli株M1 5/rep4を本明細書中に記載の例示的実施例を行うにあたって使用する。この株( これは、DCDGFのタンパク質を発現するために適切である多くの株の内の唯一の 株である)は、QIAGEN Inc.(前出)から市販されている。形質転換体を、アン ピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増殖するそれらの能力に より同定する。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてクローニング されたDNAの同一性を、制限分析、PCRおよびDNA配列決定により確認する。 所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)およびカナマイ シン(25μg/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養物中で一晩(「O/N 」)増殖させる。O/N培養物を用いて約1:25〜1:250の希釈で大規模培養物に接種 する。細胞を、0.4と0.6との間の、600nmでの光学密度(「OD600」)にまで増殖 させる。次いで、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を1 mMの最終濃度で加えて、lacIリプレッサーを不活化することにより、lacリプレ ッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する。細胞をさらに3時間から4時 間の間、引き続きインキュベートする。次いで細胞を遠心分離により採集する。 次いで、細胞をpH8の6Mグアニジン-HCl中で、4℃にて3時間から4時間撹 拌する。細胞細片を遠心分離により除去し、そしてDCDGFを含む上清をニッケル −ニトリロ−三酢酸(「Ni-NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QIAGEN,Inc. (前出)から入手可能)にロードする。6×Hisタグを有するタンパク質は、高 い親和性でNi-NTA樹脂へ結合し、そして、単純な一工程手順で精製され得る(詳 細については、The QIAexpressionist,1995,QIAGEN,Inc.(前出)を参照のこ と)。簡単にいうと、この上清をpH8の6Mグアニジン-HCl中のカラムにロード する。このカラムを、最初に10容量のpH8の6Mグアニジン-HClで洗浄し、次い で10容量のpH6の6Mグアニジン-HClで洗浄し、そして最終的に、このDCDGFをpH 5の6Mグアニジン-HClで溶出する。 次いで、この精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または200 mM NaClを有するpH6の50mM酢酸ナトリウムの緩衝液に対してタンパク質を透析す ることにより再生する。あるいは、タンパク質をNi-NTAカラムに固定する間に、 首尾良く再び折り畳みさせ得る。推奨する条件は次のようである:プロテアーゼ インヒビターを含む、500mM NaCl、20%グリセロール、20mM Tris/HCl pH7.4中で 、6M尿素から1M尿素への線型勾配を使用する再生。再生は1.5時間以上の期間に わたり実施すべきである。再生後、このタンパク質を250mMのイミダゾールの添 加により溶出し得る。イミダゾールを、PBSまたは200mMNaClを有する50mM酢酸ナ トリウム(pH6)緩衝液に対する最終透析工程により除去する。精製したタンパク 質は4℃で保存するかまたは-80℃で凍結する。 次の代替方法は、DCDGFが封入体の形態で存在する場合、E coli中に発現したD CDGFを精製するために使用され得る。他に明記されない限り、以下の全ての工程 は4〜10℃で実施される。 E coli発酵の産生相の完了によって、細胞培養物を4〜10℃まで冷却し、そし て細胞を、15,000rpmの連続的な遠心分離(Heraeus Sepatech)により採集する。 細胞ペーストの単位重量あたりで期待されるタンパク質の収量および要求される 精製されたタンパク質量に基づいて、適切な量(重量)の細胞ペーストを、100m M Tris、50mM EDTAを含む緩衝溶液(pH7.4)中で懸濁する。細胞を高剪断ミキサー を使用して、均一な懸濁液になるまで分散させる。 次いで細胞を、4000〜6000psiで2度、マイクロフルイダイザー(Microfuldics ,Corp.またはAPV Gaulin,Inc.)によって溶液を通過させることにより溶解した 。次いで、ホモジネートを、0.5M NaClの最終濃度までNaCl溶液と混合し、続い て、 15分間、7000×gで遠心分離する。得られたペレットを0.5M NaCl、100mM Tris、 50mM EDTA、pH7.4を使用して、再び洗浄する。 生じる洗浄された封入体を、2〜4時間、1.5Mの塩酸グアニジン(GuHCl)を用 いて可溶化する。15分間の7000×gでの遠心分離後、ペレットを捨て、そして、 さらなるGuHCl抽出を可能にするために、DCDGFポリペプチドを含む上清を一晩4 ℃でインキュベートする。 不溶性粒子を除去するための高速遠心分離(30,000×g)に続いて、GuHCl抽出物 を50mMナトリウム、150mM NaCl、2mM EDTAを含む20容量の緩衝液(pH4.5)と激し い撹拌によって迅速に混合することにより、GuHCl可溶化タンパク質を、再び折 り畳む。再び折り畳まれ、希釈されたタンパク質溶液を、さらなる精製工程前の 12時間の間、混合することなく4℃に保つ。 再び折り畳まれたDCDGFポリペプチド溶液を明瞭化するために、予め調製した 、適切な表面積を有する0.16μm膜フィルターを備え、40mMの酢酸ナトリウム(pH 6.0)で平衡化した接線(tangential)濾過ユニット(例えば、Filtron)を使用す る。濾過サンプルは陽イオン交換樹脂(例えば、Poros HS-50、Perseptive Biosy stems)にロードする。カラムを40mMの酢酸ナトリウム(pH6.0)で洗浄し、そして 段階的な様式で、250mM、500mM、1000mM、および1500mM NaClを含む同じ緩衝液 で溶出した。溶出物の280nmの吸光度を連続的にモニタリングした。画分を採集 し、SDS-PAGEによりさらに分析した。 次いで、DCDGFポリペプチドを含む画分をプールし、4容量の水と混合する。 次いで、希釈サンプルを強陰イオン(Poros HQ-50,Perseptive Biosystems)交換 樹脂および弱陰イオン(Poros CM-20,Perseptive Biosystems)交換樹脂の予め調 製した1組の直列型カラムへロードする。カラムを40mMの酢酸ナトリウム(pH6.0 )で平衡化する。両方のカラムを40mMの酢酸ナトリウム(pH6.0)、200mM NaClで洗 浄する。次いで、CM-20カラムを、0.2M NaCl、50mM酢酸ナトリウム(pH6.0)〜1.0 M NaCl、50mM酢酸ナトリウム(pH6.5)の範囲で、10カラム容量の線型勾配を使用 して溶出する。画分を、溶出物の一定のA280モニター下で採集する。次いで、ポ リペプチドを含む画分(例えば、16% SDS-PAGEにより決定した)をプールする。 生じるポリペプチドは、上記の再折り畳み工程および精製工程後、95%を超え る純度を示す。5μgの精製タンパク質がロードされる場合、主な夾雑物のバンド は、クーマーシーブルー染色した16% SDS-PAGEゲルから観察されない。精製され たタンパク質はまた、エンドトキシン/LPS夾雑について試験され、そして代表的 にLPS含量はLALアッセイによれば0.1ng/ml未満である。 実施例2:バキュロウイルス発現系におけるDCDGFタンパク質のクローニングお よび発現 この例示的実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を用いて、その 天然で会合している分泌シグナル(リーダー)配列を含む、完全なタンパク質を コードするクローニングされたDNAを、成熟バキュロウイルスタンパク質を発現 するために、バキュロウイルスに、Summersら、A Manual of Methods for Bacul ovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures、Texas Agricultural Ex perimental Station Bulletin第1555号(1987)に記載のような標準的な方法を用 いて挿入する。この発現ベクターは、Autographa californica核多角体病ウイル ス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーターを含み、続いて、BamHI、XbaI、 およびAsp718のような都合良い制限部位を含む。シミアンウイルス40(「SV40」 )のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換えウ イルスの平易な選択のために、プラスミドは、同じ方向で、弱いDrosophilaプロ モーターの制御下で、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子を含み、続いて、 ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む。挿入遺伝子は、野生型ウ イルスのDNAとの細胞媒介性相同組換えのために両側にウイルス配列が隣接して おり、クローニングされたポリヌクレオチドを発現する生存ウイルスを産生する 。 当業者に容易に理解されるように、構築物が、必要に応じて、シグナルペプチ ドおよびインフレームのAUGを含む、転写、翻訳、分泌などのための適切に配置 されたシグナルを提供する限り、多くの他のバキュロウイルスベクターを、上記 のベクター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)の代わりに用い得る。こ のようなベクターは、例えば、Luckowら、Virology 170:31〜39(1989)に記載さ れる。 寄託されたクローン中の、全長のDCDGFタンパク質をコードするcDNA配列(AUG 開始コドン、および配列番号2に示される天然に付随するリーダー配列を含む) を、遺伝子の5'配列および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマー を用いて増幅する。5'プライマーは、Kozak,M.,J.Mol.Biol.196:947〜950( 1987)に記載のような真核生物細胞における翻訳を開始するための効率的なシグ ナルである下線を付したBamHI制限酵素部位、続いて図1に示されるAUG開始コド ンで始まる完全DCDGFタンパク質の配列の22ヌクレオチドを含む、配列5'CTAGGAT CC GCCATCATGTTGGTGGATGGCCCATCTG-3'(配列番号10)を有する。3'プライマーは、 下線を付したXbaI制限部位、続いて図1のDNA配列のコード配列の末端に対して3 'の寄託されたクローン中の配列に相補的な13ヌクレオチド、停止コドンおよび コード配列の最後の5ヌクレオチドを含む、配列5'GCATCTAGAGGCTAGCTTCTCCTCAC TTTG-3'(配列番号11)を有する。増幅されたフラグメントを、市販のキット(「G eneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca)を用いて1%アガロースゲルから単離 する。次いで、このフラグメントを、BamHIおよびXbaIで消化し、そして再度1 %アガロースゲル上で精製する。このフラグメントを、本明細書中において、F1 と称する。 プラスミドを、BamHIおよびXbaI制限酵素で消化し、そして必要に応じて、当 該分野で公知の日常的な技術を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン 酸化し得る。次いで、このDNAを市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca)を用いて1%アガロースゲルから単離する。このベクターDNAを本 明細書中において、「V1」と称する。 フラグメントF1および脱リン酸化プラスミドV1を、一緒に、T4 DNAリガーゼで 連結する。E.coli HB101またはXL-1 Blue細胞(Statagene Cloning Systems,La Jolla,CA)のような他の適切なE.coli宿主細胞を、連結混合物で形質転換し、 そして培養プレートに塗布する。個々のコロニー由来のDNAを消化すること(Bam HIおよびXbaI)、および次いでゲル電気泳動により消化産物を分析することによ って、ヒトDCDGF遺伝子を有するプラスミドを含む細菌を同定する。クローニン グされたフラグメントの配列を、DNA配列決定によって確認する。このプラスミ ドを、本明細書中で、pA2 DCDGFと称する。 5μgのプラスミドpA2 DCDGFを、FelgnerらProc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7 413-7417(1987)によって記載されるリポフェクション法を用いて、1.0μgの市販 の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTMbaculovirus DNA」,Pharmingen ,San Diego,CA.)とともに同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウ イルスDNAおよび5μgのプラスミドpA2 DCDGFを、50μlの無血清グレース培地( Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含むマイクロタイタープレート の無菌ウェル中で混合する。その後、10μlのリポフェクチンおよび90μlのグレ ース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次いで 、このトランスフェクション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35mm組 織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。次い でプレートを、27℃で5時間インキュベートする。次いで、トランスフェクショ ン溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレー ス昆虫培地を添加する。次いで、27℃で4日間培養を続ける。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(前出)に記載されるよう にプラークアッセイを行う。青く染色されたプラークを産生するgal発現クロー ンの容易な同定および単離を可能にするために、「Blue Gal」(Life Technolog ies Inc.,Gaithersburg)を有するアガロースゲルを用いる。(このタイプの「 プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Gaithersbu rg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学の使用者ガイド(9〜 10頁)においても見い出され得る)。適切なインキュベーションの後、青く染色 されたプラークをマイクロピペッターの(例えば、エッペンドルフ)チップで拾 う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含む微小遠 心管中に再懸濁する。そして、組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を用いて、 35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させる。4日後、これらの培養ディ ッシュの上清を回収し、次いでそれらを4℃で保存する。この組換えウイルスを V-DCDGFと称する。 DCDGF遺伝子の発現を確認するために、Sf9細胞を、10%熱非働化(heat-inact ivated)FBSを補充したグレース培地中で増殖させる。細胞を、約2の感染多重 度(「MOI」)で組換えバキュロウイルスV-DCDGFを感染させる。放射性標識タン パク質が所望される場合、6時間後、その培地を除去し、そしてメチオニンおよ びシステインを除いたSF900 II培地(Life Technologies Inc.,Rockville,MD から入手可能)に置き換える。42時間後、5μCiの35S-メチオニンおよび5μC iの35S-システイン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間 インキュベートし、次いで細胞を遠心分離により収集する。上清中のタンパク質 および細胞内のタンパク質をSDS-PAGE、続いて(放射性標識された場合)オート ラジオグラフィーにより分析する。 精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微小配列決定を用いて、成熟形 態のDCDGFタンパク質のアミノ末端配列を決定し得、従って切断点および天然に 付随する分泌シグナルペプチドの長さを決定し得る。 実施例3:哺乳動物細胞におけるDCDGFのクローニングおよび発現 代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写の開 始を媒介する)、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポ リアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハン サー、Kozak配列、ならびにRNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセ プター部位に隣接する介在配列が挙げられる。非常に効率的な転写を、SV40由来 の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の長末端反復(LTR)(例 えば、RSV、HTLVI、HIVI)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモ ーターを用いて達成し得る。しかし、細胞性エレメント(例えば、ヒトアクチン プロモーター)もまた使用され得る。本発明の実施における使用に適切な発現ベ クターとしては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pR SVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI(ATCC 67109 )のようなベクターが挙げられる。使用され得る哺乳動物宿主細胞としては、ヒ トHela細胞、293細胞、H9細胞およびJurkat細胞、マウスNIH3T3細胞およびC127 細胞、Cos1細胞、Cos7細胞およびCV1細胞、ウズラQC1-3細胞、マウスL細胞、な らびにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。 あるいは、遺伝子は、染色体に組み込まれたその遺伝子を含む安定な細胞株に おいて発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイ グロマイシン)との同時トランスフェクションは、トランスフェクトされた細胞 の同定および単離を可能にする。 トランスフェクトされた遺伝子はまた、増幅されて大量のコードされたタンパ ク質を発現し得る。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)マーカーは、目的の遺伝 子の数百または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用である。別の 有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bi ochem J.227:277-279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169-175(1992 ))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ 、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に組み 込まれた増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞お よびNSO細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LT R)(Cullenら、Molecular and Cellular Biology,438-447(1985年3月))お よびCMVエンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521-530(1985)) を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、お よびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクター はさらに、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3'イントロン、ポリアデニル化 シグナル、および終結シグナルを含む。 実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現 発現プラスミドpDCDGF HAを、DCDGFタンパク質の成熟型をコードするcDNAの一 部を発現ベクターpcDNAI/AmpまたはpcDNAIII(これは、Invitrogen,Inc.から入 手し得る)へクローニングすることによって作製する。発現ベクターpcDNAI/amp は以下を含む:(1)E.coliおよび他の原核生物細胞における増殖に有効なE.coli 複製起点;(2)プラスミド含有原核生物細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺 伝子;(3)真核生物細胞における増殖のためのSV40複製起点;(4)CMVプロモータ ー、ポリリンカー、SV40イントロン;(5)cDNAが都合良くCMVプロモーターの発現 制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制限部位によってSV40イントロン およびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結され得るように配置された、赤 血球凝集素フラグメント(すなわち、精製を容易にするための「HA」タグ)をコ ードするいくつかのコドン、続いて終止コドン、およびポリアデニル化シグナル 。HAタグは、Wilsonら、Cell 137:767(1984)によって記載されたインフルエンザ 赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する。標的タンパク質への HAタグの融合は、HAエピトープを認識する抗体を用いる、組換えタンパク質の容 易な検出および回収を可能にする。pcDNAIIIはさらに、ネオマイシン選択マーカ ーを含む。 完全DCDGFポリペプチドをコードするDNAフラグメントを、組換えタンパク質発 現がCMVプロモーターによって導かれるように、ベクターのポリリンカー領域に クローン化する。プラスミド構築ストラテジーは以下の通りである。寄託された クローンのDCDGF cDNAを、E.coliにおけるDCDGFの発現のためのベクターの構築 について先に記載されるのとほとんど同じように、都合の良い制限部位を含むプ ライマーを用いて増幅する。適切なプライマーは、以下の本実施例に使用された プライマーを含む。下線を付したBamHI制限酵素部位(Kozak配列)、続いて図1 に示されるAUG開始コドンで始まる完全DCDGFタンパク質の22ヌクレオチドの配列 を含む5'プライマーは、以下の配列5'CTAGGATCCGCCATCATGTTGGTGGATGGCCCATCTG- 3'(配列番号10)を有する。下線を付したXbaI部位、続いて図1のDNA配列のコー ド配列の末端に対して3'である寄託されたクローンの配列に相補的な13ヌクレオ チド、停止コドンおよびコード配列の最後の5ヌクレオチドを含む、3'プライマ ーは、以下の配列5'GCATCTAGAGGCTAGCTTCTCCTCACTTTG-3'(配列番号11)を有する 。 PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/Ampを、BamHIおよびXbaIで消 化し、次いで連結する。連結混合物を、E.coli株SURE(Stratagene Cloning Syst ems,11099 North Torrey Pines Road,La Jolla,CA 92037より入手可能)へ形 質転換し、そして形質転換培養物を、次いでインキュベートしてアンピシリン耐 性コロニーの増殖を可能にするアンピシリン培地プレートへプレーティングする 。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そして完全ポリペプチドをコード するフラグメントの存在について制限分析または他の手段によって試験する。 組換えDCDGFの発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら,Molecular Cl oning:a Laboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,Cold Spring Ha rbor,New York(1989)に記載のようにDEAE-DEXTRANを用いて、上記のように発現 ベクターでトランスフェクトする。細胞を、ベクターによるDCDGFの発現のため の条件下でインキュベートする。 DCDGF-HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら,Antibodies:A Laborat ory Manual,第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbo r,New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって 検出する。この目的のため、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S-シ ステインを含む培地中で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞 および培地を採取し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用される )に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1% NP-40、0. 1% SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM TRIS、pH7.5で溶解する。タンパク質を 、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降させ る。次いで、沈降させたタンパク質を、SDS-PAGEおよびオートラジオグラフィー によって分析する。期待されるサイズの発現産物は、細胞溶解物において観察さ れ、これはネガティブコントロールにおいては見られない。 実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現 ベクターpC4を、ポリペプチドの発現のために使用する。プラスミドpC4は、プ ラスミドpSV2-dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。このプラスミドは、 SV40初期プロモーターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミ ドでトランスフェクトされるジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスタ ー卵巣細胞または他の細胞は、化学治療剤メトトレキサートを補充した選択培地 (αマイナスMEM、Life Technologies)中で細胞を増殖させることによって選択 され得る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増 幅は、よく考証されている(例えば、Alt,F.W.,Kellems,R.M.,Bertino,J.R .、およびSchimke,R.T.,1978,J.Biol.Chem.253:1357-1370、Hamlin,J.L. およびMa,C.1990,Biochem.et Biophys.Acta,1097:107-143頁,M.J.およびS ydenham,M.A.1991,Biotechnology 9:64-68を参照のこと)。漸増濃度のMTXにお いて増殖した細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生 することによって薬物に対する耐性を生じる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子と連鎖 する場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される。増幅した遺伝子の1,00 0を超えるコピーを有する細胞株を開発するためにこのアプローチを使用し得る ことは、当該分野において公知である。続いて、メトトレキサートが取り除かれ ると、宿主細胞の1つ以上の染色体に組み込まれた増幅遺伝子を含む細胞株が得 られる。 プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルス(Culle nら、Molecular and Cellular Biology,1985年3月:438-447)の長末端反復(LT R)の強力なプロモーター、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshart ら、Cell 41:521-530(1985))の前初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフ ラグメントを含む。プロモーターの下流には、遺伝子の組み込みを可能にする以 下の単一の制限酵素切断部位が存在する:BamHI、XbaI、およびAsp718。プラス ミドは、これらのクローニング部位の後ろに、ラットプレプロインスリン遺伝子 の3'イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーター(例 えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター、また は他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)由来の長末端反復)もまた、 発現のために使用され得る。ClontechのTet-OffおよびTet-On遺伝子発現系およ び同様の系は、哺乳動物細胞において調節された方法でDCDGFポリペプチドを発 現するために使用され得る(Gossen,M.,およびBujard,H.1992,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 89:5547-5551)。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグ ナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)もまた、使用され 得る。染色体に組み込まれた目的の遺伝子を含む安定な細胞株もまた、選択マー カー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)との同時トランスフェク ションに際して選択され得る。最初は、1つより多い選択マーカー(例えば、G4 18およびメトトレキサート)を使用することが、有利である。 プラスミドpC4を、BamHI制限酵素およびXbaI制限酵素で消化し、次いでウシ腸 ホスファターゼ(phosphate)を用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸 化する。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。完全ポリペプ チドをコードするDNA配列を、所望の遺伝子部分の5'配列および3'配列に対応す るPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、増幅する。下線を付したBamHI部 位、Kozak配列、続いて図1に示されるAUG開始コドンで始まる完全DCDGFタンパ ク質の22ヌクレオチドの配列を含む5'プライマーは、以下の配列5'CTAGGATCCGCC ATCATGTTGGTGGATGGCCCATCTG-3'(配列番号10)を有する。下線を付したXbaI部位、 続いて図1のDNA配列のコード配列の末端に対して3'である寄託されたクローン の配列に相補的な13ヌクレオチド、停止コドンおよびコード配列の最後の5ヌク レオチドコードを含む3'プライマーは、以下の配列5'GCATCTAGAGGCTAGCTTCTCCTC ACTTTG-3'(配列番号11)を有する。 増幅させたフラグメントを、BamHIエンドヌクレアーゼおよびXbaIエンドヌク レアーゼで消化し、次いで1%アガロースゲルで再び精製する。次いで、単離し たフラグメントおよび脱リン酸化ベクターをT4 DNAリガーゼで連結する。次いで 、E.coli HB101またはXL-1 Blue細胞を形質転換し、そして例えば制限酵素分析 を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグメントを含む細菌を同定する。 活性なDHFR遺伝子を欠失するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフ ェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン( Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoとともに同時トランス フェクトする。プラスミドpSV2-neoは、優性選択マーカー(G418を含む一群の抗 生物質に対する耐性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細 胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリ プシン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/ml G418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Grei ner,Germany)に播種する。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し 、次いで異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM) を用いて、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度 のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート( 1μM、2μM、5μM、10mM、20mM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同 じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所 望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS-PAGEおよびウェスタンブロットによって 、または逆相HPLC分析によって分析する。 実施例4:DCDGF mRNA発現の組織分布 ノーザンブロット分析を、とりわけSambrookら(上記に引用される)によって 記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるDCDGF遺伝子の発現を調べた 。DCDGFタンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含むcDNAプローブを 、rediprimeTMDNA標識系(Amersham Life Science)を製造者の説明書に従って用 いて32Pで標識した。標識後、プローブを、CHROMA SPIN-100TMカラム(Clontech Laboratories,Inc.)を製造者のプロトコル番号PT1200-1に従って用いて精製 した。次いで、精製した標識プローブを用いて、種々のヒト組織をDCDGF mRNAに ついて調べた。 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple Tissue No rthern(MTN)ブロットを、Clontechから入手し、そしてExpressHybTMハイブリ ダイゼーション溶液(Clontech)を製造者のプロトコル番号PT1190-1に従って用 いて標識プローブを用いて調べた。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロ ットをマウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝した。このフィルムを標 準的な手順に従って現像する。 本発明が、前述の説明および実施例に詳細に記載される以外の方法で実施され 得ることは明白である。本発明の多くの改変および変更が、上記の教示を考慮し て可能であり、それゆえ添付の請求の範囲の範囲内である。 本明細書中に引用される全ての刊行物(特許、特許出願、学術論文、実験室マ ニュアル、書籍、または他の文書を含む)の開示の全体が、これによって本明細 書によって参考として援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C07K 16/18 C07K 14/705 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 15/00 ZNAA 1/21 5/00 A 5/10 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ソペット,ダニエル アール. アメリカ合衆国 バージニア 22020,セ ンタービル,スティルフィールド プレイ ス 15050 (72)発明者 リ,イ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベイル,レイクサイド ドライブ 1247 (72)発明者 ディロン,パトリック ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92009, カールスバッド,スナイプ コート 1055

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離された核酸分子であって、以下からなる群から選択される配列に対して 少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、 核酸分子: (a)図1(配列番号2)における完全アミノ酸配列を有する全長DCDGFポリ ペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (b)N末端メチオニンを除く、図1における完全アミノ酸配列(すなわち配 列番号2の-25〜485位)を有するDCDGFポリペプチドをコードする、ヌクレオチ ド配列; (c)図1における27〜511位(配列番号2の1〜485位)のアミノ酸配列を有 する成熟DCDGFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (d)ATCC受託番号97582に含まれるヒトcDNAによりコードされる完全アミノ 酸配列を有する全長DCDGFポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号97582に含まれるヒトcDNAによりコードされるN末端メチ オニンを除く全長DCDGFポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (f)ATCC受託番号97582に含まれるヒトcDNAによりコードされる成熟DCDGFポ リペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;ならびに (g)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)における ヌクレオチド配列のいずれかに相補的な、ヌクレオチド配列。 2.前記ポリヌクレオチドが、図1(配列番号1)における完全ヌクレオチド配 列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 3.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の完全アミノ酸配列を有するDCDGFポ リペプチドをコードする、図1(配列番号1)におけるヌクレオチド配列を有す る、請求項1に記載の核酸分子。 4.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の約1位〜約485位のアミノ酸配列を 有する成熟DCDGFポリペプチドをコードする、図1(配列番号1)におけるヌク レオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 5.単離された核酸分子であって、以下からなる群から選択される配列に対して 少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、 核酸分子: (a)配列番号2の残基n〜485のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード するヌクレオチド配列、ここでnは、約-25〜約+19の範囲の0を除く任意の整数 である; (b)配列番号2の残基-25〜mのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード するヌクレオチド配列、ここでmは、464〜484の範囲の0を除く任意の整数であ る; (c)配列番号2の残基n〜mからなるアミノ酸配列を有するポリペプチドを コードするヌクレオチド配列、ここでnおよびmは、上記の(a)および(b) にそれぞれ定義される整数である;ならびに (d)ATCC受託番号97852に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全DCD GFアミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であ って、ここで、該部分は該完全なアミノ酸配列のアミノ末端から1〜約45アミノ 酸を含まない; (e)ATCC受託番号97852に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全DCD GFアミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であ って、ここで、該部分は該完全なアミノ酸配列のカルボキシ末端から1〜約20ア ミノ酸を含まない;ならびに (f)ATCC受託番号97852に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全なD CDGFアミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で あって、ここで該部分は、上記の(d)および(e)のアミノ末端欠失およびカ ルボキシ末端欠失の任意の組み合わせを含む。 6.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAの完全ヌ クレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 7.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコ ードされるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチ ドをコードするヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 8.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコ ードされるアミノ酸配列を有する成熟DCDGFポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 9.単離された核酸分子であって、請求項1に記載の(a)、(b)、(c)、 (d)、(e)、(f)または(g)のヌクレオチド配列に対して同一なヌクレ オチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼー ションの条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、ここで、ハイブ リダイズする該ポリヌクレオチドが、A残基のみ、またはT残基のみからなるヌ クレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイ ゼーションの条件下でハイブリダイズしない、核酸分子。 10.単離された核酸分子であって、請求項1に記載の(a)、(b)、(c) 、(d)、(e)または(f)のアミノ酸配列を有するDCDGFポリペプチドのエ ピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む、核酸分 子。 11.請求項10に記載の単離された核酸分子であって、DCDGFポリペプチドの エピトープ保有部分をコードする配列を含み、ここで、該部分のアミノ酸残基が 、約Leu-25〜約Ala-16;約His 124〜約Lys 135;約Leu 139〜約Val 149;約Gly 332 〜約Leu 346;約Tyr 371〜約Ile 379および約Ile 412〜約Met 419からなる配列番 号2の配列群から選択される、核酸分子。 12.請求項1に記載の単離された核酸分子をベクターへ挿入する工程を包含す る、組換えベクターの作製のための方法。 13.請求項12に記載の方法により作製される、組換えベクター。 14.請求項13に記載の組換えベクターを宿主細胞へ導入する工程を包含する 、組換え宿主細胞の作製方法。 15.請求項14に記載の方法により産生される、組換え宿主細胞。 16.DCDGFポリペプチドを産生するための組換え方法であって、該ポリペプチ ドが発現されるような条件下で請求項15に記載の組換え宿主細胞を培養する工 程、および該ポリペプチドを回収する工程を包含する、組換え方法。 17.単離されたDCDGFポリペプチドであって、以下からなる群から選択される 配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド: (a)図1に示される完全アミノ酸配列(配列番号2の残基-26〜485); (b)図1における2〜511位として示されるアミノ酸配列(配列番号2の残 基-25〜485); (c)図1における26〜511位として示されるアミノ酸配列(配列番号2の残 基1〜485); (d)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコードされる完全アミノ 酸配列; (e)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコードされるN末端メチ オニンを除く完全アミノ酸配列;ならびに (f)ATCC受託番号97852に含まれるヒトcDNAによりコードされる成熟ポリペ プチド。 18.単離されたポリペプチドであって、DCDGFタンパク質のエピトープ保有部 分を含み、ここで、該部分のアミノ酸配列が、約Leu-25〜約Ala-16;約His 124 〜約Lys 135;約Leu 139〜約Val 149;約Gly 332〜約Leu 346;約Tyr 371〜約Ile 3 79および約Ile 412〜約Met 419からなる配列番号2の配列群から選択される、ポ リペプチド。 19.請求項17に記載のDCDGFポリペプチドに特異的に結合する、単離された 抗体。 20.配列番号1の少なくとも30の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を 有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 21.請求項20に記載の核酸分子に相補的な(complimentary)ヌクレオチド 配列を有する、単離された核酸分子。
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