JP2002503712A - スチレンの製造方法 - Google Patents
スチレンの製造方法Info
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- C07C15/00—Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts
- C07C15/40—Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts substituted by unsaturated carbon radicals
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- C07C2531/02—Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing organic compounds or metal hydrides
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
(a)1−フェニルエタノール又は置換1−フェニルエタノールを適当な脱水触媒の存在下に脱水処理する段階と、(b)得られた生成物流を分離処理して、スチレン又は置換スチレンを含む分流と重質留分を含む残留フラクションを得る段階と、(c)これらの重質留分を含む分流を酸性分解触媒の存在下に分解処理することによりこれらの重質留分の少なくとも一部をスチレン又は置換スチレンに変換する段階を含むスチレン又は置換スチレンの製造方法。非晶質シリカ−アルミナを含む触媒とビス(フェニルエチル)エーテルを高温で接触させることを含む、ビス(フェニルエチル)エーテルをスチレン又は置換スチレンに変換する方法。
Description
【0001】 本発明はビス(フェニルエチル)エーテル又は置換ビス(フェニルエチル)エ
ーテルをスチレン又は置換スチレンに変換することにより1−フェニルエタノー
ル(α−フェニルエタノール又はメチルフェニルカルビノールとしても知られる
)又は置換1−フェニルエタノールを含む原料からスチレン又は置換スチレンを
製造する方法に関する。本発明はビス(フェニルエチル)エーテル又は置換ビス
(フェニルエチル)エーテルをスチレン又は置換スチレンに変換する方法自体に
も関する。
ーテルをスチレン又は置換スチレンに変換することにより1−フェニルエタノー
ル(α−フェニルエタノール又はメチルフェニルカルビノールとしても知られる
)又は置換1−フェニルエタノールを含む原料からスチレン又は置換スチレンを
製造する方法に関する。本発明はビス(フェニルエチル)エーテル又は置換ビス
(フェニルエチル)エーテルをスチレン又は置換スチレンに変換する方法自体に
も関する。
【0002】 一般に知られているスチレン製造方法はエチルベンゼンから出発してプロピレ
ンオキシドとスチレンを同時に生産する。一般に、このような方法は(i)エチ
ルベンゼンを酸素又は空気と反応させてエチルベンゼンヒドロペルオキシドを形
成する段階と、(ii)こうして得られたエチルベンゼンヒドロペルオキシドを
エポキシ化触媒の存在下にプロペンと反応させてプロピレンオキシドと1−フェ
ニルエタノールを得る段階と、(iii)適当な脱水触媒を使用して脱水するこ
とにより1−フェニルエタノールをスチレンに変換する段階を含む。本発明は最
後の段階即ち1−フェニルエタノールを脱水してスチレンを得る段階に特に着目
する。
ンオキシドとスチレンを同時に生産する。一般に、このような方法は(i)エチ
ルベンゼンを酸素又は空気と反応させてエチルベンゼンヒドロペルオキシドを形
成する段階と、(ii)こうして得られたエチルベンゼンヒドロペルオキシドを
エポキシ化触媒の存在下にプロペンと反応させてプロピレンオキシドと1−フェ
ニルエタノールを得る段階と、(iii)適当な脱水触媒を使用して脱水するこ
とにより1−フェニルエタノールをスチレンに変換する段階を含む。本発明は最
後の段階即ち1−フェニルエタノールを脱水してスチレンを得る段階に特に着目
する。
【0003】 1−フェニルエタノールを脱水してスチレンを得る間には、水以外にスチレン
の二量体と三量体を含むポリスチレンやビス(フェニルエチル)エーテル等の数
種の副生物が形成される。形成されるビス(フェニルエチル)エーテルの主要部
分は1−フェニルエタノールの2分子間の反応に由来すると予想されるビス(α
,α−フェニルエチル)エーテルから構成される。通常実質的量で形成される別
のビス(フェニルエチル)エーテルはビス(α,β−フェニルエチル)エーテル
である。ビス(β,β−フェニルエチル)エーテルは通常は少量形成される。後
者2種のビス(フェニルエチル)エーテルは夫々1−フェニルエタノールと2−
フェニルエタノールの反応及び2−フェニルエタノールの2分子間の反応に由来
すると予想される。2−フェニルエタノールは通常、脱水処理原料中に元々少量
存在している。これは主に先行エポキシ化段階で主生成物であるプロピレンオキ
シドと1−フェニルエタノール以外に多少の2−フェニルエタノールとメチルフ
ェニルケトンも形成されるためである。酸化段階でも多少の2−フェニルエタノ
ールとメチルフェニルケトンが形成されている。1−及び2−フェニルエタノー
ルとメチルフェニルケトンの沸点はいずれも非常に接近しているので、蒸留処理
で完全に分離されない。
の二量体と三量体を含むポリスチレンやビス(フェニルエチル)エーテル等の数
種の副生物が形成される。形成されるビス(フェニルエチル)エーテルの主要部
分は1−フェニルエタノールの2分子間の反応に由来すると予想されるビス(α
,α−フェニルエチル)エーテルから構成される。通常実質的量で形成される別
のビス(フェニルエチル)エーテルはビス(α,β−フェニルエチル)エーテル
である。ビス(β,β−フェニルエチル)エーテルは通常は少量形成される。後
者2種のビス(フェニルエチル)エーテルは夫々1−フェニルエタノールと2−
フェニルエタノールの反応及び2−フェニルエタノールの2分子間の反応に由来
すると予想される。2−フェニルエタノールは通常、脱水処理原料中に元々少量
存在している。これは主に先行エポキシ化段階で主生成物であるプロピレンオキ
シドと1−フェニルエタノール以外に多少の2−フェニルエタノールとメチルフ
ェニルケトンも形成されるためである。酸化段階でも多少の2−フェニルエタノ
ールとメチルフェニルケトンが形成されている。1−及び2−フェニルエタノー
ルとメチルフェニルケトンの沸点はいずれも非常に接近しているので、蒸留処理
で完全に分離されない。
【0004】 これらのビス(フェニルエチル)エーテルは、所謂残留フラクション又は重質
留分の実質的部分即ち1−フェニルエタノールの沸点よりも高い沸点をもつ分流
に存在する全成分を形成する。一般に、重質留分は5〜50重量%のビス(フェ
ニルエチル)エーテルを含み、10〜40重量%が適切である。上述のように、
ビス(フェニルエチル)エーテルの実質的部分はビス(α,α−フェニルエチル
)エーテルから構成される。残部はビス(α,β−フェニルエチル)エーテルか
ら構成され、場合により少量のビス(β,β−フェニルエチル)エーテルも存在
する。重質留分に存在する他の主成分としては、2−フェニルエタノール(0〜
40重量%)、1−フェニルエタノール(0〜20重量%)、メチルフェニルケ
トン(0〜30重量%)及びポリスチレン(0〜40重量%)が挙げられる。1
−フェニルエタノールとフェノールのエーテル反応生成物等の他のエーテル類も
少量存在していることもある。これらの成分の各々の厳密な量は脱水段階で使用
される特定反応条件及び触媒とこの脱水段階後に適用される生成物分離手段によ
り決定される。これらの主成分以外に、重質留分の残余は1−フェニルエタノー
ルよりも高い沸点をもつ他の化合物により100重量%まで形成される。
留分の実質的部分即ち1−フェニルエタノールの沸点よりも高い沸点をもつ分流
に存在する全成分を形成する。一般に、重質留分は5〜50重量%のビス(フェ
ニルエチル)エーテルを含み、10〜40重量%が適切である。上述のように、
ビス(フェニルエチル)エーテルの実質的部分はビス(α,α−フェニルエチル
)エーテルから構成される。残部はビス(α,β−フェニルエチル)エーテルか
ら構成され、場合により少量のビス(β,β−フェニルエチル)エーテルも存在
する。重質留分に存在する他の主成分としては、2−フェニルエタノール(0〜
40重量%)、1−フェニルエタノール(0〜20重量%)、メチルフェニルケ
トン(0〜30重量%)及びポリスチレン(0〜40重量%)が挙げられる。1
−フェニルエタノールとフェノールのエーテル反応生成物等の他のエーテル類も
少量存在していることもある。これらの成分の各々の厳密な量は脱水段階で使用
される特定反応条件及び触媒とこの脱水段階後に適用される生成物分離手段によ
り決定される。これらの主成分以外に、重質留分の残余は1−フェニルエタノー
ルよりも高い沸点をもつ他の化合物により100重量%まで形成される。
【0005】 慣用スチレン製造方法では、プロセス中に形成される重質留分は燃料として処
分され、ボイラー室で燃焼される。こうして比較的有用な生成物が失われる。重
質留分に含まれる有価生成物の量を減らすことができるならば有益である。
分され、ボイラー室で燃焼される。こうして比較的有用な生成物が失われる。重
質留分に含まれる有価生成物の量を減らすことができるならば有益である。
【0006】 本発明は重質留分に存在する成分をスチレンに変換し、こうして重質留分の量
を減らしながらスチレンの総収率を増す有効な方法を提供することを目的とする
。
を減らしながらスチレンの総収率を増す有効な方法を提供することを目的とする
。
【0007】 米国特許第4,375,570号には、1−フェニルエタノールからスチレン
を製造する際に得られる脱水残渣から芳香族炭化水素を回収する方法が開示され
ている。この方法では、脱水残渣を325〜475℃の温度で約5〜21bar
の高圧で熱分解処理し、反応ゾーンから分解物流を排出し、この分解物流から液
体芳香族炭化水素を回収する。脱水残渣は一般に脱水生成物流から粗スチレンを
除去した後に得られる残留フラクションである。高圧で熱分解を実施することに
より、形成されるC8芳香族炭化水素は主にエチルベンゼンから構成され、スチ
レンモノマーの含有率が低い(通常は3重量%未満)ことが判明した。エチルベ
ンゼンは酸化段階で回収することができ、スチレンを形成する1−フェニルエタ
ノールの前駆物質であるエチルベンゼンヒドロペルオキシドが形成される。従っ
て、プロセスの総スチレン選択性は増し、最終的に得られる重質留分の量は減る
。しかし、熱分解処理には相当苛酷な条件が必要であり、その結果、タール様生
成物が形成され、装置を汚染する。更に、これらの苛酷な条件はプロセス制御の
理由からも望ましくなく、より高価な装置の使用が必要になる。更に、総スチレ
ン選択性と収率の改善はエチルベンゼンの生産を介して間接的にしか得られない
。エチルベンゼンをスチレンに変換する間に付加的損失も生じる。
を製造する際に得られる脱水残渣から芳香族炭化水素を回収する方法が開示され
ている。この方法では、脱水残渣を325〜475℃の温度で約5〜21bar
の高圧で熱分解処理し、反応ゾーンから分解物流を排出し、この分解物流から液
体芳香族炭化水素を回収する。脱水残渣は一般に脱水生成物流から粗スチレンを
除去した後に得られる残留フラクションである。高圧で熱分解を実施することに
より、形成されるC8芳香族炭化水素は主にエチルベンゼンから構成され、スチ
レンモノマーの含有率が低い(通常は3重量%未満)ことが判明した。エチルベ
ンゼンは酸化段階で回収することができ、スチレンを形成する1−フェニルエタ
ノールの前駆物質であるエチルベンゼンヒドロペルオキシドが形成される。従っ
て、プロセスの総スチレン選択性は増し、最終的に得られる重質留分の量は減る
。しかし、熱分解処理には相当苛酷な条件が必要であり、その結果、タール様生
成物が形成され、装置を汚染する。更に、これらの苛酷な条件はプロセス制御の
理由からも望ましくなく、より高価な装置の使用が必要になる。更に、総スチレ
ン選択性と収率の改善はエチルベンゼンの生産を介して間接的にしか得られない
。エチルベンゼンをスチレンに変換する間に付加的損失も生じる。
【0008】 本発明はスチレン選択性とスチレン収率の改善がより直接的に得られる方法を
提供するという利点がある。更に、本発明の方法は相当苛酷なプロセス条件を必
要とする熱分解処理を含まず、さほど苛酷でない条件を使用してスチレン選択性
と総スチレン収率を増す。
提供するという利点がある。更に、本発明の方法は相当苛酷なプロセス条件を必
要とする熱分解処理を含まず、さほど苛酷でない条件を使用してスチレン選択性
と総スチレン収率を増す。
【0009】 従って、本発明は、 (a)1−フェニルエタノール又は置換1−フェニルエタノールを含む原料を適
当な脱水触媒の存在下に脱水処理する段階と、 (b)得られた生成物流を分離処理して、スチレン又は置換スチレンを含む分流
と重質留分を含む残留フラクションを得る段階と、 (c)これらの重質留分を含む分流を酸性分解触媒の存在下に分解処理すること
によりこれらの重質留分の少なくとも一部をスチレン又は置換スチレンに変換す
る段階を含むスチレン又は置換スチレンの製造方法に関する。
当な脱水触媒の存在下に脱水処理する段階と、 (b)得られた生成物流を分離処理して、スチレン又は置換スチレンを含む分流
と重質留分を含む残留フラクションを得る段階と、 (c)これらの重質留分を含む分流を酸性分解触媒の存在下に分解処理すること
によりこれらの重質留分の少なくとも一部をスチレン又は置換スチレンに変換す
る段階を含むスチレン又は置換スチレンの製造方法に関する。
【0010】 本明細書の以下の記載において、「スチレン」なる用語は芳香族環又はビニル
基に結合した1個以上の置換基を含むスチレンを意味する置換スチレンも包含す
る。このような置換基としては、一般にメチル又はエチル基等のアルキル基が挙
げられる。同様に、「ビス(フェニルエチル)エーテル」及び「1−フェニルエ
タノール」なる用語も夫々対応する置換スチレンと同一の置換基をもつ置換ビス
(フェニルエチル)エーテルと置換1−フェニルエタノールを含む。
基に結合した1個以上の置換基を含むスチレンを意味する置換スチレンも包含す
る。このような置換基としては、一般にメチル又はエチル基等のアルキル基が挙
げられる。同様に、「ビス(フェニルエチル)エーテル」及び「1−フェニルエ
タノール」なる用語も夫々対応する置換スチレンと同一の置換基をもつ置換ビス
(フェニルエチル)エーテルと置換1−フェニルエタノールを含む。
【0011】 1−フェニルエタノールの脱水によるスチレンの製造は当技術分野で周知であ
る。これは気相と液相のどちらでも実施することができる。利用可能な脱水触媒
としては例えばアルミナ、アルカリアルミナ、ケイ酸アルミニウム及びH型合成
ゼオライト等の酸性材料が挙げられる。脱水条件も周知であり、通常は液相脱水
では100〜200℃、気相脱水では210〜320℃、一般に280〜310
℃の反応温度を使用する。圧力は通常は0.1〜10barである。原則として
本発明の方法の段階(a)では任意公知脱水プロセスを適用することができる。
本発明の目的では気相脱水が好ましい。好適態様では、気相脱水はアルミナをベ
ースとする脱水触媒を使用して230〜280℃の温度で実施される。気相脱水
にこのような比較的低温を適用し、ビス(フェニルエチル)エーテルの形成を促
進すると共にポリスチレン等の他の高沸成分の形成を制限すると有利であること
が判明した。このような高沸成分が重質留分に加わると有価生成物が得られなく
なる。反応温度を低くしてビス(フェニルエチル)エーテルの形成量を増し、そ
の後、段階(c)でスチレンに変換することができる。その結果、総スチレン選
択性及び収率が増す。
る。これは気相と液相のどちらでも実施することができる。利用可能な脱水触媒
としては例えばアルミナ、アルカリアルミナ、ケイ酸アルミニウム及びH型合成
ゼオライト等の酸性材料が挙げられる。脱水条件も周知であり、通常は液相脱水
では100〜200℃、気相脱水では210〜320℃、一般に280〜310
℃の反応温度を使用する。圧力は通常は0.1〜10barである。原則として
本発明の方法の段階(a)では任意公知脱水プロセスを適用することができる。
本発明の目的では気相脱水が好ましい。好適態様では、気相脱水はアルミナをベ
ースとする脱水触媒を使用して230〜280℃の温度で実施される。気相脱水
にこのような比較的低温を適用し、ビス(フェニルエチル)エーテルの形成を促
進すると共にポリスチレン等の他の高沸成分の形成を制限すると有利であること
が判明した。このような高沸成分が重質留分に加わると有価生成物が得られなく
なる。反応温度を低くしてビス(フェニルエチル)エーテルの形成量を増し、そ
の後、段階(c)でスチレンに変換することができる。その結果、総スチレン選
択性及び収率が増す。
【0012】 本発明の方法の段階(a)で使用される1−フェニルエタノールを含む原料は
、場合により置換基をもつエチルベンゼンヒドロペルオキシドをプロペンと反応
させてプロピレンオキシドと1−フェニルエタノール又は置換1−フェニルエタ
ノールを得る先行エポキシ化段階から得ると適切である。このようなエポキシ化
段階では、均一触媒又は不均一触媒のいずれを使用してもよい。均一触媒として
はモリブデン化合物を使用することが多く、不均一触媒としてはシリカ担体に担
持したチタンをベースとする触媒を使用することが多い。エポキシ化を実施する
条件は当技術分野で公知であり、温度75〜150℃、圧力80barまでであ
り、反応媒体は液相とする。エポキシ化段階からの流出液を通常はまず分離処理
し、形成されたプロピレンオキシドを除去した後に1−フェニルエタノールを含
む残留流を1種以上の後期分離処理にかけ、特にプロセスの初期段階で再使用す
るためにエチルベンゼンを除去すると適切である。
、場合により置換基をもつエチルベンゼンヒドロペルオキシドをプロペンと反応
させてプロピレンオキシドと1−フェニルエタノール又は置換1−フェニルエタ
ノールを得る先行エポキシ化段階から得ると適切である。このようなエポキシ化
段階では、均一触媒又は不均一触媒のいずれを使用してもよい。均一触媒として
はモリブデン化合物を使用することが多く、不均一触媒としてはシリカ担体に担
持したチタンをベースとする触媒を使用することが多い。エポキシ化を実施する
条件は当技術分野で公知であり、温度75〜150℃、圧力80barまでであ
り、反応媒体は液相とする。エポキシ化段階からの流出液を通常はまず分離処理
し、形成されたプロピレンオキシドを除去した後に1−フェニルエタノールを含
む残留流を1種以上の後期分離処理にかけ、特にプロセスの初期段階で再使用す
るためにエチルベンゼンを除去すると適切である。
【0013】 本発明の方法の段階(b)では、特に形成されたスチレンモノマーを含む段階
(a)からの生成物流を分離処理する。脱水した水も含むスチレン含量の高いフ
ラクションをトップフラクションとして取り出し、脱水中に形成された重質留分
を含む残留フラクションをボトムフラクションとして得る。このような分離は数
種の方法で実施することができるが、フラッシング又は蒸留により実施すると適
切である。本発明の範囲内では段階(b)で得られた残留フラクションをまず分
離処理してメチルフェニルケトン(又は場合により置換メチルフェニルケトン)
を除去した後に段階(c)で分解処理すると特に有利であることが判明した。こ
のような分離処理は任意の公知方法で実施することができ、フラッシング又は蒸
留処理が適切である。
(a)からの生成物流を分離処理する。脱水した水も含むスチレン含量の高いフ
ラクションをトップフラクションとして取り出し、脱水中に形成された重質留分
を含む残留フラクションをボトムフラクションとして得る。このような分離は数
種の方法で実施することができるが、フラッシング又は蒸留により実施すると適
切である。本発明の範囲内では段階(b)で得られた残留フラクションをまず分
離処理してメチルフェニルケトン(又は場合により置換メチルフェニルケトン)
を除去した後に段階(c)で分解処理すると特に有利であることが判明した。こ
のような分離処理は任意の公知方法で実施することができ、フラッシング又は蒸
留処理が適切である。
【0014】 本発明の別の好適態様では、段階(b)で得られた残留フラクションをまず分
離処理してメチルフェニルケトンを除去した後に残ったフラクションを先行エポ
キシ化段階からの上記流出液と共に更に分離処理して1−フェニルエタノールを
除去する。上述のように、前記エポキシ化流出液からプロピレンオキシドとエチ
ルベンゼンも除去した後に分離処理して1−フェニルエタノールを除去すると適
切である。その後、分解を実施する。
離処理してメチルフェニルケトンを除去した後に残ったフラクションを先行エポ
キシ化段階からの上記流出液と共に更に分離処理して1−フェニルエタノールを
除去する。上述のように、前記エポキシ化流出液からプロピレンオキシドとエチ
ルベンゼンも除去した後に分離処理して1−フェニルエタノールを除去すると適
切である。その後、分解を実施する。
【0015】 分解段階を実施する条件は広い範囲をとることができる。分解温度は150〜
325℃を利用できるが、180〜260℃が好ましく、重量毎時空間速度(we
ight hourly space velocity)は新規原料0.5〜10kg/kg触媒/時が適
切である。従って、この数値には原料流のリサイクル分は含まれない。リサイク
ル分を加えると、重量毎時空間速度は上記範囲よりも高い数値になり得る。適用
圧力は実地に適用可能な任意の値とすることができるが、0.1〜5barが好
ましい。実質的に大気圧にすると最も好ましい。
325℃を利用できるが、180〜260℃が好ましく、重量毎時空間速度(we
ight hourly space velocity)は新規原料0.5〜10kg/kg触媒/時が適
切である。従って、この数値には原料流のリサイクル分は含まれない。リサイク
ル分を加えると、重量毎時空間速度は上記範囲よりも高い数値になり得る。適用
圧力は実地に適用可能な任意の値とすることができるが、0.1〜5barが好
ましい。実質的に大気圧にすると最も好ましい。
【0016】 使用する分解触媒は十分な分解活性をもつために酸性であるか又は少なくとも
酸性外面をもつことが必要である。使用する触媒は不均一触媒でも均一触媒でも
よい。利用可能な不均一酸性分解触媒としては、合成ゼオライト(例えばZSM
−5及びH−ZSM−5)等のアルミノケイ酸塩や、アルミナ及びシリカ−アル
ミナ等の非晶質無機酸化物材料が挙げられる。但し、非晶質シリカ−アルミナを
含む分解触媒を使用すると特に有利であることが判明した。原則としてビス(フ
ェニルエチル)エーテルのスチレン分解を触媒するために十分な酸性度をもつ任
意非晶質シリカ−アルミナを使用することができる。但し、使用する非晶質シリ
カ−アルミナのアルミナ含量は5〜75重量%が適切であり、35〜70重量%
が好ましい。シリカ−アルミナ以外に結合剤も加えてもよい。典型的な結合剤は
シリカ、アルミナ、ボリア、チタニア及びジルコニア等の無機酸化物である。こ
れらのうちではアルミナが好ましい。結合剤を使用する場合には触媒総重量の1
0〜90重量%、好ましくは20〜80重量%を使用する。分解触媒の総細孔容
積は(ASTM D 4282−88による水銀圧入細孔計測により測定した場
合に)0.3〜1.5ml/gが適切であり、0.4〜1.2ml/gがより好
ましく、その表面積は少なくとも150m2/gが適切であり、175〜600
m2/gがより適切であり、185〜450m2/gが最も適切である。
酸性外面をもつことが必要である。使用する触媒は不均一触媒でも均一触媒でも
よい。利用可能な不均一酸性分解触媒としては、合成ゼオライト(例えばZSM
−5及びH−ZSM−5)等のアルミノケイ酸塩や、アルミナ及びシリカ−アル
ミナ等の非晶質無機酸化物材料が挙げられる。但し、非晶質シリカ−アルミナを
含む分解触媒を使用すると特に有利であることが判明した。原則としてビス(フ
ェニルエチル)エーテルのスチレン分解を触媒するために十分な酸性度をもつ任
意非晶質シリカ−アルミナを使用することができる。但し、使用する非晶質シリ
カ−アルミナのアルミナ含量は5〜75重量%が適切であり、35〜70重量%
が好ましい。シリカ−アルミナ以外に結合剤も加えてもよい。典型的な結合剤は
シリカ、アルミナ、ボリア、チタニア及びジルコニア等の無機酸化物である。こ
れらのうちではアルミナが好ましい。結合剤を使用する場合には触媒総重量の1
0〜90重量%、好ましくは20〜80重量%を使用する。分解触媒の総細孔容
積は(ASTM D 4282−88による水銀圧入細孔計測により測定した場
合に)0.3〜1.5ml/gが適切であり、0.4〜1.2ml/gがより好
ましく、その表面積は少なくとも150m2/gが適切であり、175〜600
m2/gがより適切であり、185〜450m2/gが最も適切である。
【0017】 不均一触媒を使用する場合には、当技術分野で公知の種々の方法で分解操作を
実施することができる。分解操作は例えば分解触媒粒子層に原料を通す固定床モ
ードで実施することができる。この場合には原料を触媒層に下向きに通してもよ
いし、上向きに通してもよい。あるいは、細流床モードで分解操作を実施しても
よい。この操作モードでは、反応器の塔頂セクションから原料を送入し、触媒層
に少しずつ流す。その後、反応器の塔底セクションから生成物セクションを取り
出す。更に別法として、小触媒粒子を原料流に添加し、スチレンを蒸気として塔
頂から取り出すスラリー型操作で分解操作を実施してもよい。本発明の目的では
、細流床分解操作を適用すると特に有利であることが判明した。
実施することができる。分解操作は例えば分解触媒粒子層に原料を通す固定床モ
ードで実施することができる。この場合には原料を触媒層に下向きに通してもよ
いし、上向きに通してもよい。あるいは、細流床モードで分解操作を実施しても
よい。この操作モードでは、反応器の塔頂セクションから原料を送入し、触媒層
に少しずつ流す。その後、反応器の塔底セクションから生成物セクションを取り
出す。更に別法として、小触媒粒子を原料流に添加し、スチレンを蒸気として塔
頂から取り出すスラリー型操作で分解操作を実施してもよい。本発明の目的では
、細流床分解操作を適用すると特に有利であることが判明した。
【0018】 固定床又は細流床モードで使用する場合には、触媒はこれらの型の操作で従来
適用されている任意形状及び寸法にすることができる。従って、触媒粒子は球形
、三葉(trilobes)、四葉(quadrulobes)、円筒形等の形状にすることができ る。その寸法は通常の商業的に有用な範囲内とすることができる。
適用されている任意形状及び寸法にすることができる。従って、触媒粒子は球形
、三葉(trilobes)、四葉(quadrulobes)、円筒形等の形状にすることができ る。その寸法は通常の商業的に有用な範囲内とすることができる。
【0019】 利用可能な均一触媒は分解反応媒体に分散性又は可溶性の酸性触媒である。利
用可能な均一触媒の例はp−トルエンスルホン酸と硫酸である。当然のことなが
ら、p−トルエンスルホン酸を使用すると好ましい。
用可能な均一触媒の例はp−トルエンスルホン酸と硫酸である。当然のことなが
ら、p−トルエンスルホン酸を使用すると好ましい。
【0020】 本発明は非晶質シリカ−アルミナを含む触媒とビス(フェニルエチル)エーテ
ルを高温で接触させることを特徴とする、ビス(フェニルエチル)エーテルをス
チレン又は置換スチレンに変換する方法にも関する。
ルを高温で接触させることを特徴とする、ビス(フェニルエチル)エーテルをス
チレン又は置換スチレンに変換する方法にも関する。
【0021】 非晶質シリカ−アルミナを含む触媒は上記と同一である。分解条件は上記と同
一である。ビス(フェニルエチル)エーテル含有原料はビス(フェニルエチル)
エーテル以外に他の成分を含むことができる。これらの成分の種類は原料の起源
に依存する。原料が例えば1−フェニルエタノールからスチレンを製造するプロ
セスからの分流である場合には、このような成分としてはポリスチレン、メチル
フェニルケトン、1−及び2−フェニルエタノール並びに他の高沸成分が挙げら
れる。その場合の原料の厳密な組成は分解操作を組込むプロセスの特定箇所にも
依存する。
一である。ビス(フェニルエチル)エーテル含有原料はビス(フェニルエチル)
エーテル以外に他の成分を含むことができる。これらの成分の種類は原料の起源
に依存する。原料が例えば1−フェニルエタノールからスチレンを製造するプロ
セスからの分流である場合には、このような成分としてはポリスチレン、メチル
フェニルケトン、1−及び2−フェニルエタノール並びに他の高沸成分が挙げら
れる。その場合の原料の厳密な組成は分解操作を組込むプロセスの特定箇所にも
依存する。
【0022】 以下、実施例により本発明を更に説明するが、発明の範囲はこれらの特定態様
に限定されない。
に限定されない。
【0023】 実施例1 固定床、原料供給ポンプ、気液生成物分離器及び液体リサイクルポンプ設備か
ら構成される細流相反応器装置で分解実験を実施した。
ら構成される細流相反応器装置で分解実験を実施した。
【0024】 固定床は細流相モードで操作し、非晶質シリカ−アルミナ(ASA)3.5m
m三葉触媒(シリカ/アルミナ比45/55、細孔容積0.72ml/g、表面
積219m2/g)50gを加えた。細流相反応器は190〜225℃と圧力1
barの典型的反応条件で運転した。
m三葉触媒(シリカ/アルミナ比45/55、細孔容積0.72ml/g、表面
積219m2/g)50gを加えた。細流相反応器は190〜225℃と圧力1
barの典型的反応条件で運転した。
【0025】 この実験では、細流相反応器への原料流はポリスチレン誘導体と他の高沸成分
以外にビス(α,α−フェニルエチル)エーテル5.8重量%とビス(α,β−
フェニルエチル)エーテル20.3重量%から構成した。原料流は商用スチレン
モノマー/プロピレンオキシドプラントのスチレン反応器で実施される1−フェ
ニルエタノール脱水プロセスの典型的生成物流に相当し、この生成物流からメチ
ルフェニルケトン、スチレン及び水を留去した。
以外にビス(α,α−フェニルエチル)エーテル5.8重量%とビス(α,β−
フェニルエチル)エーテル20.3重量%から構成した。原料流は商用スチレン
モノマー/プロピレンオキシドプラントのスチレン反応器で実施される1−フェ
ニルエタノール脱水プロセスの典型的生成物流に相当し、この生成物流からメチ
ルフェニルケトン、スチレン及び水を留去した。
【0026】 原料流は50g/時の速度で反応器の塔頂に加えた。原料流は反応器に導入す
る前に水蒸気約5g/時及び液体リサイクル流100g/時と混合した。反応器
の排出流を約200℃で運転する気液分離器に送った。気液分離器から約30g
/時で排出されるガス流はスチレンと水等の低沸点反応生成物を含んでおり、凝
縮後に収集して計量した。気液分離器から排出される液体流は一部を100g/
時の速度で反応器の塔頂にリサイクルし、一部を約20g/時の速度でブリード
流として除去した。実験は190℃で開始し、実験中に温度を225℃まで上げ
、触媒活性の多少の低下を補償した。実験を通してビス(α,α−フェニルエチ
ル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの変換率を測定した処
、夫々約80%及び60%であった。792時間後に最終温度225℃で実験を
停止する前に試料をリサイクルブリード流から採取し、この試料のビス(α,α
−フェニルエチル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの含量
をガスクロマトグラフィー分析により分析した。
る前に水蒸気約5g/時及び液体リサイクル流100g/時と混合した。反応器
の排出流を約200℃で運転する気液分離器に送った。気液分離器から約30g
/時で排出されるガス流はスチレンと水等の低沸点反応生成物を含んでおり、凝
縮後に収集して計量した。気液分離器から排出される液体流は一部を100g/
時の速度で反応器の塔頂にリサイクルし、一部を約20g/時の速度でブリード
流として除去した。実験は190℃で開始し、実験中に温度を225℃まで上げ
、触媒活性の多少の低下を補償した。実験を通してビス(α,α−フェニルエチ
ル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの変換率を測定した処
、夫々約80%及び60%であった。792時間後に最終温度225℃で実験を
停止する前に試料をリサイクルブリード流から採取し、この試料のビス(α,α
−フェニルエチル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの含量
をガスクロマトグラフィー分析により分析した。
【0027】 ビス(α,α−フェニルエチル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)
エーテルの変換率は夫々81.9%と70.0%であった。これは原料流中に存
在するビス(α,α−フェニルエチル)エーテルの81.9%と原料流中に存在
するビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの70.0%が変換されたことを
意味する。スチレンとスチレン前駆物質(例えば1−フェニルエタノールと2−
フェニルエタノール)の収率が重質留分装入量の15.7重量%であることも判
明した。
エーテルの変換率は夫々81.9%と70.0%であった。これは原料流中に存
在するビス(α,α−フェニルエチル)エーテルの81.9%と原料流中に存在
するビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの70.0%が変換されたことを
意味する。スチレンとスチレン前駆物質(例えば1−フェニルエタノールと2−
フェニルエタノール)の収率が重質留分装入量の15.7重量%であることも判
明した。
【0028】 実施例2 加熱マントルと生成物蒸気凝縮設備を備える1リットル容ガラス反応器でバッ
チ式に実験を実施した。反応生成物を凝縮により塔頂で収集し、計量し、スチレ
ン含量を分析した。実験は実施例1に記載したと同一原料及び触媒を用いて大気
圧で実施したが、触媒は固定床でなく原料流に分散した粉末形態で使用した。
チ式に実験を実施した。反応生成物を凝縮により塔頂で収集し、計量し、スチレ
ン含量を分析した。実験は実施例1に記載したと同一原料及び触媒を用いて大気
圧で実施したが、触媒は固定床でなく原料流に分散した粉末形態で使用した。
【0029】 反応器に室温で原料190gと触媒粉末3.8gを仕込んだ。反応器を2℃/
分の速度で最終温度250℃まで加熱した。この温度で分解反応を更に2時間続
けた。残渣と出発原料のガスクロマトグラフィー分析から計算すると、ビス(α
,α−フェニルエチル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの
変換率は夫々100%と99.5%であった。スチレンとスチレン前駆物質の収
率は反応器装入量の20.0重量%であった。
分の速度で最終温度250℃まで加熱した。この温度で分解反応を更に2時間続
けた。残渣と出発原料のガスクロマトグラフィー分析から計算すると、ビス(α
,α−フェニルエチル)エーテルとビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの
変換率は夫々100%と99.5%であった。スチレンとスチレン前駆物質の収
率は反応器装入量の20.0重量%であった。
【0030】 比較例1 1−フェニルエタノール脱水反応に添加すると適切であると思われる典型的市
販酸化アルミニウム(Al2O3)粉末を触媒として使用した以外は実施例2に
記載したと同一の実験条件で同様の実験を実施した。残渣と出発原料のガスクロ
マトグラフィー分析から計算すると、ビス(α,α−フェニルエチル)エーテル
とビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの変換率は夫々0.5%と7.4%
であった。
販酸化アルミニウム(Al2O3)粉末を触媒として使用した以外は実施例2に
記載したと同一の実験条件で同様の実験を実施した。残渣と出発原料のガスクロ
マトグラフィー分析から計算すると、ビス(α,α−フェニルエチル)エーテル
とビス(α,β−フェニルエチル)エーテルの変換率は夫々0.5%と7.4%
であった。
【0031】 得られた低変換率は慣用酸化アルミニウム触媒の代わりに不均一触媒としてA
SAを使用する有益な効果を実証している。
SAを使用する有益な効果を実証している。
【0032】 実施例3 本実施例では均一触媒としてp−トルエンスルホン酸(pTSA)を使用した
。商用スチレンモノマー/プロピレンオキシドプラントのブリード流として一般
に適用されている高沸液体の試料を高沸原料として使用した。この原料はスチレ
ン反応セクションと先行する酸化及びエポキシ化反応セクションの両者で生成さ
れた高沸生成物を含む。
。商用スチレンモノマー/プロピレンオキシドプラントのブリード流として一般
に適用されている高沸液体の試料を高沸原料として使用した。この原料はスチレ
ン反応セクションと先行する酸化及びエポキシ化反応セクションの両者で生成さ
れた高沸生成物を含む。
【0033】 外部電気加熱式500ml容ガラス容器から構成した卓上規模装置で反応体を
磁気撹拌機により混合した。容器の内容物をループに循環させ、新規原料とpT
SAを注入し、残渣をシステムから除去した。循環速度は新規原料速度の約20
倍とした。反応器の液体レベルを調節して滞留時間を一定に維持した。反応器は
大気圧で200℃〜230℃の温度で運転した。揮発性生成物を塔頂から取り出
し、凝縮して収集した。この目的には−20℃〜0℃の冷媒を使用した。原料速
度110g/時、温度230℃、滞留時間1.0時間及びpTSA添加速度1.
73g/時とすると、スチレンとスチレン前駆物質の収率は合計重質留分反応器
装入量の14.8重量%であった。
磁気撹拌機により混合した。容器の内容物をループに循環させ、新規原料とpT
SAを注入し、残渣をシステムから除去した。循環速度は新規原料速度の約20
倍とした。反応器の液体レベルを調節して滞留時間を一定に維持した。反応器は
大気圧で200℃〜230℃の温度で運転した。揮発性生成物を塔頂から取り出
し、凝縮して収集した。この目的には−20℃〜0℃の冷媒を使用した。原料速
度110g/時、温度230℃、滞留時間1.0時間及びpTSA添加速度1.
73g/時とすると、スチレンとスチレン前駆物質の収率は合計重質留分反応器
装入量の14.8重量%であった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月5日(2000.1.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 デイルクツワーヘル,ヘンドリツク オランダ国、エヌ・エル−1031・セー・エ ム・アムステルダム、バドハイスウエヒ・ 3 (72)発明者 オーフエルトーム,ロベルトス・ライムン ドス・マリア オランダ国、エヌ・エル−4782・エス・イ エー・ムールデイク、ヘミウエヒ・25 (72)発明者 フアン,ズウイーネン・マリヌス オランダ国、エヌ・エル−1031・セー・エ ム・アムステルダム、バドハイスウエヒ・ 3 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC25 BA66 BA68 BA71 BA85 BC10 BC18 BD60 BD70 DA10 DA46 4H039 CA21 CA61 CD10 CD30 CG90
Claims (10)
- 【請求項1】 スチレン又は置換スチレンの製造方法であって、 (a)1−フェニルエタノール又は置換1−フェニルエタノールを含む原料を適
当な脱水触媒の存在下に脱水処理する段階と、 (b)得られた生成物流を分離処理して、スチレン又は置換スチレンを含む分流
と重質留分を含む残留フラクションを得る段階と、 (c)これらの重質留分を含む分流を酸性分解触媒の存在下に分解処理すること
によりこれらの重質留分の少なくとも一部をスチレン又は置換スチレンに変換す
る段階を含む、前記方法。 - 【請求項2】 段階(a)で使用される1−フェニルエタノール又は置換1
−フェニルエタノールが、場合により置換基をもつエチルベンゼンヒドロペルオ
キシドをプロペンと反応させてプロピレンオキシドと1−フェニルエタノール又
は置換1−フェニルエタノールを得る先行エポキシ化段階から得られる、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 段階(a)がアルミナをベースとする脱水触媒を使用して2
30〜280℃の温度で実施される、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 段階(b)で得られる残留フラクションをまず分離処理して
メチルフェニルケトン又は置換メチルフェニルケトンを除去した後に段階(c)
で分解処理する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項5】 段階(b)で得られる残留フラクションをまず分離処理して
メチルフェニルケトン又は置換メチルフェニルケトンを除去し、更に先行エポキ
シ化段階からの流出液と共に分離処理して1−フェニルエタノール又は置換1−
フェニルエタノールを除去した後にこうして得られた残留フラクションを段階(
c)で分解処理する、請求項2又は3に記載の方法。 - 【請求項6】 分解段階(c)が180〜260℃の温度で0.5〜10k
g/kg.hの重量毎時空間速度で実施される、請求項1から5のいずれか一項
に記載の方法。 - 【請求項7】 段階(c)で使用される酸性分解触媒が好ましくは非晶質シ
リカ−アルミナを含む不均一分解触媒である、請求項1から6のいずれか一項に
記載の方法。 - 【請求項8】 段階(c)で使用される酸性分解触媒が好ましくはp−トル
エンスルホン酸を含む均一分解触媒である、請求項1から6のいずれか一項に記
載の方法。 - 【請求項9】 非晶質シリカ−アルミナを含む触媒とビス(フェニルエチル
)エーテルを高温で接触させることを含む、ビス(フェニルエチル)エーテルを
スチレン又は置換スチレンに変換する方法。 - 【請求項10】 触媒が0.3〜1.5ml/gの総細孔容積と少なくとも
150m2/g、好ましくは175〜600m2/gの表面積をもつ請求項9に
記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP98200493.9 | 1998-02-17 | ||
EP98200493 | 1998-02-17 | ||
PCT/EP1999/001006 WO1999042426A1 (en) | 1998-02-17 | 1999-02-16 | Process for preparing styrenes |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002503712A true JP2002503712A (ja) | 2002-02-05 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000532380A Pending JP2002503712A (ja) | 1998-02-17 | 1999-02-16 | スチレンの製造方法 |
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WO (1) | WO1999042426A1 (ja) |
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KR102657749B1 (ko) * | 2015-10-19 | 2024-04-17 | 쉘 인터내셔날 리써취 마트샤피지 비.브이. | 스타이렌의 제조 방법 |
KR20210081553A (ko) | 2019-12-24 | 2021-07-02 | 김인용 | 커피박과 폐지를 활용한 비목재 친환경 펄프 및 건조펄프 제조방법 및 이의 펄프로 제조된 종이 |
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