JP2002503447A - 発現可能なアンチセンス配列を用いる条件発現変異細胞の取得方法 - Google Patents

発現可能なアンチセンス配列を用いる条件発現変異細胞の取得方法

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JP2002503447A JP2000523383A JP2000523383A JP2002503447A JP 2002503447 A JP2002503447 A JP 2002503447A JP 2000523383 A JP2000523383 A JP 2000523383A JP 2000523383 A JP2000523383 A JP 2000523383A JP 2002503447 A JP2002503447 A JP 2002503447A
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マーティン・ローゼンバーグ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インビトロにおいて実質的にオフであり、インビボにおける感染プロセスの間に選択的にオンになるプロモーターを有する発現ベクター系を用いて遺伝子産物の減少レベルの変動に対する病原体の感受性を測定する方法を提供する。また、本発明の方法により、選択された病原体の感染の増殖に必須であると同定された遺伝子および遺伝子産物を提供する。さらに、この方法により同定された標的遺伝子に対して設計された治療用組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、1997年12月4日付で出願された米国仮出願第60/067,446号、1998年4
月20日付で出願された米国仮出願第60/082,534号および1998年10月21日付で出願
された米国仮出願第60/105,161号の利益を要求する。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、条件致死変異体を包含する条件付で発現される遺伝子変異体の調製
方法、および遺伝子必須性(gene essentiality)を評価するためにかかる変異 体を用いる方法、ならびにかかる方法に有用な組成物を提供する。この方法を用
いると、選択病原体に対する新しい治療法の開発のために、阻害に対して最も感
受性の高い遺伝子標的を選択することができる。
【0003】 (発明の背景) 遺伝子の同定、配列決定および特徴付けは、現代科学研究の主要な目的である
。遺伝子を同定し、それらの配列を決定し、それらの生物学的機能を特徴付ける
ことにより、組換え技術を用いて大量の有益な遺伝子産物、例えば、蛋白質およ
びペプチドを生産することができる。さらに、遺伝子配列の知識により、微生物
病原体および病因に起因する植物および動物における種々の病態の診断、予後お
よび治療の鍵を得ることができる。
【0004】 特定の遺伝子配列をそれらの遺伝子産物に基づいて同定するための様々な技術
が開示された。例えば、1991年5月30日付で公開された国際特許出願公開WO91/07
087を参照のこと。さらに、所望の配列の増幅方法が開示された。例えば、1991 年11月14日付で公開された国際特許出願公開WO91/17271を参照のこと。
【0005】 しかしながら、生物の増殖に必須である遺伝子を、将来の分析のために容易に
回収できるような方法で同定するのが困難であった。必須遺伝子を同定するため
に現在用いられている最も一般的な方法は、条件致死変異体のプールを取得し、
次いで、適当な許容状態および非許容状態下で該プールの重複メンバーをスクリ
ーニングすることからなる多段工程である。次いで、候補変異体を、ゲノムライ
ブラリーを用いて形質転換し、変異体表現型の相補性により所望の遺伝子を単離
する。相補性プラスミドを回収し、サブクローン化し、次いで、再試験する。し
かしながら、この方法は、所望の遺伝子を同定および回収するための多重(mult
iple)サブクローニング段階を含んでおり、したがって、労働集約的であり、か
つ、時間消費する。
【0006】 トランスポゾン突然変異誘発に基づいた病原体ビルレンス遺伝子の単離のため
に多くの方法が開発された。これらは、特異的ビルレンス関連因子の喪失(Lee,
et al. J. Infect. Dis. 1987, 156:741)、マクロファージ内での生存(Field
s, et al. Proc. Nat'l Acad. Sci. 1986, 83:5189)、および上皮細胞の浸透(
Finlay, et al. Mol. Microbiol. 1988, 2:757)についてのスクリーニングを包
含する。しかしながら、これらの方法は、感染の特定段階、およびインビトロ系
に制限される。
【0007】 トランスポゾン変異体は、また、生きている動物の感染モデルにて試験された
(Miller, et al., Infect. Immun., 1989, 57:2758;および Bolker, et al.,
Mol. Gen. Genet., 1994, 248:547-552)。しかしながら、突然変異誘発された 細菌のプール内で弱毒化されたビルレンスを有する変異体を同定することができ
ないために細菌遺伝子の包括的なスクリーニングを行うことができず、かくして
、莫大な数の変異体が個々のスクリーニングおよび大量の動物を必要とする。
【0008】 ヘンゼル(Hensel)らは、細菌ビルレンス遺伝子の単離のために固有のDNA
配列タグを有するトランスポゾンを用いる挿入変異誘発系を開発した(Science, 1995, 269:400-403)。シグネチュア標識突然変異誘発(signature-tagged mut
agenesis)(以下、「STM」と記す)と称されるこの系において、各トランス
ポゾン変異体は、異なるDNA配列で標識される。しかしながら、インビトロ必
須遺伝子における変異体は、この系において喪失される。これにより、変異体の
混合種個体群に感染した宿主から回収した細菌の同定および弱毒化されたビルレ
ンスを有する変異体のネガティブな選択を行うことができる。この方法を用いて
、ネズミの腸チフスモデルにおけるサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)のビルレンス遺伝子が同定された。さらに、スラウチ(Slauch)
らは、本質的にはインビトロでは存在しないが、感染の間じゅうまたはその種々
の相の間には存在する転写体を同定するための手段を提供するIVETと命名さ
れた方法を開示した(Methods in Enzymology 1994, 235:481-492)。しかしな がら、これらの方法は、生物における遺伝子産物の絶対的な不在またはインビボ
での特異的アップレギュレーションの影響に対する情報を提供するだけであり、
遺伝子必須性に対する情報は提供しない。
【0009】 また、条件致死変異体を作製して、遺伝子発現をなくし、必須遺伝子を同定す
ることができる(de Lorenzo, V, et al., Gene 123:17-24 (1993);Neuwald, A
. F., et al., Gene 125: 69-73(1993);および Takiff, H. E. , et al., J. B acteriol. 174:1544-1553(1992))。また、化学的突然変異誘発を用いて、かか る変異体を作製することもできる(Beckwith, J. Methods in Enzymology 204:
3-18(1991))。これらの突然変異作製方法は、しばしば、時間を消費し、再現が
困難である。
【0010】 リボザイムは、標的遺伝子または転写体にダメージを与えることにより遺伝子
発現レベルを低下させる別の方法を提供する。しかしながら、特異的遺伝子の発
現をノックアウトするようにリボザイムを設計するには、重大な研究および開発
が必要である。
【0011】 アンチセンス技術は、特異的遺伝子の発現をダウンレギュレートする有効な方
法であることが示された。それは、mRNA(Agrawal et al., Proc. Natl. Ac ad. Sci. USA , 1997, 94:2620-2625;および Zamecnik et al., Proc. Natl. Ac ad. Sci. USA, 1978, 75:280-284)および二本鎖RNA(Fire et al., Nature,
1998, 391:806-810)に相補的な合成オリゴヌクレオチドのインジェクションお
よびアンチセンス配向にクローン化したDNAからのアンチセンスRNAの合成
(Beauregard et al., EMBO J., 1995, 14:409-421;Kernodle et al., Infect. Immun. , 1997, 65:179-184;および Ottavio et al, Virology, 1992, 189:812
-816)を介して真核遺伝子発現を妨害するために広く用いられてきた。アンチセ
ンスRNAを用いて多くの研究が行われており、CMV網膜炎、癌およびHIV
感染などの重篤なヒト疾患の治療のための臨床試験が進行中である(Cagnon et
al., J. AIDS Hum. Retrovirol., 1995, 9:349-358;Ratajczak et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA , 1992, 89:11823-11827;および J.L. Whitton, Adv. Vi rus Res. , 1994, 44:267-303)。しかしながら、定方向突然変異および同種組換
えなどのより強力な技法の利用能のために、アンチセンス技術は、たとえアンチ
センスレギュレーションがプラスミド、ファージおよび染色体複製の間に細菌中
で自然に生じることが証明されても、稀に、細菌における遺伝子発現を阻害する
ために用いられるだけである(Van der Krol et al., Biotechniques, 1988, 6:
958-976;Wagner et al., Ann. Rev. Microbiol., 1994, 48:717-742)。最近の
報告では、リバース配向にクローン化したDNAからの合成アンチセンスRNA
を用いることにより(Kernodle et al., Infect. Immun., 1997, 65:179-184) 、およびmRNAの標的とされるペプチド核酸(PNA)により(Good et al.,
Nature Biotechnology, 1998, 16:355-358)、アンチセンスRNAが細菌中で 既知の遺伝子の発現を阻害することができることが示された。
【0012】 インビボでの細菌生存についてのビルレントおよび必須遺伝子の同定は、分子
病原学を研究し、抗生物質発見のための分子標的を決定するための強力な研究法
である。アンチセンスストラテジーと調節発現系との組合せは、細菌病原体の分
子病原学の有用な研究方法を提供する。本発明の一の態様は、アンチセンスRN
Aを誘発させて感染の種々の段階の間じゅう既知の遺伝子の発現を減少させ、イ
ンビトロおよびインビボで必須遺伝子を標的とすることにより新規ビルレンス因
子を定義することである。実際、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)(G
eissendorfer et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 1990, 33:657-663)だ けではなく、哺乳動物細胞(Grossen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 19
92, 89:5547-5551;Grossen et al., Science, 1995, 268:1766-1769)、トラン
スジェニックマウス(Kistner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1996, 93
:10933-10938)およびタバコ(Gatz et al., Mol. Gen. Genet., 1991, 227:229
-237)においても、Tn10コード化tet受容体が特異的遺伝子の発現を調節
するために成功裏に用いられた。グラム陽性生物において有効であることが証明
された一の誘発性プロモーター系は、xyl/tetキメラプロモーターである
(Geissendorfer et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 1990, 33:657-663)
。このプロモーター系は、キシロース系およびテトラサイクリン系の両方の系の
要素を用い、阻害下(sub-inhibitory)濃度のテトラサイクリンを用いてバシラ
ス・サチリスにおいて強く誘発できることが証明された。本発明の好ましい実施
態様の一例として、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )におけるtet調節系を構築し、誘発性xyl/tetプロモーター−オペレ
ーター融合体の下流にアンチセンスhlaフラグメントをクローン化して、この
tet調節系がインビトロおよびインビボにおいてスタフィロコッカス・アウレ
ウス(S. aureus)中で機能することができるか、および誘発性アンチセンスh laが染色体hla遺伝子の発現をダウンレギュレートするかを研究した。
【0013】 本発明は、アンチセンスストラテジーを用いて条件発現および条件致死変異細
菌および他の細胞のライブラリーを作製するための方法を提供する(細菌におい
て用いられるアンチセンスポリヌクレオチドの説明は、Kerndole, et al., Infe ction and Immunity 65(1): 179 (1997)を参照のこと)。本発明は、また、特定
の遺伝子が被験生物の増殖または生活に必須であるかを決定するための方法を提
供する。かかる遺伝子は、抗菌化合物についてのスクリーニングのための標的と
して特に有用である。
【0014】 (発明の概要) 本発明は、宿主細胞または一群の宿主細胞を、ランダムDNAフラグメントの
ライブラリーと発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベクターを用い
て形質転換し;誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;アンチセンス
発現に起因する該宿主細胞または宿主細胞群の代謝の変化を検出する工程を含む
遺伝子必須性の測定方法を提供する。
【0015】 また、本発明は、宿主細胞または一群の宿主細胞を、アンチセンスポリヌクレ
オチド配列と発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベクターを用いて
形質転換し;誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞また
は宿主細胞群の代謝の変化を検出する工程を含む遺伝子必須性の測定方法を提供
する。
【0016】 さらにまた、本発明は、宿主細胞または一群の宿主細胞を、ランダムアンチセ
ンスポリヌクレオチド配列と発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベ
クターを用いて形質転換し;誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;
該宿主細胞または宿主細胞群の死滅または遅増殖を検出する工程を含む遺伝子必
須性の測定方法を提供する。
【0017】 さらにまた、本発明は、宿主細胞または一群の宿主細胞を、ランダムDNAフ
ラグメントのライブラリーと発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベ
クターを用いて形質転換し;誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;
該宿主細胞または宿主細胞群の代謝の変化を検出し;選択ヌクレオチド配列のコ
ード配列または選択ポリヌクレオチド配列の相補的配列のコード配列を含む全長
遺伝子を単離する工程を含む遺伝子必須性の測定方法を提供する。
【0018】 本発明の方法は、本明細書の別の箇所で定義する宿主細胞を含んでもよい。 当該方法は、誘発性プロモーターまたはオペレーターおよび誘発性リプレッサ
ーを含んでもよい。 当該方法は、また、アンチセンス配列である選択ポリヌクレオチド配列を含ん
でもよい。 当該方法における選択ポリヌクレオチド配列は、生物から選択されてもよい。
【0019】 本発明の好ましいインデューサーは、化合物または電磁線を含む。かかる化合
物インデューサーとしては、例えば、IPTG、ドキシサイクリン、エリスロマ
イシンおよびテトラサイクリンが挙げられる。かかる電磁線としては、例えば、
X線、γ線、β線、UV光線、ならびに可視光線、赤色可視光線および緑色可視
光線が挙げられる。 また、本発明は、代謝の変化が遅細胞増殖、細胞死、または細胞停止である方
法を提供する。
【0020】 本発明の趣旨および範囲内での様々な変形および変更は、以下の記載および本
明細書の他の箇所を読むことにより当業者に容易に理解されるであろう。
【0021】 (図面の簡単な記載) 図1は、テトラサイクリン誘発性シャトルベクターpYJ90の略図を示す。
略語:tetR、テトラサイクリン耐性リプレッサーコード遺伝子;PR、改良 tetRプロモーター;Pxyl/tetO、xyl−tetプロモーター−オ
ペレーター融合体(Geissendorfer et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 19
90, 33:657-663);cat、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
コード遺伝子;Ap、アンピシリン耐性決定因子;Erm、エリスロマイシン耐
性決定因子;pUC19oriおよびpE194ori、各々、pUC19およ
びpE194由来の複製起点であって、グラム陰性およびグラム陽性宿主細菌に
おいてプラスミド複製させる。
【0022】 図2は、CAT活性のテトラサイクリン濃度への依存関係を示す。スタフィロ
コッカス・アウレウスYJ335を5ng/mlのErmと一緒にTSB中で初
期対数期までインキュベートし、アリコート培養物に様々な量のテトラサイクリ
ンを添加した。各培養物2mlずつを新しい試験管に移し、テトラサイクリン添
加の3時間後に細胞を遠心分離により得た。粗製蛋白質調製物を用いて、CAT
活性を分析した。CAT比活性は、全蛋白質1mgあたりのCTA活性の単位と
定義する。
【0023】 図3は、スタフィロコッカス・アウレウスにおけるテトラサイクリン誘発の動
力学を示す。YJ335株をTBS中で初期対数期までインキュベートし、培養
物に250ng/mlのテトラサイクリンを添加した。テトラサイクリン添加の
0、1、2、3および4時間後に培養物2mlずつを回収した。細菌の粗製蛋白
質抽出物を調製し、CAT比活性を測定した。
【0024】 図4は、アンチセンスおよびセンス配向でhlaを含むテトラサイクリン誘発
性シャトルベクターの構築物を示す。プロモーター領域を含むhlaの621b
pフラグメントをプラスミドpYJ335のEcoRV部位に挿入した。2つの
組換え体pYJ318−7およびpYJ318−16は、各々、アンチセンスお
よびセンスhla配向でクローン化したhlaを表す。
【0025】 図5は、センスhlaおよびアンチセンスhla転写のノーザンブロット分析
を示す。ジゴキシゲニン標識一本鎖DNAオリゴヌクレオチドプローブは、誘発
されたセンスhla RNA(YJ318−16+Tc)または誘発されたアン チセンスhla RNA(YJ318−7+Tc)と特異的にハイブリダイズし た。
【0026】 図6は、テトラサイクリン誘発を用いるかまたは用いずに、WCUH29株お
よびその同系遺伝子型株において発現したα溶血素のウェスタンブロット分析を
示す。分子量マーカーは、ビオチニル化した低分子量SDS−PAGE標準(カ
リフォルニア州ハーキュリーズのバイオ−ラッド・ラボラトリーズ(Bio-Rad
Lab.))である。
【0027】 図7は、テトラサイクリンによるインビボ誘発後のcat(A)およびhla
(B)の転写のRT−PCR分析を示す。プラスミドDNAを正の対照として用
いた(pYJ335およびpYJ318−16)。負の対照は、RTまたは鋳型
DNAを用いずに調製したサンプルであった。
【0028】 (用語) 以下の定義により、本明細書においてしばしば用いられる用語をわかり易くす
る。
【0029】 「アンチセンスポリヌクレオチド」とは、別のポリヌクレオチド配列と、全体
的にまたは部分的に、ハイブリダイズすることができるかまたは相補的であるポ
リヌクレオチド配列を意味する。
【0030】 「発現可能に結合した」とは、第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌク
レオチド配列とが一緒に作用してDNA、RNAまたは蛋白質などの遺伝子産物
を発現するように、ライゲーションなどにより、第1のポリヌクレオチド配列が
第2のポリヌクレオチド配列に結合していることを意味する。
【0031】 「宿主細胞」とは、外因性ポリヌクレオチド配列により、形質転換もしくはト
ランスフェクトされたか、または、形質転換もしくはトランスフェクトすること
ができる細胞であり、(i)ストレプトコッカス(Streptococcus)、スタフィ ロコッカス(Staphylococcus)、ボルデテラ(Bordetella)、コリネバクテリウ
ム(Corynebacterium)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、ナイセリア(
Neisseria)、ヘモフィルス(Haemophilus)、アクチノマイセス(Actinomyces )、ストレプトマイセス(Streptomyces)、ノカルジア(Nocardia)、エンテロ
バクター(Enterobacter)、エルシニア(Yersinia)、フランシセラ(Francise lla )、パスツレラ(Pasturella)、モラクセラ(Moraxella)、アシネトバクタ
ー(Acinetobacter)、エリジペロスリックス(Erysipelothrix)、ブランハメ ラ(Branhamella)、アクチノバシラス(Actinobacillus)、ストレプトバシラ ス(Streptobacillus)、リステリア(Listeria)、カリマトバクテリウム(Cal ymmatobacterium )、ブルセラ(Brucella)、バシラス(Bacillus)、クロスト リジウム(Clostridium)、トレポネーマ(Treponema)、エシェリヒア(Escher ichia )、サルモネラ(Salmonella)、クレブシエラ(Klebsiella)、ビブリオ (Vibrio)、プロテウス(Proteus)、エルウィニア(Erwinia)、ボレリア(Bo rrelia )、レプトスピラ(Leptospira)、スピリルム(Spirillum)、カンピロ バクター(Campylobacter)、シゲラ(Shigella)、レジオネラ(Legionella) 、シュードモナス(Pseudomonas)、エアロモナス(Aeromonas)、リケッチア(
Rickettsia)、クラミジア(Chlamydia)、ボレリア(Borrelia)およびマイコ プラズマ(Mycoplasma)属のメンバーを包含し(これに限定されない)、さらに
、ストレプトコッカスA群、ストレプトコッカスB群、ストレプトコッカスC群
、ストレプトコッカスD群、ストレプトコッカスG群、ストレプトコッカス・ニ
ゥモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(St reptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcu s agalactiae)、ストレプトコッカス・フェカーリス(Streptococcus faecalis )、ストレプトコッカス・フェシウム(Streptococcus faecium)、ストレプト コッカス・デュランス(Streptococcus durans)、ナイセリア・ゴノレエ(Neis seria gonorrheae)、ナイセリア・メニンジティディス(Neisseria meningitid is )、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィ ロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、コリネバクテ
リウム・ジフセリエ(Corynebacterium diptheriae)、ガードネレラ・バジナリ
ス(Gardnerella vaginalis)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycob acterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis )、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)、マイコバ
クテリウム・レプレ(Mycobacterium leprae)、アクチノマイセス・イスラエリ
イ(Actinomyces israelii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monoc ytogenes )、ボルデテラ・ペルツッシス(Bordetella pertussis)、ボルデテラ
・パラペルツッシス(Bordetella parapertussis)、ボルデテラ・ブロンキセプ
チカ(Bordetella bronchiseptica)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli )、シゲラ・ディセンテリエ(Shigella dysenteriae)、ヘモフィルス・インフ
ルエンゼ(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルス・エジプチウス(Haemophi lus aegyptius)、ヘモフィルス・パラインフルエンゼ(Haemophilus parainflu enzae )、ヘモフィルス・デュクレイイ(Haemophilus ducreyi)、ボルデテラ(
Bordetella)、サルモネラ・ティフィ(Salmonella typhi)、シトロバクター・
フロインディイ(Citrobacter freundii)、プロテウス・ミラビリス(Proteus
mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、エルシニア・ペ スティス(Yersinia pestis)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneu moniae )、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcessens)、セラチア・リ クファシエンス(Serratia liquefaciens)、ビブリオ・コレレ(Vibrio choler ae )、シゲラ・ディセンテリエ(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレクスネ
リ(Shigella flexneri)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aerug inosa )、フランシセラ・ツラレンシス(Franscisella tularensis)、ブルセラ
・アボルタス(Brucella abortus)、バシラス・アンスラシス(Bacillus anthr acis )、バシラス・セレウス(Bacillus cereus)、クロストリジウム・パーフ リンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・テタニ(Clost ridium tetani)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、
トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)、リケッチア・リケッチイ(Ri ckettsia rickettsii)およびクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomat is )である種または群のメンバーを包含する(これに限定されない)原核生物、
(ii)アーケバクター(Archaebacter)を包含する(これに限定されない)古
細菌、ならびに(iii)原生動物、真菌類、サッカロミセス(Saccharomyces )、クルベロミセス(Kluveromyces)またはカンジダ(Candida)属のメンバー 、およびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces ceriviseae)、クルベロ
ミセス・ラクティス(Kluveromyces lactis)またはカンジダ・アルビカンス(C andida albicans)である種のメンバーを包含する(これに限定されない)単細 胞真核生物または線状真核生物のうちの一の細胞または複数の細胞を包含する。
本明細書において、これらの細胞を「生物(organisms)」とも記載する。
【0032】 「インデューサー」とは、誘発性遺伝子調節領域が発現可能に結合したポリヌ
クレオチドの発現を変化させることにより応答する物質の組成物または電磁線を
意味する。インデューサーの例としては、UV光線およびIPTGなどの当該技
術分野でよく知られているもの、ならびに本明細書に記載したものが挙げられる
【0033】 「誘発性遺伝子調節領域」とは、物質の組成物または電磁線に応答し、発現可
能に結合したポリヌクレオチドの発現を変化させるポリヌクレオチド配列を意味
する。かかる領域の例としては、誘発性プロモーターまたは抑制解除性オペレー
ター/プロモーター組合せが挙げられ、これらの多くがよく知られている。
【0034】 「単離」とは、「人の手によって」天然の状態から変化させられた、すなわち
、それが天然物である場合、その本来の環境から変化させるかもしくは取り出す
か、またはその両方が行われたことを意味する。例えば、生体に天然に存在する
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単離」されていないが、その天然状
態で共存する物質から分離された同ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本
明細書で用いる用語としての「単離」がなされている。
【0035】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に、いずれものポリリボヌクレオチドまたは
ポリデオキシリボヌクレオチドを意味し、これは、修飾されていないRNAもし
くはDNAであってもまたは修飾されたRNAもしくはDNAであってもよい。
「ポリヌクレオチド」は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域
の混合物または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖
および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、
一本鎖、もしくは、より典型的には、二本鎖、もしくは三本鎖領域、または一本
鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリ
ッド分子を包含するがこれらに限定されない。さらに、本明細書で用いる「ポリ
ヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはRNAとDNAの両方を含む三
本鎖領域を意味する。かかる領域における鎖は、同一の分子由来であってもまた
は異なる分子由来であってもよい。この領域は、これらの分子の1つまたはそれ
以上の全てを含んでいてもよいが、より典型的には、いくつかの分子の一領域の
みを含む。三重らせん領域の分子の1つは、オリゴヌクレオチドであることがし
ばしばである。本明細書で用いる場合、「ポリヌクレオチド」なる用語は、また
、1つまたはそれ以上の修飾した塩基を含有する、上記のDNAまたはRNAを
包含する。このように、安定性または他の理由のために修飾された骨格を有する
DNAまたはRNAも、本明細書が意図するところの「ポリヌクレオチド」であ
る。さらにまた、イノシンなどの普通でない塩基、またはトリチル化塩基などの
修飾塩基を含むDNAまたはRNA(2つの例だけを示す)も、本明細書で用い
る用語であるポリペプチドである。当業者に既知の多くの有用な目的を提供する
DNAおよびRNAに、非常に多くの修飾がなされていることは、明らかであろ
う。「ポリヌクレオチド」なる用語は、本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチ
ドのこのような化学的、酵素的または代謝的に修飾した形態、ならびに、例えば
単純型細胞および複雑型細胞を包含する、ウイルスおよび細胞に特徴的なDNA
およびRNAの化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」は、また、しばし
ば、オリゴヌクレオチドと称される短鎖ポリヌクレオチドを包含する。
【0036】 「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合により互いに結合
している2個またはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドまたは蛋白を表す。「ポ
リペプチド」は、通常、ペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーと称される
短鎖、および、一般的に、蛋白質と称する長鎖の両方を意味する。ポリペプチド
は、遺伝子によりコードされる20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含んでいても
よい。「ポリペプチド」は、プロセシングおよび他の翻訳後修飾のような自然の
工程により、または、化学修飾技術により修飾されたものを包含する。かかる修
飾は、基本書およびさらに詳細な研究論文、ならびに巻数の多い研究文献にも詳
しく記載されており、これらは当業者に周知である。同じタイプの修飾が所定の
ポリペプチドにおいていくつかの部位で同程度または種々の程度で存在してもよ
いことが理解されるであろう。また、所定の、ポリペプチドは、多くのタイプの
修飾を含んでいてもよい。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノ
もしくはカルボキシ末端を包含するポリペプチドのいずれの場所で引き起こされ
てもよい。修飾としては、例えば、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化
、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌ
クレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジ
ルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル
化、共有架橋結合の形成、システインの形成、ピログルタミン酸塩の形成、ホル
ミル化、γカルボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、
ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白質分解プロセシング、リン酸
化、プレニル化、ラセミ化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のγカルボキ
シル化、ヒドロキシル化、ADP−リボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギ
ニル化のような転移RNA媒介の蛋白へのアミノ酸付加、およびユビキチネーシ
ョンが挙げられる。例えば、PROTEINS-STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES, 2
nd Ed., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York (1993) および
Wold, F., Posttranslational Protein Modifications: Perspective and Pros
pects, pgs. 1-12 in POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS, B.C. Johnson Ed., Academic Press, New York (1983);Seifter et al., Meth . Enzymol. 182:626-646 (1990) および Rattan et al., Protein Synthesis: P osttranslational Modifications and Aging , Ann. N. Y. Acad. Sci. 663: 48-
62 (1992) を参照のこと。ポリペプチドは、枝分れしているか、または、分枝を
有するかもしくは有しない環状であってもよい。環状、分枝状、および分枝を有
する環状のポリペプチドは、翻訳後の自然の工程から生じるものであってもよく
、同様に全く合成的な方法により製造されるものであってもよい。
【0037】 「選択ポリヌクレオチド配列」とは、標的配列と全体的にまたは部分的に相補
的である単離ポリヌクレオチド配列を意味するか、または、病原体ポリヌクレオ
チド配列ライブラリーからランダムに選択された単離ポリヌクレオチド配列であ
る。 「標的」とは、かかる標的を含む細胞の代謝または再生産に対するその発現レ
ベルの変化の作用を測定するための的とされるのが望まれる、遺伝子のようなポ
リヌクレオチドを意味する。
【0038】 (発明の詳細な記載) 今日では、抗菌薬に対する多くの病原体耐性メカニズムの生化学的基礎が知ら
れている。これらのメカニズムは、単独で、または協同して、院内感染および地
域後天性感染の両方において見られる抗菌薬耐性問題の漸増を引き起こす。これ
らの問題を克服するための研究者による原理研究は、現行の薬物における増強改
良を探究することであった。これらの研究は、かかる耐性病原体による感染との
戦いにある程度貢献しているが、新しい方法が必要とされている。
【0039】 生物の増殖に必須の遺伝子または遺伝子産物の知識により、感染病原体の処置
の開発の鍵を得ることができる。遺伝子ノックアウト研究により、遺伝子産物が
全く存在しないことによる作用に対する情報が得られる。しかしながら、抗菌薬
治療により、稀に、所定の遺伝子産物の活性を完全になくすことができる。重大
なことには、遺伝子ノックアウトは、遺伝子産物がインビトロでの生存能に必須
である場合には生じ得ない(例えば、簡単な挿入/欠失突然変異誘発による)。
【0040】 本発明は、一部分、必須遺伝子が、病原体、特に、スタフィロコッカス・アウ
レウスのような病原性細菌または生物においてインビトロおよびインビボで研究
される系を開発するために着手された研究をベースとした。インビトロ増殖また
は感染の確立もしくは維持の間の遺伝子産物の必要性を評価するための現行法は
、ランダムまたは定方向ヌル突然変異の発生に起因して、労働集約的であり、時
間を消費する。必須遺伝子における突然変異は、非生存細胞を生じると思われる
ので、かかる研究法は、必然的に、これらの突然変異を排除するであろう。
【0041】 遺伝子発現をダウンレギュレートするためのアンチセンスフラグメントの発現
は、他の方法と比べていくつかの長所を有する。アンチセンスの使用は、その活
性を必ずしも完全には排除しなくても、遺伝子の機能を理解し易くするための強
力な手段であり得る。必須遺伝子の場合、特に、アンチセンス技術は、経時的に
致死変異の結果を観察するために、遺伝子の発現を非常に操作し易くする。かか
るアンチセンスフラグメントを構築することができる容易さは、ヌル突然変異お
よびプロモーター−ダウン突然変異を構築する時間が長いことと直接対照させる
ことができる。本発明の実施態様の説明的な例として、アンチセンス技術を誘発
性プロモーター系と組合せてアンチセンスhlaフラグメントの発現を選択的に
誘発した。
【0042】 hla遺伝子の5'末端からの600bpフラグメントがアンチセンス配向で その天然プロモーターの下で発現する場合、α溶血素産生を16分の1に減少さ
せるのに十分であったことが示された(Kernodle et al., Infect. Immun., 199
7, 65:179-184)。初期の研究を確証し、該プロモーター系の誘発能を実証する ために本発明のポリヌクレオチドフラグメントを作製した。xyl/tetハイ
ブリッドプロモーター(Geissendorfer et al., Appl. Microbiol. Biotechnol.
, 1990, 33:657-663)は、滴定可能な誘発を用いて下流遺伝子を厳重に調節する
ことができる。無プロモーターcatリポーター遺伝子によりモニターされた最
大発現は、0.25ng/ml程度のテトラサイクリン(以下、「Tc」と記す )を用いた場合に得られた;より高濃度のTcは、おそらくTcの抗生物活性に
起因して、CAT活性を減少させる。
【0043】 xyl/tetハイブリッドプロモーターは、スタフィロコッカス・アウレウ
スにおいて機能的であり、経時的にプロモーター活性をモニターリングすること
を可能にした、ある種のパラメーターが設定された滴定可能な活性を示した。h
laのアンチセンスダウンレギュレーションは、いくつかの理由で試験された。
第1に、α溶血素は、それを研究するのに許容される器具であるアンプルを用い
てウェル特徴付けされた分泌蛋白質である。第2に、α毒素産生をプレート上で
スクリーンすることができ、該α毒素が存在しないことにより、定義した作用、
すなわち、インビボでのビルレンスの弱毒化が生じる。第3に、それ自体のプロ
モーターの制御下でアンチセンスによりダウンレギュレートされるα溶血素発現
は、従前に示されており、かくして、本発明のある実施態様について良好な比較
となるであろう。
【0044】 この実施態様で用いた誘発性xyl/tetプロモーターは、従前に、バシラ
ス・サチリスにおいて機能的であることが示されていた(Geissendorfer et al.
, Appl. Microbiol. Biotechnol., 1990, 33:657-663)。このプロモーターは、
キシロース誘発性系およびテトラサイクリン誘発性系の両方の系の要素を取り込
んでおり、低濃度のテトラサイクリンで誘発される厳密に調節された強いプロモ
ーターを生じる。バシラス・サチリスにおいて、0.4μg/mlのTcを用い て、100倍の誘発が3時間以内に観察された。スタフィロコッカス・アウレウ
スにおけるこのプロモーター構築物を用いる本明細書において例示した結果は、
この初期のものに相当する:経時的にCAT比活性をモニターリングすることに
より示されるように、同一期間に0.25ng/mlのTcにより70倍の誘発 が観察された。
【0045】 このプロモーター系の誘発能、およびその遺伝子発現をダウンレギュレートす
る能力を、センス配向およびアンチセンス配向の両方でxyl/tetプロモー
ターの下流でhla遺伝子の〜600bpフラグメントをクローン化することに
よりインビトロで評価した。ノーザンブロット分析およびウェスタンブロット分
析の両方により、hlaアンチセンスフラグメントが誘発のために0.25ng /mlのTcを用いて発現された場合にα毒素の産生を減少させることが確認さ
れた。hla遺伝子は、主に、定常期増殖の間に発現されるので、内因性α溶血
素産生物は、これらのブロットにおいて観察されなかった;本発明の研究に有用
なある好ましい試料は、初期対数期細胞により調製される。
【0046】 次いで、この誘発性プロモーター系を用いて、インビボ感染の間にα溶血素で
ある遺伝子上での発現を選択的に誘発した。ネズミの血行性腎盂腎炎モデルは、
細菌が容易に回収される限局性腎臓感染を引き起こすので、このモデルを選択し
て本発明のある実施態様を説明した。本明細書に例示した結果は、低濃度のテト
ラサイクリンを経口投与して用いて、α溶血素の発現を有効に誘発することがで
きることを示している。この結果により、発現されたアンチセンスのレベルを制
御するために様々な濃度のインデューサーを用いてこのように必須遺伝子を試験
し、発現を様々な程度にダウンレギュレートすることができるようになるであろ
う。hlaアンチセンスRNAを発現するスタフィロコッカス・アウレウスとこ
の転写体を発現しないスタフィロコッカス・アウレウスとの間でわずかに2倍の
レベルのビルレンス弱毒化が観察されただけであった(CFUを数え上げること
により測定した)。この結果は、α溶血素活性が感染の血行性腎盂腎炎モデルに
おけるビルレンスにとって重要ではないためであろう。
【0047】 本発明の実施態様である誘発性系により、随意に特定遺伝子の発現を特異的に
減少させるかまたはなくすことができる。したがって、該遺伝子産物が存在しな
いことによる作用は、インデューサーの添加による細胞の同調化後に研究するこ
とができる。さらに、このプロモーター系の滴定能により、それを完全に不活性
化しなくとも必須遺伝子の様々なレベルのダウンレギュレーションの作用を観察
することが可能になる。この種の分析によって、標的遺伝子産生物のレベルを減
少させ、ことによると細胞をより感受性にすることにより、抗菌薬の開発を促進
することができる。本発明の好ましい実施態様において、この技術は、インビト
ロおよびインビボの両方の条件下での、よりランダムな研究法、すなわち、必須
遺伝子に対する条件致死スクリーンの開発に適用されてもよい。
【0048】 本発明は、条件付遺伝子ダウンレギュレーションの結果として変異体を作製す
るための有効、迅速、かつ、コスト効果的な方法を提供する。これらの変異体に
は、条件致死変異体がある。本発明は、また、遺伝子産物の減少レベルの変動に
対する病原体感受性を測定するための方法を提供し、遺伝子産物のレベルの減少
が誘発条件下で生じるだけであるので、インビトロで必須の遺伝子に適用できる
。選択標的についての遺伝子発現の減少をモニターし、感染の進行および/また
は感染組織から回収した生菌数との相互関係を明らかにすることができる。この
方法を用いて、インビボでの阻害に対して最も感受性である選択病原体由来の遺
伝子を同定し、新しい介入療法の開発のために標的として選択することができる
【0049】 また、本発明は、アンチセンス技術を用いて必須遺伝子を同定するための条件
致死方法を提供する。また、本発明は、誘発性プロモーターを用いてアンチセン
スライブラリークローンを選択的に発現するための好ましい方法を提供する。こ
れらの条件下で増殖しないコロニーは、発現すると必須遺伝子転写体の翻訳を阻
害するアンチセンスRNAフラグメントを産生する挿入DNAを含むプラスミド
を有していると思われる。かかる必須遺伝子は、プラスミド挿入体を配列決定す
ることにより容易に同定することができるので、このストラテジーは、かかる必
須遺伝子の同定を容易にする。さらに、このストラテジーを用いて、インビトロ
必須遺伝子およびインビボ必須遺伝子の両方についてスクリーンすることができ
る。
【0050】 本発明の好ましい方法は、本明細書の別の箇所に例示されている、誘発性プロ
モーターを含む。 本発明の好ましい方法は、また、エシェリヒア・コリおよびスタフィロコッカ
ス・アウレウスの両方において複製することができるシャトルプラスミドを含む
。DNAフラグメントのライブラリーは、本発明のシャトルプラスミド中にクロ
ーン化できる。本発明の方法および/またはプラスミドに有用なDNAフラグメ
ントのライブラリーの一例は、好ましくは、600ないし1000塩基対フラグ
メントを含む。
【0051】 これらの方法は、現在利用可能でありかつ当該技術分野で知られているこれら
の方法よりも有意な利点を有しており、例えば、本発明の方法は、(i)部分遺
伝子抑制の評価を行い、(ii)クローン化アンチセンスフラグメントを全長遺
伝子配列に対するプローブとして用いることができるので必須遺伝子の同定を容
易にし、(iii)変異体のプールを全部一緒にインビボで試験することができ
、(iv)感染後、回収されないクローン(サブトラクティブ・ハイブリダイゼ
ーションにより同定される)がインビボ必須遺伝子に相当するアンチセンスフラ
グメントを含有すると思われ、(v)アンチセンス発現のレベルを測定し、イン
ビボ弱毒化の程度との相互関係を明らかにすることにより、アンチセンス効果を
直接測定することができ、(vi)部分ダウンレギュレーションがインデューサ
ーのレベルを変動させることにより致命的である遺伝子を同定することができる
【0052】 「病原体」とは、動物または植物に感染し、該動物または植物の細胞または組
織中でその核酸配列を複製する能力を有する生物を意味する。かかる病原体は、
一般に、感染動物または植物における病状に関与している。かかる病原体として
は、細胞内もしくは細胞外で複製するウイルス、または、一般に組織または血液
に感染する細菌、真菌類もしくは寄生虫などの他の生物が挙げられるが、これに
限定されない。ある種の病原体は、発生の連続して起こり区別できる期、例えば
、感染開始、潜伏期、感染期、および症候性疾患を引き起こす期に存在すること
が知られている。これらの種々の状態において、病原体は、生存および発病に必
須の様々な遺伝子に依存すると予想される。本発明の好ましい宿主細胞は、病原
体である。本発明の方法は、本明細書の別の箇所に記載した宿主細胞を含む。
【0053】 本発明は、一の実施態様において、病原体または宿主細胞の完全ゲノムDNA
を単離する方法を提供する。大きさ0.6−1kbのランダムフラグメントを誘 発性発現調節配列と発現可能に結合させる。この方法により、配列または該配列
を含む遺伝子の発現が細胞の増殖または生存に必須であるかの測定が行われるで
あろう。この必須性は、本明細書に記載の種々の条件下で試験できる。
【0054】 標的遺伝子発現を阻害するためのアンチセンスRNAの発現の最適化は、まず
、IPTGおよびテトラサイクリンによりそれぞれ誘発されるpSpac、Te
tRなどの慣用の調節性プロモーターを用いてインビトロで行うことができる。
しかしながら、当該技術分野で知られている他の調節性および誘発性プロモータ
ー、ならびに本明細書で教示している他のプロモーターもまたこの目的に用いて
もよい。インビトロ環境により特異的に誘発されるプロモーター、すなわち、ア
セチル−CoA−アシルトランスフェラーゼプロモーターもまたこの目的に用い
てもよい。
【0055】 最適化の後、慣用技術を用いて、発現ベクターを選択病原体に導入できる。ア
ンチセンスポリヌクレオチド配列構築物を有するベクターの選択病原体への導入
は、アンチセンス発現構築物が誘発されない場合にはインビトロで標的遺伝子の
増殖または発現に影響を及ぼさない。これに対して、アンチセンスポリヌクレオ
チド配列構築物を有するベクターの選択病原体への導入が、アンチセンス発現構
築物がインデューサーにより誘発された場合に病原体増殖、再生産または代謝に
影響を及ぼす場合、遺伝子必須性を測定することができる。この標的は、抗菌性
化合物をスクリーニングするための好ましい標的であろう。
【0056】 該構築物を含む宿主を動物または植物モデルに導入した後、特定のアンチセン
スRNAの誘発された発現が標的遺伝子発現を減少させる場合、この標的は、ま
た、クローニング、次いで、抗菌性化合物スクリーニングの標的となる。感染の
間の様々な時点で感染組織から単離された全mRNAのRT−PCRにより遺伝
子発現のレベルをモニターすることができ、ハウスキーピング遺伝子対照および
生菌数との相互関係を明らかにすることができる。標的mRNAの減少は、疾患
病理を包含する感染進行と相互関係にある。薄い組織切片のルミネッセンスによ
り代謝的に活性な病原体の数の測定が行われ、生菌数により治療薬の開発のため
の遺伝子標的の優先順位付けが行われる。例えば、標的RNAの有意な減少が見
られるが、生菌数に対する影響があまり見られない場合、該遺伝子は、生菌数の
減少がRT−PCR分析により減少した標的RNAと相互関係にある場合ほど魅
力的な標的ではないと考えられる。
【0057】 次いで、本発明の方法に従って同定された遺伝子および遺伝子産物を治療薬お
よび診断薬の設計に用いることができる。例えば、この方法により感染プロセス
において選択病原体に必須であると同定された遺伝子および該遺伝子によりコー
ドされる蛋白質は、この病原体による感染の治療のための治療薬としての利用能
を有する天然または合成化合物のスクリーニングおよび開発のための標的として
の役割を果たす。例えば、かかる遺伝子によりコードされるかかる蛋白質に結合
し、その生物学的活性を阻害する能力を有する化合物は、特定の生物の増殖によ
り引き起こされる疾患または障害を予防する薬物成分として有用である。別法と
して、必須遺伝子の発現を阻害するかまたは減少させる化合物は、また、治療上
有用であると考えられる。
【0058】 慣用的なアッセイおよび技術は、かかる治療のスクリーニングおよび開発に用
いられる。例えば、これらの遺伝子配列によりコードされる蛋白質に特異的に結
合するかまたは該蛋白質を特異的に阻害する化合物を同定する方法は、単に、選
択された蛋白質または遺伝子産物を試験化合物と接触させて試験化合物を該蛋白
質に結合させる工程;および蛋白質と結合する場合にはその結合する試験化合物
の量を測定する工程を包含することができる。かかる方法は、試験化合物および
固体支持体上に固定化した蛋白質のインキュベーションを含んでもよい。他の慣
用的な薬物スクリーニング方法は、適当なコンピュータープログラムを用いて遺
伝子産物またはその一部の構造と類似しているかまたは相補的な構造を有する化
合物を測定し、該蛋白質への競合結合についてこれらの化合物をスクリーニング
することを含むことができる。かかる化合物は、単独で、または、他の有効成分
と組合せて、適当な治療製剤中に配合してもよい。かかる治療組成物および適当
な医薬担体などを製剤化する方法は、当業者によく知られている。 したがって、かかる方法の使用により、本発明は、これらの遺伝子またはその
コード化蛋白質もしくはフラグメントと相互作用し、所望に応じて生物学的活性
を増強または減少させることができる化合物をスクリーニングするための標的を
提供すると考えられる。かかる化合物は、また、本発明に包含される。 本発明の多くの変更および変形は、上記説明に包含され、当業者に明らかであ
ると考えられる。本発明の組成物および製造方法のかかる変更および変形は、特
許請求の範囲の範囲内に包含されると考えられる。
【0059】 本発明は、また、宿主細胞または一群の宿主細胞を、ランダムポリヌクレオチ
ド配列と発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベクターを用いて形質
転換し;該誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞または
宿主細胞群の代謝の変化を検出する工程を含む遺伝子必須性の測定方法を提供す
る。
【0060】 また、宿主細胞または一群の宿主細胞を、ランダムアンチセンスポリヌクレオ
チド配列と発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベクターを用いて形
質転換し;該誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞また
は宿主細胞群の代謝の変化を検出する工程を含む遺伝子必須性の測定方法を提供
する。検出段階は、場合により、該宿主細胞または宿主細胞群の死滅または遅増
殖の形態で代謝の変化を観察することにより行われてもよい。発現の低下が細胞
の代謝を変える配列は、抗菌性化合物スクリーニングに有用な標的候補である。
これを考慮して、これらの配列、およびかかる配列を含む全長遺伝子コード配列
は、当業者によく知られている方法を用いて単離できる。これらの方法としては
、とりわけ、PCR、クローニング、配列決定が挙げられる。
【0061】 アンチセンス転写を駆動するベクターのような本発明の方法に有用なベクター
の構造は、多くの形態を取り得る。例えば、該ベクターは、誘発性プロモーター
またはオペレーターおよび誘発性リプレッサーを含んでもよい。これらの遺伝子
発現調節領域を用いると、アンチセンス転写ユニットの発現レベルを調節できる
。さらに、特に好ましいベクターの実施態様は、挿入DNAフラグメントの各末
端と発現可能に各々結合した2つの誘発性遺伝子調節領域を含む。かかる挿入ベ
クターは、反対方向に転写する2つの誘発性遺伝子調節領域の挿入を行う。2つ
のプロモーターおよび挿入要素を有するこれらのベクターは、また、挿入方向に
関係なくアンチセンス発現を得るのに有用である。本発明の方法においてかる二
重誘発性遺伝子発現調節領域を含むベクターを用いてライブラリー全体をスクリ
ーンできる。例えば、選択病原体由来のゲノムDNAのランダムフラグメントを
2つの誘発性遺伝子発現調節領域の間で発現可能に結合する。誘発性遺伝子発現
調節領域は、各々、異なるインデューサーにより誘発される。次いで、これらの
発現構築物をベクター中にランダムにライゲートさせ、該ベクターを病原体宿主
細胞のプールに導入する。これらの細胞を、第1の誘発性遺伝子調節領域のイン
デューサーを含む第1の培地上、第2の誘発性遺伝子調節領域のインデューサー
を含む第2の培地上、および、いずれのインデューサーも欠いている第3の培地
上で、レプリカ平板培養する。第1および/または第2の培地上では増殖しない
が、第3の培地上で増殖するコロニーは、クローン化ポリヌクレオチド配列のア
ンチセンスポリヌクレオチド配列に相当する必須ポリヌクレオチド配列(例えば
、遺伝子または転写体)を含有する。
【0062】 本発明の方法に用いたベクターとしては、例えば、宿主細胞のゲノム中に安定
に導入されるポリヌクレオチドを包含する、病原体細胞中に導入できるポリヌク
レオチドが挙げられる。細菌宿主細胞について、本発明の好ましいベクターとし
ては、グラム陰性宿主およびグラム陽性宿主の両方において複製することができ
てクローニングおよびライブラリー構築を容易に行うことができるシャトルプラ
スミドが挙げられる。遺伝子発現要素は、好ましい実施態様においてこれらのベ
クター中に工学処理できる。例えば、特に好ましい実施態様は、2つの誘発性遺
伝子調節領域を含む。一のかかる領域をクローン化ポリヌクレオチド配列の各末
端と発現可能に結合させるのが好ましい。2つのプロモーター、特に、2つの誘
発性プロモーターを有するかかるベクターは、挿入方向に関係なくアンチセンス
発現を得るのに有用である。本発明において有用なベクターは、特異的な誘発が
必要とされるまで遺伝子発現をオフに維持するために、アンチセンスポリヌクレ
オチドの上流または下流にライゲートした転写または翻訳ターミネーターを含ん
でもよい。真核ターミネーターおよび原核ターミネーターは、共に、当該技術分
野で知られている。
【0063】 本発明のベクターは、ランダム配列を含有していてもよく、または、該ベクタ
ーを用いてRT−PCRデータなどにより部分的に特徴付けられた配列を導入し
てもよい。この目標にされた方法を用いて、STMおよびRT−PCRなどの遺
伝子必須性分析を行う公知の方法を補足してもよい。この方法により、当業者は
、インビボで限られた数のクローンを試験することができ、これにより、大きさ
の程度によりスクリーンされるライブラリーの複雑さを減少させることができる
。 本発明のインデューサーは、ポリヌクレオチド配列により駆動される、好まし
くは、プロモーターにより駆動される遺伝子発現を誘発することができる化合物
またはEMRであってもよい。本発明の好ましいインデューサーは、化合物また
は電磁線を含む。
【0064】 組換え生産について、宿主細胞を遺伝子工学処理して、発現系もしくはその一
部または本発明のポリヌクレオチドを組込むことができる。ポリヌクレオチドの
宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキ
ストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マ
イクロインジェクト、カチオン脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレ
ーション、形質導入、スクレイプ・ローディング(scrape loading)、バリスチ
ック(ballistic)導入および感染などの、Davis et al., BASIC METHODS IN MO LECULAR BIOLOGY , (1986) および Sambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LAB ORATORY MANUAL , 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Sprin
g Harbor, N.Y. (1989) などの多くの慣用の実験マニュアルに記載されている方
法によって行うことができる。
【0065】 適当な宿主の代表的な例としては、細菌細胞、好ましくは、ストレプトコッカ
ス(streptococci)、スタフィロコッカス(staphylococci)、エンテロコッカ ス(enterococci)、イー・コリ(E. coli)、ストレプトマイセス(streptomyc
es)およびバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)細胞;真菌類細胞、例え ば、酵母細胞およびアスペルギルス(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えば、 ドロソフィラ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞
;動物細胞、例えば、CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、
293およびボーズ(Bowes)黒色腫細胞;および植物細胞などの病原体が挙げ られる。
【0066】 広範囲に及ぶ様々な発現系を用いて本発明のポリヌクレオチドを生産すること
ができる。かかるベクターとしては、とりわけ、染色体ベクター、エピソームベ
クターおよびウイルス由来ベクター、例えば、コスミドおよびファージミドなど
の、細菌プラスミド由来、遺伝要素由来のベクターが挙げられる。該発現系構築
物は、発現を調節し発生させる調節領域を含むことができる。一般に、宿主中で
ポリヌクレオチドを維持、増殖または発現するのに適した、および/または、ポ
リペプチドを発現するのに適した系またはベクターは、これに関する発現に用い
ることができる。適当なDNA配列は、種々のよく知られている慣用技術のいず
れか、例えば、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL( 上掲)に記載されている方法により発現系に挿入できる。
【0067】 他の有用なベクターとしては、例えば、pCU1(グラム陰性−グラム陽性シ
ャトルベクター)、pWM401(グラム陰性−グラム陽性シャトルベクター)
、pHV33(グラム陰性−グラム陽性シャトルベクター)、pHV1431(
グラム陰性−グラム陽性シャトルベクター)、pNZ12(グラム陰性−グラム
陽性シャトルベクター)が挙げられる。好ましいベクターおよび関連文献を表1
に示す。
【0068】
【表1】
【0069】 本発明の方法は、pBluescriptとライゲートすることによりシャト
ルベクター中に作製されたグラム陽性プラスミドと一緒に用いることができる。
当業者は、本明細書および当該技術分野における教示に基づいてかかるベクター
を容易に作製することができるであろう。
【0070】 本発明の方法に有用な誘発性プロモーターは、誘発性プロモーター、例えば、
ドキシサイクリン誘発性プロモーター(Kistner et al., PNAS USA 93: 10933 (
1996) を参照のこと)、エリスロマイシン耐性プロモーター(Ross et al., Gen e 183: 143 (1996) を参照のこと)、マクロライド耐性プロモーター(Shuwsei
et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy 41(3): 530 (1997) を参照の
こと)、または、テトラサイクリン耐性プロモーター(Geissendorfer et al.,
Appl. Microbiol. Biotchnol. 33:657-663 (1990);Gossen et al, Science 268
: 1766 (1995) を参照のこと);IPTG誘発性プロモーター、例えば、pSp
ac;またはインビボ誘発プロモーター、例えば、RT−PCRによるインビト
ロ発現研究により同定されたアセチル−CoA−アシルトランスフェラーゼプロ モーターであってもよい。
【0071】 本発明に有用な終止配列としては、rho依存性終止コドン、スタフィロコッ
カス・アウレウス(S. aureus)およびストレプトコッカス・ニューモニエ(S.
pneumoniae)終止コドン、rho非依存性終止コドンが挙げられる。 本発明は、また、本発明のベクターなどの上記組成物の成分のうちの1種類以
上を充填した、好ましくは堅固な、1個以上の容器を含むパックおよびキットに
関する。 本明細書に記載した各引用文献は、その全体において出典明示により本明細書
の記載とする。本願が優先権を主張するいずれの特許出願もまたその全体におい
て出典明示により本明細書の記載とする。
【0072】 (実施例) 実施例1 アンチセンスRNAの発現は、分子病原を研究するための有用な手段であり得
る。ビルレンス決定因子および必須遺伝子をダウンレギュレートする目的でアン
チセンスRNAを誘発するために、シャトルベクター中でtet調節発現系を構
築した。スタフィロコッカス・アウレウス中で、この調節系は、インビトロで7
0倍のレベルの誘発および非常に強い投与量依存性を示し;テトラサイクリンの
経口投与による誘発と組合せてネズミの血行性腎盂腎炎モデルにおいてインビボ
で機能した。誘発されたアンチセンスRNAが染色体遺伝子発現を妨害するかを
測定するために、α毒素遺伝子(hla)の621bpフラグメントを、アンチ
センス配向でこの誘発性プロモーターの下流にクローン化し、スタフィロコッカ
ス・アウレウスの臨床単離体中に形質導入した。アンチセンスhla RNAは 、スタフィロコッカス・アウレウス中でのhlaの発現を阻害し、対照と比較し
て14分の1に減少することを示した。これらの結果は、スタフィロコッカス・
アウレウス中のtet調節系がインビトロおよびインビボで機能し、誘発された
アンチセンスRNAが染色体遺伝子発現をダウンレギュレートすることができる
ことを示している。
【0073】 実施例2 細菌株およびプラスミド 本発明の方法に有用なある種のプラスミドが表1に挙げられている。スタフィ
ロコッカス・アウレウスRN4220は、スタフィロコッカス・アウレウス83
25−4の化学的突然変異誘発により誘導され、異種DNAを受け入れることが
できる(R.P. Novick, Molecular Biology of the Staphylococci. VCH Publis
hers, New York, NY, 1990, 1-40)。スタフィロコッカス・アウレウスWCUH
29は、ビルレントα毒素生産性臨床単離体である。スタフィロコッカス・アウ
レウス株をトリプシン大豆ブロス(TSB;BBL)またはTSB−寒天培地中
で培養した。プラスミドpYJ90の選択を維持するために、スタフィロコッカ
ス・アウレウスを、エリスロマイシン(Erm 5μg/ml)を含有する培養 培地中で増殖した。エシェリヒア・コリ株を、所望によりクロラムフェニコール
(Cm 20μg/ml)、Erm(300μg/ml)またはアンピシリン( Ap 100μg/ml)を含有していてもよいルリア−バータニ・ブロス(Lur
ia-Bertani broth)(LB)中で増殖した。
【0074】 実施例3 イー・コリ−スタフィロコッカス・アウレウス・シャトルベクターpYJ90
の構築 適当なシャトルベクターを構築するために、プラスミドpUC19(Yanisch-
Perron et al., Gene, 1985, 33:103-119)およびpE194(Horinouchi et a
l., J. Bacteriol., 1982, 150:804-814)をNdeIで消化し、精製し、ライゲ
ートし、エレクトロポレーションによりイー・コリDH5−α中に形質転換した
。形質転換体を、Ap(100μg/ml)およびErm(300μg/ml)
を含有するLB−寒天上で選択した。一の組換え体pYJ90を、従前の記載(
Kraemer et al., Cur. Microbiol., 1990, 21:373-376 and R.P. Novick, Molec
ular Biology of the Staphylococci. VCH Publishers, New York, NY, 1990,
1-40)に従って、制限酵素消化により確認し、スタフィロコッカス・アウレウス
RN4220中へのエレクトロポレーションに付した。形質転換体を、Erm(
5μg/ml)を含有するTSA上で選択した。抗体を欠いている培地中で培養
物を6回培養し、細菌培養物中でプラスミドDNAを分析することによりスタフ
ィロコッカス・アウレウス中のプラスミドpYJ90の安定性を測定した。
【0075】 実施例4 プラスミドpYJ90におけるtet調節系の構築 プラスミドpWH353から、(tetリプレッサーをコードする)tetR
遺伝子、そのプロモーター(PR)、および強いxyl/tetプロモーター− オペレーター融合体(Pxyl/tetO)を含有するClaI−HindIIIフラグ
メントを切りだし、プラスミドpBluescript II KS(カリフォル
ニア州ラ・ジョーラのストラータジーン)中にクローン化した。得られたプラス
ミドpYJ101をEcoRIおよびPstIで消化し、プロモーターを含まな
いcat遺伝子を含有するpYJ82のEcoRI−PstIフラグメントとラ
イゲートし、次いで、転写ターミネーターとライゲートした。この新しい構築物
をpYJ103と命名し、tetR/PR/Pxyl/tetO−cat領域を含有する フラグメントをSalI部位を介してpYJ90中にクローン化した。得られた
プラスミドPYJ335を、制限酵素消化およびDNA配列決定により確認し、
次いで、スタフィロコッカス・アウレウスRN4220中へのエレクトロポレー
ションに付した。形質転換体の1つであるYJSB335を確認し、これを用い
、スタフィロコッカス・アウレウス・ファージφ11を用いてファージ溶解物を
作製した。
【0076】 実施例5 アンチセンスhlaおよびセンスhlaを含有するプラスミドpYJ335の
構築 ヌクレオチド64−83および684−701に各々相当するプライマーhl
aFor64
【化1】 およびhlaRev684
【化2】 を用いてPCR増幅法により621bp hlaフラグメントを得た。太字のヌ クレオチドは、SmaI制限酵素認識部位に相当し、下線を付したヌクレオチド
は、hlaコード配列に相当する(Gray et al., Infect. Immun., 1984, 46:61
5-618)。増幅したhlaフラグメントは、hlaプロモーター領域を含有する 。該PCR産物をSmaIで消化し、pYJ335のxyl/tetOプロモー
ター−オペレーター融合体の下流にライゲートした。得られたプラスミドpYJ
318−7およびpYJ318−16は、各々、アンチセンス配向およびセンス
配向でhlaを含有しており、別々にスタフィロコッカス・アウレウス中へのエ
レクトロポレーションに付した。アンチセンスhlaおよびセンスhlaを各々
含有する形質転換体YJSB318−7およびYJSB318−16を確認し、
これを用いてφ11ファージ溶解物を作製した。
【0077】 実施例6 スタフィロコッカス・アウレウス形質導入 臨床単離体であるWCUH29は、エレクトロポレーションに付すことができ
ないので、ファージ形質導入によりこの株にプラスミドpYJ318−6および
pJY318−16を導入した。ファージφ11を用い、トップ寒天(0.7% 寒天および5mM CaCl2を含有するTSB)において増殖したスタフィロコッ
カス・アウレウスYJSB335、YJSB318−7およびYJSB318−
16を感染することによりファージ溶解物を作製した。ファージ溶解物を孔径0
.45μmのフィルターに各々通過させることにより滅菌し、スタフィロコッカ ス・アウレウスRN4220について力価決定した。37℃で30分間、5×1
9CFUのWCUH29細胞を100μlのファージ溶解物(109−1010
fu)および5mM CaCl2と一緒にインキュベートすることにより形質導入を
行った。氷冷20mMクエン酸ナトリウム1mlを上記混合物に添加してファー
ジ吸着をブロックした。細菌細胞をスピンダウンし、20mMクエン酸ナトリウ
ム500μlに再懸濁した。形質導入体を、500μg/mlのクエン酸ナトリ
ウムおよび5μg/mlのErmを含有するTSB−寒天上で選択し、プラスミ
ドpYJ335、pYJ318−7およびpYJ318−16を各々含有する形
質導入体YJ335、YJ318−7およびYJ318−16を制限酵素消化に
より確認した。
【0078】 実施例7 PCR、RT−PCRおよびDNA配列決定法 hla特異的プライマーを用いてPCRにより621bp hlaフラグメン トを得た。プラスミドpYJ318−7およびpYJ318−16の各々におけ
るアンチセンスhla配向およびセンスhla配向を、ヌクレオチド1399−
1416に相当するプラスミド特異的プライマーtetRFor1399(5' C
AATACATTGTAGGCTGC 3')[配列番号3]およびhla特異的プライマーであるh
laRev684(リバース)およびhlaFor64(フォワード)を用いて
PCRにより確認した。全てのPCRの反応条件は、製造者(メリーランド州コ
ッキーズヴィルのギブコ−ビーアールエル(Gibco-BRL))により供給された緩 衝液中の0.2mM dNTP、2.5mM MgCl2、50ピコモルの各プライマ ー、および2.5UのTaqポリメラーゼであった。アンチセンスhla配向お よびセンスhla配向については、該プライマーは、48℃の同一アニーリング
温度を用いて、各々、tetRFor1399およびhlaFor64、ならび
にtetRFor1394およびhlaRev684であった。RT−PCR分
析については、FastRNA試薬(カリフォルニア州ヴィスタのバイオ101
(BIO101))を用いて感染組織試料から細菌RNAを単離し、無RNas
eDNaseI(テネシー州ナッシュヴィルのジーンハンター・コーポレイショ
ン(GeneHunter Corp.))で処理してDNAを取り出した。製造者(メリーラン
ド州ゲイザースバーグのギブコ−ビーアールエル)により供給された反応緩衝液
中でDnase処理RNAをリバーストランスクリプターゼと一緒にインキュベ
ートすることにより、一本鎖cDNAを合成した。RnaseH処理後、cDN
Aを、tet−cat特異的プライマーであるtetRFor1399およびc
atRev768(5' GGCAGGTTAGTGACATTAG 3')[配列番号4]ならびにhl a遺伝子特異的プライマーであるhlaFor64およびhlaRev684を
用いるPCR用の鋳型として用いた。DNA配列決定を行い、pYJ335にお
けるtet調節要素、ならびに、各々pYJ318−7およびpYJ318−1
6におけるアンチセンスhla配向およびセンスhla配向を確認した。
【0079】 実施例8 CAT比活性アッセイ キネティックSoFTmax PRO IIソフトウェア(カリフォルニア州サ
ニィヴェイルのモレキュラー・デバイシズ・コーポレイション(Molecular Devi
ces Corp.))を用いて、Shaw(W.V. Shaw, Methods Enzymol., 1975, 43:737-7
55)による記載に従って分光測光法によりCAT活性を測定して活性をモニター
した。すなわち、スタフィロコッカス・アウレウスYJ335を37℃でTSB
−Erm中で振盪しつつA600=0.25まで増殖させた。培養物を分割し、該培
養物に種々の投与量(0、2.5、25、250、500、1000ng/ml )のTcを添加した。投与量依存性アッセイについてはTc添加の3時間後、ま
たは、経時的アッセイについてはTc添加の0、1、2、3および4時間後、各
培養物から2mlずつ取り出した。遠心分離により細菌細胞を収穫し、25mM
トリスpH7.8、10mM EDTA(TE)緩衝液で1回洗浄した。0.2m g/mlのリゾスタフィン(lysostaphin)(ミズーリ州セントルイスのシグマ (Sigma))を含有するTE緩衝液200μlに細菌細胞を懸濁し、37℃で1 0分間インキュベートした後、遠心分離に付して粗製蛋白質抽出物を調製した。
バイオ−ラッド(Bio−Rad)蛋白質マイクロアッセイ(カリフォルニア州
ハーキュリーズのバイオ−ラッド・ラボラトリーズ)を用いることにより、全蛋
白質濃度を測定した。CAT比活性は、全蛋白質1mg当たりのCAT活性の単
位数として計算した。実験は、三重反復試験法で少なくとも2回行い、同様の結
果を得た。
【0080】 実施例9 ノーザンブロット分析法 スタフィロコッカス・アウレウスYJ318−7およびYJ318−16を、
Tc(250ng/ml)を用いるかまたは用いずにTSB−Erm中でA600
0.25まで増殖させ、Qiagen RNeasy ミニプロトコールキット( カリフォルニア州チャーツワースのキアジェン・インコーポレイテッド(Qiagen
, Inc.))を用いて全RNAを抽出した。1.2%アガロース、1.8%ホルムア
ルデヒドゲル上で電気泳動に付して該RNAを分離し、次いで、ナイロン膜(イ
ンディアナ州インディアナポリスのベーリンガー・マンハイム・バイオケミカル
ズ(Boehringer Mannheim Biochemicals))上にブロットした。UV Stra talinker(カリフォルニア州ラ・ジョーラのストラータジーン(Strata
gene))を用いてUV照射により、RNAを膜上に架橋結合させた。ブロットを
プレハイブリダイズし、次いで、50℃で6時間、高SDS緩衝液(インディア
ナ州インディアナポリスのベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルズ)中、
DIG標識一本鎖DNAオリゴヌクレオチドでハイブリダイズした。センスhl
a RNA(5'GGCCAGGCTAAACCACTTTTGTTAGCACCTTCTTCGCTATAAACTCTATA 3')[配
列番号5]またはアンチセンスhla RNA(5'TATAGAGTTTATAGCGAAGAAGGTGCT
AACAAAAGTGGTTTAGCCTGGCC 3')[配列番号6]のいずれかに対して特異的な一本
鎖DNAオリゴヌクレオチドを3'テーリングジゴキシゲニン−dUTP(イン ディアナ州インディアナポリスのベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルズ
)により標識し、各々100ピコモルを用いて膜をプローブした。ルミルッセン
スを用いる酵素イムノアッセイ(インディアナ州インディアナポリスのベーリン
ガー・マンハイム・バイオケミカルズ)によりDIG−DNA−RNAハイブリ
ダイゼーションを検出し、X線フィルムに暴露した。
【0081】 実施例10 ウェスタンブロット分析法 細胞外蛋白質の調製について、スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29
、YJ318−7およびYJ318−16の培養物10mlにTcを最終濃度が
250ng/mlになるまで添加し、37℃で8時間振盪しつつインキュベート
した。遠心分離後に上清を回収し、同量のエタノールを含有する試験管に移し、
4℃で一夜インキュベートした。4℃で30分間、15,000×gで遠心分離 することにより細胞外蛋白質を沈殿させた。用いたSDS−PAGEおよびウェ
スタンブロット法は、従前の記載(U.K. Laemmli, Nature, 1970, 227:680-685 )に従って行った。12.5%SDS−PAGEゲルの各レーンに同量の蛋白質 を添加した。慣用のα溶血素および抗ウサギ抗体アルカリホスファターゼコンジ
ュゲートをシグマ(ミズーリ州セントルイス)から入手した。Eagle Ey e−IIソフトウェア(カリフォルニア州ラ・ジョーラのストラータジーン)を
用いてウェスタンブロットをスキャンして蛋白質バンドを定量化した。
【0082】 実施例11 ネズミ血行性腎盂腎炎感染モデル チャールズ・リバー・ラボラトリーズ(Charles River Laboratories)から入
手したCD−1雌性マウス(25g)をインビボ・アッセイに用いた。定常期培
養物1mlからスタフィロコッカス・アウレウスYJ335およびYJ318−
16を収穫し、PBS 1mlで1回洗浄し、A600 0.2まで希釈した。これら
の細菌懸濁液を希釈し、生存CFUの測定のためにTSB−寒天プレート上で平
板培養した。1群当たり3匹のマウスに、ツベルクリン注射器を用いて尾の静脈
に細菌懸濁液0.2mlを静脈注射して約107CFUの細菌を感染させた。感染
の1、2および3日後に、感染したマウスに種々の投与量のTcを0.2mlの 用量で経口投与した。最後のTc導入の2時間後、二酸化炭素の過剰投与により
マウスを屠殺した。腎臓を無菌状態で取り出し、各対を半分に切断し、片方を、
液体窒素中、クリオバイアル中で急速冷凍し、他方を生菌の計数のためにPBS
1ml中でホモジナイズした。次いで、冷凍試料をRT−PCR分析のために 用いた。
【0083】 実施例12 スタフィロコッカス・アウレウスにおけるtet調節系の構築 誘発アンチセンスRNAを用いて内因性染色体遺伝子の発現を阻害するために
、Tn10コード化tet調節要素をスタフィロコッカス・アウレウスにおける
誘発性発現系として用いた。この系は、tetR遺伝子、tetRプロモーター
、および、誘発のレベルをモニターするためのリポーターとしてcat遺伝子の
発現を指向するための強いxyl/tetプロモーター−オペレーター融合体か
らなる(図1)。本明細書の別の箇所に記載したとおり、tet調節要素および
cat遺伝子をイー・コリ−スタフィロコッカス・アウレウスシャトルベクター
pYJ90にクローン化した。得られたプラスミドpYJ335は、選択を行わ
ない複数継代後にスタフィロコッカス・アウレウス中に安定に維持されることが
判明した(データは示さない)。
【0084】 実施例13 Tc用量および誘発時間の確立 スタフィロコッカス・アウレウス中でのtet調節発現系の機能を確認するた
めに、YJ335株におけるCAT比活性を、テトラサイクリンによる誘発の後
にインビトロで測定した。YJ335株におけるcatの発現に対するTcの作
用を長期培養物中で種々の用量のTcと一緒にインキュベートしてから3時間後
に測定した。この実験の結果を図2に示す。テトラサイクリンの不在下、YJ3
35株は、基準値のcat活性を示し、Cm(1μg/ml)を含有するTSB
−寒天プレート上で増殖できなかった。しかしながら、該培養培地にTcを添加
した場合、cat発現を有効に誘発した。最大cat比活性は、250ng/m
lのTc添加の3時間後、10753 Uであり、低用量(25ng/ml)ま たは高用量(500ng/ml)のTcでは、各々、7120 Uおよび932 8 Uであった。これらの結果は、スタフィロコッカス・アウレウスにおいて、 このtet調節発現系が、強い投与量依存性誘発および誘発を伴わない小さい基
準値発現を示すことを示唆している。
【0085】 スタフィロコッカス・アウレウスYJ335株において誘発されたcat発現
の動力学を研究するために、CAT比活性を、250ng/mlのTcを長期培
養物に添加してから0、1、2、3および4時間後に測定した。テトラサイクリ
ンを用いずに増殖した同様の培養物を対照として用いた。1時間後にCAT比活
性の50倍増加が観察され、漸増し、4時間後までに70倍増加したことが判明
した(図3)。対照的に、テトラサイクリンの不在下では、cat比活性は、基
準値の発現を示し、4時間後にわずか約3.7倍増加しただけであった。これら の結果により、このtet調節発現系がスタフィロコッカス・アウレウスにおけ
るxyl/tetプロモーター−オペレーター融合体の下流での遺伝子の発現を
有効に調節することができ、経時的に強い誘発および低い基準値活性が得られる
ことが確認される。
【0086】 実施例14 スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29におけるセンスおよびアンチセ
ンスhla転写体を産生する同種同系株の構築 誘発されたアンチセンスRNAがスタフィロコッカス・アウレウスにおいて有
効に染色体遺伝子の発現をダウンレギュレートすることができるかを測定するた
めに、プロモーター領域を含有するhla遺伝子の621bpフラグメントを、
シャトルベクターpYJ335におけるxyl/tetプロモーター−オペレー
ター融合体の下流のSmaI部位に挿入した(図4)。hla挿入の配向を、プ
ラスミド特異的プライマーtetRFor1399ならびに2つのhla特異的
プライマーhlaFor64およびhlaRev684を用いてPCRにより評
価した。予想どおり、アンチセンス配向でhlaフラグメントを含有する組換え
体だけがプライマーtetRFor1394およびhlaFor64を用いて約
800bpのPCR産生物を産生した;対照的に、センス配向でhlaフラグメ
ントを含有する組換え体だけがプライマーtetRFor1399およびhla
Rev684を用いて約800bpのPCR産生物を産生した(データは示さな
い)。2つの組換え体pYJ318−7およびpYJ318−16は、各々、ア
ンチセンス配向およびセンス配向で621bp hlaフラグメントを含有して おり、別々に、RN4220へのエレクトロポレーションに付した。Erm耐性
により形質転換体を選択し、制限酵素消化を用いてプラスミドを確認した。得ら
れた同種同系株YJSB318−7およびYJSB318−16を用いて、本明
細書の別の箇所に記載したように形質導入のためのファージ溶解物を作製した。
得られた形質導入体を用いて、インビトロおよびインビボでhlaアンチセンス
機能を特徴付けた。
【0087】 実施例15 同種同系スタフィロコッカス・アウレウスYJ318−7およびYJ318−
16株の特徴付け テトラサイクリンによる誘発の後、ノーザンブロット分析法により、センスお
よびアンチセンスhla転写体のインビトロ発現を試験した。250ng/ml
のTcの存在下および不在下で増殖したYJ318−7およびYJ318−16
由来の全RNA 10μgをアガロース−ホルムアルデヒドゲル上で電気泳動に 付し、ナイロン膜上にブロットし、アンチセンスhla RNAおよびセンスh la RNAに対して特異的な異なるDIG標識一本鎖DNAオリゴヌクレオチ ドプローブにハイブリダイズした(図5)。該ブロットにより、Tc誘発後のY
J318−7株由来のRNAが、アンチセンスDNAプローブにハイブリダイズ
したアンチセンスhla RNA転写体を含有することが判明した;対照的に、 Tc誘発を伴わないYJ318−7株由来のRNAは、アンチセンスhla R NA転写体を示さなかった。さらに、Tc誘発を伴ってYJ318−16から調
製されたRNAおよび誘発を伴わずにYJ318−16から調製されたRNAは
、いずれも、アンチセンスRNA転写体を含有しなかった。Tc誘発を伴ってY
J318−16から調製されたRNAだけがセンスhla RNA転写体を含有 した。これらの結果は、アンチセンスRNAがスタフィロコッカス・アウレウス
においてこのtet調節発現系を用いてTcで特異的に誘発され得、誘発を伴わ
ずには検出され得ないことを示している。
【0088】 さらに、誘発されたアンチセンスhla RNAが染色体hla遺伝子の産生 をダウンレギュレートすることができることを確認するために、各培養物の上清
中の細胞外蛋白質を、抗α溶血素抗血清を用いてウェスタンブロット分析法によ
り試験した。Tc誘発YJ318−7上清から弱い反応性が観察された;対照的
に、Tc誘発を伴わないYJ318−7の上清中の細胞外蛋白質は、抗α溶血素
抗体と強く反応した(図6)。Tc誘発を伴った場合と伴わない場合でのYJ3
18−7により産生されたα溶血素の差異は、デンシトメータースキャンニング
を用いてブロットを分析した場合、14倍であった。さらに、Tc誘発を伴うか
または伴わないYJ318−16および野生型WCUH29の上清中のα溶血素
の量に明らかな差異はなかった。これらの結果により、このtet調節発現系を
用いてTcで誘発されたアンチセンスRNAがスタフィロコッカス・アウレウス
における少なくともこの染色体遺伝子の発現を有効に阻害することができるとい
うことが確認された。
【0089】 実施例16 catおよびhla転写のインビボ誘発 インビボにおけるこのtet調節発現系の機能を評価し、実際にTcを用いて
感染の間にアンチセンスRNAを誘発するために、経口Tc誘発後、インビボに
おけるcatおよびhlaの転写をRT−PCRにより測定した。図7に示した
結果は、Tc誘発を伴う感染腎臓から精製したRNAだけが特異的cat産生物
(図7A)および特異的hla産生物(図7B)を産生し;Tc誘発を伴わない
感染腎臓においては特異的RT−PCR産生物が見られなかったことを示してい
る。これらの結果は、tet調節発現系がインビボおよびインビトロで有効に用
いられて、スタフィロコッカス・アウレウスにおけるPxyltetOプロモーター ・オペレーター融合体の下流で遺伝子の発現を調節することができることを示唆
している。
【0090】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 テトラサイクリン誘発性シャトルベクターpYJ90を示す略図
【図2】 CAT活性のテトラサイクリン濃度への依存関係を示すグラフ。
【図3】 スタフィロコッカス・アウレウスにおけるテトラサイクリン誘発
の動力学を示すグラフ。
【図4】 アンチセンスおよびセンス配向でhlaを含むテトラサイクリン
誘発性シャトルベクターの構築物を示す図。
【図5】 センスhlaおよびアンチセンスhla転写のノーザンブロット
分析結果を示す図。
【図6】 テトラサイクリン誘発を用いるかまたは用いずに、WCUH29
株およびその同系遺伝子型株において発現したα溶血素のウェスタンブロット分
析結果を示す図。
【図7】 テトラサイクリンによるインビボ誘発後のcat(A)およびh
la(B)の転写のRT−PCR分析結果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 60/105,161 (32)優先日 平成10年10月21日(1998.10.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP,US (72)発明者 マーティン・ローゼンバーグ アメリカ合衆国19468ペンシルベニア州ロ イヤーズフォード、ミンゴ・ロード241番 (72)発明者 インデュオ・ジ アメリカ合衆国19475ペンシルベニア州ス プリング・シティ、サウス・シーダー・ス トリート245番 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 CA01 DA05 EA04 GA11 HA11 4B063 QA01 QA17 QA18 QA19 QQ06 QQ26 QQ42 QR33 QR59 QR62 QR80 QS25 4B065 AA01X AA26X AA53X AA57X AA72X AB01 BA02 BA03 CA44 CA46

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一群の宿主細胞を、ランダムポリヌクレオチド配列と発現可
    能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベクターを用いて形質転換し;該誘発
    性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞群の代謝の変化を検出
    する工程を含む遺伝子必須性の測定方法。
  2. 【請求項2】 一群の宿主細胞を、ランダムアンチセンスポリヌクレオチド
    配列と発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むベクターを用いて形質転
    換し;該誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞群の代謝
    の変化を検出する工程を含む遺伝子必須性の測定方法。
  3. 【請求項3】 一群の宿主細胞を、ランダムアンチセンスポリヌクレオチド
    配列と発現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むライブラリーを用いて形
    質転換し;該誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞群の
    死滅または遅増殖を検出する工程を含む遺伝子必須性の測定方法。
  4. 【請求項4】 一群の宿主細胞を、ランダム選択ポリヌクレオチド配列と発
    現可能に結合した誘発性遺伝子調節領域を含むライブラリーを用いて形質転換し
    ;該誘発性遺伝子調節領域をインデューサーで誘発し;該宿主細胞群の代謝の変
    化を検出し;特定のポリヌクレオチド配列のコード配列または該選択ポリヌクレ
    オチド配列の相補的配列のコード配列を含む全長遺伝子を単離する工程を含む遺
    伝子必須性の測定方法。
  5. 【請求項5】 形質転換工程において、宿主細胞が(i)ストレプトコッカ
    ス(Streptococcus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ボルデテラ(B ordetella )、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、マイコバクテリウム(
    Mycobacterium)、ナイセリア(Neisseria)、ヘモフィルス(Haemophilus)、 アクチノマイセス(Actinomyces)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、ノ カルジア(Nocardia)、エンテロバクター(Enterobacter)、エルシニア(Yers inia )、フランシセラ(Francisella)、パスツレラ(Pasturella)、モラクセ ラ(Moraxella)、アシネトバクター(Acinetobacter)、エリジペロスリックス
    Erysipelothrix)、ブランハメラ(Branhamella)、アクチノバシラス(Actin obacillus )、ストレプトバシラス(Streptobacillus)、リステリア(Listeria )、カリマトバクテリウム(Calymmatobacterium)、ブルセラ(Brucella)、バ
    シラス(Bacillus)、クロストリジウム(Clostridium)、トレポネーマ(Trepo nema )、エシェリヒア(Escherichia)、サルモネラ(Salmonella)、クレブシ エラ(Klebsiella)、ビブリオ(Vibrio)、プロテウス(Proteus)、エルウィ ニア(Erwinia)、ボレリア(Borrelia)、レプトスピラ(Leptospira)、スピ リルム(Spirillum)、カンピロバクター(Campylobacter)、シゲラ(Shigella )、レジオネラ(Legionella)、シュードモナス(Pseudomonas)、エアロモナ ス(Aeromonas)、リケッチア(Rickettsia)、クラミジア(Chlamydia)、ボレ
    リア(Borrelia)およびマイコプラズマ(Mycoplasma)属のメンバーを包含し(
    これに限定されない)、さらに、ストレプトコッカスA群、ストレプトコッカス
    B群、ストレプトコッカスC群、ストレプトコッカスD群、ストレプトコッカス
    G群、ストレプトコッカス・ニゥモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレ
    プトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・
    アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・フェカー
    リス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・フェシウム(Streptoc occus faecium)、ストレプトコッカス・デュランス(Streptococcus durans) 、ナイセリア・ゴノレエ(Neisseria gonorrheae)、ナイセリア・メニンジティ
    ディス(Neisseria meningitidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphy lococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus
    epidermidis)、コリネバクテリウム・ジフセリエ(Corynebacterium diptheria e )、ガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)、マイコバクテリウ
    ム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・
    ボビス(Mycobacterium bovis)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobac terium ulcerans)、マイコバクテリウム・レプレ(Mycobacterium leprae)、 アクチノマイセス・イスラエリイ(Actinomyces israelii)、リステリア・モノ
    サイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ボルデテラ・ペルツッシス(Bordet ella pertussis)、ボルデテラ・パラペルツッシス(Bordetella parapertussis )、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、エシェリ ヒア・コリ(Escherichia coli)、シゲラ・ディセンテリエ(Shigella dysente riae )、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、ヘモフィ
    ルス・エジプチウス(Haemophilus aegyptius)、ヘモフィルス・パラインフル エンゼ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・デュクレイイ(Haemop hilus ducreyi)、ボルデテラ(Bordetella)、サルモネラ・ティフィ(Salmone lla typhi)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、プ ロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Prote us vulgaris)、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)、クレブシエラ・
    ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、セラチア・マルセッセンス(Serrati a marcessens)、セラチア・リクファシエンス(Serratia liquefaciens)、ビ ブリオ・コレレ(Vibrio cholerae)、シゲラ・ディセンテリエ(Shigella dyse nteriae )、シゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)、シュードモナス・エ
    ルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、フランシセラ・ツラレンシス(Fransc isella tularensis)、ブルセラ・アボルタス(Brucella abortus)、バシラス ・アンスラシス(Bacillus anthracis)、バシラス・セレウス(Bacillus cereu s )、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、ク
    ロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、クロストリジウム・ボツリナ
    ム(Clostridium botulinum)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum )、リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)およびクラミジア・ト ラコマチス(Chlamydia trachomatis)である種または群のメンバーを包含する (これに限定されない)原核生物、(ii)アーケバクター(Archaebacter)を
    包含する(これに限定されない)古細菌、ならびに(iii)原生動物、真菌類
    、サッカロミセス(Saccharomyces)、クルベロミセス(Kluveromyces)または カンジダ(Candida)属のメンバー、およびサッカロミセス・セレビシエ(Sacch aromyces ceriviseae)、クルベロミセス・ラクティス(Kluveromyces lactis
    またはカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である種のメンバーを包含
    する(これに限定されない)単細胞真核生物または線状真核生物からなる群から
    選択される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 誘発性遺伝子調節領域が誘発性プロモーターまたはオペレー
    ターおよび誘発性リプレッサーである請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 選択ポリヌクレオチド配列がアンチセンス配列である請求項
    1記載の方法。
  8. 【請求項8】 選択ポリヌクレオチド配列が(i)ストレプトコッカス、ス
    タフィロコッカス、ボルデテラ、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、ナ
    イセリア、ヘモフィルス、アクチノマイセス、ストレプトマイセス、ノカルジア
    、エンテロバクター、エルシニア、フランシセラ、パスツレラ、モラクセラ、ア
    シネトバクター、エリジペロスリックス、ブランハメラ、アクチノバシラス、ス
    トレプトバシラス、リステリア、カリマトバクテリウム、ブルセラ、バシラス、
    クロストリジウム、トレポネーマ、エシェリヒア、サルモネラ、クレブシエラ、
    ビブリオ、プロテウス、エルウィニア、ボレリア、レプトスピラ、スピリルム、
    カンピロバクター、シゲラ、レジオネラ、シュードモナス、エアロモナス、リケ
    ッチア、クラミジア、ボレリアおよびマイコプラズマ属のメンバーを包含し(こ
    れに限定されない)、さらに、ストレプトコッカスA群、ストレプトコッカスB
    群、ストレプトコッカスC群、ストレプトコッカスD群、ストレプトコッカスG
    群、ストレプトコッカス・ニゥモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、スト
    レプトコッカス・アガラクティエ、ストレプトコッカス・フェカーリス、ストレ
    プトコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・デュランス、ナイセリア・ゴ
    ノレエ、ナイセリア・メニンジティディス、スタフィロコッカス・アウレウス、
    スタフィロコッカス・エピデルミディス、コリネバクテリウム・ジフセリエ、ガ
    ードネレラ・バジナリス、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバク
    テリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコバクテリウム・
    レプレ、アクチノマイセス・イスラエリイ、リステリア・モノサイトゲネス、ボ
    ルデテラ・ペルツッシス、ボルデテラ・パラペルツッシス、ボルデテラ・ブロン
    キセプチカ、エシェリヒア・コリ、シゲラ・ディセンテリエ、ヘモフィルス・イ
    ンフルエンゼ、ヘモフィルス・エジプチウス、ヘモフィルス・パラインフルエン
    ゼ、ヘモフィルス・デュクレイイ、ボルデテラ、サルモネラ・ティフィ、シトロ
    バクター・フロインディイ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス
    、エルシニア・ペスティス、クレブシエラ・ニューモニエ、セラチア・マルセッ
    センス、セラチア・リクファシエンス、ビブリオ・コレレ、シゲラ・ディセンテ
    リエ、シゲラ・フレクスネリ、シュードモナス・エルジノーサ、フランシセラ・
    ツラレンシス、ブルセラ・アボルタス、バシラス・アンスラシス、バシラス・セ
    レウス、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、
    クロストリジウム・ボツリナム、トレポネーマ・パリダム、リケッチア・リケッ
    チイおよびクラミジア・トラコマチスである種または群のメンバーを包含する(
    これに限定されない)原核生物、(ii)アーケバクターを包含する(これに限
    定されない)古細菌、ならびに(iii)原生動物、真菌類、サッカロミセス、
    クルベロミセスまたはカンジダ属のメンバー、およびサッカロミセス・セレビシ
    エ、クルベロミセス・ラクティスまたはカンジダ・アルビカンスである種のメン
    バーを包含する(これに限定されない)単細胞真核生物または線状真核生物から
    なる群から選択される生物由来のものである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 ベクターが、選択ポリヌクレオチド配列の両末端の各々と1
    つずつ発現可能に結合する2つの誘発性遺伝子調節領域を含む請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 インデューサーが化合物または電磁線である請求項1記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 代謝の変化が遅細胞増殖、細胞死または細胞停止である請
    求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 プロモーターが、IPTG、ドキシサイクリン、エリスロ
    マイシン、テトラサイクリンおよび電磁線からなる群から選択されるインデュー
    サーにより誘発可能である請求項6記載の方法。
  13. 【請求項13】 アンチセンス配列が遺伝子発現調節要素の相補的配列を含
    む請求項7記載の方法。
  14. 【請求項14】 遺伝子発現調節要素がプロモーター、エンハンサーおよび
    ターミネーターからなる群から選択される請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 2つの誘発性調節領域の各々が別々のインデューサーによ
    り誘発される請求項9記載の方法。
  16. 【請求項16】 電磁線が紫外線、可視光線、赤色可視光線および緑色可視
    光線からなる群から選択される請求項1記載の方法。
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