JP2002500532A - 聴覚スクリーニング装置とともに使用する使い捨て要素 - Google Patents

聴覚スクリーニング装置とともに使用する使い捨て要素

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JP2002500532A JP55062998A JP55062998A JP2002500532A JP 2002500532 A JP2002500532 A JP 2002500532A JP 55062998 A JP55062998 A JP 55062998A JP 55062998 A JP55062998 A JP 55062998A JP 2002500532 A JP2002500532 A JP 2002500532A
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Abstract

(57)【要約】 子供の聴覚障害をテストするための、聴覚スクリーニング器具とともに使用するイヤホン組立用の使い捨て要素が得られる。イヤホン組立は、外周部を有する裏壁(19)と、子供の耳を受容するための空洞(50)を画定するべく外周部からのびる側壁(13)と、変換器を受容且つ支持するカバ一内のポート(30)とを備えた一般にD字型の再使用可能なカバー(10)、カバーと患者の頭部に固定するための接着剤を2面にコーティングした一般にD字型の使い捨て要素(20)を備えている。カバーは、使い捨て要素を受容するための、再使用可能な本体の外周に沿って設けられた切り欠きを備えていてもよい。使い捨て可能要素の接着側を覆うライナーを使用して、パッケージングの際、および使用前の接着側を汚染から保護している。

Description

【発明の詳細な説明】 聴覚スクリーニング装置とともに使用する使い捨て要素発明の分野 本発明は一般に耳を被覆するイヤホンに関するものであり、特に、聴覚スクリ ーニングテストで使用するための子供用のイヤホンに関するものである。発明の背景 人間の聴覚障害を識別するためのテストの実施が知られている(「聴覚スクリ ーニング」としても知られている)。新生児や子供のような幼い年齢のうちに、 何かしらの聴覚障害があるかどうか調べることが重要且つ有効である。なぜなら 、診断および治療を受ける時期が早いほど、その治療またはインターベンション によって起こり得る問題と、診断された聴覚障害または聴覚損失に関連する費用 とが少なくて済むことがあるためである。 長年にわたり、サウンドインプット(sound input)を耳に入れ、このインプ ットに対する反応を検出する聴覚スクリーニング技術が開発された。反応は、サ ウンドインプットの特性、耳内部の状態、神経連絡、耳の振動伝搬機能に関連す る。この反応を分析して、患者の聴覚を評価することができる。 多くの場合、特に子供の場合において、聴覚スクリーニングは、耳周囲付近に フィットする空洞を備えたイヤホンを使用して行われる。聴覚トーンまたは「カ チッ」という音がイヤホン空洞内に供給され、この聴覚トーンに反応して患者の 耳と神経刺激伝導系から発せられた反応が変換器によって感知される。変換器は 、例えばマイクロフォン、適切な電極、圧電性材料、または、聴覚入力に対する 反応を表わす信号を生成する装置であってよい。次に、これらの信号が処理され 、患者の聴力の分析のために、その結果(所望であれば、検出された信号と同様 に)がモニタまたはその他の観察装置上に表示される。 この方法を利用する上での共通の問題は、空洞の内部または外部での周囲騒音 が刺激または反応信号を妨害し、テストの結果に影響する可能性があることであ る。ほとんどの場合、モニタリング装置は、周囲バックグラウンド騒音を検出 および補正するためのマイクロフォンのような機構を備えている。しかし、空洞 内での騒音の補正は困難である。 Liveraniへの米国特許第4,930,520号は、子供の聴覚をテストするための、無 響の環状バッフル、絶縁フォーム、空洞を画定する、バッフルの片側に接着され た透明で平坦な窓付きプラスチックシート、使い捨てイヤホンを子供の耳周囲の 範囲と結合するための、バッフルのもう片側に施された接着剤コーティングを備 えた使い捨てイヤホンを提供するものである。テストのために、気送管を介して 音響エネルギーを子供の耳へ伝達する変換器とともにこのイヤホンを使用するこ とが可能である。Liverani装置は商用化されており、本発明の譲受人であるNatu れている。 Liverani装置の問題の1つに、イヤホン全体が再使用可能でなく、イヤホン使 用後に廃棄しなければならず、1つの装置を1つの耳にしか使用できない点で多少 費用非効率的であるというものがある。特に、装置の製造および使用には、承認 された一般の臨床実習に従って、使用後は医療廃棄物として廃棄することが必要 とされる。Liveraniイヤホンの別の問題は、その構造をサイズの異なる子供の耳 用に調整することが不可能なことである。その結果、サイズの異なる患者の耳で 許容できるテストパフォーマンスを得るために、異なるサイズのイヤホンを製造 し、これら異なるサイズのイヤホンの在庫を保管する必要性が出てくる。 従って、従来の装置の問題を克服し、さらにイヤホンの空洞内の周囲および外 部騒音をより減少させる点で進歩した改良型のイヤホンが依然として必要である 。発明の目的および概要 従って、本発明の目的は、耐久性のある再使用可能なカバーを備えている点で 向上した費用効率性を有し、また使い捨て要素が、使用に際して耐久性部分に容 易に取付けられ、使用後には容易に除去できる、低コストで小型の使い捨て要素 である、特に子供の聴覚をスクリーニングするためのイヤホン用の使い捨て要素 を提供することである。 別の目的は、異なるサイズの耳でも使用できる使い捨て要素を提供することで ある。 本発明の別の目的は、概して外部騒音に影響されない使い捨て要素およびイヤ ホン組立を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、左耳または右耳のテストに使用するために左耳カ バーまたは右耳カバーの両方に使用できる、互換性を持った使い捨て要素を提供 することである。 本発明は、子供の音響信号を測定するために有効な、使い捨てイヤホン組立用 の使い捨て要素を幅広く示唆している。使い捨て要素はある厚さを持ち、この厚 さの各側に接着剤をコーティングしてあるため、使い捨て要素の片側がカバーに 接着し、別の側が患者の耳周囲の皮膚に対して押圧され接触する。このように組 立てられているため、イヤホン組立は患者の頭部の耳周辺で固定され、周囲環境 から耳を音響的に隔絶するチャンバを形成する。 好ましい実施例においてこのカバーは、聴覚スクリーニングテストを行うため に変換器を挿入するポートを備えている。これにより、より優れた耐久性の変換 器を使用することができる。より優れた耐久性の変換器は、カバーよりも耐久性 があってよく、使用後にきれいに洗浄するだけでよい。 聴覚スクリーニングテストが終了したら、患者からイヤホン組立を除去し、カ バーから使い捨て要素を剥して破棄し、ポートから変換器を取除き、再使用可能 な耐久性のあるカバーを、次に使用する時のために洗浄および/または滅菌する ことができる。 使い捨て要素は予め、カバーの外周に関連して環状形に形成されており、使い 捨て要素の側部には予め接着剤がコーティングされており、使用前はこの接着剤 は除去可能なライナーで覆われている。 好ましい実施例において、カバーは空洞と、使い捨て要素が接着されるフラン ジとを備えている。空洞は、イヤホン組立が本来の場所にある際に耳を超えての びている、一般に平坦な面を提供する。しかし、このカバーは、患者の耳周囲の 頭部の形状とおおまかに合致するように作られている。よく知られているように 、耳周囲の範囲は平坦ではない。むしろ、この範囲は3次元的に湾曲している。 従って、カバーと、特にフランジは、このような表面に合致する形状を有してい る。例えばカバーは、折畳んだ縁を持つ比較的平坦な本体を備えていると表現す ることができる。より詳細には、カバーは対角線に沿って「折曲げ」られている ため、この折曲げは実際に半径を有し、それによりカバーが頭部にフィットする 。また、患者によりフィットさせるための適切な折曲げを備えた、左耳用カバー と右耳用カバーを個別に設けることがさらに好ましい。 変換器を受容するポートは、カバーと一体的に設けられていることが好ましい 。さらにポートは、変換器を非回転関係において支持する、または少なくとも変 換器と係合する突出構造を備えていることが好ましい。 さらに、出願者が発見したように、カバー、概してD字型の関連する使い捨て 要素を提供し、「D」の直線側が平坦であり、概して垂直軸と関連し、また「D」 の湾曲部分が、垂直軸の両端部間の水平軸中間点周囲で基本的に対称である改良 型のカバーを得ることができる。この実施例において、カバーは、D字型の鋭角 部から、はすかいの「D」の丸い角部までのびている対角線周囲で「折曲がって 」いる。この折曲げ構造によって、その垂直軸周囲で概して対称であるLiverani 装置のものと比べて空洞がより小さいD字型を使用することができるので、患者 の頭部へのより優れたフィット感が得られる。これにより、聴覚スクリーニング のための向上した気密関係において、耳周囲に密接にフィットする無騒音チャン バが容易に得られる。図面の簡単な説明 本発明のさらなる特徴、性質、そして様々な利点は添付の図面と、以下に示す 発明の詳細な説明からより明白になる。この図面と詳細な説明において、同様の 要素は同様の参照番号で示している。 第1図は、本発明の好ましい実施例による左耳用のイヤホン組立を示す組立立 面斜視図である。 第2図は、第1図の左耳カバーと鏡像関係にある右耳カバーを示す底部立面斜視 図である。 第3図は、第2図のカバーの底部平面図である。 第4図は、第2図のカバーの平面図である。 第5図は、第4図の線5-5に沿って切った側面図である。 第6図は、第4図の線9-9に沿って切った端面図である。 第7図は、第4図の線7-7に沿って切った側面図である。 第8図は、第4図の線8-8に沿って切った端面図である。 第9図は、第1図の使い捨て要素の好ましい実施例を示す平面図である。 第10図は、第9図の線11-11に沿って切った断面図である。 第11図は、本発明の別の実施例による第1図の使い捨て要素の平面図である。 第12図は、第11図の線13-13に沿って切った断面図である。図面の詳細な説明 第1図を参照すると、本発明による左耳用イヤホン組立3は、カバー10、使い捨 て要素20を備えている。カバー10は耐久性があって再使用可能な要素であり、通 常の耳の形を壊すことなく耳をカバーする空洞50を設けている。一般にこの使い 捨て要素20は、片側をカバー10上に、もう片方を患者の頭部に取付ける形の平坦 要素である。従って、使い捨て要素20は、患者の耳をカバーし受容する空洞50の 深さを効果的に増加させる。図示してはいないが、本発明による右耳用イヤホン のカバーは、図にある左耳用イヤホンと鏡像関係にある。 第1図〜第8図を参照すると、カバー10は近接端部6と末端部8を備えており、一 般的にD字型をしている。しかし、カバー10の形状は、使用中に患者の耳を適切 に被覆できるD字型のように非対称形であれば、例えば円形、楕円形、台形等ど んなものでもよい。カバー10は裏壁19を備えており、この裏壁19の外周が側壁13 と結合して空洞50を形成する。またカバー10はフランジ35と、フランジに設けら れた切り欠き31とを備えている。フランジ35は側壁13と接続し、その外周にかけ て延びている。 第2図、第5図〜第8図に示すように、ある実施例ではフランジ35は、一般に患 者の耳周辺の頭部にぴったりとフィットして快適さを得られるように、内側に向 かって傾斜している。フランジ35は側壁13から外側に向かって延びていてもよい 。また、フランジが側壁13をまたいでいてもよい。 切り欠き31がフランジ35の外周に沿って配置されているため、以下に述べるよ うにカバーから使い捨て要素20を容易に取外すことができる。切り欠き31は、例 えば末端部8(第2図に示す)または末端部8と近接端部6(図示せず)との中間、 またはフランジ35のどこかに配置することができる。ある実施例において、切り 欠き31は半径を有する指先形状をしている。しかしながら切り欠きは、使用者が 事前に装着された使い捨て要素20を掴むことができる適切な形であれば、例えば V字型、楕円形、長方形といったあらゆる形であってよい。 また別の実施例では、側壁13の厚さが十分にある場合にはフランジを省くこと もできるということを理解すべきである。 カバー10は、外部の空気よりも高い音響インピーダンスを持つ実質的に硬質な 材料から成ることが好ましい。結果として、外部の音響サウンドがカバー10の外 側で偏向され、十分に、また大部分が聴覚スクリーニングの周囲および外部雑音 のない状態で空洞50から離れる。適切な材料はゴム、エラストマ、金属、プラス チックである。 カバー10は、射出成形、液体樹脂注形、または従来からよく知られているその 他の方法で形成される。またカバー10を、(例えば注形、スタンピング、鋳造で )一体型の部品として、または(エポキシ樹脂による接着、接着剤による接着、 溶接で)数個の部品を相互に固定した組立として形成することもできる。 稼動中に適切な位置決めがされているかどうかを使用者が容易に確認すること ができるように、また患者の耳を周囲騒音から保護するために、少なくとも裏壁 19が例えばポリプロピレン、ポリカーボネートといった一般に透明な材料から成 っていることが好ましい。 上述したカバー10の材料と製造工程により、カバー10を洗浄、滅菌することが 可能であるために都合がよい。ポリカーボネートのように使用する材料によって は、カバー10を高圧消毒器で消毒することもできる。さらに都合のよいことに、 カバー10は毎回の聴覚スクリーニング処置で使用した後に何度でも再滅菌、再使 用ができるので、イヤホン組立3の費用効率が向上する。 第4図〜第8図に示すように、折畳みまたは折曲げ部分29は、第4図の線Aに関連 する左上部分への範囲であり、また、フランジを含むカバーを頭部に合致させ るために必要な折曲げ角度については、参照図面の別の図において示している。 折曲げ部分の角度は約10°である。この折曲げは、カバー10を最初から折曲げた 形に形成したものであって、カバー10を変形させたものではない。しかし、この 後者の変形は起こり得るものである。 次に第2図〜第7図を参照すると、ポート30は1塊の材料を含んでおり、この材 料は、これを貫通して側壁13へと開口した開口部39を備えている。さらにポート 30はU字型の突起部分26、間にレセプタクルまたは溝32を画定する2つの傾斜した 突起部分32Aを備えている。溝32は、後に説明するように、使い捨て要素20をフ ランジ35上の重積部分に正確に配置するために使用される。溝32はポート30の1 部である必要はないが、使用に便利なフランジ35上のどこか、またはフランジ35 付近に配置できることを理解すべきである。 稼動中、ポート30が、1部が開口部39を通って空洞50へと入る変換器(図示せず )を受容する。変換器50は、開口部39の内部への気密な摩擦フィットを得るため に、硬質の円柱を備えていてもよい。適切な変換器は、カリフォルニア州サンカ ルロスにある、本発明の譲受人であるNatus Medical Incorporatedから市販され ているAcoustic Transducer Assembly,部品番号040176として知られている製品 である。この製品は、同社から市販されている型番ALGO 1ETM、ALGO 2TMの聴覚 スクリーニング器具とともに使用する。開口部39の形状は、変換器にしっかりと 堅固に、また脱着可能に結合するものであればどんなものでも構わない。変換器 は本発明を形成するものではないが、開口部39の長さは、開口部39に挿入される 変換器の長さよりも長いと考えられる。これにより、変換器と患者の耳、特に耳 朶とが接触する可能性が最小限になる。 U字型の突起部分26は開口部39に近接しており、変換器と係合するために、ま た、例えば患者が動くことによって起こる変換器の使用時の回転を最小限にする ためにポート30から突出している。U字型突起部分26、フランジ、複数のフラン ジ、またはピンと穴の組立、またはカバー10に対する回転を最小限にするための 、変換器と係合するその他の従来装置を使用できることを理解すべきである。 次に第1図、第9図〜第10図を参照すると、使い捨て要素20は、第1側部36と第2 速部40、外周部42、内周部37Aを備えた環状またはリング状の構造をしている。 各周部はD字型であることが好ましい。しかし、使い捨て要素20は、一方で患者 の耳が内周部37Aを貫通し、他方でイヤホン組立3を患者に固定するべくカバー10 のフランジ35を固定できるものであればどんな形状でも構わない。 また使い捨て要素20は、その頂部と底部にV字型の突起部分37を備えているこ とが好ましい。この突起部分37は、後に説明するように、使い捨て要素20をカバ ー10に対して正確な位置に調節するために使用される。突起部分37は、フランジ 35を正しい関係において重積するために、使い捨て要素20の位置を溝32のような 参照点に対して画定するのである。 好ましい実施例において、第1側部36、第2側部40はそれぞれ接着面51、53を備 えている(第10図参照)。この接着剤を支持材料55上にコーティングしても、ま たはこれに浸潤させてよいし、または支持材料を両面接着テープで覆ってもよい 。接着剤は、使い捨て要素20の片側をフランジ35に固定するために使用する。使 い捨て要素20のもう片側は、接着剤によって頭部に固定される。使い捨て要素20 がフランジ35と実質的に同じ形状であり、使い捨て要素20がフランジ35を完全に 覆うことが好ましい。ある実施例では、使い捨て要素20はフランジ35の全体にか けて重なり、フランジ35の大きさを超えて内側に向かって延びている。1端にお いて、V字型突起部分37の1つが露出した形で切り欠き31にかけて延び、もう1端 において、V字型突起部分37のもう1つが溝32と係合する。さらに、露出した突起 部分37によって、使い捨て要素20をカバー10から容易にはがして除去することが 可能になる。 使い捨て要素20で使用する接着剤は、従来からよく知られているような、医療 用として承認された粘着剤であることが好ましい。この接着剤は、聴覚スクリー ニングのために、少なくとも患者の頭部に付着できる十分な強さを持ち、気密性 密閉を作り出すことができ、同時に、患者に痛みを与えることなく使い捨て要素 20を患者の頭部から容易に除去できるように十分に弱いものを選ぶ。さらに、接 着剤は、使い捨て要素20とカバー10の間に気密性密閉を作り出せる程強く、また 使い捨て要素をカバーから容易に除去できるものである必要がある。適当な接着 剤は、Promeonから販売されている#63Bの接着剤製品のようなヒドロゲル、また 例えば、ミネソタ州セントポールにある3M Health Careから市販されている製品 番号1522、9874、1524、9879のような医療用の両面テープやトランスファ接着剤 といったアクリル性(アクリル酸塩)接着剤である。これらのテープは透明のポ リエチレンコーティングを施したフィルムであるか、またはポリエステル繊維ベ ースのテープである。これらのテープは一般に、片面をシリコン処理を施したKr aft-Glassine紙製ライナーで覆った形で販売されている。従って、接着剤でコー ティングした支持材料を構成するために、接着剤が、完全なライナーによって支 持材料55のシートの両側に付加されている。次に、ずっと後で述べているように 、このような接着剤のコーティングを施したシートから使い捨て要素20が形成さ れる。 ある実施例では、使い捨て要素20は、水平軸周囲で対称的に形成されており、 完全な互換性を持つ。このため、使い捨て要素20を右耳または左耳用として選択 的に使用することができ、また、接着剤でコーティングした側部(36、40)のど ちらをフランジ35と接触させるか、またはどちらの端部44、46をカバー10の末端 部6に持っていくかを区別することなく、使い捨て要素20をカバー10上に配置す ることができる。この場合、側部36と40、端部44と46は互いに左右対象であり、 同様のタイプ、品質であり、各側部に同様の接着力特性を備えている。従って、 どの側部もカバー10(または頭部)に接着することが可能であり、提示された使 い捨て要素は左耳用カバーと右耳用カバーのどちらの位置にも使用することがで きる。 別の実施例では、患者の頭部と接触する側にヒドロゲル接着剤を使用し、カバ ー10と接触する側にアクリル性接着剤を使用している。この場合、使い捨て要素 の第1側部36、第2側部40上に施された異なる接着剤の強度、品質等が違うため、 使い捨て要素20は完全な互換性を持たない。この実施例では、1側部、すなわち ヒドロゲル接着剤を施した側が、患者の頭部との接着に使用されることが好まし い。これは、ヒドロゲルは細胞と適切に接着するが、患者からの除去がアクリル 性接着剤よりも容易であるためである。それにもかかわらず、この実施例におい てさえ、使い捨て要素20は、水平軸周囲でのその対称性により、両端部44、46周 囲で互換性を持つ。そのため、同じ使い捨て要素20を左耳用カバーと右耳用カバ ーとに使用することができ、アクリル性接着剤を施した側がカバー20と結合する べく配置される。 使い捨て要素20の互換性により、製造して在庫保持しなければならない構成部 品の数が減り、これによって製造および使用者の負担となる費用効率が減少する ので特に有益である。さらに、非対称のD字型を使用することで空洞50の改良さ れた形状が得られ、このため、使い捨て要素20が左耳と右耳での互換性を有する 。これは、従来技術のLiverani構造のより大きな空洞と比べて、音響分離の改良 を示す。 使い捨て要素20は、弾性の連続気泡フォームである支持材料55から成っている ことが好ましく、ここで、フォームの連続気泡構造によって形成された通路が蛇 行しているために、フォームの1端から他端に自由に移動する空気を遮断するこ とができる。2つの側部にコーティングした接着剤により、空気不浸透性が増加 する。また、連続気泡フォームは弾性であるため、患者の頭部に穏やかにフィッ トするので快適である。従って、好ましい実施例において、使い捨て要素20は環 状のフォームクッションである。連続気泡フォームは、例えばポリ塩化ビニル( PVC)フォーム等、従来技術のあらゆるフォームであってよい。 空気を通さない独立気泡フォームも支持材料55として採用することができる。 適当な独立気泡フォームはポリエチレンフォームである。 従って、発泡させた支持材料55を使用することで、使い捨て要素20を通過する ことができる周囲騒音の量が最小限に抑えられる。 第1図を参照すると、2つのライナー38が示されており、この各々のライナーの 、使い捨て要素20の1対の突起部分37と関連した対向する端部に1対のタブ34が設 けられている。しかしながら、各ライナー38には、1つ、または2つ以上といった 任意の数のタブを設けることができる。各ライナー38は、使い捨て要素20の側部 の形と一致するD字型であることが好ましいが、使い捨て要素20の接着面51また は53を覆う形であればどんなものでも構わない。 使用前のパッケージされた状態において、第1ライナー38が使い捨て要素20の 接着剤で覆われた側を被覆し、第2ライナー38が使い捨て要素20のもう一方の側 を被覆している。ライナー38は、使用前の使い捨て要素20を汚染から十分に保護 する目的で設けられている。また、ライナー38は接着剤の粘着性や強度を損失す る可能性を減少させる。ライナー38は、使い捨て要素20の突起部分37を内側に押 し、タブ34をその下の使い捨て要素20の接着剤から分離させることで、側部36、 40から容易に除去することができる。また、使用者はタブ34を引戻すことにより 各ライナー38を剥すことができる。ライナーは、Tyvek(タイベック)、マイラ ーといった不織布、または、Kraft-Glassine紙といった従来タイプの剥離紙であ ってよい。この剥離紙にはシリコン処理が施されていることが好ましい。価格の 低さや、処理の容易さからして、ライナー38は剥離紙であることが好ましい。第 1、第2ライナー38は、構造が全く同一であることが好ましく、また、支持材料55 の両側に両面接着テープまたはトランスファ接着剤を施した市販のライナーであ ることが好ましい。またライナー38は、スプリットライナーであってもよく、こ れは、「クラック・アンド・ピール」ライナーのように、線に沿って切ると2つの 別々のライナーになる。 次に第2図、第3図、第4図を参照すると、ポート30の溝32は、好ましくはフラ ンジ35に対して押圧する側のライナー38を除去した後に、使い捨て要素20の突起 部分37の1つを受容するように設計されている。これは、使い捨て要素20とフラ ンジ35を容易に整列させるためのものである。突起部分37は溝32よりもやや小さ いため、整列の際に突起部分37の挿入、取出しが容易に行える。溝32と突起部分 37はどんな形状でも構わないが、相補的な(つまり、雄雌の対)形状であること が好ましい。好ましい実施例において、溝32と突起部分37は両方とも概してV字 型であり、片方が雌のV字型、もう片方が雄のV字型である。 使い捨て要素20を形成するには、1枚のフォームのような支持材料55の両側を 接着剤でコーティングし、コーティング処理の最中または後に、この側部をライ ナー紙で覆う。次に、使い捨て要素を得るべく、ライナー紙を付着したフォーム シートを処理する。例えば、一般に使い捨て要素20は平台または「クッキーシー ト」技術を使って製造され、使い捨て要素の大まかな形を切断するカッターを使 って、ライナー紙を付着した材料のフォームシートをダイカットする。これは従 来の技術である。製造向けに、使い捨て要素20は、例えば1/16インチ〜1/2イン チ、好ましくは1/4インチといった薄さに作られる。これにより、速度の遅い従 来の平台または「クリッカープレス」技術よりも速く、より経済的である高速回 転ダイカッティングを使用することができ有益である。 さらに、第11図、第12図に示すように、「ダブル」のダイカット設計を使用し て、2つの重合した平坦環状シート71、72を備えた使い捨て要素を得ることもで きる。環状シート71は環状シート72の外側に配置されているため、シート71(露 出している場合)によって画定されている使い捨て要素20の内部開口は、シート 72によって画定されている内部開口よりも大きい。シート72は除去可能であるた めにシート71が所定の場所に残り、これにより、より大きな耳に合わせてイヤホ ン組立3を調整することができる。複数のシートと複数のサイズの開口を提供す る複数のダイカットを使用することもできる。 使い捨て要素20に1つ以上のダイカットを使用することで、サイズの異なる耳 用のサイズの異なる使い捨て要素20の在庫保持を保持する必要性が最小限に抑え られ、製造効率が増加するので有益である。ダイカットは使い捨て要素20全体を 清潔に切断することができるため、またはシートにミシン目を入れることができ るので、環状シート71、72を分離した際にフォームが軽く引裂けることに注意す ること。 イヤホン組立3は以下の通りに組立てる。使い捨て要素20の片側からライナー3 7を除去する。これにより、使い捨て要素20の片側の接着剤が露呈する。清潔お よび/または滅菌した、耐久性を有する再使用可能なカバー10が得られる。使い 捨て要素の溝32と突起部分37とを整列させ、接着剤をフランジ35に押圧すること により、使い捨て要素をカバー10のフランジ35に固定する。位置決めが終わった ら、使い捨て要素20から残りのライナーを除去する。これにより、使い捨て要素 の患者の頭部と係合する側が露呈する。次に(または最初に)、変換器(図示せ ず)を開口部39に挿入する。続いて、乳様突起が折曲げ範囲29によって覆われる ように、カバー10と使い捨て要素20を患者の耳周囲に配置する。使い捨て要素20 とカバー10の組合せを、耳を包囲する周囲騒音遮断空洞50を形成し、外部雑音の ない状態で変換器と十分に結合できるように、患者の頭部に対して押圧する。 さらに、ポート30を、図示した場所とは違う、例えば裏壁19のような場所に配 置することもできる。また、空洞50内に直接開口するように、ポートを使い捨て 要素20内に配置してもよい。これにより、使い捨て要素20内に挿入された変換 器の1部分が、周囲騒音の空洞50内への侵入を最小限にする良好な密閉を提供す る。 本発明は従来の聴覚スクリーニング器具とともに使用できる点を評価すべきで ある。例えばこの器具は、音響(otacoustic)放出ベースの装置と同様に、Natu s Medicalより市販されている型番ALGO IETM、ALGO 2TMの聴覚スクリーニング器 具である。 本発明は従来技術と比較して、製造が容易であること、費用効率的であること 等のいくつかの利点を有し、これにより、カバーが再使用可能であり、従来の装 置と比べて使用する使い捨て材料が少なく、イヤホン組立を異なるサイズの耳に 調整することができる。さらに、本発明のイヤホンは構造が単純であり、軽量で 、子供でも安全に使用できる。 本発明を、限定ではなく例示を目的として示した発明の好ましい実施例の点か ら見て説明した。開示の利点を踏まえた上で、当業者には発明の範囲内での変更 、応用、特性が考えられるであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 聴覚スクリーニング用のイヤホンシステムとともに使用する使い捨て要素で あって、 第1側部と第2側部とを備えた支持材料の環状シートを有し、前記第1および第2 側部の各々がその上に接着剤を有し、 前記第1および第2側部上の前記接着剤上に取付けられた第1ライナーと第2ライ ナーをさらに有し、前記第1、第2ライナーが除去可能であることを特徴とする要 素。 2. 前記各ライナーと、前記第1および第2側部の少なくとも1つとが、一般にD字 型である外周部をさらに有することを特徴とする請求の範囲1に記載の要素。 3. 前記第1および第2ライナーの少なくとも1つが、剥離紙をさらに有すること を特徴とする請求の範囲1に記載の要素。 4. 前記支持材料の環状シートが無圧状態において平坦であり、前記使い捨て要 素が平面周囲で対称的であり、互換性を有するために右耳と左耳周囲にフィット することを特徴とする請求の範囲1に記載の要素。 5. 前記第1、第2側部上の接着剤がさらに同じ接着剤であることを特徴とする請 求の範囲1に記載の要素。 6. 前記第1および第2側部の少なくとも1つの側部上の接着剤がさらにヒドロゲ ルであることを特徴とする請求の範囲1に記載の要素。 7. 前記支持材料の環状シートがさらに、弾性のフォーム材料であることを特徴 とする請求の範囲1に記載の要素。 8. 前記弾性フォーム材料がさらに、連続気泡フォームであることを特徴とする 請求の範囲7に記載の要素。 9. 前記弾性フォーム材料がさらに、PVCフォームであることを特徴とする請求 の範囲8に記載の要素。 10. 前記使い捨て要素がさらに、約1/4インチの厚さを有することを特徴とす る請求の範囲8に記載の要素。 11. 前記弾性フォーム材料がさらに、独立気泡フォームであることを特徴とす る請求の範囲7に記載の要素。 12. 前記弾性フォーム材料がさらに、ポリエチレンであることを特徴とする請 求の範囲11に記載の要素。 13. 前記支持材料の環状シートがさらに、第1範囲を画定する第1環状シートと 、第2範囲を画定する第2環状シートとを有し、前記少なくとも第1および第2環状 シートが共面であり、前記第2環状シートが前記第1環状シートを取囲み、 前記第1環状シートが前記第2環状シートから個別に除去可能であることを特徴 とする請求の範囲1に記載の要素。 14. 縁表面と、前記縁表面から突出した第1調整突起部分とをさらに有するこ とを特徴とする請求の範囲1に記載の要素。 15. 前記縁からのびる第2調整突起部分をさらに有し、 前記第1および第2調整突起部分が、前記要素の第1、第2側部の参照点に対する 位置を画定することを特徴とする請求の範囲14に記載の要素。 16. 前記環状シートが非対称な形状を有し、前記第1、第2調整突起部分が、前 記使い捨て要素の左右(handedness)互換性の軸からなることを特徴とする請求 の範囲15に記載の要素。 17. 前記第2側上の接着剤が、前記第1側に接着した第1両面コーティング接着 テープをさらに有することを特徴とする請求の範囲1に記載の要素。 18. 前記第2側上の接着剤が、前記第2側に接着した第2両面コーティング接着 テープをさらに有することを特徴とする請求の範囲16に記載の要素。 19. 聴覚スクリーニングで使用するイヤホン用の調整可能な使い捨て要素であ って、第1範囲を画定する第1環状シートと、第2範囲を画定する第2環状シートと を有し、前記第1および第2環状シートが共面であり、前記第2環状シートが前記 第1シートを取囲み、 前記第1環状シートが第2環状シートから個別に分離可能であることを特徴とす る調整可能な使い捨て要素。 20. 前記第1、第2環状シートよりも大きく、前記第1、第2環状シートと共面で ある第3範囲を画定する第3環状シートをさらに有し、 前記第1、第2環状シートが前記第3環状シートから分離可能であることを特徴 とする請求の範囲19に記載の調整可能な使い捨て要素。 21. 前記第1、第2環状シートを分離するためのダイカットをさらに有すること を特徴とする請求の範囲19に記載の調整可能な使い捨て要素。 22. 前記第2環状シートが概してD字型を有することを特徴とする請求の範囲19 に記載の調整可能な使い捨て要素。 23. 前記第1環状シートが概してD字型を有することを特徴とする請求の範囲19 に記載の調整可能な使い捨て要素。 24. 前記第2環状シートがさらに、縁と、前記縁から突出した第1調整突起部分 とを有することを特徴とする請求の範囲19に記載の調整可能な使い捨て要素。 25. 前記第2環状シートがさらに、非対称な形状と、前記縁から突出した第2調 整突起部分とを有し、 前記第1、第2調整突起部分が前記第2環状シートの参照点に対する位置を画定 することを特徴とする請求の範囲24に記載の調整可能な使い捨て要素。 26. 前記第1、第2調整突起部分が、前記要素の左右(handedness)互換性の軸 を画定することを特徴とする請求の範囲25に記載の調整可能な使い捨て要素。 27. 第1側部、第2側部、第3側部、前記第1側上の第1接着層、前記第2側上の第 2接着層をさらに有することを特徴とする請求の範囲19に記載の調整可能な使い 捨て要素。 28. 前記第1接着層がさらに、前記第1側に接着した第1両面接着テープを有し 、前記第2接着層がさらに、前記第2側に接着した両面接着テープを有することを 特徴とする請求の範囲27に記載の調整可能な使い捨て要素。 29. 前記第1および第2両面接着テープを実質的に分離するダイカットをさらに 有することを特徴とする請求の範囲28に記載の調整可能な使い捨て要素。 30. 前記第1および第2接着層がさらに、ヒドロゲル接着剤を有することを特徴 とする請求の範囲28に記載の調整可能な使い捨て要素。
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