JP2002371247A - 粉体塗料組成物 - Google Patents

粉体塗料組成物

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JP2002371247A
JP2002371247A JP2001182835A JP2001182835A JP2002371247A JP 2002371247 A JP2002371247 A JP 2002371247A JP 2001182835 A JP2001182835 A JP 2001182835A JP 2001182835 A JP2001182835 A JP 2001182835A JP 2002371247 A JP2002371247 A JP 2002371247A
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oxazoline
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JP2001182835A
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Sukehisa Asami
祐寿 浅見
Masamichi Ishitani
正道 石谷
Yasusato Minato
康学 湊
Tetsuo Kajino
哲郎 楫野
Masahiko Harada
雅彦 原田
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化剤としてβ−ヒドロキシアルキルアミド
を使用した場合において、低温硬化性、及び、得られる
塗膜の性能、特に耐水性に優れた塗膜を得ることができ
る粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】 メチロール化及び/若しくはエーテル化
されたメラミン樹脂並びに/又はベンゾグアナミン樹脂
で変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)、式(1)
で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤
(B)、並びに、カルボジイミド基含有化合物及び/又
はオキサゾリン基含有化合物(C)を含有する粉体塗料
組成物。 【化1】 (式中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、メ
チル基又はエチル基、R は、同一若しくは異なって、
水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はHOCH(R
)CH−、Aは、2価の炭化水素基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温硬化性、及
び、得られる塗膜の性能、特に耐水性に優れた塗膜を得
ることができる粉体塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料として、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂等をメインバインダーとし、
必要により多価カルボン酸、ブロックイソシアネート等
の硬化剤を配合しているものが広く知られており、これ
らは、家電、自動車、建材等の多くの分野で使用されて
いる。その中で、熱硬化性樹脂組成物を主体とする粉体
塗料組成物は、一定温度以上、通常は180℃以上の高
温での焼付条件が必要とされている。ところが、このよ
うな高温焼付は、多量のエネルギーを必要とし、かつ揮
発性成分が多く発生することから、環境上あまり好まし
くない。
【0003】特開平2−3458号公報には、カルボキ
シル基含有ポリエステル樹脂とβ−ヒドロキシアルキル
アミド硬化剤を用いる粉体塗料組成物が提案されてい
る。このβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤は、焼付
時にポリエステル樹脂中のカルボキシル基との反応を目
して配合されるものであるが、この反応についてはある
程度の高温でなければ進行せず、150℃程度の焼付温
度では硬化性に劣るものであり、焼付硬化させて得られ
る塗膜中にカルボキシル基が残存する結果、得られる塗
膜の耐水性の低下、特に、一般的に用いられるリン酸亜
鉛処理鋼板上での耐水試験後の密着性が充分なものでは
なかった。
【0004】特開平11−228866号公報には、エ
ポキシ含有ビニル系重合体とカルボキシル基含有ポリエ
ステル樹脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤とエ
ポキシ樹脂とを必須の被膜成分とする粉体塗料組成物が
提案されている。この粉体塗料組成物においては、硬化
性が改善されているが、特開平2−3458号公報と同
様にβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤は焼付時には
ポリエステル樹脂中のカルボキシル基と反応するもので
あるため、焼付温度が170℃と従来よりも若干低くな
っているに過ぎない。従って、硬化剤としてβ−ヒドロ
キシアルキルアミド硬化剤を使用した場合において、1
50℃程度での低温下における硬化性に優れ、かつ、得
られる塗膜の耐水性も良好である粉体塗料組成物の開発
が望まれていた。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬
化剤としてβ−ヒドロキシアルキルアミドを使用した場
合において、低温硬化性、及び、得られる塗膜の性能、
特に耐水性に優れた塗膜を得ることができる粉体塗料組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、β−ヒド
ロキシアルキルアミド硬化剤を使用した硬化系におい
て、(1)樹脂中にメチロール化及び/若しくはアルキ
ルエーテル化されたメラミン樹脂並びに/又はベンゾグ
アナミン樹脂を導入して、そのメチロール基又はN−ア
ルキルエーテル基とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化
剤とを反応させることによって、樹脂中のカルボン酸と
β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤との反応に比較し
て、格段に硬化反応性を向上させることができ、低温硬
化性を実現させるとともに、耐水性に優れた塗膜を得る
ことができること、並びに、(2)樹脂中に存在するカ
ルボキシル基に対しては、補助架橋剤として添加したカ
ルボジイミド基含有化合物及び/又はオキサゾリン基含
有化合物を反応させることにより、高い反応性が得ら
れ、耐水性に優れた塗膜を得ることができること、を見
いだし、新規なβ−ヒドロキシアルキルアミド複合硬化
系を構築した。特に、メラミン樹脂やベンゾグアナミン
樹脂は、融点が低く、粉体塗料としての性能を維持する
ことができないため、通常は粉体塗料中には使用されて
いないものであったが、本発明のように樹脂中に導入す
ることによって、粉体塗料組成物中においても、メラミ
ン樹脂やベンゾグアナミン樹脂の有する優れた硬化性や
塗膜性能を利用することが可能になった。
【0007】即ち、本発明は、メチロール化及び/若し
くはアルキルエーテル化されたメラミン樹脂並びに/又
はベンゾグアナミン樹脂で変性されたカルボキシル基含
有樹脂(A)、下記式(1)で表されるβ−ヒドロキシ
アルキルアミド硬化剤(B)、並びに、カルボジイミド
基含有化合物及び/又はオキサゾリン基含有化合物
(C)を含有することを特徴とする粉体塗料組成物であ
る。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Rは、同一若しくは異なって、
水素原子、メチル基又はエチル基、R は、同一若しく
は異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は
HOCH(R)CH−〔Rは、上記と同じであ
る。〕、Aは、2価の炭化水素基を表す。) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】変性されたカルボキシル基含有樹脂(A) 本発明の粉体塗料組成物は、メチロール化及び/若しく
はアルキルエーテル化されたメラミン樹脂並びに/又は
ベンゾグアナミン樹脂で変性されたカルボキシル基含有
樹脂(A)を含有するものである。
【0011】上記メチロール化及び/若しくはアルキル
エーテル化されたメラミン樹脂並びに/又はベンゾグア
ナミン樹脂としては、下記式(2)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Rは、同一若しくは異なって、
水素原子又はアルキル基、Rは、−N(CH
〔Rは、上記と同じである。〕、又は、フェ
ニル基を表す。)で表されるメラミン樹脂(Rが−N
(CHORの場合)、ベンゾグアナミン樹脂
(Rがフェニル基の場合);それらの縮合体等を挙げ
ることができる。
【0014】上記Rがアルキル基である場合、炭素数
1〜4であるものが好ましい。4を超えると、得られる
カルボキシル基含有樹脂(A)のガラス転移点が下がる
結果、粉体塗料組成物の貯蔵時の耐ブロッキング性に劣
る。上記アルキル基は、直鎖状又は分岐状であってよ
い。上記Rが全てアルキル基である場合、カルボキシ
ル基含有樹脂との反応においてアルキル基がアルコール
として脱離する必要があるため、反応性の観点から、R
の少なくとも1つが水素原子である場合、即ち、少な
くとも1つがメチロール化されたメラミン樹脂及び/又
はベンゾグアナミン樹脂であることが好ましい。より好
ましくは、2つ以上がメチロール化されたメラミン樹脂
及び/又はベンゾグアナミン樹脂であり、更に好ましく
は、全てがメチロール化されたメラミン樹脂及び/又は
ベンゾグアナミン樹脂である。更に、本発明において
は、官能基の数が多い方が好ましいことから、ベンゾグ
アナミン樹脂よりも、メラミン樹脂の方が好ましい。
【0015】上記メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナ
ミン樹脂の縮合体としては、アルキル鎖又はジメチレン
エーテル結合又はエーテル結合を含むアルキル鎖によ
り、メラミン骨格及び/又はベンゾグアナミン骨格が2
〜10個程度縮合したものを挙げることができる。10
個を超えると、粉体塗料組成物の貯蔵時の耐ブロッキン
グ性に劣る。また、形成される塗膜の性能が低下する。
【0016】上記メラミン樹脂並びに/又はベンゾグア
ナミン樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。上記メラミン樹脂並びに/又はベンゾグアナ
ミン樹脂は、市販品を利用することも可能であり、従来
公知の方法に従って合成により得られるものを使用する
ことも可能である。
【0017】上記変性の対象となる樹脂としては、上述
のメラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂で変性
することができる水酸基を有し、かつ、カルボキシル基
を含有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、
ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
【0018】上記変性の方法としては特に限定されず、
例えば、上記メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン
樹脂と水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂とを、樹
脂が溶解する温度で無溶剤のもとで、又は、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂と反応しない有機溶剤、例え
ばキシレン、メチルエチルケトン等の有機溶剤中で、室
温〜80℃程度の温度下、5分〜2時間程度反応させ、
反応後、脱溶剤の工程により行うことができる。
【0019】上記メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナ
ミン樹脂と水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂との
反応比率としては、固形分換算で、水酸基及びカルボキ
シル基を有する樹脂100重量部に対して、メラミン樹
脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂を1〜10重量部で
あることが好ましい。1重量部未満であると、硬化性の
改善効果が見られず、10重量部を超えると、ゲル化が
起こる。より好ましくは、1〜7重量部である。
【0020】上記によって、水酸基及びカルボキシル基
を有する樹脂中の水酸基と、メラミン樹脂及び/又はベ
ンゾグアナミン樹脂中のN−メチロール基又はN−アル
キルエーテル基に由来するN−メチロール基とが反応
し、変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)を得るこ
とができる。上記変性されたカルボキシル基含有樹脂
(A)については、メチロール基を全く有するものでは
ない場合、β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤(B)
との硬化反応においてメラミン樹脂及び/又はベンゾグ
アナミン樹脂由来のN−アルキルエーテル基のアルキル
基がアルコールとして脱離する必要があるため、反応性
の観点から、分子中に少なくとも1つのメラミン骨格に
結合したメチロール基を有することが好ましい。より好
ましくは、2つ以上のメラミン骨格に結合したメチロー
ル基を有するものであり、更に好ましくは、メラミン骨
格に結合した官能基の全てがメチロール基であるもので
ある。
【0021】上記変性されたカルボキシル基含有樹脂
(A)は、焼付時に、そのカルボキシル基と、後述する
カルボジイミド基含有化合物及び/又はオキサゾリン基
含有化合物(C)のカルボジイミド基及び/又はオキサ
ゾリン基とが反応する。この反応は、変性されたカルボ
キシル基含有樹脂(A)中のカルボキシル基とβ−ヒド
ロキシアルキルアミド硬化剤(B)との反応よりも、速
い反応速度で起こるため、従来のように、得られる塗膜
中にカルボキシル基が残存して耐水性を低下させること
がない。
【0022】本発明においては、上記変性されたカルボ
キシル基含有樹脂(A)中のカルボキシル基の反応速度
を制御する目的で、変性されたカルボキシル基含有樹脂
(A)中のカルボキシル基のうちの一部が3級カルボキ
シル基であるものが好ましい。上記3級カルボキシル基
を有する変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)によ
って、反応速度が適度に制御され、平滑性に優れた塗膜
外観を得ることができる。
【0023】β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤
(B) 本発明の粉体塗料組成物においては、上記変性されたカ
ルボキシル基含有樹脂(A)のほかに、β−ヒドロキシ
アルキルアミド硬化剤(B)を含有する。上記β−ヒド
ロキシアルキルアミド硬化剤(B)は、上記式(1)で
表されるものである。
【0024】上記式(1)中、Rは、同一若しくは異
なって、水素原子、メチル基又はエチル基、Rは、同
一若しくは異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキ
ル基又はHOCH(R)CH−〔Rは、上記と同
じである。〕、Aは、2価の炭化水素基を表す。上記R
としては、水素原子又はメチル基が、上記Rとして
は、HOCH(R)CH−が、上記Aとしては炭素
数2〜10、より好ましくは炭素数4〜8のアルキレン
基が、それぞれ好適である。
【0025】上記β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤
(B)は、例えば、カルボン酸及び/又はカルボン酸エ
ステルと、β−ヒドロキシアルキルアミンとを、ナトリ
ウムやカリウム等のアルコキシドの触媒の存在下で、反
応させることにより得られる。上記カルボン酸やカルボ
ン酸エステルとしては、例えば、コハク酸、アジピン
酸、グルタル酸、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチ
ル、アジピン酸ジメチル等が挙げられる。上記β−ヒド
ロキシアルキルアミンとしては、例えば、N−メチルエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルプロ
パノールアミン等が挙げられる。上記β−ヒドロキシア
ルキルアミド硬化剤(B)は、EMS−PRIMD社製
「プリミド」シリーズ等の市販品を用いることも可能で
ある。
【0026】本発明の粉体塗料組成物においては、上記
変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)中のメチロー
ル基及びエーテル基1モルに対して、β−ヒドロキシア
ルキルアミド硬化剤(B)の水酸基が1.2モル以下、
好ましくは1.0モル以下であることが好ましい。1.
2モルを超えると、β−ヒドロキシアルキルアミド硬化
剤(B)由来の水酸基が塗膜中に残存する結果、得られ
る塗膜の耐水性に劣る場合がある。β−ヒドロキシアル
キルアミド硬化剤(B)が少ない場合には、変性された
カルボキシル基含有樹脂(A)中のメラミン樹脂及び/
又はベンゾグアナミン樹脂の自己縮合が起こり、得られ
る塗膜の耐水性に特に悪影響を及ぼすわけではないが、
塗膜の機械的物性の観点から、0.7モル以上であるこ
とが好ましい。
【0027】カルボジイミド基含有化合物及び/又はオ
キサゾリン基含有化合物(C) 本発明の粉体塗料組成物には、上記変性されたカルボキ
シル基含有樹脂(A)及び上記β−ヒドロキシアルキル
アミド硬化剤(B)のほかに、カルボジイミド基含有化
合物及び/又はオキサゾリン基含有化合物(C)を含有
するものである。上記カルボジイミド基含有化合物及び
/又はオキサゾリン基含有化合物(C)は、そのカルボ
ジイミド基及び/又はオキサゾリン基が、上記変性され
たカルボキシル基含有樹脂(A)中のカルボキシル基と
反応し、得られる塗膜の耐水性を向上させることができ
る。
【0028】上記カルボジイミド基含有化合物として
は、加熱下で反応して架橋構造を形成するために官能基
を少なくとも2つ有するものであれば特に限定されない
が、分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート
基を有するもの(i)、及び、分子中に少なくとも2つ
のカルボジイミド基を有するもの(ii)を挙げること
ができる。
【0029】上記分子中に少なくとも2つのブロックイ
ソシアネート基を有するもの(i)としては、下記式
【0030】
【化4】
【0031】(式中、R、Rは同一又は異なって、
有機ジイソシアネートからイソシアネート基を除いた残
基;R7はアルキル基;nは1以上の整数であり、カル
ボジイミド基の繰り返し数を表す。)で表されるものを
挙げることができる。
【0032】上記分子中に少なくとも2つのブロックイ
ソシアネート基を有するもの(i)は、例えば、有機ジ
イソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応を利用す
る等の当業者によってよく知られた方法によって製造す
るものを挙げることができ、これによって両末端にブロ
ックイソシアネート基を有するものを得ることができ
る。
【0033】上記有機ジイソシアネートとしては、例え
ば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネー
ト、脂環族ジイソシアネート、及び、これらの混合物を
用いることができ、具体的には、1,5−ナフチレンジ
イソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシア
ネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4
−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレン
ジイソシアネートとの混合物、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシ
アネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げること
ができる。
【0034】上記縮合反応には、通常、カルボジイミド
化触媒が用いられる。上記カルボジイミド化触媒として
は、ホスホレンオキサイドを用いることができる。上記
ホスホレンオキサイドを触媒とすることにより、温度制
御しやすい範囲でカルボジイミド化を行うことができ
る。
【0035】上記ホスホレンオキサイドとしては、1−
フェニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイ
ド、1−メチル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オ
キサイド、1−エチル−3−メチル−3−ホスホレン−
1−オキサイド、1−ブチル−3−メチル−3−ホスホ
レン−1−オキサイド、1−(N−ピペリジニル)−3
−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−モル
フォリノ−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイ
ド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−
オキサイド、1−メチル−3−メチル−2−ホスホレン
−1−オキサイド、1−エチル−3−メチル−2−ホス
ホレン−1−オキサイド、1−ブチル−3−メチル−2
−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェノキシ−3−
メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニ
ル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−3
−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−3−ホス
ホレン−1−オキサイド、1−フェニル−2−ホスホレ
ン−1−オキサイド、1−メチル−2−ホスホレン−1
−オキサイド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキ
サイド、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレン−
1−スルフィド等が挙げられる。これらの中で、1−フ
ェニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイ
ド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−
オキサイド、1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキ
サイド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキサイ
ド等が好ましい。
【0036】上記ホスホレンオキサイドの量は、原料の
有機ジイソシアネートに対して1〜30ppmであるこ
とが好ましい。1ppm未満であると、カルボジイミド
化が充分に進行せず、30ppmを超えても、添加量に
見合った効果が得られない。
【0037】上記カルボジイミド化は、効率的に反応を
進行させるために、上記のホスホレンオキサイドを触媒
とし、120〜170℃で行われることが好ましい。1
20℃未満であると、カルボジイミド化が充分に進行し
ないおそれがあるとともに、目的とする化合物が得られ
ないおそれがある。170℃を超えると、副反応が進行
して、目的とする化合物が得られないおそれがある。
【0038】上記カルボジイミド化には、イソシアネー
トに対して不活性であり、イソシアネート化合物を溶解
する溶剤を用いることも可能であるが、通常、無溶媒で
反応が行われる。上記カルボジイミド化は、IRスペク
トルにおける2100cm−1のカルボジイミド基のピ
ークが生成することによって確認することができる。
【0039】上記のようにして得られる分子中に少なく
とも2つのブロックイソシアネート基を有するカルボジ
イミド基含有化合物(i)は、分子中に、カルボジイミ
ド基を1〜30個有することが好ましい。30個を超え
ると、融点及び粘度が高くなり、樹脂への分散及び混合
が困難となる場合がある。より好ましくは、1〜15個
である。
【0040】本発明において、上記分子中に少なくとも
2つのブロックイソシアネート基を有するカルボジイミ
ド基含有化合物(i)は、一般的には、上記式で表され
るようにブロックイソシアネート基を含むものである
が、得られる粉体塗料組成物がゲル化しない範囲内にお
いて、フリーのイソシアネート基を含むカルボジイミド
基含有化合物を含むことができる。
【0041】上記ブロックイソシアネート基で用いられ
ているブロック剤すなわち、Rを提供する化合物とし
ては、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロ
フェノール及びエチルフェノール等のフェノール系;ε
−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラ
クタム及びβ−プロピオラクタム等のラクタム系;アセ
ト酢酸エチル及びアセチルアセトン等の活性メチレン
系;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタ
ノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノ2−エチルへキシルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、グリコール酸メチ
ル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸
メチル及び乳酸エチル、フルフリルアルコール等のアル
コール系;ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、
アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチル
モノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム
系;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−
ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェ
ノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系;酢
酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミ
ド及びマレイン酸イミド等のイミド系;イミダゾール、
2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;ジメチル
アミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミ
ン系等を挙げることができる。
【0042】本発明においては、塗料の低温硬化性を確
保する点から、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール等のアルキルアルコールが好まし
い。上記ブロック化の手法は当業者によく知られてお
り、例えば、室温〜80℃程度で、10分〜2時間程度
加熱することにより行うことができる。
【0043】上記分子中に少なくとも2つのカルボジイ
ミド基を有するカルボジイミド基含有カルボジイミド
(ii)としては、下記式 R−NCN−R−(NCN−R)m−NCN−R
(式中、Rは同一又は異なって、有機ジイソシアネー
トからイソシアネート基を除いた残基、Rは同一又は
異なって、モノイソシアネート化合物の残基、mは0又
は1以上の整数であり、カルボジイミド基の繰り返し数
を表す。)で表されるものを挙げることができる。
【0044】上記式で表されるものは、上記の分子中に
少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するカ
ルボジイミド基含有化合物(i)において両末端のブロ
ックイソシアネート基がブロックされていないもの、又
は、上記例示した有機ジイソシアネートに、モノイソシ
アネート化合物を反応させて得ることができる。上記モ
ノイソシアネート化合物としては、ブチルイソシアネー
ト等の脂肪族イソシアネート;シクロヘキシルイソシア
ネート等の脂環族イソシアネート;フェニルイソシアネ
ート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート
等の芳香族イソシアネート等の1種若しくは2種以上の
混合物を例示することができる。上記式において、m
は、0〜30が好ましく、より好ましくは、1〜15で
ある。上記分子中に少なくとも2つのカルボジイミド基
を有するもの(ii)は、上記ブロック化において記載
した方法と同様にして製造することができる。
【0045】上記オキサゾリン基含有化合物としては、
1分子中に、複数個のオキサゾリン基を有する化合物で
ある。上記オキサゾリン基含有化合物としては特に限定
されず、例えば、2,2′−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−メチレン−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−エチレン−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾ
リン)、2,2′−テトラメチレン−ビス−(2−オキ
サゾリン)、2,2′−ヘキサメチレン−ビス−(2−
オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレン−ビス−
(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス−
(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−
(1,3−フェニレン)−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス−
(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−
(1,4−フェニレン)−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)ス
ルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)
スルフィド等のジオキサゾリン化合物;2,2′−
(1,2,4−フェニレン)−トリス−(2−オキサゾ
リン)等のトリオキサゾリン化合物等が挙げられる。
【0046】上記オキサゾリン基を含有する化合物の中
でも、融点が40℃〜200℃、好ましくは80℃〜1
60℃の範囲内のジオキサゾリン化合物又はトリオキサ
ゾリン化合物が好ましい。尚、融点が40℃〜200℃
の範囲内にあるオキサゾリン基を含有する化合物を用い
ることで、常温で固体であると共に、保存性、作業性が
良い粉体塗料を得ることができる。
【0047】本発明においては、上記オキサゾリン基含
有化合物は、重合体であってもよい。上記オキサゾリン
基を含有する重合体は、付加重合性オキサゾリン基含有
化合物を、単独で、又は、該付加重合性オキサゾリン基
含有化合物と共重合可能なその他の単量体と共重合させ
ることにより容易に得ることができる。
【0048】上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物
としては特に限定されず、例えば、2−ビニル−2−オ
キサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−
イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニ
ル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニ
ル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニ
ル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。な
かでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは、工
業的に入手しやすく、また、その他の単量体との反応性
や重合性に優れているので好ましい。
【0049】上記その他の単量体は、オキサゾリン基と
反応しない単量体であり、オキサゾリン基以外の官能基
を含有する単量体であれば特に限定されず、例えば、
(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げられ
る。さらに、その他の単量体として、ヒドロキシル基を
含有する不飽和化合物等を用いることもできる。上記付
加重合性オキサゾリン基含有化合物及びその他の単量体
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】上記のオキサゾリン基を含有する重合体の
製造方法、即ち、付加重合性オキサゾリン基含有化合物
とその他の単量体との反応方法は、特に限定されず、従
来公知の種々の方法を用いることができる。
【0051】上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物
とその他の単量体との反応における添加量の割合は、所
望する粉体塗料の各種物性にもよるが、例えば、付加重
合性オキサゾリン基含有化合物3重量%〜70重量%、
その他の単量体97重量%〜30重量%とすることがで
きる。上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物の割合
が3重量%未満であると、オキサゾリン基含有化合物と
変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)との硬化反応
を効率よく行うことができない。上記付加重合性オキサ
ゾリン基含有化合物の割合が70重量%を超えると、所
望する物性を充分に発揮することができない場合があ
る。
【0052】上記重合反応における反応条件は、上記重
合反応が完了するように、適宜設定すればよく、特に限
定されるものではない。但し、上記オキサゾリン基を含
有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固
体であることが望ましい。そのため、重合後、用いた溶
媒を除去することによって、所望するオキサゾリン基を
含有する重合体を得ることができる。尚、溶媒を除去す
る方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種
々の方法に従って行うことができる。
【0053】このようにして得られたオキサゾリン基を
含有する重合体のうち、数平均分子量が1,000〜1
0,000で、ガラス転移温度が40℃〜120℃であ
る重合体が好ましい。尚、ガラス転移温度が40℃〜1
20℃の範囲内にあるオキサゾリン基を含有する重合体
を用いることで、常温で固体であると共に、保存性、作
業性が良い粉体塗料を得ることができる。尚、上記オキ
サゾリン基含有化合物は、粉体塗料の原料として用いる
ため、固体であることが望ましいが、耐ブロッキング性
が充分に発揮される範囲内で、液状のものも使用するこ
とができる。
【0054】上記カルボジイミド基含有化合物及び/又
はオキサゾリン基含有化合物(C)は、それぞれ単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよく、また、カル
ボジイミド基含有化合物とオキサゾリン基含有化合物と
を組み合わせて用いることも可能である。
【0055】上記カルボジイミド基含有化合物及び/又
はオキサゾリン基含有化合物(C)の配合量としては、
上記変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)中のカル
ボキシル基1モルに対して、カルボジイミド基及びオキ
サゾリン基の合計で1.0〜1.2モルが好ましい。
1.0モル未満であると、得られる塗膜中にカルボキシ
ル基が残存し、耐水性に劣る場合があり、1.2モルを
超えても、塗膜性能に悪影響は特に及ぼすものではない
が、クリヤー塗料として用いる場合には着色する場合が
ある。
【0056】粉体塗料組成物 本発明の粉体塗料組成物は、必要に応じて表面調整剤、
可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ワキ防止剤、帯電
制御剤等の各種添加剤を含んでいても良い。上記表面調
整剤としては、特に、塗装ラインへの適用性の点から、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類を原料
として得られた、数平均分子量が300〜50000、
好ましくは、1000〜30000で、ガラス転移温度
が20℃未満、好ましくは、0℃以下のアクリル重合体
からなるものが好ましい。数平均分子量が上記範囲外で
あると、充分に表面調整性を付与することができず、ヘ
コミ等の外観不良防止が不充分となる。また、ガラス転
移温度が20℃以上であると、充分に表面調整性を付与
することができない恐れがある。
【0057】上記表面調整剤は、粉体塗料組成物中に
0.01〜5重量%配合することが好ましく、より好ま
しくは、0.05〜3重量%、更に好ましくは、0.1
〜2重量%である。0.01重量%未満であると、充分
に表面調整性を付与することができず外観不良の確率が
高くなり、5重量%を超えると、塗料のブロッキング性
が低下するおそれがある。上記表面調整剤の市販品とし
ては、例えば、アクロナール4F(BASF社製)、ポ
リフローS(共栄社化学製)、レジフローLV(EST
RON CHEMICAL社製)等が挙げられ、シリカ
担体アクリル重合体、例えば、モダフローIII(モンサ
ント社製)、レジフローP67(ESTRON CHE
MICAL社製)等が好適に用いられる。
【0058】本発明の粉体塗料組成物は、顔料を添加し
ないで透明な塗膜を得ることもでき、又は、顔料を添加
することもできる。上記顔料としては、特に限定され
ず、具体的には、二酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化
鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料等
の着色顔料;各色のメクリック顔料、各色のパール顔
料、金属粉末及びそれに表面処理を施したもの;タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等の
体質顔料等を挙げることができる。また、光沢を低下さ
せるために、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、長石、ワラストナイト等の無機系艶消し剤や、
有機微粒子からなる有機系の艶消し剤を含むことが好ま
しい。上記艶消し剤の体積平均粒径は、3〜30μmで
あることが好ましい。
【0059】本発明の粉体塗料組成物の製造は、粉体塗
料分野において周知の製造方法を用いて行うことができ
る。例えば、上記変性されたカルボキシル基含有樹脂
(A)、上記β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤
(B)、並びに、上記カルボジイミド基含有化合物及び
/又はオキサゾリン基含有化合物(C)を必須として、
その他上記顔料及び上記各種添加剤等の原料を準備した
後、スーパーミキサー、ヘンシエルミキサー等を使用し
て原料を予備的に混合し、コニーダー、エクストルーダ
ー等の混練機を用いて原料を溶融混練する。この時の加
熱温度は勿論焼付硬化温度より低くなければならない
が、少なくとも原料の一部が溶融し全体を混練すること
ができる温度でなければならない。一般に80〜120
℃の範囲内で溶融混練される。次に溶融物は冷却ロール
や冷却コンベヤー等で冷却して固化され、粗粉砕及び微
粉砕の工程を経て所望の粒径に粉砕される
【0060】このようにして得られる本発明の粉体塗料
組成物の体積平均粒子径は、5〜50μmであることが
好ましく、巨大粒子や微小粒子を除去して粒度分布を調
整するために篩分けによる分級を行うことが好ましい。
薄膜塗装や立体構造物の塗装に用いる場合には体積平均
粒子径が5〜40μmであることが好ましい。特に薄膜
で平滑な塗膜を得ようとする場合には、5〜30μmが
好ましい。
【0061】上記製造方法によって得られた粉体塗料粒
子の表面に、更に、流動性付与剤や帯電調整剤を外添し
てもよい。上記流動性付与剤は、粉体塗料自体に流動性
を与えるだけでなく、貯蔵時の耐ブロッキング性も向上
させることができる。上記流動性付与剤としては、疎水
性シリカ、親水性シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等が適用できる。このような、流動性付与剤の市販品
として、例えば、AEROSIL 130、AEROS
IL 200、AEROSIL 300、AEROSI
L R−972、AEROSIL R−812、AER
OSIL R−812S、二酸化チタンT−805、二
酸化チタンP−25、AlminiumOxide C
(日本アエロジル社製)、カープレックスFPS−1
(塩野義製薬社製)等を挙げることができる。上記流動
性付与剤の添加量は、付与される効果と塗膜の平滑性の
観点から、粉体塗料100重量部に対して、0.05〜
2重量部、好ましくは、0.1〜1重量部が好適であ
る。0.05重量部未満であると効果が小さくなり、2
重量部を超えると塗膜の平滑性が低下や艶引けが発生す
る恐れがある。
【0062】本発明の粉体塗料組成物は、被塗装物に対
して塗布された後、加熱することにより塗膜を得ること
ができる。上記被塗装物としては、特に限定されず、具
体的には、鉄板、鋼板、アルミニウム板等及びそれらを
表面処理したもの等を挙げることができる。被塗装物の
塗膜形成は、本発明の粉体塗料組成物からなる1層であ
っても良好な保護機能を有するが、複層を形成してもよ
い。この場合、本発明の粉体塗料組成物を、上記被塗装
物に直接下塗り塗料、即ちプライマーとして塗布し、下
塗り塗膜を形成し、その上に中塗り塗料、上塗り塗料を
塗装してもよい。また、上記被塗装物が、すでに下塗り
等が施されていて、その下塗り塗膜の上に、本発明の粉
体塗料組成物を、中塗り塗料又は上塗り塗料として塗布
してもよい。この場合、下塗りを形成する下塗り塗料と
しては、電着塗料やプライマー等の公知のものを用いる
ことができる。
【0063】本発明の粉体塗料組成物を塗布する方法と
しては、特に限定されず、スプレー塗装法、静電粉体塗
装法、流動浸漬法等の当業者によってよく知られた方法
を用いることができるが、塗着効率の点から、静電粉体
塗装法が好適に用いられる。本発明の粉体塗料組成物を
塗布する際の塗装膜厚は、特に限定されないが、20〜
100μmに設定することができる。
【0064】本発明の粉体塗料組成物を塗布した後、加
熱する条件としては、硬化に関与する官能基の量等によ
って異なるが、例えば、加熱温度は100〜230℃、
好ましくは140〜200℃である。熱に弱い被塗装物
の場合には、140〜160℃程度の加熱であっても、
良好な硬化塗膜を得ることができる。加熱時間は、加熱
温度に応じて適宜設定することができる。本発明の粉体
塗料組成物は、高温での焼付け硬化を行うことができな
いアルミホイール、プラスチック部材等の自動車部品等
であっても好適に使用することができる。
【0065】
【発明の効果】本発明の粉体塗料組成物は、樹脂中の水
酸基とメラミン樹脂並びに/又はベンゾグアナミン樹脂
中のN−メチロール基又はN−アルキルエーテル基とを
反応させて得られる変性されたカルボキシル基含有樹脂
(A)を、β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤(B)
と硬化反応させるものであるため、従来用いられてきた
樹脂中のカルボキシル基とβ−ヒドロキシアルキルアミ
ド硬化剤(B)との硬化反応に比べて、反応性が向上す
るため、低温硬化性に優れ、かつ、得られる塗膜の物
性、特に耐水性に優れた塗膜を得ることができる。ま
た、変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)中に存在
するカルボキシル基に対しては、補助架橋剤として配合
したカルボジイミド基含有化合物及び/又はオキサゾリ
ン基含有化合物(C)が反応することにより、得られる
塗膜中にカルボキシル基が残存することなく、耐水性に
更に優れた塗膜を得ることができる。従って、低温硬化
が必要であるアルミホイール、プラスチック部材等の自
動車部品等であっても好適に使用することができるほ
か、省エネルギー化にも寄与することができる。また、
変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)として3級カ
ルボキシル基を含有するものを使用することにより、更
に、平滑性に優れた塗膜外観を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湊 康学 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 楫野 哲郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 原田 雅彦 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J031 AA12 AA19 AA20 AA45 AA47 AA49 AA52 AA56 AC04 AD01 AD03 AF12 4J033 EA37 EA47 EA62 EA63 EA66 HA23 HA28 HB08 4J038 CB001 CG001 DA162 DA172 DB001 DD001 DE001 DF001 DG001 GA06 JB09 JB23 JB38 KA03 MA02 NA04 NA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチロール化及び/若しくはアルキルエ
    ーテル化されたメラミン樹脂並びに/又はベンゾグアナ
    ミン樹脂で変性されたカルボキシル基含有樹脂(A)、
    下記式(1)で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミド
    硬化剤(B)、並びに、カルボジイミド基含有化合物及
    び/又はオキサゾリン基含有化合物(C)を含有するこ
    とを特徴とする粉体塗料組成物。 【化1】 (式中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、メ
    チル基又はエチル基、R は、同一若しくは異なって、
    水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はHOCH(R
    )CH−〔Rは、前記と同じである。〕、Aは、
    2価の炭化水素基を表す。)
  2. 【請求項2】 変性されたカルボキシル基含有樹脂
    (A)は、分子中に少なくとも1つのメラミン骨格に結
    合したメチロール基を有するものである請求項1記載の
    粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】 変性されたカルボキシル基含有樹脂
    (A)は、3級カルボキシル基を含有するものである請
    求項1又は2記載の粉体塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010150515A (ja) * 2008-11-28 2010-07-08 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 剥離型水性粘着剤組成物、剥離型水性粘着剤およびそれを用いた剥離型水性粘着部材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010150515A (ja) * 2008-11-28 2010-07-08 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 剥離型水性粘着剤組成物、剥離型水性粘着剤およびそれを用いた剥離型水性粘着部材

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