JP2002371235A - 親水塗膜形成用塗料 - Google Patents

親水塗膜形成用塗料

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JP2002371235A
JP2002371235A JP2001183072A JP2001183072A JP2002371235A JP 2002371235 A JP2002371235 A JP 2002371235A JP 2001183072 A JP2001183072 A JP 2001183072A JP 2001183072 A JP2001183072 A JP 2001183072A JP 2002371235 A JP2002371235 A JP 2002371235A
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Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Kenichi Kawashima
憲一 川島
Yutaka Ito
伊藤  豊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】切断時のひび割れが起こりにくく、耐久性が高
い親水塗膜を形成する親水塗膜形成用塗料の提供。 【解決手段】アミノ基とアルコキシシラン残基の両方を
有する化合物とポリエチレングリコールからな塗料であ
って、該塗料で形成された塗膜表面の水との接触角が1
0度以下であることを特徴とする親水塗膜形成用塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物からなる塗膜に係わり、特に、親水性の塗膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】親水性の塗膜は、エアコンの蒸発器のフ
ィンや洗面所のミラー等の多用途に用いられている。こ
れら塗膜を形成するための塗料としては、親水性アルミ
ナ微粒子や酸化チタン微粒子等の親水材料と、シリカゾ
ルや有機高分子バインダ材料からなるものが知られてい
る(特開平8−104828号、特開平9−3397
号、特開平9−78002号、特開平10−25431
号、特開平10−168381号、特開平10−219
191号、特開平10−237416号公報)。
【0003】また、複数の水性樹脂を組合せたものが知
られている(特開平7−102189号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、親水性を発揮
するためバインダ材料としてシリカゾルを用いた場合、
バインダは酸化ケイ素となる。従って、基板上に成膜
後、これを切断すると、切断部とその付近に細かなひび
割れが生ずる。このひび割れは塗膜の強度を著しく低下
させるため、切断加工を伴う工程を親水塗膜の形成後に
設けられないと云う問題があった。
【0005】また、切断で使用する金型の硬度が低いと
摩耗が大きくなり、結果として多数枚加工の際のネック
になることもある。これはアルミナや酸化チタンの微粒
子を使っていることが大きな要因であり、このような固
体微粒子を用いない塗料,塗膜が切望されてきた。
【0006】更に、複数の水性の樹脂を組合せたもの
は、長期間水に浸漬されると塗膜の接触角が大きくなっ
てしまうため、長期にわたって親水性を確保する必要の
ある部位への使用が困難であった。
【0007】加えて、多くの親水塗膜を形成するための
塗料は、水または含水アルコール系の溶媒を用いている
ため、こうした溶媒を溌いてしまうアルミニウム,SU
S等の表面に塗布する際には、事前に塗料の濡れ性を高
める処理が必要であった。
【0008】こうした前処理を省くためには、アルミニ
ウム,SUS等の表面にも塗布し易い表面張力の小さな
溶媒を用いた塗料にすればよい。しかし親水塗膜形成用
の塗料に含まれている成分を塗料に溶解,分散させるに
は、表面張力の大きな含水有機溶媒を用いるため、結果
として前処理が必要となっていた。こうした前処理の必
要が無い表面張力の小さな塗料が望まれてきた。
【0009】本発明の目的は、上記のような切断時のひ
び割れが起こりにくく、耐久性に優れた親水塗膜形成用
塗料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため種々検討した結果、親水塗膜形成用塗料の
材料として、前記固体微粒子の替わりに親水性高分子の
1種であるポリエチレングリコールを用い、バインダと
してアミノ基とアルコキシシラン残基の両方を有する化
合物とを用いることで上記目的を達成できることを見出
し、本発明に至った。なお具体的手段の内容は以下のと
おりである。
【0011】〔1〕 アミノ基とアルコキシシラン残基
の両方を有する化合物とポリエチレングリコールを含む
塗料であって、該塗料で形成された塗膜表面の水との接
触角が10度以下であることを特徴とする親水塗膜形成
用塗料にある。
【0012】〔2〕 前記アミノ基とアルコキシシラン
残基の両方を有する化合物が下記の化学構造である上記
の親水塗膜形成用塗料にある。 〔化2〕 H2N−R1−SiR2(R3)22N−R1−Si(R3)3 (但し、R1はアルキレン鎖、R2はアルキル基、R3
アルコキシ基を示す)前記ポリエチレングリコールは、
その平均分子量が20,000以上のものが望ましい。
【0013】また、前記塗料の溶媒がポリエチレングリ
コールと、アミノ基とアルコキシシラン残基の両方を有
する化合物を溶解し、かつ、該溶媒の表面張力が38m
N/m以下のものを用いることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】〔1〕 塗料の構成材料 本発明の塗料構成材料であるポリエチレングリコール
と、アミノ基とアルコキシシラン残基の両方を有する化
合物について説明する。
【0015】 ポリエチレングリコール ポリエチレングリコールは、化学構造がH−(OCH2
2)n−OHであり、nの数が多いほど高分子である。
高分子量のものを用いた方が種々の溶媒に対する接触角
の低い、即ち、親水性の高い塗膜を得易い。分子量70
0程度までは常温で液体で、1,000前後ではグリー
ス状であり、2,000前後では固体となるが、いずれ
の分子量でも水には可溶である。
【0016】但し、水の含有量が多いと金属や樹脂表面
に対する親和性が低下し、塗布した塗料が溌かれてしま
うことがある。そのため溶媒として水は用いないか、或
いは、用いてもその含有量は極力少なくすることが望ま
しい。
【0017】有機溶媒に対する溶解性は低分子量のもの
ほど高い。有機溶媒のうちハイドロカーボン系のヘキサ
ンやオクタン等にはほとんど溶解しないが、アルコール
系(メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロ
パノール等)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケト
ン、イソホロン等)、エステル系(酢酸エチル、酢酸ブ
チル等)の溶媒には溶解し易い。特に、アルコール系の
ものに対する溶解性が高い。また、環状エーテル系のテ
トラヒドロフラン、ジオキサン等にも溶解し易い。
【0018】分子量が大きいと水と触れた際、表面が水
を吸って膨潤し、表面に凹凸が形成される。この凹凸は
膜を100℃前後で乾燥しても消失しない。そのため表
面に多少油等の汚れが付着しても親水性を失いにくい。
塗膜がこの性質を示すためには、ポリエチレングリコー
ルの分子量が20,000以上のものが必要であるが、
耐汚染性を考慮すると30,000以上が望ましい。
【0019】 アミノ基とアルコキシシラン残基の両
方を有する化合物 この範ちゅうに入る化合物としては、以下に示すものが
挙げられる。なおこれら化合物はチッソ株式会社で販売
されているので商品名も併記する。 〔化3〕 H2N−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−Si(CH3)(OCH3)2 … 化合物1(サイラエースS310) H2N−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−Si(OCH3)3 … 化合物2(サイラエースS320) H2N−CH2CH2CH2−Si(OCH2CH3)3 … 化合物3(サイラエースS330) H2N−CH2CH2CH2−Si(OCH3)3 … 化合物4(サイラエースS360) これら化合物のうち化合物3,4がそれぞれオリゴマー
化した化合物としてサイラエースMS3201およびM
S3301と云う化合物もある。これらも上記の化合物
1〜4と同様に使用可能である。
【0020】これら化合物は、ポリエチレングリコール
が溶解し易い溶媒であるアルコール系(メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、プロパノール等)、ケト
ン系(アセトン、エチルメチルケトン、イソホロン
等)、エステル系(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、環状
エーテル系(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)に溶
解し易い。
【0021】塗料中のアミノ基とアルコキシシラン残基
の両方を有する化合物は、塗膜材料同士の結合を形成す
るために加えられ、これの添加割合を増やすことによっ
て塗膜強度を高めることができる。また、ポリエチレン
グリコールは塗膜の親水性を発揮させる作用があるた
め、これの添加割合を増やすことによって塗膜の親水性
は向上する。
【0022】即ち、塗膜としての強度を向上させるに
は、親水塗膜形成塗料中のアミノ基とアルコキシシラン
残基の両方を有する化合物の含有比率を高めるか、ポリ
エチレングリコールの含有比率を低下させるのがよい。
但し、この方法で膜強度を高めた場合、親水性は低下す
る傾向がある。
【0023】塗膜はアミノ基とアルコキシシラン残基の
両方を有する化合物のアルコキシシラン残基と、ポリエ
チレングリコールの水酸基が化学結合することによって
形成される。
【0024】また、アミノ基とアルコキシシラン残基の
両方を有する化合物のアルコキシシラン残基同士も、分
子内および分子間で化学結合することで塗膜の強度を高
めている。しかし、ポリエチレングリコールの水酸基同
士は結合しない。そのため塗料中のアミノ基とアルコキ
シシラン残基の両方を有する化合物のアルコキシシラン
残基の数は、少なくともポリエチレングリコールの水酸
基の数以上必要である。
【0025】また用いるポリエチレングリコールの平均
分子量が大きいほど塗料への添加割合を増やすことが可
能である。
【0026】 溶媒 溶媒はポリエチレングリコール、および、アミノ基とア
ルコキシシラン残基の両方を有する化合物を溶解するも
のであることが必要である。そのため上記の,に示
す有機化合物がまず挙げられる。
【0027】本発明の親水塗膜形成用塗料を塗布する表
面として考えられる主な材料としては(水との接触角を
併記)、次のとおりである。
【0028】アルミニウム(85〜95度)、SUS
(70〜80度)、ガラス(50〜60度)。この中で
は接触角の一番大きなアルミニウムが一番濡れにくい。
【0029】そこでアルミニウムに対し、塗料として塗
布可能な溶媒を調べたところメタノール(24.0mN
/m)、エタノール(24.1mN/m)、1−プロパ
ノール(25.3mN/m)、2−プロパノール(22.
9mN/m)、1−ブタノール(27.2mN/m)、
t−ブタノール(22.2mN/m)、1−ペンタノー
ル(27.5mN/m)、2−ペンタノール(26.0m
N/m)、アセトン(26.3mN/m)、エチルメチ
ルケトン(26.8mN/m)、酢酸エチル(26.3m
N/m)、酢酸プロピル(26.6mN/m)、酢酸ブ
チル(27.6mN/m)、酢酸t−ブチル(24.7m
N/m)、プロピオン酸エチル(26.7mN/m)、
プロピオン酸ブチル(27.4mN/m)、ヘキサン酸
メチル(28.5mN/m)、ヘキサン酸エチル(27.
7mN/m)等が挙げられる。なお、上記括弧内は表面
張力を示す。
【0030】これらはアルミニウム板との接触角が10
度以下であった。しかし、アセトニトリル(31.8m
N/m)、1,4−ジオキサン(36.2mN/m)、2
−エトキシエタノール(30.6mN/m)、シクロヘ
キサノン(37.7mN/m)、シクロペンタノン(3
5.6mN/m)、エチレングリコール(50.2mN/
m)、ジエチレングリコール(47.0mN/m)、ト
リエチレングリコール(47.3mN/m)等の溶媒
は、アルミニウム板との接触角が10度以上あり、アル
ミニウム板に塗布しても、溌かれてしまった。なお、上
記括弧内は表面張力を示す。
【0031】上記の結果より表面張力で見ると、概ね3
0mN/m以下のものがアルミニウム板に塗布できる溶
媒と考えられる。また、水との接触角がアルミニウム板
より低いSUSやガラスの場合では、もう少し表面張力
が大きい場合でも塗布可能である。
【0032】〔2〕 本発明の塗料(塗膜)の用途 本発明の塗料(塗膜)の用途としては、まずエアコンの
蒸発器のフィンが挙げられる。エアコンの蒸発器には多
数のフィンが僅かな間隔で多数装着されている。冷房運
転時にはフィンに水滴が付着し、フィン間の僅かな隙間
がこの水滴で形成される水膜で塞がれて、その結果、熱
交換効率が低下する。
【0033】そこでこのフィンに本発明による塗膜を形
成することで水膜が薄くなり、フィン間の隙間が確保さ
れる。
【0034】また、本発明による塗膜は保水量が多く、
しかも低毒性のため、シャーレ等に形成しても、かびや
細菌等の菌の培養培地として用いることも可能である。
【0035】例えば、本発明の塗膜にかび胞子(クラド
スポリウム)を含んだ溶液の1マイクロリットルを滴下
し、温度35℃,湿度97%の環境下に3週間放置した
ところ、表面にかびに由来するコロニーが観測された。
同時にかび胞子の溶液を滴下しなかったものも同じ環境
下に放置したが、かび由来のコロニーは観測されなかっ
た。
【0036】クラドスポリウムを含んだ溶液の代わりに
ペニシリウムを含んだ溶液を滴下し、同様の環境下に放
置したところ、クラドスポリウムの時と同様にコロニー
が観測された。よって本発明による塗膜は、菌の培地と
して使用可能なことが分かった。
【0037】なお細菌の増殖を敏速にするため塗料にブ
イヨン等を添加して製膜することで、培地に栄養を付与
することも可能である。
【0038】その他、熱交換器の冷媒接触面に本発明に
よる塗膜を設けることで、接触面積の増大に伴う熱交換
効率の向上、ビル,住宅等の建造物の外壁等への適用も
考えられる。
【0039】本発明の塗料は、親水性を発揮するポリエ
チレングリコールと、バインダとしてのアミノ基とアル
コキシシラン残基の両方を有する化合物を用いている。
アルコキシシラン残基を有する化合物にアミノ基がある
ことで、ポリエチレングリコールとの相溶性が向上し、
その結果、強固な膜が形成されるものと推定される。
【0040】アルコキシシランは、塗布する表面の水酸
基、ポリエチレングリコールの水酸基、アルコキシシラ
ンの脱アルコール反応によって生成する水酸基等と反応
して、塗膜を形成するものと推定される。
【0041】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説
明する。
【0042】〔実施例 1〕ポリエチレングリコールと
して平均分子量6,000、8,000、20,000、
70,000、500,000、2,000,000のもの
1重量部をテトラヒドロフラン(THF)297重量部
に加え、50℃に加温しながら攪拌することで溶解し
た。
【0043】アミノ基とアルコキシシラン残基の両方を
有する化合物として、前記チッソ株式会社製サイラエー
スS310、S320、S330、S360、MS32
01、MS3301を、2重量部加えたものをそれぞれ
調製し攪拌した。こうして本発明の親水塗膜形成用塗料
を調製した。
【0044】塗布基板として厚さ0.1mmのアルミニ
ウム板に上記の各塗料を浸漬法で塗布した。なお、基板
の引き上げ速度は10mm/秒で行った。次いで、この
塗布基板を140℃で5分間加熱して親水塗膜を形成し
た。これらの水との接触角を測定した結果を表1に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】いずれの塗膜も水との接触角は10度以下
であり、本発明の親水塗膜形成用塗料により親水性の高
い塗膜が形成可能なことが示された。
【0047】〔実施例 2〕実施例1で形成した親水塗
膜を有するアルミニウム基板を事務用ハサミで半分に切
断した。切断面を倍率100倍の顕微鏡で観察したとこ
ろ、いずれの基板もその切断面に、切断に伴うひび割れ
は長さ数μm程度のものが僅かに認められる程度であっ
た。
【0048】〔比較例 1〕トリエトキシシラン(和光
純薬製)6重量部、エタノール70重量部および0.1
重量%の塩酸29重量部とを混合し、50℃,1時間攪
拌した。これにアルミナゾル20%懸濁液(日産化学工
業株式会社製:アルミナゾル520)を300重量部混
合し親水塗料を調製し、これをアルミニウム基板に塗布
した。塗布後、基板を140℃で5分間加熱することで
親水塗膜を形成した。
【0049】この親水塗膜の水との接触角を測定したと
ころ10度以下であった。なお、膜作製の際は、アルミ
ニウム基板をクロム酸(0.1重量%)と弗化水素酸
(1重量%)の混合液に浸漬したものを用いた。この前
処理がないと、アルミニウム基板は用いる塗料を溌いて
しまい、均一に塗布することができなかった。
【0050】この親水塗膜を有するアルミニウム基板を
事務用ハサミで半分に切断し、切断面を100倍の顕微
鏡で観察したところ、切断面から長さ数μm〜数百μm
のひび割れが観測された。ひび割れの数も実施例1で作
製したものに比べてかなり多い。
【0051】実施例2と本比較例から、本発明の親水塗
膜は切断に伴う切断面のひび割れの発生が極めて少ない
ことが分かった。
【0052】〔実施例 3〕実施例1で作製した親水塗
膜を有するアルミニウム基板の一部を水中に浸漬する。
一定時間浸漬後、引き上げて乾燥し、水との接触角を測
定した。その結果を表2に示す。
【0053】また、ビニルアルコール系の親水塗料であ
る日本ペイント製サーフアルコート240を塗布したア
ルミニウム基板も作製し、同様の浸漬試験を行った。結
果を表2に併記する。
【0054】なお膜作製の際は、アルミニウム基板をク
ロム酸(0.1重量%)と弗化水素酸(1重量%)の混
合液に浸漬後に用いた。この前処理が無いとアルミニウ
ム基板は用いる塗料を溌いてしまい均一に塗布できな
い。
【0055】
【表2】
【0056】表2より本発明の親水塗料で作製された塗
膜は、浸漬による接触角の増加が少なかった。即ち、親
水塗膜としての性能を長く維持できることが示された。
【0057】〔実施例 4〕平均分子量20,000の
ポリエチレングリコール1重量部を種々の有機溶媒29
7重量部に加え、50℃に加温しながら攪拌,溶解し
た。アミノ基とアルコキシシラン残基の両方を有する化
合物として、チッソ株式会社製サイラエースS330を
2重量部加え攪拌し、種々の親水塗膜形成用塗料を調製
した。
【0058】基板として厚さ0.1mmのアルミニウム
板,厚さ0.5mmのSUS304板、および、厚さ1
mmのガラス板に、上記塗料を浸漬法で塗布した。な
お、基板の引き上げ速度は10mm/秒で行った。
【0059】上記の塗膜面を観察したが、塗料によって
は基板面で溌かれ、塗れないものもあった。基板の塗料
との接触角を測定した結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】基板の塗料との接触角が10度以下のとき
に、塗料が基板に良好に塗布できることが示された。本
発明の塗料は塗布される表面との接触角が10度以下で
あるため、良好に塗布することができる。
【0062】
【発明の効果】本発明による親水塗膜形成用塗料は、そ
れによって形成された塗膜の切断時のひび割れが起こり
にくく、耐久性が高い親水塗膜を形成することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 豊 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 4J038 DF011 DF012 DL081 DL082 KA06 MA14 NA07 PB05 PB06 PC02 PC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基とアルコキシシラン残基の両方
    を有する化合物とポリエチレングリコールを含む塗料で
    あって、該塗料で形成された塗膜表面の水との接触角が
    10度以下であることを特徴とする親水塗膜形成用塗
    料。
  2. 【請求項2】 前記アミノ基とアルコキシシラン残基の
    両方を有する化合物が式(1)または式(2) 〔化1〕 H2N−R1−SiR2(R3)2 (1) H2N−R1−Si(R3)3 (2) (但し、R1はアルキレン鎖、R2はアルキル基、R3
    アルコキシ基)で示される請求項1に記載の親水塗膜形
    成用塗料。
  3. 【請求項3】 ポリエチレングリコールの平均分子量が
    20000以上である請求項1または2に記載の親水塗
    膜形成用塗料。
  4. 【請求項4】 前記塗料の溶媒が、ポリエチレングリコ
    ールと、アミノ基とアルコキシシラン残基の両方を有す
    る化合物を溶解し、かつ、該溶媒の表面張力が38mN
    /m以下であるものを用いた請求項1,2または3に記
    載の親水塗膜形成用塗料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105820639A (zh) * 2016-05-09 2016-08-03 孙法峰 一种抗裂性外墙腻子及其制备方法

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