JP2002371029A - メタクリル酸の製造方法 - Google Patents
メタクリル酸の製造方法Info
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Abstract
酸化触媒の存在下に分子状酸素で気相接触酸化してメタ
クリル酸を製造する方法において、ホットスポット部の
温度を十分抑制し、メタクリル酸を高収率で製造する方
法を提供する。 【解決手段】 固体酸化触媒が充填されている固定床管
型反応器の触媒層に、メタクロレインを3〜9容量%、
酸素を5〜15容量%および水蒸気を5〜50容量%含
む原料ガスを流通させるメタクリル酸の製造方法におい
て、前記原料ガスを流通させる前に、前記触媒層に、酸
素、窒素および水蒸気を含み、かつメタクロレインが0
〜0.5容量%のガスを流通させながら250〜350
℃の範囲まで昇温し、次いでメタクロレインを1〜2.
8容量%、酸素を5〜15容量%および水蒸気を5〜5
0容量%含むガスを250〜350℃で1時間以上流通
させる。
Description
を用いてメタクロレインを固体酸化触媒の存在下に分子
状酸素で気相接触酸化してメタクリル酸を製造する方法
に関するものである。
クリル酸を製造する際に使用する触媒に関しては数多く
の提案がなされている。これら提案は主として触媒を構
成する元素およびその比率に関するものである。
媒層で蓄熱が起こる。蓄熱の結果生じる局所的異常高温
帯域はホットスポットと呼ばれ、この部分の温度が高す
ぎると過度の酸化反応を生じるので目的生成物の収率は
低下する。このため、該酸化反応の工業的実施におい
て、ホットスポットの温度抑制は重大な問題であり、特
に生産性を上げるために原料ガス中におけるメタクロレ
イン濃度を高めた場合、ホットスポットの温度が高くな
る傾向があることから反応条件に関して大きな制約を強
いられているのが現状である。
えることは工業的に高収率でメタクリル酸を生産する上
で非常に重要である。また、特にモリブデン含有固体酸
化触媒を用いる場合、モリブデン成分が昇華しやすいこ
とから、ホットスポットの発生を防止することは重要で
ある。
て、これまでにいくつかの提案がなされている。例えば
特開平4−210937号公報には、触媒組成を変動さ
せて調製した活性の異なる複数個の触媒を原料ガス入口
側から出口側に向かって活性がより高くなるように充填
し、この触媒層にメタクロレインおよび酸素を含む原料
ガスを流通させる方法が開示されている。また、特開平
8−92154号公報には、熱媒浴を備えた多管式固定
床反応器を用いてアクロレインをアクリル酸に気相酸化
する際に、熱媒浴の温度が反応器の入口部と出口部の間
で2〜10℃上がるように熱媒の流れを制御する方法が
開示されている。
原料ガス入口側での単位容積当たりの反応率を低くする
ことで、単位容積当たりの反応発熱量を抑え、結果とし
てホットスポット部の温度を低くしようとする方法であ
る。
だけではホットスポット部の温度制御が十分でなく、メ
タクリル酸の収率が低いという問題があった。
レインを固体酸化触媒の存在下に分子状酸素で気相接触
酸化してメタクリル酸を製造する方法において、ホット
スポット部の温度を十分抑制し、メタクリル酸を高収率
で製造する方法を提供することを目的とする。
が充填されている固定床管型反応器の触媒層に、メタク
ロレインを3〜9容量%、酸素を5〜15容量%および
水蒸気を5〜50容量%含む原料ガスを流通させるメタ
クリル酸の製造方法において、前記原料ガスを流通させ
る前に、前記触媒層に、酸素、窒素および水蒸気を含
み、かつメタクロレインが0〜0.5容量%のガスを流
通させながら250〜350℃の範囲まで昇温し、次い
でメタクロレインを1〜2.8容量%、酸素を5〜15
容量%および水蒸気を5〜50容量%含むガスを250
〜350℃で1時間以上流通させることを特徴とするメ
タクリル酸の製造方法である。
合成する反応は固定床管型反応器を用いて実施される。
管型反応器は特に限定されないが、工業的には内径10
〜40mmの反応管を数千〜数万本備えた多管式反応器
が好ましい。また、固定床管型反応器は熱媒浴を備えた
ものが好ましい。熱媒は特に限定されないが、例えば、
硝酸カリウムおよび亜硝酸ナトリウムを含む塩溶融物が
挙げられる。
の酸化反応用の固体触媒であれば特に限定されず、従来
から知られているモリブデンを含む複合酸化物等を用い
ることができるが、好ましくは下記の式(1)で表され
る複合酸化物が好ましい。 MoaPbCucVdXeYfOg (1) (式中、Mo、P、Cu、VおよびOはそれぞれモリブ
デン、リン、銅、バナジウムおよび酸素を表し、Xは
鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タ
ングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、スズ、
鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、
ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、
ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素、Yはカリウム、ルビジウム、セシウム
およびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を表す。ただし、a、b、c、d、e、fおよび
gは各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦
b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0≦e
≦10、0.01≦f≦3であり、gは前記各成分の原
子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
限定されず、成分の著しい偏在を伴わない限り、従来か
らよく知られている種々の方法を用いることができる。
ず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム
塩、酸化物、ハロゲン化物等を組み合わせて使用するこ
とができる。例えばモリブデン原料としてはパラモリブ
デン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン
酸、塩化モリブデン等が使用できる。
が、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、シリコンカ
ーバイト等の不活性担体に担持させた担持触媒や、ある
いはこれらで希釈した触媒を用いることもできる。
反応器の反応管内において少なくとも触媒が含まれてい
る空間部分を指す。すなわち、触媒だけが充填されてい
る空間だけでなく、触媒が不活性担体等で希釈されてい
る空間部分も触媒層とする。ただし、反応管両端部の何
も充填されていない空間部分や不活性担体等だけが充填
されている空間部分は、触媒が実質的に含まれないので
触媒層には含まない。
を固体酸化触媒の存在下に分子状酸素で気相接触酸化し
てメタクリル酸を製造する反応は、通常250〜350
℃の範囲の反応温度で実施される。ところが、250〜
350℃程度の反応温度に保たれた触媒層に反応開始当
初からメタクロレインを3〜9容量%、酸素を5〜15
容量%および水蒸気を5〜50容量%含む原料ガス(以
下、単に原料ガスという。)を流通させると、触媒層の
原料ガス入口部付近に最大温度の高いホットスポットが
生じる。
検討を行った結果、前記原料ガスを流通する前に、酸
素、窒素および水蒸気を含み、かつメタクロレインが0
〜0.5容量%であるガスを流通させながら250〜3
50℃の範囲まで昇温し、次いでメタクロレインを1〜
2.8容量%、酸素を5〜15容量%および水蒸気を5
〜50容量%含むガスを250〜350℃で1時間以上
流通させることにより、通常の反応条件、すなわち前記
原料ガスを用いて250〜350℃の反応温度で該酸化
反応を行ったときに、ホットスポット部の温度を十分抑
制でき、結果としてメタクリル酸を高い収率で製造する
ことができることを見出した。
の温度、すなわち昇温の開始温度は特に限定されない
が、10〜240℃の範囲が好ましい。また、昇温速度
も特に限定されないが、10〜500℃/時間が好まし
く、特に20〜400℃/時間が好ましい。
に流通させるガスは、酸素、窒素および水蒸気を含み、
かつメタクロレインが0〜0.5容量%のガスである。
このガスの酸素、窒素および水蒸気の濃度については特
に限定されないが、酸素1〜21容量%、窒素29〜9
8.5容量%、水蒸気0.5〜50容量%が好ましい。
また、メタクロレインは0〜0.5容量%であり、0〜
0.3容量%がより好ましく、0〜0.1容量%が特に
好ましい。触媒層温度が250℃未満の状態でメタクロ
レインの濃度が0.5容量%を超えるガスを流通させる
と、触媒上で生成した比較的高沸点を有する化合物が触
媒の活性点を被毒する場合がある。このガスには、酸
素、窒素、水蒸気およびメタクロレイン以外の気体を含
んでいてもよく、このような気体としては、例えば、二
酸化炭素等の不活性ガス、低級飽和アルデヒド、ケトン
等が挙げられる。ただし、低級飽和アルデヒド等の有機
化合物を含む場合には、メタクロレインおよびその他の
有機化合物の濃度の和が0.5容量%以下であることが
好ましい。昇温時のガスの流量は特に限定されないが、
空間速度が100〜2000hr−1となるような流量
が好ましい。この際の反応器内の圧力は、通常、常圧か
ら数気圧である。
ンを1〜2.8容量%、酸素を5〜15容量%および水
蒸気を5〜50容量%含むガスである。メタクロレイン
濃度は1〜2.5容量%が好ましく、特に1〜2.2容
量%が好ましい。酸素濃度は5.2〜14容量%が好ま
しく、特に5.4〜12容量%が好ましい。水蒸気濃度
は2〜40容量%が好ましく、特に4〜30容量%が好
ましい。このガスを流通させる際の温度は、250〜3
50℃である。また、このガスを流通させる時間は1時
間以上であり、1.5〜100時間が好ましく、特に2
〜50時間が好ましい。このガスには、酸素、水蒸気お
よびメタクロレイン以外の気体を含んでいてもよく、こ
のような気体としては、例えば、窒素、二酸化炭素、低
級飽和アルデヒド、ケトン等が挙げられる。昇温後に流
通させるガスの流量は特に限定されないが、空間速度が
100〜3000hr−1となるような流量が好まし
い。この際の反応器内の圧力は、通常、常圧から数気圧
である。このガスの流通時には最大温度の低いホットス
ポットが触媒層の広い部分に生じる。
ロレインを3〜9容量%、好ましくは4〜8容量%含む
原料ガスを用いて250〜350℃の反応温度で該酸化
反応を行うと、ホットスポットの最大温度が抑制され
る。その結果、ホットスポット部での逐次酸化が抑制さ
れ、メタクリル酸を高い収率で製造することができる。
原料ガスは本反応に対して実質的に影響を与えない低級
飽和アルデヒド、ケトン等の不純物を少量含んでいても
よいし、二酸化炭素等の不活性ガスを加えて希釈しても
よい。原料ガスの流量は特に限定されないが、空間速度
が300〜3000hr−1となるような流量が好まし
く、特に500〜2000hr−1となるような流量が
好ましい。該酸化反応の反応温度は250〜350℃が
好ましく、特に260〜330℃が好ましい。また、反
応圧力は常圧から数気圧まで実施できる。
流通させるガスおよび昇温後に流通させるガスの酸素源
には空気を用いるのが経済的に有利である。
明する。なお、実施例および比較例中の「部」は重量部
を意味する。触媒組成は触媒成分の原料仕込み量から求
めた。反応器の熱媒としては硝酸カリウム50質量%お
よび亜硝酸ナトリウム50質量%からなる塩溶融物を用
いた。ホットスポットは触媒層のΔT(触媒層の温度−
熱媒浴の温度)により検出した。
して垂直な断面の中心に設置した保護管に挿入した熱電
対により測定した。なお、保護管内は反応系と隔絶され
ており、測温する位置は挿入する熱電対の長さを調節し
て変えることができる。原料ガスおよび反応生成ガスの
分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
メタクリル酸の選択率、メタクリル酸の収率はそれぞれ
以下のように定義される。 メタクロレインの反応率(%)=(B/A)×100 メタクリル酸の選択率(%)=(C/B)×100 メタクリル酸の収率(%)=(C/A)×100 ここで、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反
応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリ
ル酸のモル数である。
ム100部、メタバナジン酸アンモニウム2.8部およ
び硝酸セシウム9.2部を純水300部に溶解した。こ
れを攪拌しながら、85質量%リン酸8.2部を純水1
0部に溶解した溶液およびテルル酸1.1部を純水10
部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら95℃に昇温し
た。次いで硝酸銅3.4部、硝酸第二鉄7.6部、硝酸
亜鉛1.4部および硝酸マグネシウム1.8部を純水8
0部に溶解した溶液を加えた。更にこの混合液を100
℃で15分間攪拌し、得られたスラリーを噴霧乾燥機を
用いて乾燥した。
イト2部を添加混合し、打錠成形機により外径5mm、
内径2mm、長さ3mmのリング状に成形した。この打
錠成形物を空気流通下に380℃で5時間焼成し、触媒
1を得た。触媒1の組成は、酸素を除いた原子比で、 Mo12P1.5Cu0.3V0.5Fe0.4Te
0.1Mg0.15Zn 0.1Cs1 であった。
固定床管型反応器の原料ガス入口側に触媒1を620m
Lと外径5mmのアルミナ球130mLを混合したもの
を充填し、出口側に触媒1を750mLを充填した。こ
のときの触媒層の長さは3005mmであった。
量%および窒素81容量%からなるガスを空間速度24
0hr−1で流通させながら熱媒浴温度を290℃まで
50℃/時間で昇温した。
クロレイン2容量%、酸素8容量%、水蒸気15容量%
および窒素75容量%からなるガスを空間速度1000
hr −1で3時間流通させた。
クロレイン6.5容量%、酸素11容量%、水蒸気10
容量%および窒素72.5容量%からなる原料ガスを空
間速度1000hr−1で通じた。
原料ガス入口側の端から500mmの位置に最大温度を
有するホットスポットが観測され、この最大温度におけ
るΔTは24℃であった。また、メタクロレイン反応率
は85.0%、メタクリル酸選択率は83.3%、メタ
クリル酸の収率は70.8%であった。
クロレイン2.5容量%、酸素8容量%、水蒸気15容
量%および窒素74.5容量%に変更した以外は実施例
1と同様にして酸化反応を行った。その結果、触媒層の
原料ガス入口側の端から470mmの位置に最大温度を
有するホットスポットが観測され、この最大温度におけ
るΔTは25℃であった。また、メタクロレイン反応率
は85.2%、メタクリル酸選択率は83.0%、メタ
クリル酸の収率は70.7%であった。
1.5時間に変更した以外は実施例1と同様にして酸化
反応を行った。その結果、触媒層の原料ガス入口側の端
から470mmの位置に最大温度を有するホットスポッ
トが観測され、この最大温度におけるΔTは25℃であ
った。また、メタクロレイン反応率は85.3%、メタ
クリル酸選択率は82.9%、メタクリル酸の収率は7
0.7%であった。
となく、熱媒浴温度290℃まで昇温した後、即座に原
料ガスを通じたこと以外は実施例1と同様にして酸化反
応を行った。その結果、触媒層の原料ガス入口側の端か
ら400mmの位置に最大温度を有するホットスポット
が観測され、この最大温度におけるΔTは31℃であっ
た。また、メタクロレイン反応率は85.7%、メタク
リル酸選択率は81.4%、メタクリル酸の収率は6
9.8%であった。
10分間に変更したこと以外は実施例1と同様にして酸
化反応を行った。その結果、触媒層の原料ガス入口側の
端から400mmの位置に最大温度を有するホットスポ
ットが観測され、この最大温度におけるΔTは30℃で
あった。また、メタクロレイン反応率は85.6%、メ
タクリル酸選択率は81.5%、メタクリル酸の収率は
69.8%であった。
クロレイン4.5容量%、酸素12容量%、水蒸気10
容量%および窒素73.5容量%からなるガスに変更し
たこと以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。
その結果、触媒層の原料ガス入口側の端から400mm
の位置に最大温度を有するホットスポットが観測され、
この最大温度におけるΔTは31℃であった。また、メ
タクロレイン反応率は85.7%、メタクリル酸選択率
は81.4%、メタクリル酸の収率は69.8%であっ
た。
クロレイン0.6容量%、酸素8容量%、水蒸気15容
量%および窒素76.4容量%からなるガスに変更した
こと以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。そ
の結果、触媒層の原料ガス入口側の端から400mmの
位置に最大温度を有するホットスポットが観測され、こ
の最大温度におけるΔTは30℃であった。また、メタ
クロレイン反応率は85.7%、メタクリル酸選択率は
81.5%、メタクリル酸の収率は69.8%であっ
た。
する際に流通させるガスの組成をメタクロレイン3容量
%、酸素8容量%、水蒸気15容量%および窒素74容
量%からなるガスに変更したこと以外は実施例1と同様
にして酸化反応を行った。その結果、触媒層の原料ガス
入口側の端から550mmの位置に最大温度を有するホ
ットスポットが観測され、この最大温度におけるΔTは
19℃であった。また、メタクロレイン反応率は82.
0%、メタクリル酸選択率は82.8%、メタクリル酸
の収率は67.9%であった。この結果によれば、実施
例1に比べてホットスポットのΔTが低下したが、メタ
クロレインの反応率も低下していることから、触媒が昇
温時に被毒されたものと考えられる。
五酸化バナジウム3.2部および85質量%リン酸6.
7部を純水800部と混合した。これを還流下で3時間
加熱攪拌した後、これに酸化銅0.5部、ホウ酸0.7
部および二酸化ゲルマニウム1.2部を加え、再び還流
下で2時間加熱攪拌した。得られたスラリーを50℃ま
で冷却し、重炭酸セシウム11.2部を純水30部に溶
解した溶液を加え15分間攪拌した。次いで、硝酸アン
モニウム10部を純水30部に溶解した溶液を加え更に
15分間攪拌し、得られた触媒成分を含有するスラリー
を噴霧乾燥機を用いて乾燥した。
イト2部を添加混合し、打錠成形機により外径5mm、
内径2mm、長さ3mmのリング状に成型した。この打
錠成形物を空気流通下に380℃で5時間焼成し、触媒
2を得た。触媒2の組成は、酸素を除いた原子比で、 Mo12P1Cu0.1V0.6Ge0.2B0.2C
s1 であった。
固定床管型反応器の原料ガス入口側に触媒2を580m
Lと外径5mmのアルミナ球170mLを混合したもの
を充填し、出口側に触媒2を750mLを充填した。こ
のときの触媒層の長さは3005mmであった。
量%および窒素81容量%からなるガスを空間速度24
0hr−1で流通させながら熱媒浴温度を290℃まで
50℃/時間で昇温した。
クロレイン2容量%、酸素8容量%、水蒸気15容量%
および窒素75容量%からなるガスを空間速度1000
hr −1で3時間流通させた。
クロレイン6.5容量%、酸素11容量%、水蒸気10
容量%および窒素72.5容量%からなる原料ガスを空
間速度1000hr−1で通じた。
原料ガス入口側の端から500mmの位置に最大温度を
有するホットスポットが観測され、この最大温度におけ
るΔTは26℃であった。また、メタクロレイン反応率
は85.8%、メタクリル酸選択率は84.4%、メタ
クリル酸の収率は72.4%であった。
となく熱媒浴温度290℃まで昇温した後、即座に原料
ガスを通じたこと以外は実施例4と同様にして酸化反応
を行った。その結果、触媒層の原料ガス入口側の端から
400mmの位置に最大温度を有するホットスポットが
観測され、この最大温度におけるΔTは38℃であっ
た。また、メタクロレイン反応率は86.5%、メタク
リル酸選択率は82.4%、メタクリル酸の収率は7
1.3%であった。
メタクロレインを固体酸化触媒の存在下に分子状酸素で
気相接触酸化してメタクリル酸を製造する方法におい
て、ホットスポット部の温度を十分抑制し、メタクリル
酸を高収率で製造することができる。
表される複合酸化物を用いることでさらに収率が向上す
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 固体酸化触媒が充填されている固定床管
型反応器の触媒層に、メタクロレインを3〜9容量%、
酸素を5〜15容量%および水蒸気を5〜50容量%含
む原料ガスを流通させるメタクリル酸の製造方法におい
て、前記原料ガスを流通させる前に、前記触媒層に、酸
素、窒素および水蒸気を含み、かつメタクロレインが0
〜0.5容量%のガスを流通させながら250〜350
℃の範囲まで昇温し、次いでメタクロレインを1〜2.
8容量%、酸素を5〜15容量%および水蒸気を5〜5
0容量%含むガスを250〜350℃で1時間以上流通
させることを特徴とするメタクリル酸の製造方法。 - 【請求項2】 前記固体酸化触媒が下記の式(1)で表
される複合酸化物であることを特徴とする請求項1記載
のメタクリル酸の製造方法。 MoaPbCucVdXeYfOg (1) (式中、Mo、P、Cu、VおよびOはそれぞれモリブ
デン、リン、銅、バナジウムおよび酸素を表し、Xは
鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タ
ングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、スズ、
鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、
ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、
ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素、Yはカリウム、ルビジウム、セシウム
およびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を表す。ただし、a、b、c、d、e、fおよび
gは各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦
b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0≦e
≦10、0.01≦f≦3であり、gは前記各成分の原
子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
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JP2001179799A JP4248163B2 (ja) | 2001-06-14 | 2001-06-14 | メタクリル酸の製造方法 |
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JP2009502927A (ja) * | 2005-07-25 | 2009-01-29 | サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション | 混合アルデヒド供給原料のメタクリル酸への酸化のための触媒およびその製造方法と使用方法 |
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