JP2002369000A - 閾値配列のデータ構造および網点画像データの作成方法 - Google Patents

閾値配列のデータ構造および網点画像データの作成方法

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JP2002369000A JP2001177394A JP2001177394A JP2002369000A JP 2002369000 A JP2002369000 A JP 2002369000A JP 2001177394 A JP2001177394 A JP 2001177394A JP 2001177394 A JP2001177394 A JP 2001177394A JP 2002369000 A JP2002369000 A JP 2002369000A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】出力される網点画像からモアレ等の不要な低周
波成分を低減する。 【解決手段】入力画像データと比較されて、網点画像
(1個以上の黒化画素からなるドットを有する網点セル
50の集合パターンにより形成される網点画像)を出力
するための閾値配列のデータ構造において、このデータ
構造を、入力画像データが一定濃度の入力画像データで
ある場合、各網点セル50を構成する各ドット47’、
47a’、47b’、47c’、47d’の黒化画素数
の最大値をNmax、最小値をNminとするとき、各
ドット相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmi
n)が、2≦Δ≦6となるドットが存在するように形成
する。このようにすれば、網点画像からモアレ等の不要
な低周波成分を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラースキャ
ナ、イメージセッタ、CTP装置、CTC装置、DDC
P等の印刷分野機器で利用される閾値配列のデータ構造
および網点画像データの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印画紙あるいはフイルム上に2値(例え
ば、レーザビームのオンオフにより黒化部分と白化部
分)からなる網点画像(階調画像)を形成するイメージ
セッタ等の網点画像出力装置においては、その出力解像
度とスクリーン線数との干渉で生じるモアレ縞、いわゆ
る単版モアレが、出力された画像上に発生する場合があ
ることが指摘されている(特開平8−317212号公
報参照)。
【0003】ここで、出力解像度とは、画像出力装置の
解像度であり、dpi(ドットパーインチ)、画素/イ
ンチ(dpiと同意)、または画素/mm(dpmmま
たはlpmmと表記される。)等で定義される。また、
スクリーン線数とは、単位長(1インチ)当たりに含ま
れる網点(網点セルともいう。)の列の数である線/イ
ンチ(線/mmに換算可能)で定義され、lpi(ライ
ンパーインチ)、線数、スクリーン周波数または網点周
波数ともいわれる。
【0004】出力解像度とスクリーン線数との干渉によ
り発生するモアレ縞は、網点の周期的なパターン、すな
わち網点ピッチと走査線ピッチ間で生じる周期的な干渉
縞である。このモアレ縞は、低周波のノイズ成分となっ
て画像品質を劣化させる。
【0005】この低周波ノイズ成分を低減する技術をこ
の出願の発明者は、特開平11−112814号公報
(第1の技術という。)および特願2001−2883
8号明細書(第2の技術という。)により提案してい
る。
【0006】第1の技術は、閾値配列(閾値テンプレー
トともいう。)内の既存の修正前の閾値中、所定の閾値
修正範囲内の中央値と前記修正前の閾値とを比較して、
網点画像データに変換した後、周波数空間上のデータに
変換し、このデータから網点の基本周波数成分より低い
低周波ノイズ成分を含むデータを抽出して、実空間上の
画像データに変換する。この変換後の実空間上のデータ
と前記修正前の閾値とを前記所定の閾値修正範囲内で観
察し、置換しようとする一対の閾値を一定条件下(基本
的には、前記実空間上の画像データの最大値と最小値を
有する画素を発生する位置にある閾値対)に選択して置
換し、修正後の閾値配列を得る技術である。
【0007】この第1の技術によれば、修正後の閾値配
列自体が、低周波ノイズ成分の発生しにくい配列とな
る。
【0008】また、上記の第2の技術では、既存の閾値
配列を修正するのではなく、低周波ノイズ成分の発生し
にくい、換言すれば、階調画像を出力した際にモアレの
発生の起きにくい閾値配列を最初から作成するので自由
度が高く、そのためモアレ低減能力が高くなっている。
【0009】上記第1および第2のモアレ低減化技術
は、解像度が、たとえば2400dpiと比較的に高く
て、スクリーン線数が175lpiと比較的高線数の網
点画像に適用して効果的である。
【0010】すなわち、1網点あたりの画素数{ドット
数ともいう。上記例では、約188個(=2400/1
75)2}が比較的に多い網点画像を作成するための閾
値配列に適用して好適である。
【0011】しかしながら、2400dpi、175l
piの条件では、カラースキャナ、イメージセッタ、C
TP装置、CTC装置、DDCP等の印刷分野機器にお
いて、品質は確保されるが、処理するデータの量が多く
なり、データ処理およびデータ出力に要する時間が長く
なるという問題がある。
【0012】この出願の発明者は、出力解像度とスクリ
ーン線数がより干渉し易くモアレ(いわゆる単版モア
レ)が発生しやすい条件、たとえば、解像度が1200
dpiで、スクリーン線数が175lpiの出力条件、
一般的には、出力解像度(dpi)/線数(lpi)の
値が10以下の出力条件の場合には、網点に対する1画
素の占める割合が大きくなって量子化誤差が大きくな
り、上記第1および第2の技術によってもモアレが残っ
てしまう場合があるという知見を得た。
【0013】実際上、1200dpi、175lpiの
条件での出力画像と、2000dpi、175lpiの
出力画像とでは、1画素の大きさが、それぞれ約21μ
m、約13μmと、人間の眼では、解像度を区別するこ
とができない程度に細かい画像である。
【0014】したがって、2000dpi、175lp
iの条件に比較して、量子化誤差が大きくなる1200
dpi、175lpiの条件での出力画像にモアレの発
生がなければ、カラースキャナ、イメージセッタ、CT
P装置、CTC装置、DDCP等の印刷分野機器の構成
を簡単化でき、かつ処理速度を高速にすることができる
という利点が得られる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、平網
(均一濃度のドットパターン)の網点画像を出力しよう
とする場合、0個または1個以上の黒化画素からなるド
ット(このドットの意味は、0個または1個以上の黒化
画素からなるドットであり、画素1個を示すドットとは
異なる。)を有する網点セルの集合パターンにより形成
される網点画像において、前記各網点セルの各ドットを
構成する黒化画素数がなるべく揃うように閾値配列を作
成している。
【0016】しかしながら、より低解像度で高線数の網
点画像を作成しようとする場合には、上述した単版モア
レが問題となり、各ドット相互の黒化画素数を揃えるよ
うに黒化画素を付けていくと単版モアレを解消すること
ができない場合があるという知見を得た。
【0017】この発明は、このような課題および技術を
考慮してなされたものであって、比較的に低解像度で高
線数の階調画像であっても、モアレ等の低周波成分の発
生の起きにくい閾値配列のデータ構造および網点画像デ
ータの作成方法を提供することを目的とする。
【0018】さらに詳しく目的を説明すると、閾値配列
を利用する方式(閾値方式という。)の階調再現方法に
おいてモアレ縞が発生するのは、理解の容易化のため
に、たとえば入力画像の濃度が一様である画像を考える
と、閾値配列単位で同じ模様が繰り返されることを原因
とする。前述した出力解像度とスクリーン線数のモアレ
は、閾値方式として網点(周期的に、略同等の大きさの
ドットを並べた画像再現方法)を用いる場合の、閾値単
位の周期成分の一つであると考えることができる。した
がって、この発明の方法は、閾値方式が可能な階調再現
方法全般において生じる閾値に起因する周期成分を低減
することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る閾値配列
のデータ構造は、入力画像データと比較されて、1個以
上の黒化画素からなるドットを有する網点セルの集合パ
ターンにより形成される網点画像を出力するための閾値
配列のデータ構造において、前記データ構造が、前記入
力画像データが一定濃度の入力画像データである場合、
前記各網点セルを構成する各ドットの黒化画素数の最大
値をNmax、最小値をNminとするとき、各ドット
相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmin)が、
2≦Δ≦6となるドットが存在するように形成されてい
ることを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0020】この発明の閾値配列を利用することによ
り、出力される網点画像上でモアレ等の低周波成分の発
生が抑制される。
【0021】特に、網点画像の解像度をdpi(ドット
/インチ)、前記網点画像のスクリーン線数をlpi
(ライン/インチ)とするとき、比dpi/lpiがd
pi/lpi≦10の場合、前記差Δを、3≦Δ≦4と
することで、比較的低解像度で高線数の網点画像におい
ても低周波成分を抑制することができる(請求項2記載
の発明)。
【0022】この発明に係る網点画像データの作成方法
は、閾値配列を用いて、1個以上の黒化画素からなるド
ットを有する網点セルの集合パターンにより形成される
網点画像データを作成するための網点画像データ作成方
法において、入力画像データと前記閾値配列とを比較し
て前記網点画像データを作成する際に、前記閾値配列の
データ構造が、前記入力画像データが一定濃度の入力画
像データである場合、前記各網点セルを構成する各ドッ
トの黒化画素数の最大値をNmax、最小値をNmin
とするとき、各ドット相互の黒化画素数の差Δ=(Nm
ax−Nmin)が、2≦Δ≦6となるドットが存在す
るように形成されていることを特徴とする(請求項3記
載の発明)。
【0023】この発明の閾値配列を利用することによ
り、出力される網点画像上でモアレ等の低周波成分の発
生が抑制される。
【0024】この場合においても、特に、網点画像の解
像度をdpi(ドット/インチ)、前記網点画像のスク
リーン線数をlpi(ライン/インチ)とするとき、比
dpi/lpiがdpi/lpi≦10の場合、前記差
Δを、3≦Δ≦4とすることで、比較的低解像度で高線
数の網点画像においても低周波成分を抑制することがで
きる(請求項4記載の発明)。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0026】図1は、この発明の一実施の形態に係るス
ーパーセル閾値テンプレート(スーパーセル閾値配列)
36が適用された製版システム10の基本的な構成を示
している。
【0027】図1例の製版システム10は、基本的に
は、画像入力部14と画像処理部16と階調画像作成部
としての網点画像データ作成部20と画像出力装置24
とから構成される。この製版システム10は、画像入力
部14により原稿画像12から読み取った画像をドット
パターンにより形成される階調画像としての網点画像と
してフイルムF上に形成するシステムである。
【0028】この場合、画像入力部14において、光源
からの光が照射され副走査方向に移送される原稿画像1
2からの反射光または透過光が、リニアイメージセンサ
等の光電変換素子に導かれて電気的に主走査され、その
光電変換素子を通じて電気信号である画像信号(画素信
号)に変換される。変換された画像信号は、A/D変換
器により例えば、値0、1、…、255をとる8ビット
のデジタル画像データ(単に画像データともいう。)D
Aに変換される。
【0029】なお、画像入力部14としては、このよう
なスキャナに限らず、DVD等の画像記録ディスク(画
像記録媒体)、通信ネットワーク、デジタルスチルカメ
ラ等、結果としてデジタル画像データを出力する媒体で
あればよい。
【0030】画像入力部14から出力された画像データ
DAに対して、画像処理部16により、必要に応じて色
補正処理、シャープネス処理等が行われて画像データG
が作成される。
【0031】この実施の形態において画像出力装置24
の解像度、すなわち出力解像度は、例として、1200
走査線/インチであるものとする。なお、この走査線/
インチの表現は、スクリーン線数と紛らわしいので、以
下、出力解像度は、1200dpi(dot/インチ)
で表すものとする。ここで、dotは、上記のように1
画素を意味する。
【0032】なお、画像出力装置24の解像度として
は、900dpi〜5000dpi程度の値を選択する
ことができる。
【0033】画像処理部16により所定の処理のなされ
た画像データGは、階調画像データ作成装置としての網
点画像データ作成部20に供給される。なお、近年、網
点画像データ作成部20に供給される画像データGとし
て、上記デジタルカメラ等、結果としてデジタル画像デ
ータを出力する媒体で画像処理がなされたものが直接供
給される場合もある。
【0034】網点画像データ作成部20は、ソフトウエ
アを用いてコンピュータにより実現することが可能であ
るが、ハードウエアにより実現することもできる。ま
た、ソフトウエアとハードウエアとを混在させて実現す
ることもできる。
【0035】網点画像データ作成部20は、階調画像デ
ータ作成手段(網点画像データ作成手段)として機能す
る比較部32、アドレス計算部34、階調画像データ作
成用閾値配列が複数記憶される記憶媒体としてのスーパ
ーセル閾値テンプレート(閾値配列)36、および所望
の閾値配列を選択する選択手段としての網属性入力部3
8から構成される。
【0036】網点画像データ作成部20に供給された画
像データGは、比較部32の比較入力に供給される。ま
た、画像データGからスーパーセル閾値テンプレート3
6上のx軸とy軸のアドレスを表すアドレスAD=AD
(x,y)がアドレス計算部34により計算される。
【0037】スーパーセル閾値テンプレート36は、そ
の指定されたアドレスADに格納されている閾値{この
場合、値1、…255をとる8ビット(正確には、8ビ
ットから1を引いた値であるが、便宜上、8ビットとい
う。)の閾値データ}Tを読み出して比較部32の基準
入力に供給する。
【0038】スーパーセル閾値テンプレート36として
は、複数のスーパーセル閾値テンプレート中、網属性入
力部38により指定された網属性(スクリーン線数、網
角度および網形状)に対応するものが使用される。な
お、この実施の形態において、例として、スクリーン線
数は175線(lpi)であり、網角度は15°、網形
状はスクエア形状に指定されているものとする。
【0039】なお、スクリーン線数は、85線、175
線、300線等、50線〜600線の間の値に選択する
ことができる。
【0040】スーパーセルは、複数の網点セル(単に、
網点ともいう。)から構成されている。一般に、網点生
成技術分野においては、出力解像度により定まる画素グ
リッド上にスーパーセルを設定し、設定したスーパーセ
ルを網点セルに分割し、分割した網点セル内の各画素に
対応して閾値を割り当てて網点閾値を生成するようにさ
れており、各網点セルに閾値が割り当てられたスーパー
セルをスーパーセル閾値テンプレート(閾値配列)とい
う。
【0041】スーパーセルに関連して網点を生成する技
術の参考文献としては、例えば、「書名:ポストスクリ
プト・スクリーニング、著者:ピーター・フィンク、発
行元:株式会社エムディエヌコーポレーション、発行
日:1994年8月11日、初版第1刷」を挙げること
ができる。
【0042】複数の網点セルから構成されるスーパーセ
ルを考えることで、スクリーン線数と網角度をより細か
く変化させることが可能になり、指定されたスクリーン
線数と網角度に、より近い値を選択することができると
いう有利さがある。
【0043】画素グリッドとは、黒化単位である画素の
集合体をいう。したがって、画素グリッドは、出力解像
度で画素が縦横に整然と並んでいる状態をイメージすれ
ばよい。
【0044】比較部32では、画像データGと閾値デー
タ(単に閾値ともいう。)Tについて、G≧T→1(オ
ン、黒化)、G<T→0(オフ、白抜け、白化、非黒
化、未黒化)の大小比較演算を行い、その比較演算結果
の値1または値0をとるドットパターンを示す階調画像
データとしての網点画像データ(2値データ、2値画像
データ、2値網点画像データ、またはデジタル網点デー
タともいう。)Hを作成する。なお、作成された網点画
像データHにより、表示媒体の例としてのディスプレイ
等の表示部35に表示される画像は、0個または1個以
上の黒化画素からなるドットを有する網点セルの集合パ
ターン(ドットパターンという。)により形成される階
調画像(網点画像)である。
【0045】作成された網点画像データH、すなわち階
調画像データは、画像出力装置24を構成する露光記録
部26に供給される。
【0046】露光記録部26では、この露光記録部26
内に配された感光材料M上を、網点画像データHに応じ
てオンオフするレーザビーム(記録ビーム)により露光
走査記録して、感光材料M上に潜像としての網点画像を
形成する。網点画像の形成された感光材料Mは、自動現
像機28により現像処理されて、顕像化された網点画像
が形成されたフイルムFが作成される。このフイルムF
が原版とされて刷版が作成され、作成された刷版が図示
していない印刷機に装着され、装着された刷版に対して
インキが付けられる。
【0047】刷版に付けられたインキが印画紙等の記録
媒体であるシート上に転移されることで、シート上に画
像が形成された所望の印刷物を得ることができる。
【0048】なお、この発明は、原版としてのフイルム
Fを出力する画像出力装置24ではなく、網点画像デー
タHにより刷版PPを直接出力することの可能な画像出
力装置であるCTP(computer to plate)出力機24
aにも適用することができる。CTP出力機24a内で
は、感光材料Mがレーザビーム(記録ビーム)により走
査記録されることで、直接、刷版PPが得られる。
【0049】また、画像出力装置としては、いわゆるレ
ーザ光を用いた走査露光装置に限らず、面露光方式やイ
ンクジェット方式でフイルム、刷版あるいは印刷物を描
画する装置にも適用することができる。
【0050】さらには、CTC(computer to cylinde
r)印刷機24bに網点画像データHを供給するように
構成すれば、このCTC印刷機24bでは網点画像デー
タHに基づき、シリンダに巻き付けられた感光材料Mが
走査記録されて得られた刷版にインキが付けられ、刷版
に付けられたインキが記録媒体であるシートに転移され
ることで、シート上に画像形成された所望の印刷物PM
を直接得ることができる。
【0051】なお、図1例中の網点画像データ作成部2
0を構成するスーパーセル閾値テンプレート36の閾値
配列は、CDROM、CDR等のパッケージメディアで
あって持ち運ぶことの可能な記憶媒体49に記録して可
搬することが可能である。
【0052】この網点画像作成部20は、ハードウエア
あるいはコンピュータ上でソフトウエアによって実行さ
れる場合がある。この場合、スーパーセル閾値テンプレ
ート36(閾値配列)は、ハードディスク等の記憶媒体
に記憶されているものを用いる。
【0053】以上が、この発明の一実施の形態の閾値配
列が適用された製版システム10の基本的な構成につい
ての説明である。
【0054】次に、この発明の一実施の形態に係る閾値
配列のデータ構造および網点画像作成方法を実施する階
調画像作成用閾値配列作成装置について説明する。
【0055】図2は、記憶手段であるRAM(ランダム
アクセスメモリ)やハードディスク等の記憶媒体により
構成され、それぞれ複数の1、2、…、255の閾値T
が割り当てられて作成されるスーパーセル閾値テンプレ
ート(閾値配列)36の作成装置(階調画像作成用閾値
配列作成装置)18の構成例を示している。なお、ここ
で階調画像とは、2値画像{黒化画素と白化(白ヌケ)
画素とからなる階調画像}あるいは4値画像(例えば、
4段階の濃度0、1、2、3で示される階調で構成され
る階調画像)等の多値画像を意味している。
【0056】この図2例の階調画像作成用閾値配列作成
装置18において、図1に示した製版システム10の構
成要素と対応するものには、同一の符号を付けてその詳
細な説明を省略する。
【0057】階調画像作成用閾値配列作成装置18は、
線数、角度、出力解像度、網形状等の入力パラメータを
設定するパラメータ入力部37と、設定された入力パラ
メータに応じて実質線数角度を選択する実質線数角度選
択部39と、選択された実質線数角度に応じて黒化候補
画素を選択する候補画素選択部41とを有している。な
お、候補画素選択部41は、スーパーセル閾値テンプレ
ート36の閾値を決定する際に、階調の高い方の次階調
の閾値を決定する場合には、黒化候補画素を選択する機
能を有する黒化候補画素選択部として機能するが、階調
の低い方の次階調の閾値を決定する場合には、白化候補
画素を選択する白化候補画素選択部として機能する。
【0058】また、階調画像作成用閾値配列作成装置1
8は、候補画素選択部41により選択された候補画素の
選択に応じて、既に決定している閾値配列で作成される
画像パターンを発生させるように、閾値サイズ分で大き
さが一定の画像データGを発生する画像データ発生部3
0と、発生された画像データGに基づいてアドレスAD
を計算して作成途中(作成途上)スーパーセル閾値テン
プレート36Mに供給するアドレス計算部34と、最初
は閾値Tが全てゼロ値とされ実質的に閾値Tが何も配置
されていない状態から順次決定された閾値が記憶(保
存)される作成途中スーパーセル閾値テンプレート36
Mと、作成途中までの閾値(既決定の閾値)Tと画像デ
ータGとから値0または値1をとる網点画像データHを
作成する比較部32と、網点画像データHに基づき画像
出力装置24から出力される濃度画像に対応する濃度画
像データHd(「0」と「1」とからなる2値データ)
を作成する濃度シミュレーション部33とを有してい
る。この図2例において、表示部35には、網点画像デ
ータHあるいは濃度画像データHdを表示することが可
能である。
【0059】さらに、階調画像作成用閾値配列作成装置
18は、比較部32から出力される網点画像データHあ
るいは濃度シミュレーション部33から出力される濃度
画像データHdから低周波成分データ(低周波ノイズ成
分、低周波ノイズデータ、低周波成分)Lを抽出する低
周波成分抽出部45と、この低周波成分データLに基づ
き、前記候補画素選択部41により選択された候補画素
の位置の低周波成分を算出するとともに、算出した低周
波成分に基づき次の画素位置を閾値の配置位置と決定す
る画素決定処理部46を有している。
【0060】ここで、低周波成分抽出部45は、周波数
変換手段としての高速フーリエ変換器(FFT)40、
低域通過フィルタ(LPF)42、周波数逆変換手段と
しての高速逆フーリエ変換器(IFFT)44とから構
成される。なお、周波数変換手段としては、高速フーリ
エ変換器40にかぎらず、ウェブレット変換手段を使用
することができ、ウェブレット変換手段を使用したとき
には、周波数逆変換手段としてウェブレット逆変換手段
を使用する。
【0061】また、低周波成分抽出部45は、周波数変
換手段を持つことなく実空間上でのフィルタリング(コ
ンボリューション演算)によって低周波成分を抽出する
ことも可能である。コンボリューション演算のマスクサ
イズや画像データサイズにも依存するが、計算を実行す
るにあたっては、周波数変換手段を用いた方が、コンボ
リューション演算より演算時間を短くすることができる
場合が多い。
【0062】比較部32により作成された網点画像デー
タHは、濃度シミュレーション部33を通じてあるいは
直接にフーリエ変換手段である高速フーリエ変換器40
に供給される。濃度シミュレーション部33を通じて供
給するか直接供給するかは、図示していない選択手段に
より選択することができる。
【0063】この網点画像データHは、位置空間(実空
間)上の画像データである。ここで、位置空間上のデー
タとは、xy平面上で定義される座標上のデータである
ことをいう。この位置空間上の網点画像データHが、高
速フーリエ変換器40により、周波数空間上の情報信号
であるデータD1に変換され、遮断周波数が網点の基本
周波数成分(スクリーン線数成分)に設定された低域通
過フィルタ42に供給される。ここで、周波数空間上の
データとは、xy軸を周波数軸として、その周波数平面
上で定義される座標上のデータであることをいう。
【0064】低域通過フィルタ42は、周波数空間上の
データD1から網点の基本周波数成分(スクリーン線数
成分)より低い周波数の低周波成分を含むデータD2を
抽出して、高速逆フーリエ変換器44に供給する。
【0065】高速逆フーリエ変換器44は、周波数空間
上で抽出された低周波成分を含むデータD2を、位置空
間上の画像データである低周波成分データLに変換して
画素決定処理部46に供給する。
【0066】画素決定処理部46は、低周波成分データ
Lを周波数分析し、さらに複数の特定周波数成分データ
Bを分解して抽出する特定周波数成分分解部70と、抽
出された特定周波数成分データBの各候補画素位置での
強度を算出する強度算出部78と、算出された強度に基
づき黒化候補画素あるいは白化候補画素中、それぞれ黒
化画素および白化画素を決定する画素決定部80とを備
える。ここで、特定周波数成分分解部70は、高速フー
リエ変換器72(上述の高速フーリエ変換器40と同様
の機能を有する。)、並べ替え部74、および高速逆フ
ーリエ変換器76(上述の高速逆フーリエ変換器44と
同様の機能を有する。)とから構成される。
【0067】画素決定処理部46では、特定周波数成分
分解部70から出力される特定周波数成分データBある
いは低周波成分データLのどちらからでも候補画素を決
定することができる。特定周波数成分データBあるいは
低周波成分データLのどちらを用いるかは、図示してい
ない選択手段により選択することができる。
【0068】低周波成分データLまたは特定周波数成分
データBに基づき画素決定処理部46により決定された
閾値配列は、作成途中スーパーセル閾値テンプレート3
6Mに記憶され、1〜255までの全ての閾値配列が決
定されたとき、その作成途中スーパーセル閾値テンプレ
ート36Mは、閾値配列が全て決定されているスーパー
セル閾値テンプレート36とされて記憶媒体49に記録
され、この記憶媒体49から図1の製版システム10に
おけるスーパーセル閾値テンプレート36にコピーさ
れ、製版システム10での使用に供される。
【0069】次に、階調画像作成用閾値配列作成装置1
8のより詳しい動作について、図3のフロー図を参照し
て説明する。
【0070】まず、ステップS1では、パラメータ入力
部37により入力パラメータを設定する。ここで、入力
パラメータは、たとえば、スクリーン線数175線(l
pi)=6.89線/mm、網角度15度、出力解像度
1200(dpi)=47ドット/mm(画素/mm)
{1画素の大きさは約21μm角}および網形状四角形
(スクエア)とする。網形状としては、四角形以外に円
形あるいはその他の幾何形状とすることができる。
【0071】次いで、実質線数角度選択部39におい
て、ステップS2、S3、S4では、それぞれ、閾値配
列であるスーパーセル(スーパーセル閾値テンプレート
36)の画素数が選択され、さらに網点画像の配列(大
きさ、個数、角度)が選択され、1階調あたりの画素数
Ndotが選択される。
【0072】図4は、設定された入力パラメータにより
形成された網点(網点セル)50の列からなる1個のス
ーパーセルSSを示している。
【0073】ここで、スーパーセルSSの1階調あたり
の画素数Ndotは、次の(1)式により決定される。
【0074】 Ndot=スーパーセルの画素数/階調数 …(1) このことは、たとえば必要な階調数が256階調のとき
に、作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mに配
置すべき閾値T、換言すれば、スーパーセル閾値テンプ
レート36中に配置されている閾値T=1、閾値T=
2、…閾値T=255が、それぞれNdot個あること
を意味している。
【0075】この実施の形態においては、256階調が
必要な例に対して1〜255の閾値を決めていく方式に
ついて説明する。これ以外に、閾値としては、スーパー
セル内の総画素数をNallとして、1〜Nallの閾
値を計算しておき、それを1階調当たりの画素数Ndo
tで割ることで、1〜255の閾値を得るようにしても
よい。1〜Nallの閾値を計算しておいた場合には、
必要な階調数が変更となった場合でも、除数である1階
調当たりの画素数Ndotを変更することで柔軟に対応
することができる。
【0076】なお、この実施の形態においては、理解の
容易化のために作成途中スーパーセル閾値テンプレート
36Mの閾値Tの配列がある階調まで決定されており、
次に、Ndot個(1つ以上)の次階調の閾値T(T←
T+1)の配置位置(同値1つ以上の閾値の配置位置)
を決定する際の動作について説明する。
【0077】この場合、ステップS5において、網の形
状を損なわないように、次階調の同値複数の閾値の配置
位置の候補位置を候補画素選択部41により複数箇所選
択する。ここで、候補位置は、次に黒化する候補の画素
位置に対応するので、黒化候補画素という。
【0078】この黒化候補画素の数をmとするとき、m
=Ndot+α、たとえば、Ndot×2個に選択す
る。余裕度αを大きくすれば、閾値配列の自由度が増加
するが網の黒化形状が、この例ではスクエアからくずれ
ていく。なお、黒化候補画素は、ステップS1で設定し
た網点特性(線数、角度、形状)を満たすように選択す
ることが好ましく、網点の周期性を維持するには、少な
くとも現在黒化されている画素の周囲画素を算出する必
要がある。
【0079】図5は、その黒化候補画素の選択手順例を
示している。
【0080】すなわち、ステップS5−1では、各画素
のうち未だ黒化されていない未処理画素を選択する。次
に、ステップS5−2では、ステップS5−1で抽出し
た各未処理画素について、以下に説明するように距離値
を求める。
【0081】図6に模式的に示すように、たとえば、大
きさを±1で規格化した各網点50の中心Oから未処理
画素までの距離値、換言すれば、未だ閾値が配置されて
いない画素位置までの距離値を所望の形状であるスクエ
アに合致した次の(2)式の距離関数D(x,y)によ
り求める。
【0082】 D(x,y)=1−(|x|+|y|) …(2) この模式的に描いた図6において、中心Oを含む四角形
51の内側までの閾値配列が決まっていた場合に、次
に、四角形52の辺の付近の未処理画素までの距離値を
距離関数D(x,y)により求めることになる。
【0083】なお、距離関数D(x,y)は、黒化部分
が円形で太る網点形状である場合には、次の(3)式で
表されるものを用いればよい。
【0084】 D(x,y)=1−(x2+y2) …(3) 距離関数D(x,y)は、いわゆるスポット関数に対応
し、所望の網形状に応じてさまざまな関数とすることが
できる。
【0085】次いで、ステップS5−3では、未処理画
素の各距離関数D(x,y)の値を小さい順に並べ替え
る。
【0086】次いで、ステップS5−4においては、ス
テップS5−3で求めた距離関数D(x,y)の値の小
さい方から順に、未処理画素としての黒化候補画素数が
m(m=Ndot+α)個に等しくなるまで選択する。
【0087】黒化候補画素数をm個選択できれば、候補
画素選択部41は、選択された黒化候補画素数mの各画
素位置を画素決定処理部46に転送通知する。
【0088】次に、複数の黒化候補画素(複数箇所の候
補の閾値)の配置位置を決定する処理について説明す
る。
【0089】すなわち、まず、ステップS6の処理にお
いて、既に決まっている閾値配列が格納されている作成
途中スーパーセル閾値テンプレート36Mにより階調画
像である網点画像データHを比較部32により作成す
る。網点画像データHを作成する画像データGの値は、
G=Tとされる。すなわち、閾値T=(T+1)の配置
位置を決定する場合に、既に決まっている閾値T=1〜
Tの閾値配列を表す網点画像データHを作成するときに
は、画像データ発生部30から画像データGの値とし
て、一定値G=Tがスーパーセル閾値サイズ分比較部3
2へ供給される。
【0090】図7は、画像データGがG=Tであると
き、作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mを用
いて比較部32により作成された網点画像データHによ
り表される網点画像を模式的に示している。
【0091】ここでは、平網(略一定網%を持つ網点が
並んでいる均一濃度を再現したドットパターン)となっ
ており、比較部32により得られた1個のスーパーセル
SSによる網点画像データHに基づく網点画像(ビット
パターンあるいはドットパターンという。)を示してい
る。ここで、網点の基本周波数は、実際のスクリーン線
数に等しい。
【0092】この図7では、1以上の黒化画素からなる
ドット47を有する網点セル50の集合パターンにより
形成されるある階調の網点画像データ(網点画像)Hを
示している。この網点画像データHは、1個のスーパー
セルを示しており、上述したように、複数の網点セル
(網点)50から構成されている。なお、50という符
号を付けている網点セル50中のドット47を構成する
黒化画素数は、13個であることが分かる。50という
符号を付けていない他の網点セル50中のドット47a
は12個、ドット47bは12個、ドット47cは12
個、ドット47dは13個と、ドットを構成する黒化画
素数が異なっている(黒化画素の付き方が異なってい
る。)。これらのドット数は、表示部35の画像上で容
易に確認することができる。
【0093】図8は、ステップS5の黒化候補画素の選
択処理により図7に示す網点画像データHから算出され
た黒化候補画素データJによるスーパーセル中の黒化候
補画素の配置を示している。黒化候補画素は、ステップ
S1で設定した網点特性(線数、角度、形状)を満たす
ように選択され、図7の網点画像データHで既に黒化さ
れている画素の周囲から黒化候補画素が選択されてい
る。
【0094】次に、ステップS7では、網点画像データ
Hにより得られる濃度画像に対応する濃度画像データH
dを濃度シミュレーション部33によるシミュレーショ
ンにより求める。ここで、濃度画像とは、網点画像デー
タHが入力された場合の画像出力装置24から出力され
る、たとえばフイルムF上に形成される濃淡画像をい
い、その濃淡画像を表すデータを濃度画像データHdと
いう。
【0095】図9において、左側の図は、網点画像デー
タHを、1画素をスクエア形状として仮想的に表現した
図である。画像出力装置24から実際に出力されるとき
には、1画素がスクエア形状であることは希であり、一
般に、円形状あるいは楕円形状として粗く近似すること
ができる。このようにドットが太ることをドットゲイン
と呼ぶこともある。濃度画像データHdは、図9の右側
の斜線部の面積を求めた濃度を予想したデータである。
【0096】実際に画像出力装置24からテストパター
ンを出力し、元の網点画像データHの1画素がテストパ
ターンの濃淡画像上でどのように出力されるのかを測定
することで、たとえば図9の濃度画像データHdにおけ
る円形状の半径を求めることができる。その半径を用い
て、実際の濃度像に近い濃度画像データHdでの面積率
を網点画像データHから計算することができる。
【0097】図9では、1画素、3画素、4画素からな
る各網点画像データHが、それぞれシミュレーション後
の1画素、3画素、4画素からなる濃度画像データHd
に変換される太り具合の例を示している。この図9例で
は、1画素がそれぞれ円形状に近似されて、濃度が予測
される例を示している。
【0098】濃度画像データHdは、特開平11−11
2814号公報にも示しているような方法で精度よく求
めることができる。すなわち、画像出力装置24で使用
されるビーム形状から露光量を積算計算し、感光材料の
ガンマ特性から濃度像を予測することができる。
【0099】計算により濃度像を予測することを詳しく
説明すると、まず、フイルムF上等の記録媒体上に1画
素を形成するためのレーザビームBPのコンピュータ計
算用のシミュレーション形状を決めておく。シミュレー
ション形状の例を図10Bに略円錐状のレーザビームB
Pとして示す。レーザビームBPは、ガウス分布に近い
形状を有しており、振幅値の最大値1/e2で規定され
るビーム径で略表現できる形状である。
【0100】次に、このレーザビームBPと比較部32
により得られた網点画像データH{図10A(図7の図
面を再掲)参照}とのコンボリューション演算(網点画
像データH*BP:*はコンボリューションの演算を示
している。)を行い、各画素毎の露光量を算出する。
【0101】次いで、算出した各画素毎の露光量を、フ
イルムF等の感光材料における露光特性90(図10C
参照)、いわゆるガンマ特性により、各画素の濃度に変
換する。このようにして求めた各画素の濃度から、濃度
シミュレーション画像としての図10Dに示す濃度画像
データHdを得ることができる。
【0102】図10Dに示す濃度画像データHdは、図
10Aに示すスクエア形状の画素から構成される網点画
像データHが、画像出力装置24から出力されるときの
濃度を予想した結果を表したものである。
【0103】次に、ステップS8では、この濃度画像デ
ータHdから低周波成分抽出部45により低周波成分デ
ータLを抽出する。なお、低周波成分データLの抽出
は、網点画像データHから抽出することもできるが、網
点画像データHから抽出するよりも、画像出力装置24
での濃度シミュレーション処理を行った濃度画像データ
Hdから抽出した方がモアレ成分を除去するためのより
効果的な低周波成分データLを抽出することができる。
そのため、この実施の形態では、濃度画像データHdか
ら低周波成分データLを抽出することを例として説明す
る。
【0104】このステップS8では、まず、濃度画像デ
ータHdを、二次元の高速フーリエ変換器40により高
速フーリエ変換して、周波数空間上の情報信号であるデ
ータD1に変換する。
【0105】次に、このデータD1に対して、網点の基
本周波数成分(スクリーン線数)の遮断周波数を有する
低域通過フィルタ42を作用させ、低周波成分を含むデ
ータD2を抽出する。
【0106】実際上、モアレ縞は人間が知覚するもので
あるから、高速フーリエ変換器40により濃度画像デー
タHdを高速フーリエ変換した後のデータD1中、高周
波成分を低域通過フィルタ42により除去する際に、図
11に示す人間の視覚特性65により重み付けした後、
低域通過フィルタ42をかけて低周波成分を抽出するよ
うにしている。人間の視覚特性65は、たとえば一例と
して図11に示すように、周波数0.8(c/mm)近
傍で最大感度を有する特性である。
【0107】次いで、高速逆フーリエ変換器44は、低
域通過フィルタ42により抽出された低周波成分データ
D2を逆フーリエ変換して、図10Fに示す、位置空間
(実空間)上の低周波成分データLを得る。この低周波
成分Lからモアレが発生していることが理解される。な
お、図10F中、色の濃い部分は、色の薄い部分に比較
して、信号強度が強い部分である。
【0108】この低周波成分データLは、低周波成分抽
出部45から画素決定処理部46に供給される。
【0109】次に、ステップS9では、画素決定処理部
46を構成する特定周波数成分分解部70中の高速フー
リエ変換器72により、低周波成分データLをさらにス
ーパーセル閾値テンプレート36に基づき作成された濃
度画像データHdで生じる可能性のある特定周波数成分
(基本周波数成分)に分解する。
【0110】図12は、低周波成分データLを空間周波
数の特定周波数成分f1(強度Pa),f2(強度P
b),f3(強度Pc),f4(強度Pd),f5(強
度Pe),…に分解した状態を1次元的に示している
(実際には、2次元の空間である。)。
【0111】次に、ステップS10では、並べ替え部7
4により、各周波数成分の強度を比較し、大きい順(強
い順あるいは強度順)に並べる。図12の例では、f2
(Pb)→f4(Pd)→f3(Pc)→f1(Pa)
→f5(Pe)の順に並べ替える。
【0112】次いで、ステップS11では、特定周波数
成分(基本周波数成分)を、強度の強い順に、実空間上
の周波数成分に高速逆フーリエ変換器76を用いて変換
する。
【0113】次いで、ステップS12では、強度算出部
78により各黒化候補画素位置で、抽出された周波数成
分の強度を算出する。
【0114】さらに、ステップS13では、画素決定部
80において、抽出された周波数成分を強める位置にあ
る黒化候補画素を候補から除外する。換言すれば、抽出
された周波数成分の強度の弱い黒化候補画素を残す。
【0115】次に、ステップS14では、残された黒化
候補画素数が、1階調当たりの画素数Ndotに等しい
数になっているかどうかを確認し、残された黒化候補画
素数が1階調当たりの画素数Ndotになるまで、ステ
ップS11〜S14までの過程を繰り返し、候補を絞っ
ていく。
【0116】ステップS9〜ステップS14の過程が成
立するまでの手順について、図面を参照して、より具体
的に説明する。
【0117】図13A(図10Fを再掲)に示す低周波
成分データLの場合、図13B(図8を再掲)に示すよ
うに黒化候補画素データJが決定されている。
【0118】ステップS11の処理により、特定周波数
成分f2(強度Pb)として分解された最も周波数成分
強度の強い実空間上の周波数成分データL1を図14A
に示す。
【0119】図14Bは、ステップS12、S13の黒
化候補画素除外処理により残された周波数成分の強度の
弱い黒化候補画素データJ1を示している。黒化候補画
素データJ1は、図13Bに示す黒化候補画素データJ
と図14Aに示す周波数成分データL1とを重ねてみた
とき(対応する位置にある画素の強度を比較したと
き)、黒化候補画素データJから強度成分の強い部分
(図14A中、黒い部分)に対応する黒化候補画素が除
外されて残されたデータである。換言すれば、強度成分
の弱い部分(図14A中、白い部分)に対応する部分の
黒化候補画素が残されたデータである。
【0120】なお、図14Aに示す特定周波数成分(基
本周波数成分)f2に対応する周波数成分データL1で
は、たとえば、図の左下側から左上側に向かって、略3
周期の明暗が現れており、この明暗の信号Aは、A=a
・sin(2πf2・r)+b(aは振幅、πは円周
率、rは距離、bはオフセット値)と表すことができ
る。ここで、信号Aの最大値は(a+b)(図14A
中、黒い帯状の部分の中央線上の値)、最小値は(−a
+b)(図14A中、白い帯状の部分の中央線上の値)
となる。特定周波数成分の強度が強いとは、強度がオフ
セット値bより大きい値であることをいい、弱いとは、
強度がオフセット値b未満の値であることをいう。した
がって、周波数成分が弱い画素(図13B上では、ドッ
トで示している。)が黒化されると元の特定周波数成分
(基本周波数成分)を弱めると考えることができる。図
13A〜図17Aの各図は、特定周波数成分(基本周波
数成分)の最大値を黒、最小値を白として表示した模式
図である。
【0121】ここで、残された黒化候補画素データJ1
の候補画素数が、1階調当たりの画素数Ndotより大
きい場合には(ステップS14の判定が否定的である場
合には)、再度、ステップS11の処理により、特定周
波数成分f4(強度Pd)が変換された2番目に周波数
成分強度の強い実空間上の周波数成分データL2(図1
5A)を用いてさらに黒化候補画素を絞る。
【0122】図15Bは、ステップS12、S13の黒
化候補画素除外の2度目の処理により残された周波数成
分の強度の弱い黒化候補画素データJ2を示している。
【0123】黒化候補画素データJ2は、図14Bに示
す黒化候補画素データJ1と図15Aに示す周波数成分
データL2とを重ねてみたとき、白化部分(図15A
中、白い部分)に対応する部分の黒化候補画素が残され
たデータである。
【0124】以下同様にして得られた、3番目、4番目
に周波数成分強度の強い実空間上の周波数成分データL
3、L4をそれぞれ図16A、図17Aに示す。図16
B、図17Bは、これらに対応する、ステップS12、
S13の黒化候補画素除外処理により残された周波数成
分の強度の弱い黒化候補画素データJ3、J4をそれぞ
れ示している。
【0125】このようにして残された1階調当たりの画
素数Ndotの数の黒化候補画素の位置が、この次階調
での閾値の配置位置として決定される。
【0126】すなわち、ステップS14の判断が成立し
たとき、換言すれば、1階調当たりの画素数Ndotの
全ての黒化画素に対応する閾値が決定したとき、ステッ
プS15において、画素決定処理部46は、閾値Tが最
大値である閾値T=255までの全ての閾値配列が決定
したかどうかを確認し、閾値配列が決定していない場合
には、ステップS5からステップS15の処理を繰り返
して閾値T=255までの全ての閾値配列を決定して処
理を終了する。
【0127】このような順序により閾値配列を決定する
ことで、最終的に残った黒化候補画素は、元のドットパ
ターンが有する周波数成分を強めることのない画素を次
の黒化画素として選択することができる。最大振幅を持
つ基本周波数のみに着目して、周波数成分を弱めること
を考慮すると、黒化候補画素のうち、最大振幅を持つ特
定周波数成分(基本周波数成分)の最小値の位置を次の
黒化候補画素位置として選択することになる。このと
き、2番目に大きな振幅を持つ特定周波数成分(基本周
波数成分)を強めてしまう場合があるが、先に説明した
アルゴリズムを用いれば、比較的強度の強い基本周波数
成分のいずれも強めない、すなわち弱める最適な位置に
次の黒化画素を配置することができる。
【0128】なお、ある階調において、画素数Ndot
の数の閾値の配置位置を決定する際、網形状が好ましい
形状、この場合、できるだけスクエア形状になるよう
に、一度に1個ずつあるいは複数個ずつ決定して、図3
のフローチャート中、点線で示す経路を含む、ステップ
S6、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S
13、S14の処理を繰り返すようにすることもでき
る。
【0129】また、1あるいはNdotの数の画素の閾
値を選択したいと考えていても、実際に図3のアルゴリ
ズムの処理を実施した場合、ステップS13の処理後に
は、実際にほしい画素数より画素数が多く残ってしまっ
たり、候補画素数が目的数より小さくなる場合がある。
画素数が多い場合にはステップS14で他の条件の大小
の順に候補画素数を選ぶことで所望の個数の候補画素数
を得ることができる。このとき、他の条件とは、たとえ
ば、各画素における分割した周波数成分の強度値の和の
小さい順あるいは、形状を示す距離値Dの順等を用い
る。候補画素がなくなる場合には、ステップS13の処
理の1つ前に戻って候補画素が多い状態とし上記を実行
すれば所望の個数の候補画素を得ることができる。
【0130】このようにして、全ての閾値配列が決定し
た作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mは、ス
ーパーセル閾値テンプレート36とされ、そのスーパー
セル閾値テンプレート36のデータが記憶媒体49に記
録され、この記憶媒体49から図1に示した製版システ
ム10中のスーパーセル閾値テンプレート36にコピー
される。
【0131】以下、同様にして、ステップS1において
新たなパラメータ(線数、角度、出力解像度、網形状
等)を設定することにより、このパラメータに対応した
スーパーセル閾値テンプレート36の閾値配列を略自動
的に決定することができる。
【0132】通常、カラーの印刷を行う際には、C(シ
アン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、K(黒)4色分の
版を作成することが必要になるため、上述したアルゴリ
ズムにより4つの異なる角度{通常、0度(たとえばY
版)、15度(たとえばC版)、45度(たとえばM
版)、75度(たとえばK版)}を持つ4版分のスーパ
ーセル閾値テンプレート36の閾値配列を作成する。
【0133】なお、上述した実施の形態においては、2
値の網点画像データHを対象としているが、この発明は
網点画像データHに限らず、出力値が「0,1,2,
3」の値をとる4値、8値等の多値網点画像データにも
適用することができる。
【0134】また、上述した図3のフロー図に基づく閾
値配列の決定の際には、閾値T=1から網%では0%
(小さい方)から昇順で順次黒化画素(閾値配列)を決
定するようにしているが、この閾値配列の決定は、閾値
Tの最大値から網%では100%(大きい方)から降順
で順次決定するようにしてもよい。
【0135】図18の閾値配列決定順序表120に示す
ように、決定パターン1では、0%から100%に向か
って昇順に、決定パターン2では、100%から0%に
向かって降順に、決定パターン3では、0%、100
%、1%、99%という順に、0%から50%に向かっ
て昇順に決定するとともに、100%から50%に向か
って降順に交互に決定することもできる。
【0136】さらに、決定パターン4では、X印で示す
ある階調(階調Xとする)でモアレの発生していないド
ットパターン(黒化パターン)が得られているときに、
そのある階調から降順および昇順、具体的には、階調X
−1、階調X+1、階調X−2、階調X+2の順で閾値
位置を決定することもできる。
【0137】決定パターン5では、X印で示すある階調
Xでモアレの発生していないドットパターンが得られて
いるときに、階調X−1、階調0%、階調X+1、階調
100%、階調X−2、階調1%、階調X+2、階調9
9%、…の順で閾値位置を決定することもできる。
【0138】なお、降順で候補画素を決定する際には、
黒化候補画素ではなく、次に白化すべき候補画素である
白化候補画素を決定していく。
【0139】上記の手順により作成したスーパーセル閾
値テンプレート36を設定した図1例の製版システム1
0によれば、従来、単版モアレのために作成が困難であ
った、たとえば、解像度が1200dpiで、スクリー
ン線数が175lpiの出力条件、一般的には、出力解
像度(dpi)/線数(lpi)の値が10以下の出力
条件の場合であっても、モアレの発生のほとんどない画
像が形成された記録媒体であるフイルムF等を作成する
ことができるという利点が得られる。
【0140】図19は、この実施の形態の手順により、
閾値配列の決定されたスーパーセル閾値テンプレート3
6が設定された網点画像データ作成部20により作成さ
れた網点画像データH(H←H’)を示している。この
網点画像データH’は、表示部35上に拡大表示され
る。解像度1200dpi、スクリーン線数175lp
iである。スクリーン線数に対する解像度の比dpi/
lpiは、dpi/lpi=6.86≦10になってい
る。
【0141】また、図20は、この網点画像データH’
に対して濃度シミュレーション部33による濃度シミュ
レーションおよび低周波成分抽出部45を作用させて
(視覚特性65も作用させている。)得られた低周波成
分データL(L←L’)を示している。この低周波成分
データL’は、表示部35上に拡大表示される。
【0142】図19の網点画像データH’において、網
点セル50内のドット47’が、図7に示した従来方式
で作成した網点画像データHのドット47と変わってい
ることがわかる。
【0143】また、図20に示す、網点画像データH’
に基づく低周波成分データL’には、図10Fの低周波
成分データLで視認可能なモアレ成分(単版モアレ成
分)が、視認不可能となっていることが理解される。
【0144】この場合、図7に示す網点画像データHの
各網点セル50を構成するドット47、47a、47
b、47c、47dの各黒化画素数は、13、12、1
3、12、13個となっており、図19に示す網点画像
データH’の各網点セル50を構成する対応するドット
47’、47a’、47b’、47c’、47d’の各
黒化画素数は、14、12、11、12、15個となっ
ていることが分かる。
【0145】このように上述した実施の形態によれば、
1つ1つのドット47を構成する黒化画素の差をより多
くして、スーパーセル全体の持つ低周波ノイズ(たとえ
ば、単版モアレ等)を発生しないように工夫している。
【0146】具体的に、50%以下のある網%の平網を
出力したとき、スーパーセル内、この場合、網点画像デ
ータH’の各網点セル50を構成する各ドット47の黒
化画素数の最大値をNmax、最小値をNminとする
とき、各ドット47相互の黒化画素数の差Δ=(Nma
x−Nmin)が、2≦Δ≦6となる差Δを持たせるこ
とが好ましい。この差Δが、6を超えるとランダムノイ
ズ等として視認されてしまうので、差ΔがΔ≦6である
ことが好ましい。
【0147】実際上、スクリーン線数に対する解像度の
比dpi/lpiが、dpi/lpi≦10の条件で
は、差Δが、2≦Δ≦4となる差Δを持たせることが好
ましい。
【0148】50%以上のある網%の平網を出力したと
きには、黒化画素数ではなく白ヌケドットの白化画素数
についても同様に考えることができる。このとき、網点
セル50は、黒化画素のものとは異なり、白ヌケ画素が
収まる範囲で設定した網点セル単位となる。
【0149】なお、この差Δ(黒化画素数の差あるいは
白化画素数の差)は、25%および75%を中心近傍と
する網%に適用されるが、網点セル50内のドット47
を構成する黒化画素あるいは逆に白化画素が1個〜3個
程度の場合には、各ドット47の黒化画素数あるいは白
化画素数は同数あるいは、差Δがあっても差Δ≦2とす
ることが好ましい。単版モアレによるむらよりも画素数
不揃いによるむらが見える場合がある。また、網%が5
0%近傍では、隣り合うドット47が接触しているた
め、どの画素がどのドット47に属するのかを決めるこ
とは無意味になる。
【0150】上述した実施の形態で説明した手順は、低
周波モアレ成分が不明の場合であっても適用できる手順
であるが、網点画像において予め特定のモアレ周波数の
成分が発生することが分かっている場合や計算できる場
合には、ステップS13において不要な黒化候補画素を
除外する際に、まず、分かっている特定周波数成分を強
める候補画素を最初に除外してから候補画素を決定する
ようにすれば、より短時間に候補画素を決定することが
できる。
【0151】たとえば、出力解像度1200dpiの出
力と175線15度の網点とで発生するモアレ成分を算
出してみる。
【0152】図21は、出力解像度と網点線数の周波数
ベクトル図を表している。図21中、丸印は、175線
15度の網点画像が持つ可能性のある周波数成分であ
り、網点基本周波数とその高調波成分の位置を示す網点
周波数格子成分を表している。一方、図21において、
出力解像度1200dpiの成分は、Y軸上の座標位置
R(x,y)=(0,1200)で示すことができる。
【0153】一般に、2つの周波数成分で生じるモアレ
は、周波数ベクトルの差で表すことができる。視覚的に
問題となる低周波のモアレ成分は、出力解像度を表す座
標位置Rの位置に対し、もっとも距離が近い網点格子中
の格子点座標Q(m,n)を選択することになる。この
格子点座標Q(m,n)は、次の(4)式の整数値問題
を解くことにより、Q(m,n)=(2,7)となる。
【0154】 m×175sin15゜+n×175cos15゜=1200 …(4) この場合、網点格子の座標Q(m,n)に対応するXY
座標上の座標Q(x,y)は、y=2×175sin1
5゜+7×175cos15゜=1274、x=2×1
75cos15゜−7×175sin15゜=21とな
ることから座標QはQ(x,y)=(21,1274)
となる。
【0155】ここで、図22の拡大図に示すように、始
点をXY座標の原点とするベクトルRとベクトルQの差
ベクトルS(x,y)の成分は、(21,74)とな
り、この差ベクトルS(x、y)が、網点の格子点座標
Q(m,n)の高調波成分と解像度1200dpiの成
分との干渉成分となり、大きさが(212+7421/2
dpi、角度がtanθ=(74/21)のモアレ成分
となることが計算できる。
【0156】具体的には、大きさが約77dpi(約
0.3mm)で、角度θがθ=約74゜のモアレ成分が
計算で発生することが分かる。
【0157】この計算で発生が予測できるモアレ成分
を、上述したステップS13の処理において、最初に、
黒化候補画素から除外しておけば、ステップS6〜S1
4あるいはステップS11〜S14の繰り返し処理の際
の高速フーリエ変換や逆フーリエ変換等の演算回数が少
なくなり、最適な黒化候補画素の位置をより短時間で求
めることができる。
【0158】上述した実施の形態においては、閾値配列
を用いる階調画像再現方法における閾値の配置位置の決
定方法ということで説明しているが、この発明は、各階
調において、どのようなドット配置が最適な配置である
のかを順次決定するものであり、当業者であれば、容易
に推測できるように、この技術で決定される各階調のド
ット配置を、濃淡画像の1画素をZ×Zドットのサブマ
トリックスに対応させ、各画素の濃度をサブマトリック
ス内の黒化ドットの面積率で再現する濃度パターン法等
の他の階調再現技術にも適用可能であることはいうまで
もない。
【0159】このように、この発明は、各階調におい
て、どのようなドット配置が最適かを順次決定するもの
である。上述の実施の形態においては、網点の大きさで
濃淡を表現するいわゆるAMスクリーンによる網点(略
均一の大きさのドットが直交して略等間隔に並んでい
る。)を例として説明しているが、図2中、候補画素選
択部41において選択する候補画素の条件によっては、
網点以外のドット配置方式による階調再現方法、たとえ
ば、同一サイズのドットを不規則に配置し、該ドットの
密度で濃淡を表現するFMスクリーンにおいても、閾値
配列に関連して発生する低周波成分の低減に適用できる
等、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を
採りうることはもちろんである。
【0160】なお、FMスクリーンの場合には、低域通
過フィルタ42は、人間の視覚特性65のみのフィルタ
とし、網点周期でのスクリーン線数に対応する低域通過
フィルタによるフィルタリングは不要である。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、比較的低解像度高線数の網点画像においても、周期
的な模様やモアレ等の低周波成分の発生のきわめて少な
い網点画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るスーパーセル閾
値テンプレートが適用された製版システムの構成を示す
ブロック図である。
【図2】閾値配列作成装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】閾値配列の決定手順を示すフロー図である。
【図4】入力パラメータ設定の説明に供される図であ
る。
【図5】図3例の閾値配列決定手順中、黒化候補画素の
選択処理の詳細な処理手順を示すフロー図である。
【図6】距離関数の説明に供される線図である。
【図7】網点画像データにより表される位置空間上の画
像を示す線図である。
【図8】図7の画像に対する次の黒化候補画素を示す線
図である。
【図9】濃度シミュレーションの説明に供される線図で
ある。
【図10】濃度シミュレーションによる濃度画像の作成
手順を示す線図であって、図10Aは、網点画像データ
に係る画像を示す線図、図10Bは、レーザビームの形
状を示す線図、図10Cは、ガンマ特性を示す線図、図
10Dは、濃度画像を示す線図、図10Eは、視覚特性
を示す線図、図10Fは、低周波成分に係る画像を示す
線図である。
【図11】人間の視覚特性の説明に供される特性図であ
る。
【図12】低周波成分をフーリエ変換したときの強度を
示す模式図である。
【図13】図13Aは、低周波成分に係る画像示す線
図、図13Bは、最初の黒化候補画素を示す線図であ
る。
【図14】図14Aは、低周波成分中、最も強い成分に
係る画像を示す線図、図14Bは、最も強い低周波成分
を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図15】図15Aは、2番目に強い低周波成分に係る
画像を示す線図、図15Bは、2番目に強い低周波成分
を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図16】図16Aは、3番目に強い低周波成分に係る
画像を示す線図、図16Bは、3番目に強い低周波成分
を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図17】図17Aは、4番目に強い低周波成分に係る
画像を示す線図、図17Bは、4番目に強い低周波成分
を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図18】閾値配列決定順序表を示す図である。
【図19】黒化画素の配置位置が修正された網点画像デ
ータにより表される位置空間上の画像を示す線図であ
る。
【図20】モアレ成分抑制後の低周波成分に係る画像を
示す線図である。
【図21】出力解像度と網点線数の周波数ベクトル図で
ある。
【図22】図21の図の一部拡大図である。
【符号の説明】
10…製版システム 12…原稿画像 14…画像入力部 16…画像処理部 18…階調画像作成用閾値配列作成装置 20…網点画像データ作成部(階調画像データ作成装
置) 32…比較部 34…アドレス計算
部 36…スーパセル閾値テンプレート(網点閾値データ) 36M…作成途中スーパーセル閾値テンプレート 37…パラメータ入力部 38…網属性入力部 41…候補画素選択部 45…低周波成分抽
出部 46…画素決定処理部 47、47’、47a、47a’、47b、47b’、
47c、47c’、47d、47d’…ドット 50…網点(網点セル) 70…特定周波数成
分分解部 AD…アドレス DA、G…画像デー
タ F…フイルム H’…修正後の網点
画像データ L…低周波成分データ M…感光材料 PP…刷版 PM…印刷物 SS…スーパーセル T…閾値データ(閾
値)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像データと比較されて、1個以上の
    黒化画素からなるドットを有する網点セルの集合パター
    ンにより形成される網点画像を出力するための閾値配列
    のデータ構造において、 前記データ構造は、 前記入力画像データが一定濃度の入力画像データである
    場合、 前記各網点セルを構成する各ドットの黒化画素数の最大
    値をNmax、最小値をNminとするとき、 各ドット相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmi
    n)が、2≦Δ≦6となるドットが存在するように形成
    されていることを特徴とする閾値配列のデータ構造。
  2. 【請求項2】請求項1記載の閾値配列のデータ構造にお
    いて、 前記網点画像の解像度をdpi(ドット/インチ)、前
    記網点画像のスクリーン線数をlpi(ライン/イン
    チ)とするとき、 比dpi/lpiが、dpi/lpi≦10の場合、 前記差Δが、2≦Δ≦4とされていることを特徴とする
    閾値配列のデータ構造。
  3. 【請求項3】閾値配列を用いて、1個以上の黒化画素か
    らなるドットを有する網点セルの集合パターンにより形
    成される網点画像データを作成するための網点画像デー
    タ作成方法において、 入力画像データと前記閾値配列とを比較して前記網点画
    像データを作成する際に、 前記閾値配列のデータ構造が、 前記入力画像データが一定濃度の入力画像データである
    場合、 前記各網点セルを構成する各ドットの黒化画素数の最大
    値をNmax、最小値をNminとするとき、 各ドット相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmi
    n)が、2≦Δ≦6となるドットが存在するように形成
    されていることを特徴とする網点画像データの作成方
    法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の網点画像データの作成方法
    において、 前記網点画像の解像度をdpi(ドット/インチ)、前
    記網点画像のスクリーン線数をlpi(ライン/イン
    チ)とするとき、 比dpi/lpiが、dpi/lpi≦10の場合、 前記差Δが、2≦Δ≦4とされていることを特徴とする
    網点画像データの作成方法。
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