JP4129125B2 - スーパーセル閾値テンプレートの作成方法、記憶媒体及び網点画像作成装置 - Google Patents

スーパーセル閾値テンプレートの作成方法、記憶媒体及び網点画像作成装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラースキャナ、イメージセッタ、CTP装置、CTC装置、DDCP等の印刷分野機器で利用されるスーパーセル閾値テンプレートの作成方法、記憶媒体及び網点画像作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印画紙あるいはフイルム上に2値(例えば、レーザビームのオンオフにより黒化部分と白化部分)からなる網点画像(階調画像)を形成するイメージセッタ等の網点画像出力装置においては、その出力解像度とスクリーン線数との干渉で生じるモアレ縞、いわゆる単版モアレが、出力された画像上に発生する場合があることが指摘されている(特開平8−317212号公報参照)。
【0003】
ここで、出力解像度とは、画像出力装置の解像度であり、dpi(ドットパーインチ)、画素/インチ(dpiと同意)、または画素/mm(dpmmまたはlpmmと表記される。)等で定義される。また、スクリーン線数とは、単位長(1インチ)当たりに含まれる網点(網点セルともいう。)の列の数である線/インチ(線/mmに換算可能)で定義され、lpi(ラインパーインチ)、線数、スクリーン周波数または網点周波数ともいわれる。
【0004】
出力解像度とスクリーン線数との干渉により発生するモアレ縞は、網点の周期的なパターン、すなわち網点ピッチと走査線ピッチ間で生じる周期的な干渉縞である。このモアレ縞は、低周波のノイズ成分となって画像品質を劣化させる。
【0005】
この低周波ノイズ成分を低減する技術をこの出願の発明者は、特開平11−112814号公報(第1の技術という。)および特願2001−28838号明細書(第2の技術という。)により提案している。
【0006】
第1の技術は、閾値配列(閾値テンプレートともいう。)内の既存の修正前の閾値中、所定の閾値修正範囲内の中央値と前記修正前の閾値とを比較して、網点画像データに変換した後、周波数空間上のデータに変換し、このデータから網点の基本周波数成分より低い低周波ノイズ成分を含むデータを抽出して、実空間上の画像データに変換する。この変換後の実空間上のデータと前記修正前の閾値とを前記所定の閾値修正範囲内で観察し、置換しようとする一対の閾値を一定条件下(基本的には、前記実空間上の画像データの最大値と最小値を有する画素を発生する位置にある閾値対)に選択して置換し、修正後の閾値配列を得る技術である。
【0007】
この第1の技術によれば、修正後の閾値配列自体が、低周波ノイズ成分の発生しにくい配列となる。
【0008】
また、上記の第2の技術では、既存の閾値配列を修正するのではなく、低周波ノイズ成分の発生しにくい、換言すれば、階調画像を出力した際にモアレの発生の起きにくい閾値配列を最初から作成するので自由度が高く、そのためモアレ低減能力が高くなっている。
【0009】
上記第1および第2のモアレ低減化技術は、解像度が、たとえば2400dpiと比較的に高くて、スクリーン線数が175lpiと比較的高線数の網点画像に適用して効果的である。
【0010】
すなわち、1網点あたりの画素数{ドット数ともいう。上記例では、約188個(=2400/175)2}が比較的に多い網点画像を作成するための閾値配列に適用して好適である。
【0011】
しかしながら、2400dpi、175lpiの条件では、カラースキャナ、イメージセッタ、CTP装置、CTC装置、DDCP等の印刷分野機器において、品質は確保されるが、処理するデータの量が多くなり、データ処理およびデータ出力に要する時間が長くなるという問題がある。
【0012】
この出願の発明者は、出力解像度とスクリーン線数がより干渉し易くモアレ(いわゆる単版モアレ)が発生しやすい条件、たとえば、解像度が1200dpiで、スクリーン線数が175lpiの出力条件、一般的には、出力解像度(dpi)/線数(lpi)の値が10以下の出力条件の場合には、網点に対する1画素の占める割合が大きくなって量子化誤差が大きくなり、上記第1および第2の技術によってもモアレが残ってしまう場合があるという知見を得た。
【0013】
実際上、1200dpi、175lpiの条件での出力画像と、2000dpi、175lpiの出力画像とでは、1画素の大きさが、それぞれ約21μm、約13μmと、人間の眼では、解像度を区別することができない程度に細かい画像である。
【0014】
したがって、2000dpi、175lpiの条件に比較して、量子化誤差が大きくなる1200dpi、175lpiの条件での出力画像にモアレの発生がなければ、カラースキャナ、イメージセッタ、CTP装置、CTC装置、DDCP等の印刷分野機器の構成を簡単化でき、かつ処理速度を高速にすることができるという利点が得られる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、平網(均一濃度のドットパターン)の網点画像を出力しようとする場合、0個または1個以上の黒化画素からなるドット(このドットの意味は、0個または1個以上の黒化画素からなるドットであり、画素1個を示すドットとは異なる。)を有する網点セルの集合パターンにより形成される網点画像において、前記各網点セルの各ドットを構成する黒化画素数がなるべく揃うように閾値配列を作成している。
【0016】
しかしながら、より低解像度で高線数の網点画像を作成しようとする場合には、上述した単版モアレが問題となり、各ドット相互の黒化画素数を揃えるように黒化画素を付けていくと単版モアレを解消することができない場合があるという知見を得た。
【0017】
この発明は、このような課題および技術を考慮してなされたものであって、比較的に低解像度で高線数の階調画像であっても、モアレ等の低周波成分の発生の起きにくいスーパーセル閾値テンプレートの作成方法、記憶媒体及び網点画像作成装置を提供することを目的とする。
【0018】
さらに詳しく目的を説明すると、閾値配列を利用する方式(閾値方式という。)の階調再現方法においてモアレ縞が発生するのは、理解の容易化のために、たとえば入力画像の濃度が一様である画像を考えると、閾値配列単位で同じ模様が繰り返されることを原因とする。前述した出力解像度とスクリーン線数のモアレは、閾値方式として網点(周期的に、略同等の大きさのドットを並べた画像再現方法)を用いる場合の、閾値単位の周期成分の一つであると考えることができる。したがって、この発明の方法は、閾値方式が可能な階調再現方法全般において生じる閾値に起因する周期成分を低減することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスーパーセル閾値テンプレートの作成方法は、出力解像度により定まる画素グリッド上にスーパーセルを設定し、設定したスーパーセルを網点セルに分割し、分割した網点セル内の各画素に対応して閾値を割り当て、前記各網点セルに閾値が割り当てられたスーパーセル閾値テンプレートの作成方法において、ある階調の次階調の閾値の配列を決定する際、前記次階調の黒化候補画素数mを、m=Ndot+α(Ndotは前記スーパーセルの画素数/階調数で計算される一階調当たりの画素数、αは閾値配列の自由度を増加させるための余裕個数)に設定する第1過程と、設定した前記黒化候補画素数m個分の各画素位置を、前記ある階調での各網点セル中の黒化された画素からなる各ドットの周囲に、所望の網形状に応じて定める第2過程と、定めた前記黒化候補画素数m個分の前記各画素位置中、低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を除去する際、前記次階調の各網点セルを構成する各ドットの黒化画素数の最大値をNmax、最小値をNminとするとき、各ドット相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmin)が、2≦Δ≦6となるドットが存在することを許容して、前記黒化候補画素数mを前記一階調当たりの画素数Ndotまで絞って除去する第3過程と、を有することを特徴とする。
【0020】
この発明のスーパーセル閾値テンプレートを利用することにより、出力される網点画像上でモアレ等の低周波成分の発生が抑制される。
【0021】
特に、網点画像の解像度をdpi(ドット/インチ)、前記網点画像のスクリーン線数をlpi(ライン/インチ)とするとき、比dpi/lpiがdpi/lpi≦10の場合、前記差Δを、≦Δ≦4とすることで、比較的低解像度で高線数の網点画像においても低周波成分を抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、この発明の一実施の形態に係るスーパーセル閾値テンプレート(スーパーセル閾値配列)36が適用された製版システム10の基本的な構成を示している。
【0027】
図1例の製版システム10は、基本的には、画像入力部14と画像処理部16と階調画像作成部としての網点画像データ作成部20と画像出力装置24とから構成される。この製版システム10は、画像入力部14により原稿画像12から読み取った画像をドットパターンにより形成される階調画像としての網点画像としてフイルムF上に形成するシステムである。
【0028】
この場合、画像入力部14において、光源からの光が照射され副走査方向に移送される原稿画像12からの反射光または透過光が、リニアイメージセンサ等の光電変換素子に導かれて電気的に主走査され、その光電変換素子を通じて電気信号である画像信号(画素信号)に変換される。変換された画像信号は、A/D変換器により例えば、値0、1、…、255をとる8ビットのデジタル画像データ(単に画像データともいう。)DAに変換される。
【0029】
なお、画像入力部14としては、このようなスキャナに限らず、DVD等の画像記録ディスク(画像記録媒体)、通信ネットワーク、デジタルスチルカメラ等、結果としてデジタル画像データを出力する媒体であればよい。
【0030】
画像入力部14から出力された画像データDAに対して、画像処理部16により、必要に応じて色補正処理、シャープネス処理等が行われて画像データGが作成される。
【0031】
この実施の形態において画像出力装置24の解像度、すなわち出力解像度は、例として、1200走査線/インチであるものとする。なお、この走査線/インチの表現は、スクリーン線数と紛らわしいので、以下、出力解像度は、1200dpi(dot/インチ)で表すものとする。ここで、dotは、上記のように1画素を意味する。
【0032】
なお、画像出力装置24の解像度としては、900dpi〜5000dpi程度の値を選択することができる。
【0033】
画像処理部16により所定の処理のなされた画像データGは、階調画像データ作成装置としての網点画像データ作成部20に供給される。なお、近年、網点画像データ作成部20に供給される画像データGとして、上記デジタルカメラ等、結果としてデジタル画像データを出力する媒体で画像処理がなされたものが直接供給される場合もある。
【0034】
網点画像データ作成部20は、ソフトウエアを用いてコンピュータにより実現することが可能であるが、ハードウエアにより実現することもできる。また、ソフトウエアとハードウエアとを混在させて実現することもできる。
【0035】
網点画像データ作成部20は、階調画像データ作成手段(網点画像データ作成手段)として機能する比較部32、アドレス計算部34、階調画像データ作成用閾値配列が複数記憶される記憶媒体としてのスーパーセル閾値テンプレート(閾値配列)36、および所望の閾値配列を選択する選択手段としての網属性入力部38から構成される。
【0036】
網点画像データ作成部20に供給された画像データGは、比較部32の比較入力に供給される。また、画像データGからスーパーセル閾値テンプレート36上のx軸とy軸のアドレスを表すアドレスAD=AD(x,y)がアドレス計算部34により計算される。
【0037】
スーパーセル閾値テンプレート36は、その指定されたアドレスADに格納されている閾値{この場合、値1、…255をとる8ビット(正確には、8ビットから1を引いた値であるが、便宜上、8ビットという。)の閾値データ}Tを読み出して比較部32の基準入力に供給する。
【0038】
スーパーセル閾値テンプレート36としては、複数のスーパーセル閾値テンプレート中、網属性入力部38により指定された網属性(スクリーン線数、網角度および網形状)に対応するものが使用される。なお、この実施の形態において、例として、スクリーン線数は175線(lpi)であり、網角度は15°、網形状はスクエア形状に指定されているものとする。
【0039】
なお、スクリーン線数は、85線、175線、300線等、50線〜600線の間の値に選択することができる。
【0040】
スーパーセルは、複数の網点セル(単に、網点ともいう。)から構成されている。一般に、網点生成技術分野においては、出力解像度により定まる画素グリッド上にスーパーセルを設定し、設定したスーパーセルを網点セルに分割し、分割した網点セル内の各画素に対応して閾値を割り当てて網点閾値を生成するようにされており、各網点セルに閾値が割り当てられたスーパーセルをスーパーセル閾値テンプレート(閾値配列)という。
【0041】
スーパーセルに関連して網点を生成する技術の参考文献としては、例えば、「書名:ポストスクリプト・スクリーニング、著者:ピーター・フィンク、発行元:株式会社エムディエヌコーポレーション、発行日:1994年8月11日、初版第1刷」を挙げることができる。
【0042】
複数の網点セルから構成されるスーパーセルを考えることで、スクリーン線数と網角度をより細かく変化させることが可能になり、指定されたスクリーン線数と網角度に、より近い値を選択することができるという有利さがある。
【0043】
画素グリッドとは、黒化単位である画素の集合体をいう。したがって、画素グリッドは、出力解像度で画素が縦横に整然と並んでいる状態をイメージすればよい。
【0044】
比較部32では、画像データGと閾値データ(単に閾値ともいう。)Tについて、G≧T→1(オン、黒化)、G<T→0(オフ、白抜け、白化、非黒化、未黒化)の大小比較演算を行い、その比較演算結果の値1または値0をとるドットパターンを示す階調画像データとしての網点画像データ(2値データ、2値画像データ、2値網点画像データ、またはデジタル網点データともいう。)Hを作成する。なお、作成された網点画像データHにより、表示媒体の例としてのディスプレイ等の表示部35に表示される画像は、0個または1個以上の黒化画素からなるドットを有する網点セルの集合パターン(ドットパターンという。)により形成される階調画像(網点画像)である。
【0045】
作成された網点画像データH、すなわち階調画像データは、画像出力装置24を構成する露光記録部26に供給される。
【0046】
露光記録部26では、この露光記録部26内に配された感光材料M上を、網点画像データHに応じてオンオフするレーザビーム(記録ビーム)により露光走査記録して、感光材料M上に潜像としての網点画像を形成する。網点画像の形成された感光材料Mは、自動現像機28により現像処理されて、顕像化された網点画像が形成されたフイルムFが作成される。このフイルムFが原版とされて刷版が作成され、作成された刷版が図示していない印刷機に装着され、装着された刷版に対してインキが付けられる。
【0047】
刷版に付けられたインキが印画紙等の記録媒体であるシート上に転移されることで、シート上に画像が形成された所望の印刷物を得ることができる。
【0048】
なお、この発明は、原版としてのフイルムFを出力する画像出力装置24ではなく、網点画像データHにより刷版PPを直接出力することの可能な画像出力装置であるCTP(computer to plate)出力機24aにも適用することができる。CTP出力機24a内では、感光材料Mがレーザビーム(記録ビーム)により走査記録されることで、直接、刷版PPが得られる。
【0049】
また、画像出力装置としては、いわゆるレーザ光を用いた走査露光装置に限らず、面露光方式やインクジェット方式でフイルム、刷版あるいは印刷物を描画する装置にも適用することができる。
【0050】
さらには、CTC(computer to cylinder)印刷機24bに網点画像データHを供給するように構成すれば、このCTC印刷機24bでは網点画像データHに基づき、シリンダに巻き付けられた感光材料Mが走査記録されて得られた刷版にインキが付けられ、刷版に付けられたインキが記録媒体であるシートに転移されることで、シート上に画像形成された所望の印刷物PMを直接得ることができる。
【0051】
なお、図1例中の網点画像データ作成部20を構成するスーパーセル閾値テンプレート36の閾値配列は、CDROM、CDR等のパッケージメディアであって持ち運ぶことの可能な記憶媒体49に記録して可搬することが可能である。
【0052】
この網点画像作成部20は、ハードウエアあるいはコンピュータ上でソフトウエアによって実行される場合がある。この場合、スーパーセル閾値テンプレート36(閾値配列)は、ハードディスク等の記憶媒体に記憶されているものを用いる。
【0053】
以上が、この発明の一実施の形態の閾値配列が適用された製版システム10の基本的な構成についての説明である。
【0054】
次に、この発明の一実施の形態に係る閾値配列のデータ構造および網点画像作成方法を実施する階調画像作成用閾値配列作成装置について説明する。
【0055】
図2は、記憶手段であるRAM(ランダムアクセスメモリ)やハードディスク等の記憶媒体により構成され、それぞれ複数の1、2、…、255の閾値Tが割り当てられて作成されるスーパーセル閾値テンプレート(閾値配列)36の作成装置(階調画像作成用閾値配列作成装置)18の構成例を示している。なお、ここで階調画像とは、2値画像{黒化画素と白化(白ヌケ)画素とからなる階調画像}あるいは4値画像(例えば、4段階の濃度0、1、2、3で示される階調で構成される階調画像)等の多値画像を意味している。
【0056】
この図2例の階調画像作成用閾値配列作成装置18において、図1に示した製版システム10の構成要素と対応するものには、同一の符号を付けてその詳細な説明を省略する。
【0057】
階調画像作成用閾値配列作成装置18は、線数、角度、出力解像度、網形状等の入力パラメータを設定するパラメータ入力部37と、設定された入力パラメータに応じて実質線数角度を選択する実質線数角度選択部39と、選択された実質線数角度に応じて黒化候補画素を選択する候補画素選択部41とを有している。なお、候補画素選択部41は、スーパーセル閾値テンプレート36の閾値を決定する際に、階調の高い方の次階調の閾値を決定する場合には、黒化候補画素を選択する機能を有する黒化候補画素選択部として機能するが、階調の低い方の次階調の閾値を決定する場合には、白化候補画素を選択する白化候補画素選択部として機能する。
【0058】
また、階調画像作成用閾値配列作成装置18は、候補画素選択部41により選択された候補画素の選択に応じて、既に決定している閾値配列で作成される画像パターンを発生させるように、閾値サイズ分で大きさが一定の画像データGを発生する画像データ発生部30と、発生された画像データGに基づいてアドレスADを計算して作成途中(作成途上)スーパーセル閾値テンプレート36Mに供給するアドレス計算部34と、最初は閾値Tが全てゼロ値とされ実質的に閾値Tが何も配置されていない状態から順次決定された閾値が記憶(保存)される作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mと、作成途中までの閾値(既決定の閾値)Tと画像データGとから値0または値1をとる網点画像データHを作成する比較部32と、網点画像データHに基づき画像出力装置24から出力される濃度画像に対応する濃度画像データHd(「0」と「1」とからなる2値データ)を作成する濃度シミュレーション部33とを有している。この図2例において、表示部35には、網点画像データHあるいは濃度画像データHdを表示することが可能である。
【0059】
さらに、階調画像作成用閾値配列作成装置18は、比較部32から出力される網点画像データHあるいは濃度シミュレーション部33から出力される濃度画像データHdから低周波成分データ(低周波ノイズ成分、低周波ノイズデータ、低周波成分)Lを抽出する低周波成分抽出部45と、この低周波成分データLに基づき、前記候補画素選択部41により選択された候補画素の位置の低周波成分を算出するとともに、算出した低周波成分に基づき次の画素位置を閾値の配置位置と決定する画素決定処理部46を有している。
【0060】
ここで、低周波成分抽出部45は、周波数変換手段としての高速フーリエ変換器(FFT)40、低域通過フィルタ(LPF)42、周波数逆変換手段としての高速逆フーリエ変換器(IFFT)44とから構成される。なお、周波数変換手段としては、高速フーリエ変換器40にかぎらず、ウェブレット変換手段を使用することができ、ウェブレット変換手段を使用したときには、周波数逆変換手段としてウェブレット逆変換手段を使用する。
【0061】
また、低周波成分抽出部45は、周波数変換手段を持つことなく実空間上でのフィルタリング(コンボリューション演算)によって低周波成分を抽出することも可能である。コンボリューション演算のマスクサイズや画像データサイズにも依存するが、計算を実行するにあたっては、周波数変換手段を用いた方が、コンボリューション演算より演算時間を短くすることができる場合が多い。
【0062】
比較部32により作成された網点画像データHは、濃度シミュレーション部33を通じてあるいは直接にフーリエ変換手段である高速フーリエ変換器40に供給される。濃度シミュレーション部33を通じて供給するか直接供給するかは、図示していない選択手段により選択することができる。
【0063】
この網点画像データHは、位置空間(実空間)上の画像データである。ここで、位置空間上のデータとは、xy平面上で定義される座標上のデータであることをいう。この位置空間上の網点画像データHが、高速フーリエ変換器40により、周波数空間上の情報信号であるデータD1に変換され、遮断周波数が網点の基本周波数成分(スクリーン線数成分)に設定された低域通過フィルタ42に供給される。ここで、周波数空間上のデータとは、xy軸を周波数軸として、その周波数平面上で定義される座標上のデータであることをいう。
【0064】
低域通過フィルタ42は、周波数空間上のデータD1から網点の基本周波数成分(スクリーン線数成分)より低い周波数の低周波成分を含むデータD2を抽出して、高速逆フーリエ変換器44に供給する。
【0065】
高速逆フーリエ変換器44は、周波数空間上で抽出された低周波成分を含むデータD2を、位置空間上の画像データである低周波成分データLに変換して画素決定処理部46に供給する。
【0066】
画素決定処理部46は、低周波成分データLを周波数分析し、さらに複数の特定周波数成分データBを分解して抽出する特定周波数成分分解部70と、抽出された特定周波数成分データBの各候補画素位置での強度を算出する強度算出部78と、算出された強度に基づき黒化候補画素あるいは白化候補画素中、それぞれ黒化画素および白化画素を決定する画素決定部80とを備える。ここで、特定周波数成分分解部70は、高速フーリエ変換器72(上述の高速フーリエ変換器40と同様の機能を有する。)、並べ替え部74、および高速逆フーリエ変換器76(上述の高速逆フーリエ変換器44と同様の機能を有する。)とから構成される。
【0067】
画素決定処理部46では、特定周波数成分分解部70から出力される特定周波数成分データBあるいは低周波成分データLのどちらからでも候補画素を決定することができる。特定周波数成分データBあるいは低周波成分データLのどちらを用いるかは、図示していない選択手段により選択することができる。
【0068】
低周波成分データLまたは特定周波数成分データBに基づき画素決定処理部46により決定された閾値配列は、作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mに記憶され、1〜255までの全ての閾値配列が決定されたとき、その作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mは、閾値配列が全て決定されているスーパーセル閾値テンプレート36とされて記憶媒体49に記録され、この記憶媒体49から図1の製版システム10におけるスーパーセル閾値テンプレート36にコピーされ、製版システム10での使用に供される。
【0069】
次に、階調画像作成用閾値配列作成装置18のより詳しい動作について、図3のフロー図を参照して説明する。
【0070】
まず、ステップS1では、パラメータ入力部37により入力パラメータを設定する。ここで、入力パラメータは、たとえば、スクリーン線数175線(lpi)=6.89線/mm、網角度15度、出力解像度1200(dpi)=47ドット/mm(画素/mm){1画素の大きさは約21μm角}および網形状四角形(スクエア)とする。網形状としては、四角形以外に円形あるいはその他の幾何形状とすることができる。
【0071】
次いで、実質線数角度選択部39において、ステップS2、S3、S4では、それぞれ、閾値配列であるスーパーセル(スーパーセル閾値テンプレート36)の画素数が選択され、さらに網点画像の配列(大きさ、個数、角度)が選択され、1階調あたりの画素数Ndotが選択される。
【0072】
図4は、設定された入力パラメータにより形成された網点(網点セル)50の列からなる1個のスーパーセルSSを示している。
【0073】
ここで、スーパーセルSSの1階調あたりの画素数Ndotは、次の(1)式により決定される。
【0074】
Ndot=スーパーセルの画素数/階調数 …(1)
このことは、たとえば必要な階調数が256階調のときに、作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mに配置すべき閾値T、換言すれば、スーパーセル閾値テンプレート36中に配置されている閾値T=1、閾値T=2、…閾値T=255が、それぞれNdot個あることを意味している。
【0075】
この実施の形態においては、256階調が必要な例に対して1〜255の閾値を決めていく方式について説明する。これ以外に、閾値としては、スーパーセル内の総画素数をNallとして、1〜Nallの閾値を計算しておき、それを1階調当たりの画素数Ndotで割ることで、1〜255の閾値を得るようにしてもよい。1〜Nallの閾値を計算しておいた場合には、必要な階調数が変更となった場合でも、除数である1階調当たりの画素数Ndotを変更することで柔軟に対応することができる。
【0076】
なお、この実施の形態においては、理解の容易化のために作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mの閾値Tの配列がある階調まで決定されており、次に、Ndot個(1つ以上)の次階調の閾値T(T←T+1)の配置位置(同値1つ以上の閾値の配置位置)を決定する際の動作について説明する。
【0077】
この場合、ステップS5において、網の形状を損なわないように、次階調の同値複数の閾値の配置位置の候補位置を候補画素選択部41により複数箇所選択する。ここで、候補位置は、次に黒化する候補の画素位置に対応するので、黒化候補画素という。
【0078】
この黒化候補画素の数をmとするとき、m=Ndot+α、たとえば、Ndot×2個に選択する。余裕個数αを大きくすれば、閾値配列の自由度が増加するが網の黒化形状が、この例ではスクエアからくずれていく。なお、黒化候補画素は、ステップS1で設定した網点特性(線数、角度、形状)を満たすように選択することが好ましく、網点の周期性を維持するには、少なくとも現在黒化されている画素の周囲画素を算出する必要がある。
【0079】
図5は、その黒化候補画素の選択手順例を示している。
【0080】
すなわち、ステップS5−1では、各画素のうち未だ黒化されていない未処理画素を選択する。次に、ステップS5−2では、ステップS5−1で抽出した各未処理画素について、以下に説明するように距離値を求める。
【0081】
図6に模式的に示すように、たとえば、大きさを±1で規格化した各網点50の中心Oから未処理画素までの距離値、換言すれば、未だ閾値が配置されていない画素位置までの距離値を所望の形状であるスクエアに合致した次の(2)式の距離関数D(x,y)により求める。
【0082】
D(x,y)=1−(|x|+|y|) …(2)
この模式的に描いた図6において、中心Oを含む四角形51の内側までの閾値配列が決まっていた場合に、次に、四角形52の辺の付近の未処理画素までの距離値を距離関数D(x,y)により求めることになる。
【0083】
なお、距離関数D(x,y)は、黒化部分が円形で太る網点形状である場合には、次の(3)式で表されるものを用いればよい。
【0084】
D(x,y)=1−(x2+y2) …(3)
距離関数D(x,y)は、いわゆるスポット関数に対応し、所望の網形状に応じてさまざまな関数とすることができる。
【0085】
次いで、ステップS5−3では、未処理画素の各距離関数D(x,y)の値を小さい順に並べ替える。
【0086】
次いで、ステップS5−4においては、ステップS5−3で求めた距離関数D(x,y)の値の小さい方から順に、未処理画素としての黒化候補画素数がm(m=Ndot+α)個に等しくなるまで選択する。
【0087】
黒化候補画素数をm個選択できれば、候補画素選択部41は、選択された黒化候補画素数mの各画素位置を画素決定処理部46に転送通知する。
【0088】
次に、複数の黒化候補画素(複数箇所の候補の閾値)の配置位置を決定する処理について説明する。
【0089】
すなわち、まず、ステップS6の処理において、既に決まっている閾値配列が格納されている作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mにより階調画像である網点画像データHを比較部32により作成する。網点画像データHを作成する画像データGの値は、G=Tとされる。すなわち、閾値T=(T+1)の配置位置を決定する場合に、既に決まっている閾値T=1〜Tの閾値配列を表す網点画像データHを作成するときには、画像データ発生部30から画像データGの値として、一定値G=Tがスーパーセル閾値サイズ分比較部32へ供給される。
【0090】
図7は、画像データGがG=Tであるとき、作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mを用いて比較部32により作成された網点画像データHにより表される網点画像を模式的に示している。
【0091】
ここでは、平網(略一定網%を持つ網点が並んでいる均一濃度を再現したドットパターン)となっており、比較部32により得られた1個のスーパーセルSSによる網点画像データHに基づく網点画像(ビットパターンあるいはドットパターンという。)を示している。ここで、網点の基本周波数は、実際のスクリーン線数に等しい。
【0092】
この図7では、1以上の黒化画素からなるドット47を有する網点セル50の集合パターンにより形成されるある階調の網点画像データ(網点画像)Hを示している。この網点画像データHは、1個のスーパーセルを示しており、上述したように、複数の網点セル(網点)50から構成されている。なお、50という符号を付けている網点セル50中のドット47を構成する黒化画素数は、13個であることが分かる。50という符号を付けていない他の網点セル50中のドット47aは12個、ドット47bは12個、ドット47cは12個、ドット47dは13個と、ドットを構成する黒化画素数が異なっている(黒化画素の付き方が異なっている。)。これらのドット数は、表示部35の画像上で容易に確認することができる。
【0093】
図8は、ステップS5の黒化候補画素の選択処理により図7に示す網点画像データHから算出された黒化候補画素データJによるスーパーセル中の黒化候補画素の配置を示している。黒化候補画素は、ステップS1で設定した網点特性(線数、角度、形状)を満たすように選択され、図7の網点画像データHで既に黒化されている画素の周囲から黒化候補画素が選択されている。
【0094】
次に、ステップS7では、網点画像データHにより得られる濃度画像に対応する濃度画像データHdを濃度シミュレーション部33によるシミュレーションにより求める。ここで、濃度画像とは、網点画像データHが入力された場合の画像出力装置24から出力される、たとえばフイルムF上に形成される濃淡画像をいい、その濃淡画像を表すデータを濃度画像データHdという。
【0095】
図9において、左側の図は、網点画像データHを、1画素をスクエア形状として仮想的に表現した図である。画像出力装置24から実際に出力されるときには、1画素がスクエア形状であることは希であり、一般に、円形状あるいは楕円形状として粗く近似することができる。このようにドットが太ることをドットゲインと呼ぶこともある。濃度画像データHdは、図9の右側の斜線部の面積を求めた濃度を予想したデータである。
【0096】
実際に画像出力装置24からテストパターンを出力し、元の網点画像データHの1画素がテストパターンの濃淡画像上でどのように出力されるのかを測定することで、たとえば図9の濃度画像データHdにおける円形状の半径を求めることができる。その半径を用いて、実際の濃度像に近い濃度画像データHdでの面積率を網点画像データHから計算することができる。
【0097】
図9では、1画素、3画素、4画素からなる各網点画像データHが、それぞれシミュレーション後の1画素、3画素、4画素からなる濃度画像データHdに変換される太り具合の例を示している。この図9例では、1画素がそれぞれ円形状に近似されて、濃度が予測される例を示している。
【0098】
濃度画像データHdは、特開平11−112814号公報にも示しているような方法で精度よく求めることができる。すなわち、画像出力装置24で使用されるビーム形状から露光量を積算計算し、感光材料のガンマ特性から濃度像を予測することができる。
【0099】
計算により濃度像を予測することを詳しく説明すると、まず、フイルムF上等の記録媒体上に1画素を形成するためのレーザビームBPのコンピュータ計算用のシミュレーション形状を決めておく。シミュレーション形状の例を図10Bに略円錐状のレーザビームBPとして示す。レーザビームBPは、ガウス分布に近い形状を有しており、振幅値の最大値1/e2で規定されるビーム径で略表現できる形状である。
【0100】
次に、このレーザビームBPと比較部32により得られた網点画像データH{図10A(図7の図面を再掲)参照}とのコンボリューション演算(網点画像データH*BP:*はコンボリューションの演算を示している。)を行い、各画素毎の露光量を算出する。
【0101】
次いで、算出した各画素毎の露光量を、フイルムF等の感光材料における露光特性90(図10C参照)、いわゆるガンマ特性により、各画素の濃度に変換する。このようにして求めた各画素の濃度から、濃度シミュレーション画像としての図10Dに示す濃度画像データHdを得ることができる。
【0102】
図10Dに示す濃度画像データHdは、図10Aに示すスクエア形状の画素から構成される網点画像データHが、画像出力装置24から出力されるときの濃度を予想した結果を表したものである。
【0103】
次に、ステップS8では、この濃度画像データHdから低周波成分抽出部45により低周波成分データLを抽出する。なお、低周波成分データLの抽出は、網点画像データHから抽出することもできるが、網点画像データHから抽出するよりも、画像出力装置24での濃度シミュレーション処理を行った濃度画像データHdから抽出した方がモアレ成分を除去するためのより効果的な低周波成分データLを抽出することができる。そのため、この実施の形態では、濃度画像データHdから低周波成分データLを抽出することを例として説明する。
【0104】
このステップS8では、まず、濃度画像データHdを、二次元の高速フーリエ変換器40により高速フーリエ変換して、周波数空間上の情報信号であるデータD1に変換する。
【0105】
次に、このデータD1に対して、網点の基本周波数成分(スクリーン線数)の遮断周波数を有する低域通過フィルタ42を作用させ、低周波成分を含むデータD2を抽出する。
【0106】
実際上、モアレ縞は人間が知覚するものであるから、高速フーリエ変換器40により濃度画像データHdを高速フーリエ変換した後のデータD1中、高周波成分を低域通過フィルタ42により除去する際に、図11に示す人間の視覚特性65により重み付けした後、低域通過フィルタ42をかけて低周波成分を抽出するようにしている。人間の視覚特性65は、たとえば一例として図11に示すように、周波数0.8(c/mm)近傍で最大感度を有する特性である。
【0107】
次いで、高速逆フーリエ変換器44は、低域通過フィルタ42により抽出された低周波成分データD2を逆フーリエ変換して、図10Fに示す、位置空間(実空間)上の低周波成分データLを得る。この低周波成分Lからモアレが発生していることが理解される。なお、図10F中、色の濃い部分は、色の薄い部分に比較して、信号強度が強い部分である。
【0108】
この低周波成分データLは、低周波成分抽出部45から画素決定処理部46に供給される。
【0109】
次に、ステップS9では、画素決定処理部46を構成する特定周波数成分分解部70中の高速フーリエ変換器72により、低周波成分データLをさらにスーパーセル閾値テンプレート36に基づき作成された濃度画像データHdで生じる可能性のある特定周波数成分(基本周波数成分)に分解する。
【0110】
図12は、低周波成分データLを空間周波数の特定周波数成分f1(強度Pa),f2(強度Pb),f3(強度Pc),f4(強度Pd),f5(強度Pe),…に分解した状態を1次元的に示している(実際には、2次元の空間である。)。
【0111】
次に、ステップS10では、並べ替え部74により、各周波数成分の強度を比較し、大きい順(強い順あるいは強度順)に並べる。図12の例では、f2(Pb)→f4(Pd)→f3(Pc)→f1(Pa)→f5(Pe)の順に並べ替える。
【0112】
次いで、ステップS11では、特定周波数成分(基本周波数成分)を、強度の強い順に、実空間上の周波数成分に高速逆フーリエ変換器76を用いて変換する。
【0113】
次いで、ステップS12では、強度算出部78により各黒化候補画素位置で、抽出された周波数成分の強度を算出する。
【0114】
さらに、ステップS13では、画素決定部80において、抽出された周波数成分を強める位置にある黒化候補画素を候補から除外する。換言すれば、抽出された周波数成分の強度の弱い黒化候補画素を残す。
【0115】
次に、ステップS14では、残された黒化候補画素数が、1階調当たりの画素数Ndotに等しい数になっているかどうかを確認し、残された黒化候補画素数が1階調当たりの画素数Ndotになるまで、ステップS11〜S14までの過程を繰り返し、候補を絞っていく。
【0116】
ステップS9〜ステップS14の過程が成立するまでの手順について、図面を参照して、より具体的に説明する。
【0117】
図13A(図10Fを再掲)に示す低周波成分データLの場合、図13B(図8を再掲)に示すように黒化候補画素データJが決定されている。
【0118】
ステップS11の処理により、特定周波数成分f2(強度Pb)として分解された最も周波数成分強度の強い実空間上の周波数成分データL1を図14Aに示す。
【0119】
図14Bは、ステップS12、S13の黒化候補画素除外処理により残された周波数成分の強度の弱い黒化候補画素データJ1を示している。黒化候補画素データJ1は、図13Bに示す黒化候補画素データJと図14Aに示す周波数成分データL1とを重ねてみたとき(対応する位置にある画素の強度を比較したとき)、黒化候補画素データJから強度成分の強い部分(図14A中、黒い部分)に対応する黒化候補画素が除外されて残されたデータである。換言すれば、強度成分の弱い部分(図14A中、白い部分)に対応する部分の黒化候補画素が残されたデータである。
【0120】
なお、図14Aに示す特定周波数成分(基本周波数成分)f2に対応する周波数成分データL1では、たとえば、図の左下側から左上側に向かって、略3周期の明暗が現れており、この明暗の信号Aは、A=a・sin(2πf2・r)+b(aは振幅、πは円周率、rは距離、bはオフセット値)と表すことができる。ここで、信号Aの最大値は(a+b)(図14A中、黒い帯状の部分の中央線上の値)、最小値は(−a+b)(図14A中、白い帯状の部分の中央線上の値)となる。特定周波数成分の強度が強いとは、強度がオフセット値bより大きい値であることをいい、弱いとは、強度がオフセット値b未満の値であることをいう。したがって、周波数成分が弱い画素(図13B上では、ドットで示している。)が黒化されると元の特定周波数成分(基本周波数成分)を弱めると考えることができる。図13A〜図17Aの各図は、特定周波数成分(基本周波数成分)の最大値を黒、最小値を白として表示した模式図である。
【0121】
ここで、残された黒化候補画素データJ1の候補画素数が、1階調当たりの画素数Ndotより大きい場合には(ステップS14の判定が否定的である場合には)、再度、ステップS11の処理により、特定周波数成分f4(強度Pd)が変換された2番目に周波数成分強度の強い実空間上の周波数成分データL2(図15A)を用いてさらに黒化候補画素を絞る。
【0122】
図15Bは、ステップS12、S13の黒化候補画素除外の2度目の処理により残された周波数成分の強度の弱い黒化候補画素データJ2を示している。
【0123】
黒化候補画素データJ2は、図14Bに示す黒化候補画素データJ1と図15Aに示す周波数成分データL2とを重ねてみたとき、白化部分(図15A中、白い部分)に対応する部分の黒化候補画素が残されたデータである。
【0124】
以下同様にして得られた、3番目、4番目に周波数成分強度の強い実空間上の周波数成分データL3、L4をそれぞれ図16A、図17Aに示す。図16B、図17Bは、これらに対応する、ステップS12、S13の黒化候補画素除外処理により残された周波数成分の強度の弱い黒化候補画素データJ3、J4をそれぞれ示している。
【0125】
このようにして残された1階調当たりの画素数Ndotの数の黒化候補画素の位置が、この次階調での閾値の配置位置として決定される。
【0126】
すなわち、ステップS14の判断が成立したとき、換言すれば、1階調当たりの画素数Ndotの全ての黒化画素に対応する閾値が決定したとき、ステップS15において、画素決定処理部46は、閾値Tが最大値である閾値T=255までの全ての閾値配列が決定したかどうかを確認し、閾値配列が決定していない場合には、ステップS5からステップS15の処理を繰り返して閾値T=255までの全ての閾値配列を決定して処理を終了する。
【0127】
このような順序により閾値配列を決定することで、最終的に残った黒化候補画素は、元のドットパターンが有する周波数成分を強めることのない画素を次の黒化画素として選択することができる。最大振幅を持つ基本周波数のみに着目して、周波数成分を弱めることを考慮すると、黒化候補画素のうち、最大振幅を持つ特定周波数成分(基本周波数成分)の最小値の位置を次の黒化候補画素位置として選択することになる。このとき、2番目に大きな振幅を持つ特定周波数成分(基本周波数成分)を強めてしまう場合があるが、先に説明したアルゴリズムを用いれば、比較的強度の強い基本周波数成分のいずれも強めない、すなわち弱める最適な位置に次の黒化画素を配置することができる。
【0128】
なお、ある階調において、画素数Ndotの数の閾値の配置位置を決定する際、網形状が好ましい形状、この場合、できるだけスクエア形状になるように、一度に1個ずつあるいは複数個ずつ決定して、図3のフローチャート中、点線で示す経路を含む、ステップS6、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13、S14の処理を繰り返すようにすることもできる。
【0129】
また、1あるいはNdotの数の画素の閾値を選択したいと考えていても、実際に図3のアルゴリズムの処理を実施した場合、ステップS13の処理後には、実際にほしい画素数より画素数が多く残ってしまったり、候補画素数が目的数より小さくなる場合がある。画素数が多い場合にはステップS14で他の条件の大小の順に候補画素数を選ぶことで所望の個数の候補画素数を得ることができる。このとき、他の条件とは、たとえば、各画素における分割した周波数成分の強度値の和の小さい順あるいは、形状を示す距離値Dの順等を用いる。候補画素がなくなる場合には、ステップS13の処理の1つ前に戻って候補画素が多い状態とし上記を実行すれば所望の個数の候補画素を得ることができる。
【0130】
このようにして、全ての閾値配列が決定した作成途中スーパーセル閾値テンプレート36Mは、スーパーセル閾値テンプレート36とされ、そのスーパーセル閾値テンプレート36のデータが記憶媒体49に記録され、この記憶媒体49から図1に示した製版システム10中のスーパーセル閾値テンプレート36にコピーされる。
【0131】
以下、同様にして、ステップS1において新たなパラメータ(線数、角度、出力解像度、網形状等)を設定することにより、このパラメータに対応したスーパーセル閾値テンプレート36の閾値配列を略自動的に決定することができる。
【0132】
通常、カラーの印刷を行う際には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、K(黒)4色分の版を作成することが必要になるため、上述したアルゴリズムにより4つの異なる角度{通常、0度(たとえばY版)、15度(たとえばC版)、45度(たとえばM版)、75度(たとえばK版)}を持つ4版分のスーパーセル閾値テンプレート36の閾値配列を作成する。
【0133】
なお、上述した実施の形態においては、2値の網点画像データHを対象としているが、この発明は網点画像データHに限らず、出力値が「0,1,2,3」の値をとる4値、8値等の多値網点画像データにも適用することができる。
【0134】
また、上述した図3のフロー図に基づく閾値配列の決定の際には、閾値T=1から網%では0%(小さい方)から昇順で順次黒化画素(閾値配列)を決定するようにしているが、この閾値配列の決定は、閾値Tの最大値から網%では100%(大きい方)から降順で順次決定するようにしてもよい。
【0135】
図18の閾値配列決定順序表120に示すように、決定パターン1では、0%から100%に向かって昇順に、決定パターン2では、100%から0%に向かって降順に、決定パターン3では、0%、100%、1%、99%という順に、0%から50%に向かって昇順に決定するとともに、100%から50%に向かって降順に交互に決定することもできる。
【0136】
さらに、決定パターン4では、X印で示すある階調(階調Xとする)でモアレの発生していないドットパターン(黒化パターン)が得られているときに、そのある階調から降順および昇順、具体的には、階調X−1、階調X+1、階調X−2、階調X+2の順で閾値位置を決定することもできる。
【0137】
決定パターン5では、X印で示すある階調Xでモアレの発生していないドットパターンが得られているときに、階調X−1、階調0%、階調X+1、階調100%、階調X−2、階調1%、階調X+2、階調99%、…の順で閾値位置を決定することもできる。
【0138】
なお、降順で候補画素を決定する際には、黒化候補画素ではなく、次に白化すべき候補画素である白化候補画素を決定していく。
【0139】
上記の手順により作成したスーパーセル閾値テンプレート36を設定した図1例の製版システム10によれば、従来、単版モアレのために作成が困難であった、たとえば、解像度が1200dpiで、スクリーン線数が175lpiの出力条件、一般的には、出力解像度(dpi)/線数(lpi)の値が10以下の出力条件の場合であっても、モアレの発生のほとんどない画像が形成された記録媒体であるフイルムF等を作成することができるという利点が得られる。
【0140】
図19は、この実施の形態の手順により、閾値配列の決定されたスーパーセル閾値テンプレート36が設定された網点画像データ作成部20により作成された網点画像データH(H←H’)を示している。この網点画像データH’は、表示部35上に拡大表示される。解像度1200dpi、スクリーン線数175lpiである。スクリーン線数に対する解像度の比dpi/lpiは、dpi/lpi=6.86≦10になっている。
【0141】
また、図20は、この網点画像データH’に対して濃度シミュレーション部33による濃度シミュレーションおよび低周波成分抽出部45を作用させて(視覚特性65も作用させている。)得られた低周波成分データL(L←L’)を示している。この低周波成分データL’は、表示部35上に拡大表示される。
【0142】
図19の網点画像データH’において、網点セル50内のドット47’が、図7に示した従来方式で作成した網点画像データHのドット47と変わっていることがわかる。
【0143】
また、図20に示す、網点画像データH’に基づく低周波成分データL’には、図10Fの低周波成分データLで視認可能なモアレ成分(単版モアレ成分)が、視認不可能となっていることが理解される。
【0144】
この場合、図7に示す網点画像データHの各網点セル50を構成するドット47、47a、47b、47c、47dの各黒化画素数は、13、12、13、12、13個となっており、図19に示す網点画像データH’の各網点セル50を構成する対応するドット47’、47a’、47b’、47c’、47d’の各黒化画素数は、14、12、11、12、15個となっていることが分かる。
【0145】
このように上述した実施の形態によれば、1つ1つのドット47を構成する黒化画素の差をより多くして、スーパーセル全体の持つ低周波ノイズ(たとえば、単版モアレ等)を発生しないように工夫している。
【0146】
具体的に、50%以下のある網%の平網を出力したとき、スーパーセル内、この場合、網点画像データH’の各網点セル50を構成する各ドット47の黒化画素数の最大値をNmax、最小値をNminとするとき、各ドット47相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmin)が、2≦Δ≦6となる差Δを持たせることが好ましい。この差Δが、6を超えるとランダムノイズ等として視認されてしまうので、差ΔがΔ≦6であることが好ましい。
【0147】
実際上、スクリーン線数に対する解像度の比dpi/lpiが、dpi/lpi≦10の条件では、差Δが、2≦Δ≦4となる差Δを持たせることが好ましい。
【0148】
50%以上のある網%の平網を出力したときには、黒化画素数ではなく白ヌケドットの白化画素数についても同様に考えることができる。このとき、網点セル50は、黒化画素のものとは異なり、白ヌケ画素が収まる範囲で設定した網点セル単位となる。
【0149】
なお、この差Δ(黒化画素数の差あるいは白化画素数の差)は、25%および75%を中心近傍とする網%に適用されるが、網点セル50内のドット47を構成する黒化画素あるいは逆に白化画素が1個〜3個程度の場合には、各ドット47の黒化画素数あるいは白化画素数は同数あるいは、差Δがあっても差Δ≦2とすることが好ましい。単版モアレによるむらよりも画素数不揃いによるむらが見える場合がある。また、網%が50%近傍では、隣り合うドット47が接触しているため、どの画素がどのドット47に属するのかを決めることは無意味になる。
【0150】
上述した実施の形態で説明した手順は、低周波モアレ成分が不明の場合であっても適用できる手順であるが、網点画像において予め特定のモアレ周波数の成分が発生することが分かっている場合や計算できる場合には、ステップS13において不要な黒化候補画素を除外する際に、まず、分かっている特定周波数成分を強める候補画素を最初に除外してから候補画素を決定するようにすれば、より短時間に候補画素を決定することができる。
【0151】
たとえば、出力解像度1200dpiの出力と175線15度の網点とで発生するモアレ成分を算出してみる。
【0152】
図21は、出力解像度と網点線数の周波数ベクトル図を表している。図21中、丸印は、175線15度の網点画像が持つ可能性のある周波数成分であり、網点基本周波数とその高調波成分の位置を示す網点周波数格子成分を表している。一方、図21において、出力解像度1200dpiの成分は、Y軸上の座標位置R(x,y)=(0,1200)で示すことができる。
【0153】
一般に、2つの周波数成分で生じるモアレは、周波数ベクトルの差で表すことができる。視覚的に問題となる低周波のモアレ成分は、出力解像度を表す座標位置Rの位置に対し、もっとも距離が近い網点格子中の格子点座標Q(m,n)を選択することになる。この格子点座標Q(m,n)は、次の(4)式の整数値問題を解くことにより、Q(m,n)=(2,7)となる。
【0154】
m×175sin15゜+n×175cos15゜=1200 …(4)
この場合、網点格子の座標Q(m,n)に対応するXY座標上の座標Q(x,y)は、y=2×175sin15゜+7×175cos15゜=1274、x=2×175cos15゜−7×175sin15゜=21となることから座標QはQ(x,y)=(21,1274)となる。
【0155】
ここで、図22の拡大図に示すように、始点をXY座標の原点とするベクトルRとベクトルQの差ベクトルS(x,y)の成分は、(21,74)となり、この差ベクトルS(x、y)が、網点の格子点座標Q(m,n)の高調波成分と解像度1200dpiの成分との干渉成分となり、大きさが(212+7421/2dpi、角度がtanθ=(74/21)のモアレ成分となることが計算できる。
【0156】
具体的には、大きさが約77dpi(約0.3mm)で、角度θがθ=約74゜のモアレ成分が計算で発生することが分かる。
【0157】
この計算で発生が予測できるモアレ成分を、上述したステップS13の処理において、最初に、黒化候補画素から除外しておけば、ステップS6〜S14あるいはステップS11〜S14の繰り返し処理の際の高速フーリエ変換や逆フーリエ変換等の演算回数が少なくなり、最適な黒化候補画素の位置をより短時間で求めることができる。
【0158】
上述した実施の形態においては、閾値配列を用いる階調画像再現方法における閾値の配置位置の決定方法ということで説明しているが、この発明は、各階調において、どのようなドット配置が最適な配置であるのかを順次決定するものであり、当業者であれば、容易に推測できるように、この技術で決定される各階調のドット配置を、濃淡画像の1画素をZ×Zドットのサブマトリックスに対応させ、各画素の濃度をサブマトリックス内の黒化ドットの面積率で再現する濃度パターン法等の他の階調再現技術にも適用可能であることはいうまでもない。
【0159】
このように、この発明は、各階調において、どのようなドット配置が最適かを順次決定するものである。上述の実施の形態においては、網点の大きさで濃淡を表現するいわゆるAMスクリーンによる網点(略均一の大きさのドットが直交して略等間隔に並んでいる。)を例として説明しているが、図2中、候補画素選択部41において選択する候補画素の条件によっては、網点以外のドット配置方式による階調再現方法、たとえば、同一サイズのドットを不規則に配置し、該ドットの密度で濃淡を表現するFMスクリーンにおいても、閾値配列に関連して発生する低周波成分の低減に適用できる等、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採りうることはもちろんである。
【0160】
なお、FMスクリーンの場合には、低域通過フィルタ42は、人間の視覚特性65のみのフィルタとし、網点周期でのスクリーン線数に対応する低域通過フィルタによるフィルタリングは不要である。
【0161】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、比較的低解像度高線数の網点画像においても、周期的な模様やモアレ等の低周波成分の発生のきわめて少ない網点画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るスーパーセル閾値テンプレートが適用された製版システムの構成を示すブロック図である。
【図2】閾値配列作成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】閾値配列の決定手順を示すフロー図である。
【図4】入力パラメータ設定の説明に供される図である。
【図5】図3例の閾値配列決定手順中、黒化候補画素の選択処理の詳細な処理手順を示すフロー図である。
【図6】距離関数の説明に供される線図である。
【図7】網点画像データにより表される位置空間上の画像を示す線図である。
【図8】図7の画像に対する次の黒化候補画素を示す線図である。
【図9】濃度シミュレーションの説明に供される線図である。
【図10】濃度シミュレーションによる濃度画像の作成手順を示す線図であって、
図10Aは、網点画像データに係る画像を示す線図、
図10Bは、レーザビームの形状を示す線図、
図10Cは、ガンマ特性を示す線図、
図10Dは、濃度画像を示す線図、
図10Eは、視覚特性を示す線図、
図10Fは、低周波成分に係る画像を示す線図である。
【図11】人間の視覚特性の説明に供される特性図である。
【図12】低周波成分をフーリエ変換したときの強度を示す模式図である。
【図13】図13Aは、低周波成分に係る画像示す線図、
図13Bは、最初の黒化候補画素を示す線図である。
【図14】図14Aは、低周波成分中、最も強い成分に係る画像を示す線図、
図14Bは、最も強い低周波成分を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図15】図15Aは、2番目に強い低周波成分に係る画像を示す線図、
図15Bは、2番目に強い低周波成分を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図16】図16Aは、3番目に強い低周波成分に係る画像を示す線図、
図16Bは、3番目に強い低周波成分を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図17】図17Aは、4番目に強い低周波成分に係る画像を示す線図、
図17Bは、4番目に強い低周波成分を強めない黒化候補画素を示す線図である。
【図18】閾値配列決定順序表を示す図である。
【図19】黒化画素の配置位置が修正された網点画像データにより表される位置空間上の画像を示す線図である。
【図20】モアレ成分抑制後の低周波成分に係る画像を示す線図である。
【図21】出力解像度と網点線数の周波数ベクトル図である。
【図22】図21の図の一部拡大図である。
【符号の説明】
10…製版システム 12…原稿画像
14…画像入力部 16…画像処理部
18…階調画像作成用閾値配列作成装置
20…網点画像データ作成部(階調画像データ作成装置)
32…比較部 34…アドレス計算部
36…スーパセル閾値テンプレート(網点閾値データ)
36M…作成途中スーパーセル閾値テンプレート
37…パラメータ入力部 38…網属性入力部
41…候補画素選択部 45…低周波成分抽出部
46…画素決定処理部
47、47’、47a、47a’、47b、47b’、47c、47c’、47d、47d’…ドット
50…網点(網点セル) 70…特定周波数成分分解部
AD…アドレス DA、G…画像データ
F…フイルム H’…修正後の網点画像データ
L…低周波成分データ M…感光材料
PP…刷版 PM…印刷物
SS…スーパーセル T…閾値データ(閾値)

Claims (7)

  1. 出力解像度により定まる画素グリッド上にスーパーセルを設定し、設定したスーパーセルを網点セルに分割し、分割した網点セル内の各画素に対応して閾値を割り当て、前記各網点セルに閾値が割り当てられたスーパーセル閾値テンプレートの作成方法において、
    ある階調の次階調の閾値の配列を決定する際、前記次階調の黒化候補画素数mを、m=Ndot+α(Ndotは前記スーパーセルの画素数/階調数で計算される一階調当たりの画素数、αは閾値配列の自由度を増加させるための余裕個数)に設定する第1過程と、
    設定した前記黒化候補画素数m個分の各画素位置を、前記ある階調での各網点セル中の黒化された画素からなる各ドットの周囲に、所望の網形状に応じて定める第2過程と、
    定めた前記黒化候補画素数m個分の前記各画素位置中、低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を除去する際、前記次階調の各網点セルを構成する各ドットの黒化画素数の最大値をNmax、最小値をNminとするとき、各ドット相互の黒化画素数の差Δ=(Nmax−Nmin)が、2≦Δ≦6となるドットが存在することを許容して、前記黒化候補画素数mを前記一階調当たりの画素数Ndotまで絞って除去する第3過程と、
    を有することを特徴とするスーパーセル閾値テンプレートの作成方法。
  2. 請求項1記載のスーパーセル閾値テンプレートの作成方法において、
    前記第3の過程では、
    前記低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を特定する際、
    前記次階調の前記黒化候補画素を含めて黒化された画素からなるドットを含む各網点セルの集合パターンにより形成される網点画像に基づき前記低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を特定する
    ことを特徴とするスーパーセル閾値テンプレートの作成方法。
  3. 請求項2記載のスーパーセル閾値テンプレートの作成方法において、
    前記網点画像に基づき前記低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を特定するとき、
    前記網点画像を実空間上でのフィルタリングによって処理することで前記低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を特定する
    ことを特徴とするスーパーセル閾値テンプレートの作成方法。
  4. 請求項2記載のスーパーセル閾値テンプレートの作成方法において、
    前記網点画像に基づき前記低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置を特定するとき、
    前記網点画像から低周波ノイズ成分を抽出し、抽出した低周波ノイズ成分を周波数分析して、複数の周波数成分に分解し、分解された周波数成分で表現される強度変調された画像における前記黒化候補画素位置の強度の弱い前記黒化候補画素位置を、前記低周波ノイズ成分の発生を解消するのに寄与する画素位置と特定する
    ことを特徴とするスーパーセル閾値テンプレートの作成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスーパーセル閾値テンプレートの作成方法において、
    前記出力解像度をdpi(ドット/インチ)、1インチ当たりに含まれる前記網点セルの列の数であるスクリーン線数をlpi(ライン/インチ)とするとき、
    比dpi/lpiが、dpi/lpi≦10の場合、
    前記差Δが、2≦Δ≦4とされている
    ことを特徴とするスーパーセル閾値テンプレートの作成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスーパーセル閾値テンプレートの作成方法により作成されたスーパーセル閾値テンプレートが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスーパーセル閾値テンプレートの作成方法により作成されたスーパーセル閾値テンプレートの各閾値と入力画像データとを比較部により比較して網点画像を作成する網点画像作成装置。
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