JP2905105B2 - 画像のハーフトーン化方法 - Google Patents

画像のハーフトーン化方法

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JP2905105B2 JP32355494A JP32355494A JP2905105B2 JP 2905105 B2 JP2905105 B2 JP 2905105B2 JP 32355494 A JP32355494 A JP 32355494A JP 32355494 A JP32355494 A JP 32355494A JP 2905105 B2 JP2905105 B2 JP 2905105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、閾値マトリクスを用
いて多階調画像データをハーフトーン化する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラーのオフセット印刷では、写真画像
などの原稿画像を黄色、マゼンタ、シアン、黒の4色の
インクに対応した4つの色分解画像に分解し、各インク
の色分解画像を刷り重ねることによって印刷物を作成す
る。
【0003】各インクに対応する印刷版上のハーフトー
ン画像は、インクの乗る微小なドット(網点)の大小に
よって表現されている。網点は、一定の間隔で格子状に
配列されており、原稿画像の濃度に応じて各網点のサイ
ズが変化するものである。換言すれば、網点による画像
の再現は、振幅変調によって画像の濃度を表現する方法
である。これに対して、近年では、周波数変調によって
画像の濃度を表現する「FMスクリーニング」と呼ばれ
る方法が実用化されている。FMスクリーニングでは、
インクが乗るドットのサイズは一定とし、画像の濃度に
応じてドットの出現頻度が変化する。FMスクリーニン
グでは、従来の網点に比べて小さなドットが分散して配
置されるので、原稿画像を高分解能で再現することが可
能である。また、ドットの出現に周期性が無いので、多
色刷りしてもモアレやロゼットパターンが生じにくいな
どの利点も有している。
【0004】しかし、FMスクリーニングでは個々のド
ットのサイズが小さいので、網フィルムから印刷版を作
成する際のドットゲイン特性(ドット面積率の変化)や
印刷時におけるドットゲイン特性が、従来の網点とはか
なり異なる。すなわち、FMスクリーニングでは、画像
内のハイライト領域(低濃度の領域)では、ドットゲイ
ンが従来の網点に比べて小さくなるという傾向がある。
一方、中間調領域からシャドウ領域(高濃度の領域)に
かけては、ドットゲインが従来の網点に比べて大きくな
る。
【0005】FMスクリーニングにおいてドットの1単
位のサイズを調整することは可能である。例えば、感光
フィルムなどの記録媒体上にFMスクリーニングで作成
したハーフトーン画像(2値画像)を記録する際に、光
のスポットの所定数の集合(例えば2×2スポット)を
最小ドット単位とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ドット単位を
小さくすると、シャドウ領域でのドットゲインが大きく
なってしまい、白抜け部が黒くつぶれてしまうという問
題がある。一方、ドット単位を大きくすると、再現画像
にザラツキ感が生じ、また、ディーテイルの再現性が低
下するという問題がある。
【0007】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、ドットゲイン特
性や画像のザラツキ感などの諸特性を改善することので
きる画像のハーフトーン化方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、請求項1に記載された画像のハーフトー
ン化方法は、(a)閾値マトリクスを、それぞれ複数の
スポットを有する複数の矩形領域に区分するとともに、
前記複数の矩形領域の少なくとも1つは他の矩形領域と
異なるサイズを有するように前記閾値マトリクスを区分
する工程と、(b)各矩形領域に含まれる複数のスポッ
トに対して互いに等しい閾値を割り当てるとともに、前
記複数の矩形領域のそれぞれに対しては互いに異なる閾
値を割り当てることによって、前記閾値マトリクス内の
閾値配列を決定する工程と、(c)前記閾値マトリクス
から前記閾値を読み出して多階調画像データと比較する
ことによって前記多階調画像データをハーフトーン化す
る工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】複数の矩形領域の少なくとも1つは他の矩
形領域と異なるサイズを有するように閾値マトリクスを
区分し、各矩形領域に含まれる複数のスポットに対して
互いに等しい閾値を割り当てるようにすれば、画像のハ
ーフトーン化の際に、異なるサイズのスポットがドット
単位として順次記録されることになる。従って、矩形領
域にそれぞれ割り当てる閾値を調整することによって、
ドットゲイン特性や画像のザラツキ感などの諸特性を改
善することができる。
【0010】請求項2に記載された画像のハーフトーン
化方法では、工程(b)は、複数の矩形領域のうちで最
小の矩形領域に対して最小の閾値を設定する工程、を備
える。
【0011】最小の矩形領域に対して最小の閾値を設定
するようにすれば、最小の矩形領域が最も低濃度におい
て記録されるので、ハイライト領域において画像のザラ
ツキ感を抑制できる。
【0012】請求項3に記載された画像のハーフトーン
化方法では、工程(b)は、複数の矩形領域のうちで最
大の矩形領域に対して最大の閾値を設定する工程、を備
える。
【0013】最大の矩形領域に対して最大の閾値を設定
するようにすれば、最大の矩形領域が最も高濃度になる
まで白抜け部として残るので、シャドー領域におけるド
ットゲインを低減できる。
【0014】請求項4に記載された画像のハーフトーン
化方法では、工程(a)は、閾値マトリクスを、互いに
等しいサイズのN個(Nは2以上の整数)の中間矩形領
域に区分する工程と、前記複数の中間矩形領域を互いに
異なる区分でそれぞれM個(Mは2以上の整数)の矩形
領域に分割し、これによって、前記閾値マトリクス内に
N×M個の矩形領域を形成する工程と、を含み、工程
(b)は、各中間矩形領域内の最小の矩形領域に対し
て、最も小さいN個の閾値を順次設定する工程を含む。
【0015】複数の中間矩形領域を互いに異なる区分で
M個の矩形領域に分割し、かつ、各中間矩形領域内の最
小の矩形領域に対して、最も小さいN個の閾値を順次設
定するようにすれば、画像の濃度が高くなるに従って各
中間矩形領域内の最小の矩形領域が順次記録されていく
ので、ハイライト領域においてドットがランダムに出現
する。従って、複数色のハーフトーン画像を重ね合わせ
ることによってカラー画像を再現した場合に、干渉によ
るモアレが発生しにくい。
【0016】請求項5に記載された画像のハーフトーン
化方法では、工程(b)は、各中間矩形領域内の最大の
矩形領域に対して、最も大きいN個の閾値を順次設定す
る工程を含む。
【0017】各中間矩形領域内の最大の矩形領域に対し
て、最も大きいN個の閾値を順次設定するようにすれ
ば、画像の濃度が100%近くになった場合に、白抜け
部がランダムな位置に残る。従って、複数色のハーフト
ーン画像を重ね合わせることによってカラー画像を再現
した場合に、干渉によるモアレが発生しにくい。
【0018】
【実施例】
A.網点とFMスクリーニングの違い:図1は、従来の
網点(スクエアドット)のドット形状の変化を示す説明
図である。また、図2は、FMスクリーニングのドット
形状の変化を示す説明図である。図1と図2は、同じサ
イズの正方形の画像領域において、網点とFMドットが
濃度に応じて変化する様子を示している。図1に示す網
点では、濃度の増加に応じて1つのドット部の面積が成
長していくのに対して、図2に示すFMスクリーニング
では、濃度の増加に応じてドットの出現頻度(すなわち
出現の周波数)が高くなっている(勿論ドット部の面積
も増加していく。)。
【0019】図3は、網点とFMスクリーニングのドッ
トゲイン特性を示すグラフである。網点は、スクリーン
線数やドット形状やその他の各種印刷条件によってドッ
トゲイン特性が異なるが、図3にはスクリーン線数が1
75線/インチのスクエアドットを解像度が4000d
piの記録装置で記録する場合の特性の1例を示してい
る。また、FMスクリーニングのドットゲイン特性は、
解像度が4000dpiの記録装置を用いて、最小ドッ
トを3×3スポット一定とし、その他の印刷条件は17
5線網点の場合と同一とした場合の特性である。ここ
で、「スポット」とは、記録装置において黒化される最
小の単位である。なお、4000dpiでは1スポット
の幅が約6.35μmなので、3×3スポットのサイズ
を有する1ドットの幅は約20μmである。
【0020】図3から解るように、FMスクリーニング
では、ハイライト領域(低網%領域)において網点より
もドットゲインが小さく、シャドウ領域(高網%領域)
では網点よりもドットゲインが大きい。印刷機は、網点
のドットゲイン特性を前提にして画像を再現性良く印刷
するように調整されている。従って、FMスクリーニン
グを用いて画像のハーフトーン化(2値化)を行なった
場合にも、そのドットゲイン特性をなるべく従来の網点
に近づけることが好ましい。このためには、FMスクリ
ーニングにおけるドットのサイズを大きくすることが好
ましい。
【0021】一方、FMスクリーニングの特徴の1つ
は、原稿画像を高分解能で再現することが可能である点
にある。この点からは、ドットのサイズを小さくするこ
とが好ましい。また、ドットのサイズを大きくすると画
像にザラツキ感が発生するので、この点からもドットの
サイズを小さくすることが好ましい。
【0022】記録されるドットのサイズは、閾値マトリ
クス内の閾値配列によって決定される。以下に示す種々
の実施例は、上記のような種々の特性を考慮して、FM
スクリーニングに用いられる閾値マトリクス内の閾値配
列を工夫したものである。
【0023】B.閾値マトリクスの第1の実施例:図4
は、本発明の閾値マトリクスの第1の実施例と、これに
よって生成されるドットの形状の変化を示す説明図であ
る。図4(A)に示すように、この閾値マトリクス
(「ディザマトリクス」とも呼ばれる)は、10×10
スポットのサイズを有しており、主走査方向Yと副走査
方向Xに沿ってそれぞれ4:3:3に分割されている。
図5は、図4(A)に示す閾値マトリクスの詳細を示す
説明図である。10×10スポットの領域は、図中に太
線で囲まれた9つの矩形領域に分割されており、各矩形
領域内に含まれる複数のスポットには同じ閾値が割り当
てられている。最も大きな4×4スポットの矩形領域に
は、閾値として99が割り当てられている。中間サイズ
の4×3スポットの矩形領域は4つ有り、閾値として1
3,36,59,82がそれぞれ割り当てられている。
また、最も小さな3×3スポットの矩形領域も4つ有
り、0,23,46,69がそれぞれ割り当てられてい
る。
【0024】なお、この明細書においては、4×3スポ
ットと3×4スポットを共に「4×3スポット」と呼ん
でいる。すなわち、「n×mスポット」という用語は、
単にその矩形領域のサイズを意味している。
【0025】画像のハーフトーン化の際には、このよう
な閾値マトリクスが画像平面内で重なることなく、ま
た、隙間を作ることなく敷き詰めるように閾値マトリク
スを画像に適用する。すなわち、閾値マトリクスを画像
平面にタイル状に適用する。そして、画像データを閾値
マトリクス内の閾値と比較することによって多階調画像
データをハーフトーン化する。
【0026】図4(B)〜(D)は、画像の濃度が高く
なるに従って記録されるドットの形状が変化する様子を
示している。本発明の実施例では、記録装置においてハ
ーフトーン画像を記録する際に、多階調画像データID
と閾値TDとが次の不等式を満足する時にそのスポット
が黒化されるものとする。 閾値TD<画像データID …(1)
【0027】すなわち、閾値TDの値が画像データID
未満の時にそのスポットが黒化される。従って、閾値の
小さな矩形領域は低い画像濃度において黒化され、閾値
の大きな矩形領域は高い画像濃度において黒化される。
図4(B)〜(D)の下部にそれぞれ記載されているの
は、ハーフトーン画像の黒化部面積率の値である。例え
ば、図4(B)では、閾値が0である1つの3×3領域
のみが黒化されており、閾値マトリクス内の100個の
スポットのうちの9個のスポットが黒化されている。従
って、このハーフトーン画像の黒化部面積率は9%であ
る。
【0028】閾値の最小値(=0)は、サイズが最小の
3×3スポット領域に割り当てられている。一方、閾値
の最大値(=99)は、サイズが最大の4×4スポット
領域に割り当てられている。中間的なサイズの4×3ス
ポット領域には、中間的な閾値が割り当てられている。
従って、図4(B)に示すようにハイライト領域(低濃
度領域)では3×3スポットが黒化し、図4(C)に示
すように中間調領域では3×3スポットと4×3スポッ
トが黒化し、図4(D)に示すようにシャドー領域(高
濃度領域)では4×4スポットが白抜け部として残る。
【0029】仮に、閾値マトリクス内の100個のスポ
ットに互いに異なる閾値を割り当てた場合には、100
階調を滑らかに表現することができる。これに対して、
図5に示すように、10×10スポットの領域を9つの
矩形領域に分割し、各矩形領域に含まれる複数のスポッ
トに対して互いに等しい閾値を割り当てるようにする
と、10階調を表現できるだけである。しかし、図5に
示す閾値マトリクスは、100個のスポットに異なる閾
値を割り当てた場合に比べて良好なドットゲイン特性が
得られるという利点がある。
【0030】なお、図5の閾値マトリクスのサイズを大
きくすれば、階調数を多くすることが可能である。ま
た、図5の例では、各矩形領域に0,13,23…等の
とびとびの閾値を割り当てていたが、0,1,2,3…
等の連続した閾値を割り当てるようにしてもよい。例え
ば、画像データが8ビットで表わされている場合には、
少なくとも255個の矩形領域を有する閾値マトリクス
を作成し、各矩形領域に0〜254までの連続した閾値
を割り当てるようにすれば、256階調を滑らかに表現
することができる。
【0031】図6は、第1の実施例の閾値マトリクスに
対するドットゲイン特性を示すグラフである。図4
(B)に示すように、ハイライト領域(低濃度領域)で
は最も小さな矩形領域である3×3スポット領域が黒化
するので、ハイライト領域における第1の実施例のドッ
トゲイン特性(一点鎖線)は1ドットのサイズが3×3
スポット一定の場合(破線)とほぼ同じである。一方、
図4(D)に示すように、シャドー領域(高濃度領域)
では最も大きな矩形領域である4×4スポット領域が白
抜け部として残るので、シャドー領域における第1の実
施例のドットゲイン特性(一点鎖線)は1ドットのサイ
ズが3×3スポット一定の場合(破線)と従来の網点
(実線)の中間的な特性を示している。
【0032】すなわち、図4および図5に示す閾値マト
リクスでは、複数の矩形領域のうちの最大の矩形領域に
閾値の最大値(=99)を割り当てているので、従来の
FMスクリーニングに比べてシャドー領域におけるドッ
トゲインが小さくなっている。従って、シャドー領域に
おいて白抜け部がつぶれて黒化することが少ないという
効果がある。
【0033】また、図4および図5に示す閾値マトリク
スでは、閾値の最小値(=0)を最小の矩形領域に割り
当てているので、ハイライト領域におけるドットのサイ
ズが比較的小さなままである。FMスクリーニングで得
られたハーフトーン画像では、ハイライト領域において
画像のザラツキ感が発生し易い傾向にあり、ドットのサ
イズが大きいほどザラツキ感が目につき易い。図4およ
び図5の閾値マトリクスでは、ハイライト領域における
ドットサイズを小さく抑えているので、画像のザラツキ
感を抑えることができるという効果もある。
【0034】図7は、第1の実施例における他の閾値マ
トリクスと、これによって生成されるドットの形状の変
化を示す説明図である。図7(A)に示すように、この
閾値マトリクスは図4(A)に示す閾値マトリクスの分
割の仕方を変えたものであり、個々の閾値が割り当てら
れている矩形領域のサイズは図4(A)と同じである。
従って、図7(A)に示す閾値マトリクスは、図4
(A)に示す閾値マトリクスと同じ特性を有している。
【0035】図8は、第1の実施例におけるさらに他の
閾値マトリクスと、これによって生成されるドットの形
状の変化を示す説明図である。図8(A)に示すよう
に、この閾値マトリクスは、20×20スポットの領域
を10×10スポットのサイズの4つの中間矩形領域M
R1〜MR4に区分し、さらに、各10×10スポット
領域を9つに区分したものである。また、各10×10
スポット領域内の区分の仕方もそれぞれ異なっている。
この結果、20×20の閾値マトリクスは、36個の矩
形領域に分割されている。
【0036】図8(A)に示す閾値マトリクスは400
個のスポットを有しているので、閾値の最大値は399
に設定されている。図8(A)における閾値を大きな順
に並べると、399,383,366,350…となる
が、最も大きな4つの閾値は各中間矩形領域MR1〜M
R4の4×4スポット領域に割り当てられている。これ
は、図8(D)に示すドット形状からも理解できる。従
って、図8(A)の閾値マトリクスは、シャドウ領域に
おいて図4(A)に示す閾値マトリクスとほぼ同じ特性
を有する。
【0037】また、図8(A)における閾値を小さな順
に並べると、0,9,18,28…となるが、最も小さ
な4つの閾値はいずれも3×3スポット領域に割り当て
られている。これは、図8(B)に示すドット形状から
も理解できる。従って、図8(A)の閾値マトリクス
は、ハイライト領域においても図4(A)に示す閾値マ
トリクスとほぼ同じ特性を有する。
【0038】なお、図8(A)に示すように、各10×
10スポット領域を異なる区分の仕方で分割するように
すれば、図8(B)および(C)からも解るように、ド
ットがランダムに出現するように見えるので、複数色の
ハーフトーン画像を重ね合わせることによってカラー画
像を再現した場合に、干渉によるモアレが発生しにくい
という利点がある。
【0039】なお、図8(A)のように比較的大きな閾
値マトリクスを区分する方法においては、一般に、互い
に等しいサイズのN個(Nは2以上の整数)の中間矩形
領域に区分し、N個の中間矩形領域を互いに異なる区分
でそれぞれM個(Mは2以上の整数)の矩形領域に分割
することができる。
【0040】C.閾値マトリクスの第2の実施例:図9
は、本発明の閾値マトリクスの第2の実施例と、これに
よって生成されるドットの形状の変化を示す説明図であ
る。この閾値マトリクスは、10×14スポットのサイ
ズを有しており、全部で9つの矩形領域に分割されてい
る。最も大きな5×4スポットの矩形領域は1つ有り、
他はすべて5×3スポットの矩形領域である。
【0041】閾値の最小値(=0)は5×3スポット領
域に割り当てられている。一方、閾値の最大値(=13
9)は、最大サイズの5×4スポット領域に割り当てら
れている。従って、図9(B),(C)に示すようにハ
イライト領域(低濃度領域)と中間調領域では5×3ス
ポットが黒化し、図9(D)に示すようにシャドー領域
(高濃度領域)では5×4スポットが白抜け部として残
る。
【0042】図10は、図9(A)に示す第2の実施例
の閾値マトリクスを用いた場合のドットゲイン特性を示
すグラフである。図9(A)に示す閾値マトリクスは、
閾値の最小値が最小サイズの矩形領域に割り当てられて
いる点で図4(A)に示す第1の実施例と同じである。
従って、ハイライト領域の特性は、図4(A)に示す閾
値マトリクスに関する特性に近い。また、閾値の最大値
が5×4スポット領域に割り当てられているので、シャ
ドー領域におけるドットゲインも比較的小さく、従って
白抜け部のつぶれを軽減することができる。
【0043】図11は、第2の実施例における他の閾値
マトリクスと、これによって生成されるドットの形状の
変化を示す説明図である。図11(A)に示すように、
この閾値マトリクスは図9(A)に示す閾値マトリクス
の分割の仕方を変えたものであり、個々の閾値が割り当
てられている矩形領域のサイズは図9(A)と同じであ
る。従って、図11(A)に示す閾値マトリクスは、図
9(A)に示す閾値マトリクスと同じ特性を有してい
る。
【0044】図12は、第2の実施例におけるさらに他
の閾値マトリクスと、これによって生成されるドットの
形状の変化を示す説明図である。図12(A)に示すよ
うに、この閾値マトリクスは、20×28スポットの領
域を10×14スポットのサイズの4つの中間矩形領域
に区分し、さらに、各10×14スポット領域内を9つ
に区分したものである。また、各10×14スポット領
域内の区分の仕方もそれぞれ異なっている。この結果、
20×28の閾値マトリクスは、36個の矩形領域に分
割されている。
【0045】図12(A)に示す閾値マトリクスは56
0個のスポットを有しているので、閾値の最大値は55
9に設定されている。図12(A)における閾値を大き
な順に並べると、559,538,518,497…と
なるが、最も大きな4つの閾値はいずれも最大の矩形領
域である5×4スポット領域に割り当てられている。こ
れは、図12(D)に示すドット形状からも理解でき
る。また、図12(A)における閾値を小さな順に並べ
ると、0,15,31,46…となるが、最も小さな4
つの閾値はいずれも最小の矩形領域である5×3スポッ
ト領域に割り当てられている。これは、図12(B)に
示すドット形状からも理解できる。従って、図12
(A)の閾値マトリクスは、図9(A)に示す閾値マト
リクスとほぼ同じ特性を有する。
【0046】なお、図12(A)に示すように、4つの
10×14スポット領域をそれぞれ異なる区分の仕方で
分割するようにすれば、カラー画像において、複数色の
ハーフトーン画像の干渉によるモアレが発生しにくいと
いう利点がある。
【0047】D.閾値マトリクスの第3の実施例:図1
3は、本発明の閾値マトリクスの第3の実施例と、これ
によって生成されるドットの形状の変化を示す説明図で
ある。この閾値マトリクスは、15×13スポットのサ
イズを有しており、全部で10個の矩形領域に分割され
ている。10個の矩形領域のうちの9個は5×4スポッ
ト領域であり、残りの1つは5×3スポット領域であ
る。閾値の最小値(=0)は最小の矩形領域である5×
3スポット領域に割り当てられており、他の閾値は5×
4スポット領域に割り当てられている。従って、図13
(B)に示すようにハイライト領域(低濃度領域)では
5×3スポットが黒化し、図13(C)に示すように中
間調領域では5×4スポットが黒化する。また、図13
(D)に示すようにシャドー領域(高濃度領域)では5
×4スポットが白抜け部として残る。
【0048】図14は、図13(A)に示す第3の実施
例の閾値マトリクスを用いた場合のドットゲイン特性を
示すグラフである。図13(A)に示す閾値マトリクス
は、閾値の最大値が最大サイズの矩形領域に割り当てら
れている点、および、閾値の最小値が最小サイズの矩形
領域に割り当てられている点で図4(A)に示す第1の
実施例や図9(A)に示す第2の実施例と同じである。
従って、ハイライト領域とシャドー領域のドットゲイン
特性は、それぞれ第1の実施例と第2の実施例に近い特
性を示す。従って、第1,第2の実施例と同様に、シャ
ドー領域における白抜け部のつぶれを軽減することがで
きる。また、中間調領域における黒化の単位が5×4ス
ポットと比較的大きいので、中間調領域におけるドット
ゲインが軽減されているという特徴がある。
【0049】図15は、第3の実施例における他の閾値
マトリクスと、これによって生成されるドットの形状の
変化を示す説明図である。図15(A)に示すように、
この閾値マトリクスは図13(A)に示す閾値マトリク
スの分割の仕方を変えたものであり、個々の閾値が割り
当てられている矩形領域のサイズは図13(A)と同じ
である。従って、図15(A)に示す閾値マトリクス
は、図13(A)に示す閾値マトリクスと同じ特性を有
している。
【0050】図16は、第3の実施例におけるさらに他
の閾値マトリクスを示す説明図であり、図17は、図1
6の閾値マトリクスによって生成されるドットの形状の
変化を示す説明図である。図16に示すように、この閾
値マトリクスは、30×26スポットの領域を15×1
3スポットのサイズの4つの中間矩形領域に区分し、さ
らに、各15×13スポット領域内を10個に区分した
ものである。また、各15×13スポット領域内の区分
の仕方もそれぞれ異なっている。この結果、30×26
の閾値マトリクスは、40個の矩形領域に分割されてい
る。
【0051】図16に示す閾値マトリクスは780個の
スポットを有しているので、閾値の最大値は779に設
定されている。図16における閾値を大きな順に並べる
と、779,759,738,718…となるが、最も
大きな4つの閾値はいずれも5×4スポット領域に割り
当てられている。これは、図17(C)に示すドット形
状からも理解できる。また、図16における閾値を小さ
な順に並べると、0,15,31,46…となるが、最
も小さな4つの閾値はいずれも5×3スポット領域に割
り当てられている。これは、図17(A)に示すドット
形状からも理解できる。従って、図16に示す閾値マト
リクスは、図13(A)に示す閾値マトリクスとほぼ同
等な特性を有している。
【0052】なお、図16に示すように、4つの15×
13スポット領域をそれぞれ異なる区分の仕方で分割す
るようにすれば、カラー画像において、複数色のハーフ
トーン画像の干渉によるモアレが発生しにくいという利
点がある。
【0053】E.閾値マトリクスの第4の実施例:図1
8は、本発明の閾値マトリクスの第4の実施例と、これ
によって生成されるドットの形状の変化を示す説明図で
ある。この閾値マトリクスは、10×10スポットのサ
イズを有しており、主走査方向Yに沿って4:3:3に
分割され、副走査方向Xに沿って3:4:3に分割され
ている。すなわち、10×10スポットの領域は全部で
9つの矩形領域に分割されている。最も大きな4×4ス
ポットの矩形領域は1つ有り、中間サイズの4×3スポ
ットの矩形領域は4つ有り、また、最も小さな3×3ス
ポットの矩形領域も4つ有る。
【0054】閾値の最小値(=0)は、最小サイズの3
×3スポット領域に割り当てられている。一方、閾値の
最大値(=99)は、中間サイズの4×3スポット領域
に割り当てられている。最大サイズの4×4スポット領
域には、中間的な閾値(44)が割り当てられている。
従って、図18(B)に示すようにハイライト領域(低
濃度領域)では3×3スポットが黒化し、図18(C)
に示すように中間調領域では4×4スポットと4×3ス
ポットが黒化し、図18(D)に示すようにシャドー領
域(高濃度領域)では4×3スポットが白抜け部として
残る。
【0055】図19は、図18(A)に示す第4の実施
例の閾値マトリクスを用いた場合のドットゲイン特性を
示すグラフである。図18(A)に示す閾値マトリクス
では、中間調領域において4×4スポットと4×3スポ
ットが黒化するので、中間調領域におけるドットゲイン
を小さくすることができるという利点がある。また、閾
値の最小値が最小サイズの矩形領域に割り当てられてい
るので、ハイライト領域における画像のザラツキ感を抑
えることができるという利点もある。
【0056】図20は、第4の実施例における他の閾値
マトリクスと、これによって生成されるドットの形状の
変化を示す説明図である。図20(A)に示すように、
この閾値マトリクスは図18(A)に示す閾値マトリク
スの分割の仕方を変えたものであり、個々の閾値が割り
当てられている矩形領域のサイズは図18(A)と同じ
である。従って、図20(A)に示す閾値マトリクス
は、図18(A)に示す閾値マトリクスと同じ特性を有
している。
【0057】図21は、第4の実施例におけるさらに他
の閾値マトリクスと、これによって生成されるドットの
形状の変化を示す説明図である。図21(A)に示すよ
うに、この閾値マトリクスは、20×20スポットの領
域を10×10スポットのサイズの4つの中間矩形領域
に区分し、さらに、各10×10スポット領域内を9個
に区分したものである。また、各10×10スポット領
域内の区分の仕方もそれぞれ異なっている。この結果、
20×20の閾値マトリクスは、36個の矩形領域に分
割されている。
【0058】図21(A)に示す閾値マトリクスは40
0個のスポットを有しているので、閾値の最大値は39
9に設定されている。図21(A)における閾値を大き
な順に並べると、399,387,375,362…と
なるが、最も大きな4つの閾値はいずれも4×3スポッ
ト領域に割り当てられている。これは、図21(D)に
示すドット形状からも理解できる。また、図21(A)
における閾値を小さな順に並べると、0,9,18,2
7…となるが、最も小さな4つの閾値はいずれも最小の
矩形領域である3×3スポット領域に割り当てられてい
る。これは、図21(B)に示すドット形状からも理解
できる。さらに、最大サイズの4×4スポット領域に
は、中間的な閾値(142,158,174,191)
が割り当てられている。従って、図21(A)に示す閾
値マトリクスは、図18(A)に示す閾値マトリクスと
ほぼ同等な特性を有している。
【0059】なお、図21(A)に示すように、4つの
10×10スポット領域をそれぞれ異なる区分の仕方で
分割するようにすれば、カラー画像において、複数色の
ハーフトーン画像の干渉によるモアレが発生しにくいと
いう利点がある。
【0060】F.閾値マトリクスの第5の実施例:図2
2は、本発明の閾値マトリクスの第5の実施例と、これ
によって生成されるドットの形状の変化を示す説明図で
ある。この閾値マトリクスは、10×10スポットのサ
イズを有しており、主走査方向Yに沿って3:4:3に
分割され、副走査方向Xに沿って4:3:3に分割され
ている。すなわち、10×10スポットの領域は全部で
9つの矩形領域に分割されている。最も大きな4×4ス
ポットの矩形領域は1つ有り、中間サイズの4×3スポ
ットの矩形領域は4つ有り、また、最も小さな3×3ス
ポットの矩形領域も4つ有る。
【0061】閾値の最小値(=0)は、中間サイズの4
×3スポット領域に割り当てられている。一方、閾値の
最大値(=99)は、最小サイズの3×3スポット領域
に割り当てられている。また、最大サイズの4×4スポ
ット領域には、中間的な閾値(42)が割り当てられて
いる。従って、図22(B)に示すようにハイライト領
域(低濃度領域)では4×3スポットが黒化し、図22
(C)に示すように中間調領域では4×4スポットと4
×3スポットが黒化し、図22(D)に示すようにシャ
ドー領域(高濃度領域)では3×3スポットが白抜け部
として残る。
【0062】図23は、図22(A)に示す第5の実施
例の閾値マトリクスを用いた場合のドットゲイン特性を
示すグラフである。図22に示す閾値マトリクスでは、
閾値の最小値が中間的なサイズの矩形領域に割り当てら
れているので、ハイライト領域におけるドットゲインを
大きくすることができ、ドットの細りを低減することが
できる。また、中間調領域において4×4スポットと4
×3スポットが黒化するので、中間調領域におけるドッ
トゲインを小さくすることができるという利点がある。
【0063】図24は、第5の実施例における他の閾値
マトリクスと、これによって生成されるドットの形状の
変化を示す説明図である。図24(A)に示すように、
この閾値マトリクスは図22(A)に示す閾値マトリク
スの分割の仕方を変えたものであり、個々の閾値が割り
当てられている矩形領域のサイズは図22(A)と同じ
である。従って、図24(A)に示す閾値マトリクス
は、図22(A)に示す閾値マトリクスと同じ特性を有
している。
【0064】図25は、第5の実施例におけるさらに他
の閾値マトリクスと、これによって生成されるドットの
形状の変化を示す説明図である。図25(A)に示すよ
うに、この閾値マトリクスは、20×20スポットの領
域を10×10スポットのサイズの4つの中間矩形領域
に区分し、さらに、各10×10スポット領域内を9個
に区分したものである。また、各10×10スポット領
域内の区分の仕方もそれぞれ異なっている。この結果、
20×20の閾値マトリクスは、36個の矩形領域に分
割されている。
【0065】図25(A)に示す閾値マトリクスは40
0個のスポットを有しているので、閾値の最大値は39
9に設定されている。図25(A)における閾値を大き
な順に並べると、399,390,380,371…と
なるが、最も大きな4つの閾値はいずれも3×3スポッ
ト領域に割り当てられている。これは、図25(D)に
示すドット形状からも理解できる。また、図25(A)
における閾値を小さな順に並べると、0,12,25,
37…となるが、最も小さな4つの閾値はいずれも4×
3スポット領域に割り当てられている。これは、図25
(B)に示すドット形状からも理解できる。さらに、最
大サイズの4×4スポット領域には、中間的な閾値(1
40,156,173,189)が割り当てられてい
る。従って、図25(A)に示す閾値マトリクスは、図
22(A)に示す閾値マトリクスとほぼ同等な特性を有
している。
【0066】なお、図25(A)に示すように、4つの
10×10スポット領域をそれぞれ異なる区分の仕方で
分割するようにすれば、カラー画像において、複数色の
ハーフトーン画像の干渉によるモアレが発生しにくいと
いう利点がある。
【0067】G.閾値マトリクスの第6の実施例:図2
6は、本発明の閾値マトリクスの第6の実施例と、これ
によって生成されるドットの形状の変化を示す説明図で
ある。この閾値マトリクスは、10×10スポットのサ
イズを有しており、主走査方向Yと副走査方向Xに沿っ
てそれぞれ4:3:3に分割されている。すなわち、1
0×10スポットの領域は全部で9つの矩形領域に分割
されている。最も大きな4×4スポットの矩形領域は1
つ有り、中間サイズの4×3スポットの矩形領域は4つ
有り、また、最も小さな3×3スポットの矩形領域も4
つ有る。
【0068】閾値の最小値(=0)は、最大サイズの4
×4スポット領域に割り当てられている。一方、閾値の
最大値(=99)は、最小サイズの3×3スポット領域
に割り当てられている。従って、図26(B)に示すよ
うにハイライト領域(低濃度領域)では4×4スポット
が黒化し、図26(C)に示すように中間調領域では4
×3スポットと3×3スポットが黒化し、図26(D)
に示すようにシャドー領域(高濃度領域)では3×3ス
ポットが白抜け部として残る。
【0069】図27は、図26(A)に示す第6の実施
例の閾値マトリクスを用いた場合のドットゲイン特性を
示すグラフである。図26(A)に示す閾値マトリクス
では、閾値の最小値が最大サイズの矩形領域に割り当て
られているので、ハイライト領域におけるドットゲイン
を大きくすることができ、ドットの細りを低減すること
ができる。但し、ハイライト領域におけるドットのサイ
ズが大きいので、画像のザラツキ感は他の実施例よりも
大きくなる。第6の実施例の閾値マトリクスは、いわゆ
る網ネガ画像(反転画像)を記録する際に使用するのが
好ましい。これに対して、前述した第1ないし第5の実
施例の閾値マトリクスは、網ポジ画像を記録する際に使
用するのが好ましい。すなわち、第6の実施例の閾値マ
トリクスは、網ネガ画像記録用に使用すれば、第1の実
施例の閾値マトリクスを網ポジ画像記録用に使用した場
合と同様の効果を得ることができる。
【0070】図28は、第6の実施例における他の閾値
マトリクスと、これによって生成されるドットの形状の
変化を示す説明図である。図28(A)に示すように、
この閾値マトリクスは図26(A)に示す閾値マトリク
スの分割の仕方を変えたものであり、個々の閾値が割り
当てられている矩形領域のサイズは図26(A)と同じ
である。従って、図28(A)に示す閾値マトリクス
は、図26(A)に示す閾値マトリクスと同じ特性を有
している。
【0071】図29は、第6の実施例におけるさらに他
の閾値マトリクスと、これによって生成されるドットの
形状の変化を示す説明図である。図29(A)に示すよ
うに、この閾値マトリクスは、20×20スポットの領
域を10×10スポットのサイズの4つの中間矩形領域
に区分し、さらに、各10×10スポット領域内を9個
に区分したものである。また、各10×10スポット領
域内の区分の仕方もそれぞれ異なっている。この結果、
20×20の閾値マトリクスは、36個の矩形領域に分
割されている。
【0072】図29(A)に示す閾値マトリクスは40
0個のスポットを有しているので、閾値の最大値は39
9に設定されている。図29(A)における閾値を大き
な順に並べると、399,389,380,370…と
なるが、最も大きな4つの閾値はいずれも3×3スポッ
ト領域に割り当てられている。これは、図29(D)に
示すドット形状からも理解できる。また、図29(A)
における閾値を小さな順に並べると、0,17,33,
50…となるが、最も小さな4つの閾値はいずれも4×
4スポット領域に割り当てられている。これは、図29
(B)に示すドット形状からも理解できる。従って、図
29(A)に示す閾値マトリクスは、図26(A)に示
す閾値マトリクスとほぼ同等な特性を有している。
【0073】なお、図29(A)に示すように、4つの
10×10スポット領域をそれぞれ異なる区分の仕方で
分割するようにすれば、カラー画像において、複数色の
ハーフトーン画像の干渉によるモアレが発生しにくいと
いう利点がある。
【0074】以上の各実施例では、比較的小さな閾値マ
トリクスの例を説明したが、例えば256階調を表現し
ようとすればより大きな閾値マトリクスを使用すればよ
い。実際には256×256スポット程度の大きな閾値
マトリクスなどが使用される。一般には、L1 ×L2
(L1 ,L2 は整数)スポットのサイズを有する閾値マ
トリクスが使用される。
【0075】H.装置の構成と動作:図30は、この発
明の実施例を適用する画像記録装置の構成を示すブロッ
ク図である。この画像記録装置は、多階調画像データI
Dを記憶する画像メモリ20と、画像平面の副走査アド
レス(Xアドレス)と主走査アドレス(Yアドレス)を
それぞれ発生するアドレス発生器24,26と、L1 ×
L2 閾値マトリクスを記憶する閾値マトリクスメモリ3
0と、L1 ×L2 閾値マトリクス内の副走査アドレス
(xアドレス)と主走査アドレス(yアドレス)をそれ
ぞれ発生するアドレス発生器32,34と、L1 ×L2
閾値マトリクスの副走査方向オフセット(Xオフセッ
ト)と主走査方向オフセット(Yオフセット)をそれぞ
れ発生するオフセット発生器36,38と、比較器(コ
ンパレータ)40と、出力装置50と、を備えている。
なお、画像メモリ20と、オフセット発生器36,38
には、複数の色成分のいずれか1つを示す色成分指定信
号Scが、図示しないコントローラ(例えばCPU)か
ら与えられている。
【0076】画像メモリ20からは、色成分指定信号S
cに応じた色成分の多階調画像データIDがXアドレス
とYアドレスに応じて読出される。また、オフセット発
生器36,38からは、色成分指定信号Scに応じた色
成分のオフセットが出力される。
【0077】図31は、各色成分に適用するL1 ×L2
閾値マトリクスのオフセットをそれぞれ異なる値に設定
する方法を示す説明図である。ここでは、カラー画像デ
ータが、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シア
ン),K(ブラック)の4つの色成分で構成されている
例において、画像平面の原点Oに対する各色成分のオフ
セットOY,OM,OC,OKを示している。「256
×256」と記載されているブロックが、1つのL1 ×
L2 閾値マトリクスに相当し、画像平面上にはこのL1
×L2 閾値マトリクスが繰り返し適用される。Y成分の
オフセットOY(XY ,YY )は(0,0)である。ま
た、M成分のオフセットOM(XM ,YM)、C成分の
オフセットOC(XC ,YC )、K成分のオフセットO
K(XK ,YK )は互いに異なる値に設定されている。
これらのオフセットは、任意の値に設定することが可能
である。
【0078】L1 ×L2 閾値マトリクス内の副走査座標
xは、Xアドレス発生器24から出力されるXアドレス
(すなわち画像平面の副走査座標)と、Xオフセット発
生器36から出力されるXオフセットとに応じてxアド
レス発生器32によって生成される。具体的には、Xア
ドレスからXオフセットを減算した値の有効ビットがx
アドレスとなる。ここで、有効ビットとは、L1 ×L2
閾値マトリクスのx方向のサイズを示すビット数であ
り、図31の場合のx方向の有効ビットは8ビットであ
る。L1 ×L2 閾値マトリクス内の主走査座標yも、同
様に、yアドレス発生器34によって生成される。図3
1の場合にはy方向の有効ビットも8ビットである。
【0079】閾値マトリクスメモリ30に記憶された閾
値TDは、アドレス発生器32,34から与えられるア
ドレスに応じて読出され、比較器40によって多階調画
像データIDと比較される。比較器40は、比較結果に
応じて各スポットのオン/オフを示す記録信号RSを生
成して出力装置50に供給する。出力装置50は例えば
製版用の記録スキャナであり、感光フィルムなどの記録
媒体上に各色成分のハーフトーン画像を記録する。この
ようにして作成された各色成分のハーフトーン画像には
それぞれ規則的なパターンが目立たず、かつ、これらの
ハーフトーン画像を刷り重ねて得られるカラー画像には
モアレやロゼットパターンなどの干渉模様も発生しない
という特徴がある。
【0080】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能である。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた発明によれば、複数の矩形領域にそれぞれ割り当て
る閾値を調整することによって、ドットゲイン特性や画
像のザラツキ感などの諸特性を改善することができる。
【0082】請求項2に記載された発明によれば、最小
の矩形領域に対して最小の閾値を設定するようにすれ
ば、最小の矩形領域が最も低濃度において記録されるの
で、ハイライト領域において画像のザラツキ感を抑制で
きる。
【0083】請求項3に記載された発明によれば、最大
の矩形領域が最も高濃度になるまで白抜け部として残る
ので、シャドー領域におけるドットゲインを低減でき
る。
【0084】請求項4に記載された発明によれば、ハイ
ライト領域においてドットがランダムに出現するように
見え、従って、複数色のハーフトーン画像を重ね合わせ
ることによってカラー画像を再現した場合に、干渉によ
るモアレが発生しにくいという効果がある。
【0085】請求項5に記載された発明によれば、画像
の黒化部面積率が100%近くになった場合に、白抜け
部がランダムな位置に残るように見え、従って、複数色
のハーフトーン画像を重ね合わせることによってカラー
画像を再現した場合に、干渉によるモアレが発生しにく
いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の網点(スクエアドット)のドット形状の
変化を示す説明図。
【図2】FMスクリーニングのドット形状の変化を示す
説明図。
【図3】網点とFMスクリーニングのドットゲイン特性
を示すグラフ。
【図4】本発明の閾値マトリクスの第1の実施例と、こ
れによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図5】図4(A)に示す閾値マトリクスの詳細を示す
説明図。
【図6】第1の実施例の閾値マトリクスに対するドット
ゲイン特性を示すグラフ。
【図7】第1の実施例における他の閾値マトリクスと、
これによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図8】第1の実施例におけるさらに他の閾値マトリク
スと、これによって生成されるドットの形状の変化を示
す説明図。
【図9】本発明の閾値マトリクスの第2の実施例と、こ
れによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図10】図9に示す第2の実施例の閾値マトリクスを
用いた場合のドットゲイン特性を示すグラフ。
【図11】第2の実施例における他の閾値マトリクス
と、これによって生成されるドットの形状の変化を示す
説明図。
【図12】第2の実施例におけるさらに他の閾値マトリ
クスと、これによって生成されるドットの形状の変化を
示す説明図。
【図13】本発明の閾値マトリクスの第3の実施例と、
これによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図14】図13に示す第の実施例の閾値マトリクスを
用いた場合のドットゲイン特性を示すグラフ。
【図15】第3の実施例における他の閾値マトリクス
と、これによって生成されるドットの形状の変化を示す
説明図。
【図16】第3の実施例におけるさらに他の閾値マトリ
クスを示す説明図。
【図17】図16に示す閾値マトリクスによって生成さ
れるドットの形状の変化を示す説明図。
【図18】本発明の閾値マトリクスの第4の実施例と、
これによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図19】図18に示す第4の実施例の閾値マトリクス
を用いた場合のドットゲイン特性を示すグラフ。
【図20】第4の実施例における他の閾値マトリクス
と、これによって生成されるドットの形状の変化を示す
説明図。
【図21】第4の実施例におけるさらに他の閾値マトリ
クスと、これによって生成されるドットの形状の変化を
示す説明図。
【図22】本発明の閾値マトリクスの第5の実施例と、
これによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図23】図22に示す第の実施例の閾値マトリクスを
用いた場合のドットゲイン特性を示すグラフ。
【図24】第5の実施例における他の閾値マトリクス
と、これによって生成されるドットの形状の変化を示す
説明図。
【図25】第5の実施例におけるさらに他の閾値マトリ
クスと、これによって生成されるドットの形状の変化を
示す説明図。
【図26】本発明の閾値マトリクスの第6の実施例と、
これによって生成されるドットの形状の変化を示す説明
図。
【図27】図26に示す第の実施例の閾値マトリクスを
用いた場合のドットゲイン特性を示すグラフ。
【図28】第6の実施例における他の閾値マトリクス
と、これによって生成されるドットの形状の変化を示す
説明図。
【図29】第6の実施例におけるさらに他の閾値マトリ
クスと、これによって生成されるドットの形状の変化を
示す説明図。
【図30】この発明の実施例を適用する画像記録装置の
構成を示すブロック図。
【図31】各色成分に適用するL1 ×L2 閾値マトリク
スのオフセットをそれぞれ異なる値に設定する方法を示
す説明図。
【符号の説明】
20…画像メモリ 24,26…アドレス発生器 30…閾値マトリクスメモリ 32,34…アドレス発生器 36,38…オフセット発生器 40…比較器 50…出力装置 ID…多階調画像データ RS…記録信号 Sc…色成分指定信号 TD…閾値

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階調画像データをハーフトーン化する
    方法であって、(a)閾値マトリクスを、それぞれ複数
    のスポットを有する複数の矩形領域に区分するととも
    に、前記複数の矩形領域の少なくとも1つは他の矩形領
    域と異なるサイズを有するように前記閾値マトリクスを
    区分する工程と、(b)各矩形領域に含まれる複数のス
    ポットに対して互いに等しい閾値を割り当てるととも
    に、前記複数の矩形領域のそれぞれに対しては互いに異
    なる閾値を割り当てることによって、前記閾値マトリク
    ス内の閾値配列を決定する工程と、(c)前記閾値マト
    リクスから前記閾値を読み出して多階調画像データと比
    較することによって前記多階調画像データをハーフトー
    ン化する工程と、を備えることを特徴とする画像のハー
    フトーン化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像のハーフトーン化方
    法であって、 工程(b)は、 複数の矩形領域のうちで最小の矩形領域に対して最小の
    閾値を設定する工程、を備える画像のハーフトーン化方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の画像のハーフト
    ーン化方法であって、 工程(b)は、 複数の矩形領域のうちで最大の矩形領域に対して最大の
    閾値を設定する工程、を備える画像のハーフトーン化方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像のハーフトーン化方
    法であって、 工程(a)は、 閾値マトリクスを、互いに等しいサイズのN個(Nは2
    以上の整数)の中間矩形領域に区分する工程と、 前記複数の中間矩形領域を互いに異なる区分でそれぞれ
    M個(Mは2以上の整数)の矩形領域に分割し、これに
    よって、前記閾値マトリクス内にN×M個の矩形領域を
    形成する工程と、を含み、 工程(b)は、 各中間矩形領域内の最小の矩形領域に対して、最も小さ
    いN個の閾値を順次設定する工程を含む、画像のハーフ
    トーン化方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の画像のハーフトーン化方
    法であって、 工程(b)は、 各中間矩形領域内の最大の矩形領域に対して、最も大き
    いN個の閾値を順次設定する工程を含む、画像のハーフ
    トーン化方法。
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