JP2002367554A - 適正輝度調整機能を備えた走査型顕微鏡 - Google Patents
適正輝度調整機能を備えた走査型顕微鏡Info
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Abstract
イメージの輝度に影響されず観察領域が適正輝度となる
ようにして、着目パターンの輪郭抽出を確実に行えるよ
うにする。また、定型の形状測定を実行する場合に一連
の作業を支援する。 【解決手段】走査型顕微鏡における輝度調整は、顕微鏡
像の所望領域を指定する手段と、指定領域内の画像の平
均輝度を指定する手段と、指定された輝度調整量に基い
て顕微鏡像全体を輝度調整する手段を備えることによ
り、視野内周辺画像に影響されず指定領域内の画像を適
正輝度で表示できるようにした。また、断面部加工から
試料ステージのチルトと断面部Vの顕微鏡像の取得まで
の一連の断面加工・着目パターンアクセスプログラムを
実行する手段と、着目パターンPの形状測定をプログラ
ムに従って実行する手段とを備えることにより、試料の
断面部に形成されたパターンの形状を自動的に測定でき
る。
Description
形状測定を自動的に実行する機能を備えた走査型顕微鏡
における輝度調整技術に関し、特に断面加工して断面に
形成されたパターンの形状測定を自動的に実行する機能
を備えた集束イオンビーム装置に適した輝度調整技術に
関する。
構造を観察する際に図4に示すような集束イオンビーム
装置を用い、断面加工を行って断面を露出させて後、該
断面を走査顕微鏡画像として観察することが行われてい
る。すなわち、集束イオンビーム装置は素材の加工と顕
微鏡観察ができることから、近年これを用いた試料断面
加工・観察が頻繁に行われるようになっている。断面サ
イズは大体数μm〜数十μm程度である。イオン源1か
らのイオンはイオン光学系3によってビーム状に絞ら
れ、該イオンビーム2はデフレクタ4の作用を受けて試
料9の面上所定箇所に照射される。この集束イオンビー
ム装置は走査イオン顕微鏡機能と、スパッターエッチン
グ機能と、マスクレスデポジション機能とを備えてい
る。デフレクタ4により走査されたイオンビームの照射
により試料から弾き出された二次イオンまたは二次電子
といった荷電粒子を二次荷電粒子検出器6によって検出
し、その検出値を照射位置と対応させて画像化すること
で走査イオン顕微鏡として機能し、デフレクタ4により
位置決めされたイオンビームの照射によりその部分の試
料素材をスパッタリングして飛散させることによってス
パッターエッチング機能をなし、ガス銃5から原料ガス
を噴射させながら集束イオンビーム2を照射して該照射
位置に該材料の層を形成させるデポジション機能を果た
すものである。このような集束イオンビーム装置を用い
た断面加工の基本形な手順としては図3Aに示すように
まず試料中の断面観察を実行したい個所を特定すること
になるが、断面を観察するためには露出した断面部の前
方(破線で囲まれた部分)を広く空けておく必要があ
る。それは断面の顕微鏡像を得るには断面に対して深い
角度からのビーム走査が必要となるためである。加工領
域が特定されると図3のBに示すように試料面に対し垂
直方向からのイオンビームにより粗加工を施す。この加
工は観察断面Vを露出させるというよりは観察に必要な
穴あけ加工であるから、大電流ビームを用いた荒いスパ
ッタエッチングとなりBに図示されているように観察断
面Vはダメージを受けている。このスパッタエッチング
の作業はガス銃5からアシストガスを噴射させ、スパッ
タされた素材を該アシストガスの作用により揮発させる
ことでエッチング効率を高めることができる。穴あけ加
工が終了した段階でビーム電流を低く押さえたエッチン
グにより観察断面の研磨加工を実行し、図3のCに示す
ようなきれいな断面を露出させる。この前処理の後試料
台をチルトさせ、断面に対し深い角度からイオンビーム
が照射されるようにしてビーム走査を実行し、観察所望
断面の走査イオン顕微鏡像を得る。
には顕微鏡像を表示するディスプレイ11が組み込まれて
おり、該顕微鏡像を見易い表示形態にするため、観察視
野でイメージ全体の輝度情報が指定した平均輝度となる
ように自動調整する機能がコンピュータ10に備えられて
いる。この機能によって、ディスプレイ上のイメージ全
体としては見易い表示形態がとられるのであるが、この
断面観察が断面部分に形成されたパターンの形状把握と
評価であるような場合に、着目パターンの存在する断面
部分の輝度が暗かったり、明る過ぎたりして着目パター
ンの輪郭が観察出来ないということが起こる。この現象
は観察視野内において断面が占める割合が低い場合に顕
著となる。ところが、この断面観察の場合には前述した
ように、まず試料面上方からイオンビーム2を照射して
断面前方部分の穴空けを行う前処理作業が必要であり、
該断面加工が終了したところで試料ステージ7をチルト
(傾斜)させて断面に深い角度からイオンビーム2を走
査させ断面画像を得ることになる。この試料ステージ7
の移動は顕微鏡を高倍率の状態にしたときには視野逃げ
を起こす原因となる。そこで、チルト駆動時の顕微鏡像
は比較的低倍率で取得することになるが、その場合観察
対象となる断面部の観察視野内において占める割合が低
くなり、輝度調整が観察対象に適してなされず着目パタ
ーンが観察出来ないという現象が起こるのである。パタ
ーンが観察できないと位置確認をしながら着目パターン
を顕微鏡画像の中心に捉えて高倍率での形状測定を実行
することができない。また、従来装置を用いた試料の断
面加工と該断面部パターンの形状測定においては、定型
の作業であっても観察前の断面加工から着目パターンの
確認と位置調整そして着目パターンの形状測定までの一
連の作業一つ一つをオペレーターが集束イオンビーム装
置に張りついてその都度同様の操作を実行しなければな
らないという作業効率上の問題があった。とくに繰返し
パターン構造の試料における作業では全く同様の作業を
繰返すことが多く、オペレータのストレスにもなってい
た。
スプレイ上での顕微鏡画像の輝度調整が視野内の周辺イ
メージの輝度に影響されず観察領域が適正輝度となるよ
うに調整して、着目パターンの輪郭抽出を確実に行える
ようにすることより、パターンマッチングやその形状測
定を自動で行うことができる集束イオンビーム装置を提
供することにある。また、定型の形状測定を実行する場
合に一連の作業をオペレーターがシステムに張りついて
操作をその都度繰返す必要のない、該作業を支援するシ
ステムを構築することにある。
おける輝度調整は、顕微鏡像の所望領域を指定する手段
と、該指定領域内の画像の平均輝度を指定する手段と、
該指定された輝度調整量に基いて顕微鏡像全体を輝度調
整する手段を備えることにより、視野内周辺画像に影響
されず指定領域内の画像を適正輝度で表示できるように
した。また、少なくとも二次元移動と傾斜変更を可能と
する試料ステージ駆動機構と、断面部加工から試料ステ
ージのチルトと断面部の顕微鏡像の取得までの一連の断
面加工・着目パターンアクセスプログラムを実行する手
段と、着目パターンの形状測定をプログラムに従って実
行する手段とを備えることにより、試料の断面部に形成
されたパターンの形状を自動的に測定できるようにし
た。
鏡像で確認ができる集束イオンビーム装置を用いて、試
料内部の構造を観察したいという場合、まず、試料の断
面を露出させる加工が実行される。図3のCに示したよ
うに観察断面部Vの前方に穴Hが穿設され、観察断面部
Vはきれいに仕上げ加工された状態となる。このときの
試料を上方からの走査顕微鏡画像は図1のAに示したよ
うになる。集束イオンビーム装置には自動輝度調整機能
が働き観察視野内の試料の形態が全体として見易い状態
に調整される。ところがこの図で示されるようにこの場
合の観察対象である断面部Vの表示画像は暗く着目パタ
ーンPの存在を観察することが出来ない。この穴空け加
工された断面部の顕微鏡像を得るためには深い角度から
イオンビームの走査を実行する必要があり、試料ステー
ジを駆動して試料面をチルトしなければならない。その
チルトさせた状態で得た顕微鏡像を図1のBに示してい
る。試料の移動は必然的に顕微鏡視野内の移動を伴うこ
とになり、その際の視野逃げを避けるため顕微鏡倍率は
この時低く設定されている。ということは観察の対象と
なる領域が顕微鏡視野内で占める割合は低いということ
であり、自動輝度調整機能はこの観察対象に対応したも
のとして機能してない。例えばBに示すように断面部の
表示画像は暗く着目パターンの存在を観察することが出
来ないことになる。そこで本発明ではこの状態で自動輝
度調整機能を停止させ、観察対象である断面部Vが観察
できるように輝度の調整を実行する。輝度調整をし直し
た表示画像が図1のCに示したものであり、これにより
断面部Vの観察が可能な状態となる。反面、観察視野の
大部分を占めている周辺の試料表面のイメージは不鮮明
となる。場合によってはハレーション状態となってしま
うこともある。しかし、観察対象が鮮明となるので周辺
の画像の不鮮明化は不都合な問題とはならない。図1の
Dに示すように試料ステージを二次元駆動し観察領域で
ある断面部を観察視野の中央に位置調整し、図1のEに
示すように顕微鏡像の倍率を上げる。断面部内のパター
ンが観察できる状態となったところで標準パターンであ
るテンプレートイメージとの対比作業が可能となり、テ
ンプレートイメージとのマッチングをしたりして、位置
調整をして形成された着目パターンPへのアクセスとそ
の高倍率の画像を得ることができる。該高倍率の画像に
よって着目パターンPの形状測定・評価等がなされるこ
の際の微小位置調整が試料ステージの駆動機構7で対応
出来ないときは顕微鏡のデフレクタ4の偏向バイアス機
能で対応する。パターンの形状測定はこの高倍率画像で
実行するものであり、この状態での顕微鏡画像の輝度調
整が適正で鮮明画像となっていることが重要である。も
し、Cに示した段階で行った輝度調整がFの段階での最
適輝度調整ではなかったときは最終的にここで調整をし
直し、その輝度調整量をこの試料に対する形状測定にお
ける最適輝度調整量として記憶し、次回以降の測定に適
用する。
に繰返しパターンが形成されたものの断面加工と該断面
部パターンの形状測定において、観察前の断面加工から
着目パターンの確認と位置調整そして着目パターンの形
状測定までの一連の同種の作業一つ一つをオペレーター
が集束イオンビーム装置をその都度操作して実行しなけ
ればならない不便を改善することを目論むものでもあ
る。断面の自動加工については従来から断面部前方の穴
の長さと深さのデータをインプットしてやれば粗掘り加
工から断面部仕上げ加工までをオペレータの操作を必要
とせず実行できる機能を備えていたが、本発明では更に
複数の断面加工部の位置を指定してやれば繰返しパター
ンの断面部加工と形状測定をオペレーターが付きっきり
で操作することなく順次実行する機能を備えるようにし
た。
集束イオンビーム鏡筒から発生するイオンビーム2は試
料ステージ7に蔵置された試料9に照射される。この照
射により二次荷電粒子が発生し二次荷電粒子検出器5に
より捕捉されコンピュータ10にその強度が取り込まれ、
ディスプレイ11に装置情報とともに試料像が表示され
る。ガス銃6をコンピュータ10が制御して原料ガスを試
料に吹き付けた状態でイオンビーム2を照射することで
試料9の上にはイオンビームアシストによる保護膜を形
成することができる。コンピュータ10は以下の動作をプ
ログラムする機能とそのプログラムを実行する機能を有
する。 ステップ 試料の目的位置へ試料ステージ移動する。
このときは比較的低倍率の試料表面の顕微鏡像から観察
領域を特定するため、ディスプレイの輝度調整は通常の
自動輝度調整機能を有効にして行う。 ステップ 次にガス銃6を使ってデポジション原料ガ
スを吹き付けながら集束イオンビーム2を照射する事に
よって試料表面に保護膜を形成する。これは断面加工時
のイオンビームによって観察断面の表面部がエッチング
されてしまうのを防止するためである。なお、この際の
イオンビーム電流値が大きくなると保護膜が形成されな
いで試料がエッチングされてしまうようになるので、ビ
ーム電流値の設定は重要である。 ステップ 次にイオンビーム電流を大に切り替えて集
束イオンビームを部分照射することによって試料がエッ
チングされて試料表面と垂直方向に断面を形成する。こ
の粗掘り作業が終了したらビーム電流を低くしてダメー
ジを受けている断面部の仕上げ加工をする。 ステップ 次に形成された断面の観察を可能にするた
め試料ステージ7を傾斜させるとともに、イオンビーム
電流を切り替える手段を使ってイオンビーム電流値を絞
った状態にして顕微鏡像を取得する。 ステップ 最初の測定の場合(一般には事前のテスト
時)には装置の自動輝度調整機構が機能して図1のBに
示したように観察領域である断面部Vの画像は適正輝度
にはなっていないので、自動調整機能を解除してマニュ
アルで観察領域が適正輝度となるように調整し、図1の
Cのように断面部Vの画像が適正輝度となるようにす
る。2回目以降(一般には実際の試験時)の測定におい
てはこの段階で最初の測定時に設定した輝度調整量に変
更されるようにするのですぐにこの状態の顕微鏡像が得
られる。 ステップ 断面部のパターン画像とテンプレートイメ
ージとをパターンマッチングさせその位置情報に基き試
料の位置調整を行いつつ顕微鏡の倍率を上げ、着目パタ
ーンPが表示画面の中央に高倍率で表示されるようにす
る。 ステップ テンプレートイメージに基いて特定された
着目パターンPと形成されたパターンとのパターン対比
や画面から抽出したパターン輪郭情報に対する寸法測定
等断面部分に形成されたパターンの形状測定を実行す
る。 以上のようなステップを複数プログラムし記憶しておく
ことで、走査型イオン顕微鏡を操作する人は現在試料ス
テージに載置してある試料の処理目的にあわせて既に作
成されているプログラムの一つを実行することができ
る。一旦プログラムの実行が開始されると上記した例で
いえば人間の操作なしにステップからステップを実
行することができる。試料9が繰り返しパターンを有す
る試料の場合には複数箇所でステップからステップ
まで繰り返しプログラムを実行させる機能も持ち合わせ
ている。そのため人間が走査型イオン顕微鏡に張りつい
ていなくても試料の複数箇所の断面のパターン形状測定
を実行することができるようになる。以上、集束イオン
ビーム装置を前提とした本発明の説明を行ってきたが、
本発明の技術的思想はデポジションによる保護膜形成に
関する点を除き、走査型電子顕微鏡にもそもまま適用で
きるものである。
RAMを試料として断面部Vのパターン測定を実行する
例を示す。最初に今実行したい断面部Vの位置、その断
面部Vに対してはどんな形状測定をするのか、プログラ
ムの設定をする。本実施例のシステムには断面部Vのパ
ターン測定を実行する基本ソフトが備えられており、そ
のソフトに従って、パラメータや条件を設定することに
なる。最初に形状測定する画像を取得するために、断面
観察の場合には断面形成した後その断面部分を所望の観
察倍率で顕微鏡像として表示する。表示された画像から
断面観察したい箇所を特定し、その位置情報をコンピュ
ータにインプットするのであるが、これはマウス等画面
上の位置特定手段を使用して始点・終点を特定し、断面
部位置を指定する基準線を顕微鏡画面座標上で設定す
る。なお、形状測定が表面画像から特定できる試料であ
れば断面形成する必要はなく、表面画像から以降の作業
を実行するものであるが、ここでは断面形状測定に絞っ
て説明を行う。断面部位置情報が入力されたら作業内容
を設定する。この場合の基本プログラムは本発明のシス
テムに準備しておくようにし、個々の測定実行時には観
察対象となる試料に対応させてそのパラメータや具体的
データを設定する形態となっている。因みにこの例にお
ける断面加工については断面部前方の穴Hの寸法につい
て幅と深さをインプットするようになっているので、そ
の値を入力し設定する。引き続きその断面中の着目パタ
ーンPを特定し、該着目パターンPに対して実行する形
状測定の内容を設定する。着目パターンPの特定はテン
プレートイメージの部分領域を指定することによって行
い、形状測定の内容は着目パターンの輪郭抽出や特定し
た二点間距離、二点の中点位置、特定した二本の線間の
距離、二本の線のなす角度、二本の線の交点位置、ある
点からある線に下ろした垂線の長さなどである。これら
の測定項目の内必要なものを順次設定し登録する。以上
が事前のプログラム設定作業である。
ば、集束イオンビーム装置を稼動させ、断面加工と該断
面部の形状計測の作業に移る。まずステップで、先に
設定された形状測定部と同じ構造を有する箇所にイオン
ビームが照射できるように顕微鏡に対する試料の位置が
調整される。次にステップで、断面部の表面がスパッ
タエッチングによるダメージを受けないように、ガス銃
6を使ってデポジション原料ガスであるフェナントレン
を吹き付けながら集束イオンビーム2を照射して試料表
面にカーボン保護膜を形成する。ステップでは、イオ
ンビーム電流を大に切り替えて集束イオンビームを部分
照射することによって試料がエッチングされて試料表面
に対し垂直方向に断面を形成するが、このときの穴の寸
法は先に設定した値に基く。この粗掘り作業が終了した
らビーム電流を低くしてダメージを受けている断面部の
仕上げ加工を実行する。この際のそれぞれのビーム電流
値は予め基本プログラムで設定されているが、必要に応
じてこの値も変更設定可能である。断面加工が終了した
らステップで、形成された断面の観察を可能にするた
め試料ステージ7を傾斜させるとともに、イオンビーム
電流を切り替える手段を使ってイオンビーム電流値を絞
った状態にして顕微鏡像を取得する。ステップで、デ
ィスプレイの輝度調整機能を切替える。すなわち、観察
対象が試料表面から断面部に移行するこの段階で自動輝
度調整機能は停止させ、断面部画像について適正輝度と
なる固定調整量に切替える。断面加工が終了し対象が断
面部に移るまでは顕微鏡像は低倍率で観察対象は試料の
比較的広い範囲の表面であるから、ディスプレイの輝度
調整は全画面の画像情報に基いた自動輝度調整機能が働
き、画面全体として適正に機能するが、断面部の画像に
ついては適正輝度とはならない。切替えられるこの固定
調整量は当該試料と同種のものについて事前に実施した
テストにおいて実験的に得た最適輝度調整量をプログラ
ム上で設定しておくものである。この輝度調整の切替え
が本発明の最大の特徴点であり、これにより次のステッ
プの作業がスムーズに実行できるのである。また、この
最適輝度調整量を相対的輝度変化量として学習させ自動
調整される機能として組み込むこともできる。ステップ
では、断面部のパターン画像とテンプレートイメージ
とをパターンマッチングさせその位置情報に基き試料の
位置調整を行いつつ顕微鏡の倍率を上げ、着目パターン
が表示画面の中央に高倍率で表示されるようにする。こ
のテンプレートイメージは先の事前プログラム設定作業
で取得した断面形状測定部の顕微鏡像である。着目パタ
ーンはこのテンプレートイメージの部分領域を指定する
ことで特定できる。ステップでは、特定された着目パ
ターンについてその輪郭を抽出したり、先に設定した形
状測定項目について順次測定を実行し、そのデータを記
憶部に蓄積する。形状測定の具体的手法については本発
明の要旨ではないので詳細説明は省略する。以上のステ
ップを踏んで1ヶ所の断面部の加工ならびに形状測定を
終了する。
顕微鏡像を示す。左側のA,Cは断面加工を終了した時
点の断面を左斜め上方から撮った顕微鏡像であり、右側
のB,Dは着目パターンを高倍率で正面斜め上方から撮
った高倍率顕微鏡像である。そして上段のA,Bは自動
輝度調整機能が働いている時の画像であって、下段C,
Dは断面部画像が適正輝度となる調整量で撮ったもので
ある。この比較画像から明らかなように上段の画像では
試料表面のイメージをよく観察できるが断面部のパター
ンを観察することができないが、下段の画像では試料表
面のイメージはよく観察できないが断面部のパターンを
鮮明に観察することができる。本実施例においては試料
が繰返しパターンからなるDRAMであり、各断面部の
形状測定も同様のものを実行するので、加工並びに形状
測定に使用されるプログラムは一つで足りる。先に設定
された基準線位置に対応し同様の作業が繰返し実行され
る。本実施例の場合には測定対象となる断面箇所を最初
に基準線位置として登録しておけば、各断面における形
状測定内容も同一であるから、必要に応じて途中の顕微
鏡像を取る場合の中断がありうるが、ほとんど全自動的
に一連の作業が実行できる。なお、一つに試料において
複数の断面観察がなされるものであっても、各断面が異
なるパターンである場合には、異なるパターン毎に設定
された異なるプログラムに従って、各断面の作業が順次
進められることになり、オペレータが常時張りついて操
作をする必要はない。本発明のシステムでは設定された
プログラムは記憶媒体に記憶しておくことができ、その
後実行される同種の測定にそのまま使用することもでき
るし、部分的に設定を変更できる編集機能も備えてい
る。また、上記の実施例では輝度調整機能切替え後の固
定の輝度調整量は事前のテストで得た実験値を使うよう
にしたが、自動調整機能を持続したまま検出画像情報を
画面全体では無く断面部エリアの画像情報を基に行うよ
うに切替えることで断面部画像を適正輝度に調整するよ
うに構成することもできる。
方法は、低倍率の画像上で特定した試料の観察領域を高
倍率で表示させる際に、ディスプレイに表示される顕微
鏡像の輝度調整を該観察領域の画像情報に基いて行うこ
とを特徴とするものであり、それをシステムに組み込ん
だ本発明の走査型顕微鏡は、ディスプレイ上に表示する
顕微鏡像の輝度を画像情報全体から自動調整する手段
と、特定領域の平均輝度を指定する輝度調整手段と、前
記自動輝度調整手段の機能を停止させて該指定された輝
度調整量に基いて顕微鏡像全体を輝度調整する手段を備
えることにより、低倍率の画像上で特定した試料の観察
領域を高倍率で表示させる際に視野内周辺画像に影響さ
れず該観察領域内の画像を適正輝度で表示できるように
したものであるから、観察領域が断面部領域に移行する
際に断面部画像が適正輝度で得られているのでテンプレ
ートイメージとの対応ができ、パターンマッチングが可
能となる。また、本発明の走査型顕微鏡は、少なくとも
二次元移動を可能とする試料ステージ駆動機構と、取得
した顕微鏡像と登録されたテンプレートイメージとのパ
ターンマッチング機構を備えることにより、オペレータ
の操作を必要とせずパターンマッチングによる着目パタ
ーンの自動アクセス機能が備えられる。本発明の集束イ
オンビーム装置は、請求項3に記載の走査型顕微鏡であ
って、少なくとも二次元移動と傾斜変更を可能とする試
料ステージ駆動機構と、断面部加工から試料ステージの
チルトと断面部の着目パターンへのアクセスと着目パタ
ーンの形状測定までの一連の作業プログラムを記憶する
手段とを備えていることにより、試料の断面部の加工か
ら該断面部に形成されたパターンの形状をオペレータが
付きっきりで操作する必要なしに自動的に測定できる。
しかも、そのプログラムは基本ソフトにパラメータやデ
ータをインプットするだけで準備できるので、異なる作
業であってもそれぞれのプログラムに従って実行でき
る。
ン形状測定に本発明を適用したときの顕微鏡画像を時系
列的に示した図である。
像の差をDRAMを試料として示した比較画像である。
する図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 低倍率の画像上で特定した試料の観察領
域を高倍率で表示させる際に、ディスプレイに表示され
る顕微鏡像の輝度調整は該観察領域の画像情報に基いて
行うことを特徴とする走査型顕微鏡における輝度調整方
法。 - 【請求項2】 ディスプレイ上に表示する顕微鏡像の輝
度を画像情報全体から自動調整する手段と、特定領域の
平均輝度を指定する輝度調整手段と、前記自動輝度調整
手段の機能を停止させて該指定された輝度調整量に基い
て顕微鏡像全体を輝度調整する手段を備えることによ
り、低倍率の画像上で特定した試料の観察領域を高倍率
で表示させる際に視野内周辺画像に影響されず該観察領
域内の画像を適正輝度で表示するようにしたことを特徴
とする走査型顕微鏡。 - 【請求項3】 少なくとも二次元移動を可能とする試料
ステージ駆動機構と、テンプレートイメージを記憶する
手段と、取得した顕微鏡像と登録されたテンプレートイ
メージとのパターンマッチング機構を備えることによ
り、着目パターンへの自動アクセスを可能にした請求項
2に記載の走査型顕微鏡。 - 【請求項4】 請求項3に記載の走査型顕微鏡であっ
て、少なくとも二次元移動と傾斜変更を可能とする試料
ステージ駆動機構と、断面部加工から試料ステージのチ
ルトと断面部の着目パターンへのアクセスと着目パター
ンの形状測定までの一連の作業プログラムを記憶する手
段とを備えることにより、試料の断面部に形成されたパ
ターンの形状を自動的に測定できるようにした集束イオ
ンビーム装置。 - 【請求項5】 断面部加工から試料ステージのチルトと
断面部の着目パターンへのアクセスと着目パターンの形
状測定までの一連の作業プログラムは、定型作業に対応
した基本ソフトにパラメータやデータをインプットする
ことで作成できる機能を備えたものである請求項4に記
載の集束イオンビーム装置。
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