JP2002362831A - トラバース装置 - Google Patents

トラバース装置

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JP2002362831A
JP2002362831A JP2001175620A JP2001175620A JP2002362831A JP 2002362831 A JP2002362831 A JP 2002362831A JP 2001175620 A JP2001175620 A JP 2001175620A JP 2001175620 A JP2001175620 A JP 2001175620A JP 2002362831 A JP2002362831 A JP 2002362831A
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traverse
elastic body
guide
reciprocating
yarn
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JP2001175620A
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English (en)
Inventor
Koichiro Oshiumi
幸一郎 鴛海
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラバースガイドの位置や速度を正確に検
出しながらトラバースガイドを高速に移動させる。 【解決手段】 トラバース方向Hに複数の圧電セラミッ
クス2を並設し、その上に弾性体3を配置する。弾性体
3にはトラバース方向Hに延びた移動体ガイド溝31が
設けられている。移動体ガイド溝31に挿入される被ガ
イド凸部43を備えた移動体4は、往復動体部41とト
ラバースガイドとしての糸ガイド部42との機能を併せ
持ち、セラミックスにより一体に造られている。この構
成において、圧電セラミックス2に電圧を印加して圧電
セラミックス2を歪ませ、この歪みにより弾性体3を歪
ませて弾性体3の表面に進行波を発生させる。そして、
この進行波により移動体4をトラバース方向Hに移動さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラバースガイド
の往復移動により糸をトラバースさせるトラバース装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】トラバース装置として、トラバースガイ
ドを往復移動させ、その往復移動に伴って糸をトラバー
ス(綾振り)させるものが知られており、例えば電磁モ
ータや超音波モータなどのリニアモータを利用したトラ
バース装置が提案されている。
【0003】超音波モータを利用したトラバース装置と
して、例えば特開平7−165368号公報に開示され
たものがある。係るトラバース装置は、トラバースガイ
ドと、トラバースガイドが固設されたトラバースバー
と、トラバースバーの両端を支持する2つの超音波モー
タとを備え、超音波モータがトラバースバーをその軸方
向に往復移動させてトラバースガイドを往復移動させ、
糸条を綾振りするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
7−165368号公報に開示されたトラバース装置に
おいては、往復移動させる対象のトラバースバーが超音
波モータ外にも延在しているため、往復移動させる対象
物(トラバースバーとトラバースガイドとの双方を含
む)の重量が大きくなり、高速に糸をトラバースさせる
のに適した構成であるとは言い難い。
【0005】本発明は、トラバースガイドの位置や速度
を正確に検出しながらトラバースガイドを高速に移動さ
せることが可能なトラバース装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のトラバー
ス装置は、糸をトラバースガイドにより案内してトラバ
ースさせるトラバース装置において、前記糸がトラバー
スする全トラバース領域にわたってトラバース方向に並
設された複数の圧電素子と、前記圧電素子の歪みにより
変形する弾性体と、トラバース方向に移動可能にかつ前
記弾性体から実質的にはみ出すことなく前記弾性体に配
置され前記弾性体の変形によりトラバース方向に移動す
る往復動体とを備え、前記往復動体の移動に伴い前記ト
ラバースガイドがトラバース方向に移動することを特徴
とするものである。
【0007】請求項2記載のトラバース装置は、糸をト
ラバースガイドにより案内してトラバースさせるトラバ
ース装置において、前記糸がトラバースする全トラバー
ス領域にわたってトラバース方向に並設された複数の圧
電素子と、前記圧電素子の歪みにより変形する弾性体
と、トラバース方向に移動可能に前記弾性体に配置され
前記弾性体の変形によりトラバース方向に移動する往復
動体とを備え、前記往復動体の移動に伴い前記トラバー
スガイドが前記弾性体のトラバース方向の幅内でトラバ
ース方向に移動することを特徴とする。
【0008】請求項1によれば、往復動体が実質的に弾
性体からはみ出していないため、また、請求項2によれ
ば、トラバースガイドを含む往復動体が弾性体のトラバ
ース方向の幅内で往復移動しているため、圧電素子(弾
性体)の歪みにより往復移動させる対象物(往復動体と
トラバースガイドとの双方を含む)の重量を上記特開平
7−165368号公報に開示されたものに比べ小さく
することができ、トラバースガイドを高速で往復移動さ
せることが可能になる。この結果、パッケージへの糸の
巻き取り速度の向上が図られる。
【0009】また、電磁モータを利用したトラバース装
置では、往復移動させる対象物の材料として磁性体が利
用されるのに対して、本発明のトラバース装置では、ト
ラバースガイド及び往復動体の材料としてセラミックス
や樹脂を利用することができるため、往復移動させる対
象物の軽量化を図ることができ、電磁モータを利用した
トラバース装置に比べ、パッケージへの糸の巻き取り速
度の向上が図られる。さらに、本発明のトラバース装置
では、巻き線と磁石とを利用していないため、トラバー
スガイドの位置の検出に利用する磁気式の位置検出器が
磁界の影響をほとんど受けることがなく、トラバースガ
イドの位置や速度を正確に検出することが可能になる。
そして、トラバースガイドの位置や速度を正確に検出す
ることができる結果、テーパエンドパッケージなど任意
の形状のパッケージの形成が容易になる。
【0010】尚、位置検出器としては磁力の影響を受け
ない光学式のものもあるが、糸屑や油剤などが飛散する
繊維機械工場内で使用されるトラバース装置に対しては
光学式の位置検出器は適したものとは言い難く、磁気式
の位置検出器が利用される。
【0011】請求項3記載のトラバース装置は、前記往
復動体と前記トラバースガイドとを同一部材で一体に製
造していることを特徴とする。請求項3によれば、トラ
バースガイドと往復動体とを別個に製造した後にトラバ
ースガイドを往復動体に固着する必要がないため、製造
過程が容易であるとともに製造コストを低く抑えること
が可能になる。
【0012】請求項4記載のトラバース装置は、前記弾
性体には、前記トラバース領域の全領域においてトラバ
ース方向に延びる溝が形成されていることを特徴とす
る。請求項4によれば、弾性体に形成されている溝が往
復動体をトラバース方向へ移動させる案内ガイドとして
の役割を果たすため、往復動体をトラバース方向へ案内
する部材を別途設ける必要がなく、トラバース装置の構
成が簡単になるとともに、トラバース装置の単価を低く
抑えることができる。往復動体を移動させる弾性体自身
が往復動体をトラバース方向に案内しているため、往復
動体をトラバース方向へ円滑に移動させることができ
る。
【0013】請求項5記載のトラバース装置は、前記往
復動体の前記弾性体に接触する接触部分のトラバース方
向の長さが少なくとも弾性体の変形により生じる進行波
の2周期分に相当することを特徴とする。請求項5によ
れば、弾性体の変形により生じる進行波の谷に往復動体
が落ちることを防止することができ、往復動体の往復移
動を円滑に行うことが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態におけるトラ
バース装置についてについて図1〜図5を参照して説明
する。図1はトラバース装置の本発明に関連する主要部
を示す斜視図であり、図2は図1に示したトラバース装
置の側面図である。図3は図1に示したトラバース装置
の制御ブロックを示すブロック図である。図4はトラバ
ース装置の本発明に関連する主要部と、フリクションド
ラム及びパッケージとの関係を示す模式図である。図5
はトラバース装置の主要部を構成する移動体の寸法を説
明するための説明図である。
【0015】トラバース装置1は、糸Yの走行中に設け
られ、糸Yをトラバース(綾振り)させるものである。
トラバースされる糸Yは、回転駆動されるフリクション
ドラムDに転接する巻取パッケージPに巻き取られる
(図4参照)。尚、トラバース装置1は、例えば、仮撚
加工機、自動ワインダ、紡績機、紡糸巻取機などの糸条
巻取機に使用することができる。糸条巻取機は複数の巻
取錐を並設して構成され、各巻取錐毎にそれぞれ以下に
説明するようなトラバース装置1が設けられている。
【0016】トラバース装置1の主要部は、圧電セラミ
ックス2、弾性体3、移動体4、及び制御部5(図3参
照)からなり、これらは糸条装置などにトラバース装置
1を取り付ける不図示のベース基材に保持されている。
このトラバース装置1は、巻取パッケージP及びフリク
ションドラムDの近傍に配置されている。
【0017】圧電セラミックス2は、互いに同じ形状を
した複数の圧電セラミックス2a、2b、2cなどから
なり、複数の圧電セラミックス2a、2b、2cなどが
糸Yのトラバース方向H(パッケージPの軸心方向)に
並設されて圧電セラミックス群が構成されている。そし
て、圧電セラミックス2は少なくとも糸Yをトラバース
する必要があるトラバース方向Hの全トラバース領域R
にわたって配置されている(図4参照)。これによっ
て、糸Yをトラバースする必要があるトラバース方向H
の全トラバース領域Rにわたって移動体4を往復移動さ
せることを可能にしている。圧電セラミックス2a、2
b、2cなどは、後述するように、電圧が印加される
と、トラバース方向Hと直交する方向に歪むようになっ
ている。
【0018】尚、トラバース方向Hの幅が異なった数種
類の圧電セラミックスをトラバース方向Hに並設するよ
うにしてもよい。即ち、トラバース方向Hの位置に応じ
て圧電セラミックスの幅が異なるようにしてもよい。
【0019】弾性体3(弾性体群)は、圧電セラミック
ス2a、2b、2cなどに夫々対応する複数の弾性体3
a、3b、3cなどからなる。弾性体3は、圧電セラミ
ックス2の歪みに伴って歪み、その歪みにより生じる進
行波によって移動体4をトラバース方向Hに移動させる
役割を有するものであって、圧電セラミックス2の一の
面上に配置されている。そして、弾性体3には、糸Yの
トラバース方向Hに延びた移動体ガイド溝31が設けら
れており、この移動体ガイド溝31は、移動体4がトラ
バース方向Hへ移動するように案内するガイドとしての
役割を有するものである。このため、移動体ガイド溝3
1は少なくとも糸Yをトラバースする必要のあるトラバ
ース方向Hの全トラバース領域Rにわたって形成されて
いる。
【0020】ここで、弾性体3を圧電セラミックス2の
面上に配置する構成としているのは、圧電セラミックス
2に直接移動体4を接触させて圧電セラミックス2の歪
みにより移動体4を動かす構成にすると、圧電セラミッ
クス2と移動体4とが互いに擦れて破損する恐れがある
からである。従って、圧電セラミックス2の歪みにより
弾性体3を歪ませて、この弾性体3の歪みにより生じる
進行波で移動体4を往復移動させる本実施の形態の構成
は、移動体4の破損を防止することができるという利点
を有するものである。
【0021】尚、各圧電セラミックス2a、2b、2c
などの夫々に対応して弾性体3a、3b、3cを設ける
必要はなく、圧電セラミックス2の歪みに伴って弾性体
3の表面に生じる進行波によって移動体4をトラバース
方向Hに移動させることができれば、各圧電セラミック
ス2a、2b、2cなどの幅と各弾性体3a、3b、3
cなどとの幅との関係には特に制約はない。例えば、2
つの圧電セラミックスに対して圧電セラミックスの幅の
2倍の幅を有する弾性体を一つ設けるものであってもよ
く、また3つの圧電セラミックスに対して圧電セラミッ
クスの幅の1.5倍の幅を有する弾性体を2つ設けるも
のであってもよい。
【0022】移動体4は、糸Yを案内するトラバースガ
イドとしての役割と、弾性体3の歪みにより生じる進行
波によってトラバース方向Hに往復移動する往復動体と
しての役割とを兼ね備えたものであって、同一部材で一
体に形成されているものであり、その大きさは弾性体3
からはみださない寸法である。そして、移動体4の軽量
化のため、移動体4の材料として樹脂やセラミックスを
用いることが好ましい。
【0023】移動体4は、一の面が弾性体3に接触する
往復動体部41と、往復動体部41の一の面と反対側の
他の面に対して垂直方向に延在し、往復動体部41の他
の面から連続して設けられた糸ガイド部42と、往復動
体部41の弾性体3と接触する一の面に対して垂直方向
に突出し、往復動体部41の一の面から連続して設けら
れた直方体形状の被ガイド凸部43とから形成されてい
る。そして、糸ガイド部42の先端には、糸Yが係合す
る糸ガイド溝44が設けられている。
【0024】図5に示すように、往復動体部41と弾性
体3とが接触する往復動体41の接触部分のトラバース
方向Hの長さLが弾性体3の歪みにより生じる進行波の
2周期分に相当するトラバース方向の長さLTより若干
大きくなるように、移動体4が設計されている。これに
よって、移動体4の往復動体部41が弾性体3の歪みに
よって生じる進行波の谷32に落ちることを防止するこ
とができ、この結果、移動体4がトラバース方向Hへ円
滑に往復移動することが可能になる。
【0025】被ガイド凸部43は弾性体3に設けられた
移動体ガイド溝31に挿入され、これによって、移動体
4はトラバース方向Hに往復可能に弾性体3に支持され
る。そして、移動体4のトラバース方向Hへの往復移動
を安定させるために、被ガイド凸部43の幅W1は移動
体ガイド溝31の幅W2とほぼ等しくなるように、移動
体4は設計されている。また、往復動体部41を確実に
弾性体3に接触させるために被ガイド凸部43の突出高
さH1は移動体ガイド溝31の深さD1より大きくなら
ないように、移動体4が設計されている(図2参照)。
【0026】尚、糸張力(糸ガイド溝44に係合した糸
Yが移動体4を弾性体3に押圧する力)によって、移動
体4が弾性体3から外れるのを防止することができ、ま
た、移動体4の着脱が容易であるため移動体4の交換が
容易であるという利点を備えている。弾性体3に生じた
進行波により移動体4を移動させるためには、移動体4
が弾性体3から離れるのを阻止する部材が必要になる
が、本実施形態では、糸張力により移動体4が弾性体3
から離れるのを防止している。
【0027】制御部5は、各圧電セラミックス2a、2
b、2cなどに対応する複数の出力線を備え、各圧電セ
ラミックス2a、2b、2cなどに対する電圧の印加を
制御し、これによって移動体4の移動/停止、移動速度
及び移動方向などを制御するものである。尚、移動体4
の移動速度は、基本的に、各圧電セラミックス2a、2
b、2cなどへの電圧の印加のタイミングに依存し、各
圧電セラミックス2a、2b、2cなどの歪み量には依
存しない。
【0028】制御部5は、図3に示すように、メモリ5
1と、位置検出器としてのリニアエンコーダ52と、制
御処理部53と、駆動部54とを備えている。
【0029】メモリ51には、トラバース装置1が行う
各種処理に対応した制御プログラムなどが予め格納され
ている。制御プログラムとしては、周期的にトラバース
反転位置を内側に寄せる処理(クリーピング処理)を行
うプログラム、巻き太りに伴って移動体4の往復移動範
囲を次第に狭くする処理(テーパエンド巻取り処理)を
行うプログラムなどがある。但し、前者の制御プログラ
ムを利用すれば耳崩しを行うことができ、後者の制御プ
ログラムを利用すればテーパエンドパッケージを形成す
ることができる。
【0030】リニアエンコーダ52は、磁気式のエンコ
ーダであって、移動体4の現在位置を連続的に検出し、
検出結果を制御処理部53へ出力する。
【0031】制御処理部53は、メモリ51に格納され
ている制御プログラムの内容に従い、リニアエンコーダ
52による検出結果を基に各種処理を行う。この処理内
容としては、複数の圧電セラミックス2a、2b、2c
などの中から電圧を印加する1又は複数の圧電セラミッ
クスの決定、決定された圧電セラミックスに対して電圧
を印加するタイミング及び時間の決定、並びに各決定結
果に基づく駆動部54の制御などがある。
【0032】駆動部54は、制御処理部53に駆動を制
御されて、各圧電セラミックス2a、2b、2cなどに
対して電圧を印加する。但し、各圧電セラミックス2
a、2b、2cなどの歪みの大きさ(各弾性体3a、3
b、3cなどの歪みの大きさ)を互いに等しくして移動
体4の往復移動を円滑なものにするために、圧電セラミ
ックス2a、2b、2cなどに対して印加する電圧の大
きさが互いに等しくなるように、駆動部54を構成して
いる。
【0033】尚、各圧電セラミックス2a、2b、2c
などに対して印加する電圧の大きさが互いに等しくなる
ように駆動部54を構成しなければならないというもの
でもない。
【0034】以下、トラバース装置1の動作の概略につ
いて説明する。制御処理部53は、メモリ51に格納さ
れている各種制御プログラムの中からこれから行う作業
に対応した制御プログラムを読み出す。
【0035】そして、制御処理部53は、読み出した制
御プログラムの内容に従い、まず、リニアエンコーダ5
2に移動体4の糸ガイド部41の位置を検出させなが
ら、リニアエンコーダ52の検出結果を基に複数の圧電
セラミックス2a、2b、2cの中から電圧を印加する
1又は複数の圧電セラミックスを決定するとともに、決
定した圧電セラミックスに対して電圧を印加するタイミ
ング及び時間を決定する。そして、制御処理部53は、
上記決定結果を基に駆動部54の駆動を制御する。この
制御により、駆動部54によって上記決定されたタイミ
ングで上記決定された時間だけ上記決定された圧電セラ
ミックスに対して電圧が印加されることになる。そし
て、駆動部54によって電圧が印加された圧電セラミッ
クスに歪みが生じ、この歪みにより弾性体3にも歪みが
生じ、弾性体3の表面に進行波が発生する。弾性体3の
表面に生じた進行波によって、移動体4がトラバース方
向Hへ移動させられる。この一連の処理が繰り返し行わ
れることによって、移動体4はトラバース方向Hに往復
移動し、これに伴い糸Yもトラバース方向Hにトラバース
される。
【0036】上述した本発明の実施の形態に係るトラバ
ース装置によれば、移動体4が弾性体3からはみださな
い寸法で造られているため、圧電セラミックス2(弾性
体3)の歪みによって往復移動させる移動体4の重量
が、従来の超音波リニアモータを利用したトラバース装
置において往復移動させる対象物(トラバースバーとト
ラバースガイドとの双方を含む)の重量に比べ小さいた
め、移動体4を高速に移動させることができる。この結
果、パッケージPへの糸Yの巻き取り速度を向上させる
ことが可能になる。
【0037】また、本実施の形態においては、往復動体
及びトラバースガイドとしての役割を備えた移動体4の
材料としてセラミックスや樹脂を利用しているため、往
復移動させる対象物の材料を磁性体とする電磁モータを
利用したトラバース装置に比べ、往復移動させる対象物
の軽量化を図ることができ、パッケージへの糸の巻き取
り速度を向上させることができる。また、電磁モータを
利用したトラバース装置のように、巻き線と磁石とを利
用していないため、磁気式のリニアエンコーダ52が磁
界の影響をほとんど受けず、この結果、移動体4の糸ガ
イド部41の位置を正確に検出することできる。
【0038】さらに、トラバースガイドと往復動体とし
ての役割を果たす移動体4を同一部材で一体に製造して
いるため、トラバースガイドと往復動体とを別個に製造
した後にトラバースガイドを往復動体に固着する必要が
なく、製造過程が容易であるとともに製造コストを低く
抑えることが可能になる。
【0039】さらに、移動体4を案内するための移動体
ガイド溝31を弾性体3に形成しているため、移動体4
をトラバース方向Hに案内する別個の部材が不要とな
り、トラバース装置1の構成が簡単になるとともに、ト
ラバース装置の単価を低く抑えることができる。また、
移動体4を移動させる弾性体3自身が移動体4をトラバ
ース方向Hに案内するガイドとして機能しているため、
移動体4を円滑に移動させることができる。
【0040】さらに、移動体4の往復動体部42が弾性
体3に接触する接触部分のトラバース方向Hの長さLを
弾性体3の歪みにより生じる進行波の2周期分に相当す
る長さLTより若干大きくなるようにしているため、弾
性体3の歪みにより生じる進行波の谷32に移動体4が
落ちることを防止することができ、移動体4の往復移動
を円滑に行うことが可能になる。
【0041】さらに、電圧を印加する圧電セラミックス
と、当該圧電セラミックスに電圧を印加するタイミング
及び時間とによって、移動体4の移動/停止、移動方
向、移動速度を制御することができるため、これらを適
宜制御することによって、周期的に移動体4のトラバー
ス反転位置を内側に寄せて耳崩しを行うことや、巻き太
りに伴って移動体4の往復移動範囲を次第に狭くしてテ
ーパエンドパッケージを容易に作成することができる。
また、移動体4の移動/停止、移動方向、移動速度を自
由に制御することができるため、テーパエンドパッケー
ジの他、各種形状のパッケージを容易に作成することも
できる。また、リボン崩しなどの任意の制御も容易に行
える。
【0042】さらに、移動体4の糸ガイド部42の現在
位置を常時リニアエンコーダ52で検出し、検出結果を
基に圧電セラミックス2に印加する電圧を制御して移動
体4を移動させるフィードバック制御を行っており、ま
た、上述したようにリニアエンコーダ52は移動体4の
糸ガイド部41の位置を正確に検出することができるた
め、移動体4の位置及び速度を正確に制御しながら移動
体4をトラバース方向Hに往復移動させることができ
る。
【0043】上述したように、本実施の形態では、各巻
取パッケージP毎に、圧電セラミックス群及び弾性体群
を備えたトラバース装置1を配置し、トラバースガイド
を含む移動体4が圧電セラミックス群及び弾性体群のト
ラバース方向Hの幅内で往復移動するようになっている
ため、即ち各巻取パッケージP及び各フリクションドラ
ムDの近傍に、それぞれ、トラバース装置1を配置して
いるため、圧電セラミックス2(弾性体3)の歪みによ
って往復移動させる移動体4の重量を小さくすることが
でき、移動体4を高速に移動させることができる。この
結果、パッケージPへの糸Yの巻き取り速度を向上させ
ることが可能になる。
【0044】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々
な設計変更が可能なものである。例えば、往復動体とト
ラバースガイドとしての機能を有する移動体4を同一部
材で一体に造らずに、往復動体とトラバースガイドを別
個に造ってトラバースガイドを往復動体に取り付けるよ
うにしてもよい。この場合には、製造工程が多くなるも
のの、モータで移動させる対象物(往復動体とトラバー
スガイドとの双方を含む)の軽量化を図ることができ、
糸Yの巻き取り速度を向上させることができる。
【0045】また、本実施の形態では圧電素子として圧
電セラミックスを利用しているが、これに限られず、ピ
エゾ素子など他のものを利用してもよく、ピエゾ素子な
どを利用した場合にも、圧電セラミックスを利用した場
合と同様の効果が得られる。
【0046】さらに、本実施の形態では移動体4の往復
動体部41のトラバース方向Hの長さLが弾性体3の歪
みによって生じる進行波の2周期分に相当する長さLT
より若干大きくなるように移動体4を設計しているが、
移動体4の長さLが上記2周期分に相当する長さLTと
等しいかそれより大きくなるように移動体4を設計して
いればよい。この場合にも移動体4が進行波の谷32に
落ちて、移動体4の円滑な移動が妨げられる状態を防ぐ
ことができる。また、移動体4が円滑にトラバース方向
Hに移動することができるのであれば、長さLが長さL
Tより小さくてもよい。
【0047】さらに、本実施の形態では、糸張力によっ
て移動体4が弾性体3から外れることを防止する構成と
しているが、移動体4が弾性体3から外れることを確実
に防止するため、移動体4を弾性体3に保持する部材を
別途設けるようにトラバース装置を構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】請求項1によると、往復動体が実質的に
弾性体からはみ出していないため、また、請求項2によ
ると、トラバースガイドを含む往復動体が弾性体のトラ
バース方向の幅内で往復移動しているため、圧電素子
(弾性体)の歪みにより往復移動させる対象物(往復動
体とトラバースガイドとの双方を含む)の重量を上記特
開平7−165368号公報に開示されたものに比べ小
さくすることができ、トラバースガイドを高速で往復移
動させることが可能になる。この結果、パッケージへの
糸の巻き取り速度の向上が図られる。また、電磁モータ
を利用したトラバース装置では、往復移動させる対象物
の材料として磁性体が利用されるのに対して、本発明の
トラバース装置では、トラバースガイド及び往復動体の
材料としてセラミックスや樹脂を利用することができる
ため、往復移動させる対象物の軽量化を図ることがで
き、電磁モータを利用したトラバース装置に比べ、パッ
ケージへの糸の巻き取り速度の向上が図られる。さら
に、本発明のトラバース装置では、巻き線と磁石とを利
用していないため、トラバースガイドの位置の検出に利
用する磁気式の位置検出器が磁界の影響をほとんど受け
ることがなく、トラバースガイドの位置や速度を正確に
検出することが可能になる。そして、トラバースガイド
の位置や速度を正確に検出することができる結果、テー
パエンドパッケージなど任意の形状のパッケージの形成
が容易になる。
【0049】請求項3によると、トラバースガイドと往
復動体とを別個に製造した後にトラバースガイドを往復
動体に固着する必要がないため、製造過程が容易である
とともに製造コストを低く抑えることが可能になる。
【0050】請求項4によると、弾性体に形成されてい
る溝が往復動体をトラバース方向へ移動させる案内ガイ
ドとしての役割を果たすため、往復動体をトラバース方
向へ案内する部材を別途設ける必要がなく、トラバース
装置の構成が簡単になるとともに、トラバース装置の単
価を低く抑えることができる。往復動体を移動させる弾
性体自身が往復動体をトラバース方向に案内しているた
め、往復動体をトラバース方向へ円滑に移動させること
ができる。
【0051】請求項5によると、弾性体の変形により生
じる進行波の谷に往復動体が落ちることを防止すること
ができ、往復動体の往復移動を円滑に行うことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトラバース装置の主
要部を示す斜視図である。
【図2】図1に主要部を示したトラバース装置の側面図
である。
【図3】図1に主要部を示したトラバース装置の制御ブ
ロックを示すブロック図である。
【図4】図1に示したトラバース装置の主要部と、フリ
クションドラム及びパッケージとの関係を説明するため
の説明図である。
【図5】図1に示したトラバース装置の主要部を構成す
る移動体の寸法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 トラバース装置 2 圧電セラミックス 3 弾性体 31 移動体ガイド溝 4 移動体 41 往復動体部 42 糸ガイド部 43 被ガイド凸部 44 糸ガイド溝 5 制御部 51 メモリ 52 リニアエンコーダ 53 制御処理部 54 駆動部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸をトラバースガイドにより案内してト
    ラバースさせるトラバース装置において、 前記糸がトラバースする全トラバース領域にわたってト
    ラバース方向に並設された複数の圧電素子と、前記圧電
    素子の歪みにより変形する弾性体と、トラバース方向に
    移動可能にかつ前記弾性体から実質的にはみだすことな
    く前記弾性体に配置され前記弾性体の変形によりトラバ
    ース方向に移動する往復動体とを備え、前記往復動体の
    移動に伴い前記トラバースガイドがトラバース方向に移
    動することを特徴とするトラバース装置。
  2. 【請求項2】 糸をトラバースガイドにより案内してト
    ラバースさせるトラバース装置において、 前記糸がトラバースする全トラバース領域にわたってト
    ラバース方向に並設された複数の圧電素子と、前記圧電
    素子の歪みにより変形する弾性体と、トラバース方向に
    移動可能に前記弾性体に配置され前記弾性体の変形によ
    りトラバース方向に移動する往復動体とを備え、前記往
    復動体の移動に伴い前記トラバースガイドが前記弾性体
    のトラバース方向の幅内でトラバース方向に移動するこ
    とを特徴とするトラバース装置。
  3. 【請求項3】 前記往復動体と前記トラバースガイドと
    を同一部材で一体に製造していることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載のトラバース装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性体には、前記トラバース領域の
    全領域においてトラバース方向に延びる溝が形成されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    1項に記載のトラバース装置。
  5. 【請求項5】 前記往復動体の前記弾性体に接触する接
    触部分のトラバース方向の長さが少なくとも弾性体の変
    形により生じる進行波の2周期分に相当することを特徴
    とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のト
    ラバース装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113914006A (zh) * 2021-10-13 2022-01-11 浙江理工大学 一种基于压电陶瓷的步进式送纱器及控制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113914006A (zh) * 2021-10-13 2022-01-11 浙江理工大学 一种基于压电陶瓷的步进式送纱器及控制方法
CN113914006B (zh) * 2021-10-13 2022-12-02 浙江理工大学 一种基于压电陶瓷的步进式送纱器及控制方法

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