JP2002362724A - スクリュウ式コンベヤ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで、被搬送物の粘性の大小に関係なく
該被搬送物を効率的に搬送させ得るスクリュウ式コンベ
ヤ装置を提供する。 【解決手段】一端側に被搬送物である土砂が投入される
投入口３および他端側に排出口４が形成された筒状ケー
シング５と、この筒状ケーシング５内に配置されたスク
リュウ羽根６と、このスクリュウ羽根６を回転させるた
めの駆動用モータ１２とからなるスクリュウ式コンベヤ
装置において、上記筒状ケーシング５を、固定用ケーシ
ング５Ａと回転用ケーシング５Ｂとに分割するととも
に、固定用ケーシング５Ａおよび回転用ケーシング５Ｂ
の対向部分に突設されたフランジ部１７、１８同士を係
脱自在に係合させるためのボルト・ナット２３およびピ
ン２４を具備し、上記回転用ケーシング５Ｂおよびスク
リュウ羽根６を係合させて一緒に回転させるための係合
用ピン２９を具備したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スクリュウ式コン
ベヤ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、土砂などの被搬送物を搬送させる
ための装置として、スクリュウ式コンベヤ装置が用いら
れている。

【０００３】このスクリュウ式コンベヤ装置は、一端側
に被搬送物が投入される投入口および他端側に排出口が
形成された筒状ケーシング内に、スクリュウ羽根が配置
されて、このスクリュウ羽根をモータにより回転させる
ことにより、筒状ケーシング内の被搬送物を順次投入口
側から排出口側に搬送させるものである。また他のスク
リュウ式コンベヤ装置として、上記スクリュウ式コンベ
ヤ装置における筒状ケーシングと、スクリュウ式羽根と
をそれぞれ互いに逆方向に回転させて、筒状ケーシング
内の被搬送物を搬送させるものもある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがって上記両スク
リュウ式コンベヤ装置においては、筒状ケーシングに投
入された被搬送物を搬送させる際に、該被搬送物の粘性
が大きい場合、該被搬送物を効率的に搬送できるが、一
方、該被搬送物の粘性が小さい場合には、筒状ケーシン
グの内周面とスクリュウ羽根の外周面との摩擦抵抗力が
大きいため、搬送動力に比べて、スクリュウ羽根を回転
させる動力が大きくなってしまい、効率の良い搬送を行
うことができない。

【０００５】ところで、上記筒状ケーシング内の被搬送
物の粘性が小さい場合に、筒状ケーシングおよびスクリ
ュウ羽根を一緒に回転させると、筒状ケーシングの内周
面とスクリュウ羽根の外周面との摩擦抵抗力が殆ど生じ
ず、小さな動力で搬送できるということが知られてい
る。したがって筒状ケーシングに投入される被搬送物の
粘性が小さい場合、筒状ケーシングおよびスクリュウ羽
根を一緒に回転させる構成にしようとすると、スクリュ
ウ羽根および筒状ケーシングをそれぞれ別個の駆動装置
で回転させる必要が生じ、装置としては、コストが高く
つくという問題がある。

【０００６】そこで、本発明は、低コストで、被搬送物
の粘性の大小に関係なく、該被搬送物を効率的に搬送さ
せ得るスクリュウ式コンベヤ装置を提供することを目的
としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のスクリュウ式コンベヤ装置は、一端側に被
搬送物が投入される投入口および他端側に排出口が形成
された筒状ケーシングと、この筒状ケーシング内に配置
されたスクリュウ羽根と、このスクリュウ羽根の基端部
が固着されるとともに、筒状ケーシングの投入口側に形
成された環状溝部に配置されて外周部に歯合部が突設さ
れた回転リングと、この回転リングの歯合部に噛合する
駆動用ピニオンを有する駆動用モータとからなるスクリ
ュウ式コンベヤ装置において、上記筒状ケーシングを、
投入口の前方位置で、一端側ケーシングと他端側ケーシ
ングとに前後に分割するとともに、一端側ケーシングお
よび他端側ケーシングの対向部分における外周部に、フ
ランジ部をそれぞれ突設し、これらフランジ部同士を係
脱自在に係合させるための第１係合部材を具備し、さら
に他端側ケーシングの筒部に孔を形成するとともに、ス
クリュウ羽根の外周部に該他端側ケーシングの筒部の孔
に対応する穴を形成し、これら孔、穴に挿着し該他端側
ケーシングおよびスクリュウ羽根を係合させて一緒に回
転させるための第２係合部材を具備したものである。

【０００８】上記スクリュウ式コンベヤ装置によると、
第１係合部材および第２係合部材を用いて、他端側ケー
シングの固定・回転を切り換えるようにしているため、
筒状ケーシングに投入される被搬送物の粘性の大小に応
じて、１つの駆動装置で効率の良い搬送を行うことがで
きる。特に、筒状ケーシングに投入される被搬送物の粘
性が小さい場合、スクリュウ羽根および他端側ケーシン
グを一緒に回転させることにより他端側ケーシングの内
周面とスクリュウ羽根の外周面の摩擦抵抗力が殆ど生じ
ず、小さな動力で搬送させることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明のスクリュウ式コンベヤ装
置は、土砂などの被搬送物を搬送させるためのものであ
る。

【００１０】以下、本発明のスクリュウ式コンベヤ装置
により、例えばトンネル拡幅工事などで掘削された被搬
送物である土砂を、下方から上方へ搬送させる場合につ
いて説明する。

【００１１】図１に示すように、このスクリュウ式コン
ベヤ装置１は、土砂が投入されるホッパー２と、一端側
に該ホッパー２と連通する投入口３が形成されるととも
に、他端側に排出口４が形成された筒状ケーシング５
と、この筒状ケーシング５内に、該筒状ケーシング５の
内周面に沿って、筒状ケーシング５の投入口３側から排
出口４側に亘って回転自在に配置された螺旋状のスクリ
ュウ羽根６と、このスクリュウ羽根６の基端部が固着さ
れるとともに、上記筒状ケーシング５の投入口３の後方
側に形成された環状溝部７に軸受体８を介して配置され
た回転リング９と、この回転リング９の外周部に突設さ
れた歯合部１０と、この回転リング９の歯合部１０に噛
合する駆動用ピニオン１１を有する駆動用モータ（例え
ば油圧が用いられる）１２とから構成されている。また
上記スクリュウ式コンベヤ装置１は、図２および図３に
示すように、作業台車１３上の保護用枠体１４に、例え
ば水平方向に対して３０°上方に傾斜されて取付けら
れ、また上記スクリュウ式コンベヤ装置１における筒状
ケーシング５は、保護用枠体１４に設けられた筒状支持
部１５にて回転自在に支持されている。

【００１２】上記筒状ケーシング５は、投入口の直ぐ前
方位置で、前後に固定用ケーシング（一端側ケーシン
グ）５Ａと回転用ケーシング（他端側ケーシング）５Ｂ
とに分割されている。これら固定用ケーシング５Ａおよ
び回転用ケーシング５Ｂの分割部分、すなわち対向部分
において、固定用ケーシング５Ａの外周部に、回転用ケ
ーシング５Ｂの一端側の外周部に延びる筒状ガイド部１
６が突設され、さらに該筒状ガイド部１６の端部外周部
には、フランジ部１７が突設されて、一方、回転用ケー
シング５Ｂの外周部には、このフランジ部１７に対向す
るフランジ部１８が突設されており、これら各フランジ
部１７、１８の外周部の適所には、孔１９、孔２０がそ
れぞれ形成されている。なお、上記固定用ケーシング５
Ａの筒状ガイド部１６と回転用ケーシング５Ｂの一端側
の外周部との間には、シール部材２１および軸受材２２
が介在されている。

【００１３】そして、上記筒状ケーシング５の投入口３
に投入される土砂の粘性が大きい場合には、係脱自在の
第１係合部材であるボルト・ナット２３およびピン２４
を使用し、詳しくは、上記固定用ケーシング５Ａおよび
回転用ケーシング５Ｂの両フランジ部１７、１８の所定
の孔１９、孔２０に、ボルト２３Ａを挿着させ、該ボル
ト２３Ａをナット２３Ｂにて螺合させてフランジ部１
７、１８同士を固定させるとともに、残りの各孔１９、
孔２０にも、ピン２４を挿着させて、回転用ケーシング
５Ｂを固定用ケーシング５Ａに固定させる。

【００１４】また上記回転用ケーシング５Ｂの外周部
（筒部）には、フランジ部１８の近傍に例えば２個の孔
２５が、回転用ケーシング５Ｂの中心線に対して互いに
対称位置に、かつ上記スクリュウ羽根６の半ピッチ分の
間隔をおいて形成されており、さらに回転用ケーシング
５Ｂの外周部上には、この孔２５に対応する孔２６が形
成された座板部２７が設けられている。一方、スクリュ
ウ羽根６の外周部にも、上記回転用ケーシング５Ｂの外
周部の孔２５に対応する穴２８が形成されている。

【００１５】そして、上記筒状ケーシング５の投入口３
に投入される土砂の粘性が小さい場合には、座板部２７
の孔２６から回転用ケーシング５Ｂの外周部の孔２５を
介して、スクリュウ羽根６の穴２８に、係脱自在の第２
係合部材である係合用ピン２９を挿着させ、回転用ケー
シング５Ｂおよびスクリュウ羽根６を係合用ピン２９を
介して互いに係合させて、回転用ケーシング５Ｂおよび
スクリュウ羽根６を一緒に回転させる。なお、上記固定
用ケーシング５Ａおよび回転用ケーシング５Ｂを係合用
ピン２９にて係合させない場合には、これら各孔２６、
孔２５、穴２８を、蓋部材（図示せず）にて外側から塞
ぐようにする。

【００１６】なお上記スクリュウ式コンベヤ装置１の投
入口３の斜め上方には、トンネル拡幅工事で掘削された
土砂を該投入口３に供給するための供給用ベルトコンベ
ヤ３０が設けられている。またスクリュウ式コンベヤ装
置１の排出口４の下方には、保護用枠体１４の上部に設
けられた土砂搬出用ベルトコンベヤ３１に搬送させるた
めの搬送用ベルトコンベヤ３２が設けられている。

【００１７】上記構成において、トンネル拡幅工事で掘
削された被搬送物である土砂は、供給用ベルトコンベヤ
３０を介して、スクリュウ式コンベヤ装置１の投入口３
に投入される。

【００１８】その際に、土砂の粘性が大きい場合、固定
用ケーシング５Ａおよび回転用ケーシング５Ｂの両フラ
ンジ部１７、１８の所定の孔１９、孔２０に、ボルト２
３Ａを挿着させ、該ボルト２３Ａをナット２３Ｂにて螺
合させてフランジ部１７、１８同士を固定させるととも
に、残りの各孔１９、孔２０にも、ピン２４を挿着させ
る。これにより、回転用ケーシング５Ｂが固定用ケーシ
ング５Ａに固定される。そして、駆動用モータ１２を回
転させることにより、駆動用ピニオン１１、回転リング
９を介してスクリュウ羽根６が回転し、上記土砂が順次
投入口３側から排出口４側に搬送される。

【００１９】一方、上記筒状ケーシング５に投入される
土砂の粘性が小さい場合には、固定用ケーシング５Ａお
よび回転用ケーシング５Ｂの各フランジ部１７、１８同
士を係合させるボルト・ナット２３およびピン２４を取
り外し、さらに回転用ケーシング５Ｂの座板部２７の孔
２６、回転用ケーシング５Ｂの外周部の孔２５、スクリ
ュウ羽根６の穴２８を塞ぐ蓋部材を取り外した後、これ
ら各孔２６、孔２５、穴２８に、係合用ピン２９を挿着
させる。これにより、回転用ケーシング５Ｂおよびスク
リュウ羽根６が互いに係合される。そして、駆動用モー
タ１２を回転させることにより、駆動用ピニオン１１、
回転リング９を介して、スクリュウ羽根６および回転用
ケーシング５Ｂが一緒に回転し、筒状ケーシング５の土
砂が順次投入口３側から排出口４側に搬送される。した
がって筒状ケーシング５内の土砂の粘性が小さい場合、
スクリュウ羽根６および回転用ケーシング５Ｂを一緒に
回転させるため、該土砂を小さな動力で効率良く搬送さ
せることができる。

【００２０】また、筒状ケーシング５の排出口４から排
出された土砂は、該排出口４から搬送用ベルトコンベヤ
３２を介して、土砂排出用ベルトコンベヤ３１へ搬送さ
れる。

【００２１】このように、筒状ケーシング５に投入され
る土砂の粘性の大小に応じて、ボルト・ナット２３およ
びピン２４と、係合用ピン２９とを用い、回転用ケーシ
ング５Ｂの固定・回転を切り換えているため、駆動用モ
ータ１２、歯車部１０、駆動用ピニオン１１などで構成
される１つの駆動装置で駆動させることができ、特に、
筒状ケーシング５に投入される土砂の粘性が小さい場
合、スクリュウ羽根６および回転用ケーシング５Ｂを一
緒に回転させることにより回転用ケーシング５Ｂの内周
面とスクリュウ羽根６の外周面の摩擦抵抗力が殆ど生じ
ず小さな動力で搬送させることができ、スクリュウ羽根
６および筒状ケーシング５をそれぞれ別個の駆動装置に
て回転させる場合に比べて、土砂の粘性の大小に関係な
く該土砂を効率良く搬送させ得るスクリュウ式コンベヤ
装置を、低コストでかつ簡単な構成にて、提供すること
ができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明のスクリュウ式コンベヤ装置によ
れば、筒状ケーシングに投入される被搬送物の粘性の大
小に応じて、第１係合部材および第２係合部材を用い
て、他端側ケーシングの固定・回転を切り換えているた
め、１つの駆動装置にて、他端側ケーシングの固定・回
転のどちらにも対応でき、したがって被搬送物の粘性の
大小に関係なく該被搬送物を効率良く搬送させ得るスク
リュウ式コンベヤ装置を、スクリュウ羽根および筒状ケ
ーシングをそれぞれ別個の駆動装置にて、回転させる場
合に比べて、低コストにて提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るスクリュウ式コンベ
ヤ装置の断面図である。

【図２】同スクリュウ式コンベヤ装置を保護用枠体に取
り付けた一部切欠側面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視図である。

【符号の説明】

１ スクリュウ式コンベヤ装置 ３ 投入口 ４ 排出口 ５ 筒状ケーシング ５Ａ 固定側ケーシング ５Ｂ 回転側ケーシング ６ スクリュウ羽根 １０ 歯車部 １１ 駆動用ピニオン １２ 駆動用モータ １７ フランジ部 １８ フランジ部 ２３ ボルト・ナット ２４ ピン ２５ 孔 ２８ 穴 ２９ 係合用ピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 慎吾 大阪府大阪市住之江区南港北１丁目７番89 号 日立造船株式会社内 Ｆターム(参考） 2D054 AA05 AC20 DA04 DA05 3F040 AA01 BA01 EA01 EA03 FA03

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端側に被搬送物が投入される投入口およ
   び他端側に排出口が形成された筒状ケーシングと、この
   筒状ケーシング内に配置されたスクリュウ羽根と、この
   スクリュウ羽根の基端部が固着されるとともに、筒状ケ
   ーシングの投入口側に形成された環状溝部に配置されて
   外周部に歯合部が突設された回転リングと、この回転リ
   ングの歯合部に噛合する駆動用ピニオンを有する駆動用
   モータとからなるスクリュウ式コンベヤ装置において、 上記筒状ケーシングを、投入口の前方位置で、一端側ケ
   ーシングと他端側ケーシングとに前後に分割するととも
   に、一端側ケーシングおよび他端側ケーシングの対向部
   分における外周部に、フランジ部をそれぞれ突設し、こ
   れらフランジ部同士を係脱自在に係合させるための第１
   係合部材を具備し、 さらに他端側ケーシングの筒部に孔を形成するととも
   に、スクリュウ羽根の外周部に該他端側ケーシングの筒
   部の孔に対応する穴を形成し、これら孔、穴に挿着し該
   他端側ケーシングおよびスクリュウ羽根を係合させて一
   緒に回転させるための第２係合部材を具備したことを特
   徴とするスクリュウ式コンベヤ装置。