JP2002362014A - インクジェット記録紙用填料 - Google Patents

インクジェット記録紙用填料

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JP2002362014A
JP2002362014A JP2001176062A JP2001176062A JP2002362014A JP 2002362014 A JP2002362014 A JP 2002362014A JP 2001176062 A JP2001176062 A JP 2001176062A JP 2001176062 A JP2001176062 A JP 2001176062A JP 2002362014 A JP2002362014 A JP 2002362014A
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ink
filler
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ink jet
recording paper
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JP2001176062A
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English (en)
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Mitsuru Demura
満 出村
Kinichi Ono
金一 小野
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 青色インクの退色傾向が低減され、青色イン
クを含む混合インクの発色性能が向上し、しかもこの混
合インクの退色傾向も改善された非晶質シリカ系のイン
クジェット記録紙用填料を提供する。 【解決手段】 特定の化学組成を有し、100乃至60
0m/gの比表面積と1.0乃至2.0cc/gの細
孔容積とを有し、且つ特定の赤外線吸収スペクトルの吸
光度比(R)が0.010乃至0.050である非晶
質シリカから成るインクジェット記録紙用填料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の非晶質シリカから
成るインクジェット記録紙用填料に関するもので、より
詳細には、インクジェット記録に際して初期発色濃度及
び耐候性に優れた画像を形成しうるインクジェット記録
紙用填料に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音が少なく、
高速記録が可能で、しかも多色化が容易である等の利点
があり、各種プリンター、ファクシミリ等への応用が行
われている。この用途に用いる記録紙としては、通常の
上質紙やコート紙では性能の点で使用困難であり、紙面
に付着したインク滴が速やかに紙内に吸収されること、
紙面上でのインク滴の拡がりや滲みが抑制されること、
濃度のある鮮明な画像が形成されること、及びこの画像
が諸堅牢性に優れていること等の特性が要求される。
【0003】これらの特性を紙基質の表面に与えるため
に、種々の無機固体物質を、必要により結着剤と共に紙
表面に塗布し或いは内填することが提案されており、例
えば合成シリカ及び/又はその塩を用いること(特開昭
57−157786号公報)、二価金属、例えばマグネ
シウム或いは亜鉛等の弱酸塩や酸化物を被覆層として施
こすこと(特開昭58−94491号公報)、天然ゼオ
ライト、合成ゼオライト、ケイソウ土、合成雲母等を被
覆層中に含有させること(特開昭59−68292号公
報)、インク吸収層を形成する白色顔料としてクレー、
タルク、炭酸カルシウム、カオリン、酸性白土、活性白
土等を使用すること(特開昭58−89391号公報及
び特開昭59−95188号公報)等が既に知られてい
る。
【0004】しかしながら、インクジェット記録紙に用
いる填剤には単にインクを吸収すればよいというもので
は決してなく、インク全体の吸収や水或いは溶剤の吸着
と染料の吸着との間に一定のバランスが要求される。例
えば、インクの填料層への吸収が迅速に生じる場合に
は、インク滴の拡がりや滲みが防止されるとしても、染
料等も填料層中に浸透することにより、形成される画像
が濃度や鮮明さに欠けるものとなり易い。かくして、イ
ンクジェット記録において、インク滴の拡がりや滲みを
防止するという要求と、画像の濃度や鮮明さを向上させ
るという要求とを同時に満足させることは容易でないこ
とが了解されよう。また、インクジェット用のインクは
一般に、水及び少量の有機溶剤を含有する媒質中に染料
を溶解した組成物から成るが、従来使用されている填料
は、インク中の各成分の吸着バランスにおいても未だ十
分なものではなく、例えば染料の吸着速度が大き過ぎる
場合にはドット径が小さくなって、べタ部に白地の斑点
抜けが生じ、また染料の吸着速度が小さすぎると、ドッ
トの真円性が得られなくなる。
【0005】これらの点を改良するものとして、本発明
者等は先に、特公平4−60434号公報において、X
線回折学的に非晶質シリカであって、コールターカウン
ター法で測定して2乃至15μmのメジアン径、180
乃至250ml/100gの吸油量及び溶媒法で測定し
て1.45乃至1.47の屈折率及び窒素吸着法で測定
して1.20cc/g以上の細孔容積を有し、関係湿度
90%及び温度25℃で200時間吸湿させた条件での
吸湿量が35%以上の範囲内にあり、且つ酸強度函数H
が+1.5を越えて+3.3迄の範囲の酸量が0.0
5ミリモル/g以下で、酸強度函数Hが+3.3を越
えて+4.8迄の範囲の酸量が0.20ミリモル/g以
上である酸強度分布を有することを特徴とするインクジ
ェット記録紙用填料を提案した。
【0006】特開2000−238422号公報には、
支持体上に少なくとも1層のインク受容層を有するイン
クジェット記録用シートにおいて、該インク受容層が、
BET法による比表面積が300m/gを越える気相
法シリカを含有することを特徴とするインクジェット記
録用シートが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知の
非晶質シリカ系のインクジェット記録紙用填料は、単色
インクに対する発色性能においては概して満足できるも
のであっても、青色インク(シアン)の耐候性に劣ると
いう欠点がある。本発明者らの研究によると、例えば公
知の非晶質シリカ填剤を用いた記録紙における室内6カ
月暴露後の退色率は、一例として黒インク(ブラック)
で約10%、黄色インク(イエロー)で約0%、赤色イ
ンク(マゼンタ)で約2%であるのに対して、青色イン
ク(シアン)では約23%にも達することが分かった
(後述の比較例1参照)。
【0008】加えて、公知の非晶質シリカ填剤は、紫や
緑などの混合インク、特に青色インク(シアン)を含む
混合インクに対する発色性能が概して低く、しかも混合
インク画像の耐候性も低いという欠点を有している。
【0009】従って、本発明の目的は、青色インクの退
色傾向が低減され、青色インクを含む混合インクの発色
性能が向上し、しかもこの混合インクの退色傾向も改善
された非晶質シリカ系のインクジェット記録紙用填料を
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式 a M 2/mO・SiO・nHO …(A) 式中、Mはアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属
を表わし、mは金属Mの価数を表わし、aは0乃至5×
10−3の数であり、nは0乃至0.2の数である、 で表わされる組成を有し、100乃至600m/gの
比表面積と1.0乃至2.0cc/gの細孔容積とを有
し、且つ下記式 R=I970/I1100 …(1) 式中、I970は、赤外線吸収スペクトルの波数970
cm−1 のピークの吸光度であり、I1100は赤外線
吸収スペクトルの波数1100cm−1のピークの吸光
度である、 で定義される吸光度比(R)が0.010乃至0.0
50である非晶質シリカから成り、コールターカウンタ
ーで測定した体積基準中位径(D50)が3乃至15μ
mの範囲にあり且つ粒径2.5μm以下の粒子の含有量
が3.5体積%以下である粒度分布を有することを特徴
とするインクジェット記録紙用填料が提供される。本発
明のインクジェット記録紙用填料においては、 1.酸強度函数H が+1.5 を越えて+3.3 迄の範囲
の酸量が0.002ミリモル/g以下であること、 2.上記(A)式において、アルカリ金属がナトリウム
及び/又はアルカリ土類金属がカルシウムであること、
が好ましい。
【0011】
【発明の実施形態】本発明で用いる非晶質シリカは前記
式(A)で表わされる化学組成を有しており、シリカ1
モル当りの水分量が0.2モル以下、好ましくは0.1
4モル以下、特に0.125モル以下と少ないことが特
徴の一つである。非晶質シリカは一般に、SiO四面
体が重合し、重合の切れ目にOHが結合し、更にそれが
水和した構造をとっているが、前記式(A)で表される
水分量とは、これらの水酸基及び水和水の総和を示して
いる。非晶質シリカ中の水分量は、インク像の退色性
(耐候性)と関連があり、上記水分量のものは退色性に
優れている。
【0012】また、この非晶質シリカには、Na,K等
のアルカリ金属成分やCa,Mg等のアルカリ土類金属
成分が含有されていてもよいが、その含有量は、インク
の発色性や退色性を考慮すると、SiO1モル当り5
×10−3モル以下、特に3×10−3モル以下とすべ
きである。
【0013】本発明に用いる非晶質シリカでは、化学組
成が上記式(A)で規定した範囲にあると共に、式
(1)で規定した吸光度比(R)が0.010乃至
0.050、特に0.010乃至0.030の範囲にあ
ることが重要であることがわかった。尚、上記吸光度比
(R)は、赤外吸収スペクトルから図1に示すよう
に、各吸光度I970及びI1100を求めることによ
り、算出できる。
【0014】本発明に用いる非晶質シリカの典型的な非
晶質シリカの赤外吸収スペクトルを図2に示す。図2か
ら、この非晶質シリカは波数3760cm−1に全く吸
収を有していなく、波数1100cm−1に大きな吸収
及び波数970cm−1に小さな吸収を有していること
がわかる。波数1100cm−1の特性吸収はSi−O
の伸縮振動に基づくものであり、一方波数970cm
−1の特性吸収はSi−O−Hの伸縮振動に基づくもの
である。
【0015】図3は、非晶質シリカの焼成温度を変化さ
せた場合の上記特性吸収の変化を示したものであるが、
焼成温度が高くなるにつれて、波数970cm−1の吸
収が小さくなっている。
【0016】本発明では、吸光度比(R)が上記範囲
となるように非晶質シリカを熱処理することにより、青
色インクの退色傾向を低減させ、青色インクを含む混合
インクの発色性能を向上させ、しかもこの混合インクの
退色傾向も改善することが可能となる。
【0017】前述した吸光度比(R)は、基準化され
たシラノール性水酸基の濃度を表しているが、このシラ
ノール性水酸基の濃度には、インクに対する初期発色性
能と、暴露後の退色性とに関して一定の好適範囲が存在
する。即ち、吸光度比(R)が本発明で規定した範囲
(0.010乃至0.050)を下回るときは、上記範
囲内にある場合に比して初期発色の画像濃度が低下する
傾向があり、一方吸光度比(R)が本発明で規定した
範囲を上回るとき(後述する比較例1参照)には、上記
範囲内にある場合に比して暴露後の退色性が著しくなる
傾向があるのに対して、吸光度比(R)を上記範囲内
とすることにより、初期発色の画像濃度を向上させなが
ら、しかも暴露による退色傾向を低減させることが可能
となる。更に、吸光度比(R)が上記範囲内にある非
晶質シリカでは、混合インクによる画像形成に際して
も、各インクの吸着がバランスよく行われるため、画像
濃度が向上するものと思われる。
【0018】本発明の非晶質シリカ系填剤は、コールタ
ーカウンターで測定した体積基準中位径(D50)が3
乃至15μm、特に5乃至10μmの範囲にあり且つ粒
径2.5μm以下の粒子の含有量が3.5体積%以下で
ある粒度分布を有することが、画像の鮮明さ、紙の平滑
性、紙の表面強度の点で好ましい。即ち、この中位径が
上記範囲を下回ると、上記範囲内にある場合に比して画
像の鮮明さが損なわれ、また紙の表面強度が低下する傾
向があり、一方中位径が上記範囲を上回ると、上記範囲
内にある場合に比して紙の平滑性が低下し、やはり画像
の艶が失われやすくなる。この填剤においては、粒径
2.5μm以下の粒子、即ち微粒子の含有量が3.5体
積%以下、特に2.0体積%以下であることが、暴露後
の退色性を低減させると共に、画像の鮮明さを向上させ
るために好ましい。
【0019】インクジェット記録紙用非晶質シリカに要
求される他の物性として、比表面積が100乃至600
/g、特に250乃至550m/gの範囲にある
べきである。比表面積が上記範囲よりも小さいと、初期
発色性能が不十分となり易く、一方上記範囲よりも大き
いと、やはり暴露後の退色性が大きくなる傾向がある。
【0020】また、細孔容積は1.0乃至2.0cc/
g、特に1.0乃至1.6cc/gの範囲にあるべきで
あり、上記範囲よりも低いと、暴露後の退色性が大きく
なり、一方上記範囲よりも大きいと、初期発色性能が不
十分となり易い傾向がある。
【0021】本発明に用いる非晶質シリカは、特異な酸
強度分布を有することがわかった。非晶質シリカは固体
酸の一種であり、固体酸の酸強度分布は、ハメット指示
薬を使用し、n−ブチルアミン滴定法により求めること
ができる。酸強度函数Hとハメット指示薬との関係を
示すと、次の通りである。 H 指示薬 +1.5 4−ベンゼンアゾジフェニルアミン +3.3 p−ジメチルアミノアゾベンゼン +4.8 メチルレッド 上記表において、例えば、4−ベンゼンアゾジフェニル
アミンを指示薬として滴定を行うと固体酸中の酸強度函
数が+1.5 迄の酸量が測定され、又、p−ジメチルアミ
ノアゾベンゼンを指示薬として、滴定を行うと、固体酸
中の酸強度函数が+3.3 迄の積算酸量が測定され、以下
各指示薬を用いて、滴定を行うことにより、固体酸の酸
強度分布が測定される。本発明に用いる非晶質シリカ
は、酸強度函数Hが+1.5 を越えて+3.3 迄の範囲の
酸量が0.002ミリモル/g以下である。
【0022】[非晶質シリカの製法]本発明のインクジ
ェット記録紙用填料は、種々の方法で製造されるヒドロ
もしくはキセロのシリカゲルを原料として、特定の吸光
度比(R)を有するように熱処理することによって製
造される。本発明のシリカゲルの原料となるヒドロもし
くはキセロのシリカゲルの製造法に関し、その一例を示
せば下記の方法が挙げられる。
【0023】シリカゲルの一般的製造法としては、原料
となるケイ酸アルカリと鉱酸とを接触混合により中和反
応させてヒドロゲルを生成させ、このヒドロゲルを解砕
し、さらに熟成し、次いで上記の反応によって副生した
塩類を洗浄除去した後、乾燥、熱処理粉砕、分級する方
法がある。
【0024】原料のケイ酸アルカリは、工業製品として
JISに規格されている水ガラスのケイ酸ソーダやケイ
酸カリ、さらには酸性白土等の粘土質原料より回収した
易反応性シリカにアルカリ金属の水酸化物溶液を反応さ
せたケイ酸アルカリ等を使用することができる。
【0025】中和反応に用いる鉱酸は、塩酸や硫酸等が
一般に使用されるが、これらの混酸を使用することも可
能である。水溶液乃至水性分散体である両原料を接触さ
せる中和反応は、両原料のどちらか一方の原料をもう一
方の原料中に撹拌下に添加する方法や、両原料の水性液
を一定条件下に同時に接触させる方法がある。いずれに
しても、シリカゲルの比表面積を本発明の範囲に特定す
るためには、反応混合物のpHを酸性サイドで調製する
ことが好適である。シリカゲルの比表面積や細孔容積等
の物性を目的とする範囲に調整するための反応条件は、
予め行う簡単な予備実験によって容易に決定することが
できる。
【0026】一般に、上記の方法で調製したヒドロもし
くはキセロのシリカゲルを100乃至140℃で一定時
間水熱処理することによって、シリカゲルの比表面積や
細孔容積を調整する。水熱処理後のシリカゲルを乾燥
し、加熱処理した後、前記粒度となるように、粉砕、分
級する。粉砕及び分級は乾燥後、加熱処理に先立って行
ってもよい。
【0027】シリカゲルの加熱処理は、前記式(A)の
組成、前記式(1)の吸光度比(R )を満足するよ
うに行うべきである。加熱処理温度は、シリカの比表面
積によっても相違するが、一般に200乃至900℃、
特に400乃至800℃の範囲が適当である。この範囲
を上回る温度で処理を行うと、シンタリングが起こり細
孔容積が減少して、初期発色の画像濃度が低下し、滲み
が起きる。加熱処理時間は、温度及び焼成方法によって
も相違するが、一般的に数秒乃至数時間の範囲から、上
記要求が満足される時間を選ぶのがよい。加熱処理に
は、電気炉、ロータリキルン、熱風瞬間焼成炉等の固定
床、移動床或いは流動床式の熱処理装置を用いることが
できる。
【0028】また本発明によれば、シリカ表面を改質す
る別法としては、2次的にナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属及び/又はCa,Mg等のアルカリ土類金属
成分をシリカの表面に沈着させて表面のOH基数を少な
くし、次いで必要に応じて加熱処理を行ってもよい。こ
の場合は前記式(A)におけるaは前述した見地から5
×10−3以下の数であることが好ましい。
【0029】[インクジェット記録紙]本発明によれ
ば、上述した非晶質シリカを、紙等の基体の表面に設け
るか、或いは紙中に内填してインクジェット用記録要素
とする。紙等の基体表面にこの填剤のコート層を設ける
には、前記填剤を5乃至40重量%、特に10乃至25
重量%、及び必要により結着剤を1乃至15重量%、特
に2乃至10重量%含む水性スラリーを製造し、填剤が
3乃至20g/m、特に5乃至15g/mとなるような塗
工量で塗布し、乾燥する。
【0030】結着剤としては、水性系結着剤が有利であ
り、例えばカルボキシメチルセルローズ、エチルセルロ
ーズ、ヒドロキシエチルセルローズ、澱粉、カルボキシ
メチル澱粉、シアノエチル化澱粉、カゼイン、アラビア
ゴム、トラガントゴム、デキストリン、ポリビニルアル
コール、ビニルエーテル/マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルピロリドン、水溶性アクリル樹脂等の水溶性結着
剤;自己乳化型アクリル樹脂等の自己乳化型結着剤;ス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の水性ラテッ
クス系結着剤等が使用される。
【0031】また、前記填剤を紙中に内填するには、抄
紙用スラリーに前記填剤を配合して、紙繊維中に繊維重
量当り1乃至20重量%、特に2乃至10重量%の填剤
が抄き込まれるようにすればよい。
【0032】本発明において、非晶質シリカは単独でイ
ンクジェット記録用填剤として使用し得る他に、それ自
体公知の他の填剤、例えばカオリン、通常のシリカ、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸
化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加
水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム等と組合せて使用することもできる。
【0033】一方、有機填剤としては、白色あるいは無
色のポリマービーズを使用することができ、例えば、ア
クリルあるいはメタアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン
/アクリル系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、ポリ
スチレン/アクリル系樹脂、ポリスチレン/イソプレン
系樹脂、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレ
ート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹
脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェ
ノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂などの少なく
とも1種以上の樹脂からなる真球状あるいは不定型の無
孔質ビーズである。
【0034】さらに、インクジェット記録紙のインク受
容層には、コロイド粒子を含有することもできる。ここ
でコロイド粒子とは、水中に懸濁分散してコロイド状を
なしているものであり、例えば、擬ベーマイトゾル、コ
ロイドシリカ、シリカ/アルミナのハイブリッドゾル、
ヘクトライト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘
土、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、
セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモ
ンゾルなど挙げられる。
【0035】その他の添加剤として、カチオン系染料定
着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良材、消泡剤、抑
泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、
蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙増強剤及び酸化防止剤など
を必要に応じて添加することができる。
【0036】本発明におけるインクジェット記録紙の支
持体としては、特に限定されるものではなく、セルロー
スパルプを主成分とする酸性紙、中性紙、コート紙等の
紙類の他、合成紙、樹脂フィルム、ラミネート紙等使用
することができる。
【0037】本発明のインクジェット記録紙用填料は、
顔料系インクにも用いることができ、染料系と同様に青
色インクを含む混合インクの発色性能が向上する(後述
の実施例を参照)。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例により説明する。な
お、、実施例における測定方法は、以下の通りである。
【0039】(1)BET法による比表面積及び細孔容
積 マイクロメリティックス社製ASAP2010を使用し、窒素吸
着等温線を測定した。比表面積は比圧0.2以下、細孔
分布は、BJH法脱離側で細孔径17Å〜3000Åまで
のトータル細孔容積を積算して求めた。なお試料は60
0℃で焼成した物を使用した。
【0040】(2)吸光度比(R) 赤外線吸収スペクトルの波長970cm−1のピーク強
度(I970)及び波長1100cm−1のピーク強度
(I1100)の比(I970/I1100)を求め吸
光度比(R)を求めた。
【0041】(3)粒径測定 Coulter 社製Particle Size Analyzer Model LS230 を
使用し、平均粒径を測定した。アパチャーチューブ10
0μmで測定した。
【0042】(4)固体酸測定試験 n-ブチルアミン測定法[参考文献:「触媒」Vol.11,No6,
P210-216(1969)]にて測定した。
【0043】(5)インクジェットの画像濃度測定 試料粉末10gに結着剤としてポリビニルアルコール1
5%水溶液25gを加え、充分水に撹拌後、坪量45g
/m原紙(PPC紙)に塗被量が約10g/mにな
るよう塗布し試験紙を得た。インクジェットプリンター
(EPSON PM-750C)で試験紙に印刷された印字をマクベ
ス濃度計RD−19にて画像濃度を測定した。
【0044】(5)室内暴露試験(インクジェット) (4)の方法により印刷した試験紙の画像面を表にして
壁に貼り付け、6月間室内に放置した後、画像濃度を測
定して、暴露前の画像濃度との差より退色率を求めた。
【0045】(6)顔料系インク試験 試料粉末10gに結着剤としてポリビニルアルコール1
5%水溶液25gを加え、充分水に撹拌後、坪量45g
/m原紙(PPC紙)に塗被量が約10g/mにな
るよう塗布し試験紙を得た。インクジェットプリンター
(EPSON MC-2000)で試験紙に印刷された印字をマクベ
ス濃度計RD−19にて画像濃度を測定した。なお、比
較のために前記プリンター専用のプリンター用紙(MC
マット紙)について同様に測定を行った。
【0046】(シリカヒドロゲルの調製)原料にJIS
製品のケイ酸ソーダ(SiO22.38%、Na
O 7.10%、SG 1.294/15℃)と45%濃
度の硫酸溶液(比重1.352/15℃)をその容積比
で4:1に相当する量を選び、両者の瞬時接触が可能と
なる装置を用いて、ケイ酸ソーダ、硫酸溶液を該装置に
同時に供給し、30〜35℃で反応させ、反応系のpH
が2.0〜2.2になるように調整してシリカを生成さ
せ、次いで同じ条件下で2時間熟成を行い、シリカヒド
ロゲルを回収した。この熟成させたシリカヒドロゲルを
2〜5mmの大きさに解砕後、水洗し水分が68.5%
のヒドロゲルを得た。次いでこのヒドロゲルを水に再分
散させ、120℃で4時間水熱処理した後、110℃で
乾燥、粉砕してシリカゲル微粉末(試料S−1)を得
た。
【0047】(実施例1)上記方法で調製した試料S−
1を650℃で30分焼成して得たシリカゲルを評価し
た。シリカゲルの物性を表1に、インクジェットの画像
濃度を表2に、退色率の結果を表3にそれぞれ示す。
【0048】(実施例2)試料S−1を分級した後に6
50℃で30分焼成して得たシリカゲルを評価した。シ
リカゲルの物性を表1に、インクジェットの画像濃度を
表2に、退色率の結果を表3にそれぞれ示す。また、顔
料系インクでの画像濃度の結果を表4に示す。
【0049】(実施例3)試料S−1を850℃で30
分間焼成して得たシリカゲルを評価した。シリカゲルの
物性を表1に、インクジェットの画像濃度を表2に、退
色率の結果を表3にそれぞれ示す。
【0050】(比較例1)市販のシリカ(水澤化学製ミ
ズカシルP−78D)を用いて評価を行った。その物性
を表1に、インクジェットの画像濃度を表2に、退色率
の結果を表3にそれぞれ示す。また、顔料系インクでの
画像濃度の結果を表4に示す。
【0051】(比較例2)試料S−1をそのままを評価
した。シリカゲルの物性を表1に、インクジェットの画
像濃度を表2に、退色率の結果を表3にそれぞれ示す。
【0052】(比較例3)試料S−1を分級したものを
評価した。シリカゲルの物性を表1に、インクジェット
の画像濃度を表2に、退色率の結果を表3にそれぞれ示
す。
【0053】(比較例4)市販のシリカ(トクヤマ製フ
ァインシルX−60)を用いて評価を行った。インクジ
ェットの画像濃度を表2に、退色率の結果を表3にそれ
ぞれ示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、特定の非晶質シリカか
ら成るインクジェット記録紙用填料で、インクジェット
記録に際して初期発色濃度及び耐候性に優れた画像を形
成し、特に青色インクの退色傾向が低減され、青色イン
クを含む混合インクの発色性能が向上し、しかもこの混
合インクの退色傾向を改善する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤外吸収スペクトルから吸光度比(R)の値
を算出すべき吸収ピークの計測方法を示す。
【図2】本発明の実施例及び比較例で得られた非晶質シ
リカの赤外吸収スペクトルを示す。
【図3】図3は非晶質シリカの熱処理温度と1000c
−1附近の赤外吸収スペクトルの変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 33/32 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA21 BA32 BA33 BA41 BA45 BA48 4G072 AA25 BB05 BB13 DD03 DD04 GG01 HH22 JJ15 MM01 MM36 PP05 RR06 SS07 SS10 TT01 TT30 UU07 4G073 BA01 BA08 BA11 BA63 BD03 BD21 CB03 CC01 FB19 FC06 GA11 GA33 GB10 UA08 UB15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 a M 2/mO・SiO・nHO …(A) 式中、Mはアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属
    を表わし、mは金属Mの価数を表わし、aは0乃至5×
    10−3の数であり、nは0乃至0.2の数である、 で表わされる組成を有し、100乃至600m/gの
    比表面積と1.0乃至2.0cc/gの細孔容積とを有
    し、且つ下記式 R=I970/I1100 …(1) 式中、I970 は、赤外線吸収スペクトルの波数97
    0cm−1のピークの吸光度であり、I1100は赤外
    線吸収スペクトルの波数1100cm−1のピークの吸
    光度である、 で定義される吸光度比(R)が0.010乃至0.0
    50である非晶質シリカから成り、コールターカウンタ
    ーで測定した体積基準中位径(D50)が3乃至15μ
    mの範囲にあり且つ粒径2.5μm以下の粒子の含有量
    が3.5体積%以下である粒度分布を有することを特徴
    とするインクジェット記録紙用填料。
  2. 【請求項2】 酸強度函数H が+1.5 を越えて+3.3
    迄の範囲の酸量が0.002ミリモル/g以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    紙用填料。
  3. 【請求項3】 上記(A)式において、アルカリ金属が
    ナトリウム及び/又はアルカリ土類金属がカルシウムで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のインク
    ジェット記録紙用填料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1518961A1 (en) * 2003-09-23 2005-03-30 Voith Paper Patent GmbH Method for the production of a fiber web

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