JP2002359904A - ハイブリッド車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置および制御方法

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JP2002359904A
JP2002359904A JP2001165082A JP2001165082A JP2002359904A JP 2002359904 A JP2002359904 A JP 2002359904A JP 2001165082 A JP2001165082 A JP 2001165082A JP 2001165082 A JP2001165082 A JP 2001165082A JP 2002359904 A JP2002359904 A JP 2002359904A
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英一 大津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的位置付近では電動機主体による走行駆動
が確実に行われ、自宅等の目的位置付近では、低騒音
で、排気ガスの問題を生じることがないように制御を行
うハイブリッド車両の制御装置および制御方法を提供す
る。 【解決手段】 内燃機関の出力と電動機の出力を制御す
るハイブリッド車両の制御装置であって、車両の現在位
置を検出する現在位置検出手段と、車両走行の目的位置
を記憶する目的位置記憶手段とを有し、前記現在位置検
出手段により検出された現在位置より前記目的位置記憶
手段に記憶された目的位置までの距離を算出し、当該距
離が予め設定された所定値より少ない場合には、前記距
離が前記所定値以上である場合に比べて前記電動機の駆
動力指令値を増加し、前記内燃機関の駆動力指令値を低
減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関−回転電
気機械(電動機)によるハイブリッド車両の制御装置お
よび制御方法に関し、特に、回転電気機械の電源である
車載の二次電池の充電制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド電気自動車等のハイブリッ
ド車両には、走行駆動源として、内燃機関と電動機とを
有し、回生発電や前記内燃機関によって前記電動機ある
いは発電機を駆動して発電を行って前記電動機の電源で
ある車載の二次電池の充電を行うものがある。
【0003】上述のようなハイブリッド車両において、
GPS(Global Positioning System)と呼ばれている
衛星航法システムを用いた車載のナビゲーション装置よ
り得られる車両の現在位置情報や目的位置までの走行経
路情報を利用し、車両の現在位置、目的位置までの走行
経路等に応じて内燃機関・電動機による走行駆動や二次
電池(バッテリ)の充電を制御し、過不足のない二次電
池充電や渋滞時対策を行うものが既に提案されている。
このような従来技術は、特開平8−126116号公
報、特開平9−163506号公報、特開2000−1
34719号公報等に示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ハイブリッド車両の一
つの利点は、電動機による走行は静粛性に優れ、騒音を
発しないと云うことであり、一般に住宅街にある自宅付
近の走行や自宅での車庫入れ時には、排気ガスの問題も
ふまえて、静粛性に優れた電動機主体による走行駆動が
行われることが望ましい。特に、深夜、静かな住宅地で
の車庫入れは、エンジン騒音がなく、電動機による静粛
性に優れた車両駆動であることが要望される。
【0005】しかし、従来のハイブリッド車両は、標高
等の道路情報を含む走行経路に応じてバッテリ(二次電
池)の残量目標値を設定し、実際のバッテリ残量が目標
値に近づくように、電動機および内燃機関の出力を調整
したり、目的地到着の時点で、バッテリ残量が目標バッ
テリ残量になるように、電動機と内燃機関とのトルク分
担率を設定するだけで、目的位置付近での走行パターン
に関する配慮はなされておらず、必ずしも、目的位置付
近では電動機主体による走行駆動が行われない。
【0006】本発明は、上述の如き問題点を解消するた
めになされたもので、その目的とするところは、目的位
置付近では電動機主体による走行駆動が確実に行われ、
自宅等の目的位置付近では、低騒音で、排気ガスの問題
を生じることがないように制御を行うハイブリッド車両
の制御装置および制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるハイブリッド車両の制御装置は、車両
の走行駆動を行う内燃機関と、車両の走行駆動を行う電
動機と、該電動機に対して電力供給を行う二次電池とを
有し、車両走行に必要な駆動トルクに応じて前記内燃機
関の出力と前記電動機の出力を制御するハイブリッド車
両の制御装置であって、車両の現在位置を検出する現在
位置検出手段と、車両走行の目的位置を記憶する目的位
置記憶手段とを有し、前記現在位置検出手段により検出
された現在位置より前記目的位置記憶手段に記憶された
目的位置までの距離を算出し、当該距離が予め設定され
た所定値より少ない場合には、前記距離が前記所定値以
上である場合に比べて前記電動機の駆動力指令値を増加
し、前記内燃機関の駆動力指令値を低減するものであ
る。
【0008】この発明によるハイブリッド車両の制御装
置によれば、現在位置より目的位置記憶手段に記憶され
ている目的位置までの距離が所定値以下になると、換言
すれば、目的位置付近では、電動機主体の走行になり、
自宅の車庫入れ時等における騒音や排気を低減できる。
【0009】また、上記目的を達成するために、本発明
によるハイブリッド車両の制御装置は、車両の走行駆動
を行う内燃機関と、車両の走行駆動および前記内燃機関
を動力源として発電を行う回転電気機械と、前記回転電
気機械の発電電力を蓄え、前記回転電気機械に対して電
力供給を行う二次電池とを有し、車両走行に必要な駆動
トルクおよび前記二次電池の目標充電量に応じて前記内
燃機関の出力と前記回転電気機械の出力を制御するハイ
ブリッド車両の制御装置であって、車両の現在位置を検
出する現在位置検出手段と、車両走行の目的位置を記憶
する目的位置記憶手段とを有し、前記現在位置検出手段
により検出された現在位置より前記目的位置記憶手段に
記憶された目的位置までの距離を算出し、当該距離が予
め設定された第1の所定値より少ない場合には、前記距
離が前記第1の所定値以上である場合に比べて前記二次
電池の目標充電量を増大するように制御するものであ
る。
【0010】この発明によるハイブリッド車両の制御装
置によれば、現在位置より目的位置までの距離が第1の
所定値より少なくなると、この距離が第1の所定値以上
である場合に比べて二次電池の目標充電量を増大するこ
とが行われ、目的位置付近では電動機である回転電気機
械主体による走行駆動が行われることに備える。前記距
離が前記第1の所定値より少ない場合における二次電池
の目標充電量は、二次電池の最大充電量の概略半分以上
の値であることが好ましい。
【0011】また、本発明によるハイブリッド車両の制
御装置は、更に、車両が目的位置に向かっているか否か
を判断する走行方位検出手段を有し、前記走行方位検出
手段によって車両が目的位置に向かっていないと判断さ
れた場合には、前記距離が前記第1の所定値より少なく
ても、前記二次電池の目標充電量を増大することを禁止
するものである。
【0012】この発明によるハイブリッド車両の制御装
置によれば、走行方位検出手段によって車両が目的位置
に向かっていないと判断された場合には、現在位置より
目的位置までの距離が第1の所定値より少なくても、二
次電池の目標充電量を増大することが禁止され、二次電
池の目標充電量を無駄に増加することが防止される。
【0013】また、本発明によるハイブリッド車両の制
御装置は、前記距離が前記第1の所定値より少ない第2
の所定値より少ない場合には、前記距離が前記第2の所
定値以上である場合に比して前記二次電池の目標充電量
を低減するように制御するものである。
【0014】この発明によるハイブリッド車両の制御装
置によれば、現在位置より目的位置までの距離が第1の
所定値より少ない第2の所定値より少なくなると、すな
わち目的位置付近では、前記距離が第2の所定値以上で
ある場合に比して二次電池の目標充電量を低減すること
が行われ、目的位置付近では、電動機である回転電気機
械主体による走行駆動が行われるようになる。
【0015】また、本発明によるハイブリッド車両の制
御装置は、前記距離が前記第1の所定値より少ない第2
の所定値より少ない場合には、前記距離が前記第2の所
定値以上である場合に比して前記回転電気機械の駆動力
指令値を増加し、前記内燃機関の駆動力指令値を低減す
るものである。
【0016】この発明によるハイブリッド車両の制御装
置によれば、現在位置より目的位置までの距離が第1の
所定値より少ない第2の所定値より少なくなると、すな
わち目的位置付近では、前記距離が第2の所定値以上で
ある場合に比して回転電気機械の駆動力指令値を増加
し、内燃機関の駆動力指令値を低減することが行われ、
目的位置付近では、電動機である回転電気機械主体によ
る走行駆動が行われるようになる。
【0017】また、本発明によるハイブリッド車両の制
御装置は、前記内燃機関より排出される排出物質を浄化
する浄化手段の浄化性能を代表する値を検出する浄化性
能検出手段を有し、前記浄化性能検出手段によって検出
される浄化性能代表値が所定値以下の場合には、前記距
離の如何に拘わらず、前記内燃機関の駆動力指令値を増
加し、前記回転電気機械の駆動力指令値を低減するもの
である。
【0018】この発明によるハイブリッド車両の制御装
置によれば、浄化性能検出手段によって検出される浄化
性能代表値が所定値以下であると、現在位置より目的位
置までの距離の如何に拘わらず、前記内燃機関の駆動力
指令値を増加し、前記電動機の駆動力指令値を低減する
ことが行われ、内燃機関主体による走行駆動が行われる
ようになる。この結果、触媒コンバータ等の浄化手段の
早期活性化がなされる。
【0019】また、本発明によるハイブリッド車両の制
御方法は、車両の走行駆動を行う内燃機関と、車両の走
行駆動および前記内燃機関を動力源として発電を行う回
転電気機械と、前記回転電気機械の発電電力を蓄え、前
記回転電気機械に対して電力供給を行う二次電池とを有
し、車両走行に必要な駆動トルクおよび前記二次電池の
充電残量、目標充電量に応じて前記内燃機関の出力と前
記回転電気機械の出力を制御するハイブリッド車両の制
御方法において、現在位置検出手段によって車両の現在
位置を検出し、前記現在位置検出手段により検出された
現在位置より目的位置までの距離を算出し、当該距離が
予め設定された第1の所定値より少ない場合には、前記
距離が前記第1の所定値以上である場合に比べて前記二
次電池の目標充電量を増大し、前記距離が前記第1の所
定値より更に少ない第2の所定値より少ない場合には、
前記距離が前記第2の所定値以上である場合に比して前
記二次電池の目標充電量を低減するように制御するもの
である。
【0020】この発明によるハイブリッド車両の制御方
法によれば、現在位置より目的位置までの距離が第1の
所定値より少なくなると、この距離が第1の所定値以上
である場合に比べて二次電池の目標充電量を増大するこ
とが行われ、そして現在位置より目的位置までの距離が
第1の所定値より少ない第2の所定値より少なくなる
と、すなわち目的位置付近では、前記距離が第2の所定
値以上である場合に比して二次電池の目標充電量を低減
することが行われ、目的位置付近では、電動機である回
転電気機械主体による走行駆動が行われるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による制
御装置を組込まれたハイブリッド車両の主要構成を示し
ている。ハイブリッド車両は、内燃機関(エンジン)1
と、回転電気機械であるモータジェネレータ(以下MG
と云う)2とを有し、これらを動力源としてクラッチ
3、変速機4を介して車輪5に駆動力を伝達する。
【0022】車両全体の制御装置であるハイブリッド制
御装置(HCU)6は、キースイッチ7の信号(キース
イッチ信号)によりハイブリッド車両システムの起動お
よび停止を行い、アクセルペダル8、ブレーキペダル9
の操作信号、すなわち、アクセル開度信号、ブレーキ信
号に応じて車輪5に必要なトルクが与えられるように、
エンジン1の制御装置(ECU)10と、MG2を制御
するインバータによる電力変換部を含む電力制御装置1
1と、クラッチ3の各々に指令信号を出力する。
【0023】MG2は、二次電池であるバッテリ12を
電源としており、バッテリ12の電気エネルギを電力制
御装置11によって交流に変換して与えられることで、
電動機(モータ)として機能して駆動力を発生し、ベル
ト40を介してつながるエンジン1の始動を行うととも
に、クラッチ3を介して車輪5の駆動も行う。バッテリ
12は、MG2の電源であり、HCU6などの電源であ
る12Vバッテリとは別のもので、本実施の形態では4
2Vバッテリである。
【0024】MG2は、車輪5の運動エネルギあるいは
エンジン1の駆動力により回転駆動されることにより、
発電機として機能して発電を行う。MG2の発電電力は
電力制御装置11によって直流に変換されてバッテリ1
2に蓄えられる。これにより、MG2はバッテリ12の
充電を行う。
【0025】エンジン制御を行うECU10は、コンピ
ュータ式のものであり、クランク角センサ13よりクラ
ンク角信号を、エンジン冷却水温を検出する水温センサ
14より水温信号を、エンジン排気側に設けられている
排気側酸素濃度センサ15より酸素濃度信号を、エンジ
ン排気側に設けられている触媒コンバータ16の温度を
検出する触媒温度センサ17より触媒温度信号を入力す
る。
【0026】ECU10は、クランク角センサ13より
のクランク角信号より求められたエンジン回転数とHC
U6よりのトルク指令値より求めるスロットル弁18の
目標開度をスロットル開度制御装置19に指令し、換言
すれば、スロットル開度指令信号をスロットル開度制御
装置19へ出力して空気流量を制御し、水温センサ14
が検出するエンジン冷却水温や酸素濃度センサ15の検
出信号などに応じて補正された燃料噴射指令信号を燃料
噴射装置20へ出力し、該燃料噴射装置20による燃料
噴射時間を制御する。
【0027】燃料噴射装置20より噴射された燃料とス
ロットル弁18により流量を計量された空気とによる混
合気は、吸気弁21により開閉される吸気ポート22か
らシリンダ内の燃焼室23へ吸込まれ、点火装置24に
よって着火される。エンジン1は、混合気の爆発エネル
ギによってピストン25を動かし、車輪5やMG2を回
転駆動する。燃焼室23の燃焼ガスは、排気弁26によ
って開閉される排気ポート27から燃焼室22外に排出
され、触媒コンバータ16で浄化された後、大気中へ排
出される。
【0028】HCU6によるシステム動作モードには3
種類ある。 (エンジン始動モード)第一は、エンジン始動モードで
ある。電力制御装置11に対して最大のトルク指令値を
与えてMG2によってエンジン1のクランキングを行
い、エンジン回転数が900r/mになれば、ECU1
0に対する燃料噴射禁止指令値を解除し、エンジン1を
始動する。 (アイドル停止モード)第二は、アイドル停止モードで
ある。停車状態でブレーキペダル9が踏まれ、アクセル
ペダル8が離されて車輪5に駆動力を与える必要がない
場合には、エンジン1を停止し、燃料を消費しない。 (走行・発電モード)以上の2モードのいずれにも該当
しない場合が、第三のモードであり、走行・発電モード
として、走行状態、あるいは、停車状態でも、ブレーキ
ペダル9が離されると、エンジン1、MG2を動力源と
して走行あるいは発電を行う。
【0029】ハイブリッド車両はナビゲーション装置2
8を搭載している。ナビゲーション装置28は、アンテ
ナ29によってGPS衛星30よりの電波を受信し、受
信情報と、方位センサ31により検出される方位と、車
速センサ32により検出される車速と、CD−ROM3
3に入った地図情報とから現在位置を求め、入力部34
より目的位置(行き先)を入力し、表示器35に現在位
置が入った地図を表示すると共にスピーカ36による音
声出力で経路誘導をする。目的位置は、入力部34によ
りユーザサイドで自由に設定できるが、ここでは、自宅
位置等の車庫入れを行う位置とし、デフォルト値として
車庫証明されている自宅あるいは自宅近くの車庫位置を
設定することができる。
【0030】図2に示されているように、ナビゲーショ
ン装置28は、GPS衛星30より受信情報等より車両
の現在位置を検出する現在位置検出部37と、車両走行
の目的位置を記憶する目的位置記憶部38と、現在位置
検出部37によって検出された現在位置より目的位置記
憶部38に記憶された目的位置までの距離を算出する距
離計測部39と、車両が目的位置記憶部38に記憶され
た目的位置に向かっているか否かを判断する走行方位検
出部40とを含んでいる。なお、ナビゲーション装置2
8は、コンピュータ式のものであり、現在位置検出部3
7、距離計測部39、走行方位検出部40は、コンピュ
ータがコンピュータプログラムを実行することにより具
現される。
【0031】HCU6は、アクセル開度等に応じて算出
される車両走行に必要な駆動トルク、バッテリ12の目
標充電量、バッテリ12の充電残存量等に応じてエンジ
ン1とMG2の駆動トルク分配率を算出する駆動トルク
算出部41を有しており、駆動トルク分配率に基づく駆
動トルク指令信号をECU10と電力制御装置11の各
々に出力する。
【0032】バッテリ12の目標充電量はHCU6の目
標充電量設定部42によって設定される。HCU6は、
ナビゲーション装置28の距離計測部39より、現在位
置より目的位置記憶部38に記憶された目的位置までの
距離情報を入力し、この距離が予め設定された第1の所
定値、例えば、2Kmより少ないか否かの判別と、第1
の所定値より少ない第2の所定値、例えば、100mよ
り少ないか否かの判別を行い、現在位置より目的位置ま
での距離が2Km以下、100m以上であれば、その距
離が2Km以上である場合に比べて目標充電量設定部4
2に設定するバッテリ12の目標充電量を増大し、ま
た、その距離が100m以下であれば、その距離が2K
m以上である場合に比して目標充電量設定部42に設定
するバッテリ12の目標充電量を低減する。
【0033】例えば、目標充電量設定部42には、現在
位置より目的位置までの距離が2Km以上であれば、バ
ッテリ12の最大充電量の50%程度に相当する目標充
電量が設定され、現在位置より目的位置までの距離が2
Km以下、100m以上であれば、バッテリ12の最大
充電量の70%程度(最大充電量の概略半分以上)に相
当する目標充電量が設定され、現在位置より目的位置ま
での距離が100m以下であれば、バッテリ12の最大
充電量の30%程度に相当する目標充電量が設定され
る。
【0034】なお、例外事項として、ナビゲーション装
置28の走行方位検出部40によって車両が目的位置に
向かっていないと判断された場合には、現在位置より目
的位置までの距離の如何に拘わらず目標充電量を増大す
ることを禁止し、また、触媒温度センサ17によって検
出される触媒温度が所定値以下の場合には、現在位置よ
り目的位置までの距離の如何に拘わらず、且つ上述の走
行方位の判定による目標充電量増大禁止処理に凌駕して
目標充電量を増大する。
【0035】HCU6は、バッテリ12の目標充電量が
増大すると、エンジン1の駆動力指令値(駆動トルク指
令値)を増加してMG2の駆動力指令値(駆動トルク指
令値)を低減し、これとは反対に、バッテリ12の目標
充電量が低減すると、エンジン1の駆動力指令値を低減
してMG2の駆動力指令値を増加する。ECU10やイ
ンバータ11へ指令値を与えるHCU6に組み込まれる
ソフトウェアの実行により具現される制御処理を図3に
示されているフローチャートを参照して説明する。本処
理は、10ms毎に実行する。
【0036】まず、キースイッチ7およびアクセルペダ
ル8、ブレーキペダル9の操作信号を入力してノイズ除
去などの処理を行い、さらに、ECU10や電力制御装
置11に対してトルク指令、燃料噴射禁止指令などのデ
ータを送信し、電力制御装置11からはMG2の回転数
やバッテリ12の充電量のデータを、ECU10からは
エンジン回転数や触媒温度を、そしてナビゲーション装
置28からは現在位置、目的位置及び目的位置に近づく
進行方向かの情報を受信する(ステップ101)。
【0037】つぎに、キースイッチ7およびアクセルペ
ダル8、ブレーキペダル9の操作信号、エンジン回転数
に応じて前述した3つのシステム動作モードから実行す
る動作モードを選択する(ステップ102)。実行する
動作モードがエンジン始動モードであれば(ステップ1
03肯定)、エンジン始動制御を行う(ステップ10
4)。
【0038】エンジン始動モードでない場合には(ステ
ップ103否定)、触媒温度センサ17により検出され
る触媒温度が所定温度(例えば、300℃)以下、つま
り、触媒コンバータ16が活性していないかを判断する
(ステップ105)。触媒未活性であれば(ステップ1
05肯定)、バッテリ12の目標充電量を、高充電値、
例えば70%にし、エンジン暖機時の発電電力を受入れ
可能にする(ステップ106)。
【0039】これに対し、触媒が活性化していれば(ス
テップ105否定)、ナビゲーション装置28より受信
した情報により、車両が目的位置へ向けて走行している
かを判断する(ステップ107)。車両が目的位置へ向
けて走行していない場合には(ステップ107否定)、
バッテリ12の目標充電量を、通常値、例えば50%に
する(ステップ108)。
【0040】車両が目的位置へ向けて走行していれば
(ステップ107肯定)、つぎに、ナビゲーション装置
28より受信した現在位置と目的位置の差である距離が
第1の所定値(例えば、1Km)以下であるかを判断す
る(ステップ109)。現在位置より目的位置までの距
離が第1の所定値以下でなければ(ステップ109否
定)、バッテリ12の目標充電量を、通常値、例えば5
0%にする(ステップ108)。
【0041】これに対し、現在位置より目的位置までの
距離が第1の所定値以下であれば(ステップ109肯
定)、つぎに、ナビゲーション装置28より受信した現
在位置と目的位置の差である距離が第2の所定値(例え
ば、100m)以下であるかを判断する(ステップ11
0)。現在位置より目的位置までの距離が第1の所定値
以下であるが、第2の所定値以下でない場合には(ステ
ップS110否定)、バッテリ12の目標充電量を、高
充電値、例えば70%にする(ステップ106)。これ
に対し、現在位置より目的位置までの距離が第2の所定
値以下であれば、バッテリ12の目標充電量を、低充電
値、例えば30%にする(ステップS111)。
【0042】上述のようにバッテリ12の目標充電量が
設定されると、アクセル開度およびエンジン回転数から
目標駆動トルク(TO)を演算し、定められたた目標充
電量と電力制御装置11より受信した充電量に基づいて
分配率を算出し、目標駆動トルク(TO)をエンジン1
の目標駆動トルク(TEO)とMG2の目標駆動トルク
(TMO)とに配分する(ステップ112)。
【0043】つぎに、運転モードがアイドル停止モード
であるかの判断をする(ステップ113)。アイドル停
止モードであれば(ステップ113肯定)、アイドル停
止制御を行う(ステップS114)。これに対し、運転
モードがアイドル停止モードでなければ(ステップ11
3否定)、走行・発電制御を行う(ステップ115)。
【0044】上述の処理により、現在位置より目的位置
までの距離が2Km〜100mまでの間では、MG2に
よる発電によって充電量を増やすためにエンジン出力が
増加するが、エンジン出力増加が運転者に違和感を与え
ないように、エンジン出力増加の制御特性を設定する。
なお、MG2が複数あり、バッテリ12の容量も大きい
システムでは、第1の所定値、第2の所定値は大きくな
る。
【0045】第2の所定値は、MG2主体の走行にした
い場所で、運転者により操作されるスイッチをHCU6
に設け、可変設定できるようにしてもよい。この場合、
その第2の所定値に見合う第1の所定値も可変にしても
よい。以上の処理により、バッテリ12の充電量と、エ
ンジン1及びMG2の駆動力は、図4に示されているよ
うに制御される。ここで、破線で示す区間が目的位置に
おける停車期間である。
【0046】車両が目的位置に近づき、現在位置より目
的位置までの距離が第1の所定値以下になると、MG2
のトルクを負、すなわち発電して充電量を高くした後、
目的位置へ到着直前の第2の所定値以下になると、MG
2主体の走行になり、車庫入れ時などに騒音や排気を低
減できる効果が得られ、そして、充電量が低い状態で停
車する。再始動時、触媒コンバータ16が冷えている場
合には、排気ガス温度が上がるよう、MG2の発電をし
てエンジン1に負荷をかけることで、触媒コンバータ1
6を早期に活性化できる効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によるハイブリッド車両の制御装置および制御方法に
よれば、目的位置付近では、回転電気機械(電動機)主
体の走行になり、目的位置付近の走行及び車庫入れ時に
おける騒音や排気を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態としての制御装置を
組込んだハイブリッド車両の主要構成を示す図。
【図2】図1のハイブリッド車両の制御装置の一つの実
施の形態を示すブロック図。
【図3】図1のハイブリッド車両の制御装置におけるハ
イブリッド制御のフローチャート。
【図4】図1のハイブリッド車両の制御装置における充
電量とトルク指令のタイムチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 モータジェネレータ(MG) 5 車輪 6 ハイブリッド制御装置(HCU) 7 キースイッチ 8 アクセルペダル 9 ブレーキペダル 10 エンジンの制御装置(ECU) 11 電力制御装置 12 バッテリ 16 触媒コンバータ 17 触媒温度センサ 19 スロットル開度制御装置 20 燃料噴射装置 28 ナビゲーション装置 37 現在位置検出部 38 目的位置記憶部 39 距離計測部 40 走行方位検出部 41 駆動トルク算出部 42 目標充電量設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01C 21/00 G08G 1/0969 5H115 G08G 1/0969 H02J 7/00 P 5H180 H02J 7/00 B60K 9/00 E Fターム(参考) 2F029 AA02 AB01 AB07 AB09 AC01 AC02 AC04 3G092 AA01 AC02 AC03 BA01 BB04 CA02 CB05 DC03 DE01S EA01 EA02 EA11 EA14 FA14 FA15 HA06X HD02Z HD05X HE03Z HE08Z HF02X HF02Z HF08Z HF19Z HF26Z HG04Z 3G093 AA07 BA20 BA32 DB18 EA01 EB01 FB01 FB02 3G301 HA00 HA01 JA21 JA37 LA03 LB01 MA14 MA24 PA11A PD02A PD12Z PE08Z 5G003 AA07 BA01 CB09 DA07 FA06 GC05 5H115 PA05 PA13 PC06 PG04 PI16 PI24 PI29 PO02 PO06 PO09 PU08 PU22 PU23 PU25 PU29 PV09 QN03 RB21 RE03 RE05 RE06 RE14 SE04 SE05 SE06 SE09 TB01 TD01 TD20 TE02 TE07 TE08 5H180 AA01 FF04 FF05 FF22 FF25 FF27 FF32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行駆動を行う内燃機関と、車両
    の走行駆動を行う電動機と、該電動機に対して電力供給
    を行う二次電池とを有し、車両走行に必要な駆動トルク
    に応じて前記内燃機関の出力と前記電動機の出力を制御
    するハイブリッド車両の制御装置において、 車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、 車両走行の目的位置を記憶する目的位置記憶手段とを有
    し、 前記現在位置検出手段により検出された現在位置より前
    記目的位置記憶手段に記憶された目的位置までの距離を
    算出し、当該距離が予め設定された所定値より少ない場
    合には、前記距離が前記所定値以上である場合に比べて
    前記電動機の駆動力指令値を増加し、前記内燃機関の駆
    動力指令値を低減することを特徴とするハイブリッド車
    両の制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の走行駆動を行う内燃機関と、車両
    の走行駆動および前記内燃機関を動力源として発電を行
    う回転電気機械と、前記回転電気機械の発電電力を蓄
    え、前記回転電気機械に対して電力供給を行う二次電池
    とを有し、車両走行に必要な駆動トルクおよび前記二次
    電池の目標充電量に応じて前記内燃機関の出力と前記回
    転電気機械の出力を制御するハイブリッド車両の制御装
    置において、 車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、 車両走行の目的位置を記憶する目的位置記憶手段とを有
    し、 前記現在位置検出手段により検出された現在位置より前
    記目的位置記憶手段に記憶された目的位置までの距離を
    算出し、当該距離が予め設定された第1の所定値より少
    ない場合には、前記距離が前記第1の所定値以上である
    場合に比べて前記二次電池の目標充電量を増大するよう
    に制御することを特徴とするハイブリッド車両の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記距離が前記第1の所定値より少ない
    場合には、前記二次電池の目標充電量を前記二次電池の
    最大充電量の概略半分以上の値に設定することを特徴と
    する請求項2記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 車両が目的位置に向かっているか否かを
    判断する走行方位検出手段を有し、 前記走行方位検出手段によって車両が目的位置に向かっ
    ていないと判断された場合には、前記距離が前記第1の
    所定値より少なくても、前記二次電池の目標充電量を増
    大することを禁止することを特徴とする請求項2または
    3記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記距離が前記第1の所定値より少ない
    第2の所定値より少ない場合には、前記距離が前記第2
    の所定値以上である場合に比して前記二次電池の目標充
    電量を低減するように制御することを特徴とする請求項
    2〜4の何れか1項記載のハイブリッド車両の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記距離が前記第1の所定値より少ない
    第2の所定値より少ない場合には、前記距離が前記第2
    の所定値以上である場合に比して前記回転電気機械の駆
    動力指令値を増加し、前記内燃機関の駆動力指令値を低
    減することを特徴とする請求項5記載のハイブリッド車
    両の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記内燃機関より排出される排出物質を
    浄化する浄化手段の浄化性能を代表する値を検出する浄
    化性能検出手段を有し、 前記浄化性能検出手段によって検出される浄化性能代表
    値が所定値以下の場合には、前記距離の如何に拘わら
    ず、前記内燃機関の駆動力指令値を増加し、前記回転電
    気機械の駆動力指令値を低減することを特徴とする請求
    項2〜6の何れか1項記載のハイブリッド車両の制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記目的位置は自宅位置等の車庫入れ位
    置であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記
    載のハイブリッド車両の制御装置。
  9. 【請求項9】 車両の走行駆動を行う内燃機関と、車両
    の走行駆動および前記内燃機関を動力源として発電を行
    う回転電気機械と、前記回転電気機械の発電電力を蓄
    え、前記回転電気機械に対して電力供給を行う二次電池
    とを有し、車両走行に必要な駆動トルクおよび前記二次
    電池の充電残量、目標充電量に応じて前記内燃機関の出
    力と前記回転電気機械の出力を制御するハイブリッド車
    両の制御方法において、 現在位置検出手段によって車両の現在位置を検出し、前
    記現在位置検出手段により検出された現在位置より目的
    位置までの距離を算出し、当該距離が予め設定された第
    1の所定値より少ない場合には、前記距離が前記第1の
    所定値以上である場合に比べて前記二次電池の目標充電
    量を増大し、前記距離が前記第1の所定値より更に少な
    い第2の所定値より少ない場合には、前記距離が前記第
    2の所定値以上である場合に比して前記二次電池の目標
    充電量を低減するように制御することを特徴とするハイ
    ブリッド車両の制御方法。
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