JP2002359537A - 弾性表面波フィルタ、通信装置 - Google Patents
弾性表面波フィルタ、通信装置Info
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Abstract
た弾性表面波フィルタおよびそれを用いた通信装置を提
供する。 【解決手段】 3つのくし型電極部5、4、6を平衡−
不平衡変換機能を有するように設ける。平衡信号端子1
1、12をくし型電極部4に接続する。くし型電極部4
における、平衡信号端子11に接続された両端の電極指
15を、2つの電極指15a、15bに分離する。電極
指15bを隣り合う各くし型電極部5、6を介してアー
スに接続する。
Description
タ、特に平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィ
ルタおよびそれを有する通信装置に関する。
型化、軽量化に対する技術的進歩は目覚しいものがあ
る。これを実現するための手段として、各構成部品の削
減、小型化はもとより、複数の機能を複合した部品の開
発も進んできた。このような状況を背景に、携帯電話機
のRF段に使用する弾性表面波フィルタに平衡−不平衡
変換機能、いわゆるバラン(balun)の機能を有するもの
も近年盛んに研究され、GSM方式(Global System fo
r Mobile communications)などを中心に使用されるよう
になってきた。
平衡線路と同軸ケーブルのような不平衡線路とを直接接
続すると、不平衡電流が流れ給電線(フィーダ)自体が
アンテナとして動作してしまい望ましくないので、不平
衡電流を阻止し、平衡線路と不平衡線路とを整合する回
路をいう。
弾性表面波フィルタに関する特許も、幾つか出願されて
いる。入力インピーダンスと出力インピーダンスがほぼ
等しい、平衡−不平衡変換機能を備えた弾性表面波フィ
ルタとしては、図11に示すような、特開平6−204
781号公報に記載の構成が広く知られている。
電基板上に、くし型電極部(すだれ状電極部ともいう、
Inter-Digital Transducer、以下、IDTという)51
が設けられ、そのIDT51の左右(弾性表面波の伝搬
方向に沿った位置)に各IDT52、53が配置されて
いる。
は、これらの各IDT52、51、53を左右から挟み
込むように、弾性表面波を反射して変換効率を向上させ
るための各リフレクタ54、55がそれぞれ配置され、
また、IDT51にそれぞれ接続された各平衡信号端子
58、59、および、各IDT52、53に接続された
不平衡信号端子60が設けられている。
Tタイプの縦結合共振子型弾性表面波フィルタと呼ば
れ、各IDT52、51、53間での弾性表面波を用い
た変換により平衡−不平衡変換機能を有するものであ
る。
T51とIDT52とで互いに隣り合う部分の電極指
(図11では、電極指56の部分)、および、IDT5
1とIDT53とで互いに隣り合う部分の電極指(図1
1では、電極指57の部分)の数本の電極指のピッチ
を、他の電極指のピッチより狭く設定しており、さら
に、一方の、例えば電極指57側のIDT−IDT間隔
をその周りのIDTの波長の約0.5倍とすることで、
弾性表面波におけるバルク波として放出される成分によ
る損失を低減している。
するために、電極指の本数を少なく示している。また、
上記弾性表面波フィルタでは、通過帯域内のインピーダ
ンスの調整と通過帯域外の減衰量の確保のために、ID
T52およびIDT53と不平衡信号端子60との間
に、直列に2つの各弾性表面波共振子61、62が接続
されている。
来の弾性表面波フィルタでは、平衡信号端子58、59
間の平衡度が悪化するという問題を生じている。つま
り、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタ
では、不平衡信号端子と平衡信号端子のそれぞれの端子
との間の通過帯域内での伝送特性において、振幅特性が
等しく、かつ位相が180度反転していることが要求さ
れ、それぞれ平衡信号端子間の振幅平衡度及び位相平衡
度と呼んでいる。
不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタを3ポート
のデバイスと考え、例えば不平衡入力端子を第一ポー
ト、平衡出力端子のそれぞれを第二ポート、第三ポート
としたとき、振幅平衡度=|A|、A=|20log
(S21)|−|20log(S31)|、位相平衡度
=|B−180|、B=|∠S21−∠S31|にてそ
れぞれ定義される。なお、S21は第一ポートから第二
ポートへの伝達係数を、S31は第一ポートから第三ポ
ートへの伝達係数を示している。このような平衡信号端
子間の平衡度については、理想的には弾性表面波フィル
タの通過帯域内で振幅平衡度が0dB、位相平衡度が0
度とされている。
ては、平衡信号端子58、59間の平衡度が劣化してい
るという問題があった。
8、59間に中性点を備えず、同じIDT51の両極か
ら出力信号を出力するようになっている。このため、出
力用IDT51と、それに隣り合うIDT52、53と
の極性の関係が平衡度に影響する。
て、平衡−不平衡変換機能を発揮するために、IDT5
1の総電極指数が奇数本であるので、IDT51におけ
る、平衡信号端子58に接続された側の両端(弾性表面
波の伝搬方向に沿った両端)の電極指に対し、それぞ
れ、アースに接続された電極指が隣り合う一方、IDT
51における、平衡信号端子59に接続された側の両端
の電極指には、それぞれ、シグナルライン(平衡信号端
子58)に接続された電極指が隣り合う。
1における互いに対面している各電極指にそれぞれに隣
り合う電極指の極性が相異なるので、各平衡信号端子5
8、59間の平衡度が悪化するという問題を生じてい
る。
タの中心周波数が高く(大きく)なるほど大きくなる。
よって、DCS用、PCS用といった1.9GHz付近
が中心周波数となる弾性表面波フィルタでは、さらに十
分な平衡度が得られないという問題を生じている。
悪化の一因である上記の平衡信号端子間の差を是正する
ことで、平衡信号端子間の平衡度が良好な、平衡−不平
衡変換機能を有する弾性表面波フィルタを提供すること
にある。
ルタは、上記課題を解決するために、圧電基板上、電極
指を備えたIDTを、弾性表面波の伝搬方向に沿って、
複数有し、上記IDTに接続される、入力用および出力
用の少なくとも一方の平衡信号端子を有する弾性表面波
フィルタにおいて、前記平衡信号端子に接続された、少
なくとも一つのIDTにおける少なくとも一つの電極指
が、弾性表面波の伝搬路上にて分離されていることを特
徴としている。
課題を解決するために、圧電基板上に、電極指を備え
た、第1、第2および第3のIDTを、弾性表面波の伝
搬方向に沿って、第1のIDTを第2および第3のID
Tにて挟むように有し、上記IDTに接続される、入力
用および出力用の少なくとも一方の平衡信号端子を有す
る弾性表面波フィルタにおいて、前記平衡信号端子に接
続された、少なくとも一つのIDTの少なくとも一つの
電極指が、弾性表面波の伝搬路上にて分離されている構
成である。上記弾性表面波フィルタにおいては、分離さ
れた電極指がアースに接続されていることが好ましい。
を備えたIDTを弾性表面波の伝搬方向に沿って複数有
し、上記IDTに接続される入力用および出力用の少な
くとも一方の平衡信号端子を有することにより、フィル
タ機能と共に、平衡信号−不平衡信号間の変換機能を発
揮できる。
されたIDTの両端の各電極指にそれぞれ対面する、隣
り合う各IDTの電極指の一方がシグナルラインに、他
方がアースラインに接続されている。このことにより、
平衡信号端子にそれぞれ接続されたIDTにおける各電
極指は、一方がシグナルラインに、他方がアースライン
に対面するというように、周囲環境が相違していて、平
衡信号端子間の平衡度が劣化していた。
に接続された、少なくとも一つのIDTの少なくとも一
つの電極指が、弾性表面波の伝搬路上にて分離されてい
るので、例えば分離した上記電極指の一方をアースライ
ンに、分離しなかった他方をシグナルラインに接続でき
る。
に接続されたIDTにおける各電極指の周囲環境の相違
を従来より軽減できて、入力用および出力用の少なくと
も一方の平衡信号端子間での平衡度を改善できる。
された電極指がアースに接続されていてもよい。上記構
成によれば、シグナルラインに接続された平衡信号端子
間の平衡度の調整に対する効果を大きくできる。
子が少なくとも一つのIDTにそれぞれ接続されていて
もよい。上記弾性表面波フィルタにおいては、平衡信号
端子が第1のIDTに接続されていてもよい。上記構成
によれば、平衡度の調整に対する効果を大きくできる。
電極指は、交叉幅方向の略中央にて分離されていること
が好ましい。上記構成によれば、平衡度の調整をより確
実化できる。
に、直列および並列の少なくとも一方にて、弾性表面波
共振子が少なくとも一つ、IDTに接続されていてもよ
い。上記弾性表面波フィルタでは、平衡−不平衡変換機
能を有していてもよい。
なくとも1つ以上、直列および並列の少なくとも一方に
て接続したことによって、接続通過帯域外の減衰量を大
きくできる。
に、IDTにそれぞれ接続された、互いに隣り合うシグ
ナルライン間に、アースラインが挿入されていてもよ
い。上記構成によれば、アースラインを挿入することに
より、平衡度をより一層向上できる。
の弾性表面波フィルタを有することを特徴としている。
上記構成によれば、フィルタ機能と、優れた平衡信号−
不平衡信号間の変換機能とを備えた弾性表面波フィルタ
を有することにより、機能の複合化により小型化を図れ
ると共に、優れた変換機能により伝送特性を向上でき
る。
1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。図1に、本発明の実施の第一形態の構成を示す。な
お、以後の実施の各形態では、DCSの受信用フィルタ
を例にとって説明する。
40±5°YcutX伝搬LiTaO3 からなる圧電基
板20上に、縦結合共振子型の弾性表面波フィルタ1
と、上記弾性表面波フィルタ1に直列接続された弾性表
面波共振子2および弾性表面波共振子3とがフォトリソ
グラフィー法等により形成されたアルミニウム(Al)
電極により形成されている。弾性表面波フィルタ1、弾
性表面波共振子2および弾性表面波共振子3は、それぞ
れ、IDT(くし型電極部)およびリフレクタから構成
されている。
と、その基端部の一方の側部から上記基端部に対し直交
する方向に延びる複数の、互いに平行な帯状の電極指と
を備えた、くし歯状電極を2つ備えており、上記各くし
歯状電極の電極指の側部を互いに略平行に対面するよう
に互いの電極指間に入り組んだ状態にて上記各くし歯状
電極を有するものである。
幅、隣り合う各電極指の間隔、互いの電極指間での入り
組んだ状態の対面長さを示す交叉幅を、それぞれ設定す
ることにより信号変換特性や、通過帯域の設定が可能と
なっている。
面波を反射して、伝搬してきた方向に戻す機能を有して
いる。つまり、リフレクタは、一対の帯状の基端部(バ
スバー部)と、それらの基端部の一方の側部から、上記
基端部の長手方向に対し直交する方向に延びて、上記各
基端部を連結する、複数の、互いに平行な電極指とを圧
電基板上に備えている。
弾性表面波により励起され、その励起電気信号により発
生した弾性表面波により、進行してくる弾性表面波を相
殺すると共に、上記弾性表面波の伝搬方向と逆方向の新
たな弾性表面波を発生するように設定されている。よっ
て、リフレクタは、伝搬してくる弾性表面波を疑似的に
反射するようになっている。
を左右から(弾性表面波の伝搬方向に沿って)挟み込む
ように各IDT5、6が形成され、その両側に各リフレ
クタ7、8が形成されている。よって、各IDT4、
5、6や各リフレクタ7、8の電極指の長手方向は、弾
性表面波の伝搬方向に対しほぼ直交するように設定され
ている。
ら明らかなように、IDT4とIDT5との間(互いに
隣り合う部分)、およびIDT4とIDT6との間(互
いに隣り合う部分)の数本の電極指(狭ピッチ電極指)
のピッチを、IDTの他の部分よりも小さく設定してい
る(図1の9と10の箇所、波長λI2 )。
両極(一方の電極指と他方の電極指)にそれぞれ接続さ
れて設けられている。不平衡信号端子13が、IDT4
とIDT6とに接続されて設けられている。このような
IDT4の両極では、位相が互いに反転(つまり180
度相違)しているので、本実施の各形態においては、各
平衡信号端子11、12と、不平衡信号端子13との間
にて、平衡−不平衡変換機能を発揮することができる。
はシグナルライン18を介して、不平衡信号端子13と
各IDT5、6との間にて直列接続されている。よっ
て、平衡信号端子11は、シグナルライン18に近接し
て隣り合い、囲まれるように設定されている。ちなみに
図1では図を簡潔にするために電極指の本数を少なく示
している。
と、それを両側(弾性表面波の伝搬方向に沿って)から
挟むように配置された各リフレクタ2b、2cとを有し
ている。前記の弾性表面波共振子3は、IDT3aと、
それを両側から挟むように配置された各リフレクタ3
b、3cとを有している。
T4とIDT5に係る要部拡大図である図2にも示すよ
うに、IDT4における、平衡信号端子11に接続され
た、各IDT5、6と隣り合っている箇所の最外の各電
極指15が、弾性表面波の伝搬路上で、電極指15aと
電極指15bとにそれぞれ分離されている。分離された
各電極指15bは、各IDT5、6のアース側に接続さ
れている各バスバー部5a、6aにそれぞれ接続される
ことにより、アースと接続されている。
細な設計例を以下に示す。 交叉幅W: 電極指を分離しない部分(図2の5b):71.2λI
1 電極指を分離した部分(図2の4a):35.6λI1 IDT本数(5、4、6の順):21(4)/(4)3
5(4)/(4)21本(カッコ内はピッチを小さくし
た電極指の本数) IDT波長λI1 :2.18μm、IDTλI2 :1.
96μm リフレクタ波長λR:2.18μm リフレクタ本数:150本 IDT−IDT間隔:0.50λI2 波長λI1 と波長λI2 との電極指に挟まれた箇所の間
隔(図1の14):0.25λI1 +0.25λI2 波長λI2 の電極指に挟まれた箇所の間隔(図1の2
5):0.50λI2 IDT−リフレクタ間隔:0.460λR IDTduty: ピッチを狭くしていない部分:0.63 ピッチを狭くした部分:0.60 リフレクタduty:0.57 電極膜厚:0.09λR 上記の「間隔」とは、互いに隣り合う2本の電極指の、
幅方向での中心間距離のことである。
タの特徴は、アースに接続された電極指と隣り合い、平
衡信号端子11に接続された、中央のIDT4の両端に
それぞれ位置する電極指15を分離して、電極指15a
と電極指15bとを形成し、電極指15aを平衡信号端
子11に接続する一方、電極指15bをアースに接続し
ている点である。
用・効果について以下に説明すると、まず、図3に、実
施の第一形態の構成での、周波数に対する平衡信号端子
間の振幅平衡度のグラフ、図4に、交叉幅方向での分離
の比と位相平衡度とのグラフを示す。比較として、図1
1に示す、IDT51における、各IDT52、53に
隣り合っている両端の電極指を分離していない、従来例
の構成での振幅平衡度も図3に合わせてそれぞれ示す。
DCS−Rx(受信用)フィルタにおける通過帯域の周
波数範囲は1805MHz〜1880MHzである。
最大のずれは、従来例では3.2dBであるのに対し、
実施の第一形態では2.0dBである。よって、実施の
第一形態では、1.2dB、振幅平衡度が従来例より改
善されている。
の両端にそれぞれ位置する各電極指15の周囲環境の相
違が従来例より軽減されたからである。つまり、各ID
T5、6のアースに接続された電極指に隣り合ってい
る、IDT4における両端の電極指15を、弾性表面波
の伝搬路上で、電極指15の長手方向に沿って2つに分
離し、分離された各電極指15bを両側の各IDT5、
6を介してアースに接続している。これにより、平衡信
号端子11に接続された、IDT4の両端の各電極指1
5aは、IDT5、6の電極指5c、6bにそれぞれ対
面することになる一方、平衡信号端子12に接続された
IDT4の両端の各電極指4bは、IDT5、6に接続
された各電極指15bにそれぞれ対面することになる。
したがって、各電極指15aと、各電極指4bとは、そ
れぞれの電極指15a、電極指4bに隣り合う各電極指
との極性の関係(周囲環境)を同じにできるので、各平
衡信号端子11、12間の平衡度は改善されることにな
る。
る、交叉幅方向の最適値を調査した結果について説明す
る。調査の方法は、図1および図2の構成で、分離しな
い部分の交叉幅5bに対する、分離する部分の交叉幅4
aの割合(以後、交叉幅方向の分離の比)を順次変化さ
せていき、それに伴う通過帯域内での振幅平衡度の変化
を調べた。
1の場合を1とし、図1の場合を1/2として、交叉幅
方向の分離の比が1/4、1/2、3/4の場合につい
て、振幅平衡度を調査した。図4に交叉幅方向の分離の
比を変化させたときの振幅平衡度の値を示す。図4よ
り、交叉幅方向の分離の比を略0.5(1/2)とした
場合、すなわち、交叉幅方向に略中央の位置で電極指1
5を分離した場合に通過帯域内での振幅平衡度は最小と
なった。
衡度が改善したからである。つまり、中央のIDT4の
両端の電極指15を交叉幅方向における略中央の位置に
て分離し、分離された電極指15bをアースに接続した
ことにより、平衡信号端子11に接続される、IDT4
における両端の電極指15aと、平衡信号端子12に接
続される、IDT4における両端の電極指4bとに対
し、アースに接続された電極指5c、6b、電極指15
bが、それぞれ、全体の交叉幅の略半分で隣り合う。こ
のため、それぞれに隣り合う電極指との極性の関係が交
叉の重みも含めて同一となったことから、各平衡信号端
子11、12間の平衡度が改善される。
は、総電極指数が奇数本の、中央のIDT4の両極から
平衡信号を取り出す3IDT型縦結合共振子型の弾性表
面波フィルタにおいて、中央のIDT4の両端の電極指
15を、弾性表面波の伝搬路の交叉幅方向に略中央の位
置で分離し、分離された電極指15bをアースに接続す
ることにより、従来例より振幅平衡度を改善し、かつ、
平衡−不平衡変換機能を有する3IDT型縦結合共振子
型の弾性表面波フィルタが得られる。
共振子2、3を直列に接続した、3IDT型縦結合共振
子型の弾性表面波フィルタの中央部のIDT4から平衡
信号を得る構成にて説明したが、本発明は上記構成に限
らず、各平衡信号端子を有する、どのような構成の弾性
表面波フィルタにおいても同様な効果が得られる。
4、25を有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタ
の場合には、平衡信号端子11に接続されるIDT24
の両端の電極指24aが、IDT25の最外のアースに
接続された電極指25aおよびアースに接続されたリフ
レクタ7aと隣り合っているため、平衡信号端子11に
接続されたIDT24の両端の電極指24aを弾性表面
波の伝搬路上で分離し、分離された電極指24bをID
T25およびリフレクタ7aを介してアースに接続する
ことで従来よりも振幅平衡度を改善できる。
に接続されたIDT4の両端の電極指15が、両側でア
ースに接続された電極指5c等と隣り合う構成で説明し
たが、例えば図6に示すように、IDT34の両端の電
極指34a、34bが、一方の片側ではアースに接続さ
れた電極指35aと、他方の片側ではシグナルライン1
8に接続された電極指36aと、それぞれ隣り合ってい
る構成の弾性表面波フィルタにおいても、アースに接続
された電極指35aと隣り合っている側の電極指34a
のみを弾性表面波の伝搬路上で分離し、分離された電極
指34cをIDT35を介してアースに接続することに
より、従来例よりも周囲環境の差を軽減できて振幅平衡
度を改善できる。
T4の両極から平衡信号を取り出す構成により本発明を
説明したが、例えば図7に示すように、2つ以上のID
T37、38の両極から平衡信号を取り出す構成におい
ても、2つのIDT37、38のそれぞれの最外の電極
指37a、38aを弾性表面波の伝搬路上で分離し、分
離された電極指37b、38bをIDT39およびリフ
レクタ7a、8aを介してアースに接続することによ
り、従来例よりも周囲環境の差を軽減できて振幅平衡度
を改善できる。
波フィルタを、3IDTの縦結合共振子型の構成により
本発明を説明したが、例えば図8に示すように、4つ以
上のIDT41〜45を有する縦結合共振子型の弾性表
面波フィルタの場合にも、平衡信号を取り出すIDT4
2、44の両端の電極指42a、44aを弾性表面波の
伝搬路上で分離し、分離された電極指42b、44bを
IDT41、43、45のアース側バスバー部を介して
アースに接続することにより、従来より振幅平衡度を改
善できる。
を有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタにおい
て、平衡信号を取り出す、少なくとも一つのIDTの少
なくとも一つの最外の電極指を弾性表面波の伝搬路上で
分離し、分離された電極指をアースに接続することによ
り、平衡信号端子間の振幅平衡度を改善した弾性表面波
フィルタを実現できる。
て、図9に基づいて説明する。本実施の第二形態では、
上記実施の第一形態に記載の弾性表面波フィルタにおい
て、さらに、平衡信号端子11に接続されたシグナルラ
イン28と、不平衡信号端子13に接続されたシグナル
ライン18とが隣り合う間に、アースライン22が圧電
基板(図示せず)上に挿入されている。本実施の第二形
態では、各シグナルライン18、28間に生じる橋絡容
量を、アースライン22により低減できる。
果について説明する。まず、各シグナルライン18、2
8間にアースライン22を挿入すると、上記各シグナル
ライン18、28間に入る橋絡容量が、アースライン2
2により低減される。各シグナルラインが隣り合う間
に、ある位相角を有する橋絡容量が存在すると、平衡信
号端子11からの伝送特性と、平衡信号端子12からの
伝送特性において、上記橋絡容量の影響は全く逆にな
る。これにより、各平衡信号端子11、12間の平衡度
が上記橋絡容量の大きさに応じて悪化する。
接続された、IDT4の両端の電極指15を弾性表面波
の伝搬路上で分離し、分離された電極指15bをアース
に接続することに加えて、さらに各シグナルライン1
8、28の隣り合う間に、アースライン22を挿入する
ことにより、各平衡信号端子11、12間の平衡度をさ
らに改善することができる。
づき説明する。図10に示すように、上記通信装置10
0は、受信を行うレシーバ側(Rx側)として、アンテ
ナ101、アンテナ共用部/RFTopフィルタ10
2、アンプ103、Rx段間フィルタ104、ミキサ1
05、1stIFフィルタ106、ミキサ107、2n
dIFフィルタ108、1st+2ndローカルシンセ
サイザ111、TCXO(temperature compensated cr
ystal oscillator(温度補償型水晶発振器))112、
デバイダ113、ローカルフィルタ114を備えて構成
されている。
へは、図10に二本線で示したように、バランス性を確
保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
トランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ101
および上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ102
を共用するとともに、TxIFフィルタ121、ミキサ
122、Tx段間フィルタ123、アンプ124、カプ
ラ125、アイソレータ126、APC(automaticpow
er control (自動出力制御))127を備えて構成さ
れている。
1stIFフィルタ106、TxIFフィルタ121、
Tx段間フィルタ123には、上述した本実施の第一お
よび第二形態に記載の弾性表面波フィルタが好適に利用
できる。
ルタ機能と共に不平衡−平衡変換機能を備え、その上、
各平衡信号間の振幅特性や位相特性が理想により近いと
いう優れた特性を有するものである。
本発明の通信装置は、上記弾性表面波フィルタを用いた
ことにより、使用周波数帯域が大きくなるに伴い小型化
できると共に、平衡信号−不平衡信号間の優れた変換機
能により伝送特性を向上できるものとなっている。
ように、圧電基板上に弾性表面波の伝搬方向に沿って複
数のIDTを有し、平衡信号入力端子または平衡信号入
力出力端子を有する弾性表面波フィルタにおいて、前記
平衡信号端子に接続された、少なくとも一つのIDTの
少なくとも一つの電極指が、弾性表面波の伝搬路上にて
分離されている構成である。
続された、少なくとも一つのIDTの少なくとも一つの
電極指が、弾性表面波の伝搬路上にて分離されているの
で、分離された電極指の一方をアースラインに、他方の
基端側をシグナルラインに接続できる。
に、平衡信号端子に接続されたIDTの両端の電極指の
一方がシグナルラインに、他方がアースラインに体面し
て、平衡信号端子間の平衡度が悪化することを上記分離
により回避できて、上記平衡度を改善できるという効果
を奏する。
弾性表面波フィルタを有する構成である。
優れた平衡信号−不平衡信号間の変換機能とを備えた弾
性表面波フィルタを有するので、優れた変換機能により
伝送特性(通信特性)を向上できるという効果を奏す
る。
ルタの概略構成図である。
衡度の差を示すグラフである。
離の比に対する、振幅平衡度の変化を示すグラフであ
る。
図である。
成図である。
概略構成図である。
概略構成図である。
ルタの概略構成図である。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】圧電基板上に、電極指を備えたくし型電極
部を、弾性表面波の伝搬方向に沿って、複数有し、 上記くし型電極部に接続される、入力用および出力用の
少なくとも一方の平衡信号端子を有する弾性表面波フィ
ルタにおいて、 前記平衡信号端子に接続された、少なくとも一つのくし
型電極部における少なくとも一つの電極指が、弾性表面
波の伝搬路上にて分離されていることを特徴とする弾性
表面波フィルタ。 - 【請求項2】圧電基板上に、電極指を備えた、第1、第
2および第3のくし型電極部を、弾性表面波の伝搬方向
に沿って、第1のくし型電極部を第2および第3のくし
型電極部にて挟むように有し、 上記くし型電極部に接続される、入力用および出力用の
少なくとも一方の平衡信号端子を有する弾性表面波フィ
ルタにおいて、 前記平衡信号端子に接続された、少なくとも一つのくし
型電極部の少なくとも一つの電極指が、弾性表面波の伝
搬路上にて分離されていることを特徴とする弾性表面波
フィルタ。 - 【請求項3】請求項1記載の弾性表面波フィルタにおい
て、 分離された電極指がアースに接続されていることを特徴
とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項4】請求項2記載の弾性表面波フィルタにおい
て、 分離された電極指がアースに接続されていることを特徴
とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項5】請求項1または3に記載の弾性表面波フィ
ルタにおいて、 平衡信号端子が少なくとも一つのくし型電極部の両極に
それぞれ接続されていることを特徴とする弾性表面波フ
ィルタ。 - 【請求項6】請求項2または4に記載の弾性表面波フィ
ルタにおいて、 平衡信号端子が少なくとも一つのくし型電極部の両極に
接続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項7】請求項6記載の弾性表面波フィルタにおい
て、 平衡信号端子が第1のくし型電極部に接続されているこ
とを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項8】請求項1ないし7の何れかに記載の弾性表
面波フィルタにおいて、 分離された電極指は、交叉幅方向の略中央にて分離され
ていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項9】請求項1ないし8の何れかに記載の弾性表
面波フィルタにおいて、 直列、および並列の少なくとも一方にて、弾性表面波共
振子が少なくとも一つ、くし型電極部に接続されている
ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項10】請求項1ないし9の何れかに記載の弾性
表面波フィルタにおいて、 平衡−不平衡変換機能を有していることを特徴とする弾
性表面波フィルタ。 - 【請求項11】請求項1ないし10の何れかに記載の弾
性表面波フィルタにおいて、 くし型電極部にそれぞれ接続された、互いに隣り合うシ
グナルライン間に、アースラインが挿入されていること
を特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項12】請求項1ないし11の何れかに記載の弾
性表面波フィルタを有することを特徴とする通信装置。
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KR1020020019232A KR100609219B1 (ko) | 2001-04-09 | 2002-04-09 | 탄성표면파 장치 및 통신 장치 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1289136A2 (en) * | 2001-08-09 | 2003-03-05 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter and communication apparatus. |
US7283016B2 (en) | 2004-06-30 | 2007-10-16 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Balanced acoustic wave filter and acoustic wave filter |
WO2012160730A1 (ja) * | 2011-05-24 | 2012-11-29 | 株式会社村田製作所 | 弾性波フィルタ装置 |
JP2015119450A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 株式会社村田製作所 | 弾性表面波装置、通信装置 |
-
2001
- 2001-06-01 JP JP2001167364A patent/JP3478280B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
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EP1289136A2 (en) * | 2001-08-09 | 2003-03-05 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter and communication apparatus. |
EP1710912A2 (en) * | 2001-08-09 | 2006-10-11 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter and communication apparatus |
EP1710912A3 (en) * | 2001-08-09 | 2009-02-25 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave filter and communication apparatus |
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