JP2002359159A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

Info

Publication number
JP2002359159A
JP2002359159A JP2001165940A JP2001165940A JP2002359159A JP 2002359159 A JP2002359159 A JP 2002359159A JP 2001165940 A JP2001165940 A JP 2001165940A JP 2001165940 A JP2001165940 A JP 2001165940A JP 2002359159 A JP2002359159 A JP 2002359159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foil
solid electrolytic
electrolytic capacitor
porosity
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001165940A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Higuchi
和浩 樋口
Akihiro Inoue
明広 井上
Akio Ishii
明生 石井
Ichihiro Saegusa
一大 三枝
Kazuhiro Hatanaka
一裕 畑中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marcon Electronics Co Ltd
Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Marcon Electronics Co Ltd
Nippon Chemi Con Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marcon Electronics Co Ltd, Nippon Chemi Con Corp filed Critical Marcon Electronics Co Ltd
Priority to JP2001165940A priority Critical patent/JP2002359159A/ja
Priority to EP02730812A priority patent/EP1398805B1/en
Priority to US10/479,651 priority patent/US7099144B2/en
Priority to CNB028111435A priority patent/CN100423144C/zh
Priority to PCT/JP2002/005307 priority patent/WO2002097835A1/ja
Priority to TW91111736A priority patent/TWI264745B/zh
Publication of JP2002359159A publication Critical patent/JP2002359159A/ja
Priority to US11/294,903 priority patent/US7149075B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低ESR特性を有する固体電解コンデンサを
提供する。 【解決手段】 固体電解質を電解質として用い、コンデ
ンサ素子に用いられる陽極箔のエッチング後の空孔率を
51%以下、陰極箔のエッチング後の空孔率を44%以
下とすることにより、低ESR特性を有する固体電解コ
ンデンサを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質を電解
質として用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子情報機器はデジタル化され、
さらにこれらの電子情報機器の心臓部であるマイクロプ
ロセッサ(MPU)の駆動周波数の高速化がすすんでい
る。これに伴って、消費電力の増大化が進み、発熱によ
る信頼性の問題が顕在化し、対策として、駆動電圧の低
減化が図られてきた。ここで、マイクロプロセッサに高
精度な電力を供給する回路として、電圧制御モジュール
(VRM)と呼ばれるDC−DCコンバーターが広く使
用されており、その出力側コンデンサには電圧降下を防
ぐため直列等価抵抗(ESR)の低いコンデンサが多数
用いられている。この低ESR特性を有するコンデンサ
として、固体電解質を電解質として用いた固体電解コン
デンサが実用化され、これらの用途に合ったコンデンサ
として広く用いられている。
【0003】しかしながら、マイクロプロセッサの駆動
周波数の高速化は著しく、それに伴って消費電力が増大
し、それに対応するために電圧降下を防ぐためのコンデ
ンサからの供給電力の増大化が求められている。すなわ
ち、大きな電力を短時間で供給することができなければ
ならず、このために前記の固体電解コンデンサには大容
量化、小型化、低電圧化と共に、これまでよりもさらに
低いESR特性が要求される。
【0004】ここで、固体電解コンデンサについて説明
すると、アルミニウム,タンタル又はニオブなどの弁作
用金属箔にエッチングを施し表面積を拡大した後、陽極
酸化皮膜を形成した陽極箔と、アルミニウム,タンタル
又はニオブなどの弁作用金属箔にエッチングを施して陰
極箔を形成する。この陽極箔と陰極箔の間にクラフト
紙、マニラ紙、ガラスセパレータまたはビニロン、ポリ
エステル繊維などの合成繊維からなる不織布などのセパ
レータを介在し、前記陽極箔及び前記陰極箔の任意な箇
所に陽極引出端子及び陰極引出端子をそれぞれ取着した
状態で巻回しコンデンサ素子を形成する。このコンデン
サ素子に固体電解質を形成して、金属ケース内に収納
し、金属ケース開口部をエポキシ樹脂などからなる封口
樹脂にて密閉、または封口ゴムを挿入、加締め加工によ
って密閉してなるものである。
【0005】上記構成による固体電解コンデンサは、電
解質として従来の比抵抗が100Ω−cmオーダーの電
解液に比べて10数Ω−cm以下の低い比抵抗を有する
固体電解質を用いているので、前述したようにESR特
性の優れたコンデンサである。
【0006】ところで、この固体電解質としては、従来
より比抵抗が数Ω−cmの二酸化マンガンが用いられ、
その後、比抵抗が1Ω−cm以下のTCNQ錯体、ポリ
ピロール、チオフェン誘電体の重合体等を用いた固体電
解コンデンサが実用化されてきたが、MPUの駆動周波
数のさらなる高速化が進む中で、さらなる小型、大容量
を有し、かつさらなる低ESRなコンデンサが求められ
ている。発明者等の研究によれば、そうした固体電解コ
ンデンサでは、電解質の比抵抗が低いのにも関わらず、
コンデンサのESR低減の効果は十分なものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、固体電
解質の低比抵抗化による改善だけではコンデンサのES
Rを低減するには限界があり、さらなるESRの低減は
難しいといった問題があった。
【0008】本発明は、上記の問題を解決するために成
されたものであり、比抵抗の低い固体電解質を用いた固
体電解コンデンサにおいて、さらなる低ESRを実現し
た固体電解コンデンサを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、発明者が鋭意検討した結果、コンデンサ素子の電
極箔に用いられるエッチング箔の空孔率の最適化を図る
ことによりコンデンサ素子の電解箔が持つ固有抵抗値を
低減し、固体電解コンデンサのさらなるESRの低減が
可能であることを見いだした。
【0010】すなわち、コンデンサ素子に固体電解質を
形成して成る固体電解コンデンサにおいて、前記コンデ
ンサ素子の陽極箔に用いられるエッチング箔として、空
孔率が51%以下のエッチング箔を用いる。このエッチ
ング箔を化成、すなわち陽極酸化して本発明の陽極箔を
得ることができる。このようにエッチング箔の空孔率を
51%以下とすることによって、陽極箔の導電部分が増
大して陽極箔の抵抗分が低減し、低比抵抗の固体電解質
とあいまって、これまでにない低ESR特性を有する固
体電解コンデンサを実現することができるが、空孔率が
51%を越えると抵抗分が増大して所望のESR特性を
得ることができない。さらに、空孔率が20%以上であ
ると、高容量を得ることができるので好適である。ここ
で、エッチング箔の空孔率とはエッチング箔の空孔容積
を見かけのエッチング箔体積により除することにより算
出した値をいう。
【0011】さらに、前記の固体電解コンデンサにおい
て、陽極箔の箔厚が70μm以上であると陽極箔の抵抗
分が低減してESRが低減し、180μm以下であると
小型化を図ることができるので箔厚は70〜180μm
であることが好ましい。
【0012】また、コンデンサ素子に固体電解質を形成
して成る固体電解コンデンサにおいて、前記コンデンサ
素子の陰極箔に用いられるエッチング箔として、空孔率
が44%以下のエッチング箔を用いる。エッチング箔の
空孔率を44%以下とすることにより陰極箔の抵抗分が
低減し、低比抵抗の有機半導体とあいまって、これまで
にない低ESR特性を有する固体電解コンデンサを実現
することができるが、空孔率が44%を越えると抵抗分
が増大して所望のESR特性を得ることができない。さ
らに、空孔率が10%以上であると、高容量を得ること
ができるので好適である。
【0013】さらに、前記の固体電解コンデンサにおい
て、陰極箔の箔厚が50〜180μmの範囲にあると、
ESRがさらに低減し、小型化をも図ることができるの
で好ましい。
【0014】さらに、前記の電極箔を巻回して構成され
る固体電解コンデンサにおいては、コンデンサの電極箔
が長く本質的に電極箔自体による抵抗分が大きいので、
コンデンサ全体のESRの低減効果は極めて大きくな
る。
【0015】ここで、固体電解質としてTCNQ錯体を
用いると近年要求されているESRが5〜8mΩの低E
SRを実現することができる。
【0016】また、(化1)で示されるチオフェン誘電
体の重合体を用いると、ESRはTCNQ錯体と同等以
上の特性が得られ、さらにコンデンサの耐熱特性が向上
するので好適である。なかでも反応性、電気特性の良好
な3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
【化1】 ここで、XはOまたはS、XがOのとき、Aはアルキレ
ン、またはポリオキシアルキレン、Xの少なくとも一方
がSのとき、Aはアルキレン、ポリオキシアルキレン、
置換アルキレン、置換ポリオキシアルキレン、ここで、
置換基はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基であ
る。
【0017】また、固体電解質として二酸化マンガンを
用いると、耐熱特性が向上するので好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】さらに、具体的に本発明の実施の
形態について説明する。アルミニウム箔を塩酸水溶液等
からなるエッチング液中で交流エッチングで粗面化し、
空孔率を51%以下とする。さらに誘電体皮膜を形成す
るためにリン酸水溶液等からなる化成液中で化成を施
し、陽極箔を作製する。このようにエッチング箔の空孔
率を51%以下、好ましくは43%以下、さらに好まし
くは37%以下とすることにより陽極箔の導電部分が増
大して抵抗分が低減するので、固体電解コンデンサのE
SRが低減する。このように本発明においては、空孔率
を低減させることにより電極箔の導電部分を増大させて
ESRの低減を図っているので、エッチングピットの深
さ寸法や面積比率などの状態にかかわらず、例えばエッ
チング箔の両面のエッチングピットの深さが異なるよう
な状態でも、本発明の効果が減ずることはない。さらに
最大限の容量体積効率を確保するために、空孔率が20
%以上であると、エッチング面積が増大して高容量を得
ることができるので好適である。
【0019】さらに、陽極箔の箔厚が70μm以上、好
ましくは90μm以上であると陽極箔の抵抗分が低減し
てESRが低減し、180μm以下、好ましくは150
μmあるとコンデンサの体積効率が向上して、小型化を
図ることができるので箔厚は70〜180μm、さらに
90〜150μmであることが好ましい。
【0020】また、アルミニウム箔を陽極箔と同様に交
流エッチングあるいは化学エッチングで粗面化し、空孔
率を44%以下、好ましくは35%以下、さらに好まし
くは26%以下とすることにより陰極箔を作製する。こ
のようにすることで、陰極箔の抵抗分が低減し、固体電
解コンデンサのESRが低減する。さらに最大限の容量
体積効率を確保するために、空孔率が10%以上である
と、エッチング面積が増大して高容量を得ることができ
るので好適である。さらに、陰極箔の箔厚が50〜18
0μm、好ましくは70〜150μm、さらに好ましく
は70〜100μmの範囲にあると、ESRが一層低減
し、小型化を図ることができるので好ましい。
【0021】また、陰極箔に0.1〜10V、好ましく
は0.3〜5Vの化成皮膜を形成すると、ESRが低減
し、高温寿命特性が向上するので好適である。
【0022】また、陰極箔の表面に窒化チタンやチタン
などの酸化性の低い金属化合物や金属からなる層を形成
すると静電容量が増大するので好ましい。ここで、陰極
箔に化成皮膜を形成し、この化成皮膜の上に前記の酸化
性の低い金属や金属化合物からなる層を形成するとさら
に好ましい。
【0023】以上の陽極箔と陰極箔に陽極引出端子,陰
極引出端子を取着し、セパレータを介して巻回する。そ
の後、化成液中にて電圧を印加し、これまでの工程で損
傷した誘電体酸化皮膜を修復する。ここで前述した本発
明の陽極箔と従来の陰極箔、従来の陽極箔と本発明の陰
極箔を用いて、本発明の効果を得ることができるが、本
発明の陽極箔と陰極箔の双方を用いることによって、最
大の効果を得ることができる。
【0024】ここで、セパレータとしては、マニラ紙、
クラフト紙、ガラスセパレータなど、またはビニロン、
ポリエステルなどの合成繊維からなる不織布、さらには
多孔質セパレータを用いることができる。
【0025】なお、電極箔に引出端子を取着する際、本
発明の導電部分が増大した電極箔を用いると、電極箔と
引出端子の接合部分の接触抵抗が下がり、固体電解コン
デンサのESRはさらに低減する。
【0026】ついで、固体電解質としてTCNQ錯体を
用いる場合について説明する。アルミニウムからなる円
筒形の金属ケースにTCNQ錯体を入れて、加熱した平
面ヒーター上に乗せて、TCNQ錯体を溶融液化させ
る。そこに予備加熱させた前記コンデンサ素子を含浸
し、金属ケースを冷却水に浸してTCNQ錯体を冷却固
化させる。さらに、ケース内にエポキシ樹脂を注入し高
温雰囲気中で加熱硬化させ、しかる後、加熱電圧印加し
エージングを行って固体電解コンデンサを作製する。
【0027】また、固体電解質として3,4−エチレン
ジオキシチオフェン(EDT)の重合体であるポリ−
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)
を用いる場合は、コンデンサ素子をEDTと酸化剤と所
定の溶媒とを混合して調製した混合液に浸漬し、コンデ
ンサ素子内でEDTの重合反応を発生させ、PEDTか
らなる固体電解質層を形成する。そして、このコンデン
サ素子を金属ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを挿
入、加締め加工で封口して、固体電解コンデンサを完成
する。
【0028】前記のEDTとしては、EDTモノマーを
用いることができるが、EDTと揮発性溶媒とを1:0
〜1:3の体積比で混合したモノマー溶液を用いること
もできる。前記揮発性溶媒としては、ペンタン等の炭化
水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチ
ル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール
等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等を
用いることができるが、なかでも、メタノール、エタノ
ール、アセトン等が好ましい。また、酸化剤としては、
ブタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、
過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることがで
き、酸化剤の溶媒に対する濃度は40〜55wt%が好
ましい。この範囲未満ではESRが上昇し、この範囲を
越えると静電容量が低下する。
【0029】EDTと酸化剤(溶媒を含まず)の混合比
は、重量比で1:0.9〜1:2.2の範囲が好適であ
り、1:1.3〜1:2.0の範囲がより好適である。
この範囲外ではESRが上昇する。その理由は、以下の
通りであると考えられる。すなわち、モノマーに対する
酸化剤の量が多過ぎると、相対的に含浸されるモノマー
の量が低下するので、形成されるPEDTの量が低下し
てESRが上昇する。一方、酸化剤の量が少なすぎる
と、モノマーを重合するのに必要な酸化剤が不足して、
形成されるPEDTの量が低下してESRが上昇する。
【0030】ここで説明したEDTと他にも重合性モノ
マーを用いることができる。重合性モノマーとしては、
アニリン、ピロール、フラン、アセチレンまたはそれら
の誘導体であって、所定の酸化剤により酸化重合され、
導電性ポリマーを形成するものであれば適用することが
できる。
【0031】また、固体電解質として無機電解質として
二酸化マンガンを用いる場合は、コンデンサ素子を硝酸
マンガン水溶液中に浸漬した後、300〜400℃で熱
処理する。その後に再度化成液中で電圧印加し、熱処理
中に損傷した誘電体皮膜の修復化成を行う。この硝酸マ
ンガン水溶液浸漬、熱処理、修復化成を数回繰り返す。
最後に400〜500℃で熱処理を行い、再度修復化成
を行う。このようにして固体電解質としての二酸化マン
ガンを形成したコンデンサ素子を外装ケースに収納し、
エポキシ樹脂を注入し加熱硬化させて密閉して、固体電
解コンデンサを形成する。また、このような無機電解質
として二酸化鉛等を用いることもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の固体電解コンデンサについて
具体的な実施例を述べる。 (実施例1)固体電解質としてTCNQ錯体を用いた実
施例について説明する。アルミニウム箔を交流エッチン
グにより粗面化し、さらに誘電体酸化皮膜を形成するた
めの化成を施し、本発明の陽極箔を作製する。また、ア
ルミニウム箔を同じく交流エッチングにより粗面化し、
表面に化成皮膜を形成して陰極箔を作製する。この陽極
箔と陰極箔の間にマニラ紙からなるセパレータを介在
し、任意な箇所にそれぞれ陽極引出端子,陰極引出端子
を取着して巻回する。その後、化成液中にて電圧を印加
し、巻回により損傷した誘電体酸化皮膜を修復化成す
る。
【0033】一方において、アルミニウムからなる円筒
形の金属ケースにTCNQ錯体を入れて、約280℃に
加熱した平面ヒーター上に乗せて、TCNQ錯体を溶融
液化させる。そこに約300℃に予備加熱させた前記コ
ンデンサ素子を含浸し、即座に金属ケースを冷却水に浸
してTCNQ錯体を冷却固化させる。さらに、ケース内
にエポキシ樹脂を必要量注入し高温雰囲気中で加熱硬化
させ、しかる後、125℃中で端子間に定格電圧を1時
間印加しエージングを行って10φ×10Lの固体電解
コンデンサとした。
【0034】(実施例1−1)ここで、このようにして
形成する固体電解コンデンサにおいて、陽極箔として厚
さが100μm、エッチング後の空孔率が26%である
箔、陰極箔として厚さが85μm、エッチング後の空孔
率が19%である箔を用いて、実施例1−1とした。
【0035】(実施例1−2)また、陽極箔として厚さ
が100μm、エッチング後の空孔率が46%である
箔、陰極箔として厚さが50μm、エッチング後の空孔
率が39%である箔を用いて、実施例1−2とした。
【0036】(実施例1−3)また、陽極箔として厚さ
が100μm、エッチング後の空孔率が33%である箔
を用いた他は、実施例1−2と同様の手段により固体電
解コンデンサを作製し、実施例1−3とした。
【0037】(実施例1−4)また、陽極箔として厚さ
が100μm、エッチング後の空孔率が52%である
箔、陰極箔として厚さが75μm、エッチング後の空孔
率が22%である箔を用いて、実施例1−4とした。
【0038】(従来例1)また、陽極箔として厚さが1
00μm、エッチング後の空孔率が52%である箔、陰
極箔として厚さが50μm、エッチング後の空孔率が3
9%である箔を用いて、従来例とした。
【0039】陽極箔の箔抵抗と、実施例1−1〜1−4
及び従来例による固体電解コンデンサのESRを比較し
たのが、(表1)である。
【0040】
【表1】
【0041】(表1)よりわかるように、本発明の陽極
箔を用いた実施例1−2、1−3、本発明の陰極箔を用
いた実施例1−4は従来例に比べてESRは低減してい
る。さらに、空孔率が26%の陽極箔と19%の陰極箔
を用いた実施例1−1では5.8mΩまでに低減してお
り、従来にない低ESRを実現している。また、空孔率
が33%の陽極箔を用いた実施例1−3は46%の陽極
箔を用いた実施例1−2よりESRは低減されている。
【0042】また、空孔率が従来例の52%から実施例
の26〜46%と小さくなることによって、箔抵抗は2
31mΩ/mから75〜153mΩ/mへと低減してお
り、電極箔の導電部分が増大して抵抗分が低減している
ことがわかる。
【0043】また、比較例として、実施例1−1と同様
にしてコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に
低比抵抗特性を有する電解液を含浸して電解コンデンサ
を形成した。用いた電解液はγ−ブチロラクトン75
部、フタル酸エチル−ジメチル−イミダゾリニウム25
部である。得られたESRは52mΩと高い値を示して
おり、本発明の電極箔を用いても電解質として低比抵抗
特性を有する固体電解質を用いなければ本発明の効果が
えられないことが判明した。
【0044】(実施例2)次に、固体電解質としてPE
DTを用いた実施例を説明する。セパレータとして、ビ
ニロン繊維からなる不織布を用い、陰極箔には化成皮膜
の上に窒化チタンからなる層を形成し、その他は実施例
1と同様にコンデンサ素子を形成して、修復化成を行っ
た。そして、固体電解質の形成を以下のように行った。
カップ状の容器に、EDTと45%のパラトルエンスル
ホン酸第二鉄のブタノール溶液を、その重量比が1:
0.8となるように注入し、混合液を調製した。そし
て、コンデンサ素子を上記混合液に10秒間浸漬した。
そして、120℃で1時間加熱して、コンデンサ素子内
でPEDTの重合反応を発生させ、固体電解質層を形成
した。そして、このコンデンサ素子を有底筒状のアルミ
ニウムケースに挿入し、開口部を絞り加工によってゴム
封口してエージングを行い、10φ×10Lの固体電解
コンデンサを作成した。ここで、実施例1と同様の電極
箔を用いた固体電解コンデンサを作成し、実施例3−1
〜3−4及び従来例3とした。これらの固体電解コンデ
ンサのESRを比較したのが、(表2)である。
【0045】
【表2】
【0046】(表2)よりわかるように、実施例2にお
いて実施例1と同様の結果を示しており本発明の効果が
明らかである。
【0047】(実施例3)次いで、コンデンササイズが
6.3φ×6Lの表面実装用チップタイプの固体電解コ
ンデンサを作成した。実施例1と同様にして作成した固
体電解コンデンサを実施例3−1、3−2、従来例3−
1とし、実施例2と同様にして作成した固体電解コンデ
ンサを実施例3−3〜3−6、従来例3−2とした。用
いた電極箔の空孔率と箔厚、そしてこれらの固体電解コ
ンデンサのESRを示したのが、(表3)である。
【0048】
【表3】
【0049】(表3)からわかるように、実施例3のチ
ップタイプの固体電解コンデンサにおいても、実施例
1、2と同様の結果を示している。さらに空孔率が26
%の陽極箔と空孔率が19%の陰極箔を用いた実施例3
−1、3−3は従来例3−1、3−2に比べて、ESR
はそれぞれ5.8mΩ、5.4mΩも低減しており、本
発明の効果は大きなものとなっている。また固体電解質
としてPEDTを用いた実施例3−3は、TCNQ錯体
を用いた実施例3−1より3.6mΩ低減しており、チ
ップタイプの固体電解コンデンサとしては従来にない低
ESR特性を実現している。さらに、固体電解質として
PEDTを用いた実施例3−3〜3−6の固体電解コン
デンサについてピーク温度、250℃の鉛フリーリフロ
ー試験をおこなったところ、静電容量、ESRの変動は
なく、鉛フリーリフローに対応可能であるとことが明ら
かとなった。
【0050】(実施例4)次に、固体電解質として二酸
化マンガンを用いた実施例を説明する。コンデンサ素子
を40%硝酸マンガン水溶液中に浸漬した後、350℃
で熱処理する。その後に再度化成液中で電圧印加し、熱
処理中に損傷した誘電体皮膜の修復化成を行う。この硝
酸マンガン水溶液浸漬、熱処理、修復化成を数回繰り返
す。最後に450℃で熱処理を行い、再度修復化成を行
う。このようにして固体電解質としての二酸化マンガン
を形成したコンデンサ素子を外装ケースに収納し、エポ
キシ樹脂を注入し加熱硬化させて密閉して、10φ×1
0L固体電解コンデンサを形成した。ここで、実施例1
と同様の電極箔を用い、実施例4−1、4−2及び従来
例4とした。用いた電極箔の空孔率と箔厚、そしてこれ
らの固体電解コンデンサのESRを示したのが、(表
4)である。
【0051】
【表4】
【0052】(表4)よりわかるように、実施例4にお
いて実施例1と同様の結果を示しており本発明の効果が
明らかである。
【0053】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、エッチング条件,化成条件などの固体電解
コンデンサの製造条件については、適宜選択可能であ
る。また、特に巻回型の固体電解コンデンサに限らず、
積層形などにも応用可能である。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、固
体電解質を電解質として用いた固体電解コンデンサにお
いて、コンデンサ素子に用いられる陽極箔のエッチング
後の空孔率を51%以下、陰極箔のエッチング後の空孔
率を44%以下とすることにより、これまでにない低E
SR特性を有する固体電解コンデンサを実現することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 明生 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 (72)発明者 三枝 一大 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 (72)発明者 畑中 一裕 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質を形成したコンデンサ素子を
    用いた固体電解コンデンサにおいて、前記コンデンサ素
    子の陽極箔に用いられるエッチング箔の空孔率が51%
    以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 固体電解質を形成したコンデンサ素子を
    用いた固体電解コンデンサにおいて、前記コンデンサ素
    子の陰極箔に用いられるエッチング箔の空孔率が44%
    以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記空孔率が20%以上であることを特
    徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記空孔率が10%以上であることを特
    徴とする請求項2記載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陽極箔の箔厚が70〜180μmである
    ことを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 陰極箔の箔厚が50〜180μmである
    ことを特徴とする請求項2記載の固体電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 コンデンサ素子が、陽極箔と陰極箔それ
    ぞれの任意な箇所に引出端子を取着し、前記陽極箔と前
    記陰極箔間にセパレータを介して巻回して成ることを特
    徴とする請求項1乃至6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 固体電解質としてTCNQ錯体を用いた
    請求項1乃至7記載の固体電解コンデンサ。
  9. 【請求項9】 固体電解質としてチオフェン誘電体の重
    合体を用いた請求項1乃至7記載の固体電解コンデン
    サ。
  10. 【請求項10】 チオフェン誘電体が3,4−エチレン
    ジオキシチオフェンである請求項9記載の固体電解コン
    デンサ。
  11. 【請求項11】 固体電解質として二酸化マンガンを用
    いた請求項1乃至7記載の固体電解コンデンサ。
JP2001165940A 2001-05-31 2001-05-31 固体電解コンデンサ Pending JP2002359159A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001165940A JP2002359159A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 固体電解コンデンサ
EP02730812A EP1398805B1 (en) 2001-05-31 2002-05-30 Solid electrolytic capacitor
US10/479,651 US7099144B2 (en) 2001-05-31 2002-05-30 Solid electrolytic capacitor
CNB028111435A CN100423144C (zh) 2001-05-31 2002-05-30 固体电解电容器
PCT/JP2002/005307 WO2002097835A1 (fr) 2001-05-31 2002-05-30 Condensateur electrolytique solide
TW91111736A TWI264745B (en) 2001-05-31 2002-05-31 Solid electrolytic capacitor
US11/294,903 US7149075B2 (en) 2001-05-31 2005-12-05 Solid electrolytic capacitor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001165940A JP2002359159A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 固体電解コンデンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002359159A true JP2002359159A (ja) 2002-12-13

Family

ID=19008551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001165940A Pending JP2002359159A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 固体電解コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002359159A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7459353B2 (en) 2005-03-18 2008-12-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Methods of laterally forming single crystalline thin film regions from seed layers
JP2010087215A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH054456U (ja) * 1991-06-29 1993-01-22 日本ケミコン株式会社 電解コンデンサ
JPH09293639A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JPH1126320A (ja) * 1997-07-02 1999-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルミニウム電解コンデンサ用電極箔およびアルミニウム電解コンデンサ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH054456U (ja) * 1991-06-29 1993-01-22 日本ケミコン株式会社 電解コンデンサ
JPH09293639A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JPH1126320A (ja) * 1997-07-02 1999-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルミニウム電解コンデンサ用電極箔およびアルミニウム電解コンデンサ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7459353B2 (en) 2005-03-18 2008-12-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Methods of laterally forming single crystalline thin film regions from seed layers
JP2010087215A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7149075B2 (en) Solid electrolytic capacitor
JP4529687B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2002359159A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4774664B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4821818B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4780893B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP4164911B2 (ja) 固体電解コンデンサとその製造方法
JP2003297684A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4442361B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003059776A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4720076B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5015382B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003059769A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2006108160A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4608865B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4982027B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4529403B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003059768A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4314938B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003109865A (ja) 固体電解コンデンサ
TWI264745B (en) Solid electrolytic capacitor
JP2005109079A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2005085911A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003109866A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2004128047A (ja) 固体電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050715

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110803