JP2002358824A - 透明導電膜形成用ペーストとそれを用いた透明導電膜及びその製造方法 - Google Patents

透明導電膜形成用ペーストとそれを用いた透明導電膜及びその製造方法

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JP2002358824A JP2001239160A JP2001239160A JP2002358824A JP 2002358824 A JP2002358824 A JP 2002358824A JP 2001239160 A JP2001239160 A JP 2001239160A JP 2001239160 A JP2001239160 A JP 2001239160A JP 2002358824 A JP2002358824 A JP 2002358824A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に短工程、低コストで、非常に微細なパ
ターン化された透明導電膜を形成することのできる透明
導電膜形成用ペースト、パターン化された透明導電膜お
よびその製造方法を提供するものであり、特にスクリー
ン印刷によるパターン化された透明導電膜の形成に好適
に用いられる透明導電膜形成用ペーストとそれを用いた
透明導電膜及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の透明導電膜形成用ペーストは、
インジウム及び錫を含む化合物と有機酸とから生成した
ヒドロキシ化合物に有機配位子が配位したキレート錯体
と、バインダーと、溶剤とを含有したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電膜形成用ペ
ーストとそれを用いた透明導電膜及びその製造方法に関
し、更に詳しくは、基板上に微細なパターンを形成する
ことが可能な透明導電膜形成用ペースト、微細なパター
ンが形成された透明導電膜、および該透明導電膜の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透明導電膜として代表的なアンチ
モンドープ酸化錫(ATO)または錫ドープ酸化インジ
ウム(ITO)は、プラズマディスプレイパネル(PD
P)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネ
ッセンス(EL)ディスプレイ等の各種ディスプレイの
表示素子電極やタッチパネルの電極等に利用されてい
る。これらディスプレイの表示素子電極やタッチパネル
の電極等に使用されるITOからなるパターン化された
透明導電膜は、真空蒸着法、スパッタリング法により均
一膜を形成した後、フォトレジストによるレジストパタ
ーンを形成し、酸エッチングすることにより形成されて
きた。
【0003】しかしながら、真空蒸着法やスパッタリン
グ法は、装置が複雑かつ高価であることから製造コスト
が高く、量産性にも問題がある。また、酸エッチングを
行うために廃液処理の問題がある。さらに、パターン化
された透明導電膜の成膜は工程が非常に多く煩雑である
から、コスト的に問題がある。そこで、短工程かつ低コ
ストの方法として、感光性塗料法が提案され、実用に供
されている。この方法は、インジウム化合物及び錫化合
物を含む溶液に感光性樹脂を添加した塗布液を用いて、
塗布、乾燥、紫外線露光、現像、焼成という工程でパタ
ーン化したITO膜を得る方法である。
【0004】一方、最も短工程、低コストでパターン化
されたITO膜を得る方法としてスクリーン印刷法があ
る。この方法は、インジウム化合物及び錫化合物と、エ
ポキシプレポリマー或いはヒドロキシプロピルセルロー
ス等からなる増粘剤と、これらを溶解させる溶剤とを含
むインクを用いて、スクリーン印刷法により基板上にパ
ターン成膜し、その後、焼成して透明導電膜とする方法
である。この方法は、例えば、特開昭61−9496号
公報、特開昭61−9470号公報、特開昭61−94
71号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の感光性塗料法では、用いることのできる材料に
制限があるという問題点、感光性塗料の経時安定性が不
十分であるという問題点、成膜時、特に現像時の膜質の
劣化等の問題点があり、安定した成膜のための余裕度が
狭く、制御が難しい。また、微細なパターン加工を行な
うためには、露光装置、現像装置等の高価な装置が必要
である。
【0006】また、上述した従来のスクリーン印刷法で
は、スクリーン印刷時のダレによりライン幅が太くな
り、設定値通りに印刷することが困難であるという問題
点があった。また、印刷可能なライン幅がせいぜい10
0μm程度であり、50μm前後の微細パターンを得る
ことが困難である。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、非常に短工程、低コストで、非常
に微細なパターン化された透明導電膜を形成することの
できる透明導電膜形成用ペースト、パターン化された透
明導電膜およびその製造方法を提供するものであり、特
にスクリーン印刷によるパターン化された透明導電膜の
形成に好適に用いられる透明導電膜形成用ペーストとそ
れを用いた透明導電膜及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な透明導電膜形成用ペーストとそれ
を用いた透明導電膜及びその製造方法を採用した。すな
わち、本発明の透明導電膜形成用ペーストは、インジウ
ム及び錫を含む化合物と有機酸とから生成したヒドロキ
シ化合物に有機配位子が配位したキレート錯体と、バイ
ンダーと、溶剤とを含有してなることを特徴とする。
【0009】この透明導電膜形成用ペーストでは、イン
ジウム及び錫を含む化合物と有機酸とから生成したヒド
ロキシ化合物に有機配位子が配位したキレート錯体を含
有したことにより、ペーストの経時安定性が向上し、成
膜時、特に現像時の膜質の劣化等の問題点が解消され
る。
【0010】前記インジウム及び錫を含む化合物は、錫
ドープ酸化インジウムが好ましい。前記有機酸は、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸から選択された
少なくとも1種であることが好ましい。前記ヒドロキシ
化合物は、次の化学式 {In(RnCOO)2(OH)}X・{Sn(RnCOO)21-X ……(1) (但し、RnCOOはアシルオキシ基であり、nは1〜
5、xは0.86≦x≦0.96を満たす数である)で
表されるヒドロキシ化合物が好ましい。
【0011】前記有機配位子は、β−ジケトン、アミノ
アルコール、多価アルコールから選択された少なくとも
1種が好ましい。さらに、前記インジウム及び錫の合計
の含有量は、酸化物に換算して1〜20重量%が好まし
い。前記バインダーの含有量は、1〜20重量%が好ま
しい。
【0012】本発明の透明導電膜は、本発明の透明導電
膜形成用ペーストが、該ペースト中に含まれる溶剤に可
溶または該溶剤を吸収する樹脂からなる下地膜上に塗布
され、焼成されていることを特徴とする。前記下地膜の
膜厚は0.2〜5μmが好ましい。
【0013】本発明の透明導電膜の製造方法は、本発明
の透明導電膜形成用ペーストを、該ペースト中に含まれ
る溶剤に可溶または該溶剤を吸収する樹脂からなる下地
膜上にスクリーン印刷し、500℃以上の温度で焼成す
ることを特徴とする。
【0014】この透明導電膜の製造方法では、本発明の
透明導電膜形成用ペーストを、該ペースト中に含まれる
溶剤に可溶または該溶剤を吸収する樹脂からなる下地膜
上にスクリーン印刷することにより、印刷精度が向上
し、50μm幅までのパターン加工が可能になる。ま
た、スクリーン印刷法を用いたことにより、成膜時の作
業性が向上し、製造コストを削減することが可能であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の透明導電膜形成用ペース
トとそれを用いた透明導電膜及びその製造方法の一実施
の形態について説明する。なお、本実施の形態は、発明
の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するも
のであり、特に指定のない限り、本発明を限定するもの
ではない。
【0016】[透明導電膜形成用ペースト]本実施形態
の透明導電膜形成用ペーストは、インジウムと錫の両方
を含む化合物と有機酸とから生成したヒドロキシ化合物
に有機配位子が配位したキレート錯体と、バインダー
と、前記キレート錯体とバインダーを溶解する溶剤とを
少なくとも含有している。
【0017】インジウムと錫の両方を含む化合物として
は、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム
と錫との酸化物、インジウムと錫との水酸化物等を使用
することができる。特に、インジウムと錫との酸化物、
すなわち錫ドープ酸化インジウム(ITO)は、有機酸
との脱水反応性に優れる等の理由から好適に使用され
る。
【0018】また、有機酸も特に限定されるものではな
く、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
等の低級モノカルボン酸、マレイン酸、2−エチルヘキ
サン酸、オレイン酸などを好適に使用することができ
る。特に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の低級カルボン
酸は分子量が小さいので、透明導電膜形成時の前記キレ
ート錯体の熱分解温度を低くすることができるために、
好適に使用される。
【0019】インジウムと錫の両方を含む化合物と有機
酸とから生成したヒドロキシ化合物に配位する有機配位
子としては、β−ジケトン、アミノアルコールまたは多
価アルコールが好適に使用できる。β−ジケトンの具体
例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ア
セト酢酸メチルなどが挙げられ、アミノアルコールの具
体例としては、ジエタノールアミン、2−アミノエタノ
ール、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0020】また、多価アルコールの具体例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコールなどが挙げられる。これらの有機配位子の
中でも特に好ましいのは、キレート錯体の安定性および
熱分解性の点から、β−ジケトンとしてはアセチルアセ
トン、アミノアルコールとしてはジエタノールアミン、
多価アルコールとしてはエチレングリコールである。
【0021】以下、インジウムと錫の両方を含む化合物
としてITOを、有機酸として酢酸をそれぞれ用いた場
合を好適例として挙げ、本発明をさらに詳細に説明す
る。上記のヒドロキシ化合物は、ITOと酢酸とを酢酸
の沸点(110℃)で、例えば2〜4時間、還流し反応
させることにより調製することができる。このようにし
て得られたヒドロキシ化合物から調製される透明導電膜
形成用ペーストは、従来のインジウムの硝酸塩、塩化物
および錫の塩化物等から調製されるペーストとは対照的
に、透明導電膜形成過程の焼成時に腐食性ガス(NOx
等)が発生せず、環境、装置を汚染するおそれがない。
【0022】前記ヒドロキシ化合物としては、上述した
化学式(1)で表されるヒドロキシ化合物が好ましい。
この化学式(1)において、xの値を0.86≦x≦
0.96と限定した理由は、xの値が0.96を越える
と、錫(Sn)のドーパントとしての効果が無くなり、
電子のキャリア濃度を高くできず、抵抗値が低くならな
いからであり、また、xの値が0.86未満であると、
Snが不純物としてIn23粒子の粒界に析出し、抵抗
値を高くする原因となるからである。
【0023】次に、このように生成したヒドロキシ化合
物に有機配位子を添加し、必要により溶剤中で反応させ
ることにより、キレート錯体を合成する。有機配位子の
添加量は、インジウム原子1モルに対して2モル以上で
ある。添加量が2モル未満であると完全なキレート錯体
が得られず、未反応のヒドロキシ化合物が残留するの
で、好ましくない。
【0024】キレート錯体は、70〜80℃で約4〜8
時間攪拌・反応させて合成するのが好ましい。常温で合
成すると、キレート錯体の生成に多大な時間を必要とす
るので好ましくない。また、溶剤としては、前記ヒドロ
キシ化合物、有機配位子および生成するキレート錯体を
溶解することができるものであれば、特に限定されるこ
とはなく、アルコール系溶媒、グリコール類、グリコー
ルエーテル類、グリコールエーテルアセテート類等が挙
げられる。特に、印刷性を向上させるためにはペースト
粘度を高くする必要があり、中でも高沸点溶剤であるα
−テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ベ
ンジルアルコール、2−フェノキシエタノール等が好適
に使用される。
【0025】透明導電膜形成用ペースト中のインジウム
と錫の合計の含有量は、ITO換算でペースト重量に基
づき、1〜20重量%とするのが好ましい。より好まし
い含有量は4〜7重量%である。含有量が1重量%未満
であると、焼成して得られる透明導電膜の膜厚が薄く、
表面抵抗値が高くなるからである。また、含有量が20
重量%を越えると、得られる透明導電膜の膜厚が厚くな
り過ぎてクラックが発生し、緻密な膜が得られず、しか
も、抵抗値が高くなり、透過率も低くなる。
【0026】透明導電膜形成用ペーストには、スクリー
ン印刷に適した粘性を付与するためにバインダーが含ま
れている。バインダーとしては、インジウムと錫のキレ
ート錯体との反応性がなく、使用している溶剤に溶解が
可能であれば特に限定されることはなく、一般的に印刷
用ペーストのバインダーとして用いられているエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセル
ロース等のセルロース、ポリビニルブチラールなどのブ
チラール樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂等を
使用することができる。特に、ペーストの安定性、成膜
性の点からポリビニルブチラールが好適に使用される。
【0027】透明導電膜形成用ペースト中のバインダー
の含有量は、ペースト重量に基づき、通常1〜20重量
%、好ましくは6〜9重量%である。含有量が1重量%
未満であると、ペーストの粘度が低くなり過ぎ、微細な
印刷が難しく、印刷精度も悪くなるからであり、逆に、
20重量%を越えると、焼成後のITO膜が多孔質とな
り、緻密な膜が得られず、抵抗値が高くなるからであ
る。
【0028】透明導電膜形成用ペースト中に溶媒として
含有させる溶剤としては、前記キレート錯体および前記
のバインダーを溶解できるものであれば特に限定される
ことはなく、アルコール系溶媒、グリコール類、グリコ
ールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類等が
挙げられる。特に、印刷性を向上させるためにはペース
ト粘度を高くする必要があり、中でも高沸点溶剤である
α−テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、
ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール等が好
適に使用される。
【0029】[印刷下地膜形成用インク]印刷下地膜形
成用インク中に含まれる樹脂は、透明導電膜形成用ペー
ストに含有されている溶剤に可溶であるか、または該溶
剤を吸収するものであればよく、特に制限されるもので
はない。具体例としては、エチルセルロースなどのセル
ロース、ポリビニルブチラールなどのブチラール樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる
が、透明導電膜形成用ペーストに含有しているバインダ
ーと同一のものを使用することもできる。この場合、焼
成時に残査を残さないものを選択して用いる。この印刷
下地膜形成用インク中に含まれる樹脂の量は、特に制限
されるものではないが、通常、印刷下地膜形成用インク
の重量に対して1〜20重量%程度である。
【0030】印刷下地膜形成用インク中に含まれる溶剤
は、前記樹脂を溶解し得るものであれば特に制限される
ものではない。その具体例としては、トルエンなどの炭
化水素、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類、イソプロピルアルコール、n−ブタノールな
どのアルコール類、ブチルセロソルブ、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類が挙げられる。また、特にスクリ
ーン印刷法により印刷下地膜を形成する場合は、α−テ
ルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、エチル
カルビトール等が好ましい。これらは単独で、または2
種以上を混合して使用することができる。
【0031】[パターン化された透明導電膜およびその
製造方法]パターン化された透明導電膜は、前記透明導
電膜形成用ペーストを、スクリーン印刷等の塗布方法に
より基板上に直接塗布するか、あるいは前記印刷下地膜
形成用インクを基板上に塗布し印刷下地膜を形成した後
に、スクリーン印刷等の塗布方法により塗布するかした
後、乾燥、焼成することによって形成される。
【0032】印刷下地膜の成膜には、公知の方法が採用
でき、例えば、ワイヤーバーコート法、スピンコート
法、ロールコート法、スクリーン印刷法等が挙げられ
る。この印刷下地膜を形成することにより、透明導電膜
形成用ペーストを所定のパターンマスクを用いてスクリ
ーン印刷した場合、転写された該透明導電膜形成用ペー
スト中の溶剤が印刷下地膜内に瞬時に吸収され、したが
って、印刷ペーストの粘度が急激に上昇することで、基
板上でのペーストのダレが抑制され、ライン太りが抑制
される。
【0033】その結果、ほぼスクリーンマスクの設計値
通りのライン幅が約50μmの微細なライン幅まで印刷
が可能となる。印刷下地膜の膜厚は溶剤の吸収量、焼成
後の透明導電膜の強度、抵抗値を考慮し、0.2〜5μ
mが好ましく、0.4〜1.0μmがより好ましい。そ
の理由は、印刷下地膜の膜厚が0.2μmよりも薄いと
ペースト中の溶剤を吸収しきれず、ライン太りを抑制す
る効果が小さく、逆に、5μmよりも厚いと焼成時の分
解ガスが多くなり、焼成後の透明導電膜の強度低下、抵
抗値増大の原因となるからである。
【0034】基板上に印刷下地膜形成用インクを塗布、
乾燥して印刷下地膜を成膜した後、この印刷下地膜上に
透明導電膜形成用ペーストをスクリーン印刷してファイ
ンパターン膜を形成する。その後、乾燥し、次いで、大
気中において500℃以上の温度で30〜60分程度焼
成することにより、パターン化された透明導電膜が作製
される。
【0035】透明導電膜の膜厚は特に限定はされない
が、高い透過率を得、膜欠陥の発生を防止するために
は、0.1〜0.5μmが好ましく、0.1〜0.3μ
mがより好ましい。上記の製造方法によれば、非常に簡
易な工程で、安全且つ低コストでパターン化された透明
導電膜を作製することができる。また、焼成時にNOx
や塩素ガス等の腐食性ガスの発生がないため、焼成炉お
よび環境を汚染するおそれがない。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。
【0037】「実施例1」 [透明導電膜形成用ペースト]粒径0.1〜1.0μm
のITO微粉末(住友大阪セメント製)800gと酢酸
(関東化学製)4000gを5リットルのセパラブルフ
ラスコに入れ、沸点下で3時間還流し、インジウムと錫
を含むヒドロキシ酢酸塩{In(AcO)2(OH)}
0.9・{Sn(AcO)20.1(白色沈殿物)を得た。
【0038】得られたヒドロキシ酢酸塩をろ別し、アル
コールで洗浄後、60℃で乾燥した。その後、乾燥した
ヒドロキシ酢酸塩40.0gとジエタノールアミン4
6.0gと2−フェノキシエタノール64.0gを50
0mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で4時間、
加熱攪拌してキレート錯体溶液を得た。インジウム原子
1モルに対する有機配位子の添加量は3モルであった。
【0039】次いで、予めポリビニルブチラール樹脂
(積水化学工業社製:エスレックB;BH−3)30.
0gをα−テルピネオール239.9gに溶解させた溶
液と、前記キレート錯体溶液を、混練機により十分に混
合して透明導電膜形成用ペーストを得た。得られたペー
スト中におけるバインダー成分であるポリビニルブチラ
ール樹脂の配合割合は7%であり、得られたペーストの
粘度は48000cpsであった。液の白濁、沈殿等も
無く、粘度変化も見られなかった。
【0040】[パターン化された透明導電膜]下記のス
クリーンマスク及び印刷機を用いてパターン化された透
明導電膜を形成した。 ・スクリーンマスク:東京プロセスサービス製 メッシュ:ST−400 乳剤厚:10μm、枠サイズ:320nm×320nm マスクパターン構造: (A)ライン幅/スペース幅(μm)=50/50の縦
横ストライプライン (B)70mm×70mmのベタパターン
【0041】・印刷機:マイクロ・テック製スクリーン
印刷機:MT−320 ・印刷条件:クリアランス:1mm、印圧:3kg/c
2、背圧:1.3kg/cm2、スキージ速度:20m
m/sec、スキージゴムアタック角度:70°、スク
レッパ圧:2.5kg/cm2、スクレッパ速度:30
mm/sec
【0042】上記印刷機を使用し、透明導電膜形成用ペ
ーストをスクリーンマスク(マスクパターン構造A)を
用いて、ソーダライムガラス基板上にスクリーン印刷し
た後、150℃で15分間乾燥した。こうして得られた
パターン形成膜を電気炉中(大気雰囲気)で580℃、
60分間焼成して微細にパターン化されたITOからな
る透明導電膜を得た。なお、焼成時に発生するガスは二
酸化炭素と水蒸気のみであり、腐食性ガスは発生しなか
った。
【0043】「実施例2」 [透明導電膜形成用ペースト] 実施例1と同様に、透明導電膜形成用ペーストを調整し
た。 [印刷下地膜形成用インク]ポリビニルブチラール樹脂
(BH−3)30.0gをα−テルピネオール470.
0gに溶解して印刷下地膜形成用インクを得た。
【0044】[パターン化された透明導電膜]実施例1
と同じ印刷機を使用し、印刷下地膜形成用インクをスク
リーンマスク(マスクパターン構造B)を用いてソーダ
ライムガラス基板上にスクリーン印刷した後、110℃
で15分間乾燥した。得られた印刷下地膜の膜厚は0.
8μmであった。
【0045】次いで、透明導電膜形成用ペーストをスク
リーンマスク(マスクパターン構造A)を用いて、上記
の印刷下地膜上にスクリーン印刷した後、150℃で1
5分間乾燥した。こうして得られたパターン形成膜を電
気炉中(大気雰囲気)で580℃、60分間焼成して微
細にパターン化されたITOからなる透明導電膜を得
た。なお焼成時に発生するガスは二酸化炭素と水蒸気の
みであり、腐食性ガスは発生しなかった。
【0046】「実施例3」 [透明導電膜形成用ペースト]実施例1と同様に、イン
ジウムと錫のキレート錯体溶液を得た。次いで、予めポ
リビニルブチラール樹脂(BH−3)20.0gをα−
テルピネオール160.0gに溶解させた溶液と、前記
キレート錯体溶液を、混練機により十分に混合して透明
導電膜形成用ペーストを得た。得られたペースト中にお
けるバインダー成分であるポリビニルブチラール樹脂の
配合割合は6%であり、得られたペーストの粘度は38
000cpsであった。液の白濁、沈殿等も無く、粘度
変化も見られなかった。
【0047】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に、印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様の方法
により、パターン化された透明導電膜を得た。
【0048】「実施例4」 [透明導電膜形成用ペースト]実施例1と同様に、イン
ジウムと錫のキレート錯体溶液を得た。次いで、予めポ
リビニルブチラール樹脂(BH−3)40.0gをα−
テルピネオール319.8gに溶解させた溶液と、前記
キレート錯体溶液を、混練機により十分に混合して透明
導電膜形成用ペーストを得た。得られたペースト中にお
けるバインダー成分であるポリビニルブチラール樹脂の
配合割合は8%であり、得られたペーストの粘度は38
000cpsであった。液の白濁、沈殿等も無く、粘度
変化も見られなかった。
【0049】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に、印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例1と同様の方法
で、パターン化された透明導電膜を得た。
【0050】「実施例5」 [透明導電膜形成用ペースト]実施例1と同様に、イン
ジウムと錫を含むヒドロキシ酢酸塩{In(AcO) 2
(OH)}0.9・{Sn(AcO)20.1(白色沈殿
物)を得た。得られたヒドロキシ酢酸塩40.0gとジ
エタノールアミン30.7gと2−フェノキシエタノー
ル79.3gを500mlのセパラブルフラスコに入
れ、70℃で8時間加熱攪拌し、キレート錯体溶液を得
た。インジウム原子1モルに対する有機配位子の添加量
は2モルであった。
【0051】次いで、予めポリビニルブチラール樹脂
(積水化学工業社製:エスレックB;BH−3)30.
0gをα−テルピネオール239.9gに溶解させた溶
液と、前記キレート錯体溶液を、混練機により十分に混
合して透明導電膜形成用ペーストを得た。得られたペー
スト中におけるバインダー成分であるポリビニルブチラ
ール樹脂の配合割合は7%であり、得られたペーストの
粘度は40000cpsであった。液の白濁、沈殿等も
無く、粘度変化も見られなかった。
【0052】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様にパタ
ーン化された透明導電膜を得た。
【0053】「実施例6」 [透明導電膜形成用ペースト]実施例1と同様に、イン
ジウムと錫のキレート錯体溶液を得た。次いで、予めエ
チルセルロース樹脂(100cp;関東化学製)25.
0gをα−テルピネオール200.0gに溶解させた溶
液と、前記キレート錯体溶液を、混練機により十分に混
合して透明導電膜形成用ペーストを得た。得られたペー
スト中におけるバインダー成分であるエチルセルロース
の配合割合は7%であり、得られたペーストの粘度は4
5000cpsであった。液の白濁、沈殿等も無く、粘
度変化も見られなかった。
【0054】[印刷下地膜形成用インク]エチルセルロ
ース(100cp)30.0gをα−テルピネオール4
70.0gに溶解して印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様に、パ
ターン化された透明導電膜を得た。
【0055】「実施例7」 [透明導電膜形成用ペースト]インジウムと錫のキレー
ト錯体を合成する際に、2−フェノキシエタノールの代
わりにベンジルアルコールを使用したこと以外は、実施
例1に準じて透明導電膜形成用ペーストを得た。得られ
たペーストの粘度は42000cpsであり、液の白
濁、沈殿等も無く、粘度変化も見られなかった。
【0056】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に、印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様に、パ
ターン化された透明導電膜を得た。
【0057】「実施例8」 [透明導電膜形成用ペースト]粒径0.1〜1.0μm
のITO微粉末(住友大阪セメント製)800gとプロ
ピオン酸(関東化学製)4000gを5リットルのセパ
ラブルフラスコに入れ、沸点下で3時間還流し、インジ
ウムと錫を含むヒドロキシプロピオン酸塩{In(C2
5COO)2(OH)}0.9・{Sn(C25CO
O)20.1(白色沈殿物)を得た。
【0058】得られたヒドロキシプロピオン酸塩44.
5gとジエタノールアミン30.7gと2−フェノキシ
エタノール74.8gを500mlのセパラブルフラス
コに入れ、70℃で8時間加熱撹拌してキレート錯体溶
液を得た。インジウム原子1モルに対する有機配位子の
添加量は2モルであった。次いで、予めポリビニルブチ
ラール樹脂(積水化学工業社製:エスレックB;BH−
3)30.0gをα−テルピネオール239.9gに溶
解させた溶液と、前記キレート錯体溶液を、混練機によ
り十分に混合して透明導電膜形成用ペーストを得た。得
られたペーストの粘度は45000cpsであり、液の
白濁、沈殿等も無く、粘度変化も見られなかった。
【0059】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に、印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様に、パ
ターン化された透明導電膜を得た。
【0060】「実施例9」 [透明導電膜形成用ペースト]粒径0.1〜1.0μm
のITO微粉末(住友大阪セメント製)800gと、蟻
酸(関東化学製)4000gを5リットルのセパラブル
フラスコに入れ、沸点下で3時間還流し、インジウムと
錫を含むヒドロキシ蟻酸塩{In(HCOO) 2(O
H)}0.9・{Sn(HCOO)20.1(白色沈殿物)
を得た。
【0061】得られたヒドロキシ蟻酸塩35.5gとジ
エタノールアミン30.7gと2−フェノキシエタノー
ル83.8gを500mlのセパラブルフラスコに入
れ、70℃で8時間加熱撹拌してキレート錯体溶液を得
た。インジウム原子1モルに対する有機配位子の添加量
は2モルであった。次いで、予めポリビニルブチラール
樹脂(積水化学工業社製:エスレックB;BH−3)3
0.0gをα−テルピネオール239.9gに溶解させ
た溶液と、前記キレート錯体溶液を、混練機により十分
に混合して透明導電膜形成用ペーストを得た。得られた
ペーストの粘度は42000cpsであり、液の白濁、
沈殿等も無く、粘度変化も見られなかった。
【0062】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に、印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様に、パ
ターン化された透明導電膜を得た。
【0063】「実施例10」 [透明導電膜形成用ペースト]粒径0.1〜1.0μm
のITO微粉末(住友大阪セメント製)800gと酪酸
(関東化学製)4000gを5リットルのセパラブルフ
ラスコに入れ、沸点下で3時間還流し、インジウムと錫
を含むヒドロキシ酪酸塩{In(C37COO)2(O
H)}0.9・{Sn(C37COO)20.1(白色沈殿
物)を得た。
【0064】得られたヒドロキシ酪酸塩49.0gとジ
エタノールアミン30.7gと2−フェノキシエタノー
ル70.3gを500mlのセパラブルフラスコに入
れ、70℃で8時間加熱撹拌してキレート錯体溶液を得
た。インジウム原子1モルに対する有機配位子の添加量
は2モルであった。次いで、予めポリビニルブチラール
樹脂(積水化学工業社製:エスレックB;BH−3)3
0.0gをα−テルピネオール239.9gに溶解させ
た溶液と、前記キレート錯体溶液を、混練機により十分
に混合して透明導電膜形成用ペーストを得た。得られた
ペーストの粘度は45000cpsであり、液の白濁、
沈殿等も無く、粘度変化も見られなかった。
【0065】[印刷下地膜形成用インク]実施例2と同
様に、印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様に、パ
ターン化された透明導電膜を得た。
【0066】「比較例」 [透明導電膜形成用ペースト]硝酸インジウム40.0
gと蓚酸錫2.5gとアセチルアセトン44.2gと2
−フェノキシエタノール64.0gを500mlのセパ
ラブルフラスコに入れ、沸点下で2時間還流してキレー
ト錯体溶液を得た。この工程以外は実施例1に準じるこ
とで透明導電膜形成用ペーストを得た。得られたペース
トの粘度は8000cpsであり、液の白濁、沈殿等も
無く、粘度変化も見られなかった。
【0067】[印刷下地膜形成用インク]実施例2に準
じて印刷下地膜形成用インクを得た。 [パターン化された透明導電膜]実施例2と同様に、パ
ターン化された透明導電膜を得た。この比較例では無機
塩を原料にしたために、成膜性が悪く、膜が白濁し、透
明な導電膜が得られなかった。
【0068】「透明導電膜の評価」以上により得られた
実施例1〜10及び比較例の透明導電膜の膜厚、表面抵
抗値、波長550nmの光に対する光透過率、膜強度、
およびパターン加工性等を次の方法または装置を用いて
評価した。 膜厚 ;触針式膜厚測定装置(DEKTAK3;日
本真空技術社製)を使用して基板と膜の段差測定を行っ
た。 表面抵抗値 ;抵抗測定装置(Loresta AP;三菱化
学社製)を使用して四端子法による抵抗値測定を行っ
た。 光透過率 ;分光光度計(V-750;日本分光
(株)社製)を使用して光透過率を測定した。
【0069】パターン加工精度;顕微鏡観察によりライ
ン幅の精度を測定した。(スクリーンマスクのライン幅
50μmの設計に対して、実際に成膜されたラインの幅
を顕微鏡にて観察し、測長した。) 膜硬度 ;鉛筆硬度計(大平理化工業社製)を
使用して膜の硬度を測定した。 膜強度 ;セロハンテープによるピール試験を
行い、膜の表面状態を目視により判定した。
【0070】評価結果を表1に示す。
【表1】
【0071】表1の結果によれば、実施例1〜10は、
ライン太りがあまり見られず、50〜60μmのライン
幅のパターンを形成することができた。また、優れた導
電性を有するとともに、透明性、膜硬度及び膜強度にお
いても優れたものであった。特に、印刷下地膜を形成し
た実施例2〜10は、設計通りの50μmという微細な
ライン幅のパターンを形成することができた。また、実
施例1〜10においては、成膜の際に腐食性ガスが発生
せず、安全な環境で成膜を行い得ることが分かった。
【0072】一方、比較例は、ペーストの粘度も低く、
ライン幅50μmの設計に対し、ライン太りが生じたた
めに、実際に形成されたライン幅は100μmであっ
た。また、表面抵抗値も8000Ω/□と導電性も劣っ
ていることがわかった。さらに、透明性も悪く、膜硬
度、膜強度ともに劣ったものであった。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の透明導電
膜形成用ペーストによれば、インジウム及び錫を含む化
合物と有機酸とから生成したヒドロキシ化合物に有機配
位子が配位したキレート錯体と、バインダーと、溶剤と
を含有したので、ペーストの経時安定性を向上させるこ
とができ、成膜時、特に現像時の膜質の劣化等の問題点
を解消することができる。
【0074】本発明の透明導電膜は、本発明の透明導電
膜形成用ペーストを、該ペースト中に含まれる溶剤に可
溶または該溶剤を吸収する樹脂からなる下地膜上に塗布
し、焼成してなることとしたので、ライン太りを抑制す
ることができ、優れた導電性を得るとともに、ライン幅
の微細なパターンを形成した同伝幕が得られる。このよ
うに、この透明導電膜は、ディスプレイの表示素子等の
電極材料として極めて優れたものである。
【0075】本発明の透明導電膜の製造方法によれば、
本発明の透明導電膜形成用ペーストを、該ペースト中に
含まれる溶剤に可溶または該溶剤を吸収する樹脂からな
る下地膜上にスクリーン印刷し、500℃以上の温度で
焼成するので、従来のスクリーン印刷では得られなかっ
た印刷精度を得ることができ、ライン幅50μm程度ま
でパターン加工を行うことができる。また、スクリーン
印刷法を用いたので、成膜時の作業性を向上させること
ができ、また、安全性にも優れている。また、低コスト
でかつ非常に簡単な工程で微細なパターン化された透明
導電膜を作製することができ、焼成炉および環境を汚染
するおそれもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 豊将 東京都千代田区六番町6番地28 住友大阪 セメント株式会社新規技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 AB021 BE021 BG001 CF001 EG046 GQ02 HA05 5G301 DA13 DA22 DA53 DA60 DD01 5G307 FA02 FB04 FC03 5G323 BA04 BB06 BC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウム及び錫を含む化合物と有機酸
    とから生成したヒドロキシ化合物に有機配位子が配位し
    たキレート錯体と、バインダーと、溶剤とを含有してな
    ることを特徴とする透明導電膜形成用ペースト。
  2. 【請求項2】 前記インジウム及び錫を含む化合物は、
    錫ドープ酸化インジウムであることを特徴とする請求項
    1記載の透明導電膜形成用ペースト。
  3. 【請求項3】 前記有機酸は、蟻酸、酢酸、プロピオン
    酸、酪酸、吉草酸から選択された少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の透明導電膜形
    成用ペースト。
  4. 【請求項4】 前記ヒドロキシ化合物は、次の化学式 {In(RnCOO)2(OH)}X・{Sn(RnCOO)21-X ……(1) (但し、RnCOOはアシルオキシ基であり、nは1〜
    5、xは0.86≦x≦0.96を満たす数である)で
    表されることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    透明導電膜形成用ペースト。
  5. 【請求項5】 前記有機配位子は、β−ジケトン、アミ
    ノアルコール、多価アルコールから選択された少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項記載の透明導電膜形成用ペースト。
  6. 【請求項6】 前記インジウム及び錫の合計の含有量
    は、酸化物に換算して1〜20重量%であることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項記載の透明導電膜形
    成用ペースト。
  7. 【請求項7】 前記バインダーの含有量が、1〜20重
    量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項記載の透明導電膜形成用ペースト。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載の透明
    導電膜形成用ペーストが、該ペースト中に含まれる溶剤
    に可溶または該溶剤を吸収する樹脂からなる下地膜上に
    塗布され、焼成されていることを特徴とする透明導電
    膜。
  9. 【請求項9】 前記下地膜の膜厚は0.2〜5μmであ
    ることを特徴とする請求項8記載の透明導電膜。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項記載の透
    明導電膜形成用ペーストを、該ペースト中に含まれる溶
    剤に可溶または該溶剤を吸収する樹脂からなる下地膜上
    にスクリーン印刷し、500℃以上の温度で焼成するこ
    とを特徴とする透明導電膜の製造方法。
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