JP2002357896A - レジスト樹脂組成物 - Google Patents

レジスト樹脂組成物

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JP2002357896A
JP2002357896A JP2001166738A JP2001166738A JP2002357896A JP 2002357896 A JP2002357896 A JP 2002357896A JP 2001166738 A JP2001166738 A JP 2001166738A JP 2001166738 A JP2001166738 A JP 2001166738A JP 2002357896 A JP2002357896 A JP 2002357896A
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resist
resin composition
resin
powder
resist resin
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JP2001166738A
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English (en)
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Takafumi Omori
貴文 大森
Onori Ono
大典 大野
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸び、最大応力が大きく、耐冷熱衝撃性、耐
熱性等に優れ、且つ特性に優れたレジスト組成物を得
る。 【解決手段】 添加剤として、中に弾性を有する球状樹
脂、最外層に無機層を有する多重構造の球状粉体を配合
してレジスト組成物とする。また、樹脂成分に多官能性
シアン酸エステル化合物を用いてレジスト組成物とす
る。 【効果】 低弾性率で、伸び、最大応力が大きく、耐冷
熱衝撃性、耐熱性、耐マイグレーション性等に優れたレ
ジスト組成物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明のレジスト組成物は、銅回
路を形成したプリント配線板等の表面に塗布し、必要に
より加熱して溶剤を除去した後、熱硬化するか、光硬化
するか、或いは光で選択的に硬化させ、未硬化部分を現
像除去した後、熱で後硬化して得られるプリント配線板
の永久保護皮膜として使用する。本発明の組成物は、特
に、多重構造のゴム弾性を有する球状粉体をレジスト樹
脂組成物内に配合し、弾性率を下げ、伸びを大きくし、
耐衝撃性を向上したCSP(チップスケールパッケー
ジ)等のプリント配線板用永久保護被膜として有用なも
のである。特に、分子内にシアン酸エステル骨格を反応
で取り込んだ不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を用いた
光選択熱硬化型レジストは、耐熱性、耐マイグレーショ
ン性等に優れた特性を有し、高密度プリント配線板用永
久保護皮膜として信頼性に優れている。
【0002】
【従来の技術】従来、低弾性率、高伸びとする手法は、
低弾性の樹脂を配合し、全体の弾性率を下げる方法、不
飽和基含有ポリカルボン酸樹脂の分子内に低弾性率を有
する樹脂を反応で取り込み、低弾性率としたものが殆ど
であった。これらを用いて得られたレジストは、耐熱性
が低く、鉛筆硬度が小さい等の問題点を生じ、塗布した
ものの信頼性に劣るものであった。
【0003】更に、UV選択熱硬化型レジストの場合に
は、現像性が劣る等の欠点を生じ、問題のあるものであ
り、従来のレジスト組成物で、耐熱性、耐衝撃性に優
れ、且つ鉛筆硬度にも優れ、応力も良好なレジスト樹脂
組成物は見られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、耐熱性、低弾性率、高伸び、高応力を有
し、耐衝撃性にも優れたレジスト樹脂組成物を提供す
る。
【0005】
【発明が課題を解決するための手段】本発明は、ゴム弾
性を有する球状粉体を中の層に使用し、この最外層に無
機の層を形成した多重構造の粉体をレジスト樹脂組成物
に必須成分として配合することにより、大きく弾性率を
下げることが可能で、伸びが大きく、耐熱性も保持で
き、応力も高く、耐衝撃性に優れたものを得ることが可
能となる。球状粉体としては、特に限定はしないが、好
適には平均粒子径が0.1〜20μmのものが、分散性に優れ
ており、得られたレジストにおいて、均一性も優れてい
る。
【0006】光選択熱硬化型レジスト用としては、多重
構造の表層の無機層は、無処理のものが使用できるが、
好適には無機層表面をカップリング剤処理した粉体が使
用され、これは配合樹脂と密着性に優れ、より性能の良
好なレジスト組成物が得られる。また、耐熱性、特にガ
ラス転移温度を高くするためには、分子内に多官能性シ
アン酸エステル化合物を反応で取り込んだ不飽和基含有
ポリカルボン酸樹脂を使用する。更に、この樹脂は耐マ
イグレーション性等の電気的信頼性に優れており、信頼
性の高いレジストを得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用される永久保護皮膜
用レジストとしては、一般に公知のレジストが挙げられ
る。即ち、熱硬化型レジスト、光選択熱硬化型レジス
ト、光硬化型レジストいずれでも良い。
【0008】熱硬化型レジスト成分として使用されるも
のは、一般に公知の熱硬化性樹脂が使用される。この成
分としてエポキシ樹脂がある。このエポキシ樹脂成分と
しては、一般に公知のものが使用できる。具体的には、
液状或いは固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂;ブタジエン、ペンタジエン、
ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンチルエーテル等の
二重結合をエポキシ化したポリエポキシ化合物類;ポリ
オール、水酸基含有シリコン樹脂類とエポハロヒドリン
との反応によって得られるポリグリシジル化合物類等が
挙げられる。更に他の熱硬化樹脂が使用可能である。好
ましくは、多官能性シアン酸エステル化合物、多官能性
マレイミド化合物、不飽和基含有ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリイミド樹脂等が使用される。これらは1種
或いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0009】本発明の光選択熱硬化型レジストに使用さ
れる成分としては、一般に公知の成分が使用可能であ
る。この成分の1つである不飽和基含有ポリカルボン酸
樹脂は、分子内にカルボキシル基と(メタ)アクリロイ
ル基などの不飽和基を有する樹脂であり、一般に公知の
ものが使用される。
【0010】例えば、特開平1-139619に示される、カル
ボキシル基含有アクリル樹脂とグリシジル(メタ)アク
リレートとを反応して得られる不飽和基含有樹脂、特開
平8-41150に記載の(メタ)アクリル酸とラクトン変性
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分と
するビニル共重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式
エポキシ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有
樹脂、特開昭61-243869に記載のノボラック型エポキシ
化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物に飽和または
不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂など,
一般に公知のものが挙げられる。また、多官能性シアン
酸エステル化合物とエポキシアクリレートを反応させて
から、多塩基酸無水物で反応させて分子内に取り込んだ
不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂が好適に使用される。
【0011】本発明で使用される不飽和基含有ポリカル
ボン酸樹脂の中で好ましいものは、酸価10〜200mgKOH/
g、樹脂1kg当たりの二重結合が1.0〜3.5モル、数平均分
子量1,000〜50,000の(メタ)アクリル酸とラクトン変
性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分
とするカルボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂と脂
環式エポキシ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基
含有樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラ
ック型或いはそれらのハロゲン化エポキシ樹脂と不飽和
カルボン酸とを、酸当量/エポキシ当量の比か0.2〜1.0
の範囲で反応させ、得られた反応物の水酸基に飽和或い
は不飽和多塩基酸無水物を酸当量/水酸基当量の比が0.
2以上で反応させた反応物であり、その酸価が40〜160mg
KOH/gの不飽和含有ポリカルボン酸樹脂などが挙げられ
る。使用量は樹脂中20〜90重量%、好ましくは25〜70重
量%である。
【0012】この光選択熱硬化型レジストには、前述の
エポキシ樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有する光重
合性化合物等が併用される。このエチレン性不飽和二重
結合を有する光重合性化合物としては、一般に公知のも
のが使用される。まず、2価以上のアルコール類の(メ
タ)アクリル酸エステル類が挙げられる。この2価以上
のアルコール類としては、例えば、エチレングリコー
ル、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,
4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジ
オール、ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,10-デカンジオール、シクロヘプタンジオール、1,4-
シクロヘキサンジメタノール等;ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコー
ル類;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール等のポリプロピレングリコール類;キシレンジオー
ル、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ビフェノール、
カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリットール、ジペンタエリスリットール、
トリペンタエリスリットール、ソルビトール、グルコー
ス、ブタントリオール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサ
ン、1,2,4-ベンゼントリオール等が挙げられる。
【0013】また、アリル化合物、例えばアジピン酸、
フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のポリアリ
ルエステル類、ポリスルホン酸のポリアリルエステル
類、ジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等
も用いられる。更に、例えばジビニルベンゼン、ジビニ
ルスルホン、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレ
ート等のポリビニル化合物も使用される。その他、公知
の化合物、樹脂類などが使用できる。これらの化合物
は、1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。使用
量は、樹脂中1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%であ
る。
【0014】光硬化型レジストには、前記エチレン性不
飽和二重結合を有する化合物が主に使用される。本発明
で使用される光硬化型レジスト、或いは光選択熱硬化型
レジストには、光で重合させるための光重合開始剤が使
用される。例えばベンジル、ジアセチル等のα-ジケト
ン類;ベンゾイル等のアシロイン類;ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等の
アシロインエーテル類;チオキサントン、1,4-ジエチル
チオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノ
ン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン類;アセトフェノン、1,2'-ジメトキシ-
2-フェニルアセトフェノン、p-メトキシアセトフェノ
ン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4-ナフト
キノン等のキノン類;ジ-t-ブチルパーオキサイド等の
過酸化物等が1種或いは2種以上が組み合わせて使用さ
れる。使用量は、樹脂中0.1〜20重量%、好ましくは0.2
〜10重量%である。
【0015】また、エポキシ化合物を配合した場合に
は、カチオン系光重合開始剤を加えることが好ましい。
例えば芳香族スルホニウム塩、η5-2,4-シクロペンタジ
エン-1-イル)[(1,2,3,4,5,6-η)-(1-メチルエチル)
ベンゼン]-アイアン(1+)-ヘキサフルオロフォスフェー
ト(1-)等の鉄の錯体等、一般に公知の重合開始剤の1種
或いは2種以上が、エポキシ化合物100重量部に対し 0.
1〜10重量部、好適には0.2〜5重量部使用される。
【0016】本発明の熱硬化型レジスト組成物は、それ
自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、
経済性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知
の熱硬化触媒を用い得る。使用量は、樹脂100重量部に
対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.015〜3重量部であ
る。
【0017】本発明でのレジスト組成物は、各成分を組
み合わせ、均質の無溶剤タイプとするか、固形分を主と
する樹脂組成物を溶剤に溶解或いは懸濁させて配合した
溶液て使用される。
【0018】本発明の樹脂組成物はそれぞれ溶解する溶
剤に予め溶解させて配合するのが好ましい。多官能性シ
アン酸エステル化合物を溶解する溶剤は、溶解するもの
であれば特に制限はなく、例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸
エチル、酢酸イソブチル、酢酸-n-ブチル、エチレング
リコールモノアセテート、プロピレングリコールアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエス
テル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が
1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。好適に
は、使用時に溶剤が飛散して溶液の粘度が上昇するのを
抑えるために、比較的沸点が高く、室温で飛散しにくい
ものが使用される。
【0019】また、不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂も
上記の溶解する溶剤が使用可能である。それ以外の溶剤
としては。例えばエチレングリコールアルキルエーテル
類;ジエチレングリコールアルキルエーテル類;プロピ
レングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリ
コールアルキルエーテル類等が挙げられる。これらは1
種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0020】本発明の多重構造を有する球状粉体とは、
中央部に球状の樹脂を使用し、最外層に無機の層が被覆
されている多重になっているものを言う。弾性を有する
樹脂は、中に少なくとも1層以上存在し、最外層は無機
質の層で被覆された、全体として球状の粉体である。樹
脂組成物全体の弾性率を下げ、伸びを大きくするために
は、例えば中央の球状の樹脂をゴム弾性のあるアクリル
ゴム、ポリブタジエンゴム等を使用し、その外の層であ
る最外層を無機質で被覆した2重以上の構造となったも
のが使用される。もちろん、中心部が球状のガラス状樹
脂、その外側がゴム状樹脂層、最外層が無機質層という
構造のものも使用できる。ゴム状の樹脂は、特に限定し
ないが、好適にはアクリルゴム、その共重合体、ポリブ
タジエンゴム、その共重合体等が使用される。また外層
部の無機質も特に限定はなく、シリカ、アルミナ、タル
ク等で被覆された粉体が使用される。これを配合する
と、粉体を多量に配合した場合でも大きく鉛筆硬度を落
とない塗膜が形成できる。
【0021】多重構造にしてあることにより、配合した
樹脂と多重構造の最外層の無機質はカップリング剤の官
能基と反応し、引っ張り等の機械的強度にも優れ、弾性
率が低く、伸びにも優れた樹脂組成物が得られる。又、
一般のゴム弾性を有するゴム粉体は、溶剤中に分散した
場合、溶剤に溶解するか膨潤してブロッキングを起こ
し、均一に分散するのが非常に困難である。本発明で使
用する、最外層に無機質の層を有する多重構造の粉体
は、最外層に無機質を被覆しているために、溶剤に対し
て耐性が良好で、配合分散時にブロッキングがしにく
く、均一に分散でき、特性のばらつきが極めて少ないも
のが得られる。平均粒子径は、特に限定はないが、均一
分散、現像性等の点から、本発明では平均粒子径が0.1
〜20μmのものが好ましい。尚、ゴム弾性を有する粉体
の最外層にガラス状の樹脂を被覆した多重構造の粉体も
併用できる。
【0022】中心部の球状の樹脂は、一般に公知の重合
法で得られる。例えば、乳化重合、懸濁重合、溶液重合
等で所定の大きさの球状の樹脂を作る。この外側に、目
的とする無機質層を被覆する。被覆する方法は一般に公
知の方法が使用できる。本発明の多重構造の球状粉体
は、添加量は特に限定はないが、本来の樹脂組成物の特
性を大きく変えない量が好ましい。好ましくは1〜30重
量%である。
【0023】多重構造粉体を添加する方法は、特に限定
はないが、無溶剤樹脂に少しずつ加え、均一分散する方
法、溶剤の入った溶液中に少しずつ加えながらホモミク
サー等で拡販して分散する方法、3本ロールで混練する
方法等が使用される。
【0024】本発明のレジスト組成物には、組成物本来
の特性が損なわれない範囲で、所望により種々の添加物
を配合することができる。これらの添加物としては、前
記エポキシ樹脂、多官能性マレイミド類、多官能性シア
ン酸エステル類、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル
樹脂、ポリブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジ
エンーアクリロニトリル共重合体、ブタジエンースチレ
ン共重合体、アクリルゴム、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹
脂、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエス
テル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポ
リウレタン等が挙げられる。また、その他、公知の有機
の充填剤、無機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、
消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、チキソ性付
与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて
使用される。耐燃性を更に向上させるために、その他の
難燃剤を添加することが可能である。更に、必要によ
り、反応基を有する化合物は、その硬化剤、触媒が適宜
使用される。
【0025】また、レジスト樹脂組成物には一般に色を
付けるために、一般に公知の着色顔料を添加する。例え
ばフタロシアニンブルー(化学名:C.I. Pigment Blue
15)、イソインドリンイエロー(C.I.Pigment Yellow 18
5)等の一般に公知のものが使用され得る。もちろん、こ
れらは2種以上が組み合わせて使用できる。例えば、黄
色と青色の顔料を組み合わせて配合し、ハロゲンの極め
て少ない緑の顔料とする。
【0026】本発明のレジスト樹脂組成物は、熱硬化型
レジスト、光選択熱硬化型レジスト、或いは光硬化型レ
ジストそれぞれの硬化形態により、硬化させる。例え
ば、熱硬化型レジストは、回路板の上にスクリーン印刷
等で塗布し、必要により加熱乾燥して溶剤を除去した
後、加熱して硬化させる。また、光選択熱硬化型レジス
トは、これを回路板等の被覆物の上に塗布し、前乾燥を
行なって溶剤を除去してから紫外線等の活性エネルギー
線を照射して必要部分を選択的に光硬化させてから、未
硬化部分を希アルカリ水溶液等で現像除去し、その後熱
を加えて後硬化を行う。さらに必要により電解、無電解
のニッケルメッキ、金メッキを行い、半導体チップ搭載
用等のプリント配線板として使用する。更に、光硬化型
レジストは、被覆物の上に塗布し、必要により乾燥して
溶剤を除去した後、光で硬化させる。
【0027】本発明のレジスト組成物の回路板への塗布
方法としては、スクリーン印刷法、ロールコーター法、
或いはカーテンコーター法等の一般に公知の方法で行う
ことができる。塗布後、必要により加熱して前乾燥を行
って溶剤を除去する。乾燥には熱風乾燥炉等の一般に公
知の装置が使用できる。例えば、光選択熱硬化型レジス
トの場合、乾燥温度は 30〜100℃、好ましくは50〜80℃
である。温度が低いと乾燥時間が長くなりすぎ作業効率
が悪い。また温度が高いと樹脂同士が反応して現像液に
溶解しにくくなる。時間は10分〜2時間、好ましくは15
〜60分である。
【0028】本発明に使用するプリント配線板は、光選
択熱硬化型レジストを塗布する前に、パターン化された
銅導体表面を研磨するだけでも使用可能であるが、好適
には予め銅キレート剤等が配合された防錆処理で処理を
行う。処理を行うことにより、銅導体と樹脂との密着性
を向上させることができ、プレッシャークッカー処理後
の絶縁性劣化が少なくなる、剥離がなくなる等の改善を
大幅に行うことができる。
【0029】防錆処理剤としては一般に公知のものが使
用できる。銅キレート剤も一般に公知のものが使用され
得る。これらは例えばポリベンズイミダゾール処理等が
挙げられ、1種或いは2種以上が組み合わせて使用され
る。例えば(株)メック社製のCZ5480といった処
理溶液が好適に使用される。
【0030】回路板の上に塗布された被膜は、無溶剤の
場合、その上にフィルムを配置し、平行光で光を照射し
て露光する。また溶剤型の場合、溶剤を除去した後、フ
ィルムをその上に配置し、活性エネルギー線を照射して
必要な部分を光硬化させる。光の照射されない部分は現
像液で溶解除去し、その後熱で後硬化してから銅導体表
面に付着した防錆処理、キレート剤等を公知の方法で除
去し、ニッケルメッキ、金メッキを施してプリント配線
板とする。
【0031】本発明の光選択熱硬化型レジストを光硬化
するための活性エネルギー線の照射光源としては、低圧
水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセ
ノンランプ或いはメタルハライドランプ等が用いられ
る。露光量は特に制限はないが、一般には100〜3,000mJ
/cm2、好ましくは300〜2,000mJ/cm2である。その他、電
子線、レーザー等も使用できる。
【0032】本発明の塗膜の現像は、スプレー現像法、
現像液にプリント配線板を浸せきして振動させるディッ
プ現像法等、一般に公知の方法で実施する。現像液の温
度は5〜50℃、好ましくは25〜40℃である。温度が低い
と現像時間がかかる、現像性が悪い等の問題が生じる。
温度が高いと光照射した硬化部分が溶解してしまう。現
像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム或い
はアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液等、一般に
公知の希アルカリ水溶液が使用できる。また、水に水溶
性有機溶剤を添加した水溶液、水に水溶性有機溶剤とア
ルカリ剤とを加えた水溶液も使用できる。水溶液中のア
ルカリ剤の量は0.1〜5重量%が好適である。
【0033】水溶性有機溶剤としては、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳
酸エチル、乳酸ブチル、ジエチレングリコール、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、γ-ブチロラクト
ン、メチルセロソルブ等、一般に公知のものが使用でき
る。これらの溶剤は水溶液全体の10〜80重量%、好まし
くは15〜50重量%の範囲で使用される。更に、現像性を
高めるために水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム、モノ
メタノールアミン等のアルカリ剤を添加することもでき
る。
【0034】本発明の光選択熱硬化型レジストは、現像
後に加熱硬化させる。硬化温度は100〜250℃、好ましく
は120〜180℃である。その後、ニッケルメッキ、金メッ
キを行う。
【0035】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。 <多官能性シアン酸エステルプレポリマーの合成> 合成例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン1,000部を、150
℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、重量平均
分子量1,900、融点66℃のプレポリマー(A-1))を得た。
これをメチルエチルケトンに溶解し、溶液とした。
【0036】<成分(b):不飽和基含有ポリカルボン酸樹
脂の合成> 合成例2 フラスコに温度計、攪拌機、環流冷却器、滴下ロート及
び窒素吹込管を取りつけ、これにジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル1,000部を仕込み、100℃に加熱し
た中に、ベンゾイルパーオキサイド14部、メチルメタク
リレート420部、ヒドロキシエチルメタクリレート70
部、メタクリル酸210部の混合物を2時間かけて滴下
し、8時間保持した。得られたアクリル樹脂は、酸価20
0mgKOH/gであった。次いで、この樹脂にグリシジルメタ
クリレート210部、トリエチルアミン3.5部、ハイドロキ
ノン0.07部を加え、100℃で5時間反応させ、メタクリロ
イル基1.7モル/kg、酸価89mgKOH/g の不飽和基含有
樹脂(固形成分:B-1)溶液を得た。
【0037】合成例3 ビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:SP15
09、昭和高分子<株>製)1,000部、合成例1の多官能性シ
アン酸エステルプレポリマー成分を50部、溶剤としてジ
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/
ソルベントナフサ(50/50重量比)を1,050部加え、固形分
50重量%とし、70℃に加熱して攪拌混合しながら反応さ
せ、赤外吸収スペクトルによりシアナト基のピーク(2,3
00cm-1付近)の変化を追跡した。5.5時間後にシアナト基
のピークが消滅した時点で反応を終了した。この反応液
に無水ピロメリット酸を218部、及び上記混合溶剤を218
部加え、温度70℃にて攪拌混合しながら反応を行い、赤
外吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1,850
cm-1付近)を追跡し、6時間後にピークが消滅した時点で
反応を終了した。この樹脂を(固形成分をB-2とする)
の酸価は90mgKOH/gであった。
【0038】実施例1〜2, 比較例1〜2 <エポキシ樹脂>成分cとして、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂(商品名:DEN439、ダウ・ケミカル<株>
製、成分C-1とする)、脂環式エポキシ樹脂(商品名:
セロキサイド2021、成分C−2とする、商品名:EHPE315
0、成分C−3とする、ダイセル化学工業<株>製)を使用
した。 <エチレン性不飽和モノマー>成分dとして、テトラエチ
レングリコールジアクリレート(成分D-1とする)、ト
リメチロールプロパントリアクリレート(成分D-2とす
る)を使用した。 <光重合開始剤>成分eとして、(商品名:イルガキュア9
07、チバガイギー<株>製、成分E-1とする)を使用し
た。 <顔料>青色顔料(商品名:シアニンブルーKRO:C.I.Pigme
nt Blue 15:3、成分F-1とする)、黄色顔料(C.I.Pigmen
t Yellow 151、成分F-2とする)、及び緑色顔料(C.I.Pig
ment Green 7,F-3とする)を使用した。 <添加剤-1>レベリング剤として、(商品名:BYK055、ビ
ックケミー・ジャパン<株>製、成分G-1とする)、脱泡剤
として(商品名:フローレンAC300、共栄社化学<株>製、
成分G-2とする)、カップリング剤としてエポキシシラン
カップリング剤A-187(日本ユニカ<株>製、成分G-3とす
る)を使用した。 <添加剤-2>無機充填剤として、硫酸バリウム(成分H-1と
する)、合成シリカ(成分H-2とする)を使用した。 <添加剤-3>2重構造を有する粉体(商品名:スタフィロ
イドAC-3355、ガンツ化成<株>製、平均1次粒子径0.6μ
m、シェル層は官能基なし、の表層に薄膜のシリカ層を
付けたもので成分I-1とする)を使用した。また、別の
ゴム成分として、メチルエチルケトンに溶解したアクリ
ロニトリルーブタジエンゴム(商品名:N-280、成分I-2
とする。日本合成ゴム<株>製)を使用した。
【0039】これらを表1に示す組成で配合し、3本ロ
ールで混練して粘ちょうな塗料を得た。これらの塗料
を、銅回路表面をメックCZ処理(メック<株>)で処理した
プリント配線板の上に塗布し、80℃で20分乾燥して溶剤
を飛ばし、その上にフィルムを配置して、紫外線を1,00
0mJ/cm2 照射した後、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液で現
像した。その後150℃で1時間熱硬化した。特性評価結
果を表2に示した。
【0040】得られた塗料を、櫛形パターンを50個形
成した(使用銅張積層板商品名:CCC-HL830、三菱ガス
化学<株>製、ライン/スペース=60/60μm)基板上にス
クリーン印刷法にて乾燥後の厚みが30〜40μmとなるよ
うに塗布し、80℃の熱風乾燥機で乾燥した。ネガフィル
ムを密着させ、1,000mJ/cm2の紫外線を照射してから1wt
%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、更に150℃にて1時間
熱硬化させた。これを用いて85℃,85%RH,50VDC条件下で
マイグレーションを測定した。測定結果を表2に示す。
【0041】塗膜とした樹脂組成物の特性を以下の方法
により評価した。 ・鉛筆硬度:JIS K 5400 に準じて評価を行った。 ・密着性 :JIS K 5400 に準じて、試験片に1mmの碁盤
目を100個作成し、セロファンテープにて引き剥がし試
験を行い、碁盤目の剥離状態を見た。表中の分母は試験
碁盤目数、分子は残存数である。 ・半田耐熱性:260℃の半田槽に30秒間浸漬後、レジス
トの異常の有無を目視観察した。 ・ガラス転移温度:厚さ40μmの硬化塗膜を作製し、TMA
法(JIS C6481)にて測定した。 ・現像性及び耐酸性:現像後、150℃で1時間熱硬化し
てから、現像面を目視で観察するとともに、無電解ニッ
ケルメッキ(PH 4.5、浸漬 90℃・20分)を施し、ニッケ
ルメッキの付着状態を観察して現像性を判定した。同時
にレジスト面の薬品に侵される状態も観察した。 ・耐マイグレーション性 : 上に記載した。 ・伸び、最大応力、弾性率 : 銅箔上に塗料を塗り、光
選択熱硬化型レジスト、光硬化型レジストは80℃・20分
乾燥、UV照射500mJ/cm2を重ね塗りして繰り返し、厚さ
約100μmの塗膜とした後、150℃で1時間熱硬化し、銅
箔をエッチング除去して樹脂シートだけを、引張り試験
で伸び、最大応力、弾性率を測定した。熱硬化型レジス
トの場合は、UV照射以外は同様にして試験片を作製し、
測定した。 ・板クラック試験 : 銅張積層板(商品名:CCL-HL830HS
0.1mm 18μm 両面銅箔、三菱ガス化学<株>製 )に回路
を形成し、その上に塗膜厚が40μmとなるように全面に
塗布し、80℃・25分乾燥して、UV照射を500mJ/cm2
い、更に裏面にも同様に塗布、乾燥、UV照射を行ってか
ら、中央の回路の上に400μmの半導体チップを、ダイヤ
タッチ(商品名:BT-S657D、三菱ガス化学<株>製)で貼
り付け、110℃・2時間+160℃・2時間硬化させて、その
上にポッティング樹脂(商品名:BT-S657、三菱ガス化
学<株>製)で被覆し、110℃・2時間+160℃・3時間硬化
させて試験片を作成した。これを-55℃/5分←→+150℃/
5分の液槽での冷熱衝撃試験を500サイクル実施後、レジ
ストのクラック及びプリント配線板の回路切断について
100枚試験を行った。表2には分母に試験数、分子にクラ
ック又は回路切断数を記した。
【0042】 (表1) 実施例 比較例成分 1 2 1 2 (b)B-1 70 0 70 0 B-2 0 65 0 65 (c)C-1 4 10 4 10 C-2 0 2 0 2 C-3 6 0 6 0 (d)D-1 7 0 7 0 D-2 0 10 0 10 (e)E-1 10 10 10 10 (f)F-1 0 0.3 0 0.3 F-2 0 0.2 0 0.2 F-3 0.5 0 0.5 0 (g)G-1 0.5 0.5 0.5 0.5 G-2 0.5 0.5 0.5 0.5 G-3 1.5 1.5 1.5 1.5 (h)H-1 20 10 20 10 H-2 10 10 10 10 (i)I-1 10 17 0 0 I-2 0 0 0 3
【0043】 (表2) 実施例 比較例項目 1 2 1 2 色調 緑色 緑色 緑色 緑色 鉛筆硬度 4H 4H 4H 3H 密着性(Y/100) 100/ 100/ 100/ 100/ 半田耐熱性 良好 良好 良好 良好 ガラス転移温度(℃) 97 127 96 102 現像性 良好 良好 良好 不良 耐酸性 良好 良好 良好 良好 耐マイグレーション性における絶縁抵抗値劣化(Ω) ・85℃、85%RH、50VDC 常態 5x1014 7x1014 3x1014 4x1014 400hrs. 1x10 9 3x1010 9x10 8 <10 8 伸び(%) 3.5 5.5 0.8 1.9 最大応力(kgf/cm2) 67 58 69 37 弾性率(kgf/mm2) 191 180 339 211 レジストクラック 2/100 0/100 96/100 37/100 回路切断数 2/100 0/100 87/100 20/100
【0044】実施例3〜4、比較例3〜5 合成例1で作製した多官能性シアン酸エステルプレポリ
マー(成分A−1)、実施例1〜2で使用したエポキシ樹
脂、これに触媒としてアセチルアセトン鉄(成分J−
1)をMEKに溶解したもの、2−エチルイミダゾール
(成分J-2)をMEKに溶解したもの、及びジシアンジアミ
ド(成分Y-1)をジメチルホルムアミドに溶解した溶液
を表3のように配合して熱硬化性樹脂組成物ワニスとし
た。これに添加剤を加えて熱硬化型レジスト組成物とし
た。これを、実施例1〜2と同様にして、厚さ30〜40μm
となるようにパターンを作成した板の両面に塗布し、15
0℃で90分加熱して硬化させた。この特性を表4に示し
た。
【0045】 (表3) 実施例 比較例成分 3 4 3 4 5 (a)A-1 0 50 0 50 50 (b)C-1 30 50 30 50 50 C-2 20 0 20 0 0 C-3 50 0 50 0 0 (f)F-1 0 0.3 0 0.3 0.3 F-2 0 0.2 0 0.2 0.2 F-3 0.5 0 0.5 0 0 (g)G-1 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 G-2 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 G-3 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 (h)H-1 10 10 10 10 10 H-2 10 10 10 10 10 (i)I-1 10 15 0 0 0 I-2 0 0 0 0 3 (j)J-1 0 0.4 0 0.4 0.4 J-2 0.3 0 0.3 0 0 (y)Y-1 3 0 3 0 0
【0046】 (表4) 実施例 比較例項目 3 4 3 4 5 色調 緑色 緑色 緑色 緑色 緑色 鉛筆硬度 4H 4H 4H 5H 3H 密着性(Y/100) 100/ 100/ 100/ 100/ 100/ 半田耐熱性 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし ガラス転移温度(℃) 135 215 135 218 179 耐マイグレーション性による絶縁抵抗値劣化(85℃/85%RH、50VDC) 常態 7x1014 5x1014 5x1014 6x1014 3x1014 1000hrs. 5x10 8 4x1010 4x10 8 5x1010 < 10 8 伸び(%) 4.4 5.4 0.7 0.8 1.6 最大応力(kgf/cm2) 58 56 60 59 40 弾性率(kgf/mm2) 179 168 350 420 274
【0047】<測定方法>実施例1〜2に示した測定方法に
従う。但し、耐マイグレーション性の試験片作製におい
て、乾燥時間は、レジスト組成物塗布後、150℃で90分
加熱硬化したものを使用した。
【0048】実施例5、比較例6-7 実施例、比較例のエポキシ樹脂(成分C-2,C-3)、エチ
レン性不飽和モノマー(成分D-2)、光重合開始剤(成
分E-1)及びカチオン重合開始剤(商品名:イルガキュ
ア261、チバガイギー<株>製、成分E-2とする)、重合補
助剤としてクメンハイドロパーオキサイド(成分K-1と
する)を表5に示すように配合し、光硬化性樹脂ワニス
とした。これに添加剤を加えて光硬化型レジスト組成物
とした。これを実施例1〜2と同様に、厚さ30〜40μmと
なるように銅箔をエッチングして回路を形成した板の上
に塗布、乾燥し、UVを1000mJ/cm2照射して光で硬化させ
た。この特性を表6に示す。
【0049】 (表5) 実施例 比較例成分 5 6 7 (a)A-1 20 20 20 (c)C-1 0 0 0 C-2 30 30 30 C-3 30 30 30 (d)D-1 0 0 0 D-2 20 20 20 (e)E-1 0 0 0 E-2 10 10 10 (f)F-1 0 0 0 F-2 0 0 0 F-3 0.5 0.5 0.5 (g)G-1 0.5 0.5 0.5 G-2 0.5 0.5 0.5 G-3 1.5 1.5 1.5 (h)H-1 10 10 10 H-2 10 10 10 (i)I-1 11 0 0 I-2 0 0 2 (j)J-1 0 0 0 J-2 0 0 0 (k)K-1 2.5 2.5 2.5 (l)Y-1 0 0 0
【0050】 (表6) 実施例 比較例項目 5 6 7 色調 緑色 緑色 緑色 鉛筆硬度 4H 4H 4H 密着性 100/100 100/100 100/100 耐マイグレーション性による絶縁抵抗値劣化(85℃/85%RH、50VDC) 常態 6x1014 6x1014 4x1014 300hrs. 6x10 9 8x10 9 < 10 8 伸び(%) 4.5 0.8 1.7 最大応力(kgf/cm2) 54 57 43 弾性率(kgf/mm2) 190 473 303
【0051】以上の結果から、本発明の多重構造のゴム
弾性を有する球状粉体を配合することにより、電気的特
性、耐熱性を殆ど下げることなく、伸び、耐衝撃性等に
優れた塗料が得られ、CSP等の薄いプリント配線板の耐
クラック性等に対する信頼性に非常に優れたものが得ら
れることが明らかである。更に、シアン酸エステル化合
物を使用することにより、耐マイグレーション性、耐熱
性等の優れた塗料が得られ、薄いプリント配線板用レジ
ストとして非常に有用なものが得られた。
【0052】
【発明の効果】本発明になる多重構造を有する球状粉体
を配合したレジスト組成物は、低弾性率で、伸び、最大
応力等が良好で、耐冷熱衝撃性等に非常に優れた特性を
有し、CSP等の薄型のプリント配線板用永久保護皮膜と
して非常に有効なことが明らかである。また、多官能性
シアン酸エステル化合物を取り込むことにより、今後ま
すます高密度化するプリント配線板の信頼性に必要な、
耐マイグレーション性等に優れ、また耐熱性も優れたプ
リント配線板用永久保護皮膜として好適なものが得られ
た。
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月25日(2001.6.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 (表2) 実施例 比較例項目 1 2 1 2 色調 緑色 緑色 緑色 緑色 鉛筆硬度 4H 4H 4H 3H 密着性(Y/100) 100/ 100/ 100/ 100/ 半田耐熱性 良好 良好 良好 良好 ガラス転移温度(℃) 97 127 96 102 現像性 良好 良好 良好 不良 耐酸性 良好 良好 良好 良好 耐マイグレーション性における絶縁抵抗値劣化(Ω) ・85℃、85%RH、50VDC 常態 5x1014 7x1014 3x1014 4x1014 400hrs. 1x10 9 3x1010 9x10 8 <10 8 伸び(%) 3.5 5.5 0.8 1.9 最大応力(N/mm2) 67 58 69 37 弾性率(kgf/mm2) 191 180 339 211 レジストクラック 2/100 0/100 96/100 37/100 回路切断数 2/100 0/100 87/100 20/100
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】 (表4) 実施例 比較例項目 3 4 3 4 5 色調 緑色 緑色 緑色 緑色 緑色 鉛筆硬度 4H 4H 4H 5H 3H 密着性(Y/100) 100/ 100/ 100/ 100/ 100/ 半田耐熱性 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし ガラス転移温度(℃) 135 215 135 218 179 耐マイグレーション性による絶縁抵抗値劣化(85℃/85%RH、50VDC) 常態 7x1014 5x1014 5x1014 6x1014 3x1014 1000hrs. 5x10 8 4x1010 4x10 8 5x1010 < 10 8 伸び(%) 4.4 5.4 0.7 0.8 1.6 最大応力(N/mm2) 58 56 60 59 40 弾性率(kgf/mm2) 179 168 350 420 274
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】 (表6) 実施例 比較例項目 5 6 7 色調 緑色 緑色 緑色 鉛筆硬度 4H 4H 4H 密着性 100/100 100/100 100/100 耐マイグレーション性による絶縁抵抗値劣化(85℃/85%RH、50VDC) 常態 6x1014 6x1014 4x1014 300hrs. 6x10 9 8x10 9 < 10 8 伸び(%) 4.5 0.8 1.7 最大応力(N/mm2) 54 57 43 弾性率(kgf/mm2) 190 473 303
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 大典 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA10 AB15 AC01 AD01 BC32 BC42 BC51 BC85 CA01 CA18 CA48 CC08 CC20 FA03 FA17 FA29 2H096 AA26 BA05 BA06 BA20 EA02 GA08 HA01 JA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久保護皮膜用レジストにおいて、少な
    くとも、中にゴム弾性を有する樹脂層が存在し、最外層
    を無機質層で被覆された多重構造の球状粉体を必須成分
    として配合してなるレジスト樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該ゴム弾性樹脂層を中に有する多重構造
    の球状粉体が、ゴム弾性を有するアクリルゴムの表面に
    無機質の層を被覆して得られる粉体である請求項1記載
    のレジスト樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該粉体が、平均粒子径0.1〜20μmである
    請求項1又は2記載のレジスト樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該多重構造の粉体が、表層の無機質の層
    をカップリング剤処理してなることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載のレジスト樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該レジスト樹脂組成物が、光選択熱硬化
    型レジスト樹脂組成物である請求項1、2、3又は4記
    載のレジスト樹脂組成物。
  6. 【請求項6】該粉体をレジスト樹脂組成物中の1〜30重
    量%使用することを特徴とする請求項1、2、3、4又
    は5記載のレジスト樹脂組成物。
  7. 【請求項7】該光選択熱硬化型レジスト樹脂組成物が、
    多官能性シアン酸エステルを反応で分子内に取り込んだ
    不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を必須成分として含有
    することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6
    記載のレジスト樹脂組成物。
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JP2012150180A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法
WO2015002071A1 (ja) * 2013-07-04 2015-01-08 味の素株式会社 感光性樹脂組成物

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