JP2002356784A - 金属表面処理方法 - Google Patents

金属表面処理方法

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JP2002356784A
JP2002356784A JP2001158087A JP2001158087A JP2002356784A JP 2002356784 A JP2002356784 A JP 2002356784A JP 2001158087 A JP2001158087 A JP 2001158087A JP 2001158087 A JP2001158087 A JP 2001158087A JP 2002356784 A JP2002356784 A JP 2002356784A
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nitrite
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ion
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Yasushi Chihara
裕史 千原
Kenji Tsuge
建二 柘植
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属、特に鉄系金属表面と亜鉛系金属表面を同
時に有する金属表面にスプレー処理方法で優れたリン酸
亜鉛皮膜を形成させ、かつ、クローズドシステムに好適
な金属表面処理方法を提供する。 【解決手段】酸性リン酸亜鉛処理水溶液を用いてスプレ
ー処理で化成処理する方法において、促進剤として亜硝
酸亜鉛を5〜40質量%含み、質量基準で、ナトリウム
イオンを0〜100ppm、硫酸イオンを0〜50pp
m含む亜硝酸亜鉛水溶液を用いることを特徴とする金属
表面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車車体、家庭電
化製品、スチール家具等の金属成型物に対しリン酸亜鉛
化成皮膜処理を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車車体、家庭電化製品、ス
チール家具等の金属成型物に対しては、塗装前にリン酸
亜鉛皮膜処理が行われている。処理方式としては、スプ
レー法と浸漬法が一般的であるが、家庭電化製品、スチ
ール家具等、比較的袋部構造を有さず、生産性が重視さ
れる場合には、一般にスプレー法による化成処理が採用
されている。また被塗物素材も鉄系表面と亜鉛系表面を
同時に有する素材が採用されている。
【0003】従来の金属のリン酸亜鉛化成処理は、一般
に脱脂→水洗→水洗→皮膜化成→水洗→水洗からなる工
程で行われている。皮膜化成段階では、皮膜化成や処理
液の持ち出しによる処理液成分の消費に応じて薬液の補
給を行い、処理液中の亜鉛をはじめとする各種の金属イ
オン濃度、全酸度、酸比等を一定になるように管理して
いる。また、皮膜化成促進剤として通常亜硝酸ナトリウ
ム水溶液を供給して、処理液中の亜硝酸イオン濃度を一
定にするように管理している。しかし上記の管理方法に
あっては、皮膜化成に不要なナトリウムイオンを加えて
いることになり、また処理液中の亜硝酸イオンは酸化さ
れて硝酸イオンに変化することにより処理液中の硝酸イ
オン濃度を増加させることになる。
【0004】ところで現在一般的に採用されているリン
酸塩化成ラインでは、上記のように処理液の一部が持ち
出しの形で水洗工程にでていくので、持ち出しによる消
費に応じた補給を行えば、処理液中にナトリウムイオン
および硝酸イオンは必要以上に蓄積せず、処理液組成の
イオン濃度の均衡は維持される。しかし、上記の処理液
の一部が持ち出しの形で次の水洗工程へでていく量が少
なくなり、補給する薬剤の組成が化成処理ラインの条件
に合わず、一部の成分が蓄積増加する場合には、処理液
組成のイオンの消費・供給の均衡が崩れる。例えばナト
リウムイオンおよび硝酸イオンが異常に蓄積し、その結
果、黄錆やスケ発生などの化成不良を来すことがある。
従って、もし皮膜化成の促進剤として亜硝酸ナトリウム
を用いず、亜硝酸を使用できればナトリウムイオンの蓄
積は避けられるが亜硝酸は不安定で通常の条件では存在
せず利用できない。
【0005】また、前記のような化成処理ラインでは、
処理液の持ち出し分を多量の水で洗い流し、これを装置
外に排出するので、水質資源の立場からも問題のあると
ころである。そこでこのような問題点を解決するものと
して、水洗工程を多段水洗とし、後段でオーバーフロー
する水洗水を前段の水洗水として供給することにより、
水洗水の供給量を減少させる方法や、化成処理ラインよ
り排出される水洗水を逆浸透膜処理法や蒸発法を用いて
クローズドシステムにし水洗水を回収し、再度化成処理
液の補給薬剤や水洗水として再利用する方法がとられて
いる。しかしこれらの方法においても、上記リン酸亜鉛
化成処理液の促進剤として亜硝酸ナトリウム水溶液を補
給すると、ナトリウムイオンが処理液に蓄積する傾向に
ありクローズドシステム化においての大きな問題点とな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金
属、特に鉄系金属表面と亜鉛系金属表面を同時に有する
金属成型物の塗装下地に好適なリン酸塩皮膜を形成さ
せ、かつクローズドシステムにも好適な金属表面処理方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属表面処理方
法は、酸性リン酸亜鉛水溶液を用いてスプレー処理で化
成処理する方法において促進剤として亜硝酸亜鉛を5〜
40質量%含み、質量基準で、ナトリウムイオンを0〜
100ppm、硫酸イオンを0〜50ppm含む亜硝酸
亜鉛水溶液を用いることを特徴とするものである。上記
の酸性リン酸水溶液は亜鉛イオン0.5〜2g/l、リ
ン酸イオン5〜30g/l、マンガンイオンおよび/ま
たはニッケルイオンを0.2〜2g/lを含み、促進剤
としての亜硝酸亜鉛を亜硝酸イオンとして0.05〜
0.3g/l含むものである。また先の酸性リン酸水溶
液には、更に硝酸イオンを3〜30g/l含んでいても
よい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の金属表面処理方法で使用
される促進剤としての亜硝酸亜鉛水溶液には、亜硝酸亜
鉛を5〜40質量%、質量基準で、ナトリウムイオンを
0〜100ppm、硫酸イオンを0〜50ppm含んで
いる。
【0009】このような亜硝酸亜鉛水溶液の製造は、硫
酸亜鉛と亜硝酸カルシウムを反応させて亜硝酸水溶液を
生成させる第1工程、次いで得られた亜硝酸亜鉛を精製
する第2工程より得られるものである。上記第1工程に
おける反応温度は、室温〜50℃である。反応時間は特
に制限はされないが5〜120分程度である。
【0010】この時、原料の硫酸亜鉛と亜硝酸カルシウ
ムを混合する際のZnとCaのモル比が異なると亜硝酸
亜鉛水溶液中に溶存する硫酸イオン、カルシウムイオン
の残存量が異なる。Ca/Znの好ましい混合モル比は
0.5〜1.5であり、更に好ましくは、0.7〜1.
0である。即ち、Ca/Znモル比が0.5未満では亜
硝酸亜鉛水溶液中に溶存する硫酸イオンが5%以上にな
り、その後の硫酸イオンの除去が困難となる。Ca/Z
nモル比が1.5を超えると溶存するカルシウムイオン
が3%以上となり、同様にその後のカルシウムイオンの
除去が困難になり好ましくない。上記反応で生ずる硫酸
カルシウムは、濾過分離する。この分離操作は反応終了
後、すぐしてもよいし、第2工程の濾過分離操作時に同
時にしてもよい。
【0011】次いで、第2工程において、上記第1工程
で得られた反応溶液に溶存する硫酸イオン量に対して当
量よりも僅かに過剰のバリウムイオンを添加することに
より、硫酸イオンを除去し精製する。具体的には反応後
に溶存する硫酸イオンに対して当量〜1.5倍当量、好
ましくは当量〜1.2倍当量を添加するのがよい。ま
た、バリウムイオンの添加は上記第1工程の反応時に、
反応後に溶存するであろう硫酸イオン量に対して、予め
所定量のバリウムイオンを添加してもよい。なお、バリ
ウムイオンを供給する化合物としては特に限定はない
が、水酸化バリウムを使用することが好ましい。
【0012】本発明の金属表面処理方法では、上記製造
法により製造された亜硝酸亜鉛水溶液を促進剤として使
用する。上記促進剤としては、水溶液中に亜硝酸亜鉛5
〜40質量%の濃度のものを使用する。前記促進剤中の
亜硝酸亜鉛の濃度が5%未満であると皮膜化成処理時に
補給する促進剤溶液量が多量になり好ましくない。一方
40%を超えるものは、その製造時に不純物としてのカ
ルシウムイオン量や硫酸イオン量が多くなり、化成皮膜
に悪影響を及ぼすので好ましくない。本発明において亜
硝酸亜鉛を5〜40質量%含むことは、亜硝酸の濃度と
して5〜40質量%の範囲内であることを意味する。
【0013】前記促進剤としての亜硝酸亜鉛水溶液中の
不純物としてのナトリウムイオンと硫酸イオンの許容量
は、質量基準でナトリウムイオン濃度は100ppm以
下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5pp
m以下であり、硫酸イオン濃度は50ppm以下、好ま
しくは20ppm以下でなければならない。各々のイオ
ン濃度を上回ると、促進剤の補給によりリン酸亜鉛化成
処理液中にナトリウムイオンおよび硫酸イオンが蓄積し
化成処理性に悪影響を与えるため好ましくない。特に多
段水洗方式や逆浸透膜処理方法や蒸発方法による水洗水
の低減化や再利用を目的とするクローズドシステムを採
用した金属表面処理装置により化成皮膜処理を施す設備
を用いた場合においては、その影響は顕著であり好まし
くない。上記ナトリウムイオンの測定は、原子吸光法に
よって行う。硫酸イオンの測定は,IPC発光分析法で
イオウ(S)を測定し、硫酸イオンに換算する。
【0014】本発明の亜硝酸亜鉛水溶液において、カル
シウムイオンは、リン酸亜鉛化成処理液と混合した場合
にリン酸カルシウムとして表面処理液中でスラッジ化す
るので、これを定期的に回収すれば処理浴中に蓄積する
ことはないが、カルシウムイオンが多く溶存する場合は
処理浴中に生成するスラッジ量も多くなるので、なるべ
く少ない法が好ましい。溶存カルシウムイオンは1質量
%以下が好ましい。
【0015】本発明の処理方法における処理浴中の亜硝
酸イオンの濃度管理は、上記亜硝酸亜鉛水溶液を使用
し、その処理ラインに応じた特定の濃度範囲に保つこと
が必要であり、これは上記処理浴に対し、上記の補充用
亜硝酸亜鉛水溶液を連続的あるいは周期的に添加するこ
とにより達成される。この補充用亜硝酸亜鉛の添加割合
は、酸性リン酸亜鉛被膜処理液の亜硝酸濃度を決定する
ことにより通常決定される。
【0016】本発明においては、化成処理槽内のナトリ
ウムイオン濃度が質量基準で10000ppm以下であ
れば良好な化成被膜が得られるので、化成処理槽内のナ
トリウムイオン濃度がこの範囲内であれば、安価な亜硝
酸ナトリウム水溶液を上記亜硝酸亜鉛水溶液に混合して
添加することもできる。上記亜硝酸ナトリウム水溶液の
添加量は、亜硝酸量を基準として、添加する亜硝酸中1
5質量%以下であることが好ましい。好ましくは、10
質量%以下である。15質量%を超えると、化成処理槽
内のナトリウムイオンが蓄積増加することがある。
【0017】この亜硝酸イオン濃度の測定方法は通常、
発酵工業分野で使用されるアインホルン発酵管またはそ
の類似構造器具でもって、固形のスルファミン酸を使用
することにより、亜硝酸亜鉛からの窒素を簡易に定量的
に発生させ且つ捕集でき、その捕集量より上記処理液中
の亜硝酸イオン濃度を算出できることに基づき、リン酸
塩処理分野での実用的手法として行われている方法で測
定できる(特開昭51−88442号公報)。この方法
によりトーナー値として測定される値は、トーナー値1
ポイントが亜硝酸イオン濃度約44mg/lに相当す
る。
【0018】本発明の処理方法が適用できるリン酸亜鉛
化成処理液には特に限定はなく、通常用いられている酸
性リン酸亜鉛化成処理液の全てに適用できる。好ましい
処理液組成は亜鉛イオン0.5〜2g/l、好ましくは
0.7〜1.2g/l、リン酸イオン5〜30g/l好
ましくは10〜20g/l、マンガンイオンおよび/ま
たはニッケルイオンを0.2〜2g/l、好ましくは
0.3〜1.2g/lを含むものである。
【0019】更に上記酸性リン酸亜鉛処理液には、HF
換算でフッ素化合物を0.05〜3g/l、好ましくは
0.3〜1.5g/l含むことにより耐食性を向上でき
る。上記亜鉛イオン、マンガンイオン、ニッケルイオン
およびフッ素イオンの測定は、ICP発光分析法で行
う。
【0020】亜鉛イオンが0.5g/l未満では、リン
酸塩被膜にスケや黄錆が発生し、塗装後の耐食性が低下
する恐れがある。また2g/lを超えると亜鉛系金属表
面を有する金属成型物に対しては、密着性が低下する恐
れがある。リン酸イオンが5g/l未満では浴組成の変
動が大きくなり、安定して良好な皮膜を形成できなくな
る恐れがある。また、30g/lを超えても、より以上
の格別の効果の向上は期待できず、薬品の使用量が多く
なって経済的に不利である。
【0021】マンガンイオンおよび/またはニッケルイ
オンが0.2g/l未満では、亜鉛系金属表面を有する
場合、塗装密着性、塗装後の耐食性が低下する恐れがあ
る。一方2g/lを越えても、格別の効果が得られず経
済的に不利なものとなる。ニッケルイオンをマンガンイ
オンと併用することによって化成皮膜性能が更に向上
し、塗装の密着性および耐食性がマンガンイオン単独の
使用の場合に比べて更に向上する。フッ素化合物の含有
量(HF換算)が0.05g/l未満であると、浴組成
の変動が大きくなり、安定して良好な被膜を形成できな
くなる恐れがある。また含有量が3g/lを越えても、
より以上の格別の効果の向上がなく、経済的にも不利な
ものとなる。
【0022】上記酸性リン酸亜鉛処理液には硝酸イオン
が3〜30g/l含まれるものであってもよい。硝酸イ
オンが30g/lを越えると、リン酸亜鉛皮膜にスケや
黄錆が発生することがある。
【0023】本発明の処理方法において、処理液の遊離
酸度は0.5〜2.0ポイントであることが好ましい。
処理液の遊離酸度は処理液を10ml採取し、ブロムフ
ェノールブルーを指示薬として0.1N苛性ソーダで滴
定することにより求めることができる。0.5ポイント
未満であると処理液の安定性が低下する。また、2.0
ポイントを超えるとソルトスプレーテストにおける耐食
性が低下する恐れがある。
【0024】本発明の金属表面処理方法は、金属鋼板や
その成形物に使用されるが、特に亜鉛系金属表面と鉄系
金属表面、または、鉄系表面、亜鉛系とアルミニウム系
表面のように異種金属を有するものや、家庭電化製品・
スチール家具等、比較的袋部構造が少ない成型物の金属
表面処理に適している。これらの金属表面処理において
は、本発明方法の促進剤を使用することにより、ナトリ
ウムイオンの蓄積がなくなり、安定した化成性を示すた
め、異種金属間の処理性の差や、袋部内の化成性の低下
による耐食性の低下等を招くことがなくなり好適であ
る。
【0025】本発明の金属表面処理方法は、上記の処理
液と本発明の促進剤を用いて、スプレー処理で金属表面
処理する。この時の処理温度は、一般的な処理温度を採
用することができる。例えば20〜70℃の範囲内で適
時選択することができる。処理時間としては、通常、1
0秒以上でよく、好ましくは30秒以上であり、より好
ましくは1〜3分である。またスプレー圧力は0.6〜
2kg/cm2でよく、通常0.8〜1.2kg/cm2
である。
【0026】本発明の処理方法を適用する前処理装置と
しては、通常用いられる全てのスプレー式金属表面処理
装置に適用できるが、特に逆浸透膜処理や、蒸発処理に
よりクローズドシステム化もしくは水洗水の使用を軽減
するとうにした前処理装置に好適である。これら装置に
おいては、従来より大きな問題であった不必要なナトリ
ウムイオンの蓄積を大幅に改善でき、その結果、従来よ
り安定した処理性を長期にわたって維持でき、処理液の
更新頻度の大幅な低下や、更新を必要としなくすること
ができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0028】調整例1 亜硝酸亜鉛水溶液の調製 硫酸亜鉛7水塩(試薬特級)540gをイオン交換水に
溶解して、硫酸亜鉛水溶液1000gを調整した。この
溶液の硫酸亜鉛(ZnSO4)濃度は30.0質量%で
あった。30質量%亜硝酸カルシウム水溶液(CANI
−30;日産化学社製)660gを先に調整した硫酸亜
鉛水溶液に加えた(反応のCa/Znモル比は0.
8)。次いで、常温で1時間撹拌を継続した。このスラ
リーの一部を採取して濾過し、濾液中のカルシウムイオ
ンと硫酸イオンを分析した。その結果、濾液中のカルシ
ウムイオンが1007ppm、硫酸イオンが17723
ppm、ナトリウムイオンが3ppmであった。次に、
硫酸イオンに対して1.1倍当量のバリウムイオンを水
酸化バリウム水溶液として、先程のスラリーに添加して
1時間撹拌を継続した。撹拌終了後、全量を濾過して、
亜硝酸亜鉛水溶液を得た。この水溶液は、NO210.
5質量%、Zn8.6質量%、硫酸イオン14.3pp
m、ナトリウムイオン3ppm、カルシウムイオン92
7ppmであった。
【0029】下記組成の処理液: Zn:1000ppm Ni:1000ppm Mn:600ppm SiF6:1000ppm NO3:6000ppm PO4:15000ppm に対して、亜硝酸濃度が一定になるように、NO2とし
て27質量%含むNaNO2水溶液、および、上記調製
例1で得られた亜硝酸亜鉛水溶液で長期処理し、下記項
目について評価を行った。
【0030】1.処理条件 遊離酸度:0.5 全酸度:16〜20 トーナー値:2.0〜2.5 処理温度:43±2℃ スプレー圧力:1kg/cm2 処理液の遊離酸度は、処理液を10ml採取し、ブロム
フェノールブルーを指示薬として、0.1N苛性ソーダ
で滴定することにより求めた。処理液の全酸度は処理液
を10ml採取し、フェノールフタレインを指示薬とし
て、0.1N水酸化ナトリウムで滴定し、ピンク色に着
色する変化点までに要した0.1N水酸化ナトリウムの
量(ml)を全酸度とした。
【0031】2.処理方法 処理装置としてラボ処理用縦型スプレーテスター(日本
ペイント社製)を用いてスプレー処理した。
【0032】3.評価項目 浴中Naイオン量測定:原子吸光 ATOMIC AB
SORPTION SPECTROME TER 33
00(PERKIN ELMER社製)により測定 化成皮膜評価 外観 :目視にて評価 皮膜重量 :蛍光X線 システム3070E(リガク社
製) 結晶サイズ:SEM(×1500倍) JSM−531
0(JEOL社製)
【0033】実施例1 表面処理液中のナトリウムイオ
ン濃度の影響 上記表面処理液中において、ナトリウムイオン濃度を変
化させ、下記鉄板について評価を行った。 鉄板(サイズ/種類):70×150mm/SPC(冷
延鋼板)およびGA(亜鉛鋼板)。SPC鋼板の結果を
表1に、GA鋼板の結果を表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】参考例1 Naイオン量蓄積の測定1(N
aNO2水溶液) 上記処理条件において、更に皮膜として消費される成分
(リン酸、亜鉛等)を補給しながら、SPC鋼板の処理
を行った。 通常ラインでの各種液量 A:化成槽容量 10トン B:NaNO2水溶液(亜硝酸濃度27質量%、ナトリ
ウム濃度13質量%の使用量 300ml/m2 C:処理面積100m2当たりの亜鉛使用量 80g D:処理面積100m2当たりの化成液持ち出し量 1
0L(基板1枚当たりの持ち出し量2ml、5000枚
処理) この工程を1ターンオーバーとして、3度繰り返し(3
ターンオーバー)、系15000枚について処理した。
上記化成液持ち出しを回収しない場合NaNO 2水溶液
は亜硝酸濃度27質量%、ナトリウム濃度13質量%で
あり、化成槽内のナトリウム濃度は3900ppmで安
定した。ナトリウム濃度3900ppmは、実施例1の
結果より、良好な化成皮膜が得られることがわかる。
【0037】参考例2 Naイオン量蓄積の測定2(N
aNO2水溶液) 上記化成液持ち出し10LをpH6.8、伝導度234
μS/cmの工業用水90Lで希釈し、オーバーフロー
水洗水モデルとした。これをリン酸でpH3に調製し、
逆浸透装置として市販のLF10膜モジュールを用いた
メンブレンマスターRUW−5A(日東電工社製)を用
いて、処理温度25〜30℃、圧力1.0〜1.1MP
a、濃縮循環流量6.2〜6.3L/分、透過流量0.
3〜0.6L/分の処理条件で逆浸透膜処理を実施し、
濃縮液10Lと透過液90Lを得た。この濃縮液のナト
リウム回収率は、93%であった。その後回収した濃縮
液は化成液に戻した。この工程を3度繰り返し(3ター
ンオーバー)、計1500枚について処理した。上記参
考例1と同じNaNO2水溶液(亜硝酸濃度27質量
%、ナトリウム濃度13質量%)を使用した場合、使用
につれ濃度は上がり続けた。最終的にはナトリウム14
000ppmまで到達することになった。ナトリウム1
4000ppmは、実施例1の結果より、良好な化成皮
膜が得られないことがわかる。
【0038】実施例2 Naイオン量蓄積の測定(Na
NO2水溶液) 調製例1の亜硝酸亜鉛水溶液を使用する場合、参考例1
と亜硝酸濃度を同等にするために、100m2あたり7
71mlの添加が必要であった。この際亜鉛は66g添
加される。この亜鉛は、化成皮膜として消費される。参
考例2の逆浸透処理を実施した場合、ナトリウムの蓄積
は4.0ppmとなった。
【0039】実施例3 Naイオン量蓄積の測定(Na
NO2水溶液およびZnNO2水溶液) 参考例1のNaNO2水溶液/調製例1の亜硝酸亜鉛水
溶液を、亜硝酸量3/7にて使用すると、添加量:90
/540ml(ナトリウム:11.7g)となり、参考
例2の逆浸透処理を実施した場合、化成槽内ナトリウム
濃度は4210ppm(回収率93%)となった。参考
例1のNaNO2水溶液と亜硝酸水溶液を亜硝酸量3/
7にて使用することにより、化成槽内のナトリウム濃度
を適正な範囲(3600〜7500ppm)に制御する
ことが可能となることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の金属表面処理方法は、良好なリ
ン酸亜鉛皮膜を形成することができ、かつ、クローズド
システムにも好適に用いることができる。本発明の金属
表面処理方法によって得られるリン酸亜鉛皮膜は、金
属、特に鉄系金属表面と亜鉛系金属表面を同時に有する
金属成形物、または、鉄系表面、亜鉛系表面およびアル
ミニウム系表面を同時に有する金属成型物の塗装下地に
好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性リン酸亜鉛水溶液を用いてスプレー処
    理で化成処理する方法において、促進剤として亜硝酸亜
    鉛を5〜40質量%含み、質量基準で、ナトリウムイオ
    ンを0〜100ppm、硫酸イオンを0〜50ppm含
    む亜硝酸亜鉛水溶液を用いることを特徴とする金属表面
    処理方法。
  2. 【請求項2】酸性リン酸亜鉛水溶液が亜鉛イオン0.5
    〜2g/l、リン酸イオン5〜30g/l、マンガンイ
    オンおよび/またはニッケルイオンを0.2〜2g/l
    を含み、促進剤としての亜硝酸亜鉛を亜硝酸イオンとし
    て0.05〜0.3g/l含むことを特徴とする請求項
    1記載の金属表面処理方法。
  3. 【請求項3】酸性リン酸水溶液が硝酸イオンを3〜30
    g/l含むことを特徴とする請求項1または2に記載の
    金属表面処理方法。
  4. 【請求項4】被処理物が鉄系表面と亜鉛系表面、また
    は、鉄系表面、亜鉛系表面およびアルミニウム系表面の
    金属表面を有することを特徴とする請求項1〜3いずれ
    かに記載の金属表面処理方法。
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