JP2002356692A - 潤滑油用粘度調整剤および潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油用粘度調整剤および潤滑油組成物

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JP2002356692A
JP2002356692A JP2001161298A JP2001161298A JP2002356692A JP 2002356692 A JP2002356692 A JP 2002356692A JP 2001161298 A JP2001161298 A JP 2001161298A JP 2001161298 A JP2001161298 A JP 2001161298A JP 2002356692 A JP2002356692 A JP 2002356692A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温特性、高温での潤滑性、およびそのバラン
スに優れ、かつ相分離しにくい潤滑油組成物が得られる
ような潤滑油用粘度調整剤および該粘度調整剤を含有す
る低温特性に優れた潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
ンとの共重合体であって、下記(1)および(2)の特
性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)か
らなることを特徴とする潤滑油用粘度調整剤; (1)密度が857〜882kg/m3 の範囲にあるこ
と、(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が70,0
00〜130,000の範囲にあること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、潤滑油用粘度調整剤およ
び潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、低温特性に優
れ、かつ相分離しにくい潤滑油組成物が得られるような
潤滑油用粘度調製剤およびこの粘度調整剤を含む潤滑油
組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】石油製品は一般に温度が変化する
と粘度が大きく変化するが、たとえば自動車用などの潤
滑油はこの粘度の温度依存性が小さいことが好ましい。
このため近年では、潤滑油の温度依存性を小さくする目
的で、粘度指数向上効果を有する粘度調整剤としてエチ
レン・α-オレフィン共重合体が広く用いられている。
【0003】また潤滑油は、低温になると潤滑油中のワ
ックス分が結晶固化し流動性を失うため、この固化温度
を下げるために潤滑油には流動点降下剤も含まれてい
る。流動点降下剤は、潤滑油中のワックス分が結晶化す
ることによる3次元ネットワークの形成を阻害し潤滑油
の流動点を低下させる。ところで粘度指数向上効果を有
する粘度調整剤と、流動点降下剤とを含む潤滑油の低温
特性の中で、高せん断速度下における粘度は、潤滑油基
剤と、粘度調整剤との相溶性で決まるが、低せん断速度
下における粘度は、流動点降下剤の影響を強く受ける。
また特定の組成のエチレン・α-オレフィン共重合を粘
度調整剤として用いると、流動点降下剤との相互作用に
より、流動点降下剤の効果を著しく減ずることが知られ
ている(USP3,697,429号、USP3,551,
336号明細書参照)。
【0004】このため潤滑油、特に低温特性に優れるこ
とが要求される潤滑油に配合される粘度調整剤には、粘
度指数向上効果に優れるとともに、流動点降下剤の働き
を阻害しないことが求められる。このような要求を満た
す粘度調整剤としては、たとえば特公平6-96624
号公報には、かつ分子内のエチレン単位とα-オレフィ
ン単位の分布が不均一であるエチレン・α-オレフィン
共重合体であって、エチレン含量が30〜80重量%で
あり、重量平均分子量が20,000〜750,000で
あり、Mw/Mnが2未満である共重合体が開示されて
いる。
【0005】ところで、2000年から北米で自動車用
潤滑油の規格が改訂されて、さらに潤滑油の低温特性が
重要視されることとなった。そこで新規格用の粘度調整
剤を検討したところ、高エチレン含量(たとえば70か
ら78重量%)のエチレン・プロピレン共重合体を用い
ることで、飛躍的に低温特性が改良されるが、低温―高
せん断速度下では鉱物油から粘度調整剤が相分離し、メ
ッシュの目詰まりが起こるなどの改善すべき点があるこ
とがわかった。
【0006】そこで、本発明者らは、上記のような問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、エチレン含量が高
く、密度、分子量が特定の範囲内にあるようなエチレン
・α−オレフィン共重合体は、潤滑油に配合した場合に
粘度指数向上効果に優れ、流動点降下剤の働きを阻害す
ることがない上に、しかも低温−高せん断速度下であっ
ても相分離しにくいことを見出して本発明を完成するに
至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、特定のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体からなり低温特性、高温での潤滑性、およ
びそのバランスに優れ、かつ相分離しにくい潤滑油組成
物が得られるような潤滑油用粘度調整剤および該粘度調
整剤を含有する低温特性に優れた潤滑油組成物を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る潤滑油用粘度調整剤は、エ
チレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体
であって、下記(1)および(2)の特性を有するエチ
レン・α−オレフィン共重合体(A)からなることを特
徴としている; (1) 密度が857〜882kg/m3 の範囲にある
こと、(2) ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が7
0,000〜130,000の範囲にあること。
【0009】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
(A)は、さらに(3) 分子量分布を示す指標である
Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子
量)が2.3以下であることが好ましい。前記エチレン
・α−オレフィン共重合体(A)は、さらにまた(4)
13C−NMRスペクトルにより求められるSααに対す
るSαβの強度比D(Sαβ/Sαα)が、0.5以下
であることが好ましい。
【0010】本発明に係る潤滑油組成物は、前記(A)
エチレン・α−オレフィン共重合体と、(B)潤滑油基
剤とを含み、かつ上記エチレン・α−オレフィン共重合
体(A)は1〜20重量%の量で含まれていることを特
徴としている。また、本発明に係る潤滑油組成物は、前
記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)および潤滑
油基剤(B)とともに、(C)流動点降下剤を含み、上
記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を0.1〜
5重量%の割合で含有し、上記流動点降下剤(C)を
0.05〜5重量%の量で含有していることを特徴とし
ている。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る潤滑油用粘度
調整剤および潤滑油組成物について具体的に説明する。 [潤滑油用粘度調整剤]本発明に係る潤滑油用粘度調整
剤は、以下のようなエチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンとの共重合体(A)(以後、本明細書では単に
エチレン・α−オレフィン共重合体ということもある)
からなる。
【0012】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体 エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレン
から導かれる繰り返し単位と、炭素数3〜20のα−オ
レフィンから導かれる繰り返し単位であり、炭素数3〜
20のα-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-
1、ペンテン-1、3-メチルブテン-1、ヘキセン-1、
4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-1、テト
ラデセン-1、ヘキサデセン-1、オクタデセン-1、エ
イコセン-1などが挙げられる。これらのうち、特に好
ましくはプロピレンが好ましい。
【0013】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
のエチレン含量は、密度が後述する範囲内であれば特に
限定されないが、たとえば65〜79重量、好ましくは
70〜79重量%、より好ましくは71〜78重量%、
さらに好ましくは72〜78重量%の範囲にある。他
は、炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる繰り
返し単位等である。
【0014】エチレン・α−オレフィン共重合体中のエ
チレン含量は、前記「高分子分析ハンドブック」(日本
分析化学会、高分子分析研究懇談会 編、紀伊国屋書店
発行)に記載の方法に従って13C−NMRで測定され
る。またエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、
本発明の目的を損なわない範囲で環状オレフィン、ポリ
エンから選ばれる少なくとも1種のモノマー(以下「他
のモノマー」ということがある。)から導かれる繰り返
し単位を、たとえば5重量%以下、好ましくは1重量%
以下の割合で含有してもよい。なお、本発明ではポリエ
ンを含まないことが1つの好ましい態様である。この場
合、特に耐熱性に優れている。さらに、実質的にエチレ
ンとα-オレフィンのみからなっていることも好ましい
態様である。
【0015】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体(A)は下記(1)および(2)の特性を有してい
る。 (1)密度 エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、密度が8
57〜882kg/m 3 、好ましくは859〜880k
g/m3、より好ましくは860〜880kg/m3、さ
らに好ましくは864〜875kg/m3 、特に好まし
くは868〜875kg/m3の範囲にある。
【0016】密度が857kg/m3 以上であれば、充
分な低温特性が得られ、また密度が882kg/m3
下であれば、エチレン・プロピレン共重合体のエチレン
シーケンス部分の結晶化により、潤滑油組成物が低温時
に一部ゼリー状になることがない。 (2)重量平均分子量 エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、70,
000〜130,000、好ましくは75,000〜11
0,000の範囲にある。
【0017】重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にあ
るエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する潤滑油
組成物の低温特性と粘度指数向上性能のバランスは特に
優れる。また重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であ
れば、低温−高せん断速度下で、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体を含む濃厚溶液が潤滑油基剤から分離して
メッシュの目詰まり等の問題を引き起こすことが少な
い。また重量平均分子量が上記下限の範囲内であれば、
充分な粘度指数向上性能が得られる。
【0018】さらにこのようなエチレン・α−オレフィ
ン共重合体(A)は下記(3)の特性を有していること
が好ましい。 (3)分子量分布 このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(A)
は、分子量分布を示す指標であるMw/Mn(Mw:重
量平均分子量、Mn:数平均分子量)が、2.3以下、
好ましくは1ないし2.2の範囲にあることが望まし
い。
【0019】分子量分布が2.3以下であれば、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)を潤滑油基剤に配合
したときに潤滑油粘度のせん断安定性が良好となる。 (4)Sαβ/Sαα このような本発明に係る潤滑油用粘度調整剤では、エチ
レン・α-オレフィン共重合体(A)の13C−NMRス
ペクトルにより求められるSααに対するSαβの強度
比D(Sαβ/Sαα)は、0.5以下、好ましくは
0.4以下さらに好ましくは0.3以下であることが望ま
しい。
【0020】この強度比D(Sαβ/Sαα)は、0.
5以下であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)
を含んでいると、潤滑油の低温での流動性を向上させる
ことができる上に、高温における潤滑特性を向上させる
こともでき、さらには両者(低温流動性および高温潤滑
特性)のバランスに特に優れている。13C−NMRスペ
クトルにより求められるSαβおよびSααは、それぞ
れエチレンまたは炭素数3以上のα-オレフィンから導
かれる構成単位中のCH2のピーク強度であり、下記に
示す位置にある2種のCH2を意味している。
【0021】
【化1】
【0022】13C−NMRによって測定されたスペクト
ルは、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry
Physics,C29, 201(1989))に記載された方法に従っ
て、解析され、SαβおよびSααが測定される。強度
比Dは、それぞれのピーク部分の積分値(面積)比で算
出される。このようにして求められた強度比Dは、一般
にα-オレフィンの1,2付加反応に続いて2,1付加
反応が起こる割合、またはα-オレフィンの2,1付加
反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を示す尺度と
考えられている。したがってこの強度比D値が大きいほ
ど、α−オレフィンの結合方向が不規則であること示し
ている。逆にD値が小さいほど、α−オレフィンの結合
方向が規則的であることを示している。
【0023】このエチレン・α−オレフィン共重合体
(A)は、さらに、上記エチレン含量(E:重量%)と
融点(Tm:℃)とが下記式(III)で表される関係を満
足していることが望ましい。 3.31×E−186≧Tm …(III) 好ましくは 3.31×E−192≧Tm …(III-1) より好ましくは 3.31×E−193≧Tm …(III-2) 上記式(III)を満足しているエチレン・α−オレフィン
共重合体(A)は、特に耐寒性、および濁りのないとい
う点において優れている。
【0024】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
(潤滑油用粘度調整剤)は、潤滑油基剤に配合したとき
に粘度指数の向上効果が大きく、流動点降下剤の効果を
阻害することが少なく、しかも低温−高せん断速度下で
あっても相分離しにくく、潤滑油に濁りの問題を引き起
こすことが少ない上に、潤滑油の低温での流動性を向上
させることが可能であり、さらに高温における潤滑特性
を向上させることもできる。
【0025】以上のようなエチレン・α-オレフィン共
重合体(A)は、分子末端の二重結合が少ないことが望
ましい。全共重合体分子鎖のうち、末端がビニリデンま
たはビニルである分子鎖の割合は、30(モル)%以
下、好ましくは25(モル)%以下、さらに好ましくは
20(モル)%以下である。末端二重結合の割合は、N
MR、IRなどにより測定できる。
【0026】末端がビニリデンまたはビニルである分子
鎖の割合は、たとえば、1H−NMRでは、4.6およ
び5.7ppmに現れるビニルピーク、4.9ppmに現れる
ビニリデンピークの大きさから、全水素基中に含まれる
ビニル、ビニリデンの割合を算出し、数平均分子量から
求めた1分子当たりの水素数を乗じて、1分子当たりの
ビニルまたはビニリデンの量を求めることができる。
【0027】末端がビニリデンまたはビニルである分子
鎖の割合が前記範囲にあると、潤滑油組成物が高温時に
ゲル化したり、着色することがない。このエチレン・α
-オレフィン共重合体(A)は、エチレンとα-オレフィ
ンに起因する成分の配列はランダムである(すなわちラ
ンダム共重合体)ことが望ましい。
【0028】さらにまた、エチレン・α-オレフィン共
重合体(A)は、エチレンとα-オレフィンに起因する
成分の配列はランダムであることが望ましい。このよう
な配列のランダム性は、たとえば、13C-NMRスペク
トルおよび下記式から求められるB値が、1〜1.2、
好ましくは1.03〜1.15である。 B値=[EO]/(2×[E]×[O]) 式中、[EO]はエチレン・α-オレフィン共重合体に
おける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン単位・
α-オレフィン単位連鎖数の割合であり、[E]はエチ
レン・α-オレフィン共重合体中のエチレンから誘導さ
れる構成単位(エチレン単位)の含有モル分率、[O]
はエチレン・α-オレフィン共重合体中のα-オレフィン
から誘導される構成単位(α-オレフィン単位)の含有
モル分率を示す。
【0029】上記B値が大きいほど、エチレン単位また
はα-オレフィン単位のブロック的連鎖が短くなり、エ
チレン単位およびα-オレフィン単位の分布が一様であ
ることを示している。なお、B値が1よりも小さくなる
と、エチレン・α-オレフィン共重合体の分布が一様で
なく、ブロック的連鎖が長くなることを示している。ま
た、下記式で表されるトリアッド比は、0.1〜1、好
ましくは0.2〜0.7であることが望ましい。
【0030】トリアッド比=([EOE]/[EO
O])/((100−α)/α) 式中、[EOE]は全トリアッド中のエチレン単位・α
-オレフィン単位・エチレン単位連鎖の割合であり、
[EOO]は全トリアッド中のエチレン単位・α-オレ
フィン単位・α-オレフィン単位連鎖の割合である。、
トリアッド比が上記範囲にあると、潤滑油低温特性に優
れている。
【0031】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体(A)を潤滑油基材に配合すると、得られる潤滑油
は、低温での流動性に優れ、潤滑油粘度のせん断安定性
が高く、相分離しにくい。また、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体(A)を粘度調整剤として用いると、次世
代の北米潤滑油規格であるGF−3規格の低温特性の規
格を満たしうるような潤滑油を得ることができる。なお
潤滑油がGF−3規格を満たすかどうかは、後述するC
CS、MRVを測定することにより判断することが可能
である。
【0032】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体(A)は、エチレンとα−オレフィンと、必要に応
じて他のモノマーをオレフィン重合用触媒の存在下に共
重合させることにより得ることができる。エチレン・α
−オレフィン共重合体(A)の製造に用いられるオレフ
ィン重合用触媒としては、ジルコニウム、ハフニウム、
チタニウムなどの遷移金属の化合物と、有機アルミニウ
ム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)および/ま
たは遷移金属化合物と反応してイオンを形成しうるイオ
ン化イオン性化合物とからなる触媒、または後述するバ
ナジウム触媒が使用できるが、本発明では、これらのう
ち、周期表第4族などから選ばれる遷移金属のメタロセ
ン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/ま
たは遷移金属メタロセン化合物と反応してイオンを形成
しうるイオン化イオン性化合物と、からなるメタロセン
系触媒が特に好ましく用いられる。さらに好ましくは、
遷移金属のメタロセン化合物と、遷移金属メタロセン化
合物と反応してイオンを形成しうるイオン化イオン性化
合物との組み合わせが組成分布の点で望ましい。
【0033】次に、メタロセン系触媒について説明す
る。メタロセン系触媒を形成する周期表第4族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物は、具体的には、下記
一般式(i)で表される。 MLx …(i) 式(i)中、Mは周期表第4族から選ばれる遷移金属で
あり、具体的にジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、xは遷移金属の原子価である。
【0034】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子として
は、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-
またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、se
c-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシク
ロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシク
ロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペ
ンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル
基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルベ
ンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニル
基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基など
のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエ
ニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロイ
ンデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0035】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。一般式(i)で示される化合物が配位子Lとして
シクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する
場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を
有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレ
ン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置
換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン
基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基
などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。
【0036】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素原子数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基
(−SO3a)、ハロゲン原子または水素原子(ここ
で、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアル
キル基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル
基で置換されたアリール基である。)などが挙げられ
る。
【0037】炭素原子数が1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基など
のアリール基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラル
キル基が挙げられる。
【0038】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。アリーロキシ基としては、フェノキ
シ基などが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a
としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼ
ンスルホナト基などが挙げられる。
【0039】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。以下に、Mがジルコニウムで
あり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を
少なくとも2個含むメタロセン化合物を例示する。ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0040】また上記のような化合物においてジルコニ
ウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換
えた化合物を挙げることもできる。また本発明ではメタ
ロセン化合物として下記一般式(ii)で表される化合物
を用いることもできる。 L112 …(ii) (式中M1は、周期表第4族またはランタニド系列の金
属であり、L1は、非局在化π結合基の誘導体であり、
金属M1活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、X
は、それぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭
素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、
シリル基またはゲルミル基である。)このような一般式
(ii)で示される化合物のうちでも、下記一般式(ii
i)で示される化合物が好ましい。
【0041】
【化2】
【0042】式中、M1はチタン、ジルコニウムまたは
ハフニウムであり、Xは、上記と同様である。CpはM
1にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロ
ペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素ま
たは周期表第14族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニ
ウムまたは錫)であり、Yは窒素、リン、酸素またはイ
オウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成して
もよい。
【0043】このような一般式(iii)で示される化合
物としては、具体的に、[ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]
チタンジクロリド、[(t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル]チ
タンジクロリド、[ジベンジル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]チタ
ンジクロリド、[ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]ジベンジ
ルチタン、[ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]ジメチルチタ
ン、[(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロ
ペンタジエニル)-1,2-エタンジイル]ジベンジルチタ
ン、[(メチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペ
ンタジエニル)-1,2-エタンジイル]ジネオペンチルチ
タン、[(フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)メチレン]ジフェニルチタン、
[ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)シラン]ジベンジルチタン、
[ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタジエ
ニル)シラン]ジ(トリメチルシリル)チタン、[ジメ
チル(フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5-シク
ロペンタジエ ニル)シラン]ジベンジルチタン、
[(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エ
タンジイル]ジベンジルチタン、[2-η5-(テトラメチ
ル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2
-)]ジベンジルチタン、[2-η5-(テトラメチル-シク
ロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-)]ジメ
チルチタン、[2-((4a,4b,8a,9,9a-η)-9H-フルオレン
-9-イル)シクロヘキサノレート(2-)]ジメチルチタ
ン、[2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-イ
ル)シクロヘキサノレート(2-)]ジベンジルジルチタン
などが挙げられる。
【0044】また上記のような化合物においてチタニウ
ム金属を、ジルコニウム金属、ハフニウム金属に置き換
えた化合物を挙げることもできる。これらのメタロセン
化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。本発明では、前記一般式(i)で表さ
れるメタロセン化合物としては、中心の金属原子がジル
コニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニ
ル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ま
しく用いられる。また前記一般式(ii)または(iii)
で表されるメタロセン化合物としては、中心の金属原子
がチタンであることが好ましい。上記メタロセン化合物
のなかでは、一般式(iii)で表され、中心の金属原子
がチタンである化合物が特に好ましい。
【0045】メタロセン系触媒を形成する有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであ
ってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物であってもよい。従来公知のアルミノオキサ
ンは、具体的には、下記一般式で表される。
【0046】
【化3】
【0047】(上記一般式(iv)および(v)におい
て、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル
基、とくに好ましくはメチル基であり、mは2以上、好
ましくは5〜40の整数である。)ここで、このアルミ
ノオキサンは式(OAl(R1))で表されるアルキルオ
キシアルミニウム単位および式(OAl(R2))で表さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位[ここで、R1
よびR2はRと同様の炭化水素基を例示することがで
き、R1およびR2は相異なる基を表す]からなる混合ア
ルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよ
い。
【0048】メタロセン系触媒を形成するイオン化イオ
ン性化合物としては、ルイス酸、イオン性化合物などを
例示することができる。ルイス酸としては、BR3(R
は、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置
換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0049】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルア
ンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアン
モニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリブチルアンモ
ニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリ
プロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)
ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチル
フェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p-
トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素などが挙げ
られる。
【0050】N,N-ジアルキルアニリニウム塩としては、
たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)
ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)
ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0051】ジアルキルアンモニウム塩としては、たと
えばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイ
オン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチ
ルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートなどを挙げることもできる。特に、イオ
ン化イオン性化合物がエチレン・α-オレフィン共重合
体の組成分布を制御する点で好適に用いられる。
【0052】またメタロセン系触媒を形成するに際して
は、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオ
ン化イオン性化合物とともに、有機アルミニウム化合物
を用いてもよい。有機アルミニウム化合物としては、下
記一般式(vi)で表される化合物が挙げられる。
【0053】R1 nAlX3-n …(vi) 式中、R1は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4
の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子
であり、nは1〜3である。このような炭素原子数が1
〜15の炭化水素基としては、たとえばアルキル基、シ
クロアルキル基またはアリール基が挙げられ、具体的に
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、トリル基などが挙げられる。
【0054】このような有機アルミニウム化合物として
具体的には、以下のような化合物が挙げられる。トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニム;一般式(i-
49xAly(C510z(式中、x、y、zは正の
数であり、z≧2xである。)で表されるイソプレニル
アルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;トリイソ
プロペニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニ
ウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジア
ルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒ
ドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキ
ルアルミニウムジヒドリドなど。
【0055】本発明では、上記のようなメタロセン系触
媒の存在下にエチレンおよび炭素数3〜20のαオレフ
ィン、必要に応じて他のモノマーを、通常液相で共重合
させる。この際、重合溶媒として一般に炭化水素溶媒が
用いられるが、プロピレン等のα-オレフィンを用いて
もよい。また上記したメタロセン触媒の代わりに、可溶
性バナジウム化合物と、有機アルミニウム化合物とから
なるバナジウム系触媒を用いることができる。
【0056】バナジウム系触媒(a)を形成する可溶性
バナジウム化合物(v-1)は、具体的には、下記一般式で
表される。 VO(OR)ab または V(OR)cd 式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
などの炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、
a、b、c、dはそれぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、2
≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦
4を満たす。(前記aは1<a≦3を満たすことが好ま
しく、前記cは1<c≦3を満たすことが好ましく、ま
た前期では0≦d<4を満たすことが好ましい。) 上記一般式で表される可溶性バナジウム化合物として
は、具体的には、VOCl3、VO(OCH3)Cl2、VO
(OC25)Cl2、VO(OC25)1.5Cl1 .5 、VO(O
25)2Cl、VO(O n-C37)Cl2、VO(O iso-
37)Cl 2、VO(O n-C49)Cl2、VO(O iso-
49)Cl2、VO(O sec-C49)Cl2、VO(O t-
49)Cl2、VO(OC25)3、VOBr2、VCl4
VOCl2、VO(O n-C49)3、VOCl3・2OC8
17OHなどが挙げられる。
【0057】バナジウム系触媒を形成する有機アルミニ
ウム化合物としては前記メタロセン触媒にて例示した有
機アルミニウム化合物が使用される。上記エチレン・α
−オレフィン共重合体(A)は、好ましくは上記のよう
なメタロセン系触媒またはバナジウム系触媒の存在下に
エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィン、必要
に応じて他のモノマーを、通常液相で共重合させて製造
する。この際、重合溶媒として一般に炭化水素溶媒が用
いられるが、液状のプロピレン等のα-オレフィンを用
いてもよい。
【0058】エチレン・α-オレフィン共重合体を重合
の際に用いられる炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油
などの脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素お
よびクロロベンゼンなどのハロゲン誘導体などが用いら
れる。これら溶媒は、1種単独でまたは2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0059】エチレンおよび炭素数3〜20のα-オレ
フィン、必要に応じて他のモノマーは、バッチ法、連続
法 のいずれの方法でも共重合することができるが、連
続法で共重合することが好ましく、特に撹拌層型反応器
を用い連続法で共重合することが好ましい。共重合を連
続法で実施するに際して、上記メタロセン系触媒は、た
とえば以下のような濃度で用いられる。
【0060】重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通
常、0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合
容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/
リットルである。また有機アルミニウムオキシ化合物
は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対する
アルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜
10000、好ましくは10〜5000の量で供給され
る。
【0061】イオン化イオン性化合物は、重合系内のメ
タロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル
比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で、
0.5〜30、好ましくは1〜25の量で供給される。
また有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通
常、約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好まし
くは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用い
られる。
【0062】上記のようなメタロセン系触媒の存在下
に、エチレンおよび炭素数3〜20のα-オレフィン、
必要に応じて他のモノマーを共重合させる場合には、共
重合反応は、通常、温度が−20℃〜150℃、好まし
くは0℃〜120℃、さらに好ましくは0℃〜100℃
で、圧力が0を超えて80kg/cm2以下、好ましく
は0を超えて50kg/cm2以下の条件下に行なわれ
る。上記重合条件は、連続重合法では一定であることが
好ましい。
【0063】また、触媒としてバナジウム系触媒が用い
られる場合には、重合系内の可溶性バナジウム化合物の
濃度は、通常、0.01〜5ミリモル/リットル(重合
容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/リットルで
ある。この可溶性バナジウム化合物は、重合系内に存在
する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ま
しくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供
給されることが望ましい。また有機アルミニウム化合物
は、重合系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原
子のモル比(Al/V)で、通常2以上、好ましくは2
〜50、さらに好ましくは3〜20の量で供給される。
【0064】可溶性バナジウム化合物および有機アルミ
ニウム化合物は、通常、上述の炭化水素溶媒および/ま
たは液状のプロピレンで希釈されて供給される。この
際、該可溶性バナジウム化合物は上述した濃度に希釈さ
れることが望ましいが、有機アルミニウム化合物は重合
系内における濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度に
調整して重合系内に供給されることが望ましい。
【0065】バナジウム系触媒の存在下に、エチレンお
よび炭素数3〜20のα−オレフィン、必要に応じて他
のモノマーを共重合させる場合には、共重合反応は、通
常、温度が−50℃〜100℃、好ましくは−30℃〜
80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃で、圧力が
0を超えて50kg/cm2 以下、好ましくは0を超え
て20kg/cm2 以下の条件下に行われる。上記重合
条件は、連続重合法では一定であることが好ましい。
【0066】反応時間(共重合が連続法で実施される場
合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条
件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ましく
は10分〜3時間である。エチレンおよび炭素数3〜2
0のα-オレフィン、必要に応じて他のモノマーは、上
述のような特定組成のエチレン・α-オレフィン系共重
合体が得られるような量で重合系に供給される。さらに
共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いるこ
ともできる。
【0067】上記のようにしてエチレンおよび炭素数3
〜20のα-オレフィン、必要に応じて他のモノマーを
共重合させると、エチレン・α-オレフィン共重合体
は、通常これを含む重合液として得られる。この重合液
は、常法により処理され、本発明で用いられるエチレン
・α-オレフィン共重合体が得られる。潤滑油組成物 本発明に係る潤滑油組成物には、上記エチレン・α−オ
レフィン共重合体(A)と、潤滑油基剤(B)とを含有
するものがあり、また上記エチレン・α−オレフィン共
重合体(A)と、潤滑油基剤(B)と、流動点降下剤
(C)とを含有するものもある。
【0068】まず本発明に係る潤滑油組成物を形成する
各成分について説明する。(B)潤滑油基剤 本発明で用いられる潤滑油基剤としては、鉱物油、およ
びポリα-オレフィン、ポリオールエステル、ポリアル
キレングリコール等の合成油が挙げられ、鉱物油または
鉱物油と合成油とのブレンドが好ましく用いられる。鉱
物油は一般に脱ワックス等の精製工程を経て用いられ、
精製の仕方により幾つかの等級があるが、一般に0.5
〜10%のワックス分を含む鉱物油が使用される。また
40℃における動粘度が10〜200cStのものが一
般的に使用される。
【0069】(C)流動点降下剤 本発明で用いられる流動点降下剤としては、アルキル化
ナフタレン、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、ア
クリル酸アルキルの(共)重合体、フマル酸アルキルと
酢酸ビニルとの共重合体、α-オレフィン重合体、α-オ
レフィンとスチレンとの共重合体等が挙げられるが、中
でも、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル
酸アルキルの(共)重合体が好適に用いられる。
【0070】本発明係る潤滑油組成物には、上述したよ
うなエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と、潤滑
油基剤(B)とを含有し、該潤滑油組成物中にエチレン
・α−オレフィン共重合体(A)を1〜20重量%、好
ましくは5〜10重量%の量(残分は潤滑油基剤(B)
および後述の配合剤)で含有するものがある。このよう
な潤滑油組成物は、潤滑油基剤(B)と、エチレン・α
−オレフィン共重合体(A)との合計量100重量%に
対し、潤滑油基剤(B)が80〜99重量%、エチレン
・α−オレフィン共重合体(A)が1〜20重量%であ
ることがより好ましい。
【0071】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
と、潤滑油基剤(B)とを含有する潤滑油組成物は、温
度依存性が小さく低温特性に優れる。この潤滑油組成物
は、そのまま潤滑油用途に使用することができ、またこ
の潤滑油組成物にさらに潤滑油基剤、流動点降下剤など
を配合して潤滑油用途に使用することもできる。本発明
に係る潤滑油組成物には、上述したようなエチレン・α
−オレフィン共重合体(A)と、潤滑油基剤(B)と、
流動点降下剤(C)とを含有し、該潤滑油組成物中に、
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を0.1〜5
重量%、好ましくは0.3〜2重量%の量で、流動点降
下剤(C)を0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2
重量%の量(残分は潤滑油基剤(B)および後述の配合
剤)で含有するものがある。
【0072】潤滑油基剤(B)と、エチレン・α−オレ
フィン共重合体(A)と、流動点降下剤(C)とを含有
する潤滑油組成物は、温度依存性が小さく、かつエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)と流動点降下剤
(C)との相互作用による流動点の上昇が少なく、あら
ゆるせん断速度領域で低温特性に優れる。また、この潤
滑油組成物は、GF−3規格の低温特性の規格を満たし
うる。
【0073】本発明に係る潤滑油組成物は、上記各成分
以外に、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、水添S
BR、SEBSなどの粘度指数向上効果を有する配合
剤、清浄剤、錆止め添加剤、分散剤、極圧剤、消泡剤、
酸化防止剤、金属不活性化剤などの配合剤を配合しても
よい。極圧剤としては、スルフィド類、スルホキシド
類、スルホン類、チオホスフィネート類、チオカーボネ
ート類、油脂、硫化油脂、硫化オレフィン等のイオウ系
極圧剤;リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エ
ステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン類等のリン酸
類;塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物などを例示す
ることができる。
【0074】耐摩耗剤としては、二硫化モリブデンなど
の無機または有機モリブデン化合物、アルキルメルカプ
チルボレート等の有機ホウ素化合物;グラファイト、硫
化アンチモン、ホウ素化合物、ポリテトラフルオロエチ
レン等を例示することができる。清浄分散剤としては、
カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート、
バリウムスルホネート等の金属スルホネート、チオホス
ホネート、フェナート、サリチレート、コハク酸イミ
ド、ベンジルアミン、コハク酸エステルなどを例示する
ことができる。
【0075】酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-
メチルフェノール等のアミン系化合物、ジチオリン酸亜
鉛等のイオウまたはリン系化合物などを例示することが
できる。防錆剤としては、シュウ酸などのカルボン酸お
よびその塩;スルホン酸塩;エステル;アルコール;リ
ン酸およびその塩;ベンゾトリアゾールおよびその誘導
体;チアゾール化合物などを例示することができる。
【0076】抑泡剤としては、ジメチルシロキサン、シ
リカゲル分散体等のシリコーン系化合物、アルコール系
またはエステル系の化合物などを例示することができ
る。これらの添加剤の配合量は、要求される潤滑性能に
よって変化するが、上記潤滑油組成物100重量部のう
ちで、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05
〜30重量部含まれていてもよい。
【0077】潤滑油組成物の調製法 本発明に係る潤滑油組成物は、潤滑油基剤(B)に、エ
チレン・α−オレフィン共重合体(A)、必要に応じて
配合剤を混合または溶解するか、または潤滑油基剤
(B)に、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、
流動点降下剤(C)、および必要に応じて配合剤を混合
または溶解することにより従来公知の方法で調製するこ
とができる。
【0078】なお、本明細書においては、実施例を除き
又は明示しない限り、材料の量、反応条件、分子量、炭
素原子数などの全ての数値は、技術的に不明確にならな
い範囲で「約」という語を補って理解されることが好ま
しい。
【0079】
【発明の効果】本発明に係る潤滑油用粘度調整剤を使用
することにより、低温特性および高温での潤滑特性に優
れ、さらには両者のバランスにも優れるとともに、相分
離しにくい潤滑油組成物を得ることができる。
【0080】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお本実施例において各種物性は以下のよ
うにして測定した。エチレン含量 日本電子LA500型核磁気共鳴装置を用い、オルトジ
クロルベンゼンとベンゼン−d6との混合溶媒(オルト
ジクロルベンゼン/ベンゼン−d6=3/1〜4/1
(体積比))中、120℃、パルス幅45°パルス、パ
ルス繰返し時間5.5秒で測定した。
【0081】100℃での粘度(K.V.) ASTM D 445に基づいて測定を行った。なお本実
施例ではK.V.が10mm2 /秒程度となるように調整
した。Cold Cranking Simulator(CCS) ASTM D 2602に基づいて測定を行った(測定温
度は25℃)。CCSはクランク軸における低温での摺
動性(始動性)の評価に用いられ、値が小さい程、潤滑
油の低温特性がよいことを示す。
【0082】またCCS試験を行う際に、相分離したポ
リマーが回転軸に付着する程度を以下のように示す。 1:相分離が無く、付着も全く無い 2:相分離程度が小さく、付着も少ない 3:相分離程度が大きく、付着も多いMini-Rotary Viscometer(MRV) ASTM D 3829、D 4684に基づいて測定を
行った。MRVはオイルポンプが低温でポンピングを行
うための評価に用いられ、値が小さい程、潤滑油の低温
特性がよいことを示す。
【0083】Shear Stability Index(SSI) ASTM D 3945に基づいて測定を行った。SSI
は潤滑油中の共重合体成分が摺動下でせん弾力を受け分
子鎖が切断することによる動粘度の損失の尺度であり、
SSIが大きい値である程、損失が大きいことを示す。HTHS粘度(High Temperature High Shear Viscosit
y) ASTM D4684試験法(SAEJ300粘度分類に基づく評価、測
定温度150℃)により、HTHS粘度を評価した。この
数値が高い程、高温での潤滑油性能が良いことを示す。
【0084】
【重合例1】[オレフィン系共重合体の合成]充分窒素
置換した容量2リットルの攪拌翼付連続重合反応器に、
脱水精製したヘキサン1リットルを張り、8.0mmo
l/リットルの濃度に調整したエチルアルミニウムセス
キクロリド(Al(C25)1.5・Cl1.5)のヘキサン溶
液を、500mL/hの量で連続的に1時間供給した。
その後、さらに触媒として0.8mmol/リットルに
調整したVO(OC25)Cl2のヘキサン溶液を500
/hの量で、重合溶媒としてヘキサンを500mL/h
の量で重合反応器に連続的に供給した。一方重合反応器
上部から、重合反応器内の重合液が常に1リットルにな
るように重合液を連続的に抜き出した。またバブリング
管を用いて、エチレンを230リットル/hの量で、プ
ロピレンを70リットル/hの量で、水素を200リッ
トル/hの量で重合反応器に供給した。共重合反応は、
重合反応器外部に取り付けられたジャケットに冷媒を循
環させることにより35℃で行った。
【0085】上記条件で反応を行うと、エチレン・プロ
ピレン共重合体を含む重合溶液が得られた。得られた重
合溶液は、塩酸で脱灰した後に、大量のメタノールに投
入して、エチレン・プロピレン共重合体を析出させた
後、得られた共重合体は、130℃で24時間減圧乾燥
を行った。得られたポリマーの性状を表1に示す。
【0086】
【重合例2〜4】エチレン、プロピレン、水素の供給量
を変えた以外は、重合例1と同様に行った。得られたポ
リマーの性状を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【重合例5】充分窒素置換した容量2リットルの攪拌翼
付連続重合反応器に、脱水精製したヘキサン1リットル
を張り、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を
重合反応器内でのアルミニウム濃度が1.0mmol/
リットルとなるように500mL/hの量で連続的に1
時間供給した後、触媒として[ジメチル(t−ブチルア
ミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)
シラン]チタンジクロリドのヘキサン溶液を、重合反応
器内でのチタン濃度が0.001mmol/リットルと
なるように500ミリリットル/hの量で、助触媒とし
てトルフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオ
ロフェニル)ボレートのトルエン溶液を、重合反応器内
でのチタン濃度が0.02mmol/リットルとなるよ
うに500mmol/hの量で供給した。一方重合反応
器上部から、重合反応器内の重合液が常に1リットルに
なるように重合液を連続的に抜き出した。次にバブリン
グ管を用いてエチレンを240リットル/hの量で、プ
ロピレンを70リットル/hの量で水素を100リット
ル/hの量で供給した。共重合反応は、重合反応器外部
に取り付けられたジャケットに冷媒を循環させることに
より50℃で行った。
【0089】上記条件で反応を行うと、エチレン・プロ
ピレン共重合体を含む重合溶液が得られた。得られた重
合溶液は、塩酸で脱灰した後に、大量のメタノールに投
入して、エチレン・プロピレン共重合体を析出させた
後、130℃で24時間減圧乾燥を行った。得られたポ
リマーの性状を表2に示す。
【0090】
【重合例6】水素の供給量を変えた以外は、重合例5と
同様に行った。得られたポリマーの性状を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
【実施例1】ベース油として、鉱油150ニュートラル
/鉱油600ニュートラル(EESO社製)=93/7
の混合油を86.60重量%、粘度指数向上剤として重
合例1で得られたポリマーを1.90重量%、流動点降
下剤としてアクルーブ133(三洋化成社製)を0.5
0重量%、清浄分散剤(ルブリゾール社製)を11重量
%用いて、潤滑油の性能評価と低温時の流動性の評価を
行った。
【0093】結果を表3に示す。
【0094】
【実施例2〜4、比較例1および2】ベース油の量、重
合ポリマーの種類と量を変えた以外は、実施例1と同様
にして潤滑油組成物を調製し、評価を行った。結果を表
3に示す。
【0095】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591131338 ザ ルブリゾル コーポレイション THE LUBRIZOL CORPOR ATION アメリカ合衆国 オハイオ 44092,ウイ クリフ レークランド ブールバード 29400 29400 Lakeland Boulev ard, Wickliffe, Ohi o 44092, United State s of America (72)発明者 岡 田 圭 司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 金 重 良 輔 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4H104 CA01C EA01C EA03C EA06C LA01 LA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
    ンとの共重合体であって、下記(1)および(2)の特
    性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)か
    らなることを特徴とする潤滑油用粘度調整剤; (1)密度が857〜882kg/m3 の範囲にあるこ
    と、(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
    測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が70,0
    00〜130,000の範囲にあること。
  2. 【請求項2】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)が、さらに、(3)分子量分布を示す指標である
    Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子
    量)が2.3以下である特性を有することを特徴とする
    請求項1に記載の潤滑油用粘度調整剤。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)が、さらに、(4)13C−NMRスペクトルによ
    り求められるSααに対するSαβの強度比D(Sαβ
    /Sαα)が、0.5以下であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の潤滑油用粘度調整剤。
  4. 【請求項4】(A)エチレンと炭素数3〜20のα−オ
    レフィンとのエチレン・α−オレフィン共重合体と、
    (B)潤滑油基剤とを含み、上記エチレン・α−オレフ
    ィン共重合体(A)が1〜20重量%の量で含まれ、か
    つ上記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が下記
    (1)および(2)の特性を有することを特徴とする潤
    滑油組成物; (1) 密度が857〜882kg/m3 の範囲にある
    こと、(2) ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が7
    0,000〜130,000の範囲にあること。
  5. 【請求項5】(A)エチレンと炭素数3〜20のα−オ
    レフィンとのエチレン・α‐オレフィン共重合体と、
    (B)潤滑油基剤と、(C)流動点降下剤とを含み、上
    記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が0.1〜
    5重量%の割合で含まれ、上記流動点降下剤(C)が
    0.05〜5重量%の量で含まれ、かつ上記エチレン・
    α−オレフィン共重合体(A)が下記(1)および
    (2)の特性を有することを特徴とする潤滑油組成物; (1)密度が857〜882kg/m3 の範囲にあるこ
    と、(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
    測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が70,0
    00〜130,000の範囲にあること。
  6. 【請求項6】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)が、さらに(3)分子量分布を示す指標であるM
    w/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子
    量)が2.3以下である特性を有することを特徴とする
    請求項4または5に記載の潤滑油組成物。
  7. 【請求項7】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)は、さらに、(4)13C−NMRスペクトルによ
    り求められるSααに対するSαβの強度比D(Sαβ
    /Sαα)が、0.5以下であることを特徴とする請求
    項4〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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