JP2002356495A - ベンゾイルシチジン誘導体の製造方法 - Google Patents

ベンゾイルシチジン誘導体の製造方法

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JP2002356495A
JP2002356495A JP2001211770A JP2001211770A JP2002356495A JP 2002356495 A JP2002356495 A JP 2002356495A JP 2001211770 A JP2001211770 A JP 2001211770A JP 2001211770 A JP2001211770 A JP 2001211770A JP 2002356495 A JP2002356495 A JP 2002356495A
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benzoylcytidine
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JP2001211770A
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English (en)
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Hiroichi Awano
博一 粟野
Hironori Komatsu
小松  弘典
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の欠点を解消したベンゾイルシチジン誘
導体の工業的精製方法を提供すること。 【解決方法】 シチジン誘導体またはその塩を、2級ま
たは3級アルコール溶媒中、酸無水物または酸ハロゲン
化物と反応させる。 【効果】 ベンゾイルシチジン誘導体工業的に精製する
方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベンゾイルシチジン
誘導体の製造法に関する。近年、このベンゾイルシチジ
ン誘導体〔IV〕は、抗ウイルス剤や抗ガン剤などとし
て用いられる各種シチジン誘導体製造の中間体としての
みならず各種抗ウイルス剤、抗ガン剤、抗クローン病
剤、抗リュウマチ剤および診断薬として開発されつつあ
る、オリゴヌクレオチド誘導体やアンチセンスDNA製
造のための重要な中間体化合物としても需要が増大して
いる。
【0002】
【従来の技術】従来、ベンゾイルシチジン誘導体〔I
V〕の一般的な製造法としては以下の方法が知られてい
た。すなわち、一般式〔I〕で表されるシチジン誘導体
をピリジン中過剰のアシルクロリドによりN4,O
3’,O5’−トリベンゾイル体とし、これをアルカリ
処理することでO3’,O5’−ベンゾイル基を脱保護
してベンゾイルシチジン誘導体を得る方法である(例え
ばJ.Am.Chem.Soc.,85,3821,
(1963)など)。しかし、この方法では過剰のアシ
ル化を行った後脱保護するため、操作が煩雑である。
【0003】あるいは、あらかじめ一般式〔I〕で表さ
れるシチジン誘導体をトリメチルシリルクロリドで処理
した後、アシル化を行い、続いて水酸基に導入されたト
リメチルシリル基を除去する方法も知られている(J.
Am.Chem.Soc.,104,1316,(19
82)など)。この場合も先の方法と同様トリメチルシ
リル基の導入、脱保護のために操作が煩雑である。こう
した観点からN4位のみ選択的にアシル化できることが
望ましい。
【0004】そうした方法としては、次の方法が知られ
ている。すなわち、ピリジンもしくはDMF中でシチジ
ン誘導体〔I〕を酸無水物と反応させる方法である(C
hem.Pharm.Bull.,15,894,(1
967)、J.Org.Chem.,45,4802,
(1980)など)。しかし、いずれの場合も目的物を
取出す過程で濃縮乾固を行っていたり、高沸点の溶媒を
留去する必要があり工業的製造の観点からは必ずしも好
ましくない。また、デオキシシチジン塩酸塩をイオン交
換樹脂等で遊離体として分離した後これと安息香酸無水
物を加熱還流する方法が知られている(Synthesis,1
1,965,(1984)、J.Heterocyclic Chem.,26,153
1,(1989))。しかし、これらの方法はあらかじめ遊
離の化合物を得るための工程が必要であり、直接塩の形
で反応することは開示していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
した従来の欠点を解消した効率的なベンゾイルシチジン
誘導体〔IV〕の工業的な製造法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
行い、シチジン誘導体の塩を2級または3級アルコール
を溶媒中で酸無水物等と反応することにより、N4位に
選択的なベンゾイル化が進行し、反応混合物中でベンゾ
イルシチジン誘導体〔IV〕が析出すること、更に反応
系内に塩基を添加すると反応収率が向上することを見出
し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、 [1] 一般式〔I〕[化5]
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1は水素原子または水酸基を表
し、R2は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基を
表す。)で示されるシチジン誘導体の塩を、2級または
3級アルコール溶媒中一般式〔II〕[化6]
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R3は水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基を表す。)で示さ
れる酸無水物、または一般式〔III〕[化7]
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R4はハロゲン原子を表し、R3
は前記と同義である.)で示される酸ハロゲン化物と反
応させることにより一般式〔IV〕[化8]
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R1、R2、R3は前記と同義で
ある.)で示されるベンゾイルシチジン誘導体の製造方
法であり、 [2] 塩基の存在下に反応させることを特徴とする
[1]記載のベンゾイルシチジン誘導体の製造方法。 [3] 2級アルコール溶媒がイソプロピルアルコール
である[1]又は[2]記載のベンゾイルシチジン誘導
体の製造方法であり、 [4] 40℃から110℃の温度範囲で反応を行うこ
とを特徴とする[1]〜[3]の何れか一項に記載のベ
ンゾイルシチジン誘導体の製造方法である。
【0015】
【発明実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。原
料である一般式〔I〕および目的物である一般式〔I
V〕において、R1は水素原子または水酸基を、R2は
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基を表す。
【0016】R2の表すハロゲン原子としては、たとえ
ばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが
あげられる。
【0017】R2の表す低級アルキル基としては、たと
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基などがあげられる。
【0018】シチジン誘導体の塩としては、たとえば塩
酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスル
ホン酸塩などがあげられる。
【0019】反応に用いる酸無水物および酸ハロゲン化
物において、R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、ニトロ基を表す。
【0020】R3の表すハロゲン原子としては、たとえ
ばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが
あげられる。
【0021】R3の表すアルキル基としては、たとえば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基などがあげられる。
【0022】R3の表すアルコキシ基としては、たとえ
ばメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イ
ソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチル
オキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチル
オキシ基などがあげられる。R4はハロゲン原子を表
す。
【0023】反応に用いる2級または3級アルコールと
しては、たとえばイソプロピルアルコール、sec−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロ
ペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコールなどが
あげられる。なかでもイソプロピルアルコールが好まし
い。
【0024】シチジン誘導体の塩を用いて反応を行う場
合は、塩基を添加することが望ましい。添加する塩基と
しては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウムなどの無機塩基を用いてもよいし、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、
トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン、ジメチルアミノピリジン、ピリジンなどの有機塩基
を用いてもよい。塩基の使用量は特に限定されないが、
シチジン誘導体に対して0.5当量から2当量が好まし
い。
【0025】酸無水物または酸ハロゲン化物の使用量は
特に限定されないが、シチジン誘導体に対して0.9か
ら2.0倍モルが好ましい。
【0026】反応を行う温度は特に限定されないが、4
0℃から110℃が好ましく、40℃から70℃が特に
好ましい。
【0027】反応が進行すると目的物であるベンゾイル
シチジン誘導体が析出する。これを濾過することにより
ベンゾイルシチジン誘導体を得ることができる。得られ
たベンゾイルシチジン誘導体は、必要ならば再結晶によ
り純度を高めることができる。再結晶溶媒としてはメタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、アセトニトリル、プロピオニトリルなどを用いる
ことができる。
【0028】以上、本発明により非常に簡便な操作によ
り目的とするベンゾイルシチジン誘導体を得ることがで
きるようになった。
【0029】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 実施例1 デオキシシチジン塩酸塩2.64g、イソプロピルアル
コール79mL、トリエチルアミン1.39mLを混合
し、室温で攪拌した。ここに安息香酸無水物3.39g
を加え、室温で60時間攪拌した。析出している結晶を
濾取した。結晶をイソプロピルアルコールで洗浄し、減
圧下50℃で乾燥した。収量2.15g。収率65%。
【0030】実施例2 デオキシシチジン塩酸塩10g、イソプロピルアルコー
ル100mL、トリエチルアミン3.84gを混合し、
室温で攪拌した。ここに安息香酸無水物10.3gを加
え、60℃で6時間攪拌した。反応液を氷冷し、析出し
た結晶を濾取した。結晶をイソプロピルアルコールで洗
浄し、減圧下50℃で乾燥した。収量9.6g。収率7
6%。
【0031】実施例3 デオキシシチジン塩酸塩2.64g、イソプロピルアル
コール79mL、トリエチルアミン1.39mLを混合
し、室温で攪拌した。ここに安息香酸無水物3.39g
を加え、75℃で2時間攪拌した。反応液を氷冷し、析
出した結晶を濾取した。結晶をイソプロピルアルコール
で洗浄し、減圧下50℃で乾燥した。収量2.3g。収
率69%。
【0032】実施例4 デオキシシチジン塩酸塩10g、イソプロピルアルコー
ル200mL、トリエチルアミン3.84gを混合し、
室温で攪拌した。ここに安息香酸無水物10.3gを加
え、60℃で6時間攪拌した。反応液を氷冷し、析出し
た結晶を濾取した。結晶をイソプロピルアルコールで洗
浄し、減圧下50℃で乾燥した。収量9.5g。収率7
6%。
【0033】実施例5 デオキシシチジン塩酸塩0.4g、イソプロピルアルコ
ール4mLを混合し、室温で攪拌した。ここに安息香酸
無水物0.41gを加え、60℃で6時間攪拌した。反
応液をHPLCで分析し、収率を求めた。収率30%。 HPLC分析条件 カラム:YMC−Pack A−502(4.6×15
0mm) 移動相A:2%メタノール/10mMリン酸ナトリウム
バッファー(pH7) 移動相B:90%メタノール/10mMリン酸ナトリウ
ムバッファー(pH7) 流速:1mL/min 検出波長:UV260nm
温度:40℃ グラジェント条件: 時間(min) 0 11 21 29 33 B濃度(%) 20 20 80 80 20
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、従来の欠点を解消した
効率的なベンゾイルシチジン誘導体〔IV〕の工業的な
製造法を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕[化1] 【化1】 (式中、R1は水素原子または水酸基を表し、R2は水
    素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基を表す。)で示
    されるシチジン誘導体の塩を、2級または3級アルコー
    ル溶媒中一般式〔II〕[化2] 【化2】 (式中、R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
    アルコキシ基、ニトロ基を表す。)で示される酸無水
    物、または一般式〔III〕[化3] 【化3】 (式中、R4はハロゲン原子を表し、R3は前記と同義
    である。)で示される酸ハロゲン化物と反応させること
    により一般式〔IV〕[化4] 【化4】 (式中、R1、R2、R3は前記と同義である。)で示
    されるベンゾイルシチジン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩基の存在下に反応させることを特徴と
    する請求項1記載のベンゾイルシチジン誘導体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 2級アルコール溶媒がイソプロピルアル
    コールである請求項1又は請求項2記載のベンゾイルシ
    チジン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 40℃から110℃の温度範囲で反応を
    行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載
    のベンゾイルシチジン誘導体の製造方法。
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