JP2002356455A - アントラセン誘導体の製造方法 - Google Patents

アントラセン誘導体の製造方法

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JP2002356455A
JP2002356455A JP2001162362A JP2001162362A JP2002356455A JP 2002356455 A JP2002356455 A JP 2002356455A JP 2001162362 A JP2001162362 A JP 2001162362A JP 2001162362 A JP2001162362 A JP 2001162362A JP 2002356455 A JP2002356455 A JP 2002356455A
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derivative
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anthracene derivative
mol
anthraquinone
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Toshio Takahama
浜 寿 男 高
Yoshiaki Iwasaki
崎 義 昭 岩
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SHIROI YAKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アントラセン誘導体、特に9,10-ジアルコキ
シアントラセン誘導体を高収率、高純度でかつ工業的に
十分満足できる方法で製造すること。 【解決手段】 本発明に係るアントラセン誘導体の製造
方法は、アントラキノン誘導体を、ジアルキル硫酸、塩
基性物質および水素化ホウ素ナトリウムの存在下に還元
アルキル化することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アントラセン誘導
体の製造方法に関し、特に高収率、高純度で工業的に有
利なアントラセン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アントラセン化合物は特開平8-20728号
公報、特開平11-322952号公報あるいはEP0831371によれ
ば、光重合成組成物における光増感剤として有用であ
る。このようなアントラセン化合物の中でも、9,10-ジ
アルコキシアントラセン化合物の製造として、それに対
応するアントラキノン誘導体をナトリウムジチオナイト
で還元し次いでアルキル化する方法が知られている。例
えば、A.Kraus,TimOn Man,Synthetic Commun.16,1037(1
986)、U.Seitz,J.Daub,Synthesis,686(1986)では、水系
溶媒に相関移動触媒を用いて還元し、次いでジメチル硫
酸やヨウ化メチル等のアルキル化剤でアルキル化する方
法が報告されている。同様に特開2000-119208号公報で
はアルコールー水系溶媒中、ナトリウムジチオナイトで
還元し、アルキル化剤としてジメチル硫酸、ジエチル硫
酸を用いて目的物を得ている。
【0003】しかしながら、これらの方法では反応条
件、例えば温度、反応系のpHなどのコントロールが難し
く、必ずしも収率良く目的物が得られるとは限らず工業
的製法として十分満足のいくものとは言い難い。また、
還元剤として比較的多量のナトリウムジチオナイトを用
いる必要があった。より還元力の強い水素化ホウ素ナト
リウムをナトリウムジチオナイトの代わりに用いること
が可能であるが問題点を抱えている。例えばT.R.Criswe
ll,B.HKlanderman,J.Org.Chem.,39,770(1974)、D.SBapa
f et,al,Tetrahedron Lett.1960,15では、アントラキノ
ン化合物を水素化ホウ素ナトリウムで還元してさらに還
元反応の進行した9,10-ジヒドロキシアントラセン-9,10
-ジオールが生成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアント
ラセン誘導体、特に9,10-ジアルコキシアントラセン誘
導体を高収率、高純度でかつ工業的に十分満足できる方
法で製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアントラセ
ン誘導体の製造方法は、アントラキノン誘導体を、ジア
ルキル硫酸、塩基性物質および水素化ホウ素ナトリウム
の存在下に還元アルキル化することを特徴としている。
本発明においては、前記アントラキノン誘導体に対し、
ジアルキル硫酸2.0〜4.0倍モル、塩基性物質2.
0〜5.0倍モル、水素化ホウ素ナトリウム0.5〜
2.0倍モル用い、還元アルキル化反応を20〜60℃
で行うことが好ましい。
【0006】また、前記還元アルキル化反応を有機溶媒
中、特に1,2-ジメトキシエタン、2-メトキシエタノー
ル、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、イソプ
ロピルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
n-ブチルアルコール中で行うことが好ましい。さらに本
発明においては、前記アントラセン誘導体が9,10-ジア
ルコキシアントラセン誘導体であることが好ましい。
【0007】このような本発明によれば、過剰な還元反
応無しに、また中間生成物を単離すること無く、速やか
にアントラセン誘導体、特に9,10-ジアルコキシアント
ラセン誘導体が高収率で得られる。また、還元剤として
の水素化ホウ素ナトリウムは還元当量は4であり、従来
用いられてきたナトリウムジチオナイトに対して還元当
量で2倍である。また分子量も約五分の一と小さい為そ
の使用量も理論的にナトリウムジチオナイトの約10分
の一と少なくて良くこの点も優れた利点である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るアントラセン誘導体
の製造方法では、アントラキノン誘導体を、ジアルキル
硫酸、塩基性物質および水素化ホウ素ナトリウムの存在
下に還元アルキル化する。出発原料であるアントラキノ
ン誘導体としては、特に限定されず、種々のアントラキ
ノン誘導体が用いられ、また、これに対応して得られる
アントラセン誘導体は、アントラキノンのカルボニルが
アルコキシ化した9,10-ジアルコキシアントラセン誘導
体である。
【0009】出発原料であるアントラキノン誘導体(I
I)と、生成物である9,10-ジアルコキシアントラセン誘
導体(I)の関係は、下記のようにまとめられる。ジア
ルキル硫酸のアルキルがアントラキノンのカルボニル部
に導入され、9,10-ジアルコキシアントラセン誘導体
(I)が生成する。したがって、用いるジアルキル硫酸
によって、種々の9,10-ジアルコキシアントラセン誘導
体(I)を得ることができる。
【0010】
【化1】
【0011】上式中R1は同一であっても異なっていても
よく、メチル、エチル、プロピル、ブチル基のいずれか
であり、R2、R3はそれぞれ独立に、水素またはメチル、
エチル、n-プロピル、n-ブチル基等の低級アルキル基で
ある。アントラキノン誘導体(II)と、それに対応して
生成するアントラセン誘導体(I)の主なものを下表に
まとめる。
【0012】
【表1】
【0013】ジアルキル硫酸(R1O)2SO2(R1は、
上記式(I)におけるR1と同一)は、アルキル化剤と
して用いられ、上記R1がアントラキノン誘導体のカル
ボニル部位に導入され、9,10-ジアルコキシアントラセ
ン誘導体(I)が得られる。このようなジアルキル硫酸
としては、具体的にはジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジ
プロピル硫酸、ジブチル硫酸等が用いられる。ジアルキ
ル硫酸の使用量は、原料のアントラキノン誘導体(II)
に対して好ましくは2.0〜4.0倍モル、さらに好ましくは
2.1〜2.4倍モルである。
【0014】本発明では還元反応及びアルキル化反応と
もに塩基性条件下で行われる為、反応系に塩基性物質を
添加する。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が用いられ、特に水酸
化ナトリウムが好ましく用いられる。塩基性物質の使用
量は、原料のアントラキノン誘導体(II)に対して好ま
しくは2.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは2.1〜2.5倍モ
ルである。添加方法は通常30〜40%水溶液で行う。
【0015】本発明では、各成分の添加順は特に限定は
されないが、好ましくは上記原料アントラキノン誘導体
(II)、ジアルキル硫酸および塩基性物質を攪拌懸濁
し、次いで、水素化ホウ素ナトリウムを添加することに
より還元アルキル化反応を行う。反応に用いられる水素
化ホウ素ナトリウムの量は、原料のアントラキノン誘導
体(II)に対して好ましくは0.5〜2.0倍モル、さらに好
ましくは1.1〜1.5倍モルである。水素化ホウ素ナトリウ
ムの添加及び反応完結に要する時間は通常は、1〜3時
間であり、その時の温度は好ましくは20〜60℃、さらに
好ましくは20〜40℃である。
【0016】上記の還元アルキル化反応は、一般には有
機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、特に1,2-ジメ
トキシエタン、2-メトキシエタノール、ジエチルエーテ
ル、テトラハイドロフラン、イソプロピルエーテル、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール等
の低級アルコール類およびエーテル類が好ましく用いら
れる。これらの中でも特に1,2-ジエトキシエタン、メタ
ノールが好ましく用いられる。
【0017】反応系の濃度は特に限定はされないが、一
般には原料のアントラキノン誘導体(II)の濃度は、好
ましくは0.1〜1.5モル/リットル、さらに好まし
くは0.5〜1.0モル/リットル程度であり、ジアル
キル硫酸、塩基性物質、水素化ホウ素ナトリウムの量
は、アントラキノン誘導体量に応じて、上記範囲内で適
宜に選択される。
【0018】このような反応の後、生成した9,10-ジア
ルコキシアントラセンは有機層に存在する。有機層を必
要に応じてアルカリ溶液等で洗浄し、冷却あるいは溶媒
留去などにより、9,10-ジアルコキシアントラセンが得
られる。
【0019】
【発明の効果】このような本発明によれば、過剰な還元
反応無しに、また中間生成物を単離すること無く、速や
かにアントラセン誘導体、特に9,10-ジアルコキシアン
トラセン誘導体が高収率で得られる。また、還元剤とし
ての水素化ホウ素ナトリウムは還元当量は4であり、従
来用いられてきたナトリウムジチオナイトに対して還元
当量で2倍である。また分子量も約五分の一と小さい為
その使用量も理論的にナトリウムジチオナイトの約10
分の一と少なくて良くこの点も優れた利点である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
【実施例1】 9,10-ジエトキシアントラセンの合成 1,2-ジメトキシエタン6600g中にアントラキノン1249g
(6モル)、ジエチル硫酸2035g(13.2モル)及び35%水
酸化ナトリウム水溶液1646g(NaOHとして14.4モル)を
加え撹拌懸濁した。次いで反応液温度を20〜40℃の範囲
を保って水素化ホウ素ナトリウム273g(7.2モル)を約
2時間かけて徐々に添加しその後40℃を保って1時間熟
成した。
【0022】熟成終了後静置し水層を分離除去し、有機
層を冷却すると9,10-ジエトキシアントラセンが析出さ
れた。結晶を分離し1,2-ジメトキシエタンで再結晶して
9,10-ジエトキシアントラセン1262gが得られた。収率79
%。融点148.4℃。
【0023】
【実施例2】 2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン
の合成 1,2-ジメトキシエタン3100g中に2-エチルアントラキノ
ン1180g(5モル)、ジエチル硫酸1700g(11モル)及び3
5%水酸化ナトリウム水溶液1370g(NaOHとして12モル)
を加え撹拌懸濁した。次いで反応液温度を20〜40℃の範
囲を保って水素化ホウ素ナトリウム227g(6モル)を約
2時間かけて徐々に添加しその後40℃を保って1時間熟
成した。
【0024】熟成終了後静置し水層を分離除去し、有機
層を5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層の1,
2-ジメトキシエタンを減圧下溜去しその残渣にメタノー
ルを加え冷却して結晶を析出させた。結晶を濾取、乾燥
して2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン1181gが得
られた。収率80%。融点59.5℃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩 崎 義 昭 千葉県市川市本行徳18−7 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 BA02 BA29 BA92 BB14 BB15 BB25 BC10 BC31 BC34 BE23 GN23 GP03 4H039 CA61 CB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アントラキノン誘導体を、ジアルキル硫
    酸、塩基性物質および水素化ホウ素ナトリウムの存在下
    に還元アルキル化することを特徴とするアントラセン誘
    導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アントラキノン誘導体に対し、ジアルキ
    ル硫酸2.0〜4.0倍モル、塩基性物質2.0〜5.
    0倍モル、水素化ホウ素ナトリウム0.5〜2.0倍モ
    ル用い、還元アルキル化反応を20〜60℃で行うこと
    を特徴とする請求項1に記載のアントラセン誘導体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記還元アルキル化反応を有機溶媒中で
    行うことを特徴とする請求項1または2に記載のアント
    ラセン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機溶媒が、1,2-ジメトキシエタ
    ン、2-メトキシエタノール、ジエチルエーテル、テトラ
    ハイドロフラン、イソプロピルエーテル、メチルアルコ
    ール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソ
    プロピルアルコール、n-ブチルアルコールの何れかであ
    る請求項3に記載のアントラセン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アントラセン誘導体が9,10-ジアル
    コキシアントラセン誘導体であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のアントラセン誘導体の製造
    方法。
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