JP2002356366A - 粘 土 - Google Patents

粘 土

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JP2002356366A
JP2002356366A JP2001165370A JP2001165370A JP2002356366A JP 2002356366 A JP2002356366 A JP 2002356366A JP 2001165370 A JP2001165370 A JP 2001165370A JP 2001165370 A JP2001165370 A JP 2001165370A JP 2002356366 A JP2002356366 A JP 2002356366A
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Toshiyuki Yamamuro
敏之 山室
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性、耐候性、および耐ブリード性に優れ
た粘土を提供する。 【解決手段】 色素顔料を含有する粘土において、当該
色素顔料の平均粒径を0.05〜0.2μmの範囲内の
値とするとともに、粒径分布における標準偏差を0.0
5μm以下の値とし、かつ添加量を、全体量に対して、
0.1〜10重量%の範囲内の値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘土(軽量粘土を
含む。以下、同様である。)に関し、特に、発色性、耐
候性および色素顔料の耐ブリード性に優れた粘土に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の美術工芸や学校教材等に使用され
る粘土は、粒状素材ないし植物遺体離解物を主材とし、
この主材に粒状素材を粘結するための粘結剤、香料、色
素、水分、油分などの添加物を加えて構成されるものが
多い。そのため、従来の粘土は重量が重く、使い勝手が
悪いという問題が見られた。そのため、例えば、特公昭
51−893号公報には、粉末化された発泡スチロール
を主材とし、これにパルプ材や水等を加えて構成され
た、軽量粘土が開示されている。しかしながら、粉末化
された発泡スチロールは、その構造上、表面に多数の空
隙が生じており、この空隙に水等が浸透することによ
り、含水性ないし含液性に富むものとなる。このため、
粘土全体の重量は、あまり軽減されないという軽量化上
の課題が残存する。また、発泡スチロールの微小化は容
易でなく、配合材料と均一に混合することが困難である
という製造上の問題も見られた。
【0003】また、特公昭59−50615号公報に
は、粒度が150μm未満で、嵩比重が0.6以下であ
る発泡無機質材料からなる微小中空粉粒体を30〜40
重量%と、繊維長が10mm以下である繊維粉を3〜1
3重量%と、粒度が150μm以下のタルク粉を31〜
60重量%と、水溶性合成糊剤の単独または併用したも
のを3〜8重量%と、水とが混練され、針入度が100
〜350に調整されている艶出し可能な成形用粘土が開
示されており、さらに、類似の構成の彫塑材が特公昭5
7−16356号公報に開示されている。しかしなが
ら、かかる成形用粘土や彫塑材は、発泡無機質材料から
なる中空微小球や岩石粉の添加量が多いために、発色性
に乏しく、さらには、製造コストが高いという問題が見
られた。
【0004】また、特開平2−123390号公報に
は、中空微小球を3〜20重量部、合成粘結剤を5〜2
0重量部、繊維粉を10〜30重量部、馴合液剤である
水を50〜60重量部の割合で配合することにより、軽
量で、白色度が高く、しかも焼却処理が容易にできると
いう軽量粘土が提案されている。すなわち、例えば、中
空微小球の配合割合が3重量部未満となると、所定の目
的重量を達成できないためであり、一方、かかる中空微
小球の配合割合が20重量部を超えると、粘土としての
性質が損なわれるためである。また、繊維粉の配合割合
が10重量部未満となると、結合材としての働きが不十
分となるためであり、一方、かかる繊維粉の配合割合が
30重量部を超えると、水を多量に保存するので軽量化
が損なわれるためである。さらに、水の配合割合が50
重量部未満となると、造形作業が困難となるためであ
り、一方、かかる水の配合割合が60重量部を超える
と、軟化して造形性が乏しくなり、さらには軽量化が損
なわれるためである。しかしながら、かかる軽量粘土
は、中空微小球の配合割合が多すぎる一方、水の添加量
が少ないために、発色性や造形性に乏しく、しかも製造
コストが高いという問題が見られた。
【0005】そこで、特開平10−268755号公報
には、粒径1〜200μmのガラス微小中空球30〜7
0重量部と、繊維粉30〜60重量部と、カルボキシメ
チルセルロース10〜50重量部と、水200〜400
重量部(ガラス微小中空球と、繊維粉と、カルボキシメ
チルセルロースの合計量基準)の割合で配合することに
より、軽量で、乾燥日数が短く、しかも収縮率の小さい
軽量粘土が開示されている。すなわち、例えば、ガラス
微小中空球の配合割合が30重量部未満となると、所定
の軽量化を図ることができないためであり、一方、かか
るガラス微小中空球の配合割合が70重量部を超える
と、収縮やひび割れが大きくなるためである。また、繊
維粉の配合割合が30重量部未満となると、収縮やひび
割れが大きくなるためであり、一方、かかる繊維粉の配
合割合が60重量部を超えると、水を多量に保存するの
で軽量化が損なわれるためである。さらに、かかる水の
配合割合が200重量部未満となると、造形作業が困難
となるためであり、一方、かかる水の配合割合が400
重量部を超えると、軟化して造形性が乏しくなり、さら
には手に付着しやすくなるためである。しかしながら、
かかる軽量粘土は、ガラス微小中空球や繊維粉の添加割
合が多く、発色性や造形性に乏しく、しかも製造コスト
が高いという問題が見られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者らは、
粘土における色素顔料の平均粒径、粒度分布、および添
加量を検討し、それらが相互作用を及ぼし、粘土の発色
性や耐候性、あるいは色素顔料の耐ブリード性等に影響
を与えていることを見出した。すなわち、本発明は、発
色性、耐候性、色素顔料の耐ブリード性等に優れた粘土
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、色素顔
料を含有する粘土において、当該色素顔料の平均粒径を
0.05〜0.2μmの範囲内の値とするとともに、粒
径分布における標準偏差を0.05μm以下の値とし、
かつ添加量を、全体量に対して、0.01〜10重量%
の範囲内の値とすることを特徴とする軽量粘土が提供さ
れ、上述した問題点を解決することができる。すなわ
ち、このように構成すると、色素顔料の平均粒径と、そ
の標準偏差と、添加量とを所定範囲内に制御することに
より、分散性が著しく向上するとともに、光の透過性と
の関係で、発色性や耐ブリード性に優れた粘土を得るこ
とができる。また、発色性等に優れているため、色素顔
料の添加量を少なくすることができるため、結果とし
て、粘土の製造コストを低く抑えることができる。さら
に、本発明では、色素顔料を用いているため、従来使用
されていた染料等と比較して、著しく耐候性を向上させ
ることができる。
【0008】また、本発明の粘土を構成するにあたり、
色素顔料の粒径の95%が、平均粒径の±10%の範囲
内に存在していることが好ましい。このような粒度分布
を有する色素顔料を使用することにより、色素顔料によ
る光分散を低減でき、発色性にさらに優れた粘土を得る
ことができる。
【0009】また、本発明の粘土(軽量粘土)を構成す
るにあたり、中空微小球を含むとともに、当該中空微小
球の平均粒径をD2とし、色素顔料の平均粒径をD1と
したときに、D2/D1の比率を10〜50,000の
範囲内の値とすることが好ましい。このように色素顔料
の平均粒径と、中空微小球の平均粒径とを関係付けるこ
とにより、中空微小球をさらに添加した場合であって
も、色素顔料が凝集することなく均一に分散され、しか
も色素顔料が、中空微小球の周囲に均一かつ強固に付着
できるため、さらに優れた発色性や耐ブリード性を得る
ことができる。また、中空微小球を含んでいるため、軽
量性に優れた、いわゆる軽量粘土を提供することができ
る。
【0010】また、本発明の粘土を構成するにあたり、
水酸基含有化合物およびカルボキシル基含有化合物、あ
るいはいずれか一方の極性化合物をさらに含有するとと
もに、当該極性化合物の添加量を、全体量に対して、
0.1〜30重量%の範囲内の値とすることが好まし
い。このように極性化合物を使用することにより、発色
性や造形性(ひび割れ防止性を含む。)にさらに優れた
粘土を得ることができる。
【0011】また、本発明の粘土を構成するにあたり、
繊維をさらに含有するとともに、当該繊維の添加量を、
全体量に対して、1〜30重量%の範囲内の値とするこ
とが好ましい。このように繊維を使用することにより、
造形性(ひび割れ防止性を含む。)にさらに優れた粘土
を得ることができる。
【0012】また、本発明の粘土を構成するにあたり、
水をさらに含有するとともに、当該水の添加量を、全体
量に対して、60〜85重量%の範囲内の値とすること
が好ましい。このように水を使用することにより、造形
性(ひび割れ防止性を含む。)にさらに優れた粘土を得
ることができる。
【0013】また、本発明の粘土を構成するにあたり、
中空微小球が、有機中空微小球と、無機中空微小球との
混合物であることが好ましい。このように有機中空微小
球と、無機中空微小球とを組み合わせて使用すると、造
形性や軽量性にさらに優れた軽量粘土を得ることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態は、色素顔料
と、中空微小球と、極性化合物と、繊維と、水と、を含
有する粘土(軽量粘土)において、当該色素顔料の平均
粒径を0.05〜0.2μmの範囲内の値とするととも
に、粒径分布における標準偏差を0.05μm以下の値
とし、かつ添加量を、全体量に対して、0.01〜10
重量%の範囲内の値とした粘土である。以下、色素顔料
等の構成要素に分けて説明する。
【0015】1.色素顔料 (1)種類 色素顔料の種類としては、特に制限されるものでははな
いが、従来からインキ、塗料などの分野で用いられてい
るものであればよく、例えば、有機顔料や無機顔料が挙
げられる。このような有機顔料としては、アゾレーキ、
不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料など
のアゾ顔料類、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペ
リノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、
ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノ
ン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料類、染料レ
ーキ等が挙げられる。また、無機顔料としては、たとえ
ば酸化チタン、ベンガラ、酸化クロム、鉄黒などの酸化
物やカドミウムイエロー、クロムバーミリオン、紺青、
群青、カーボンブラック、黄色酸化鉄、パール顔料等が
挙げられる。さらに、より鮮やかな色調が要求される場
合には、ホルマリン縮合樹脂、アクリル樹脂、グアナミ
ン樹脂などを基体としたプラスチックタイプの有機顔料
や、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛、硫化亜鉛カドミウムなどを
焼結した無機顔料等を用いることも好ましい。
【0016】(2)平均粒径 第1の実施形態では、色素顔料の平均粒径を0.01〜
0.2μmの範囲内の値とすることが必要である。この
理由は、かかる色素顔料の平均粒径が0.01μm未満
の値となると、著しく凝集しやすくなり、粘土中への均
一に混合分散することが困難となって、その結果、発色
性が低下する場合があるためである。一方、かかる色素
顔料の平均粒径が0.2μmを超えると、色素顔料の間
を光が透過することが困難となり、そのため、中空微小
球に起因した光散乱等が大きくなり、粘土の発色性が低
下するためである。また、色素顔料の平均粒径が0.2
μmを超えると、耐ブリード性についても低下し、粘土
を使用している間に、色素顔料が脱離しやすくなるため
である。したがって、色素顔料の凝集性と、発色性等と
のバランスがより良好となるため、色素顔料の平均粒径
を0.06〜0.18μmの範囲内の値とすることがよ
り好ましく、0.07〜0.12μmの範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。なお、色素顔料の粒径が小さ
くなると、表面活性が高くなり、それよりも平均粒径が
大きい中空微小球の周囲に付着しやすくなることが判明
している。しかしながら、次に詳述するように、本発明
の軽量粘土においては、色素顔料が中空微小球に付着
し、周囲を被覆した場合であっても、従来の軽量粘土と
比較して、外部からの光を妨げることが少ないことが判
明している。
【0017】ここで、図1(A)および(B)を参照し
て、色素顔料の平均粒径等と、光の透過性、すなわち発
色性との関係をより詳細に説明する。図1(A)は、本
発明の軽量粘土における、色素顔料10と、中空微小球
12と、外部からの光14,16と、の関係を示す模式
図である。また、図1(B)は、従来の軽量粘土におけ
る、色素顔料20と、中空微小球22と、外部からの光
24,26と、の関係を示す模式図である。かかる図1
(A)から理解できるように、本発明の軽量粘土では、
色素顔料10の平均粒径を光の波長の1/2未満の値に
してあるとともに、粒度分布の標準偏差をさらに所定範
囲内の値に調整してあるため、色素顔料10が中空微小
球12に付着し、周囲を被覆したとしても、外部からの
光14,16を妨げることが少なくなっている。一方、
図1(B)では、色素顔料20の平均粒径が光の波長と
同等かそれより大きいために、色素顔料20が中空微小
球22に付着し、周囲を被覆した場合に、外部からの光
24,26の透過を妨げることになる。したがって、本
発明の軽量粘土において、特定の中空微小球12と、特
定の平均粒径等を有する色素顔料10とを組み合わせる
ことにより、中空微小球12における光散乱を有効に防
止して、鮮やかで、透明感を有する発色性を得ることが
できる。
【0018】(3)粒度分布1 また、第1の実施形態では、色素顔料の粒度分布に関
し、標準偏差を0.05μm以下の値とすることが必要
である。この理由は、かかる色素顔料の標準偏差が0.
05μmを超えると、中空微小球に起因した光散乱が大
きくなったり、あるいは著しく凝集しやすくなったりす
るため、色素顔料による発色性が低下する場合があるた
めである。ただし、かかる色素顔料の標準偏差が過度に
小さくなると、制御するために製造コストが高くなる場
合がある。したがって、色素顔料による発色性と、製造
コストとのバランスがより良好となるため、色素顔料の
粒度分布における標準偏差を0.001〜0.03μm
の範囲内の値とすることがより好ましく、0.001〜
0.02μmの範囲内の値とすることがさらに好まし
い。なお、かかる色素顔料の粒度分布における標準偏差
は、例えば、レーザー方式のパ−ティクルカウンターを
用いて測定することができる。
【0019】(4)粒度分布2 また、第1の実施形態の粘土を構成するにあたり、色素
顔料の粒径の95%が、平均粒径の±10%の範囲内に
存在していることが好ましい。この理由は、このような
狭い粒度分布を有する色素顔料を使用することにより、
発色性や耐ブリード性にそれぞれ優れた粘土を得ること
ができるためである。逆に言うと、色素顔料の粒径の9
5%が、平均粒径の±10%を超えている場合には、色
素顔料が凝集しやすくなり、中空微小球との相乗関係を
発揮することが困難となる場合があるためである。した
がって、色素顔料の粒度分布が広くなると、色素顔料に
よる発色性や耐ブリード性が低下する場合があるためで
ある。したがって、より優れた色素顔料による発色性を
得るためには、色素顔料の粒径の95%が、平均粒径の
±8%の範囲内に存在していることがより好ましく、平
均粒径の±5%の範囲内に存在していることがさらに好
ましい。なお、かかる色素顔料の粒度分布における95
%の粒径分布は、例えば、レーザー方式のパ−ティクル
カウンターを用いて測定することができる。
【0020】(5)添加量 また、第1の実施形態では、色素顔料の添加量を、全体
量に対して、0.01〜10重量%の範囲内の値とする
ことが必要である。この理由は、かかる色素顔料の添加
量が0.01重量%未満となると、添加効果や、中空微
小球と相乗効果が発揮されずに、色素顔料による発色性
が低下する場合があるためである。一方、かかる色素顔
料の添加量が10重量%を超えると、色素顔料の間を透
過する光量が低下し、そのため、光散乱が大きくなった
り、あるいは著しく凝集しやすくなったりするために、
逆に発色性が低下する場合があるためである。したがっ
て、色素顔料による発色性がより良好となるため、色素
顔料の添加量を0.05〜8重量%の範囲内の値とする
ことがより好ましく、0.1〜7重量%の範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0021】ここで、図2(a)および(b)を参照し
て、色素顔料の添加量と、発色性との関係をより詳細に
説明する。図2(A)は、本発明の軽量粘土における、
色素顔料10と、中空微小球12と、外部からの光1
4,16と、の関係を示す模式図である。また、図2
(B)は、本発明の軽量粘土に使用する色素顔料10の
添加量を過度にした場合の、色素顔料10と、中空微小
球22と、外部からの光24,26と、の関係を示す模
式図である。かかる図2(A)から理解できるように、
本発明の軽量粘土では、色素顔料10の添加量を、色素
顔料10が中空微小球22の周囲に付着したとしても、
部分的に覆う程度にしてあるため、外部からの光14,
16を妨げることが少なくなっている。一方、図2
(B)では、色素顔料10の添加量が所定範囲よりも多
く、色素顔料10が中空微小球22の周囲にぎっしり
と、時には二重に付着するため、外部からの光24,2
6の透過を妨げることになる。したがって、本発明の軽
量粘土において、特定の中空微小球12と、特定添加量
の色素顔料10とを組み合わせることにより、中空微小
球12における光散乱を有効に防止して、鮮やかで、透
明感を有する発色性を得ることができる。
【0022】(6)水分散性 また、色素顔料は、水分散性(アルコール分散性を含
む。)、すなわち親水性であることが好ましい。この理
由は、このような特性の色素顔料を使用することによ
り、粘土が水やアルコールを含む場合であっても、色素
顔料が凝集することなく、優れた発色性や造形性を得る
ことができる。また、色素顔料が水分散性であれば、色
素顔料が微粒子であっても、水中に保存することができ
るためであり、さらには、その溶液の保存状態のまま、
配合することができるためである。
【0023】また、このように色素顔料を水分散性とす
るために、色素顔料を構成する樹脂の酸価を50〜30
0の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる樹脂の酸価が50未満の値となると、得られる色素
顔料の水分散性が著しく低下する場合があるためであ
り、一方、かかる樹脂の酸価が300を超えると、得ら
れる色素顔料が凝集しやすくなる場合があるためであ
る。したがって、得られる色素顔料の水分散性と、凝集
性とのバランスがより良好となるため、色素顔料を構成
する樹脂の酸価を70〜250の範囲内の値とすること
がより好ましく、90〜200の範囲内の値とすること
がさらに好ましい。なお、色素顔料を構成する樹脂は、
その酸価量を上述範囲に制御するために、カルボキシル
基、スルホン酸基、水酸基などの親水性基を分子中に有
していることが好ましい。すなわち、スチレン−マレイ
ン酸共重合体樹脂、スチレン−スルホン酸共重合体樹
脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂等を使用するこ
とが好ましい。
【0024】さらに、色素顔料を水分散性とするため
に、その形態として、アニオン系界面活性剤やノニオン
系界面活性剤等の界面活性剤を含むエマルションとする
ことが好ましい。このような界面活性剤としては、例え
ば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
サルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミド、これらのアセチル化物等の一種単独または二
種以上の組み合わせが挙げられる。
【0025】2.中空微小球 (1)種類 中空微小球は、内部に空隙を有する有機微小球や無機微
小球であれば好適に使用することができる。このような
中空微小球としては、例えば、外殻が塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合樹脂、酢酸ビニル−アクリロニ
トリル共重合樹脂、メチルメタクリレート−アクリロニ
トリル共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂等から構成さ
れており、内部に、気体や液体を内包しているものが好
ましい。また、中空微小球として、外殻がガラス材から
なるガラス微小球を使用することも好ましい。なお、こ
のようなガラス微小球は、耐圧強度が高く、例えば、7
50psi(1psi=6.90x103N、1kgf
=9.807N/cm2)の測定圧力で加圧した際の残
存率が、90〜92(VOL%)であるという特徴があ
る。
【0026】さらに、中空微小球として、外殻が塩化ビ
ニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂等からなる有機
微小球と、外殻がガラス材等からなる無機微小球と、を
併用することも好ましい。この理由は、有機微小球によ
り、粘土の単位体積あたりの重量を著しく軽減させるこ
とができるとともに、無機微小球の周囲に存在すること
により、クッション材の役目を果たして、無機微小球が
破壊されることを有効に防止したり、無機微小球の分散
性を向上させたりすることができるためである。一方、
このように併用することにより、無機微小球により、粘
土の単位体積あたりの重量を軽減させることができると
ともに、粘土の形状保持性を高めたり、収縮率を低下さ
せたりすることができるためである。なお、有機微小球
と、無機微小球とを併用する場合、重量比を1:99〜
90:10の範囲内の値とすることが好ましく、10:
90〜70:20の範囲内の値とすることがより好まし
く、20:80〜50:50の範囲内の値とすることが
さらに好ましい。
【0027】(2)平均粒径1 また、中空微小球の平均粒径を1〜300μmの範囲内
の値とすることが好ましい。この理由は、かかる中空微
小球の平均粒径が1μm未満の値となると、粘土の展性
が低下したり、軽量化が困難となったりする場合がある
ためである。一方、かかる中空微小球の平均粒径が30
0μmを超えると、色素顔料との関係で、発色性が低下
する場合があるためである。したがって、中空微小球の
平均粒径を5〜200μmの範囲内の値とすることがよ
り好ましく、10〜150μmの範囲内の値とすること
がさらに好ましい。なお、かかる中空微小球の平均粒径
は、光学顕微鏡で中空微小球の画像を取り込み、次い
で、当該画像から画像処理装置を用いて算出することが
できる。
【0028】(3)平均粒径2 また、中空微小球の平均粒径を決定するにあたり、色素
顔料の平均粒径を考慮することが好ましい。すなわち、
色素顔料の平均粒径をD1とし、中空微小球の平均粒径
をD2としたときに、D2/D1の比率を10〜50,
000の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかるD2/D1の比率が10未満の値になると、
色素顔料が均一に分散されず、中空微小球に発色が阻害
される場合があるためである。一方、かかるD2/D1
の比率が50,000を超えた値になると、色素顔料が
凝集しやすくなるとともに、均一に分散されずに、発色
性が低下する場合があるためである。したがって、色素
顔料による発色性を向上させるために、かかるD2/D
1の比率を50〜10,000の範囲内の値とすること
がより好ましく、100〜1,000の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0029】(4)添加量 また、中空微小球の添加量を0.5〜20重量%の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる中空
微小球の添加量が0.5重量%未満の値となると、粘土
の展性が低下したり、軽量化が困難となったりする場合
があるためである。一方、かかる中空微小球の添加量が
20重量%を超えると、色素顔料との関係で、発色性が
低下する場合があるためである。したがって、中空微小
球の添加量を1〜10重量%の範囲内の値とすることが
より好ましく、2〜5重量%の範囲内の値とすることが
さらに好ましい。
【0030】(5)嵩密度 また、中空微小球の嵩密度を0.001〜0.5g/c
3の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
かかる中空微小球の嵩密度が0.001g/cm3未満
の値となると、粘土中への均一に混合分散することが困
難となる場合があるためである。一方、かかる中空微小
球の嵩密度が0.5g/cm3を超えると、粘土の展性
が低下したり、軽量化が困難となったりする場合がある
ためである。したがって、中空微小球の嵩密度を0.0
05〜0.2g/cm3の範囲内の値とすることがより
好ましく、0.01〜0.1g/cm3の範囲内の値と
することがさらに好ましい。なお、かかる中空微小球の
嵩密度は、JIS K 5101(顔料試験法)に準拠
して測定することができる。
【0031】(6)白色性 また、中空微小球として、有機中空微小球を使用する場
合、その色が白色またはそれに近似した色であることが
好ましい。上述したように、特開平2−123390号
公報等に開示された塩化ビニリデン−アクリルニトリル
共重合体等からなる外殻を有する有機中空微小球の色
は、通常、黄土色〜茶色であるが、このように白色性に
富んだ有機中空微小球を使用することにより、発色性に
さらに優れた軽量粘土を得ることができるためである。
なお、有機中空微小球の色は、色見本と比較し、目視や
顕微鏡を用いて判断することができるが、反射率計で測
定される視感明度(L値)を相対基準とすることも可能
である。すなわち、有機中空微小球の色に関して、反射
率計(例えば、東京電色社製、TR−1000D型)で
測定される視感明度を、50以上の値とすることが好ま
しい。この理由は、かかる視感明度が50未満の値とな
ると、有機中空微小球が茶色がかった色となり、軽量粘
土に色素、特に白色系色素や黄色系色素とともに添加し
た場合に、混濁して、発色性が著しく低下する場合があ
るためである。ただし、視感明度の値が高くなりすぎる
と、有機中空微小球の構成材料が過度に制限される場合
がある。したがって、かかる視感明度を70〜99の範
囲内の値とすることが好ましく、80〜95の範囲内の
値とすることがさらに好ましい。
【0032】なお、かかる視感明度の調整には、有機中
空微小球の外殻中に酸化チタンやシリカ等の白色粒子を
添加したり、あるいはこれらの白色粒子で周囲を被覆す
ることにより容易に達成することができる。また、有機
中空微小球の外殻に塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹
脂、あるいはホルムアルデヒド系樹脂(フェノール樹
脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂)等の使
用量を低下させること、具体的には、10重量%以下の
値とすることによっても容易に達成することができる。
【0033】3.極性化合物 (1)種類 極性化合物としては、水酸基含有化合物やカルボキシル
基含有化合物であることことが好ましい。なお、ポリア
クリル酸やポリビニルアルコールのように、分子内に、
水酸基およびカルボキシル基の両方を含む化合物もある
が、便宜的にいずれかに区分して説明する。
【0034】水酸基含有化合物 水酸基含有化合物としては、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチ
レン酢酸ビニル、尿素樹脂、メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ
る。このような水酸基含有化合物を添加することによ
り、粘土の展性や耐クリ−プ性等の調節が容易になるた
めである。また、これらの水酸基含有化合物は、通常、
水溶性であるため、粘土に水を添加した場合であって
も、優れた相溶性が得られるためである。特に、ポリビ
ニルアルコールは、単位重量当たりに含まれる水酸基量
が多く、そのため、比較的少量の添加によって、軽量粘
土の展性や取り扱い性を効果的に向上させることができ
ることから、より好ましい水酸基含有化合物である。ま
た、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールは、
ポリビニルアルコールをホルムアルデヒドおよびブチル
アルデヒドでそれぞれアセタール化した樹脂であるが、
粘土において、より優れた耐クリ−プ性や、耐熱性を得
る場合に使用すると効果的である。また、ポリ酢酸ビニ
ルは、ポリビニルアルコールを鹸化する前の原材料であ
るが、より展性に優れた粘土を得たい場合には効果的な
水酸基含有化合物である。
【0035】カルボキシル基含有化合物 また、カルボキシル基含有化合物としては、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)、アクリル酸、ポリ酢酸ビ
ニル等が挙げられる。ここで、カルボキシメチルセルロ
ースを使用する場合、エーテル化度が0.1〜2の範囲
内の値であるカルボキシメチルセルロースが好ましい。
この理由は、カルボキシメチルセルロースのエーテル化
度が0.1未満となると、粘土がべたつき、取り扱いが
困難となる場合があるためである。一方、カルボキシメ
チルセルロースのエーテル化度が2を超えると、粘土の
展性が低下して、薄膜化が困難となる場合があるためで
ある。
【0036】(2)添加量 また、極性化合物の添加量を、粘土の全体量(100重
量%)に対して、0.1〜30重量%の範囲内の値とす
ることが好ましい。この理由は、かかる極性化合物の添
加量が0.1重量%未満の値となると、粘土の取り扱い
性や成型性が著しく低下する場合があるためである。一
方、かかる極性化合物の添加量が30重量%を超える
と、粘土の展性が低下したり、混合分散が困難となった
りする場合があるためである。したがって、粘土の取り
扱い性や成型性と、粘土の展性とのバランスがより良好
となるため、極性化合物の添加量を、粘土の全体量(1
00重量%)に対して、0.5〜20重量%の範囲内の
値とすることが好ましく、1〜15重量%の範囲内の値
とすることがより好ましく、2〜10重量%の範囲内の
値とすることがさらに好ましい。
【0037】4.添加剤 (1)繊維 種類 また、添加剤としての繊維(パルプ)の種類は特に制限
されるものでなく、例えば、広葉樹および針葉樹をそれ
ぞれ原料としたものであることが好ましい。ただし、広
葉樹を原料とした繊維を使用することがより好ましいと
言える。この理由は、広葉樹を原料とした繊維は、針葉
樹を原料とした繊維よりも、通常、繊維長が短く平均化
しており、粘土を作成する際に、容易に分散することが
できるためである。
【0038】平均繊維長 また、繊維の平均繊維長を0.01〜20mmの範囲内
の値とすることが好ましい。この理由は、かかる繊維の
平均繊維長が0.01mm未満の値となると、粘土の展
性が低下したり、軽量化が困難となったりする場合があ
るためである。一方、かかる繊維の平均繊維長が20m
mを超えると、粘土中への均一に混合分散することが困
難となる場合があるためである。したがって、粘土の展
性等と、混合分散性とのバランスがより良好となること
から、繊維の平均繊維長を0.1〜10mmの範囲内の
値とすることがより好ましく、0.5〜5mmの範囲内
の値とすることがさらに好ましい。
【0039】添加量 また、繊維の添加量は、粘土の取り扱い性や成型性、あ
るいは粘土の製造の容易さを考慮して定めることが好ま
しい。例えば、全体量に対して、1〜30重量%の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる繊維
の添加量が1重量%未満の値となると、添加効果が発現
しない場合があるためである。一方、かかる繊維の添加
量が30重量%を超えると、粘土の展性の制御や製造が
困難となる場合があるためである。したがって、かかる
繊維の添加量を、全体量に対して、2〜20重量%の範
囲内の値とすることがより好ましく、3〜9重量%の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、従来は、
特開平2−123390号公報等に記載されているよう
に、繊維の添加量が、全体量に対して、10重量%を超
えると、吸水して、軽量化が損なわれると言われていた
が、本発明ではそのような問題が特に無いことが判明し
ている。
【0040】(2)水 水は、粘土の取り扱い性や成型性、あるいは粘土の製造
の容易さを考慮して定めることが好ましい。例えば、全
体量に対して、60〜85重量%の範囲内の値とするこ
とが好ましい。この理由は、かかる水の添加量が60重
量%未満の値となると、添加効果が発現せず、粘土調整
が困難となる場合があるためである。一方、かかる水の
添加量が85重量%を超えると、粘土の展性や耐クリー
プ性の制御が困難となる場合があるためである。したが
って、かかる水の添加量を、全体量に対して、62〜8
3重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、65
〜80重量%の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。なお、従来は、特開平2−123390号公報等に
記載されているように、水の添加量が、全体量に対し
て、60重量%を超えると、軟化して造形性が乏しくな
り、さらには軽量化が損なわれると言われていたが、本
発明ではそのような問題が特に無いことが判明してい
る。
【0041】(3)その他 粘土中に、添加剤として、防カビ剤、抗菌剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、油類、ワックス類、グリセリン、増
粘剤、可塑剤、界面活性剤、有機溶剤等の一種単独、ま
たは二種以上の組み合わせを添加することも好ましい。
【0042】5.製造方法 (1)混合工程 中空微小球、色素顔料、極性化合物、繊維、および水等
の配合原料を均一に混合する工程である。例えば、これ
らの配合原料を均一に混合分散できるように、プロペラ
ミキサー、ニーダー、プラネタリーミキサー、三本ロー
ル、ボールミル等を使用することが好ましい。特に、有
機中空微小球を添加する場合には、この有機中空微小球
は軽くて、混練している間に破壊されやすい一方、分散
にばらつきが生じやすいために、ニーダーを使用して、
回転数10〜1,000rpm、時間1〜60分の条件
で、押し出し混練することが好ましく、ニーダーを使用
して、回転数30〜300rpm、時間10〜30分の
条件で、押し出し混練することがより好ましい。また、
色素顔料は、均一に分散できるように、予め、水やアル
コールに分散させて溶液状に調整するとともに、その溶
液が凝集しないように、アルカリ剤等を添加することに
より、pHを7以上の値に調整しておくことが好まし
く、8〜10の範囲内の値に調整しておくことがより好
ましく、8.5〜10の範囲内の値に調整しておくこと
がさらに好ましい。
【0043】また、配合原料を混合する際には、例え
ば、30〜70℃の範囲内の温度に維持することが好ま
しい。この理由は、かかる混合温度が30℃未満となる
と、配合原料が均一に混合しない場合があるためであ
り、一方、混合温度が70℃を超えると、得られる粘土
の伸びがなくなり、もろくなる場合があるためである。
したがって、配合原料を混合する際の混合温度を35〜
60℃の範囲内の温度に維持することがより好ましく、
40〜55℃の範囲内の温度に維持することがさらに好
ましい。
【0044】(2)粘度調整工程 また、粘土における粘度を調整する工程である。すなわ
ち、水やアルコール、あるいは有機溶剤を添加して、粘
土における粘度を、例えば、1×103〜1×109mP
a・s(25℃)の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粘土の粘度が1×103mPa・s
(25℃)未満の値となると、表面のべたつきが多くな
り、取り扱い性が低下する場合があるためであり、一
方、粘土の粘度が1×109mPa・s(25℃)を超
えると、得られる粘土の伸びがなくなり、もろくなり、
逆に取り扱い性が低下する場合があるためである。した
がって、かかる粘土の粘度を1×104〜1×108mP
a・s(25℃)の範囲内の値とすることがより好まし
く、1×105〜1×107mPa・s(25℃)の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。
【0045】(3)パッケージング工程 作成した粘土を小分けして、パッケージングする工程を
設けることが好ましい。すなわち、通常、粘土は水やア
ルコール等を含んでいるため、含水量を維持して、取り
扱い性を維持するために、防湿性材料、例えば、プラス
チック材料で包装することが好ましい。
【0046】
【実施例】[実施例1] (1)軽量粘土の作成 容量100リットルのニーダー内に、以下の配合材料を
収容した後、回転数40rpmで、ニーダーを回転させ
て、軽量粘土を作成した。 白色有機中空微小球 0.35kg (平均粒径100μm、L値50以上、弱アルカリ性) ブラック顔料色素(固形分) 0.19kg (平均粒径0.086um、標準偏差0.026um、95%範囲83-90um) カルボキシメチルセルロース 0.20kg (エーテル化度:0.6) PVA 1.20kg (重合度1,800、鹸化度95mol%、) 広葉樹パルプ 0.98kg (平均繊維長1mm) 水 11.05kg フェノール系防腐剤 0.03kg
【0047】(2)軽量粘土の評価 得られた軽量粘土(n数=5)につき、以下のような発
色性、耐候性、および軽量性の評価をそれぞれ行った。
得られた結果を表1に示す。
【0048】発色性 軽量粘土の発色性を、以下の基準で評価した。なお、○
以上の評価が得られれば、軽量粘土の発色性が良好であ
ると言うことができる。 ◎:透明感のある鮮明な色である。 ○:鮮明な色である。 △:少々鮮明な色である。 ×:不鮮明な色である。
【0049】耐候性 軽量粘土の耐候性を、以下の基準で評価した。なお、○
以上の評価が得られれば、軽量粘土に適した耐候性を有
していると言える。 ◎:紫外線を1000mJ/cm2照射しても、変色し
ない。 ○:紫外線を500mJ/cm2照射しても、ほとんど
変色しない。 △:紫外線を500mJ/cm2照射した場合に、わず
かに変色する。 ×:紫外線を500mJ/cm2照射した場合に、顕著
に変色する。
【0050】耐ブリード性 軽量粘土における色素顔料の耐ブリード性を、以下の基
準で評価した。なお、○以上の評価が得られれば、軽量
粘土に適した耐ブリード性を色素顔料が有していると言
える。 ◎:軽量粘土を5分間、手でこねた場合でも、色素顔料
が手に付着しない。 ○:軽量粘土を5分間、手でこねた場合でも、ほとんど
色素顔料が手に付着しない。 △:軽量粘土を5分間、手でこねた場合に、色素顔料が
少々手に付着する。 ×:軽量粘土を5分間、手でこねた場合に、色素顔料が
顕著に手に付着する。
【0051】軽量性 軽量粘土の軽量性を、以下の基準で評価した。なお、○
以上の評価が得られれば、軽量粘土として十分な軽量性
を有していると言うことができる。 ◎:密度が0.3g/cm3以下の値である。 ○:密度が0.5g/cm3以下の値である。 △:密度が0.7g/cm3以下の値である。 ×:密度が0.7g/cm3を超える値である。
【0052】[実施例2〜4] (1)軽量粘土の作成ブラック顔料色素の代わりに、表
1に示すように、色が異なる顔料色素をそれ ぞれ用いたほかは、実施例1と同様に軽量粘土を作成し
た。
【0053】(2)軽量粘土の評価 実施例1と同様に軽量粘土を評価した。得られた結果を
表1に示す。
【0054】[比較例1〜6] (1)軽量粘土の作成 比較例1〜4においては、実施例1で使用したブラック
顔料色素の代わりに、表1に示すように平均粒径が0.
19〜0.29μmの範囲内の値であって、粒径分布に
おける標準偏差が0.05μmを超えた顔料色素を用い
たほかは、実施例1と同様に軽量粘土を作成した。ま
た、比較例5〜6においては、実施例1で使用したブラ
ック顔料色素および実施例3で使用した青色顔料色素を
そのまま使用したものの、それらの添加量を15重量%
および30重量%として、実施例1と同様に軽量粘土を
作成した。
【0055】(2)軽量粘土の評価 実施例1と同様に軽量粘土を評価した。得られた結果を
表1に示す。結果から明らかなように、比較例1〜4に
おいては、顔料色素の平均粒径が大きく、その標準偏差
も大きいことから、発色性や耐候性、あるいは耐ブリー
ド性の評価結果が低い傾向が見られた。また、比較例5
〜6においては、使用した顔料色素の平均粒径や標準偏
差は適当であるものの、それぞれ添加量が過度に多いた
め、実施例と比較して、特に耐ブリード性の評価結果が
低い傾向が見られた。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の粘土(軽量粘土を含む。)によ
れば、色素顔料を含有し、当該色素顔料の平均粒径を
0.05〜0.2μmの範囲内の値とするとともに、粒
径分布における標準偏差を0.05μm以下の値とし、
かつ添加量を、全体量に対して、0.01〜10重量%
の範囲内の値とすることにより、発色性や耐候性に優れ
るとともに、色素顔料のブリードがわずかである粘土を
提供することが可能になった。また、本発明の軽量粘土
によれば、特定の色素顔料と、有機中空微小球および無
機中空微小球、あるいはいずれか一方の中空微小球とを
組み合わせることにより、これらが強固に付着して、さ
らに発色性や耐ブリード性に優れた軽量粘土を提供する
ことが可能になった。さらに、本発明の軽量粘土によれ
ば、白色有機中空微小球および透明の無機中空微小球、
あるいはいずれか一方の中空微小球を使用することによ
り、淡色系の色素顔料を使用した場合であっても、さら
に優れた発色性に優れた軽量粘土を提供することが可能
になった。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】 軽量粘土における色素顔料の平均粒径と、光
の透過性(発色性)との関係を説明するために供する図
である。
【図2】 軽量粘土における色素顔料の添加量と、光の
透過性(発色性)との関係を説明するために供する図で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素顔料を含有する粘土において、当該
    色素顔料の平均粒径を0.05〜0.2μmの範囲内の
    値とするとともに、粒径分布における標準偏差を0.0
    5μm以下の値とし、かつ添加量を、全体量に対して、
    0.01〜10重量%の範囲内の値とすることを特徴と
    する粘土。
  2. 【請求項2】 前記色素顔料の粒径の95%が、前記色
    素顔料の平均粒径の±10%の範囲内に存在しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の粘土。
  3. 【請求項3】 中空微小球をさらに含むとともに、当該
    中空微小球の平均粒径をD2とし、前記色素顔料の平均
    粒径をD1としたときに、D2/D1の比率を10〜5
    0,000の範囲内の値とすることを特徴とする請求項
    1または2に記載の粘土。
  4. 【請求項4】 水酸基含有化合物およびカルボキシル基
    含有化合物、あるいはいずれか一方の極性化合物をさら
    に含有するとともに、当該極性化合物の添加量を、全体
    量に対して、0.1〜30重量%の範囲内の値とするこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘
    土。
  5. 【請求項5】 繊維をさらに含有するとともに、当該繊
    維の添加量を、全体量に対して、1〜30重量%の範囲
    内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の粘土。
  6. 【請求項6】 水をさらに含有するとともに、当該水の
    添加量を、全体量に対して、60〜85重量%の範囲内
    の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一
    項に記載の粘土。
  7. 【請求項7】 前記中空微小球が、有機中空微小球と、
    無機中空微小球との混合物であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか一項に記載の粘土。
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