JP3470892B2 - 展性材料およびその使用方法 - Google Patents

展性材料およびその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量粘土や装飾材
料等として使用できる展性材料であって、所定形状への
造形が容易であるとともに、薄膜化することができる展
性材料およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の美術工芸や学校教材等に使用され
る粘土は、粒状素材ないし植物遺体離解物を主材とし、
この主材に粒状素材を粘結するための粘結剤、香料、色
素、水分、油分などの添加物を加えて構成されるものが
多い。そのため、従来の粘度は重量が重く、使い勝手が
悪いという問題が見られた。そのため、例えば、特公昭
51−893号公報には、粉末化された発泡スチロール
を主材とし、これにパルプ材や水等を加えて構成され
た、軽量粘土が開示されている。しかしながら、粉末化
された発泡スチロールは、その構造上、表面に多数の空
隙が生じており、この空隙に水等が浸透することによ
り、含水性ないし含液性に富むものとなる。このため、
粘土全体の重量は、あまり軽減されないという軽量化上
の課題が残存する。また、発泡スチロールの微小化は容
易でなく、配合材料と均一に混合することが困難である
という製造上の問題も見られた。
【0003】そこで、特開平2−123390号公報に
は、中空微小球体、合成粘結剤、馴合液剤等からなる配
合により、軽量で、色調が明るく、しかも焼却処理がで
きるという軽量粘土が提案されている。しかしながら、
かかる軽量粘土は、展性に乏しい一方、創作し易い物性
及び乾燥後の外的圧力に対する耐性という点では、未だ
十分ではなかった。また、所定形状への造形自体は可能
であるものの、薄膜化して、装飾フィルム等として使用
することはできなかった。
【0004】そこで、特開平10−20768号公報に
は、中空微小球体、粉末パルプ、α化澱粉、カルボキシ
メチルセルロース及びポリビニルアルコール等を含有す
る軽量粘土であって、カルボキシメチルセルロースとポ
リビニルアルコールの配合比率が重量比で10:0.5
〜10:3であることを特徴とする軽量粘土が開示され
ている。すなわち、ポリビニルアルコールの添加量をカ
ルボキシメチルセルロースよりもかなり少ない割合に制
限して、粘土の伸び、べたつき、および乾燥後の収縮性
等のバランスをとることを考慮したものである。しかし
ながら、かかる軽量粘土は、展性に乏しい一方、カルボ
キシメチルセルロースの添加割合が多く、創作し易い物
性及び乾燥後の外的圧力に対する耐性という点では、未
だ十分ではなかった。また、かかる軽量粘土は、所定形
状への造形は可能であるものの、薄膜化して、装飾材料
等として使用することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者らは、
展性材料におけるポリビニルアルコールの配合量を検討
するとともに、カルボキシメチルセルロースとポリビニ
ルアルコールの配合比率をむしろ従来問題が生じるとさ
れていた範囲に制限することにより、所定形状への造形
が可能であるとともに、展性に優れ、薄膜化した場合に
切断や折り曲げ等の取り扱いが容易にできることを見出
し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明
は、所定形状への造形が可能であるとともに、展性に優
れ、薄膜化が容易である展性材料およびその使用方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、中空微
小球体、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルア
ルコールを含有する展性材料であって、カルボキシメチ
ルセルロースとポリビニルアルコールの配合比率(重量
比)を100:40〜100:500の範囲内の値とす
るとともに、ポリビニルアルコールの配合量を、全体量
に対して、0.1〜30重量%の範囲内の値とすること
を特徴とする展性材料が提供され、上述した問題点を解
決することができる。すなわち、このように構成する
と、ポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセル
ロースの相乗効果により、所定形状への造形が可能であ
るとともに、展性に優れ、薄膜化が容易である展性材料
を得ることができる。
【0007】また、本発明の展性材料によれば、ポリビ
ニルアルコールのゲル化剤を添加するとともに、当該ゲ
ル化剤の添加量を、前記ポリビニルアルコール100重
量部あたり、0.01〜10重量部の範囲内の値とする
ことが好ましい。このように構成すると、薄膜化がより
容易であるとともに、べたつきが少なく、しかも長時間
所定形状を保持可能な展性材料を得ることができる。
【0008】また、本発明の展性材料によれば、パルプ
を添加するとともに、当該パルプの添加量を、前記ポリ
ビニルアルコール100重量部あたり、10〜500重
量部の範囲内の値とすることが好ましい。このように構
成すると、薄膜化がより容易であるとともに、べたつき
が少なく、しかもより長時間所定形状を保持可能な展性
材料を得ることができる。
【0009】また、本発明の展性材料によれば、中空微
小球体の添加量を、前記ポリビニルアルコール100重
量部あたり、10〜300重量部の範囲内の値とするこ
とが好ましい。このように構成すると、薄膜化がより容
易であるとともに、より軽量である展性材料を得ること
ができる。
【0010】また、本発明の展性材料によれば、水を添
加するとともに、当該水の添加量を、前記ポリビニルア
ルコール100重量部あたり、100〜5,000重量
部の範囲内の値とすることが好ましい。このように構成
すると、薄膜化がより容易であるとともに、べたつきが
少なく、しかもより長時間保存可能な展性材料を得るこ
とができる。
【0011】また、本発明の展性材料によれば、着色剤
を添加するとともに、当該着色剤の添加量を、前記ポリ
ビニルアルコール100重量部あたり、10〜1,00
0重量部の範囲内の値とすることが好ましい。このよう
に構成すると、カラー化が可能となり、さらに装飾効果
を付与することができる。
【0012】また、本発明の展性材料によれば、ポリビ
ニルアルコールとともに、ポリビニルホルマール、ポリ
ビニルブチラール、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリアク
リル酸およびポリ酢酸ビニルからなる群から選択される
少なくとも一つの水溶性樹脂を添加することが好まし
い。このように構成すると、薄膜化がより容易であると
ともに、べたつきが少なく、しかもより長時間所定形状
を保持可能な展性材料を得ることができる。
【0013】また、本発明の別の態様は、中空微小球
体、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコ
ールを含有する展性材料の使用方法であって、記カルボ
キシメチルセルロースとポリビニルアルコールの配合比
率(重量比)を100:40〜100:500の範囲内
の値とするとともに、ポリビニルアルコールの配合量
を、全体量に対して、0.1〜30重量%の範囲内の値
とした展性材料を使用し、押圧して、厚さ1mm以下の
フィルムを形成することを特徴とする展性材料の使用方
法が提供される。すなわち、このように実施すると、ポ
リビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロース
の相乗効果により、所定形状への造形が可能であるとと
もに、展性に優れ、容易に薄膜化されて、切断やエンボ
ス加工が容易な装飾材料を得ることができる。
【0014】また、本発明の展性材料の使用方法を実施
するにあたり、フィルムの表面に、エンボス処理を施す
ことが好ましい。このように実施すると、表面に凹凸模
様を有するフィルムを容易に得ることができ、さらに装
飾効果や美的効果を付与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]本発明の第1
の実施形態は、中空微小球体、カルボキシメチルセルロ
ース及びポリビニルアルコールを含有する展性材料であ
って、カルボキシメチルセルロースとポリビニルアルコ
ールの配合比率(重量比)を100:40〜100:5
00の範囲内の値とするとともに、ポリビニルアルコー
ルの配合量を、全体量に対して、0.1〜30重量%の
範囲内の値とすることを特徴とする展性材料である。以
下、中空微小球体、カルボキシメチルセルロース及びポ
リビニルアルコール等の構成要素に分けて説明する。
【0016】1.中空微小球体 (1)種類 中空微小球体は、内部に空隙を有する有機微小球や無機
微小球であれば好適に使用することができる。このよう
な中空微小球体としては、例えば、外殻が塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合樹脂、酢酸ビニル−アクリ
ロニトリル共重合樹脂、メチルメタクリレート−アクリ
ロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂等から構
成されており、内部に、気体や液体を内包しているもの
が好ましい。また、中空微小球体として、外殻がガラス
材からなるガラス微小球を使用することも好ましい。な
お、このようなガラス微小球は、耐圧強度が高く、例え
ば、750psi(1psi=6.90x103N、1
kgf=9.807N/cm2)の測定圧力で加圧した
際の残存率が、90〜92(VOL%)であるという特
徴がある。
【0017】(2)平均粒径 また、中空微小球体の平均粒径を1〜300μmの範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる中空
微小球体の平均粒径が1μm未満の値となると、展性材
料の展性が低下したり、軽量化が困難となったりする場
合があるためである。一方、かかる中空微小球体の平均
粒径が300μmを超えると、展性材料中への均一に混
合分散することが困難となる場合があるためである。し
たがって、中空微小球体の平均粒径を5〜200μmの
範囲内の値とすることがより好ましく、10〜150μ
mの範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、か
かる中空微小球体の平均粒径は、光学顕微鏡で中空微小
球体の画像を取り込み、次いで、当該画像から画像処理
装置を用いて算出することができる。
【0018】(3)嵩密度 また、中空微小球体の嵩密度を0.001〜0.5g/
cm3の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる中空微小球体の嵩密度が0.001g/cm
3未満の値となると、展性材料中への均一に混合分散す
ることが困難となる場合があるためである。一方、かか
る中空微小球体の嵩密度が0.5g/cm3を超える
と、展性材料の展性が低下したり、軽量化が困難となっ
たりする場合があるためである。したがって、中空微小
球体の嵩密度を0.005〜0.2g/cm3の範囲内
の値とすることがより好ましく、0.01〜0.1g/
cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。な
お、かかる中空微小球体の嵩密度は、JISK5101
(顔料試験法)に準拠して測定することができる。
【0019】2.カルボキシメチルセルロース (1)種類 カルボキシメチルセルロースとしては、エーテル化度が
0.1〜2の範囲内の値であるカルボキシメチルセルロ
ースが好ましい。この理由は、カルボキシメチルセルロ
ースのエーテル化度が0.1未満となると、展性材料が
べたつき、取り扱いが困難となる場合があるためであ
る。一方、カルボキシメチルセルロースのエーテル化度
が2を超えると、展性材料の展性が低下して、薄膜化が
困難となる場合があるためである。したがって、カルボ
キシメチルセルロースのエーテル化度を0.2〜1.8
の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜1.
5の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0020】(2)平均粒径 また、カルボキシメチルセルロースの平均粒径を10〜
1,000μmの範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかるカルボキシメチルセルロースの平均粒
径が10μm未満の値となると、展性材料の展性が低下
したり、軽量化が困難となったりする場合があるためで
ある。一方、かかるカルボキシメチルセルロースの平均
粒径が1,000μmを超えると、展性材料中への均一
に混合分散することが困難となる場合があるためであ
る。したがって、カルボキシメチルセルロースの平均粒
径を50〜800μmの範囲内の値とすることがより好
ましく、100〜500μmの範囲内の値とすることが
さらに好ましい。
【0021】3.ポリビニルアルコール (1)重合度 また、ポリビニルアルコールの重合度を100〜3,0
00の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
かかるポリビニルアルコールの重合度が100未満の値
となると、展性材料の取り扱い性や成型性が著しく低下
する場合があるためである。一方、かかるポリビニルア
ルコールの重合度が3,000を超えると、展性材料の
展性が低下したり、混合分散が困難となったりする場合
があるためである。したがって、ポリビニルアルコール
の重合度を500〜2,500の範囲内の値とすること
がより好ましく、1000〜2,000の範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0022】(2)鹸化度 また、ポリビニルアルコールの鹸化度を75〜99.9
mol%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかるポリビニルアルコールの鹸化度が75mol
%未満の値となると、展性材料の取り扱い性や成型性が
著しく低下する場合があるためである。一方、かかるポ
リビニルアルコールの鹸化度が99.9mol%を超え
ると、展性材料の展性が低下したり、混合分散が困難と
なったりする場合があるためである。したがって、ポリ
ビニルアルコールの鹸化度を80〜99mol%の範囲
内の値とすることがより好ましく、85〜99mol%
の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0023】(3)添加量1 また、ポリビニルアルコールの添加量を、展性材料の全
体量(100重量%)に対して、0.1〜30重量%の
範囲内の値とすることが必要である。この理由は、かか
るポリビニルアルコールの添加量が0.1重量%未満の
値となると、展性材料の取り扱い性や成型性が著しく低
下する場合があるためである。一方、かかるポリビニル
アルコールの添加量が30重量%を超えると、展性材料
の展性が低下したり、混合分散が困難となったりする場
合があるためである。したがって、ポリビニルアルコー
ルの添加量を、展性材料の全体量(100重量%)に対
して、0.5〜20重量%の範囲内の値とすることが好
ましく、1〜15重量%の範囲内の値とすることがより
好ましく、2〜10重量%の範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
【0024】(4)添加量2 また、ポリビニルアルコールの添加量を、カルボキシメ
チルセルロースの添加量を考慮して、定めることを特徴
としている。すなわち、カルボキシメチルセルロースと
ポリビニルアルコールの配合比率(重量比)を100:
40〜100:500の範囲内の値とすることを特徴と
している。この理由は、かかるポリビニルアルコールの
添加量が40重量比未満の値となると、展性材料の取り
扱い性や成型性が著しく低下する場合があるためであ
る。一方、かかるポリビニルアルコールの添加量が50
0重量比を超えると、展性材料の展性が低下したり、混
合分散が困難となったり、あるいは表面のべたつきが多
くなる場合があるためである。したがって、カルボキシ
メチルセルロースとポリビニルアルコールの配合比率
(重量比)を100:50〜100:400の範囲内の
値とすることが好ましく、100:60〜100:30
0の範囲内の値とすることがより好ましく、100:8
0〜100:200の範囲内の値とすることがさらに好
ましい。
【0025】(5)ゲル化剤 種類 また、ポリビニルアルコールに対して、ゲル化剤を添加
することが好ましい。このようにゲル化剤を添加するこ
とにより、展性材料の取り扱い性や成型性を著しく向上
させることができるためである。このようなゲル化剤と
しては、硼酸、硼砂、コンゴーレッド、レゾルシノー
ル、カテコール、フロログルシノール、パンサン、没食
子酸、クロム酸(三価)、重クロム酸、チタン酸、バナ
ジン酸等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げ
られる。これらのうち、硼酸および硼砂は、特にポリビ
ニルアルコールのゲル化の制御が容易なことから好まし
いゲル化剤である。
【0026】添加量 また、ポリビニルアルコールのゲル化剤の添加量は、展
性材料の取り扱い性や成型性を考慮して定めることが好
ましいが、例えば、ポリビニルアルコール100重量部
に対して、0.01〜10重量部の範囲内の値とするこ
とが好ましい。この理由は、かかるゲル化剤の添加量が
0.01重量部未満の値となると、添加効果が発現しな
い場合があるためである。一方、かかるゲル化剤の添加
量が10重量部を超えると、展性材料におけるポリビニ
ルアルコールのゲル化の制御が困難となる場合があるた
めである。したがって、かかるゲル化剤の添加量を、ポ
リビニルアルコール100重量部に対して、0.05〜
5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.
1〜1重量部の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0027】4.添加剤 (1)パルプ 種類 また、添加剤としてのパルプの種類は特に制限されるも
のでなく、例えば、広葉樹および針葉樹をそれぞれ原料
としたものであることが好ましい。ただし、広葉樹を原
料としたパルプを使用することがより好ましいと言え
る。この理由は、広葉樹を原料としたパルプは、針葉樹
を原料としたパルプよりも、通常、繊維長が短く平均化
しており、展性材料を作成する際に、容易に分散するこ
とができるためである。
【0028】平均繊維長 また、パルプの平均繊維長を0.01〜20mmの範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるパル
プの平均繊維長が0.01mm未満の値となると、展性
材料の展性が低下したり、軽量化が困難となったりする
場合があるためである。一方、かかる粉末パルプの平均
繊維長が20mmを超えると、展性材料中への均一に混
合分散することが困難となる場合があるためである。し
たがって、パルプの平均繊維長を0.1〜10mmの範
囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5mmの
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0029】添加量 また、パルプの添加量は、展性材料の取り扱い性や成型
性、あるいは展性材料の製造の容易さを考慮して定める
ことが好ましい。例えば、ポリビニルアルコール100
重量部に対して、10〜500重量部の範囲内の値とす
ることが好ましい。この理由は、かかるパルプの添加量
が10重量部未満の値となると、添加効果が発現しない
場合があるためである。一方、かかるパルプの添加量が
500重量部を超えると、展性材料の展性の制御や製造
が困難となる場合があるためである。したがって、かか
るパルプの添加量を、ポリビニルアルコール100重量
部に対して、20〜300重量部の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、30〜200重量部の範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0030】(2)着色剤 種類 また、着色剤(染料を含む。)としては、有機顔料や無
機顔料、あるいは金属粉等が使用できるが、例えば、酸
化チタン、亜鉛華、べんがら、アゾ系染料、コンゴーレ
ッド、チタン黄、フタロシアニングリーン、フタロシア
ニンブルー、シリカ粒子、雲母、マイカ、シリコーン粒
子、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維、アラミド
繊維、塩化ビニル着色フィルム片、ポリエステル着色フ
ィルム片、アルミニウム粉、銅粉、アルミニウム粉、ニ
ッケル粉、金属錯体等の一種単独または二種以上の組み
合わせが挙げられる。また、これらの着色剤のうち、酸
化チタンやシリカ粒子を使用した場合には、少量の添加
で白色化できるとともに、展性材料の展性や粘度の制御
ができることからより好ましい。また、これらの着色剤
のうち、雲母やマイカ、あるいはアルミニウム粉やシリ
コーン粒子を使用した場合には、少量の添加でパール調
の光沢を付与できることからより好ましい。さらに、こ
れらの着色剤のうち、カーボンブラック、カーボン繊
維、アラミド繊維、アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉
等を使用した場合には、少量の添加で導電性を付与でき
ることからより好ましい。
【0031】平均粒径 また、着色剤が概ね球状の場合、その平均粒径を1〜3
00μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる着色剤の平均粒径が1μm未満の値となる
と、展性材料の展性が低下したり、軽量化が困難となっ
たりする場合があるためである。一方、かかる着色剤の
平均粒径が300μmを超えると、展性材料中へ均一に
混合分散することが困難となる場合があるためである。
したがって、着色剤の平均粒径を5〜200μmの範囲
内の値とすることがより好ましく、10〜150μmの
範囲内の値とすることがさらに好ましい。また、着色剤
が概ね繊維状(箔片を含む。)の場合、その平均繊維長
を0.01〜3mmの範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる着色剤の平均繊維長が0.01
mm未満の値となると、展性材料の展性が低下したり、
軽量化が困難となったりする場合があるためである。一
方、かかる着色剤の平均繊維長が3mmを超えると、展
性材料中へ均一に混合分散することが困難となる場合が
あるためである。したがって、着色剤の平均繊維長を
0.05〜2mmの範囲内の値とすることがより好まし
く、0.1〜1mmの範囲内の値とすることがさらに好
ましい。
【0032】添加量 また、着色剤の添加量は、展性材料のカラー化を考慮し
て定めることが好ましいが、例えば、ポリビニルアルコ
ール100重量部に対して、10〜1,000重量部の
範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる
着色剤の添加量が10重量部未満の値となると、添加効
果が発現しない場合があるためである。一方、かかる着
色剤の添加量が1,000重量部を超えると、展性材料
の展性やゲル化の制御が困難となる場合があるためであ
る。したがって、かかる着色剤の添加量を、ポリビニル
アルコール100重量部に対して、15〜500重量部
の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜300
重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0033】(3)水 水は、展性材料の取り扱い性や成型性、あるいは展性材
料の製造の容易さを考慮して定めることが好ましい。例
えば、ポリビニルアルコール100重量部に対して、1
00〜5,000重量部の範囲内の値とすることが好ま
しい。この理由は、かかる水の添加量が100重量部未
満の値となると、添加効果が発現せず、粘度調整が困難
となる場合があるためである。一方、かかる水の添加量
が5,000重量部を超えると、展性材料の展性や耐ク
リープ性の制御が困難となる場合があるためである。し
たがって、かかる水の添加量を、ポリビニルアルコール
100重量部に対して、500〜3,000重量部の範
囲内の値とすることがより好ましく、800〜2,00
0重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0034】(4)水溶性樹脂 種類 また、展性材料に対して、水溶性樹脂として、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレン酢
酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、尿素樹
脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等の一種単独、または二種以上の組み
合わせを添加することが好ましい。このような水溶性樹
脂を添加することにより、展性材料の展性や耐クリ−プ
性等の調節が容易になるためである。また、上述したポ
リビニルアルコールのかわりに、あるいはポリビニルア
ルコールとともに、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ブチラール、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリアクリル
酸、およびポリ酢酸ビニルからなる群から選択される少
なくとも一つの水溶性樹脂を添加することも好ましい。
例えば、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラール
は、それぞれポリビニルアルコールをホルムアルデヒド
およびブチルアルデヒドでアセタール化した樹脂である
が、展性材料において、より優れた耐クリ−プ性や、耐
熱性を得る場合に効果的である。また、ポリ酢酸ビニル
は、ポリビニルアルコールを鹸化する前の原材料である
が、より展性に優れた展性材料を得たい場合には効果的
な水溶性樹脂である。
【0035】添加量 また、水溶性樹脂の添加量は、展性材料の取り扱い性や
成型性を考慮して定めることが好ましいが、例えば、ポ
リビニルアルコール100重量部に対して、1〜300
重量部の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる水溶性樹脂の添加量が1重量部未満の値とな
ると、添加効果が発現しない場合があるためである。一
方、かかる水溶性樹脂の添加量が300重量部を超える
と、展性材料の展性や耐クリープ性の制御が困難となる
場合があるためである。したがって、かかる水溶性樹脂
の添加量を、ポリビニルアルコール100重量部に対し
て、2〜200重量部の範囲内の値とすることがより好
ましく、5〜100重量部の範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。なお、上述した水溶性樹脂をポリビニル
アルコールのかわりに使用する場合には、ポリビニルア
ルコールの添加量をそのまま採用することができる。
【0036】(5)その他 展性材料中に、添加剤として、防カビ剤、抗菌剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、油類、ワックス類、グリセリ
ン、増粘剤、可塑剤、界面活性剤、有機溶剤等の一種単
独、または二種以上の組み合わせを添加することも好ま
しい。
【0037】5.製造方法 (1)混合工程 中空微小球体、カルボキシメチルセルロース及びポリビ
ニルアルコール等を混合する工程である。そして、カル
ボキシメチルセルロースとポリビニルアルコールを10
0:40〜100:500の配合比率(重量比)とする
とともに、全体量に対する、ポリビニルアルコールの添
加量を0.1〜30重量%の範囲内の値に調整する工程
である。例えば、これらの配合原料を均一に混合分散で
きるように、プロペラミキサー、ニーダー、プラネタリ
ーミキサー、三本ロール、ボールミル等を使用すること
が好ましい。また、配合原料を混合する際には、例え
ば、30〜70℃の範囲内の温度に維持することが好ま
しい。この理由は、かかる混合温度が30℃未満となる
と、配合原料が均一に混合しない場合があるためであ
り、一方、混合温度が70℃を超えると、得られる展性
材料の伸びがなくなり、もろくなる場合があるためであ
る。したがって、配合原料を混合する際の混合温度を3
5〜60℃の範囲内の温度に維持することがより好まし
く、40〜55℃の範囲内の温度に維持することがさら
に好ましい。
【0038】(2)粘度調整工程 また、展性材料の粘度を調整する工程である。水やアル
コール、あるいは有機溶剤を添加して、展性材料の粘度
を、例えば、1×103〜1×109mPa・s(25
℃)の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
かかる展性材料の粘度が1×103mPa・s(25
℃)未満の値となると、表面のべたつきが多くなり、取
り扱い性が低下する場合があるためであり、一方、展性
材料の粘度が1×109mPa・s(25℃)を超える
と、得られる展性材料の伸びがなくなり、もろくなり、
逆に取り扱い性が低下する場合があるためである。した
がって、かかる展性材料の粘度を1×104〜1×108
mPa・s(25℃)の範囲内の値とすることがより好
ましく、1×105〜1×107mPa・s(25℃)の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0039】(3)パッケージング工程 作成した展性材料を小分けして、パッケージングする工
程を設けることが好ましい。すなわち、通常、展性材料
は水やアルコール等を含んでいるため、含水量を維持し
て、取り扱い性を維持するために、防湿性材料、例え
ば、プラスチック材料で包装することが好ましい。
【0040】[第2の実施形態]また、本発明の第2の
実施形態は、第1の実施形態である展性材料の使用方法
であって、カルボキシメチルセルロースとポリビニルア
ルコールの配合比率(重量比)を100:40〜10
0:500の範囲内の値とするとともに、ポリビニルア
ルコールの配合量を、全体量に対して、0.1〜30重
量%の範囲内の値とした展性材料を使用し、押圧して、
厚さ1mm以下のフィルムを形成することを特徴とする
展性材料の使用方法が提供される。
【0041】1.押圧方法 ロール機やプレス機を用いて押圧するか、あるいは素手
やはけ等を用いて押圧することにより、第1の実施形態
である展性材料から、装飾用途等に最適なフィルムを容
易に形成することができる。また、得られるフィルム面
が平滑になるように、離型性フィルム、例えば二枚のポ
リエチレンフィルムを対向させて、その間で、押圧する
ことが好ましい。また、押圧力も特に制限されるもので
はないが、例えば、本発明の展性材料を、0.01〜1
00kgf/cm2の範囲で押圧することにより、展性
材料を短時間で薄膜化することができ、結果として、厚
さ1mm以下の薄膜フィルムとすることができる。な
お、本発明の展性材料は、押圧して容易に薄膜化できる
ことから、後述する乾燥工程を短時間化できるという利
点も得ることができる。また、本発明の展性材料の押圧
するにあたり、異なる着色剤を含む二種以上の展性材料
を予め混合することも好ましい。例えば、白い着色剤を
含む展性材料と、赤い着色剤を含む展性材料とを均一に
混錬し、ピンク色の展性材料からなる薄膜フィルムとす
ることも好ましい。あるいは、白い着色剤を含む展性材
料と、赤い着色剤を含む展性材料とを、まだら模様にな
るように混錬した状態で、薄膜フィルムとすることも好
ましい。
【0042】また、本発明の展性材料を押圧して薄膜化
するにあたり、切断や折り曲げ等の加工が容易となるよ
うに、厚さ1mm以下のフィルムとすることが好まし
く、厚さ0.5mm以下のフィルムとすることが好まし
く、厚さ0.1mm以下のフィルムとすることがさらに
好ましい。ただし、用途に応じて、厚さ1〜10mmの
範囲の板状とすることも好ましい。また、フィルム自身
の形状は特に問われるものではなく、用途に応じて、正
方形、長方形、円形、異形、星型、楕円形、ひも状、帯
状等の形状とすることが好ましい。さらに、後述するよ
うに、表面にエンボス加工を施したり、テープ状にスリ
ット加工したりするために、展性材料を厚さ1mm以下
のフィルムからなる、ロール状(例えば長さ1m〜50
m)とすることがより好ましい。
【0043】2.乾燥方法 また、本発明の展性材料を使用するにあたり、展性材料
を押圧して薄膜化した後に、風乾することが好ましい。
具体的に、25℃の室温条件において、20分〜24時
間、風乾するだけで、展性材料を十分乾燥させることが
できる。また、より素早く乾燥できることから、40〜
80℃に加熱したオーブンやドライヤーを用い、1分〜
60分乾燥するだけで展性材料を十分に乾燥させること
ができる。なお、展性材料の乾燥性は、表面を指触し
て、べたつきが無いか否かで簡易的に判断することがで
きる。あるいは、表面に鉛筆で文字が書けるか否かで、
展性材料の乾燥性を判断することもできる。
【0044】3.エンボス処理 また、展性材料を使用するにあたり、フィルム表面に、
エンボス処理を施すことが好ましい。この場合、カレン
ダーロールを用いて、フィルム表面に、エンボス処理を
施すことが好ましいが、そのほか、表面凹凸を有するフ
ィルムに対して、型押しすることによっても、フィルム
表面に、容易にエンボス処理を施すことができる。ま
た、エンボス形状についても特に制限されるものでな
く、例えば、ドット状、ピラミッド状、格子状等とする
ことが好ましい。なお、本発明の展性材料は、耐クリー
プ性に優れているため、エンボス処理後に、長期間にわ
たって、エンボス形状を保持することができるという利
点がある。また、本発明の展性材料は、離型性にも優れ
ていることから、カレンダーロールに付着することが少
なく、エンボス処理を効率良く施すことが可能である。
【0045】4.切断加工および折り曲げ加工 また、展性材料を使用するにあたり、薄膜化したフィル
ムを切断加工したり、折り曲げ加工したりすることが好
ましい。例えば、ハサミやカッターにより、フィルム化
した展性材料を、所定形状に切断したり、スリットを入
れたりすることが好ましい。また、フィルム化した展性
材料を使用するにあたり、二つ折りにしたり、あるいは
変形させたりすることも好ましい。なお、本発明の展性
材料は、所定形状に保持する特性に優れており、しかも
フィルムとして、いわゆる腰があるため、切断加工や、
折り曲げ加工を容易に実施できるという利点がある。ま
た、本発明の展性材料は、基本的に水溶性であるため、
展性材料からなるフィルムの一部を湿らせるだけで、フ
ィルム同士を容易に接着させることも可能である。
【0046】5.ラミネート加工 また、展性材料を使用するにあたり、金属箔とラミネー
トしたり、針金とラミネート加工したりすることが好ま
しい。例えば、厚さ1〜100μmのアルミニウム箔
や、銅箔に、展性材料を積層し、所定圧力で押圧するこ
とにより、展性材料と金属箔とを容易にラミネートする
ことができる。また、例えば、厚さ0.5〜10mmの
展性材料に対して、直径0.01〜1mmの針金を押圧
することにより、展性材料中に、針金を埋設することが
できる。なお、このように金属箔や針金とラミネート加
工した展性材料は、さらに耐クリープ性に優れていると
ともに、所定形状に容易に加工することが可能となる。
【0047】
【実施例】[実施例1] (1)展性材料の作成 容量100リットルのニーダー内に、平均粒径100μ
mの有機中空微小球体2kgと、平均粒径400μmの
カルボキシメチルセルロース粉末(エーテル化度:0.
6、以下CMCと称する。)3kgと、平均粒径100
μmのポリビニルアルコール粉末(重合度1,800、
鹸化度95mol%、以下PVAと称する。)3kg
と、広葉樹パルプ粒子(平均繊維長1mm、以下パルプ
と称する。)2kgと、水40kgと、フェノール系防
腐剤0.05kgとを収容した。次いで、回転数40r
pmで、ニーダーを回転させて、実施例1の展性材料を
作成した。
【0048】(2)展性材料の評価 得られた展性材料につき、以下のような硬さや展性(成
膜性)の評価を行った。得られた結果を表1に示す。な
お、表1の配合材料における添加量の単位は、kgであ
り、PVAのかっこ内の数字は、全体量に対する含有割
合(重量%)を示している。
【0049】硬さ 展性材料の硬さを、以下の基準で評価した。なお、○以
上の評価が得られれば、展性材料を使用する際の、取り
扱い性が良好であると言うことができる。 ◎:指を用いて、わずかに押圧することにより変形する
ことができる。 ○:指を用いて、少々押圧することにより変形すること
ができる。 △:指を用いて、強く押圧することにより変形すること
ができる。 ×:指を用いて、強く押圧しても、変形することができ
ない。
【0050】べとつき 展性材料の表面のべとつきを指触により、以下の基準で
評価した。なお、○以上の評価が得られれば、展性材料
を使用する際の、取り扱い性が良好であると言うことが
できる。 ◎:べとつきが全くない。 ○:わずかにべとつきがある。 △:少々べとつきがある。 ×:顕著なべとつきがある。
【0051】展性(成膜性) 展性材料の展性(成膜性)を、以下の基準で評価した。
なお、○以上の評価が得られれば、展性材料を薄膜化
し、装飾材料等に適したフィルムを、効率的かつ経済的
に提供することができる。 ◎:ロールを用いて厚さ0.1mm以下のフィルムを成
膜することができる。 ○:ロールを用いて厚さ1mm以下のフィルムを成膜す
ることができる。 △:ロールを用いて厚さ5mm以下のフィルムを成膜す
ることができる。 ×:ロールを用いても、厚さ5mm以下のフィルムを成
膜することができない。
【0052】乾燥性 展性材料の乾燥性を、以下の基準で評価した。なお、○
以上の評価が得られれば、展性材料を薄膜化した後の乾
燥処理を、効率的かつ経済的に行うことができる。 ◎:室温、30分の条件で、乾燥したフィルムを得るこ
とができる。 ○:室温、100分の条件で、乾燥したフィルムを得る
ことができる。 △:室温、24時間未満の条件で、乾燥したフィルムを
得ることができる。 ×:室温、24時間の条件で、乾燥したフィルムを得る
ことができない。
【0053】エンボス性 展性材料のエンボス性を、以下の基準で評価した。な
お、○以上の評価が得られれば、展性材料を薄膜化し、
十分に乾燥した後に、エンボス装置(カレンダーロー
ル)を用いて、自動的にエンボス処理することができ、
しかも長時間、エンボス形状を保持することができる。 ◎:エンボスロールを用いて、深さ0.5mmのエンボ
ス処理ができる。 ○:エンボスロールを用いて、深さ0.3mmのエンボ
ス処理ができる。 △:エンボスロールを用いて、深さ0.1mmのエンボ
ス処理ができる。 ×:エンボスロールを用いて、深さ0.1mmのエンボ
ス処理ができない。
【0054】切断性 展性材料の切断性を、以下の基準で評価した。なお、○
以上の評価が得られれば、展性材料を薄膜化し、十分に
乾燥した後に、スリッターを用いて、自動的に切断する
ことができる。 ◎:カッターを用いて、幅1mm以下の帯状にスリット
することができる。 ○:カッターを用いて、幅10mm以下の帯状にスリッ
トすることができる。 △:カッターを用いて、幅30mm以下の帯状にスリッ
トすることができる。 ×:カッターを用いて、切断することができない。
【0055】水溶性 展性材料の水溶性を、以下の基準で評価した。なお、○
以上の評価が得られれば、展性材料を薄膜化し、十分に
乾燥した後であっても、容易に水に溶かして、再利用す
ることができる。 ◎:10秒以内に、水に溶解させることができる。 ○:60秒以内に、水に溶解させることができる。 △:60分以内に、水に溶解させることができる。 ×:60分経過しても、水に溶解させることができな
い。
【0056】[実施例2〜4] (1)展性材料の作成 CMC/PVAの比率を、表1に示すように変えたほか
は、それぞれ実施例1と同様に展性材料を作成した。
【0057】(2)展性材料の評価 実施例1と同様に展性材料を評価した。得られた結果を
表1に示す。結果から明らかなように、実施例2では、
PVAの添加量が、実施例1よりも少ないためと思われ
るが、若干展性(成膜性)が低下する傾向が見られた。
また、実施例3では、PVAの添加量が、実施例1より
も若干多いが、特に特性差は見られなかった。したがっ
て、実施例1および実施例3におけるPVA/CMCの
設定範囲であれば、若干組成比がずれたとしても、顕著
な特性差が無いものと思われる。さらに、実施例4で
は、PVAの添加量が、実施例1よりもかなり多いため
と思われるが、硬さや展性(成膜性)等の特性が、全体
的に低下する傾向が見られた。
【0058】[比較例1〜2] (1)展性材料の作成 CMC/PVAの比率を、表1に示すように変えたほか
は、それぞれ実施例1と同様に展性材料を作成した。
【0059】(2)展性材料の評価 実施例1と同様に展性材料を評価した。得られた結果を
表1に示す。結果から明らかなように、比較例1では、
PVAの添加量が、実施例1よりもかなり少ないため、
展性(成膜性)等の特性が低下する傾向が見られた。ま
た、比較例2では、PVAの添加量が、実施例1よりも
かなり多いため、硬さや展性(成膜性)等の特性が同様
に低下する傾向が見られた。
【0060】 表1 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 1 2 3 4 1 2 PVA 3 1.5 5 10 1 25 (6.0)(3.1)(9.6)(17.5)(2.1)(3.1) CMC 3 3 3 3 3 3 微小中空体 2 2 2 2 2 2 パルプ 2 2 2 2 2 2 防腐剤 .05 .05 .05 .05 .05 .05 水 40 40 40 40 40 40 硬さ ◎ ◎ ◎ ○ × ◎ べとつき ◎ ◎ ◎ ○ × × 展性 ◎ ○ ◎ ○ △ × 乾燥性 ◎ ◎ ◎ ○ △ △ エンボス性 ○ ○ ○ ○ × × 切断性 ○ ○ ○ ○ × ×水溶性 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
【0061】[実施例5〜8] (1)展性材料の作成 PVAとしてのゲル化剤として、硼砂を添加するととも
に、CMC/PVAの比率を、表2に示すように変えた
ほかは、それぞれ実施例1と同様に展性材料を作成し
た。
【0062】(2)展性材料の評価 実施例1と同様に展性材料を評価した。得られた結果を
表2に示す。結果から明らかなように、実施例5では、
PVAのゲル化剤を添加しているためと思われるが、エ
ンボス性や切断性が向上する傾向が見られた。また、実
施例6では、PVAの添加量が、実施例5よりも若干少
ないためと思われるが、展性(成膜性)が若干低下する
傾向が見られた。また、実施例7では、PVAの添加量
が、実施例5よりも若干多いが、特に特性差は見られな
かった。したがって、実施例5および実施例7における
PVA/CMCの設定範囲であれば、若干組成比がずれ
たとしても、顕著な特性差が無いものと思われる。さら
に、実施例8では、PVAの添加量が、実施例5よりも
かなり多いためと思われるが、PVAのゲル化剤を添加
しているものの、硬さや展性(成膜性)等の特性が、全
体的に低下する傾向が見られた。
【0063】[比較例3〜4] (1)展性材料の作成 CMC/PVAの比率を、表2に示すように変えたほか
は、それぞれ実施例1と同様に展性材料を作成した。
【0064】(2)展性材料の評価 実施例1と同様に展性材料を評価した。得られた結果を
表2に示す。結果から明らかなように、比較例3では、
PVAのゲル化剤を添加しているものの、PVAの添加
量が、実施例5等よりもかなり少ないため、展性(成膜
性)等の特性が低下する傾向が見られた。また、比較例
4でも、PVAのゲル化剤を添加しているものの、PV
Aの添加量が、実施例5等よりもかなり多いためと思わ
れるが、硬さや展性(成膜性)等の特性が同様に低下す
る傾向が見られた。
【0065】 表2 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 5 6 7 8 3 4 PVA 3 1.5 5 10 1 25 (6.0)(3.1)(9.6)(17.5)(2.1)(3.1) 硼砂 .03 .015 .051 .09 .0001 .002 CMC 3 3 3 3 3 3 微小中空体 2 2 2 2 2 2 パルプ 2 2 2 2 2 2 防腐剤 .05 .05 .05 .05 .05 .05 水 40 40 40 40 40 40 硬さ ◎ ◎ ◎ ○ × ◎ べとつき ◎ ◎ ◎ ◎ × × 展性 ◎ ○ ◎ ○ △ × 乾燥性 ◎ ◎ ◎ ○ △ △ エンボス性 ◎ ◎ ◎ ○ × × 切断性 ◎ ◎ ◎ ○ × ×水溶性 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
【0066】
【発明の効果】本発明の展性材料によれば、従来と同様
の配合材料を使用するとともに、むしろ従来問題が生じ
るとされた配合比(カルボキシメチルセルロース:ポリ
ビニルアルコール=100:40〜100:500)と
することにより、従来の軽量粘度と同様に所定形状への
造形が容易であるとともに、従来の軽量粘度ではできな
かった薄膜化が可能になった。したがって、本発明の展
性材料によれば、従来の軽量粘度として使用することが
できる一方、薄膜化して、装飾材料や折り紙等としても
使用することができ、その用途が著しく広がった。
【0067】また、本発明の別の態様の展性材料によれ
ば、配合材料としてゲル化剤を含むことにより、より優
れた耐クリープ性が得られるようになり、表面に対して
エンボス処理を容易に行えるようになった。したがっ
て、さらに装飾効果や美的効果を有する装飾フィルムや
表示材料、あるいは折り紙等として使用することができ
るようになった。
【0068】また、本発明の展性材料の使用方法によれ
ば、所定形状への造形が容易であるとともに、薄膜化す
ることができる展性材料を効果的に使用することがで
き、装飾フィルム等に最適な薄膜を容易に得られるよう
になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 29/04 C08L 29/04 B G09B 19/10 G09B 19/10 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08J 5/18 C08J 9/00 - 9/42 C08K 7/22 - 7/28 G09B 19/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空微小球体、カルボキシメチルセルロ
    ース及びポリビニルアルコールを含有する展性材料であ
    って、カルボキシメチルセルロースとポリビニルアルコ
    ールの配合比率(重量比)を100:40〜100:5
    00の範囲内の値とするとともに、ポリビニルアルコー
    ルの配合量を、全体量に対して、0.1〜30重量%の
    範囲内の値とすることを特徴とする展性材料。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルアルコールのゲル化剤を
    添加するとともに、当該ゲル化剤の添加量を、前記ポリ
    ビニルアルコール100重量部あたり、0.01〜10
    重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に
    記載の展性材料。
  3. 【請求項3】 パルプを添加するとともに、当該パルプ
    の添加量を、前記ポリビニルアルコール100重量部あ
    たり、10〜500重量部の範囲内の値とすることを特
    徴とする請求項1または2に記載の展性材料。
  4. 【請求項4】 前記中空微小球体の添加量を、前記ポリ
    ビニルアルコール100重量部あたり、10〜300重
    量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の展性材料。
  5. 【請求項5】 水を添加するとともに、当該水の添加量
    を、前記ポリビニルアルコール100重量部あたり、1
    00〜5,000重量部の範囲内の値とすることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の展性材料。
  6. 【請求項6】 着色剤を添加するとともに、当該着色剤
    の添加量を、前記ポリビニルアルコール100重量部あ
    たり、10〜1,000重量部の範囲内の値とすること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の展性
    材料。
  7. 【請求項7】 前記ポリビニルアルコールとともに、
    リビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチ
    レン酢酸ビニル、ポリアクリル酸、およびポリ酢酸ビニ
    ルからなる群から選択される少なくとも一つの水溶性樹
    脂を添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    一項に記載の展性材料。
  8. 【請求項8】 中空微小球体、カルボキシメチルセルロ
    ース及びポリビニルアルコールを含有する展性材料の使
    用方法であって、 前記カルボキシメチルセルロースとポリビニルアルコー
    ルの配合比率(重量比)を100:40〜100:50
    0の範囲内の値とするとともに、ポリビニルアルコール
    の配合量を、全体量に対して、0.1〜30重量%の範
    囲内の値とした展性材料を使用し、押圧して、厚さ1m
    m以下のフィルムを形成することを特徴とする展性材料
    の使用方法。
  9. 【請求項9】 前記フィルムの表面に、エンボス処理を
    施すことを特徴とする請求項8に記載の展性材料の使用
    方法。
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