JP2002356351A - ガラス材料、ディスプレイ用部材およびディスプレイ - Google Patents

ガラス材料、ディスプレイ用部材およびディスプレイ

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JP2002356351A JP2002095958A JP2002095958A JP2002356351A JP 2002356351 A JP2002356351 A JP 2002356351A JP 2002095958 A JP2002095958 A JP 2002095958A JP 2002095958 A JP2002095958 A JP 2002095958A JP 2002356351 A JP2002356351 A JP 2002356351A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体層形成および封着などの工程に十分耐え
うる強度を有し、さらにはもし、微小クラックが生じて
も、このクラックの拡張を防止しパネル封着時の破損を
防止可能な隔壁が形成されたディスプレイ用部材および
ディスプレイを提供する。すなわち、十分な強度的耐性
と応力緩衝効果を持つために形成以降の工程において歩
留まりがよく、可視光反射率が高いために、輝度、色純
度等の表示特性の良好な隔壁を有する精細度の高いディ
スプレイ用部材およびディスプレイを提供する。 【解決手段】本発明は、基板上に低軟化点ガラス材料を
含有する隔壁が形成されたディスプレイ用部材であっ
て、フィラーおよびその凝集状態もしくは微細な気孔を
隔壁内部に導入することによって、隔壁の破壊荷重が5
00〜2500mNの範囲内にあるように調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス材料および
ガラス材料を用いたプラズマディスプレイ(以下、PD
Pと略す)、プラズマアドレス液晶ディスプレイ(PA
LC)、電界放出素子を用いたディスプレイ(FE
D)、蛍光表示管(VFD)等のディスプレイ用部材お
よびディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス材料を用いた、隔壁を必要とする
ディスプレイの例として、プラズマディスプレイパネル
(PDP)、プラズマアドレスディスプレイ(PAL
C)、電界放出素子を用いたディスプレイ(FED)、
蛍光表示管(VFD)などが知られている。これらは一
対の平行基板間に気密空間を備えてその気密空間内で発
生させられた光あるいは電界を利用して表示する形式の
ディスプレイである。このようなディスプレイでは、表
示画素に対応する発光あるいは放電区画を形成するため
の隔壁が気密空間内に形成される。
【0003】隔壁は、低軟化点のガラスを母体とし、そ
の中に、骨材として無機化合物からなるフィラーや、発
色等の目的から無機顔料等が添加分散されているのが一
般的である。隔壁は、上述の無機原料粉末を有機バイン
ダーと溶媒と共に混練したペーストに調製され、基板上
に印刷・成形され、その後焼成によって有機成分を燃焼
除去するとともに低軟化点ガラス材料を溶融接合させる
ことによって形成されるのが一般的である。もともとの
原料が粉末状態であることと、母体ガラスに対して溶融
時の親和性の異なる他の無機材料粉末による焼結阻害の
影響により、得られた隔壁は数〜十数μmの気泡を含む
ポーラスな状態で、蛍光体層形成工程でのハンドリング
時や封着工程で破損を生じるなど、機械的強度は十分と
は言い難いのが実状であった。
【0004】また、数μm〜十数μmオーダーのフィラー
や顔料の凝集物が多数存在し、頂部に表れたフィラー粒
子や隔壁ペーストの不均一に起因する焼成後の頂部の凹
凸が生じることから、凸部に圧力が集中して隔壁が欠け
てしまうと言う問題があった。
【0005】隔壁の形成方法によっては、これらの凝集
物やフィラーが隔壁組織内に偏在するために、局部的に
弱い部分が生じる原因となり、さらに、隔壁内部の連続
組織部分に応力集中による微小クラックが生じた場合、
この伸張を抑制する術がなく、隔壁に欠損が生じるなど
の問題もあった。
【0006】隔壁の強度向上の試みとして、特開平11
−185629号公報および特開平12−1334号公
報では、隔壁に使用する材料についての強度評価が試み
られてるが、脱バインダー工程が無く、評価用試料をプ
レス成形しているという点から、隔壁形成プロセスの影
響を反映した組織を再現した評価とはなっておらず、し
たがって得られた隔壁も十分な強度設計が得られていな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、ガラス材料の改良並びに、蛍光体層
形成および封着などの工程に十分耐えうる強度を有する
ガラス材料よりなる隔壁を提供するものである。発明者
らは隔壁の破壊メカニズムを精緻に検討した結果、微小
クラックが生じても、このクラックの拡張を防止しパネ
ル封着時の破損を防止できる隔壁設計を提案するに至
り、その製造方法とともに隔壁欠損の少ないディスプレ
イ用部材およびディスプレイを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は基本的には以下の構成を有する。
【0009】すなわち本発明の第1発明は、ガラスを有
してなる海部、および金属酸化物を有してなる平均径5
μm以下の島部からなる海島構造を有するガラス材料、
およびそれよりなるディスプレイ用部材である。
【0010】また、本発明の第2発明は、基板上に低軟
化点ガラスを含有する隔壁が形成されたディスプレイ用
部材であって、該隔壁頂部から垂直に三角錐圧子を押し
込んだ時の、破壊荷重が500〜2500mNの範囲内
にある、または、第3発明として、ダイナミック硬度が
90〜300N/mm2の範囲内にあることを特徴とする
ディスプレイ用部材である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明をPDPの作製手順に従っ
て説明するが、なんらこれに限定されるものではない。
本発明は、プラズマアドレス液晶ディスプレイ並びに電
子放出素子または蛍光表示管を用いたディスプレイにお
いても、好ましく適用できる。
【0012】PDPの基板には、ガラスが好適であり、
具体的には、ソーダガラスやたとえば旭硝子株式会社製
“PD200”、日本電気硝子に代表されるPDP用ガ
ラス基板が好ましく用いられる。
【0013】基板上に、導電性金属によりアドレス電極
を形成することができる。導電性金属としては、銀、
銅、クロム、アルミニウム、ニッケル、金等を用いるこ
とができる。アドレス電極は通常、幅20〜100μm
のストライプ状に形成される。次いで電極を被覆するよ
うに誘電体層を形成するのが好ましい。
【0014】次いで、誘電体層上もしくは電極が形成さ
れた基板上に隔壁を形成する。ここでは感光性ペースト
を用いたフォトリソグラフィー法による隔壁の形成法に
ついて述べるが、本発明における隔壁はこのような形成
方法に限定されるものではない。フォトリソグラフィー
技術による隔壁の形成は、通常は感光性ペーストを塗布
し、露光し、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶
解度差を利用して現像した後に焼成して隔壁を形成する
ことによって行われる。
【0015】本発明の第1発明であるガラス材料は、こ
の隔壁に好適に用いることができる。以下、特に前記隔
壁への用途に関連して、本発明のガラス材料について説
明するが、なんらこれに限定されるものではない。
【0016】かかるガラス材料は、ガラスを有してなる
海部、および金属酸化物を有してなる平均径5μm以下
の島部からなる海島構造を有するガラス材料である。
【0017】前記ガラスとしては低軟化点ガラス材料を
含有することが好ましい。低軟化点ガラス材料を用いる
ことにより、焼成後に強度の高い隔壁等を得ることが可
能となる。ここで、低軟化点ガラス材料とは、ホウ珪酸
ガラスに酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、およびアル
カリ金属酸化物からなる群から少なくとも1種以上を合
計3重量%以上含有することによって低軟化点化を図っ
たガラスを言うが、転移点400〜550℃、荷重軟化
点450〜600℃であることが望ましい。荷重軟化点
を450℃以上とすることで、ディスプレイ形成の後工
程において隔壁が変形することが無く、荷重軟化点を6
00℃以下とすることで焼成時に溶融し、強度の高い隔
壁を得ることができる。なお、焼成は通常520〜59
0℃で行われる。
【0018】また、低軟化点ガラス材料の屈折率は、感
光性ペーストにおける感光性有機成分の平均屈折率との
整合をとることで露光光の散乱を抑制し、良好なパター
ニング特性を得ることができることから1.65以下と
する事が好ましい。このような特性を満たす低軟化点ガ
ラス材料は、酸化物換算表記で以下のような組成である
ことが好ましい。
【0019】酸化リチウム、酸化ナトリウムまたは酸化
カリウム:3〜15重量% 酸化ケイ素:5〜30重量% 酸化ホウ素:20〜45重量% 酸化バリウムまたは酸化ストロンチウム:2〜15重量
% 酸化アルミニウム:10〜25重量% 酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム:2〜15重量
% 酸化リチウム、酸化ナトリウムまたは酸化カリウムのア
ルカリ金属酸化物のうち少なくとも1種を用い、その合
計量が3〜15重量%、さらには3〜10重量%である
ことが好ましい。
【0020】アルカリ金属酸化物は、ガラスの荷重軟化
点、熱膨張係数のコントロールを容易にするのみなら
ず、ガラスの屈折率を低くすることができるため、感光
性有機成分との屈折率差を小さくすることが容易にな
る。アルカリ金属酸化物の合計量が3重量%以上とする
ことでガラスの低軟化点化の効果を得ることができ、1
5重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持
すると共に熱膨張係数を小さく抑えることができる傾向
がある。アルカリ金属としては、ガラスの屈折率を下げ
る効果やイオンのマイグレーションを防止することを考
慮すると、リチウムを選択するのが好ましい。
【0021】酸化ケイ素の配合量は5〜30重量%が好
ましく、より好ましくは10〜30重量%である。酸化
ケイ素は、ガラスの強度や安定性の向上に有効であり、
また、ガラスの低屈折率化にも効果がある傾向がある。
また、ガラスの熱膨張係数をコントロールして、このガ
ラスで作成された隔壁が、ガラス基板との熱膨張係数の
ミスマッチによる剥離などを防ぐこともできる。5重量
%以上とすることで、ガラスの熱膨張係数を小さく抑
え、このガラスで作成した隔壁をガラス基板に焼き付け
たときにクラックを生じにくい。また、屈折率を低く抑
えることができやすい。30重量%以下とすることで、
ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑え、隔壁のガラス基
板への焼き付け温度を低くすることができる傾向があ
る。
【0022】酸化ホウ素は、鉛などの重金属を含有しな
いガラスにおいて低軟化点化のために加えられるもので
あり、さらに低屈折率化にも有効であり、20〜45重
量%、さらに20〜40重量%の範囲で配合することが
好ましい。20重量%以上とすることで、ガラス転移
点、荷重軟化点を低く抑えガラス基板への焼き付けを容
易にする。また、45重量%以上とすることでガラスの
化学的安定性を維持することができやすくなる。
【0023】酸化バリウムおよび酸化ストロンチウムの
うち少なくとも1種を用い、その合計量が2〜15重量
%さらには2〜10重量%であることが好ましい。これ
らの成分はガラスの低軟化点化や熱膨張係数の調整に有
効であり、耐熱性の高い基板への焼き付けへの適用、電
気絶縁性、形成される隔壁の安定性や緻密性の点でも好
ましい。2重量%以上とすることで低軟化点化の効果を
得ることができると共に結晶化による失透を防ぐことも
できる。また、15重量%以下とすることにより、熱膨
張係数を小さく抑え、屈折率も小さくおさえることがで
きる。また、ガラスの化学的安定性も維持できる。
【0024】酸化アルミニウムはガラス化範囲を広げて
ガラスを安定化させる効果があり、ペーストのポットラ
イフ延長にも有効であるため、10〜25重量%の範囲
で配合することが好ましく、この範囲とする事でガラス
転移点、荷重軟化点を低く保ち、ガラス基板上への焼き
付けを容易とする事ができる。さらに酸化カルシウムお
よび酸化マグネシウムは、ガラスを溶融しやすくすると
共に熱膨張係数を制御するために配合されることが好ま
しい。酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムは合計で
2〜15重量%配合するのが好ましい。合計量が2重量
%以上とすることで結晶化によるガラスの失透を防ぎ、
15重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維
持することができる。
【0025】また、上記の組成には表記されていない
が、酸化亜鉛はガラスの熱膨張係数を大きく変化させる
ことなく低軟化点化させる成分であり、これも配合させ
ることが好ましい。多く配合しすぎると屈折率が大きく
なる傾向にあるので、1〜20重量%の範囲で配合する
のが好ましい。
【0026】なお、着色剤としては、コバルト、銅、セ
リウム、ランタン、鉄、プラセオジウム、ランタン、ニ
ッケル、エルビウム、バナジウム、ディスプロシウム、
インジウム、ホルミウム、アンチモン、ガドリニウム、
ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、ネオジウ
ム、クロム、マンガン等の酸化物を適宜加えることがで
きる。
【0027】以上のガラスを構成する成分は、ガラスが
焼成されて最終的に完成した後の組成である。従って、
製造方法や原料はなんら限定されるものではなく、例え
ば、原料として、金属酸化物を用いず、金属の炭酸塩な
どを用いても、焼成過程等により、酸化されて金属酸化
物となる。
【0028】感光性ペーストに用いる低軟化点ガラス材
料は、ペースト形成時の充填性および分散性が良好であ
りように保持し、ペーストの均一な厚さでの塗布が可能
であると共にパターン形成性を保つためには、平均粒子
径が1〜5μmであることが好ましい。このような粒度
分布を有するガラス粉末がペーストへの充填性および分
散性の点で優れている。
【0029】本発明のガラス材料は、ガラスの海構造中
に存在する金属酸化物を有してなる島構造が必要であ
る。前記島構造に含まれる金属酸化物としては特に限定
されるものではないが、好ましくは、酸化チタン、酸化
ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウ
ム、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化
鉄、酸化コバルト、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸
化インジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化ニッケル、酸化
銅、酸化砒素、または酸化マグネシウムのうち少なくと
も1種以上の金属酸化物を有してなるものである。前記
島構造により、隔壁色を白または黒あるいは他の色に発
色させるため無機の顔料等を添加する事も可能である。
酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化珪素、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素等は白色を発色し、また、銅−クロム系
酸化物、コバルト−鉄−クロム系酸化物、ニッケル−コ
バルト系酸化物、銅−鉄−マンガン系酸化物、鉄−マン
ガン系酸化物、酸化コバルト、窒化珪素、窒化アルミニ
ウム等は黒色を発色し、ウルトラマリン、コバルトブル
ー、セルリアンブルー、群青、紺青等は青色を発色す
る。また、べんがら(酸化鉄)、鉛丹(酸化鉛)等は赤
色を発色し、クロム緑(黄鉛と紺青の複合材料)、酸化
クロム、ギネー緑(酸化クロム)、コバルト緑(酸化亜
鉛と酸化コバルトの複合材料)エメラルド緑(酸化銅)
は緑色を発色する。その他の発色を目的とした材料とし
てはルテニウム、マンガン、ニッケル、クロム、鉄、コ
バルトの金属もしくはその酸化物があり、これらのうち
1種または数種を好ましく選択し、組み合わせることに
よって調色が可能である。特に酸化チタン、酸化ケイ
素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムま
たは酸化マグネシウムが好ましい。この島構造中には、
前記のような金属酸化物を好ましくは1重量%以上含有
し、より好ましくは、5重量%以上、更に好ましくは1
0重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、その上
好ましくは80重量%以上、それ以上好ましくは95重
量%以上含有するものである。一方、酸化物以外のガラ
ス成分やガラス状物等は殆ど含まれないものであり、好
ましくは20重量%以下(より好ましくは10重量%以
下、更に好ましくは5重量%以下)である。これら金属
酸化物以外には本発明の効果を妨げない限り特に限定さ
れないが、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素な
どが含有されていても良い。これらの金属酸化物は多結
晶、単結晶、準結晶、アモルファス、ガラス体、または
固溶体等、あるいはそれらの混合したものであっても良
いが、好ましくは多結晶、単結晶、準結晶、または固溶
体等、あるいはそれらの混合したものである。従って、
島構造全体も同様である。
【0030】また、島構造のドメイン径の平均値は、断
面にて5μm以下である必要があり、また、0.05μ
m以上であることが好適である。好ましくは0.05〜
5μm、より好ましくは0.05〜3μm、更に好まし
くは0.05〜2μmである。前記数値範囲の下限値を
下回ると応力緩衝効果が小さくなり、逆に上限値を上回
ると頂部の凹凸が大きくなり、応力集中点を形成する原
因となり好ましくないことがあるからである。また、こ
の島構造が本発明のガラス材料中に占める比率は好まし
くは1〜80重量%より好ましくは2〜70重量%、更
に好ましくは3〜60重量%である。前記数値範囲の下
限値を下回ると応力緩衝効果を呈することが難しくな
り、逆に上限値を上回ると緻密性の低下により連続体と
しての特性を維持することが困難となり好ましくないこ
とがあるからである。
【0031】なお、例えば、半径rの球を任意に切断し
た時の円断面の平均直径は π*r2/(2*r)=r*π/2 となり、実際の球の直径のπ/4倍である。また、楕円
体やその他の複雑な立体の場合は、更に複雑な換算を要
する。これらの換算により、断面径から実際の立体の径
をおおよそ求めることもできる。なお、前記島構造の内
部付近には微細な気泡が存在しているケースが多い。島
構造から独立した気泡は、概して大きいものである。本
発明のガラス材料中に存在する気泡の平均径は好ましく
は0.01〜2μm、より好ましくは0.01〜1.5
μm、更に好ましくは0.01〜1μmである。
【0032】本発明の海島構造を有するガラス材料の島
構造の生成方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、金属酸化物等の粉末を予め本発明のガラス材料の原
料として添加しておいても良いし、焼成工程などで酸化
されて金属酸化物に変化する金属酸化物前駆体をガラス
材料の原料に加えて生成させても良い。しかし、金属酸
化物や窒化物、およびいわゆる高軟化点ガラスなどのよ
うに焼成工程での加熱温度以上の荷重軟化点または融点
を有する島成分原料の場合は、そのまま隔壁中または隔
壁表面に残留するのでその平均粒子径は小さいことが好
ましく0.1〜3μmであることが適当である。この範
囲であれば、充填性および分散性を満足させて、塗布性
およびパターン形成性の優れた感光性ペーストを構成す
ることができる。0.1μm以上とすることでペースト
中での分散性が良好となり、形状保持性の効果を得るこ
とができる。また、金属酸化物原料は焼成工程で溶融す
ることがないので3μmより大きすぎると、形成された
隔壁の頂部の凹凸が大きくなり封着時の応力集中点とな
ったり、クロストークの原因となるなどの問題を生じる
傾向にある。また、前記金属酸化物原料は、焼成前のパ
ターン形成性を維持しつつ、焼成後の隔壁の焼成収縮率
を抑制し、母体低軟化点ガラス材料の流動に抗する効果
によって、形状保持性を高める効果がある場合がある。
【0033】平均粒子径0.1〜3μmの金属酸化物等
島構造を形成する粉末原料は、感光性ペーストにおける
感光性有機成分や低軟化点ガラス材料の平均屈折率との
整合を図ることによって露光光の散乱を抑えるために、
屈折率が1.45〜1.65の範囲内にあることが好ま
しい。この金属酸化物等粉末原料の屈折率を上記の範囲
内とするための材料としては、組成を調整した高軟化点
ガラスやコーディエライトが好ましく用いられる。
【0034】一方、液状あるいは溶液状、場合によって
は固体状の有機金属化合物又は有機金属試薬を金属酸化
物の前駆体としてペースト中に導入することも有効であ
る。フォトリソグラフィー工程の容易さや焼成された組
織の品質を考慮すると、前記酸化物原料を用いるよりも
優れていて好ましい。たとえば焼成後酸化チタン、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜
鉛または酸化マグネシウム等に変化して隔壁中に残留す
るようなものが好適に選ばれる。このような有機金属化
合物で酸化珪素に変化するものとしてはトリメトキシシ
ラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プ
ロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポ
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることがで
きる。
【0035】酸化アルミニウムに変化するものとして
は、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミ
ネート、アルミニウムジイソプロポキシエチルアセトネ
ート、テトラエトキシアルミネート、アルミニウムアセ
チルアセトネート等を挙げることができる。
【0036】酸化チタンに変化するものとしてはテトラ
メトキシチタネート、トリエトキシチタネート、テトラ
エトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、エ
チルトリメトキシチタネート、メチルトリエトキシチタ
ネート、ジエチルジエトキシチタネート、フェニルトリ
メトキシチタネート、フェニルトリエトキシチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェー
ト)チタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロ
ピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネー
ト、チタンラクテート、チタニウムペルオキソビス(ニ
トリロ三酢酸)ビス(ジプロピルアミネート)、チタニ
ウムアセチルアセトネートビス(1,3−ブタンジオー
ル)、チタニウムペルオキソエチレンジアミン四酢酸ピ
リジニウム、チタニウムグルタミン酸二酢酸ビス(3,
5−ジメチルピリジニウム)、チタニウムペルオキソエ
チレンジアミン四酢酸ジブチルアミネート、チタニウム
ベンゾイルアセトネートビス(1,3−ブタンジオー
ル)などが挙げられる。
【0037】酸化ジルコニウムに変化するものとしては
トリメトキシジルコネート、テトラメトキシジルコネー
ト、トリエトキシジルコネート、テトラエトキシジルコ
ネート、テトラプロポキシジルコネート、クロロトリメ
トキシジルコネート、クロロトリエトキシジルコネー
ト、エチルトリメトキシジルコネート、メチルトリエト
キシジルコネート、エチルトリエトキシジルコネート、
ジエチルジエトキシジルコネート、フェニルトリメトキ
シジルコネート、フェニルトリメトキシジルコネート、
フェニルトリエトキシジルコネート、ジルコニウムノル
マルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、
ジルコニウムペルオキソジエチレントリアミン五酢酸ト
リス(イソブチルアミネート)、ジルコニウムペルオキ
ソビス(ニトリロ三酢酸)ビス(イソブチルアミネー
ト)、ジルコニウムジエチレントリアミン五酢酸ビスジ
プロピルアミネート、ジルコニウムアセチルアセトネー
トビス(アミノカプロン酸)、ジルコニウムベンゾイル
アセトネートビス(1,3−ブタンジオール)、ジルコ
ニウムペルオキソエチレンジアミン四酢酸ジブチルアミ
ネート、ジルコニウムペルオキソトリス(メチレンリン
酸)ピリジニウム、ジルコニウムトリリジン、ジルコニ
ウムペルオキソグルタミン酸二酢酸ビス(3,5−ジメ
チルピリジニウム)、ジルコニウムアセチルアセトネー
トビス(1,3−ブタンジオール)等を挙げることがで
きる。
【0038】酸化亜鉛に変化するものとしては、ジメチ
ル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジビニル亜鉛、ジフェニル亜
鉛、メチル亜鉛メトキシド、アセチル亜鉛、N,N−ジ
メチルアミノアセテート亜鉛、蟻酸亜鉛、アセチルアセ
テート亜鉛等を挙げることができる。
【0039】酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ゲルマニウム、酸化ニ
オブ、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化ニッケ
ル、酸化銅、酸化砒素、または酸化マグネシウムについ
ては、前記と同様の有機金属化合物で当該金属を置換し
た化合物、乃至はその他の適切な有機金属化合物を用い
ることにより容易に得られるものである これらの内、特に好ましいものとしてはフェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アルミ
ニウムジイソプロポキシエチルアセトネート、アルミニ
ウムアセチルアセトネート、イソプロピルトリス(ジオ
クチルピロホスフェート)チタネート、チタンラクテー
ト、ブチルチタネートダイマー、チタニウムグルタミン
酸二酢酸ビス(3,5−ジメチルピリジニウム)、チタ
ニウムペルオキソエチレンジアミン四酢酸ジブチルアミ
ネート、チタニウムベンゾイルアセトネートビス(1,
3−ブタンジオール)ジルコニウムノルマルブチレー
ト、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウム
ペルオキソエチレンジアミン四酢酸ジブチルアミネー
ト、ジルコニウムペルオキソトリス(メチレンリン酸)
ピリジニウム、ジルコニウムアセチルアセトネートビス
(1,3−ブタンジオール)等を挙げることができる。
【0040】有機金属試薬等、有機金属化合物溶液等の
金属酸化物の前駆体は一般的にインテグラルブレンド法
によりペースト中に添加されるが、これらはペースト中
では低軟化点ガラス材料やフィラーや無機顔料などの無
機粉末原料の表面に多く分布し、ペースト中の有機成分
との親和性を良好にする効果があるが、焼成過程でその
中心金属部以外は分解消失する。中心金属部の多くは酸
化物として原料無機粉末の周辺に存在するが、母体ガラ
スの軟化によって焼結が進行してゆく過程でその間隙に
残留する。また、これらは母体ガラスの表面に多く分布
し、適度に母体ガラスの流動を阻害することから、焼成
条件との組み合わせにより隔壁中に微細な気泡を導入す
ることが可能となる。その結果、隔壁中には隔壁の母体
ガラス組織からなる海部の中に金属酸化物の凝集体と気
孔からなる微細な凝集構造を島部からなる海島構造が形
成される。
【0041】勿論、島成分の原料として、前記金属酸化
物と金属酸化物の前駆体を併用しても良い。特に、金属
酸化物に金属酸化物の前駆体である有機金属化合物が併
用されると、金属酸化物の2次粒子や巨大気泡の形成が
抑制されて好ましい。その機構の詳細は不明であるが、
以下の通りと推定される。即ち、有機金属化合物が加水
分解することにより、径の微細なために凝集力が強い金
属酸化物粒子のカップリング剤となる、つまり、流動性
を高めて、分散性を向上することによると推測される。
【0042】隔壁形成に用いる感光性ペーストは、低軟
化点ガラス材料、島成分原料(金属酸化物や金属酸化物
前駆体)、感光性有機成分等を所定の組成となるように
調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散す
ることにより調製される。
【0043】有機成分に含まれる感光性モノマー、感光
性オリゴマー、もしくはポリマー、種々の添加剤の熱分
解点がガラス粉末成分の軟化点より高くなると、隔壁が
褐色に着色したり、隔壁が基板から剥がれたりする欠陥
が発生する傾向にあるので、これらの整合を図ることも
肝要である。
【0044】感光性ペーストの粘度は、有機溶媒により
1万〜20万cP(センチ・ポイズ)程度に調整して使用
される。このとき使用される有機溶媒としては、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メ
チルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキ
サノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、3−メチ
ル−3−メトキシブタノール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、ジエチレングリコールブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ
―ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、ニトロメタンなどやこれらのうち
の1種以上を含有する有機溶媒混合物が挙げられる。
【0045】感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷
法、バーコーター法、ロールコーター法、ドクターブレ
ード法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚
さは、所望の隔壁の高さとペーストの焼成による収縮率
を考慮して決めることができる。塗布・乾燥した感光性
ペースト膜にフォトマスクを介して露光を行って、隔壁
パターンを形成する。露光の際、ペースト塗布膜とフォ
トマスクを密着して行う方法と一定の間隔をあけて行う
方法(プロキシミティ露光)のいずれを用いても良い。
露光用の光源としては、水銀灯やハロゲンランプが適当
であるが、超高圧水銀灯が最もよく使用される。超高圧
水銀灯を光源として、プロキシミティ露光を行うのが一
般的である。露光条件はペーストの塗布膜厚によって異
なるが、通常は5〜30mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を
用いて20秒から10分間露光を行うのが適当である。
【0046】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。本発
明で好ましく用いられる感光性ペーストの感光性有機成
分としては、側鎖にカルボキシル基を有するものが好ま
しく採用され、この場合にはアルカリ水溶液での現像が
可能になる。アルカリとしては、有機アルカリ水溶液を
用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去し易いので好ま
しい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を
用いることができる。具体的にはテトラメチルアンモニ
ウムヒドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は
通常0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.
6重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が完
全に除去されない傾向にあり、アルカリ濃度が高すぎる
と、露光部のパターンが剥離したり、浸食したりする傾
向にある。現像時の温度は、20〜50℃で行うことが
工程管理上好ましい。
【0047】感光性ペーストを用いたフォトリソグラフ
ィー技術による隔壁形成では、感光性ペーストの塗布膜
から露光・現像の工程を経て形成した隔壁パターンを次
に焼成炉で焼成し、有機成分を熱分解して除去し、同時
に無機成分中の低軟化点ガラス材料を溶融させて隔壁を
形成する。
【0048】サンドブラスト法の場合、隔壁形成用ガラ
スペーストは、低軟化点ガラス、島成分原料(金属酸化
物や金属酸化物前駆体)、バインダーとしてセルロース
系樹脂またはアクリル系樹脂を所定の組成となるように
調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散す
るように調製される。これをスクリーン印刷、ロールコ
ータ、テーブルコータ、バーコータ等のコータで基板上
に塗布し、乾燥する。低軟化点ガラスペーストは特開平
8−255510号公報に開示されているようにシート
状ペースト材(グリーンテープ)を貼り付けることによ
り基板の上に層形成することも可能である。この基板は
セラミック、ガラス板、金属、表面に電極を形成したガ
ラス板等、基板上に形成した低軟化点ガラスの焼成温度
での耐熱性のあるものであればどんなものでも良い。
【0049】次に低軟化点ガラス層を仮焼することによ
って、有機成分を除去し、低軟化点ガラス同士を部分的
に融着させ、後のサンドブラスト加工における研削を容
易にする。
【0050】続いて、低軟化点ガラス層の表面に感光性
オリゴマーおよび/またはモノマーを含む感光性レジス
トを塗布またはラミネートし、これを所望のパターンの
ネガまたはポジのガラスマスクまたはフィルムマスクに
より露光、現像し、切削マスクを形成する。
【0051】その後基板と同程度の硬度のガラスビーズ
を研磨材としてサンドブラスト加工を行い低軟化点ガラ
ス層を研削する。
【0052】サンドブラスト法による隔壁形成では、感
光性レジスト層に容易に熱分解する有機成分を選択する
ことにより研削後の隔壁パターンをそのまま焼成炉で焼
成することで除去し、さらに低軟化点ガラスを溶融させ
て隔壁を形成する。
【0053】焼成の雰囲気や温度は、ペーストや基板の
特性によって異なるが、通常は、空気中で焼成される。
焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型
焼成炉を用いることが出来る。バッチ式の焼成を行うに
は通常、隔壁パターンが形成されたガラス基板を通常、
室温から500℃程度まで数時間かけてほぼ等速で昇温
した後、焼成温度として設定した510〜600℃に3
0〜120分間で上昇させて、約15〜30分間保持し
て焼成を行うことが好ましい。焼成温度は用いるガラス
基板のガラス転移点より低くなければならないので、ガ
ラス基板を用いる場合には自ずから好ましい上限が存在
する。焼成温度が高すぎたり、焼成時間が長すぎたりす
ると隔壁形状にダレなどの欠陥が発生する傾向にある。
【0054】隔壁に挟まれたセル内に、赤、緑、青に発
光する蛍光体ペーストを塗布して必要に応じて焼成し、
本発明のディスプレイ用部材としてプラズマディスプレ
イパネル用の背面板を製造することができる。この背面
板と前面板を張り合わせた後、封着、ガス封入して本発
明のディスプレイとしてプラズマディスプレイが作製さ
れる。
【0055】本発明の第1発明のガラス材料を有してな
るディスプレイ用部材は、基板上に低軟化点ガラスを含
有する隔壁が形成されたディスプレイ用部材であって、
該隔壁長軸に平行かつ該基板面に垂直である面を隔壁平
行面とし、該隔壁平行面と該基板面の何れに対しても4
5°の角度をなす方向を圧子方向として、圧子が該隔壁
頂部の角付近に接し、かつ該圧子の長軸を該圧子方向に
平行となるように配置された隔壁を被負荷隔壁として、
該圧子を、該隔壁平行面に垂直であり該被負荷隔壁へ向
かう方向に負荷させることによって生じた破断面に実質
的な破壊鏡面および/または5μm以上のハックルライ
ンが観察されない隔壁を有することが好ましい。
【0056】まず、上記の負荷方法を図1を参照しなが
ら説明する。隔壁がストライプタイプならば、当該スト
ライプの走向方向が当該隔壁の長軸方向となる。格子状
ならば、画素を隔てる辺の延長方向が長軸方向となる。
図1はこの長軸に垂直な面でディスプレイ部材を切った
断面となる。この隔壁長軸に平行かつ該基板面に垂直で
ある面(隔壁平行面)は、図1の断面図では上下に走向
する直線となる。隔壁平行面は、圧子方向を規定するた
めの設定した面であり、面の角度さえ変わらなければ基
板上のどの位置にあってもよい。負荷をかけるための圧
子はその長軸が基板面と隔壁平行面に対して45°とな
る方向(圧子方向)に設定する。図1の右方向をx軸の
正方向、上方向をy軸の正方向とすれば、圧子方向は直
線y=xに平行となる。この状態で測定すべきディスプ
レイ部材の隔壁頂部の角付近に接するように圧子を配置
する。角が真っ直ぐに切り欠いてあるならばその切り欠
き面の中央、Rが付けられているならば、両面のRの曲
面が始まる位置から等距離の点を角とする。測定目的を
考慮すると隔壁の側面よりであることが好ましい。その
場合、前記正確な角から±10μm以内を角付近の範囲
内とするのが適切である。このように圧子を設置して、
隔壁平行面に垂直でありこの隔壁(被負荷隔壁)へ向か
う方向(図1では左方向)に徐々に負荷をかけ隔壁が破
断するまで測定する。これにより、隔壁頂部付近に剪断
力が負荷され隔壁の弾性率、脆性、基板との密着力等の
成分の合成値としての引っ掻き強度が測定される。
【0057】第1発明の海島構造の導入によって、隔壁
組織は適度にポーラスになり、その破断面には実質的な
破壊鏡面が観察されない状態とすることができる。ここ
で、破壊鏡面とは、ガラスモールドを割断する際に加え
た応力の起点付近に臨界荷重以上で形成された垂直亀裂
面の微小鏡面を指す。一方、本発明のディスプレイ用部
材では破断面は微小な気泡や凝集体が隈無く観察される
ポーラスな面となり、破壊鏡面は観察されないものであ
る。なお、実質的な破壊鏡面が観察されないとは、勿
論、破壊鏡面が全く観察されない場合も含まれるが、直
径3μm以上の破壊鏡面が観察されない場合も含まれ
る。破壊鏡面が形成されるということはそのガラス組織
が緊密であることを表す。
【0058】十分な強度を有し、かつ応力緩衝効果を呈
するためには海島構造の島の大きさは微細で均一に分布
していることが好ましく、具体的には前記海島構造を有
するガラス材料を用いることにより好適に達成される。
十分な強度応力緩衝効果を呈するためには上述の海島構
造の導入により破壊断面に5μm以上のハックルライン
が観察されない状態に調製することが肝要である。な
お、ハックルラインとはガラスモールドを割断する際に
加えた応力にしたがって伸展する亀裂と垂直方向に生じ
る破面上の段差を指す。ハックルラインが形成されると
いうことは、そのガラス組織が緊密であることを表す。
本発明のディスプレイ用部材では、破断面に、実質的な
破壊鏡面および/または5μm以上のハックルラインが
観察されないものであり、より好ましくは両者とも観察
されないことである。
【0059】本発明の第2発明は、隔壁の破壊荷重が5
00〜2500mNの範囲内にある、または、ダイナミ
ック硬度が90〜300の範囲内にあることが必要であ
る。隔壁の破壊荷重は、好ましくは500〜2500m
N、より好ましくは550〜2400mN、特に好まし
くは600〜2300mNである。破壊荷重が500m
Nよりも低い隔壁は蛍光体層形成時のハンドリングおよ
び封着時の前面板からの荷重に耐えられない。また25
00mNよりも高い隔壁は、隔壁組織中で母体ガラスの
焼結が過剰に進行していることを表し、頂部凹凸、ある
いは異物の噛み込みがきっかけとなり封着時の応力集中
により微小なクラックを生じると、これが容易に拡張し
隔壁の大きな欠損を生じて欠陥となる。また、本発明の
別の態様である第3発明では、隔壁のダイナミック硬度
は、90〜300N/mm2であり、より好ましくは10
0〜280N/mm2、特に好ましくは120〜280N
/mm2である。なお、ダイナミック硬度は前記破壊荷重
と破壊点における圧縮変位から以下の式で求められる。 式: (ダイナミック硬度)=(破壊荷重)÷(破壊点における圧縮変位)2×3.858 ダイナミック硬度は、破壊荷重を破壊点における圧子の
接触面積で割った値であり、破壊点における単位面積あ
たりの破壊荷重を表す。この算出は硬度に類似している
が、硬度は、荷重後に試料から圧子を除いた痕跡により
塑性変形のしやすさを評価する値であるのに対して、ダ
イナミック硬度は破壊点に至る圧子の最進入位置から算
出することより、試料の弾性変形、および塑性変形の両
方の寄与を含んだ形での変形のし難さを表す値であると
言える。かかる隔壁を得るためには、前述の本発明の第
1発明であるガラス材料を用いることにより好適に達成
することができる。つまり、前記海島構造を有するガラ
ス材料の島構造の平均ドメイン径を0.05μm以上と
することによりおよび/または前記島構造のガラス材料
中の比率を1重量%以上とすることにより、隔壁の破壊
荷重は2500mN以下となる。一方、前記海島構造を
有するガラス材料の島構造の平均ドメイン径を1μm以
下とすることによりおよび/または前記島構造のガラス
材料中の比率を80重量%以下とすることにより、隔壁
の破壊加重は2500mN以上となる。
【0060】本発明(第1、2、3発明)のディスプレ
イ部材の隔壁は、以下の性質を有することも好ましい。
即ち、隔壁頂部の線幅Wは好ましくは20〜100μm
である。前記数値範囲の下限値を下回ると隔壁のパター
ン形成が著しく困難となり、さらに焼成工程で形状を維
持することが困難となり、上限値を上回ると隔壁の構造
体としての強度は高くなるがパネルを構成した場合の発
光面積が小さくなるため、事実上輝度が低下することと
なり好ましくない場合がある。高さHは好ましくは60
〜200μmである。前記数値範囲の下限値を下回ると
パネル駆動時のプラズマ放電空間が小さくなるため、発
光効率が著しく低い状態となり、上限値を上回るとパネ
ル駆動時のプラズマ放電空間が著しく大きくなるため、
蛍光体を励起し発光させる紫外光が隔壁間および/また
は隔壁表面に形成された蛍光体層に到達する強度が小さ
くなり、輝度、発光効率共に低下することとなり好まし
くない場合がある。アスペクト比H/Wは好ましくは1
〜5である。隔壁頂部の表面粗さRaは好ましくは0.
01〜4μm、より好ましくは0.02〜3μm、更に
好ましくは0.05〜1μmである。前記数値範囲の下
限値を下回ると前面パネルとの封着時の排気時間が著し
く長くなることから生産効率の低下を招くこととなり、
上限値を上回ると前面パネルとの封着時の応力集中点を
生じる原因となり、さらに、パネル駆動時に必要の有無
にかかわらず隣接画素をも発光させてしまうクロストー
クが起きる原因となり好ましくない場合がある。
【0061】以下、本発明における測定条件と評価方法
を説明する。 (1)ドメイン径の評価方法 該背面板がディスプレイを構成する際の画面の縦方向
(主ストライプ)に垂直方向に基板片を切断し、形成さ
れた隔壁の断面を透過電顕(TEM)で5000〜20
000倍で観察する。なお、0.005μm以下のもの
は無視するものとする。低軟化点ガラス材料が軟化溶融
して連続体となった母体ガラスのなかに観察される金属
酸化物と気泡によって形成される島部(金属酸化物の凝
集体のみで構成される形態と、金属凝集体に、気泡を含
む形態および/または気泡がまとわりついている形態が
ある)を略球状と見なし、その長径を測長し、数平均値
を算出する。 (2)隔壁の破壊鏡面およびハックルライン試験 1ミリΦの注射針をイマダ株式会社製荷重試験機DPX
−5Tのチャック部に取りつけ、これを水平に設置した
サンプル台に対して45°傾けて設置する。サンプル台
上に背面板から画素に平行に切り出したサンプル小片を
固定し、注射針の先端が隔壁の頂部付近に接するように
注射針の位置を調整する。サンプル台をネジなどで徐々
に水平移動させ、注射針による負荷がかかるようにす
る。移動に従って隔壁に対する負荷が増加し、ついには
隔壁が破壊する。破壊された隔壁の破断面をSEMで1
000〜3000倍で観察し、破壊鏡面の有無、ハック
ルラインの長さを測定する。 (3)隔壁の破壊荷重の測定方法 本発明の隔壁部分の強度は以下のようにして評価した。
まず、背面板もしくは焼成後の隔壁が形成された基板を
1.5〜2cm角程度に切り出した。隔壁パターンのう
ち、長さ200μm以上にわたって交差のない部分の中
央部を選択する。望ましくは、ストライプ状になってい
る部分を選択する。また、望ましくは隔壁頂部の線幅が
45〜80μmの範囲内となっている部分を選択する。
株式会社島津製作所製微小圧縮試験機(MCTM−50
0)にダイヤモンド三角錐圧子(稜間隔115°)を取
り付ける。隔壁付き基板試料片を試料台に固定する。あ
らかじめ調べておいた圧子の重心部が隔壁の線幅の中央
部に当たるようにマイクロメーターヘッドで試料位置を
セットする。モード1の圧縮試験、負荷速度207.2
7mN/sを選択し、最大荷重4903.0mNとして圧縮
破壊試験を行う。図2のような荷重−変位曲線が得られ
るが、負荷過程の初めての屈曲点を一次破壊点とする。
破壊点は、解析ソフトの読み値とするが、荷重−変位曲
線上の一次破壊点と一致している点を有効データとす
る。10〜30点、同一の条件で測定位置を変えてデー
タを収集する。
【0062】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0063】なお、実施例1〜8、17〜19、比較例
1〜5、11については後述のサンドブラスト法にて、
実施例9〜16、比較例6〜10については、後述の感
光性ペースト法にてパターニングした。又、島部が形成
された例では何れの島部の析出物に結晶質の存在が確認
された。 (実施例1〜4、比較例1〜2)隔壁形成用ペースト
は、エチルセルロース10重量部にテルピネオール90
重量部を50℃に加熱しながら溶解し、十分冷却後有機
金属群を添加混合した。その後低軟化点ガラス材料とフ
ィラー、発色剤の混合粉末からなる無機粉末を90重量
部添加し、混練機を用いて混練した。低軟化点ガラス材
料としては、組成が重量%表示でPbO:60、SiO
2:18、B23:10、ZnO:4、Al23:6、
TiO2:2である平均粒子径1.2μmのガラス微粒子
を用いた。このガラスの荷重軟化点は550℃である。
この有機金属群添加量および無機粉末組成を表1に示し
た。
【0064】
【表1】
【0065】(実施例5〜8、比較例3)隔壁形成用ペ
ーストは、ヒドロキシエチルセルロース10重量部にブ
チルカルビトールアセテート90重量部を50℃に加熱
しながら溶解し、十分冷却後有機金属群を添加混合し
た。その後低軟化点ガラス材料とフィラー、発色剤、の
混合粉末からなる無機粉末を90重量部添加し、混練機
を用いて混練した。低軟化点ガラス材料としては、組成
がLi2O:14、SiO2:24、Al23:21、B
23:33、BaO:5、ZnO:3、MgO:8であ
る平均粒子径1.8μmのガラス微粒子を用いた。この
ガラスの荷重軟化点は495℃である。この有機金属群
添加量および無機粉末組成を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】(実施例9〜11、比較例4〜5)感光性
ペーストは、メチルメタクリレート/メタクリル酸コポ
リマ(重量組成比80/20)10重量部、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート5重量部、N,N−ジエ
チルアミノエチルメタクリレート5重量部に光重合開始
剤(2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル)2
−モルフォリノプロパン−1−オン)6重量部、増感剤
(2,4−ジエチルチオキサントン)3重量部、有機染
料(ベーシックブルー26)0.01重量部、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル60重量部を50℃
に加熱しながら溶解し、十分冷却後有機金属群を添加混
合した。その後低軟化点ガラス材料とフィラー、発色
剤、の混合粉末からなる無機粉末を80重量部添加し、
混練機を用いて混練した。低軟化点ガラス材料として
は、組成がLi2O:7.5、SiO2:23.5、Al
23:19、B23:33、BaO:4、ZnO:3、
MgO:6であるガラス微粒子を用いた。このガラスの
平均屈折率は1.59、荷重軟化点は530℃、平均粒
子径は2.2μmである。この有機金属群添加量および
無機粉末組成を表3に示した。
【0068】
【表3】
【0069】(実施例12,13、比較例6、7)感光
性ペーストは、スチレン/メチルメタクリレート/メタ
クリル酸コポリマー(重量組成比35/30/35)1
0重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
10重量部に光重合開始剤(2−メチル−1−(4−メ
チルチオ)フェニル)2−モルフォリノプロパン−1−
オン)6重量部、増感剤(2,4−ジエチルチオキサン
トン)3重量部、有機染料(ベーシックブルー26)
0.01重量部、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル60重量部を50℃に加熱しながら溶解し、十分
冷却後有機金属群として、テトラエトキシジルコニウム
の加水分解生成物を添加混合した。その後低軟化点ガラ
ス材料とフィラー、発色剤、の混合粉末からなる無機粉
末を80重量部添加し、混練機を用いて混練した。低軟
化点ガラス材料としては、組成がK2O:9%、Si
2:22%、Al23:23%、B23:33%、B
aO:4%、ZnO:2%、MgO:7%であるガラス
微粒子を用いた。このガラスの平均屈折率は1.59、
荷重軟化点は519℃、平均粒子径は2.6μmであ
る。この有機金属群添加量および無機粉末組成を表4に
示した。
【0070】
【表4】
【0071】(実施例14〜16、比較例8〜10)感
光性ペーストは、メチルメタクリレート/メタクリル酸
コポリマ(重量組成比60/40)にコポリマ100重
量部に対してグリシジルアクリレートを40重量部付加
させたコポリマ10重量部、トリメチロールプロパント
リアクリレート10重量部に光重合開始剤(2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリフォリノフェ
ニル)ブタノン)5重量部、増感剤(2,4−ジエチル
チオキサントン)2重量部、有機染料(ベーシックブル
ー26)0.01重量部、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル60重量部を50℃に加熱しながら溶解
し、十分冷却後有機金属群を添加混合した。その後低軟
化点ガラス材料とフィラー、発色剤、の混合粉末からな
る無機粉末を80重量部添加し、混練機を用いて混練し
た。低軟化点ガラス材料としては、組成がLi2O:5
%、SiO2:26%、Al23:23%、B23:3
3%、BaO:4%、ZnO:2%、MgO:7%であ
るガラス微粒子を用いた。このガラスの平均屈折率は
1.59、荷重軟化点は533℃、平均粒子径は2.9
μmである。この有機金属群添加量および無機粉末組成
を表5に示した。
【0072】
【表5】
【0073】(実施例17〜19、比較例11)隔壁形
成用ペーストは、ヒドロキシエチルセルロース10重量
部にブチルカルビトールアセテート90重量部を50℃
に加熱しながら溶解し、十分冷却後有機金属群を添加混
合した。その後低軟化点ガラス材料とフィラー、発色
剤、の混合粉末からなる無機粉末を90重量部添加し、
混練機を用いて混練した。低軟化点ガラス材料として
は、組成がBi23:62、SiO2:4、Al23
3、B23:15、BaO:5、ZnO:8、MgO:
8である平均粒子径1.7μmのガラス微粒子を用い
た。このガラスの荷重軟化点は510℃である。この有
機金属群添加量および無機粉末組成を表6に示した。
【0074】
【表6】
【0075】(サンドブラスト法)サンドブラスト用マ
スクを構成するフォトレジストとして、光硬化型ドライ
フィルム(東京応化工業製、OSBRフィルム)を用い
た。
【0076】障壁形成用ガラスペーストを基板にブレー
ドコート法により乾燥厚みを210μmとなるように塗
布した。そして、ペースト中の有機バインダーに含まれ
る溶剤を除去するために90分間80℃で乾燥を行っ
た。次いで、基板を50〜80℃に加熱し、前記のサン
ドブラスト用マスクを構成するドライフィルムをラミネ
ートした後、超高圧水銀灯を光源とする平行光をプリン
ターを用い、ラインパターンマスクを介して紫外線によ
りパターン露光を行った。露光条件は、365nmで測
定した時に、強度200μw/cm2、照射量70mJ
/cm2 である。続いて、現像工程では、無水炭酸ナト
リウム0.2wt%水溶液により液温30〜50℃でス
プレー現像を行った。以上の工程によりサンドブラスト
用マスクが得られた。
【0077】その後、乾燥工程を経てのサンドブラスト
による不要部分の除去処理を行った。サンドブラストに
よる不要部分の除去工程では、研磨材として褐色溶融ア
ルミナ#400を用い、噴出圧力3kg/cm2でサン
ドブラスト処理を行うことにより、障壁のパターンを得
た。パターン形成が済んで不要となった残余のドライフ
ィルムは除去した。
【0078】(感光性ペースト法)電極、誘電体層を形
成したガラス基板上に、スクリーン印刷により感光性ペ
ーストを均一に塗布した。塗布膜にピンホールなどの発
生を回避するために塗布、乾燥を数回以上繰り返して行
い、乾燥厚みが210μmになるように塗布した。途中
の乾燥は80℃で10分間行った。その後、80℃で6
0分乾燥した。
【0079】次に、プラズマディスプレイの隔壁パター
ン形成を目的としたフォトマスクを介して露光を行っ
た。このとき、該マスクが汚染されるのを防ぐため、マ
スクと塗膜面に100μmのギャップを設けた。その
後、35℃に保持したモノエタノールアミンの0.3重
量%水溶液をシャワーで180秒間かけることにより現
像し、その後、35℃に保持したモノエタノールアミン
の0.3重量%水溶液をシャワーで180秒間かけるこ
とにより現像し、その後シャワースプレーを用いて水洗
浄し、光硬化していないスペース部分を除去してガラス
基板上にストライプ状の隔壁パターンを形成した。さら
に、シャワースプレーを用いてパターンの水洗浄を行っ
た。
【0080】以上の通り、隔壁パターンの加工を終了し
たガラス基板(実施例1〜6、比較例1〜5については
サンドブラスト法、実施例7〜11、比較例6〜10に
ついては感光性ペースト法)を80℃で15分乾燥した
後、表1〜5に記載の温度で15分焼成し隔壁を形成し
た。焼成後、投入基板のうち数枚を抽出し、破壊強度と
ドメイン径、破壊面の評価を行った。評価結果を表7に
示した。
【0081】
【表7】
【0082】なお、発色剤及びフィラーの平均粒径は以
下の表8の通りであった。
【0083】
【表8】
【0084】次に、上記の評価を行っていない基板上の
隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布した。蛍光体の塗布は、
口径130μmの穴が形成されたノズル先端から蛍光体
ペーストを塗布するディスペンサー法により行った。蛍
光体は隔壁側面に焼成後厚み25μm、誘電体層上に焼
成後厚み25μmになるように塗布した後に、500℃
で10分間の焼成を行った。
【0085】さらに作製した前面基板と背面基板を封着
ガラスを用いて封着して、キセノン5%を含有するネオ
ンガスをパネル内部ガス圧66500Paになるように
封着した。さらに駆動回路を実装してPDPを作製し
た。
【0086】作製したPDPのクロストークおよび混色
などの表示欠陥の発生状況は表7に記した。
【0087】
【発明の効果】本発明のディスプレイ用部材は、十分な
強度的耐性と応力緩衝効果を持つために蛍光体層形成お
よび封着などの工程に十分耐えうる強度を有し、さらに
はもし、微小クラックが生じても、このクラックの拡張
を防止しパネル封着時の破損を防止でき、隔壁欠損の少
ないディスプレイ用部材およびディスプレイを歩留まり
よく得ることができる。を形成することで、強度が十分
に高く、製造工程中に欠けなどが発生し難い、精細度の
高いディスプレイ用部材およびディスプレイを提供す
る。
【0088】すなわちフィラー等の無機添加物またはそ
の凝集構造あるいは微細な気孔を隔壁組織中に導入する
ことによって、製造工程中に何らかの理由で隔壁に応力
集中した場合にも緩衝効果を呈する隔壁を有するディス
プレイ用部材およびディスプレイに関するものである。
これは金属酸化物の集合体により構成される海島構造を
導入することにより隔壁形成以降の工程歩留まりの高い
ディスプレイ用部材およびそれを用いた各種ディスプレ
イを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 隔壁頂部付近に剪断力が負荷された際の引っ
掻き強度の測定方法を図示したものである。
【図2】 測定動作ダイヤグラムと変位−荷重曲線グラ
フである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA09 AA15 BB05 CC04 CC09 DA03 DA04 DB04 DC04 DC05 DD01 DE03 DE04 DF01 EA01 EA02 EA03 EA04 EB01 EB02 EB03 EB04 EC01 EC02 EC03 EC04 ED01 ED02 ED03 ED04 EE01 EE02 EE03 EE04 EF01 EF02 EF03 EF04 EG01 EG02 EG03 EG04 FA01 FB01 FB02 FB03 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM13 MM16 MM40 NN26 NN32 NN33 PP01 PP02 PP03 PP04 5C040 FA10 GF02 GF18 JA15 JA17 KA08 KA10 KB03 MA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスを有してなる海部、および金属酸化
    物を有してなる平均径5μm以下の島部からなる海島構
    造を有するガラス材料。
  2. 【請求項2】該ガラスが低軟化点ガラスを有してなるも
    のである請求項1に記載のガラス材料。
  3. 【請求項3】該金属酸化物が、酸化チタン、酸化ケイ
    素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
    酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、
    酸化コバルト、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化イ
    ンジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化ニッケル、酸化銅、酸
    化砒素、または酸化マグネシウムのうち少なくとも1種
    以上の金属酸化物を有してなるものである請求項1また
    は2に記載のガラス材料。
  4. 【請求項4】基板上に隔壁が形成されたディスプレイ用
    部材であって、該隔壁が請求項1〜3のいずれかに記載
    のガラス材料を有してなるものであるディスプレイ用部
    材。
  5. 【請求項5】該隔壁長軸に平行かつ該基板面に垂直であ
    る面を隔壁平行面とし、該隔壁平行面と該基板面の何れ
    に対しても45°の角度をなす方向を圧子方向として、
    圧子が該隔壁頂部の角付近に接し、かつ該圧子の長軸を
    該圧子方向に平行となるように配置された隔壁を被負荷
    隔壁として、該圧子を、該隔壁平行面に垂直であり該被
    負荷隔壁へ向かう方向に負荷させることによって該ディ
    スプレイ用部材に生じた破断面に、実質的な破壊鏡面お
    よび/または5μm以上のハックルラインが観察されな
    い隔壁を有するものである請求項4に記載のディスプレ
    イ用部材。
  6. 【請求項6】基板上に低軟化点ガラスを含有する隔壁が
    形成されたディスプレイ用部材であって、該隔壁頂部へ
    垂直に三角錐圧子を押し込んだ時の、破壊荷重が500
    〜2500mNの範囲内にあることを特徴とするディス
    プレイ用部材。
  7. 【請求項7】基板上に低軟化点ガラスを含有する隔壁が
    形成されたディスプレイ用部材であって、該隔壁頂部へ
    垂直に三角錐圧子を押し込んだ時の、および/または、
    ダイナミック硬度が90〜300N/mm2の範囲内にあ
    ることを特徴とするディスプレイ用部材。
  8. 【請求項8】請求項4〜6のいずれかに記載のディスプ
    レイ用部材を有してなるものであるプラズマディスプレ
    イ。
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