JP2002356154A - 車輌用制動制御装置 - Google Patents

車輌用制動制御装置

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JP2002356154A
JP2002356154A JP2001163217A JP2001163217A JP2002356154A JP 2002356154 A JP2002356154 A JP 2002356154A JP 2001163217 A JP2001163217 A JP 2001163217A JP 2001163217 A JP2001163217 A JP 2001163217A JP 2002356154 A JP2002356154 A JP 2002356154A
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成幸 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニア弁の特性ずれに拘らず所定の制動制御
時にホイールシリンダ圧力を確実に増減制御する。 【解決手段】 運転者の制動操作量に応じて各車輪の目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算され(S20)、ア
ンチスキッド制御が必要であるときにはスリップを低減
するための目標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算され
(S30〜80)、目標ホイールシリンダ圧力Ptiと実
際のホイールシリンダ圧力Piとの偏差に基づきリニア
弁に対する目標駆動電流Itが演算され(S100)、
リニア弁の特性ずれの補償が行われ(S130)、特性
ずれの補償が完了していない状況に於いてアンチスキッ
ド制御が開始されるときには、初回減圧の目標駆動電流
Itaが増大変更され(S160)、増大変更後の目標駆
動電流Itaに基づきリニア弁が制御される(S18
0)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の制動制御装
置に係り、更に詳細にはリニア弁によりホイールシリン
ダ圧力を増減制御することにより制動制御を行う車輌の
制動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の制動制御装置の一つと
して、例えば本願出願人の一方の出願にかかる特開平4
−63755号公報に記載されている如く、差圧制御弁
によりホイールシリンダ圧力を増減制御することにより
アンチスキッド制御を行うよう構成された制動制御装置
が従来より知られている。
【0003】かかる制動制御装置によれば、差圧制御弁
に対する制御電流を制御することによりホイールシリン
ダ圧力をリニアに増減制御することができるので、増減
圧制御弁が開閉弁であり開閉弁が断続的に開閉制御され
る場合に比して、制動制御時に発生する異音を低減する
ことができ、またキックバックを低減することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ホイールシリ
ンダ圧力をリニアに増減制御する制御弁、特にリニア弁
は開閉弁に比して温度変化によるソレノイドの抵抗の変
化等に起因する特性の変化、例えば制御弁への指令駆動
電流に対する開弁特性の変化が大きいため、リニア弁の
状況によってはアンチスキッド制御の初回減圧の如き所
定の制動制御に於けるホイールシリンダ圧力の増減制御
量が不足することがある。またかかる所定の制動制御に
於いてホイールシリンダ圧力の増減制御量が不足するこ
とを防止するためには、制御弁の特性のずれが補償され
なければならない。
【0005】しかるに上述の従来の制動制御装置に於い
ては、制御弁の特性ずれに起因する問題及びその対策に
ついては考慮されておらず、従って所定の制動制御時に
於けるホイールシリンダ圧力の増減制御量の不足を防止
してアンチスキッド制御の如き車輌の制動制御性能を向
上させるためには、この点に於いて改善の余地がある。
【0006】本発明は、ホイールシリンダ圧力をリニア
に増減制御するよう構成された従来の車輌の制動制御装
置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の主要な課題は、ホイールシリンダ圧力をリ
ニアに増減する制御弁としてリニア弁が使用される場合
に於いて、所定の制動制御時にリニア弁に対する制御量
を変更することにより、リニア弁の特性ずれに拘らず所
定の制動制御時にホイールシリンダ圧力を確実に増減制
御することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、各車輪に対応して設けられたホイールシ
リンダに対する作動液体の給排を制御することによりホ
イールシリンダ圧力を増減するリニア弁と、車輌の状態
に応じて前記リニア弁を制御することによりホイールシ
リンダ圧力を制御する制御手段とを有する車輌用制動制
御装置に於いて、前記リニア弁の特性ずれの補償を行う
補償手段を有し、前記制御手段は前記補償手段による前
記特性ずれの補償が完了していないときには、所定の制
動制御に於ける前記リニア弁に対する制御量を変更する
制御量変更手段を有することを特徴とする車輌用制動制
御装置(請求項1の構成)、又は各車輪に対応して設け
られたホイールシリンダに対する作動液体の給排を制御
することによりホイールシリンダ圧力を増減するリニア
弁と、車輌の状態に応じて前記リニア弁を制御すること
によりホイールシリンダ圧力を制御する制御手段とを有
する車輌用制動制御装置に於いて、前記制御手段は車輌
の状態に応じて前記リニア弁に対する第一の制御量を演
算する第一の制御量演算手段と、所定の制動制御時には
前記リニア弁に対する一定の第二の制御量を演算する第
二の制御量演算手段とを有することを特徴とする車輌用
制動制御装置(請求項4の構成)によって達成される。
【0008】上記請求項1の構成によれば、補償手段に
よるリニア弁の特性ずれの補償が完了していないときに
は、所定の制動制御に於けるリニア弁に対する制御量が
変更されるので、リニア弁に特性ずれが生じている状況
にて所定の制動制御が実行される場合には、リニア弁に
対する制御量が確実に変更され、これによりリニア弁の
特性ずれに起因してホイールシリンダ圧力の増減制御が
不十分になることが確実に防止される。
【0009】また上記請求項4の構成によれば、車輌の
状態に応じてリニア弁に対する第一の制御量が演算され
ると共に、所定の制動制御時にはリニア弁に対する一定
の第二の制御量が演算されるので、リニア弁は所定の制
動制御時には車輌の状態に応じた第一の制御量ではなく
確実に一定の第二の制御量にて制御され、これによりリ
ニア弁に特性ずれが生じているか否かに拘わらずホイー
ルシリンダ圧力の増減制御が不十分になることが確実に
防止される。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記所定の制動制御はアンチスキッド制御であり、前記制
御量変更手段は前記補償手段による前記特性ずれの補償
が完了していないときには、アンチスキッド制御に於け
るホイールシリンダ圧力の減圧量が大きくなるよう前記
リニア弁に対する制御量を増大変更するよう構成される
(請求項2の構成)。
【0011】請求項2の構成によれば、補償手段による
リニア弁の特性ずれの補償が完了していないときには、
アンチスキッド制御に於けるホイールシリンダ圧力の減
圧量が大きくなるようリニア弁に対する制御量が増大変
更されるので、リニア弁の特性ずれの補償が完了してい
ない状況にてアンチスキッド制御の減圧が行われる際に
は、確実にホイールシリンダ圧力が減圧される。
【0012】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前
記制御量変更手段はアンチスキッド制御に於ける初回減
圧の減圧量が大きくなるよう前記リニア弁に対する制御
量を増大変更するよう構成される(請求項3の構成)。
【0013】一般に、アンチスキッド制御による車輪の
過大な制動スリップを確実に低減するためには、アンチ
スキッド制御の初回減圧に於いてホイールシリンダ圧力
が確実に低減されることが重要である。
【0014】上記請求項3の構成によれば、アンチスキ
ッド制御に於ける初回減圧の減圧量が大きくなるようリ
ニア弁に対する制御量が増大変更されるので、アンチス
キッド制御の初回減圧に於いてホイールシリンダ圧力が
確実に低減され、これによりアンチスキッド制御が効果
的に達成される。
【0015】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項4の構成に於いて、前
記第二の制御量演算手段は車輌の制動状況に応じて前記
第二の制御量を変更するよう構成される(請求項5の構
成)。
【0016】上記請求項5の構成によれば、第二の制御
量演算手段により車輌の制動状況に応じて第二の制御量
が変更されるので、第二の制御量が車輌の制動状況に拘
わらず一定である場合に比して、所定の制動制御時に於
けるホイールシリンダ圧力の増減制御量が最適に制御さ
れる。
【0017】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項4又は5の構成に於い
て、前記所定の制動制御時はアンチスキッド制御に於け
るホイールシリンダ圧力の初回の減圧制御時であるよう
構成される(請求項6の構成)。
【0018】上記請求項6の構成によれば、所定の制動
制御時はアンチスキッド制御に於ける初回減圧時である
ので、アンチスキッド制御に於ける初回減圧時にホイー
ルシリンダ圧力が確実に減圧され、、これによりアンチ
スキッド制御が効果的に達成される。
【0019】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、リニア
弁に対する制御量の変更量は一定であるよう構成される
(好ましい態様1)。
【0020】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項1の構成に於いて、リニア弁に対する制御量の
変更量は所定の制動制御の実行時間の経過と共に漸減す
るよう構成される(好ましい態様2)。
【0021】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項1乃至3の構成に於いて、制御手段は目標駆動
電流に基づきリニア弁を制御し、目標駆動電流を変更す
ることによりリニア弁に対する制御量を変更するよう構
成される(好ましい態様3)。
【0022】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項4の構成に於いて、車輌の制動状況は所定の制
動制御開始時に於けるホイールシリンダ圧力に基づき判
定されるよう構成される(好ましい態様4)。
【0023】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項4の構成に於いて、車輌の制動状況は所定の制
動制御開始時に於ける車輌の減速度に基づき判定される
よう構成される(好ましい態様5)。
【0024】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項1の構成に於いて、リニア弁の特性ずれの補償
はリニア弁に対する目標駆動電流と実駆動電流との偏差
に基づいて行われるよう構成される(好ましい態様
6)。
【0025】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項1の構成に於いて、目標駆動電流と実駆動電流
との偏差は実駆動電流に対する目標駆動電流の比である
よう構成される(好ましい態様7)。
【0026】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様7の構成に於いて、補償手段は実
駆動電流に対する目標駆動電流の比を所定の時間毎に演
算し、複数の前記比の平均値を補償係数として演算し、
補償係数により目標駆動電流を補正するよう構成される
(好ましい態様8)。
【0027】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様8の構成に於いて、寄与度合低減
手段は実駆動電流に対する目標駆動電流の比が所定の許
容範囲外であるときには当該比を除外して前記平均値を
演算することにより、特性ずれの補償に対する当該比の
寄与度合を0に低減するよう構成される(好ましい態様
9)。
【0028】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様6乃至9の構成に於いて、リニア
弁は各車輪に対応して設けられ、特性ずれの補償は全て
のリニア弁について行われるよう構成される(好ましい
態様10)。
【0029】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様10の構成に於いて、各車輪のリ
ニア弁は増圧用のリニア弁と減圧用のリニア弁とよりな
るよう構成される(好ましい態様11)。
【0030】尚本願に於いて、「初回減圧」又は「初回
の減圧」はアンチスキッド制御が開始される時点の最初
の減圧に限らず、その後制動制御モードが保持又は増圧
に変化する前に実行される一連の減圧を含むものであ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明す
る。
【0032】第一の実施形態 図1は本発明による車輌用制動制御装置の第一の実施形
態の油圧回路及び電子制御装置を示す概略構成図であ
る。尚図1に於いては、簡略化の目的で各弁のソレノイ
ドの図示は省略されている。
【0033】図1に於て、10は電気的に制御される油
圧式のブレーキ装置を示しており、ブレーキ装置10は
運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答
してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有
している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14と
の間にはドライストロークシミュレータ16が設けられ
ている。
【0034】マスタシリンダ14は第一のマスタシリン
ダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、
これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ前輪用のブレー
キ油圧供給導管18及び後輪用のブレーキ油圧制御導管
20の一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管1
8及び20の他端にはそれぞれ左前輪及び左後輪の制動
力を制御するホイールシリンダ22FL及び22RLが接続
されている。
【0035】ブレーキ油圧供給導管18及び20の途中
にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)2
4F及び24Rが設けられ、電磁開閉弁24F及び24Rは
それぞれ第一のマスタシリンダ室14A及び第二のマス
タシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダとの連
通を制御する遮断装置として機能する。またマスタシリ
ンダ14と電磁開閉弁24RLとの間のブレーキ油圧供給
導管20には常閉型の電磁開閉弁26を介してウェット
ストロークシミュレータ28が接続されている。
【0036】マスタシリンダ14にはリザーバ30が接
続されており、リザーバ30には油圧供給導管32の一
端が接続されている。油圧供給導管32の途中には電動
機34により駆動されるオイルポンプ36が設けられて
おり、オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32に
は高圧の油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続され
ている。リザーバ30とオイルポンプ36との間の油圧
供給導管32には油圧排出導管40の一端が接続されて
いる。
【0037】オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管
32は、油圧制御導管42により電磁開閉弁24Fとホ
イールシリンダ22FLとの間のブレーキ油圧供給導管1
8に接続され、油圧制御導管44により右前輪用のホイ
ールシリンダ22FRに接続され、油圧制御導管46によ
り電磁開閉弁24Rとホイールシリンダ22RLとの間の
ブレーキ油圧供給導管20に接続され、油圧制御導管4
8により右後輪用のホイールシリンダ22RRに接続され
ている。
【0038】油圧制御導管42、44、46、48の途
中にはそれぞれ常閉型の電磁式のリニア弁50FL、50
FR、50RL、50RRが設けられている。リニア弁50F
L、50FR、50RL、50RRに対しホイールシリンダ2
2FL、22FR、22RL、22RRの側の油圧制御導管4
2、44、46、48はそれぞれ油圧制御導管52、5
4、56、58により油圧排出導管40に接続されてお
り、油圧制御導管52、54、56、58の途中にはそ
れぞれ常閉型の電磁式のリニア弁60FL、60FR、60
RL、60RRが設けられている。
【0039】リニア弁50FL、50FR、50RL、50RR
はそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、
22RRに対する増圧制御弁として機能し、リニア弁60
FL、60FR、60RL、60RRはそれぞれホイールシリン
ダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する減圧制御弁
として機能し、従ってこれらのリニア弁は互いに共働し
てアキュムレータ38内より各ホイールシリンダに対す
る高圧のオイルの給排を制御する増減圧制御弁を構成し
ている。
【0040】前輪の油圧供給導管18及び右前輪の油圧
制御導管44はそれぞれ対応するホイールシリンダ22
FL、22FRに近接した位置に於いて接続導管62Fによ
り互いに接続されている。接続導管62Fの途中には常
閉型の電磁開閉弁64Fが設けられ、電磁開閉弁64Fは
ホイールシリンダ22FLと22FRとの連通を制御する連
通制御弁として機能する。
【0041】同様に、後輪の油圧供給導管20及び右後
輪の油圧制御導管48はそれぞれ対応するホイールシリ
ンダ22RL、22RRに近接した位置に於いて接続導管6
2Rにより互いに接続されている。接続導管62Rの途中
には常閉型の電磁開閉弁64Rが設けられ、電磁開閉弁
64Rはホイールシリンダ22RLと22RRとの連通を制
御する連通制御弁として機能する。
【0042】図1に示されている如く、第一のマスタシ
リンダ室14Aと電磁開閉弁24Fとの間のブレーキ油
圧制御導管18には該制御導管内の圧力を第一のマスタ
シリンダ圧力Pm1として検出する第一の圧力センサ66
が設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14
Bと電磁開閉弁24Rとの間のブレーキ油圧制御導管2
0には該制御導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力
Pm2として検出する第二の圧力センサ68が設けられて
いる。第一及び第二のマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2は
ブレーキペダル12に対する運転者の制動操作力に対応
する値として検出される。
【0043】ブレーキペダル12には運転者の制動操作
変位量としてその踏み込みストロークStを検出するス
トロークセンサ70が設けられ、オイルポンプ34の吐
出側の油圧供給導管32には該導管内の圧力をアキュム
レータ圧力Paとして検出する圧力センサ72が設けら
れている。
【0044】それぞれ電磁開閉弁24F及び24Rとホイ
ールシリンダ22FL及び22RLとの間のブレーキ油圧供
給導管18及び20には、対応する導管内の圧力をホイ
ールシリンダ22FL及び22RL内の圧力Pfl、Prlとし
て検出する圧力センサ74FL及び74RLが設けられてい
る。またそれぞれ電磁開閉弁50FR及び50RRとホイー
ルシリンダ22FR及び22RRとの間の油圧制御導管44
及び48には、対応する導管内の圧力をホイールシリン
ダ22FR及び22RR内の圧力Pfr、Prrとして検出する
圧力センサ74FR及び74RRが設けられている。
【0045】電磁開閉弁24F及び24R、電磁開閉弁2
6、電動機34、リニア弁50FL、50FR、50RL、5
0RR、リニア弁60FL、60FR、60RL、60RR、電磁
開閉弁64F及び64Rは、後に詳細に説明する如く電子
制御装置76により制御される。電子制御装置76はマ
イクロコンピュータ78と駆動回路80とよりなってい
る。
【0046】各電磁開閉弁、各リニア弁及び電動機34
には図1には示されていないバッテリより駆動回路80
を経て駆動電流が供給され、特に各電磁開閉弁、各リニ
ア弁及び電動機34に駆動電流が供給されない非制御時
には電磁開閉弁24F及び24R、電磁開閉弁64F及び
64Rは開弁状態に維持され、電磁開閉弁26、リニア
弁50FL、50FR、50RL、50RR、リニア弁60FL、
60FR、60RL、60RRは閉弁状態に維持される(非制
御モード)。
【0047】尚マイクロコンピュータ78は図1には詳
細に示されていないが例えば中央処理ユニット(CP
U)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムア
クセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有
し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続さ
れた一般的な構成のものであってよい。
【0048】マイクロコンピュータ78には、圧力セン
サ66及び68よりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力
Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す信号、ス
トロークセンサ70よりブレーキペダル12の踏み込み
ストロークStを示す信号、圧力センサ72よりアキュ
ムレータ圧力Paを示す信号、圧力センサ74FL〜74R
Rよりそれぞれホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧
力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される
ようになっている。
【0049】またマイクロコンピュータ78には、図に
は示されていない車輪速度センサ82FL〜82RRより左
右前輪及び左右後輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、
rr)を示す信号、前後加速度センサ84より車輌の前後
加速度Gxを示す信号、電流計86より各リニア弁に対
し通電される実際の駆動電流Imが入力されるようにな
っている。
【0050】マイクロコンピュータ78は後述の如く図
4に示された制動力制御フローを記憶しており、上述の
圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ
圧力Pm1、Pm2及びストロークセンサ70より検出され
た踏み込みストロークStに基づき運転者の制動要求量
を推定し、推定された制動要求量に基づき車輌の最終目
標減速度Gtを演算し、最終目標減速度Gtに基づき各車
輪の目標ホイールシリンダ圧力(図に於いては目標WC
圧力という)Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目
標ホイールシリンダ圧力Ptiと実際のホイールシリンダ
圧力Piとの偏差に基づきリニア弁50FL〜50RR又は
60FL〜60RRに対する目標駆動電流Itを演算し、目
標駆動電流Itに基づき各リニア弁に駆動電流を通電す
ることにより各車輪のホイールシリンダ圧力が目標ホイ
ールシリンダ圧力Ptiになるよう制御する。
【0051】この場合、マイクロコンピュータ78は制
動制御モードが増圧モードであるときにはリニア弁50
FL、50FR、50RL、50RRの開弁量を目標ホイールシ
リンダ圧力Ptiに応じて制御し、制動制御モードが減圧
モードであるときにはリニア弁60FL、60FR、60R
L、60RRの開弁量を目標ホイールシリンダ圧力Ptiに
応じて制御し、制動制御モードが保持モードであるとき
にはリニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRを閉弁
状態に維持する。
【0052】またマイクロコンピュータ78は後述の如
く各車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要
領にて車体速度Vbを推定すると共に、各車輪について
推定車体速度Vbと車輪速度Vwiとの偏差として制動ス
リップ量SLi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、制動
スリップ量SLi等に基づき各車輪毎にアンチスキッド
制御(図に於いてはABS制御という)が必要であるか
否かを判定し、アンチスキッド制御が必要であるときに
は車輌の前後加速度に基づく車輌の減速度Gxb及び制動
スリップ量SLiに基づき当該車輪について目標ホイー
ルシリンダ圧力Ptiを演算する。
【0053】この場合、マイクロコンピュータ78は各
車輪について目標ホイールシリンダ圧力Ptiと実際のホ
イールシリンダ圧力Piとの偏差に基づき対応するリニ
ア弁に対する目標駆動電流Itを演算し、リニア弁を目
標駆動電流Itに基づき制御することによって各車輪の
ホイールシリンダ圧力が目標ホイールシリンダ圧力Pti
になるよう制御し、これによりアンチスキッド制御を行
って制動スリップ量を低減する。
【0054】特に図示の実施形態に於いては、マイクロ
コンピュータ78は車輌の減速度Gxb若しくは制動スリ
ップ量SLiが大きいほどホイールシリンダ圧力の目標
増減圧勾配ΔPti(i=fl、fr、rl、rr)の大きさが大
きくなるよう車輌の減速度Gxb及び制動スリップ量SL
iに基づきホイールシリンダ圧力の目標増減圧勾配ΔPt
iを演算し、前回の目標ホイールシリンダ圧力をPtfiと
し図2に示されたルーチンのサイクルタイムをΔTとし
て、アンチスキッド制御の開始時には下記の式1に従っ
て、またアンチスキッド制御の開始時以降はアンチスキ
ッド制御の終了条件が成立するまで下記の式2に従って
当該車輪の目標ホイールシリンダ圧力Ptiを演算する。 Pti=Pi+ΔPtiΔT……(1) Pti=Ptfi+ΔPtiΔT……(2)
【0055】またマイクロコンピュータ78は、後に詳
細に説明する如く、各リニア弁についてリニア弁に対す
る目標駆動電流It及び実駆動電流Imに基づきリニア弁
の温度変化などに起因するリニア弁の特性ずれを補償す
るための補償係数Rrを演算し、目標駆動電流Itを補償
係数Rrにて補正することにより補正後の目標駆動電流
Itaを演算し、リニア弁のソレノイドのデフォルトの抵
抗値をRsとし、図には示されていない電源の電圧をEb
とし、スイッチング周波数をFsとして下記の式3に従
ってデューティオン時間Donを演算し(図9参照)、デ
ューティオン時間Donを示す信号を駆動回路80のFE
TMOSSへ出力することにより、対応するリニア弁を
補正後の目標駆動電流Itaに基づき駆動する。 Don={Ita/(Eb/Rs)}/Fs ……(3)
【0056】またマイクロコンピュータ78は、後に詳
細に説明する如く、リニア弁の特性ずれの補償制御が完
了していない状況に於いて、アンチスキッド制御の初回
の減圧制御が行われるときには、ホイールシリンダ圧力
の減圧が不足することがないよう、リニアに対する目標
駆動電流Itに所定量αを加算することにより目標駆動
電流Itを増大変更し、増大変更後の目標駆動電流Ita
に基づきリニア弁を駆動する。
【0057】更に電子制御装置76はアキュムレータ内
の圧力が予め設定された下限値以上であって上限値以下
の圧力に維持されるよう、圧力センサ72により検出さ
れたアキュムレータ圧力Paに基づき必要に応じて電動
機34を駆動してオイルポンプ36を作動させる。
【0058】次に図2に示されたフローチャートを参照
して図示の第一の実施形態に於ける制動制御ルーチンに
ついて説明する。図2に示されたフローチャートによる
制御は図には示されていないイグニッションスイッチの
閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行され
る。
【0059】まずステップ10に於いてはそれぞれ圧力
センサ66及び68により検出された第一のマスタシリ
ンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す
信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては例
えば踏み込みストロークStに基づき目標減速度Gstが
演算され、第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマ
スタシリンダ圧力Pm2の平均値Pmaに基づき目標減速度
Gptが演算され、目標減速度Gst及びGptに基づき車輌
の最終目標減速度Gtが演算され、最終目標減速度Gtに
基づき各車輪の目標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算さ
れる。尚図2には示されていないが、制御の開始時には
電磁開閉弁26が開弁され、電磁開閉弁24F、24
R、64F、64Rが閉弁され、電動機34によるオイ
ルポンプ36の駆動が開始される。
【0060】ステップ30〜160は例えば左前輪、右
前輪、左後輪、右後輪の順に各車輪について時系列的に
実行され、ステップ30に於いては当技術分野に於いて
公知の要領にてアンチスキッド制御が必要であるか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ
100へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ4
0へ進む。
【0061】ステップ40に於いては推定車体速度Vb
及び車輪速度Vwiに基づき車輪の制動スリップ量SLi
が演算されると共に、車輪加速度、例えば車輪速度Vwi
の時間微分値Vwdiと車輪の制動スリップ量SLiとに基
づき当技術分野に於いて公知の要領にて制動制御モード
が増圧モード、保持モード、減圧モードの何れかに決定
される。
【0062】ステップ50に於いては車輌の前後加速度
Gxに基づき演算される車輌の減速度Gxbに基づいて図
には示されていないマップ群より目標増減圧勾配ΔPti
演算用マップが選択されると共に、選択されたマップよ
り制動制御モード及び車輪の制動スリップ量SLiに基
づきホイールシリンダ圧力の目標増減圧勾配ΔPtiが演
算される。
【0063】この場合目標増減圧勾配ΔPtは、制動制
御モードが増圧モードであるときには、車輌の減速度G
xb若しくは車輪の制動スリップ量SLiが大きいほど正
の大きい値に演算され、制動制御モードが減圧モードで
あるときには、車輌の減速度Gxb若しくは車輪の制動ス
リップ量SLiが大きいほど負の小さい値に演算され、
制動制御モードが保持モードであるときには、0に設定
される。
【0064】ステップ60に於いてはアンチスキッド制
御の開始時であるか又は制動制御モードが例えば減圧モ
ードより増圧モードの如く変化したか否かの判別が行わ
れ、肯定判別が行われたときにはステップ70に於いて
目標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式1に従って演算
され、否定判別が行われたときにはステップ80に於い
て目標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式2に従って演
算され、ステップ90に於いては上記ステップ110又
は120に於いて演算された目標ホイールシリンダ圧力
PtiがRAMの如きメモリに記憶される。
【0065】ステップ100に於いては目標ホイールシ
リンダ圧力Ptiと実際のホイールシリンダ圧力Piとの
偏差に基づき駆動制御が必要なリニア弁50FL〜50RR
又は60FL〜60RRに対する目標駆動電流Itが演算さ
れる。
【0066】ステップ130に於いては図3に示された
フローチャートに従って各リニア弁について特性ずれの
補償処理が行われることにより、補正後の目標駆動電流
Itaが演算され、ステップ160に於いては図4に示さ
れたフローチャートに従ってアンチスキッド制御の初回
減圧の減圧量増大処理が行われ、ステップ180に於い
ては補正後の目標駆動電流Itaに基づき対応するリニア
弁に駆動電流が通電されることにより、ホイールシリン
ダ圧力Piが目標ホイールシリンダ圧力Ptiになるよう
リニア弁50FL〜50RR又は60FL〜60RRが制御さ
れ、しかる後ステップ10へ戻る。
【0067】次に図3に示されたフローチャートを参照
して図示の実施形態に於けるリニア弁の特性ずれ補償制
御ルーチンについて説明する。尚この特性ずれ補償制御
はリニア弁50FL〜50RR及び60FL〜60RRの全てに
ついて実行される。
【0068】まずステップ132に於いてはリニア弁5
0FL〜50RR等にて構成された図1に示された油圧回路
や圧力センサ74FL〜74RR等のセンサが正常であるか
否かの判別、例えばリニア弁等に断線やショートの如き
電気的故障が生じていないか否かの判別や、油圧回路に
リークや栓塞の如き異常が生じてはいないか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ150
へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ134へ
進む。
【0069】ステップ134に於いては駆動電流Imが
正常であるか否かの判別、例えば検出された駆動電流I
mが所定の設計公差内にあり電流計86に断線や抵抗変
化の如き異常が生じてはいないか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ152へ進み、肯
定判別が行われたときにはステップ236へ進む。
【0070】ステップ136に於いては3サイクル前の
後述のステップ150又は152に於いて演算された補
正後の目標駆動電流をIta(n-3)とし、現サイクルの実
駆動電流ImをIm(n)として、目標駆動電流Ita(n-3)が
0を越えており且つ実駆動電流Im(n)が0を越えている
か否かの判別、即ちリニア弁に駆動電流が通電されてい
る状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われ
たときにはステップ152へ進み、肯定判別が行われた
ときにはステップ138へ進む。
【0071】ステップ138に於いては下記の式4に従
って現サイクルの実駆動電流Im(n)に対する3サイクル
前の目標駆動電流Ita(n-3)の比として駆動電流比Roが
演算される。尚ステップ136及び138に於いて3サ
イクル前の目標駆動電流Ita(n-3)が使用されるのは電
流計86により検出される実駆動電流Imのフィルタ処
理により演算遅れを考慮したことによる。 Ro=Ita(n-3)/Im(n) ……(4)
【0072】ステップ140に於いては周囲温度やリニ
アソレノイド弁に対する通電時間等に基づき特性ずれ補
償制御対象のリニア弁のソレノイドの温度変化が推定さ
れ、推定された温度変化に基づき駆動電流比Roの許容
範囲が決定されると共に、上記式3に従って演算された
駆動電流比Roが許容範囲内にあるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ152へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ142に於い
てステップ140に於ける肯定判別の回数CTが1イン
クリメントされる。
【0073】ステップ144に於いては回数CTが所定
の回数N(例えば100〜200程度の正の一定の整
数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ152へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ146に於いて最新のN回分の駆動
電流比Roの和Rsumが演算され、ステップ148に於い
て下記の式5に従って駆動電流に対する補償係数Rrが
演算され、RAMの如きメモリーに記憶される。 Rr=Rsum/N ……(5)
【0074】ステップ150に於いては駆動電流比Ro
の和Rsumが0にリセットされると共に、回数CTが0
にリセットされ、ステップ152に於いては補正後の目
標駆動電流Itaが下記の式6に従って現サイクルの目標
駆動電流It(n)と補償係数Rrとの積として演算され、
しかる後ステップ160へ進む。 Ita(n)=It(n)・Rr ……(6)
【0075】次に図4に示されたフローチャートを参照
して図2のステップ160に於いて実行されるアンチス
キッド制御の初回減圧の減圧量増大処理ルーチンについ
て説明する。
【0076】まずステップ162に於いては現在の制動
制御がアンチスキッド制御の初回減圧時であるか否かの
判別、即ち減圧モードにてアンチスキッド制御が開始さ
れる状況又はその後の制動制御モードが減圧モードより
保持モード又は増圧モードに変化していない状況である
か否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそ
のままステップ180へ進み、肯定判別が行われたとき
にはステップ164へ進む。
【0077】ステップ164に於いてはアンチスキッド
制御の減圧に使用されるリニア弁の特性ずれの補償が完
了しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはそのままステップ180へ進み、否定判別が行
われたときにはステップ160へ進む。尚このステップ
に於ける判別は上述のステップ148に於いて補償係数
Rrが安定的な値として演算されたか否か、例えば回数
CTが3N以上であるか否かの判別により行われてよ
い。
【0078】ステップ166に於いてはアンチスキッド
制御が開始された時点より予め設定された所定の時間が
経過したか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたと
きにはそのままステップ180へ進み、否定判別が行わ
れたときにはステップ168に於いてαを正の定数とし
てリニア弁に対する目標駆動電流ItaがIta+αに増大
変更され、しかる後ステップ180へ進む。
【0079】かくして図示の第一の実施形態によれば、
ステップ20に於いて運転者の制動操作量に応じて各車
輪の目標ホイールシリンダ圧力Ptiが演算され、アンチ
スキッド制御が必要であるときにはステップ30に於い
て肯定判別が行われることにより、ステップ40に於い
て制動制御モードが増圧モード、減圧モード、保持モー
ドの何れかに決定される。
【0080】そしてステップ50に於いて車輌の減速度
Gxb、制動制御モード及び車輪の制動スリップ量SLi
に基づきホイールシリンダ圧力の目標増減圧勾配ΔPti
が演算され、アンチスキッド制御の開始時である又は制
動制御モードが変化したときにはステップ60に於いて
肯定判別が行われることによりステップ70に於いて目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式1に従って演算さ
れ、アンチスキッド制御の開始時以降であり制動制御モ
ードも変化していないときにはステップ60に於いて否
定判別が行われることにより、ステップ80に於いて目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが上記式2に従って演算さ
れる。
【0081】また図示の実施形態によれば、リニア弁の
駆動制御に先立って図3に示されている如くリニア弁の
特性ずれ補償制御が行われ、ステップ132〜136に
於いて肯定判別が行われることにより特性ずれ補償制御
が可能であるときには、ステップ140〜150に於い
て最新のN回の現サイクルの実駆動電流Im(n)に対する
3サイクル前の目標駆動電流Ita(n-3)の比の平均値と
して駆動電流に対する補償係数Rrが演算され、ステッ
プ152に於いて目標駆動電流Itが補償係数Rrにて補
正された目標駆動電流Itaが演算され、図2のステップ
160に於いて補正後の目標駆動電流Itaに基づき対応
するリニア弁が駆動される。
【0082】従ってリニア弁にそのソレノイドの温度変
化等に起因する特性ずれが生じても、その特性ずれを吸
収するよう目標駆動電流Itaが補正されるので、リニア
弁の特性ずれに拘わらず各車輪のホイールシリンダ圧力
Piを正確に目標ホイールシリンダ圧力Ptiに制御する
ことができ、これにより各車輪の制動力を運転者の制動
操作量や車輪スリップの低減に必要な所定の制動力に正
確に制御することができる。
【0083】特にステップ160に於いて図4に示され
たフローチャートに従ってアンチスキッド制御の初回減
圧の減圧量増大処理が行われ、リニア弁の特性ずれの補
償制御が完了していない状況に於いてアンチスキッド制
御の初回減圧が行われるときには、ステップ162及び
164に於いて肯定判別が行われると共に、アンチスキ
ッド制御の開始時より所定の時間が経過するまでステッ
プ166に於いて否定判別が行われることにより、ステ
ップ168に於いて目標駆動電流がα増大変更される。
【0084】従って図示の第一の実施形態によれば、リ
ニア弁の特性ずれの補償制御が完了していない状況に於
いてアンチスキッド制御の初回減圧が行われるときに
は、目標駆動電流Itaが確実に増大変更されるので、仮
にリニア弁に特性ずれが生じているが特性ずれの補償制
御が完了していない状況であっても、アンチスキッド制
御の初回減圧時にホイールシリンダ圧力を確実に低減す
ることができ、これにより車輪の過大な制動スリップを
確実に低減することができる。
【0085】例えば図7はアンチスキッド制御の開始前
後に於ける目標ホイールシリンダ圧力Pti、実ホイール
シリンダ圧力Pi、リニア弁に対する駆動電流の変化の
一例を第一の実施形態の場合及び比較例の場合について
示している。
【0086】図7に示されている如く、時点t0に於い
て運転者によるブレーキペダル12の踏み込みが開始さ
れ、時点t1に於いてアンチスキッド制御が開始された
とすると、上述のステップ160の制御が行われない場
合には、アンチスキッド制御開始後の減圧用リニア弁に
対する駆動電流は図7の下段に於いて細い実線にて示さ
れている如く変化し、リニア弁に特性ずれが生じている
場合にはホイールシリンダ圧力の減圧が不十分になり、
ホイールシリンダ圧力は図7の上段に於いて破線にて示
されている如く変化し、アンチスキッド制御開始直後に
ホイールシリンダ圧力が効果的に低減されないことに起
因して車輪の制動スリップを効果的に低減することがで
きなくなる場合がある。
【0087】これに対し図示の第一の実施形態によれ
ば、時点t1より所定の時間が経過する時点t2まで減圧
用リニア弁に対する駆動電流がαに相当する量増大され
るので、図7の最上段に於いて細い実線にて示されてい
る如く、アンチスキッド制御の開始直後よりホイールシ
リンダ圧力Piを確実に減圧することができ、これによ
り車輪の過剰な制動スリップを効果的に低減することが
できる。
【0088】特に図示の第一の実施形態によれば、駆動
電流に対する補償係数Rrはステップ140に於いて現
サイクルの実駆動電流Im(n)に対する3サイクル前の目
標駆動電流Ita(n-3)の比Roが演算され、ステップ14
0〜148に於いて最新のN回分の比Roの平均値とし
て演算されるので、例えば駆動電流に対する補償係数R
rがステップ138に於いて演算される比Roに設定され
る場合に比して、補償係数Rrが不適切な値に演算され
る虞れを低減し、これによりリニア弁の特性ずれに応じ
て目標駆動電流を正確に補正することができる。
【0089】また図示の第一の実施形態によれば、ステ
ップ140に於いて周囲温度やリニアソレノイド弁に対
する通電時間等に基づき特性ずれ補償制御対象のリニア
弁のソレノイドの温度変化が推定され、推定された温度
変化に基づき駆動電流比Roの許容範囲が決定されると
共に、ステップ138に於いて演算された駆動電流比R
oが許容範囲内にないときには、その駆動電流比Roはス
テップ146及び148に於ける補償係数Rrの演算に
は使用されないので、ステップ140の判定が行われな
い場合に比して、リニア弁の特性ずれに正確に対応する
補償係数Rrを演算することができる。
【0090】更に図示の第一の実施形態によれば、検出
される実駆動電流Imのフィルタ処理により演算遅れを
考慮し、ステップ136及び138に於いて3サイクル
前の目標駆動電流Ita(n-3)が使用されるので、これら
のステップに於いて実駆動電流Imのフィルタ処理によ
り演算遅れが考慮されない場合に比して、リニア弁に駆
動電流が通電されている状況であるか否かの判別や駆動
電流比Roの演算を正確に行うことができる。
【0091】第二の実施形態 図5は本発明による制動制御装置の第二の実施形態に於
ける制動制御ルーチンを示すフローチャート、図6は図
5のステップ170に於いて実行されるアンチスキッド
制御の初回減圧の減圧量設定ルーチンを示すフローチャ
ートである。尚図5に於いて、図2に示されたステップ
に対応するステップには図2に於いて付されたステップ
番号と同一のステップ番号が付されている。また図5に
示されたフローチャートによる制御も図には示されてい
ないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所
定の時間毎に繰返し実行される。
【0092】この第二の実施形態に於いては、ステップ
10〜100及びステップ180は上述の第一の実施形
態の場合と同様に実行されるが、第一の実施形態のステ
ップ130に相当するリニア弁の特性ずれ補償は行われ
ず、ステップ100が完了すると、ステップ170に於
いてアンチスキッド制御の初回減圧の減圧量設定処理が
行われる。
【0093】図6に示されている如く、アンチスキッド
制御の初回減圧の減圧量設定処理ルーチンのステップ1
72に於いては、上述のステップ162の場合と同様現
在の制動制御がアンチスキッド制御の初回減圧時の制御
であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたとき
にはそのままステップ180へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ174へ進む。
【0094】ステップ174に於いてはアンチスキッド
制御の減圧開始時点に於ける対応するホイールシリンダ
圧力Piが基準値Po(正の定数)以下であるか否かの判
別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ17
6に於いて対応するリニア弁に対する目標駆動電流Ita
が第一の目標駆動電流β1(定数)に設定され、否定判
別が行われたときにはステップ178に於いて対応する
リニア弁に対する目標駆動電流Itaが第二の目標駆動電
流β2(β1よりも小さい正の定数)に設定され、ステッ
プ176又は178が完了するとステップ180へ進
む。
【0095】尚ステップ176に於いて設定される第一
の目標駆動電流β1は、アンチスキッド制御の減圧開始
時のホイールシリンダ圧力Piが比較的低い状況、即ち
路面の摩擦係数が比較的低い状況に於いてアンチスキッ
ド制御が開始される場合にリニア弁に特性ずれが生じて
いるか否かに拘らずホイールシリンダ圧力を初回減圧時
に確実に減圧し得る値に設定される。
【0096】また上述のステップ178に於いて設定さ
れる第二の目標駆動電流β2は、アンチスキッド制御の
減圧開始時のホイールシリンダ圧力Piが比較的高い状
況、即ち路面の摩擦係数が比較的高い状況に於いてアン
チスキッド制御が開始される場合にリニア弁に特性ずれ
が生じているか否かに拘らず初回減圧時にホイールシリ
ンダ圧力を確実に減圧し得る値に設定される。
【0097】かくして図示の第二の実施形態によれば、
運転者の制動操作量に基づく制動力制御及びアンチスキ
ッド制御は基本的には上述の第一の実施形態の場合と同
様に実行されるが、リニア弁の特性ずれ補償は行われな
い。しかしアンチスキッド制御の初回減圧時にはリニア
弁に対する目標駆動電流がホイールシリンダ圧力を確実
に減圧し得る目標駆動電流β1又はβ2に設定されるの
で、仮にリニア弁に特性ずれが生じていてもアンチスキ
ッド制御の初回減圧時にホイールシリンダ圧力を確実に
減圧することができ、これにより車輪の制動スリップを
確実に低減することができる。
【0098】例えば図8はアンチスキッド制御の開始前
後に於ける目標ホイールシリンダ圧力Pti、実ホイール
シリンダ圧力Pi、リニア弁に対する駆動電流の変化の
一例を第二の実施形態の場合について示している。
【0099】図8に示されている如く、時点t1に於い
てアンチスキッド制御が開始され時点か4に於いて制動
制御モードが保持モードへ変化したとすると、時点t1
より時点4までの初回の減圧に於いて減圧用のリニア弁
に対する目標駆動電流がβ1又はβ2に設定されるので、
初回の減圧を確実に且つ効果的に達成し、これにより車
輪の過大な制動スリップを確実に且つ効果的に低減する
ことができる。
【0100】また第二の実施形態によれば、第一の実施
形態に於いて実行されるリニア弁の特性ずれ補償は行わ
れないので、上述の第一の実施形態の場合に比して制動
制御を単純化することができる。尚第二の実施形態によ
れば、リニア弁に特性ずれが生じていなくてもアンチス
キッド制御の初回減圧時には必ず目標駆動電流がβ1又
はβ2に設定されることによって必ず所要の減圧量が達
成されるが、減圧量の増大変更によって車輪のスリップ
量SLiが低下され、初回減圧以降のアンチスキッド制
御はその低下したスリップ量SLiに基づいて行われる
ので、上記目標駆動電流の設定が初回減圧以降のホイー
ルシリンダ圧力の増減や保持に悪影響を及ぼすことはな
い。
【0101】特に図示の第二の実施形態によれば、アン
チスキッド制御の減圧開始時に於けるホイールシリンダ
圧力Piが低いときには高いときに比してリニア弁に対
する目標駆動電流が高く設定されるので、減圧開始時の
ホイールシリンダ圧力に拘らず目標駆動電流が一定の値
に設定される場合に比して路面の摩擦係数に応じて適正
に初回減圧の減圧量を設定し、これにより路面の摩擦係
数に応じて初回減圧の減圧量を適正に設定することがで
きる。
【0102】また図示の実施形態によれば、上述の第一
の実施形態に於けるリニア弁の特性ずれの補償制御は行
われないので、上述の第一の実施形態の場合に比して単
純な制御内容にてアンチスキッド制御の減圧開始時に於
けるホイールシリンダ圧力の減圧を確実に且つ単純に達
成することができる。
【0103】尚上述の各実施形態によれば、アンチスキ
ッド制御の開始時には目標ホイールシリンダ圧力Ptiが
必ず実際のホイールシリンダ圧力Piをベースにして演
算され、その後の目標ホイールシリンダ圧力Ptiは前回
の目標ホイールシリンダ圧力Ptfiベースにして演算さ
れるので、アンチスキッド制御開始時の目標ホイールシ
リンダ圧力Ptiを必ず実際のホイールシリンダ圧力Pi
よりも低く且つ車輪のスリップ状態に応じた適正な値に
設定することができ、これによりアンチスキッド制御開
始時の減圧を遅れなく適正に実行することができ、また
その後の目標ホイールシリンダ圧力Ptiを車輪のスリッ
プ状態に応じた適正な値に設定することができ、これに
より実際のホイールシリンダ圧力Piを車輪のスリップ
状態に応じて適正に且つ高精度に制御し、アンチスキッ
ド制御を適正に且つ効果的に実行することができる。
【0104】また上述の各実施形態によれば、アンチス
キッド制御中に制動制御モードが変化したときにも、目
標ホイールシリンダ圧力Ptiが必ず実際のホイールシリ
ンダ圧力Piをベースにして演算されるので、制動制御
モードが変化したときにも目標ホイールシリンダ圧力P
tiが前回の目標ホイールシリンダ圧力Ptfiベースにし
て演算される場合に比して、目標ホイールシリンダ圧力
Ptiを車輪のスリップ状態に応じて適正に設定すること
ができ、これによりホイールシリンダ圧力を車輪のスリ
ップ状態に応じて遅れなく適正に制御することができ
る。
【0105】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0106】例えば上述の第一の実施形態に於いては、
ステップ168に於いて目標駆動電流Itaが増大変更さ
れる値αは一定であるが、この値αは図7の下段に於い
てパターン2として示されている如く、減圧時間の経過
と共に漸次低減されるよう修正されてもよい。
【0107】また上述の第二の実施形態に於いては、ス
テップ174に於いて減圧開始時のホイールシリンダ圧
力Piが基準値Po以下であるか否かの判別が行われるよ
うになっているが、この判別は車輌減速度Gxbが基準値
Gxbo(正の定数)以下であるか否かの判別に置き換え
られてもよい。
【0108】また上述の第一の実施形態に於いては、目
標駆動電流Itaの増大変更量αは一定であるが、この増
大変更量αは上述の第二の実施形態及びその修正例と同
様減圧開始時のホイールシリンダ圧力Pi又は車輌の減
速度Gxbに応じて可変設定されてもよい。
【0109】また上述の第二の実施形態に於いては、ス
テップ176又は178に於いて設定される目標駆動電
流β1、β2はそれぞれ一定の値であるが、これらの目標
電流も上述の第一の実施形態の修正例(パターン2)と
同様減圧開始時点より時間が経過するにつれて漸次低減
されるよう修正されてもよい。
【0110】また上述の第一の実施形態に於いては、ス
テップ140に於いて周囲温度やリニアソレノイド弁に
対する通電時間等に基づき特性ずれ補償制御対象のリニ
ア弁のソレノイドの温度変化が推定され、推定された温
度変化に基づき駆動電流比Roの許容範囲が決定される
ようになっているが、この判別の許容範囲は一定の範囲
に設定されてもよい。
【0111】また上述の第一の実施形態に於いては、ス
テップ148に於いて駆動電流に対する補償係数Rrは
最新のN回分の比Roの平均値として演算されるように
なっているが、補償係数Rrは最新のN回分の比Roの平
均値について移動平均処理の如き平滑化処理が施される
ことにより演算されてもよい。
【0112】また上述の各実施形態に於いては、所定の
制動制御はアンチスキッド制御であるが、本発明に於け
る所定の制動制御はリニア弁の特性ずれに起因してホイ
ールシリンダ圧力の増減制動量が不足することを防止す
る必要がある任意の制動制御であってよい。
【0113】また上述の各実施形態に於いては、各車輪
の目標ホイールシリンダ圧力Ptiは運転者の制動操作量
又はアンチスキッド制御の目標ホイールシリンダ圧力と
して演算されるようになっているが、目標ホイールシリ
ンダ圧力Ptiは当技術分野に於いて公知の任意の要領に
て演算されてよい。
【0114】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、リニア弁に特性ずれが生
じている状況にて所定の制動制御が実行される場合に
は、リニア弁に対する制御量が確実に変更されるので、
リニア弁の特性ずれに起因してホイールシリンダ圧力の
増減制御が不十分になることを確実に防止することがで
きる。
【0115】また上記請求項4の構成によれば、リニア
弁は所定の制動制御時には車輌の状態に応じた第一の制
御量ではなく確実に一定の第二の制御量にて制御される
ので、リニア弁に特性ずれが生じているか否かに拘わら
ず、ホイールシリンダ圧力の増減制御が不十分になるこ
とを確実に防止することができる。
【0116】また本発明の請求項2の構成によれば、リ
ニア弁の特性ずれの補償が完了していない状況にてアン
チスキッド制御の減圧が行われる際に、確実にホイール
シリンダ圧力を減圧することができ、また請求項3の構
成によれば、アンチスキッド制御の初回減圧に於いてホ
イールシリンダ圧力を確実に低減することができるの
で、アンチスキッド制御を効果的に達成することができ
る。
【0117】また本発明の請求項5の構成によれば、第
二の制御量が車輌の制動状況に拘わらず一定である場合
に比して、所定の制動制御時に於けるホイールシリンダ
圧力の増減制御量を最適に制御することができ、また請
求項6の構成によれば、アンチスキッド制御に於ける初
回減圧時にホイールシリンダ圧力が確実に減圧されるの
で、アンチスキッド制御が効果的に達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌用制動制御装置の第一の実施
形態の油圧回路及び電子制御装置を示す概略構成図であ
る。
【図2】第一の実施形態に於ける制動制御ルーチンを示
すフローチャートである。
【図3】図2のステップ130に於いて実行されるリニ
ア弁の特性ずれ補償制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図4】図2のステップ160に於いて実行されるアン
チスキッド制御の初回減圧の減圧量増大処理ルーチンを
示すフローチャートである。
【図5】本発明による車輌用制動制御装置の第二の実施
形態に於ける制動制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図6】図5のステップ170に於いて実行されるアン
チスキッド制御の初回減圧の減圧量変更ルーチンを示す
フローチャートである。
【図7】アンチスキッド制御の開始前後に於ける目標ホ
イールシリンダ圧力Pti、実ホイールシリンダ圧力P
i、リニア弁に対する駆動電流の変化の一例を第一の実
施形態の場合及び比較例の場合について示す説明図であ
る。
【図8】アンチスキッド制御の開始前後に於ける目標ホ
イールシリンダ圧力Pti、実ホイールシリンダ圧力P
i、リニア弁に対する駆動電流の変化の一例を第二の実
施形態の場合について示す説明図である。
【図9】駆動回路へ出力される信号のスイッチング周期
Fsとデューティオン時間Donとの関係を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10…ブレーキ装置 12…ブレーキペダル 14…マスタシリンダ 22FL〜22RR…ホイールシリンダ 24F、24R、26…電磁開閉弁 50FL〜50RR…リニア弁 60FL〜60RR…リニア弁 64F、64R…電磁開閉弁 66、68…圧力センサ 70…ストロークセンサ 72、74FL〜74RR…圧力センサ 76…電子制御装置 82FL〜82RR…車輪速度センサ 84…前後加速度センサ 86…電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二瓶 寿久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松井 成幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松浦 正裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D046 BB00 BB28 CC02 EE01 HH02 HH16 HH26 HH36 JJ11 KK06 LL00 LL23 LL41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪に対応して設けられたホイールシリ
    ンダに対する作動液体の給排を制御することによりホイ
    ールシリンダ圧力を増減するリニア弁と、車輌の状態に
    応じて前記リニア弁を制御することによりホイールシリ
    ンダ圧力を制御する制御手段とを有する車輌用制動制御
    装置に於いて、前記リニア弁の特性ずれの補償を行う補
    償手段を有し、前記制御手段は前記補償手段による前記
    特性ずれの補償が完了していないときには、所定の制動
    制御に於ける前記リニア弁に対する制御量を変更する制
    御量変更手段を有することを特徴とする車輌用制動制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記所定の制動制御はアンチスキッド制御
    であり、前記制御量変更手段は前記補償手段による前記
    特性ずれの補償が完了していないときには、アンチスキ
    ッド制御に於けるホイールシリンダ圧力の減圧量が大き
    くなるよう前記リニア弁に対する制御量を増大変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記制御量変更手段はアンチスキッド制御
    に於ける初回減圧の減圧量が大きくなるよう前記リニア
    弁に対する制御量を増大変更することを特徴とする請求
    項2に記載の車輌用制動制御装置。
  4. 【請求項4】各車輪に対応して設けられたホイールシリ
    ンダに対する作動液体の給排を制御することによりホイ
    ールシリンダ圧力を増減するリニア弁と、車輌の状態に
    応じて前記リニア弁を制御することによりホイールシリ
    ンダ圧力を制御する制御手段とを有する車輌用制動制御
    装置に於いて、前記制御手段は車輌の状態に応じて前記
    リニア弁に対する第一の制御量を演算する第一の制御量
    演算手段と、所定の制動制御時には前記リニア弁に対す
    る一定の第二の制御量を演算する第二の制御量演算手段
    とを有することを特徴とする車輌用制動制御装置。
  5. 【請求項5】前記第二の制御量演算手段は車輌の制動状
    況に応じて前記第二の制御量を変更することを特徴とす
    る請求項4に記載の車輌用制動制御装置。
  6. 【請求項6】前記所定の制動制御時はアンチスキッド制
    御に於ける初回減圧時であることを特徴とする請求項4
    又は5に記載の車輌用制動制御装置。
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