JP2002356036A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2002356036A
JP2002356036A JP2001161824A JP2001161824A JP2002356036A JP 2002356036 A JP2002356036 A JP 2002356036A JP 2001161824 A JP2001161824 A JP 2001161824A JP 2001161824 A JP2001161824 A JP 2001161824A JP 2002356036 A JP2002356036 A JP 2002356036A
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Masaki Shimomura
正樹 下村
Eiji Kumai
英司 熊井
Mamoru Ukita
衛 浮田
Masahiro Isono
正博 磯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペーパーギャップ調整と歯付きローラのリリ
ースを簡単かつ一義的にできるインクジェットプリンタ
を提供すること。 【解決手段】 記録ヘッド100を移動させてペーパー
ギャップを切り替えるペーパーギャップ切替手段200
Aと、歯付きローラ12を記録媒体に接触する通常位置
と記録媒体に接触しない待避位置に切替える排紙ローラ
リリース手段200Dと、操作手段200Cとを備え
る。これにより、操作手段200Cのみの操作でペーパ
ーギャップ切替と歯付きローラのリリースを行うことが
できるので、ペーパーギャップ切替と歯付きローラ12
のリリースを間違えずにスムーズに行うことが可能とな
り、ユーザの使い勝手を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に対し記
録ヘッドからインク滴を吐出して印刷を行うインクジェ
ット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェット記録装置は、図
25に例示するように、記録媒体である紙Pをオートシ
ートフィーダ(自動連続給紙機構)あるいは手差しによ
り供給して、主動ローラ203と従動ローラ202とか
ら構成される紙送りローラ対の間に挟み込み、この紙送
りローラを回転させて記録部51へ紙Pを送り出しなが
ら、記録ヘッド100のノズル開口からインク滴を吐出
させて情報を紙Pに記録する。印刷された記録媒体P
は、記録部51の下流に設けられた排紙駆動ローラ11
と歯付きローラ12とからなる排紙ローラにより送り出
され、排出されるようになっている。
【0003】このような構成のインクジェットプリンタ
では、紙Pの供給側に配設されている従動ローラ202
は円筒形状に形成されており、紙とのフリクションによ
り紙を送り出すようになっている。また、紙の排出側に
配設されている歯付きローラ12は周縁部が鋸刃状に形
成されており、排出時の紙のうねりを防止して、紙Pを
スムーズに排出できるようになっている。
【0004】ところで、最近ではCD―R等の情報の記
録が可能な光ディスクが普及してきており、その中で光
ディスクのラベルを印刷したいという要望が高まってい
る。現在市販されているインクジェット記録装置の中に
も、プラスチックなどで製作したトレイにCD−Rを固
定して装置内に供給することにより、光ディスクのラベ
ルを印刷することができる機種がある。
【0005】しかし、上記したようにインクジェット記
録装置には、送出時の記録媒体Pのうねりを防止して、
記録媒体Pをスムーズに排出するために排紙駆動ローラ
11および歯付きローラ12が配設されており、この歯
付きローラ12は一般的に排紙ローラ11に対して上
側、すなわち記録媒体Pの印刷面側から記録媒体Pに接
触するため、記録媒体Pが光ディスクであるときは、歯
付きローラ12が光ディスクの印刷面に食い込んで傷を
付けてしまうという問題がある。光ディスクは一般的に
プラスチック基板の上に情報記録層、レーザ光反射層、
保護層、そして印刷層がミクロンオーダで被覆されてい
るため、上記歯付きローラ12により印刷面が傷付けら
れると、情報記録層やレーザ光反射層が破壊され、光デ
ィスクの情報記録特性を悪化(劣化)させてしまうおそ
れがあった。
【0006】このため従来は、CD−R印刷時に排紙装
置に特殊なアタッチメントを装着して歯付きローラ12
がCD−R面に接触しないように離間(リリース)させ
る方法が取られていた。しかし、この方法は、アタッチ
メントの装着操作が煩雑である上、以下のような問題を
有していた。
【0007】インクジェット記録装置は、通常、記録媒
体の種類に応じて印刷精度を保つために、紙面と記録ヘ
ッドのノズル開口面との距離、すなわちペーパーギャッ
プが常にほぼ一定になるように記録ヘッドを変位させる
手段(ペーパーギャップ調整手段)を設け、ペーパーギ
ャップを調整している。例えば普通紙の場合は、種類に
よるばらつきを含めて厚さが約0.6mm以下であるた
めペーパーギャップは約1.2mmとなるように調整さ
れている。また、厚紙の場合は種類によるばらつきを含
めて厚さが約0.7mm〜1.5mmであるので、ペー
パーギャップは普通紙のときよりも約1.5mm程度長
く調整される。さらに、情報記録ディスクを固定するト
レイの厚さは約1.6mm〜2.5mmにもなるため、
CD−Rの印刷を行うためには、ペーパーギャップが普
通紙のときよりも約2.8mm程度大きくなるように調
整されている。このペーパーギャップ調整は、例えば、
キャリッジガイド軸の支持部に偏心軸や偏心ブッシュな
どの偏心機構を採用し、記録ヘッドを搭載したキャリッ
ジごと変位させることによって行われる。
【0008】しかし、従来のアタッチメントを装着して
行う歯付きローラ12のリリースは、ペーパーギャップ
調整のための機構と無関係に行われるため、通常印刷時
の最小ペーパーギャップや厚紙印刷時の中間ペーパーギ
ャップのときに間違えてアタッチメントを装着すると、
歯付きローラ12がリリースして上方に移動し、上方に
位置するキャリッジに接触してキャリッジの主走査方向
への移動に支障が生じるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、
CD−Rなどの印刷時に歯付きローラのリリースを簡易
な操作で行うことができ、しかも、ペーパーギャップ調
整との連携が図られたインクジェット記録装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載のインクジェット記録装置は、記録
媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドと、該記録ヘッド
を搭載し、主走査方向に往復移動可能に設けられたキャ
リッジと、前記記録ヘッドへ向けて、記録媒体を挟持し
て送り出す主動ローラおよび従動ローラからなる紙送り
ローラと、前記記録ヘッドの下流側に配置され、記録媒
体の記録面に接触しつつ記録媒体の送り力によって従動
回転する歯付きローラと、を有するインクジェット記録
装置であって、前記記録ヘッドを変位させることによ
り、該記録ヘッドと記録媒体との距離を切り替えるペー
パーギャップ切替手段と、前記歯付きローラを変位させ
ることにより、該歯付きローラが記録媒体に接触する通
常位置と、記録媒体に接触しない待避位置とを切り替え
る歯付きローラのリリース手段と、を備え、前記リリー
ス手段を、前記ペーパーギャップ切替手段に連動するよ
うにしたことを特徴とする。
【0011】この特徴によれば、歯付きローラが記録媒
体に接触する通常位置と、記録媒体に接触しない待避位
置とを切り替える歯付きローラのリリース手段を、前記
ペーパーギャップ切替手段に連動するようにしたので、
ペーパーギャップの切替えに伴って自動的に、簡易な操
作で歯付きローラをリリースさせることができる。
【0012】請求項2に記載のインクジェット記録装置
は、請求項1において、前記歯付きローラは、基端側を
支点にして先端側が上下に揺動可能な構造のホルダに保
持されており、前記リリース手段は、固定された回動軸
に設けられたカムを回動させて前記ホルダの基端側のカ
ムフォロアに当接および当接解除させるカム機構によ
り、前記ホルダの揺動を利用して歯付きローラの通常位
置と待避位置とを切り替えるものであることを特徴とす
る。
【0013】この特徴によれば、先端側が上下に揺動可
能な構造のホルダに保持された歯付きローラをカム機構
を利用してホルダごと揺動させてリリースを行うため、
簡易な構造ながら確実にリリースすることが可能にな
る。
【0014】請求項3に記載のインクジェット記録装置
は、請求項2において、前記ペーパーギャップ切替手段
が、通常印刷時における第1のペーパーギャップと、前
記第1のペーパーギャップより大きい第2のペーパーギ
ャップと、さらに前記第2のペーパーギャップより大き
い第3のペーパーギャップと、に切り替え可能に設けら
れ、前記リリース手段を、前記第2のペーパーギャップ
と前記第3のペーパーギャップとの切り替えに連動する
ようにしたことを特徴とする。
【0015】この特徴によれば、ペーパーギャップ切替
手段が三段階に切替可能に設けられており、例えば、通
常印刷時においては第1のペーパーギャップを、厚紙等
の印刷においては第2のペーパーギャップを、さらにC
D―Rの印刷においては第3のペーパーギャップに設定
することが容易になる。しかも、歯付きローラのリリー
ス手段を、第2のペーパーギャップと前記第3のペーパ
ーギャップとの切り替えに連動するようにしたため、C
D−R印刷などの大きなペーパーギャップを必要とする
場面以外に、ペーパーギャップと無関係に歯付きローラ
がリリースすることはない。従って、誤って通常印刷時
に歯付きローラをリリースさせてしまう、といったこと
がなく、歯付きローラが印刷中にキャリッジと接触して
障害になることもない。
【0016】請求項4に記載のインクジェット記録装置
は、請求項3において、前記リリース手段は、一端にお
いてヒンジ構造により前記ペーパーギャップ切替手段と
接続し、他端には突起部を有する連結アームと、前記回
動軸に付設され、前記突起部と係合することにより前記
連結アームの運動を受けて回動軸を回動させる受け部
と、前記連結アームの突起部における運動軌跡を規定す
るガイド構造と、を有し、前記第1のペーパーギャップ
と前記第2のペーパーギャップとの切り替えにおいて
は、前記ガイド構造が前記連結アームの突起部を直線運
動させることにより前記カム機構を作用させず、前記第
2のペーパーギャップと前記第3のペーパーギャップと
の切り替えにおいては、前記ガイド構造が前記連結アー
ムの突起部を円運動させることにより、前記回動軸を回
動させて前記カム機構を作用させるようにしたことを特
徴とする。
【0017】この特徴によれば、連結アームの突起部の
運動軌跡を規定するガイド構造により、第1のペーパー
ギャップと第2のペーパーギャップとの切替においては
カム機構を作用させず、第2のペーパーギャップと第3
のペーパーギャップとの切替においてカム機構を作用さ
せるようにしたので、ペーパーギャップ切替手段と歯付
きローラの切替手段とを連結するリンク機構として簡易
な構成を採用しながら、必要なタイミングで確実に歯付
きローラのリリースを実行することが可能となる。しか
も、ガイド構造は、連結アームの突起部の運動軌跡を規
定できるものであればよいので、例えばインクジェット
記録装置のサイドフレームに設けたガイド孔のような簡
易な構成とすることができる。
【0018】請求項5に記載のインクジェット記録装置
は、請求項4において、記録媒体の幅方向に配列された
複数の歯付きローラの中で、前記リリース手段により変
位させる歯付きローラを、前記受け部側から所定の幅に
偏倚して設けたことを特徴とする。この特徴によれば、
リリース手段により変位させる歯付きローラを、受け部
側から所定の幅に偏倚して、例えばCD−Rの幅に対応
するように設けることにより、リリース手段の回動軸に
かかる負荷を最小限に抑えることが可能となる。
【0019】請求項6に記載のインクジェット記録装置
は、請求項3から5のいずれか1項において、前記歯付
きローラの変位量を、前記記録ヘッドの変位量と略一致
させたことを特徴とする。この特徴によれば、歯付きロ
ーラの変位量を記録ヘッドの変位量と略同じに設定した
ので、歯付きローラがリリースした状態では記録ヘッド
を搭載したキャリッジも同じ変位量で変位することにな
り、歯付きローラがキャリッジの移動を妨げることがな
い。
【0020】請求項7に記載のインクジェット記録装置
は、請求項1から6のいずれか1項において、さらに、
前記キャリッジの主走査方向における位置検出手段であ
るリニヤスケールを前記ペーパーギャップ切り替え手段
に連動して変位可能に設けたことを特徴とする。この特
徴によれば、リニヤスケールをペーパーギャップ切り替
え手段に連動して変位可能に設けたので、ペーパーギャ
ップ調整のためにキャリッジを上下移動させた場合に
は、リニヤスケールもキヤリッジと同調して上下に変位
する。従って、キャリッジに対するリニヤスケールの相
対的な位置は変化することがなく、キャリッジの主走査
方向における位置検出を高精度のまま維持することがで
きる。
【0021】請求項8に記載のインクジェット記録装置
は、請求項3から7のいずれか1項において、さらに、
前記従動ローラを前記主動ローラから離間させる従動ロ
ーラの離間手段を備え、該離間手段による前記従動ロー
ラの離間動作を、前記第3のペーパーギャップにおいて
行うようにしたことを特徴とする。この特徴によれば、
従動ローラの離間手段による離間動作を、第3のペーパ
ーギャップにおいて行うようにしたことにより、例え
ば、CD−Rの印刷など、大きなペーパーギャップ(第
3のペーパーギャップ)と、歯付きローラのリリース
と、従動ローラの離間とを同時に行う必要がある場合
に、切替作業を非常に単純化させることができるため、
操作が簡便なものとなり、操作ミスをすることなく印刷
できる。
【0022】請求項9に記載のインクジェット記録装置
は、請求項8において、前記ペーパーギャップの切替お
よび前記従動ローラの離間を一つの操作部で行うととも
に、該操作部に、前記第1のペーパーギャップと、前記
第2のペーパーギャップと、前記第3のペーパーギャッ
プと、前記従動ローラの離間動作と、の4段階の切替位
置を連設したことを特徴とする。この特徴によれば、ペ
ーパーギャップの切替および従動ローラの離間を一つの
操作部で行うことにより、ペーパーギャップ切替に連動
する歯付きローラのリリースおよびリニヤエンコーダの
変位も含め、すべて単一の操作部で行うことができるの
で、操作性を非常に高めることができる。また、第1の
ペーパーギャップと、第2のペーパーギャップと、第3
のペーパーギャップと、従動ローラの離間動作と、の4
段階の切替位置は連設されているので、例えば普通紙、
厚紙、CD−R印刷の切替を容易に、かつ操作ミスをす
ることなく実行できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の実施の形態に係るインク
ジェットプリンタの構成例を斜め前方から見た斜視図、
図2は、それを斜め後方から見た斜視図である。このイ
ンクジェットプリンタは、カバー101aで覆われた本
体101内に記録ヘッド100を備えたキャリッジ10
5、図示しないキャリッジ駆動機構、図示しないオート
シートフィーダ(自動連続給紙機構)、ペーパーギャッ
プ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ離
間手段200が配設され、本体101の前面に排紙口1
02が設けられ、本体101の後面に手差し用の給紙口
103が設けられている。
【0025】さらに、本体101の後面の給紙口103
の上部には、オートシートフィーダ用のトレイ104が
配設され、給紙口103の脇にはペーパーギャップ切替
手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ離間手段
200の操作手段200C(図3参照)を構成する操作
レバー201が本体101から突き出すように配設され
ている。
【0026】記録ヘッド100は、例えばイエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラックの計4色のインクカートリッ
ジ(図示せず)を備えており、フルカラー印刷が可能な
ように構成されている。そして、記録ヘッド100のイ
ンク吐出タイミング及びヘッド駆動機構の走査が、本体
101に内蔵されている専用コントローラボード等によ
り制御され、高精度なインクドット制御、ハーフトーン
処理等が実行されるようになっている。
【0027】また、トレイ104に給紙される記録媒体
は、オートシートフィーダにより自動的に送り出され、
図示しない紙送り主動ローラと図示しない従動ローラに
挟持されてさらに送り出され、排紙口102から排出さ
れるようになっている。給紙口103に手差しで給紙さ
れる記録媒体は、同様に紙送りローラと従動ローラに挟
持されて送り出され、排紙口102から排出されるよう
になっている。
【0028】トレイ104から給紙される記録媒体とし
ては、普通紙、専用紙、推奨OHPシート、光沢紙、光
沢フィルム、ラベルシート、官製葉書等が利用できる。
手差しで給紙される記録媒体としては、上記各用紙の他
に厚紙、極厚紙(情報記録ディスク用トレイも含む)等
の厚手のもの、すなわち折り曲げが困難なものが利用で
きる。
【0029】操作手段200Cを構成する操作レバー2
01は、本体101に直線状に設けられているスリット
110に沿って図示矢印a方向に段階的にスライドし、
ペーパーギャップ切替手段/歯付きローラリリース手段
/従動ローラ離間手段200をセット可能なようになっ
ている。ここで、ペーパーギャップ切替手段は、記録媒
体の厚さに左右されずに印刷精度を常にほぼ一定の高精
度に保つために、紙面と記録ヘッド100のノズル開口
面との距離、すなわちペーパーギャップが常にほぼ一定
になるように記録ヘッド100を移動調整できるように
なっている。歯付きローラリリース手段は、記録媒体の
種類に応じて必要な場合には歯付きローラを記録媒体と
接触しない待避位置までリリースできるようになってい
る。従動ローラ離間手段は、記録媒体を紙送り主動ロー
ラと従動ローラとの間に挟持し、あるいは記録媒体を主
動ローラと従動ローラとの間から抜き出すために、従動
ローラに圧力を印加して従動ローラを主動ローラに押圧
し、あるいは上記圧力を解放して従動ローラを主動ロー
ラから離間するようになっている。
【0030】図3は、ペーパーギャップ切替手段/歯付
きローラリリース手段/従動ローラ離間手段200にお
ける操作手段200Cとペーパーギャップ切替手段20
0A、歯付きローラリリース手段200Dおよび従動ロ
ーラ離間手段200Bの関係を示すブロック構成図であ
る。図3に示すように、操作手段200Cはペーパーギ
ャップ切替手段200Aと従動ローラ離間手段200B
にそれぞれ機械的に連関して配設され、さらに、ペーパ
ーギャップ切替手段は、歯付きローラリリース手段20
0Dに連関している。すなわち、操作手段200Cを構
成する1本の操作レバー201のみの段階的なスライド
操作により、ペーパーギャップ切替手段200A、歯付
きローラリリース手段200Dおよび従動ローラ離間手
段200Bを動作させて、記録ヘッド100、歯付きロ
ーラ12及び従動ローラ202を所望の状態にセットす
ることができる。
【0031】図4は、操作手段200C、ペーパーギャ
ップ切替手段200A、歯付きローラリリース手段20
0D及び従動ローラ離間手段200Bの詳細例を示す側
面図である。操作手段200Cは、操作レバー201を
有する第1欠歯歯車211、第2欠歯歯車212及び第
3欠歯歯車214を備えている。ペーパーギャップ切替
手段200Aは、第1リンク231、第2リンク23
2、第3リンク233、第4リンク234、第5リンク
235及び記録ヘッド100を備えるキャリッジが取り
付けられた偏芯カム236を備えている。歯付きローラ
リリース手段200Dは、U字型受け部317とカム3
1を有するカム軸35、カムフォロア23を有する歯付
きローラ用ホルダ、ペーパーギャップ切替手段200A
と連結するアーム部(第6リンク311)、およびガイ
ド構造としてのガイド溝315を備えている(図12〜
図15参照)。従動ローラ離間手段200Bは、周面の
一部が平坦面に形成された軸213aを有する第4欠歯
歯車213、第5欠歯歯車215、一端に従動ローラ2
02が回転自在に装着されている従動ローラアーム20
4及びコイルバネ205を備えている。
【0032】操作レバー201は、第1欠歯歯車211
の円周部から突き出るようにして一体成形されており、
また第1欠歯歯車211には、ラチェット222が噛み
合わされている。これにより、操作レバー201は、第
1欠歯歯車211の軸211aを中心に図示矢印a方向
に往復旋回可能であって、位置A、位置B、位置C、位
置Dと段階的に位置決め可能になっている。
【0033】ここで、操作レバー201が位置Aに位置
決めされているときは、厚さが普通の記録媒体、例えば
普通紙等を使用する位置であり、位置Bに位置決めされ
ているときは、厚さがやや厚手の記録媒体、例えば厚紙
を使用する位置であり、位置Cに位置決めされていると
きは、厚さがかなり厚手の記録媒体、例えば情報記録デ
ィスク用トレイも含む極厚紙を使用する位置である。さ
らに操作レバー201が位置Dに位置決めされていると
きは、従動ローラ202が主動ローラ203から離間し
ている位置である。
【0034】第1欠歯歯車211は、第2欠歯歯車21
2と噛み合わせ可能に配設され、この第2欠歯歯車21
2は、第4欠歯歯車213と噛み合わせ可能に配設され
ている。また、第2欠歯歯車212と同軸配置された第
3欠歯歯車214は、第5欠歯歯車215と噛み合わせ
可能に配設されている。
【0035】第4欠歯歯車213の軸213aは、周面
の一部が平坦面に形成された所謂D軸になっている。こ
のD軸213aには、一端に従動ローラ202が回転自
在に装着されている従動ローラアーム204の他端が旋
回自在に取り付けられている。この従動ローラアーム2
04の略中央部には、一端側が従動ローラ202に係止
され、他端側がD軸213aに接触されているコイルバ
ネ205の中央部が係止されている。
【0036】第5欠歯歯車215の軸215aには、ヒ
ンジ231aにより略L字状に連結された第1及び第2
リンク231、232のうち、第1リンク231の自由
端がはめ込まれている。そして、第2リンク232の自
由端は、ヒンジ233a、234aにより略U字状に連
結された第3、第4及び第5リンク233、234、2
35のうち、第3リンク233のヒンジ233a側の端
部と、ヒンジ232aにより連結されている。第3リン
ク233の自由端は、偏芯カム236を介してキャリッ
ジ105に連結され、第5リンク235の自由端は、本
体101に回転可能に軸支持されている。
【0037】第6リンク311は、クランク形状をした
連結アームであり、一端が第4及び第5リンク233、
234を連結するヒンジ234aと連結され、他端側で
突起部としてのピン313により図示しないU字型受け
部と係合している(図12〜14参照)。
【0038】歯付きローラ用ホルダは、第1のホルダと
して主ホルダ21および第2のホルダとして複数の小ホ
ルダ22から構成されている。主ホルダ21は、それ自
体は一体成形され、その内部に全ての小ホルダ22およ
び歯付きローラ12を保持できるような空間を確保して
いる。歯付きローラ12は、外周に歯13を有する二本
のローラが組になって並列に一つの小ホルダ22に格納
されたもの(以下、「二本組ローラ」と記す)と、一本
の歯付きローラが小ホルダ22に格納されたもの(以
下、「一本ローラと記す)とが交互に配置され、前記一
本ローラは、二本組ローラよりも、やや搬送方向上流側
に位置している(図19参照)。
【0039】各歯付きローラ12は、それぞれ軸体14
によって回転自在に小ホルダ22に軸支されている。こ
こで軸体14は、金属棒でもよいが、調芯作用を有する
弾性変形可能な軸体が好ましく、本態様では棒バネを採
用している。
【0040】また、小ホルダ22の先端部には、傾斜面
28が設けられており、小ホルダ22が通常位置および
待避位置のいずれの位置にある場合でも、搬送されてく
る記録媒体を排出経路(図15においては歯付きローラ
12と排紙駆動ローラ11とにより規定される)にスム
ーズに導くことができるようになっている。
【0041】小ホルダ22は、主ホルダ21に保持され
ているが、その基端側にカム31のカムフォロア23を
有しており、図15(a)および(b)に示すように、
歯付きローラ12を保持する先端側が、支持部24を支
点にして主ホルダの軸受部(図示せず)に、主ホルダ2
1とは独立して上下に揺動可能に設けられている。小ホ
ルダ22の基端側から先端側にかけての中央部(支持部
24より搬送方向上流側)では、棒バネ33が小ホルダ
22を押接しており、下方向に付勢した状態となってい
る。この小ホルダ22の上下位置の切替えは、カム31
とカムフォロア23とからなるカム機構により行われ
る。
【0042】すなわち、この例では、カム31が回動可
能に設けられており、カムフォロア23に当接する状態
[図15(b)]と非当接状態[図15(a)]とに切
替え可能に構成することにより、歯付きローラ12のリ
リースが可能になる。カム31がカムフォロア23と当
接しない状態のときは、棒バネ33の付勢力により支持
部24を支点にして小ホルダ22の先端側が下がり、記
録媒体と当接可能な通常位置になっている[図15
(a)]。一方、カム31をカムフォロア23に当接さ
せることにより、棒バネ33による下方への付勢力に逆
らって、小ホルダ22の先端側は支持部24を支点に上
方に揺動し、待避位置に移行する[図15(b)参
照]。このカム機構によって、歯付きローラ12が記録
媒体に接触可能な通常位置と歯付きローラ12が記録媒
体に接触しない待避位置との二つの位置を選択できる。
【0043】なお、第1欠歯歯車211の下方には、第
1欠歯歯車211の回転によりオートシートフィーダを
オン/オフさせるリミットスイッチ241とプリンタを
オン/オフさせるリミットスイッチ242が配設されて
いる。また、主動ローラ203には、記録媒体への印刷
時に制御用として使用されるエンコーダ243が取り付
けられている。
【0044】以上のように、ペーパーギャップ切替手段
200Aと歯付きローラリリース手段200Dと従動ロ
ーラ離間手段200Bの3系統の駆動を一連で操作する
操作手段200Cを備えているので、操作手段200C
のみの操作でペーパーギャップ切替、歯付きローラのリ
リース状態の切替と従動ローラの離間状態の切替を行う
ことができる。このため、ペーパーギャップ切替と歯付
きローラリリース動作と従動ローラ離間動作を間違えず
にスムーズに行うことが可能となり、ユーザの使い勝手
を向上させることができる。
【0045】また、ペーパーギャップ切替と歯付きロー
ラリリースと従動ローラ離間の各機能及びそれらの操作
機能が一体化された構成となるので、操作手段200
C、ペーパーギャップ切替手段200A、歯付きローラ
リリース200D及び従動ローラ離間手段200Bの構
造が簡易なものとなり、設計が容易となって設計ミスを
減少させることができると共に、製造や組立のコスト及
び工数を低減させることができる。
【0046】このような構成において、その動作の概略
を図4〜図14を参照して説明する。図4の状態、すな
わち操作レバー201が位置Aに位置決めされていると
きは、図5に示すように、従動ローラ202は主動ロー
ラ203との間に送られてきた普通紙Pを押圧するよう
に、D軸213aに押されているコイルバネ205の弾
性力が印加される。また、記録ヘッド100は普通紙P
に合わせたペーパーギャップhaとなるように設定され
る。このときの記録ヘッド100は、例えば普通紙のば
らつきを含めた厚さが約0.6mm以下であるため、ペ
ーパーギャップhaが約1.2mmとなるように移動調
整されている。
【0047】また、図4では、第6リンク311は最も
傾斜した状態にあり、図12に示すように第6リンクに
自由端に設けられたピン313は、係合するU字型受け
部317のU字形状部分の先端付近に位置し、U字型受
け部317を未だ押圧していない状態になっている。こ
のため、図15(a)に示すように、カム軸35は回動
しておらず、カム31は小ホルダ22のカムフォロア2
3に当接していない。従って歯付きローラは普通紙など
の記録媒体に接触可能な通常位置のままである。
【0048】なお、このときのリミットスイッチ24
1、242は共にオンとなり、本体101の前面に配設
された図1に示すランプ106、107が点灯する。
【0049】次に、図6の状態、すなわち操作レバー2
01が位置Aから位置Dに位置決めされたときは、第1
欠歯歯車211の図示矢印b1方向の回転により、最初
は第2欠歯歯車212と共に第4欠歯歯車214が図示
矢印c1方向に回転し、さらに第5欠歯歯車215が図
示矢印d1方向に回転する。これにより、各リンク23
1〜235が図示矢印e1方向に旋回するので、図7に
示すように、記録ヘッド100は図示矢印f1方向に移
動、すなわち上昇する。記録ヘッド100は、例えば極
厚紙のばらつきを含めた厚さが約1.6mm〜2.5m
mであるため、図5の普通紙のときの位置から、さらに
約2.8mm程度上昇した位置となる。
【0050】さらに、上記動作途中で、図6に示すよう
に、第3欠歯歯車213が図示矢印g1方向に回転し始
めるので、図7に示すように、コイルバネ205がD軸
213aの平坦部にかかり、従動ローラ202はコイル
バネ205の弾性力から解放されて主動ローラ203か
ら図示矢印m1方向に離間される。
【0051】また、操作レバー201を位置Aから位置
Dに切り替えたことにより、第6リンク311は最も起
立した状態に移行する。第6リンク311の自由端のピ
ン313は、U字型受け部317の先端位置(図12参
照)から、U字型受け部317に最も深く係合する位置
(図14参照)までガイド溝315の直線部315aを
移動し、さらにU字型受け部317を押圧してガイド溝
315の円弧部315bに沿ってU字型受け部317を
図13のr2方向に回動させる。その結果、図15
(b)に示すように、カム軸35が回転してカム31が
小ホルダ22のカムフォロア23に当接し、小ホルダ2
2の基端側を押し下げる。これによって、支持部24を
支点に棒バネ33の押圧力に抗して小ホルダ22の先端
側が揺動し、歯付きローラ12はCD−Rトレイなどの
極厚紙を挿入しても接触しない位置まで待避する。この
状態(待機位置)の歯付きローラ12は、通常位置より
約3mm程度上方に変位している。ここで、待避位置ま
でリリースさせる対象はすべての歯付きローラ12とす
ることも可能であるが、ここでは記録媒体の幅方向に配
列された複数の歯付きローラ12の中でリリースさせる
歯付きローラ12を所定の幅に偏倚して設けている。つ
まり、U字型受け部317側からみて、CD−Rの幅に
対応する部分の歯付きローラ12だけをリリースさせる
ようにしている。このようにすると、カム軸35に余計
な負荷をかけずにすむため、安定的かつ確実にリリース
させることができる。
【0052】なお、このときのリミットスイッチ24
1、242は共にオフとなり、本体101の前面に配設
されている図1に示すランプ106、107が点滅す
る。
【0053】次に、図8の状態、すなわち操作レバー2
01が位置Dから位置Bに位置決めされたときは、第1
欠歯歯車211の図示矢印b2方向の回転により、第2
欠歯歯車212と共に第4欠歯歯車214が図示矢印c
2方向に回転し、さらに第5欠歯歯車215が図示矢印
d2方向に回転する。これにより、各リンク231〜2
35が図示矢印e2方向に旋回するので、図9に示すよ
うに、記録ヘッド100は図示矢印f2方向に移動、す
なわち下降する。
【0054】このときの記録ヘッド100は、例えば厚
紙のばらつきを含めた厚さが約0.7mm〜1.5mm
であるため、図5の普通紙のときの位置から約1.5m
m程度あけた位置となるように移動調整される。また、
同時に、図8に示すように、第3欠歯歯車213が図示
矢印g2方向に回転し、図9に示すように、コイルバネ
205がD軸213aに押されるようになるので、従動
ローラ202は図示矢印m2方向に旋回して主動ローラ
203との間に送られてきた厚紙PPを押圧するように
D軸213aに押されているコイルバネ205の弾性力
が印加される。
【0055】操作レバー201が位置Bに移行すると、
第6リンク311のピン313はU字型受け部317と
U字形状の底部分で係合しながら、図14に示すように
ガイド溝315に沿って円周方向にガイド溝315の円
弧部315bと直線部315aの境界付近にまで移動
し、これに伴ってピン313と係合しているU字型受け
部317もr1方向に回動する。U字型受け部317の
回動に同調してカム軸35が回動する結果、カム31は
カムフォロア23との当接を解消し、小ホルダ22の先
端側は棒バネ33の押圧力によって押し下げられ、普通
紙や厚紙などの記録媒体と接触可能な通常位置まで復帰
する[図15(a)参照]。
【0056】なお、このときのリミットスイッチ241
はオフ、リミットスイッチ242はオンとなり、本体1
01の前面に配設されている図1に示すランプ106が
点滅し、ランプ107が点灯する。
【0057】次に、図10の状態、すなわち操作レバー
201が位置Dから位置Cに位置決めされたときは、第
1欠歯歯車211の図示矢印b2方向の回転により、第
2欠歯歯車212と第4欠歯歯車214が図示矢印c2
方向に回転し、第3欠歯歯車213が図示矢印g2方向
に回転する。その結果、図11に示すように、コイルバ
ネ205がD軸213aに押されるようになるので、従
動ローラ202は図示矢印m2方向に旋回して主動ロー
ラ203との間に送られてきた極厚紙PPPを押圧する
ようにD軸213aに押されているコイルバネ205の
弾性力が印加される。
【0058】一方、操作レバー201の位置Dと位置C
との切替では、第5欠歯歯車215は第4欠歯歯車21
4と連動しないため、リンク231〜235は移動せ
ず、記録ヘッド100は移動しない。従って、記録ヘッ
ド100は、図5の普通紙のときの位置から約2.8m
m程度変位した位置に維持される。また、第6リンク3
11も変位しないため、ピン313とU字型受け部31
7との係合状態も図13と同じであり、歯付きローラ1
2は待避位置のまま維持される。
【0059】このときのリミットスイッチ241はオ
フ、リミットスイッチ242はオンとなり、本体101
の前面に配設されている図1に示すランプ106が点滅
し、ランプ107が点灯する。
【0060】以上のように、本実施形態のインクジェッ
トプリンタでは、操作レバー201の切替により、ペー
パーギャップを位置Aでは通常用紙、位置Bでは厚紙、
位置CではCD−Rトレイの3段階に切替るとともに、
歯付きローラ12を位置AおよびBではリリースさせ
ず、位置Cおよび位置D(従動ローラ離間)ではリリー
スさせるように構成されている。そして、ペーパーギャ
ップ切替手段200Aと連動させながら必要なタイミン
グでのみ歯付きローラ12をリリースさせるため、直線
部315aおよび円弧部315bからなるガイド溝31
5と、U字型受け部317を用いている。つまり、操作
レバー201の位置Aから位置Bへの切り替えでは、ペ
ーパーギャップ切替手段200Aの動きをピン313の
直線部315aの移動として逃がしてU字型受け部31
7の回動には変換させず、位置Bから位置Cへの切り替
えで、ピン313が円弧部315bを移動するようにし
て、ペーパーギャップ切替手段200Aの動きをU字型
受け部317の回動に変換し、カム機構を作動させてい
る。
【0061】なお、以上のペーパーギャップ切替手段2
00Aにおいて、CD−Rを印刷する際に誤ってペーパ
ーギャップを通常(操作レバー201が位置A)または
厚紙(操作レバー201が位置B)の設定にした場合に
は、CD−Rトレイが別途設けられている紙厚検出手段
により厚さエラーとなり、印刷できないようになってい
る。
【0062】このように、本実施形態のインクジェット
プリンタは、記録ヘッド100を移動させて、間隔の異
なるペーパーギャップを切り替えるペーパーギャップ切
替手段200Aと、歯付きローラ12を変位させて通常
位置と待避位置とを切り替える歯付きローラのリリース
手段200Dと、従動ローラ220に対し圧力を印加あ
るいは解放し、厚さが異なる記録媒体に対する押圧力を
調整する従動ローラ離間手段200Bとの3系統の駆動
操作の切り替えを、操作手段200Cを構成する1本の
操作レバー201で実現することができるので、確実か
つ高精度な切り替え操作を行うことができる。
【0063】すなわち、1本の操作レバー201の操作
により、第2欠歯歯車212及び第3欠歯歯車214を
介してペーパーギャップ切替手段200Aによる記録ヘ
ッド100の異なる間隔のペーパーギャップの設定、こ
のペーパーギャップ設定に連動して歯付きローラ12を
変位させて通常位置から待避位置へ切り替える歯付きロ
ーラのリリースとその復帰、及び従動ローラ離間手段2
00Bによる従動ローラ202の圧力の印加と、従動ロ
ーラ離間手段200Bによる従動ローラ202の圧力の
解放との段階的な切り替えをスムーズに行うことができ
る。さらに、操作手段200C、ペーパーギャップ切替
手段200A、歯付きローラのリリース手段200D及
び従動ローラ離間手段200Bを、ギア機構、リンク機
構およびカム機構という簡易な構成で実現できる。
【0064】本実施形態に係るインクジェットプリンタ
は、前記ペーパーギャップ切替手段と連動した歯付きロ
ーラのリリース手段(以下、「第1のリリース手段」と
記すことがある)200Dに加え、ユーザーの使用目的
に応じて通常用紙や厚紙の印刷時にも、歯付きローラ1
2をリリースさせることが可能なリリース手段(以下、
「第2のリリース手段」と記す)を備えている。以下、
図16から図20を参照しながら第2のリリース手段に
ついて説明する。
【0065】第2のリリース手段は、前記第1のリリー
ス手段200Dと独立して歯付きローラ12をリリース
させ得るものであり、本実施形態では図16に例示する
プレート80を利用する。
【0066】プレート80は、例えばSUSなどの材質
の平板であり、図17に示すように排紙フレーム2に小
ホルダ22の下側から装着される。プレート80前部
(図16の上側)には、7箇所のフック83が形成さ
れ、前後にスライド可能に主ホルダ21と係合してい
る。同様に、4箇所の掛合部82は、排紙フレーム2に
形成された爪(図示せず)と、前後にスライド可能な状
態で係合している。プレート80は、2箇所の位置決め
部87が排紙フレーム2のスリットに挿入され、左右の
位置が規定されて装着される。第1のリリース手段と異
なり、第2のリリース手段では、全ての歯付きローラ1
2を揺動させるようにプレート80の幅を配列された歯
付きローラ12の幅に対応するようにしてある。プレー
ト80を装着した場合に排出ローラ60(図19参照)
に対応する位置には大開口部88が設けられており、ま
た、歯付きローラ12が待機位置まで揺動した場合に、
小ホルダ22の基端部側の先端が逃げ込めるように小開
口部89が形成されている。さらに、複数の小突部84
が、プレートの高さ方向の位置決めとスライド時の摺接
面を形成している。
【0067】プレート80は排紙フレーム2下面の排紙
経路側に装着されるため、プレート80の先端、すなわ
ち記録部で印刷され、排紙されてくる記録媒体に対向す
る側の一辺87は波形に形成されており、万一記録媒体
がカールなどによってプレート80まで跳ね上がって移
送されてきた場合でも、この波形辺87で紙先端を受け
流すようにして引っ掛かりを回避するため、紙ジャムや
紙詰まりの発生を防止できるようになっている。
【0068】図18は、第2のリリース手段により、歯
付きローラ12をリリースする動作を説明する図面であ
る。図18(a)は歯付きローラ12が通常位置にある
状態を示し、この位置からプレート80を前方(図18
の紙面に向って右方向)へスライドさせると、同図
(b)に示すようにプレート80の上面が小ホルダ22
の底部に摺接することにより、支持部24を支点に小ホ
ルダ22の先端側を上方に揺動させる。この揺動により
歯付きローラ12は待避位置までリリースする。第2の
リリース手段における揺動幅(歯付きローラ12の変位
量)は、以下に述べる理由により、図15で説明した第
1のリリース手段200Dにおけるカム機構による揺動
幅よりも小さな、例えば1mm程度の揺動幅となるよう
に設定されている。第1のリリース手段200Dでは、
歯付きローラ12のリリース動作はペーパーギャップ切
替手段200Aと連動しており、リリース時の変位幅も
ペーパーギャップ調整と同じ幅に設定されている。この
ため、歯付きローラ12のリリース時には、ペーパーギ
ャップも必ず大きな状態にあり、必然的に同じ幅でキャ
リッジも上位置に変位している。これに対し、第2のリ
リース手段では、ペーパーギャップ調整とは全く無関係
に、例えばペーパーギャップを最小の状態にしたまま歯
付きローラ12を独立してリリースさせることができる
ため、歯付きローラ12の変位量があまりに大きいと、
待避位置の歯付きローラ12が、最小ペーパーギャップ
の状態で低位置を往復移動するキャリッジと衝突して正
常な印刷を妨げるおそれがある。このため、本実施形態
では第2のリリース手段の変位量を例えば1mm程度に
設定して、低位置のキャリッジとの接触を回避してい
る。
【0069】図19は、インクジェットプリンタの排紙
装置の要部平面図であり、第2のリリース手段における
操作部90を説明するためのものである。この操作部9
0は、インクジェットプリンタの正面中央部付近におい
て、第2の操作レバー91がインクジェットプリンタの
前方から容易に視認でき、かつ操作できる位置まで突出
して設けられており、この第2の操作レバー91を左右
に揺動させることにより、第2のリリース手段の切替が
できるように構成されている。より具体的には、操作部
90は、支持部93を支点に回動可能に排紙フレーム2
に装着されており、支持部93から少し離れた位置の係
合部92には、下方に向けて係合突起(図示せず)が設
けられ、排紙フレーム2のガイド孔86を介し、プレー
ト80の係合孔81に挿入されている。第2の操作レバ
ー91が基準位置にある図19の状態から紙面に向って
右に揺動させると、支持部93を支点にして係合突起が
排紙フレーム2のガイド孔86を介し下側に装着された
プレート80を前方にスライドさせ、歯付きローラ12
を待避状態にする[図18(b)]。逆にこの状態(第
2の操作レバー91の離間位置)から第2の操作レバー
91を紙面に向って左に基準位置まで揺動させると、支
持部93を支点にして係合突起がプレート80を後方に
スライドさせ、歯付きローラ12を通常位置に戻すよう
になっている[図18(a)]。
【0070】図20は、本実施形態に係るインクジェッ
トプリンタを正面上方からみた斜視図であり、排紙トレ
イ109を展開した状態を示している。この排紙トレイ
109には、該トレイ109を閉じた場合に第2の操作
レバー91に対応する位置に、第2の操作レバー91を
基準位置(図20の紙面に向って左側位置)に復帰させ
る復帰手段94が設けられている。復帰手段94として
は、排紙トレイ109上面の一部を、排紙トレイ109
を閉じた状態で離間位置にある第2の操作レバー91に
接触し、かつレバーが基準位置91に戻った場合には接
触しないような角度で小摩擦係数の傾斜面として形成し
ている。この傾斜面は、排紙トレイ109の上面全面と
してもよく、また、例えば円弧状に湾曲傾斜した面でも
よい。ユーザーが第2の操作レバー91を歯付きローラ
12の離間位置(図20の紙面に向って右側位置)にし
たままで排紙トレイ109を閉じようとした場合には、
第2の操作レバー91の先端が、復帰手段94としての
傾斜面に当接するため、閉動作時の押圧力を利用して第
2の操作レバー91の先端部を傾斜面に沿って滑らせ、
歯付きローラ12の基準位置まで揺動させて自動復帰さ
せることができる。排紙トレイ109の閉動作の押圧力
を効率よく復帰動作に変換できるように、必要に応じて
第2の操作レバー91の先端に回転構造を設けてもよ
い。
【0071】また、復帰手段94の別の例としては、イ
ンクジェットプリンタの電源をONにした段階で駆動さ
れるキャリッジ105の初期動作時に第2の操作レバー
と係合可能となるような構造にしておき、初期動作にお
けるキャリッジの往復移動に連関して第2の操作レバー
91を基準位置に戻すような機構も採用可能である。
【0072】本実施形態のインクジェットプリンタは、
キャリッジ105の主走査方向での移動位置検出手段で
あるリニヤスケールを、前記ペーパーギャップ切替手段
によるペーパーギャップ調整に連動して変位可能にして
いる。以下、このリニヤスケールの連動機構について図
21から図24に基づいて説明する。
【0073】図21は、本実施形態のインクジェットプ
リンタに保持具510を装着した状態を示す要部斜視図
であり、図22は、図21の保持具510周辺の要部断
面図である。
【0074】キャリッジガイド軸502は左右のサイド
フレーム501に偏心機構530を介して上下方向に変
位可能に支持されている。偏心機構530としては、偏
心軸を採用することも可能であるが、ここでは、偏心機
構530として、偏心ブッシュが用いられている。この
偏心ブッシュを用いることにより、キャリッジガイド軸
502として、断面同心円状の軸体を使用できるととも
に、キャリッジガイド軸502自体の径を大きくするこ
となく変位距離を長くすることができるので、キャリッ
ジの変位幅を広げることが可能になり、ペーパーギャッ
プ調整の自由度が高くなる。
【0075】保持具510の形状は、キャリッジガイド
軸502とリニヤスケール504とを連動させることが
可能な限り任意であるが、この態様では平板状の部材を
使用しており、やや幅広に形成した下部においてキャリ
ッジガイド軸502と係合し、上部にリニヤスケール5
04の取り付け部513を設け、両部位の中間は略垂直
に下方から上方へ立ち上がり、サイドフレーム501の
壁面と面で当接する立ち上がり部512を有している。
この保持具510は、キャリッジガイド軸502との係
合部において、キャリッジガイド軸502の小径軸50
3の外周に対応する略半円状の軸受形状部を有し、この
軸受形状部にキャリッジガイド軸502の小径軸503
を嵌装するようにキャリッジガイド軸502と係合して
いる。保持具510の前記軸受形状部は、キャリッジガ
イド軸502の回動を妨げない程度にキャリッジガイド
軸502の外周より大きく、かつキャリッジガイド軸5
02の変位動作中に保持具510が外れることなくキャ
リッジガイド軸502と同調して移動できるように形成
されている。また、キャリッジガイド軸502との係合
部分には、皿バネ551を挟持させ、保持具510をサ
イドフレーム501に押し付けるように付勢している。
【0076】また、キャリッジガイド軸502と係合す
る周辺の保持具510の形状は、断面略逆コの字型に形
成されており、当該逆コの字状の上側と下側はサイドフ
レーム501に当接するが、該係合部分周囲の板状平面
はサイドフレーム501の壁面から離間するように離間
形状部511を形成している。この離間形状部511に
より、サイドフレーム501に嵌合した偏心機構530
を跨ぐような形でキャリッジガイド軸502に係る負荷
をサイドフレーム501に逃がし、偏心機構530への
負担を軽減するように構成されている。
【0077】すなわち、キャリッジガイド軸502には
キャリッジの主走査方向への往復移動にともなう水平方
向の負荷と、キャリッジの自重および偏心機構530に
よる上下変位にともなう垂直方向の負荷がかかり、これ
らの負荷はキャリッジガイド軸502を両端で軸支する
偏心機構530に集中してしまうため、前記保持具51
0の離間形状部511により負荷を構造部材であるサイ
ドフレーム501に逃がすことにより、偏心機構530
にかかる負担を軽減している。
【0078】リニヤスケール504の取り付け部513
は、下方から立ち上がるように装着された保持部510
の上部において、保持具510の平板面に対し略直角を
なすように(すなわち、テープ状のリニヤスケール50
4と平行になるように)折り曲げて形成した部分であ
り、当該折り曲げて設けた取り付け部の一部分をさらに
略直角に2回折り曲げることによって、いわゆるフック
形状の係合用の鉤部514を形成している。この鉤部5
14を、リニヤスケール504端部の係合用穴に引っ掛
けるようにして、リニヤスケール504を取りつけてい
る。
【0079】図23は同じ実施態様の記録装置におけ
る、図21とは反対側のサイドフレーム501部分に装
着した保持具510の状態を示す要部斜視図である。保
持具510の基本的な構成は、図21および図22と同
様であり、平板状の部材を用いて形成され、下部にサイ
ドフレーム501と離間する離間形状部511(こちら
の側では、断面略コの字形である)が設けられ、この部
分でキャリッジガイド軸502と係合している。図23
では図21と異なり、リニヤスケール504は保持具5
10に直接取り付けるのではなく、保持具510に装着
した板バネ520に取り付けている。すなわち、保持具
510の中央付近には、開口穴が形成されており、この
開口穴に板バネ520が挿着されている。この板バネ5
20は下部において図示しない手段によって保持具51
0に係止されており、キャリッジガイド軸502および
保持具510と同じ軌跡で上下に変位可能に取り付けら
れている。板バネ520の上部には、板バネ520の平
板面に対し略直角をなすように(すなわち、テープ状の
リニヤスケール504と平行になるように)折り曲げて
形成したリニヤスケール504の取り付け部が設けてあ
り、図21のリニヤスケール504の取り付け部513
と同様に、リニヤスケール504取り付け用の鉤部を形
成してあり、この鉤部をリニヤスケール504端部の係
合用穴に引っ掛けるようにして、リニヤスケール504
を取りつけている。このように保持具510に挿着した
板バネ520にリニヤスケール504の取り付け部を設
け、この取り付け部にリニヤスケール504を取り付け
ることにより、板バネ520の付勢力を利用して張力を
付与したままリニヤスケール504を保持できる。この
態様では、板バネ520は保持具510と別部品で形成
したが、保持具510の一部分を弾性変形可能に設け
て、板バネ520と同じ付勢作用を得ることも可能であ
る。
【0080】図23の保持具510の上部は、保持具5
10の平板面に対し略直角をなすように(すなわち、テ
ープ状のリニヤスケール504と平行になるように)折
り曲げることにより、リニヤスケール504の高さ方向
の位置決め部515を設けてある。当該折り曲げて設け
た位置決め部515には、その一部分をさらに略直角に
折り曲げることによって突片516が形成され、この突
片516をリニヤスケール504に設けた高さ位置決め
用穴に挿入することにより、上下位置がずれないように
リニヤスケール204の高さを規定できるようにしてい
る。
【0081】図22および図24に示すように、保持具
510の、下方から略垂直に立ち上がる平板状の立ち上
がり部512には突起部521が設けてあり、この突起
部521は、サイドフレーム501に形成されたガイド
穴541とともに、保持具510を上下に移動させる際
の軌跡を規定するガイド構造を形成している。このガイ
ド穴541の下半分の形状はキャリッジガイド軸502
の変位軌跡と同じ軌跡になるように形成されているた
め、ガイド穴541に嵌め込まれた突起部521は、変
位動作時にガイド穴541内をキャリッジガイド軸50
2と同じ軌跡で誘導される。従って、保持具510に取
りつけたリニヤスケール504がキャリッジガイド軸5
02、延いてはキャリッジと同じ軌跡で移動することに
なり、リニヤスケール504とキャリッジとの相対的な
位置を確保した状態での変位を可能にする。また、突起
部521の先端側は断面T字型に形成されており、ガイ
ド穴541からの抜け止め作用部522として機能す
る。なお、ガイド穴541の上部は下部の軌跡形状に比
べて広く形成してあり、保持具510を装着する時にこ
のガイド穴541上部より突起部521を挿入すること
により、突起部521のガイド穴541への嵌め込みが
容易にできるようになっている。さらに、突起部521
は、ガイド穴541内でのガタを防止するためのガタ防
止バネ552によってサイドフレーム501に連結して
あり、安定した状態でガイド穴41内を案内される。
【0082】以上を踏まえ、本実施態様におけるリニヤ
スケール連動機構の動作を説明する。
【0083】リニヤスケール504は、保持具510
(もしくは保持具510に装着された板バネ520)に
取り付けられており、この保持具510はペーパーギャ
ップ調整を行うために偏心機構530を備えたキャリッ
ジガイド軸502の変位に同調して上下に変位するた
め、結果としてリニヤスケール504はキャリッジガイ
ド軸502と連動して上下に変位する。
【0084】以上説明したように、偏心機構530を採
用したキャリッジガイド軸502に、リニヤスケール5
04の保持具510を同調可能に装着した結果、キャリ
ッジガイド軸502とリニヤスケール504とが連動し
て変位することになり、一つの切替え操作のみで、ペー
パーギャップの調整とリニヤスケール504の位置を変
化させることが可能になる。偏心機構530としては、
上記の偏心ブッシュに限らず、偏心軸等の公知の機構を
採用できる。
【0085】以上、本発明を種々の実施形態に関して述
べたが、本発明は以上の実施形態に限られるものではな
く、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の
実施形態についても適用されるのは勿論である。例え
ば、ペーパーギャップ切替手段200A(および歯付き
ローラのリリース手段200D)と従動ローラ離間手段
200Bとの駆動操作の切り替えを行う第2欠歯歯車2
12及び第3欠歯歯車214は、別個に製作して同軸と
なるように接合してもよく、あるいは予め一体で製作し
てもよい。
【0086】また、上述した実施形態では、操作レバー
201の切替位置は、厚さが普通の記録媒体、すなわち
普通紙等を使用する位置Aと、厚さがやや厚手の記録媒
体、すなわち厚紙を使用する位置Bと、厚さがかなり厚
手の記録媒体、すなわち情報記録ディスク用トレイも含
む極厚紙を使用する位置Cと、従動ローラ202が主動
ローラ203から離間している位置Dの4段階が連設さ
れた場合を説明したが、これに限定されるものではな
く、第1のペーパーギャップを設定する位置Pと、少な
くとも第1のペーパーギャップより大きい第2のペーパ
ーギャップを設定する位置Qと、従動ローラ202が主
動ローラ203から離間している位置Rの3段階が連設
された場合であれば本発明を適用することができる。
【0087】また、連設された切替位置はA、B、C、
Dの順に限られるものではなく、任意の順で本発明を適
用することができる。例えば、上記切替位置P、Q、R
の場合は、切替位置P、Q、Rの場合、切替位置R、
P、Qの場合、切替位置P、R、Qの場合が適用でき
る。
【0088】また、上記実施形態では第1のリリース手
段200Dにおいて、カム31とカムフォロア23から
なるカム機構を、また第2のリリース手段においてはプ
レート80のスライド機構を、それぞれ利用している
が、同様の目的が達成できる他の機構を採用することも
可能である。
【0089】さらに、従動ローラ離間手段200Bでの
従動ローラ202の押圧手段としてはコイルバネ20
5、305に限定されるものではなく、ゴム等の弾性部
材であれば適用可能である。また、D軸213aを鋭角
の扇状に形成すれば、操作レバー201の操作角度を大
きくとることができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットプリンタによれば、操作手段のみの操作でペ
ーパーギャップ切替手段と歯付きローラのリリース手段
を動作させることができるので、ペーパーギャップ切替
とリリースを一つの操作でスムーズに行うことが可能と
なり、ユーザーの使い勝手を向上させることができる。
また、操作手段、ペーパーギャップ切替手段及び歯付き
ローラ切替手段の構造が簡易なものとなるので、設計が
容易となって設計ミスを減少させることができると共
に、製造や組立のコスト及び工数を低減させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェットプリ
ンタの構成例を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタを斜め後方から
見た斜視図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタの操作手段とペ
ーパーギャップ切替手段、歯付きローラリリース手段及
び従動ローラ離間手段の関係を示すブロック構成図であ
る。
【図4】図1のインクジェットプリンタのペーパーギャ
ップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ
離間手段の第1の状態の詳細例を示す側面図である。
【図5】図1のインクジェットプリンタのペーパーギャ
ップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ
離間手段の第1の動作例を示す側面図である。
【図6】図1のインクジェットプリンタのペーパーギャ
ップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ
離間手段の第2の状態の詳細例を示す側面図である。
【図7】図1のインクジェットプリンタのペーパーギャ
ップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ
離間手段の第2の動作例を示す側面図である。
【図8】図1のインクジェットプリンタのペーパーギャ
ップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ
離間手段の第3の状態の詳細例を示す側面図である。
【図9】図1のインクジェットプリンタのペーパーギャ
ップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ローラ
離間手段の第3の動作例を示す側面図である。
【図10】図1のインクジェットプリンタのペーパーギ
ャップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ロー
ラ離間手段の第4の状態の詳細例を示す側面図である。
【図11】図1のインクジェットプリンタのペーパーギ
ャップ切替手段/歯付きローラリリース手段/従動ロー
ラ離間手段の第4の動作例を示す側面図である。
【図12】図4の状態における歯付きローラリリース手
段を説明する要部斜視図である。
【図13】図6および図10の状態における歯付きロー
ラリリース手段を説明する要部斜視図である。
【図14】図8の状態における歯付きローラリリース手
段を説明する要部斜視図である。
【図15】歯付きローラリリース手段の動作を説明する
ための図面であり、(a)は通常位置、(b)は待避位
置である。
【図16】第2のリリース手段のスライド機構に用いる
プレートの説明に供する平面図である。
【図17】図16のプレートを装着した状態の説明に供
する図面である。
【図18】第2のリリース手段の動作を説明するための
図面であり、(a)は通常位置、(b)は待避位置であ
る。
【図19】第2のリリース手段の操作部を説明するため
の図面である。
【図20】第2のリリース手段の復帰手段を説明するた
めの図面である。
【図21】図1のインクジェットプリンタのリニヤスケ
ール連動機構の説明に供する要部斜視図である。
【図22】図1のインクジェットプリンタのリニヤスケ
ール連動機構の説明に供する要部断面図である。
【図23】図1のインクジェットプリンタのリニヤスケ
ール連動機構の説明に供する要部斜視図である。
【図24】図1のインクジェットプリンタのサイドフレ
ーム外側の状態を示す要部側面図である。
【図25】一般的なインクジェット記録装置の記録部付
近の構成の説明に供する図面である。
【符号の説明】
2 排紙フレーム 11 排紙駆動ローラ 12 歯付きローラ 13 歯 14 軸体 21 主ホルダ 22 小ホルダ 23 カムフォロア 24 支持部 28 傾斜面 31 カム 33 棒バネ 35 カム軸 51 記録部 60 排出ローラ 80 プレート 81 係合孔 82 掛合部 83 フック 84 小突部 85 波形辺 86 ガイド孔 87 位置決め部 88 大開口部 89 小開口部 90 操作部 91 操作レバー 92 係合部 93 支持部 94 復帰手段 100 記録ヘッド 101 本体 101a カバー 102 排紙口 103 給紙口 104 トレイ 105 インクカートリッジ 106 ランプ 107 ランプ 109 排紙トレイ 110 スリット 200 ペーパーギャップ切替手段/歯付きローラ
リリース手段/従動ローラ離間手段 200A ペーパーギャップ切替手段 200B 従動ローラ離間手段 200C 操作手段 200D 歯付きローラリリース手段 201 操作レバー 202 従動ローラ 203 紙送りローラ 204 従動ローラアーム 205 コイルバネ 211 第1欠歯歯車 212 第2欠歯歯車 213 第4欠歯歯車 214 第3欠歯歯車 215 第5欠歯歯車 213a D軸 222 ラチェット 231 第1リンク 232 第2リンク 233 第3リンク 234 第4リンク 235 第5リンク 241 リミットスイッチ 242 リミットスイッチ 243 エンコーダ 311 第6リンク 313 ピン 315 ガイド溝 315a 直線部 315b 円弧部 317 U字型受け部 501 サイドフレーム 502 キャリッジガイド軸 503 小径軸 504 リニヤスケール 510 保持具 511 離間形状部 512 立ち上がり部 513 取り付け部 514 鉤部 515 位置決め部 516 突片 520 板バネ 521 突起部 522 抜け止め作用部 530 偏心機構 531 ペーパーギャップ調整ブッシュ 532 平行度調整ブッシュ 533 係止部 541 ガイド穴 542 装着用穴部 543 係止手段 551 皿バネ 552 ガタ防止バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊井 英司 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 浮田 衛 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 磯野 正博 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EB11 EB36 FA10 HA12 HA29 HA34 HA38 2C059 BB02 BB07 BB10 BB12 BB13 BB25 2C062 RA01 2C064 DD01 DD04 DD13 3F049 AA10 CA02 DA11 DA12 DB02 LA01 LB03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッ
    ドと、 該記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動可能に設
    けられたキャリッジと、 前記記録ヘッドへ向けて、記録媒体を挟持して送り出す
    主動ローラおよび従動ローラからなる紙送りローラと、 前記記録ヘッドの下流側に配置され、記録媒体の記録面
    に接触しつつ記録媒体の送り力によって従動回転する歯
    付きローラと、を有するインクジェット記録装置であっ
    て、 前記記録ヘッドを変位させることにより、該記録ヘッド
    と記録媒体との距離を切り替えるペーパーギャップ切替
    手段と、 前記歯付きローラを変位させることにより、該歯付きロ
    ーラが記録媒体に接触する通常位置と、記録媒体に接触
    しない待避位置とを切り替える、歯付きローラのリリー
    ス手段と、を備え、 前記リリース手段を、前記ペーパーギャップ切替手段に
    連動するようにしたことを特徴とする、インクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記歯付きローラ
    は、基端側を支点にして先端側が上下に揺動可能な構造
    のホルダに保持されており、 前記リリース手段は、固定された回動軸に設けられたカ
    ムを回動させて前記ホルダの基端側のカムフォロアに当
    接および当接解除させるカム機構により、前記ホルダの
    揺動を利用して歯付きローラの通常位置と待避位置とを
    切り替えるものである、インクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ペーパーギャッ
    プ切替手段が、 通常印刷時における第1のペーパーギャップと、前記第
    1のペーパーギャップより大きい第2のペーパーギャッ
    プと、さらに前記第2のペーパーギャップより大きい第
    3のペーパーギャップと、に切り替え可能に設けられ、 前記リリース手段を、前記第2のペーパーギャップと前
    記第3のペーパーギャップとの切り替えに連動するよう
    にしたことを特徴とする、インクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記リリース手段
    は、 一端においてヒンジ構造により前記ペーパーギャップ切
    替手段と接続し、他端には突起部を有する連結アーム
    と、 前記回動軸に付設され、前記突起部と係合することによ
    り前記連結アームの運動を受けて回動軸を回動させる受
    け部と、 前記連結アームの突起部における運動軌跡を規定するガ
    イド構造と、を有し、 前記第1のペーパーギャップと前記第2のペーパーギャ
    ップとの切り替えにおいては、前記ガイド構造が前記連
    結アームの突起部を直線運動させることにより前記カム
    機構を作用させず、 前記第2のペーパーギャップと前記第3のペーパーギャ
    ップとの切り替えにおいては、前記ガイド構造が前記連
    結アームの突起部を円運動させることにより、前記回動
    軸を回動させて前記カム機構を作用させるようにしたこ
    とを特徴とする、インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、記録媒体の幅方向に
    配列された複数の歯付きローラの中で、前記リリース手
    段により変位させる歯付きローラを、前記受け部側から
    所定の幅に偏倚して設けたことを特徴とする、インクジ
    ェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のいずれか1項におい
    て、前記歯付きローラの変位量を、前記記録ヘッドの変
    位量と略一致させたことを特徴とする、インクジェット
    記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項におい
    て、さらに、前記キャリッジの主走査方向における位置
    検出手段であるリニヤスケールを前記ペーパーギャップ
    切り替え手段に連動して変位可能に設けたことを特徴と
    する、インクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項3から7のいずれか1項におい
    て、さらに、前記従動ローラを前記主動ローラから離間
    させる従動ローラの離間手段を備え、 該離間手段による前記従動ローラの離間動作を、前記第
    3のペーパーギャップにおいて行うようにしたことを特
    徴とする、インクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記ペーパーギャッ
    プの切替および前記従動ローラの離間を一つの操作部で
    行うとともに、 該操作部に、前記第1のペーパーギャップと、前記第2
    のペーパーギャップと、前記第3のペーパーギャップ
    と、前記従動ローラの離間動作と、の4段階の切替位置
    を連設したことを特徴とする、インクジェット記録装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7281870B2 (en) 2004-06-09 2007-10-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1323847C (zh) * 2003-09-10 2007-07-04 精工爱普生株式会社 喷液装置
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