JPH09150565A - シリアルプリンタ - Google Patents

シリアルプリンタ

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JPH09150565A
JPH09150565A JP31275395A JP31275395A JPH09150565A JP H09150565 A JPH09150565 A JP H09150565A JP 31275395 A JP31275395 A JP 31275395A JP 31275395 A JP31275395 A JP 31275395A JP H09150565 A JPH09150565 A JP H09150565A
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Mitsuharu Shishido
満春 宍戸
Kazuaki Ikeda
和昭 池田
Satoru Kawasaki
悟 川崎
Koichi Kimura
光一 木村
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Seikosha KK
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Seikosha KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光反射率の低い着色紙やピントラクタとの係
合用の孔が幅方向両端部に穿設された連続紙等を用いて
も用紙幅を誤りなく検出できるようにし、用紙幅の検出
性能を向上する。 【解決手段】 印字ヘッド31をプラテン35に接離さ
せる接離機構が設けられ、印字ヘッド31がプラテン3
5に沿う複数の移動位置でプラテン35に接離するよう
に印字ヘッド31の移動および接離機構の駆動を制御
し、各移動位置にて印字ヘッド31がプラテン35に接
近したときの印字ヘッド31の変位量の変化に基づいて
用紙幅を検出するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、印字ヘッドを用紙送り方
向と直交する方向へプラテンに沿って移動させて印字を
行なうシリアルプリンタに関し、詳しくは用紙幅検出機
能を備えたシリアルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】シリアルプリンタでは、印字ヘッドに反
射型の光センサを搭載し、印字ヘッドを光センサと共に
プラテンに沿って移動させて当該移動時の光センサの出
力変化に基づいて用紙幅を検出するようにしたものがあ
る。すなわち、用紙に光を照射すると、光が反射すると
いう用紙の特性に鑑み、用紙幅を光センサの出力変化に
基づいて光学的に検出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造では、用紙幅を光学的に検出する構成であるの
で、光反射率の低い着色紙やピントラクタとの係合用の
孔が幅方向両端部に穿設された連続紙等を用いたときに
用紙幅を誤検出するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明に係るシリアルプリンタでは、用紙幅を機
械的に検出する手段を設けている。そのため、光反射率
の低い着色紙やピントラクタとの係合用の孔が幅方向両
端部に穿設された連続紙等を用いても、用紙幅を誤りな
く検出でき、用紙幅の検出性能が向上する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に係るシリアルプリンタで
は、印字ヘッドをプラテンに接離させる接離機構と、印
字ヘッドがプラテンに沿う複数の移動位置でプラテンに
接離するように印字ヘッドの移動および接離機構の駆動
を制御し各移動位置にて印字ヘッドがプラテンに接近し
たときの印字ヘッドの変位量の変化に基づいて用紙幅を
検出する用紙幅検出手段とを有するものである。接離機
構は印字ヘッドとプラテンとのギャップ調整機構を兼ね
るものであることが望ましい。
【0006】
【実施例】本発明が適用されたシリアルプリンタでは、
図1乃至図4に示されるように外装ケース1の内部に右
側板11(図5に図示)と左側板12とが相互に対向す
るように立設支持されている。外装ケース1には、前面
(図1左側)に前カバー13および前カバー13の内側
に位置する仕切カバー14が開閉自在に設けられている
とともに、上面に上カバー15が開閉自在に設けられて
いる。また、上カバー15の後方には、切換えカバー1
6が揺動自在に設けられているとともに後カバー17が
着脱自在に設けられている。後カバー17は外装ケース
1の背面(図3,4の右方)に配置されている。後カバ
ー17の内側には、左右側板11,12の内面に突設さ
れたガイドピン18,19が相互に対向するように設け
られ、後カバー17の取り外しにより、図1および図2
に示されるようにガイドピン18,19にカットシート
フィーダ(CSF)21または後トラクタ22を選択的
に係合して搭載できるようになっている。CSF21ま
たは後トラクタ22には、ガイドピン18,19に係合
可能なガイド溝21a,21bまたは22a,22bが
設けられている。また、前カバー13の揺動中心となる
下端部の背後には、前トラクタ23が軸23aを中心と
して揺動自在に設けられている。
【0007】そして、以下の4つのモードにて使用でき
るようになっている。第1の使用モードとしては、図1
に示されるように前カバー13を開放し、その内部に折
り畳み自在に設けられている2枚の用紙受け13aを立
設するとともに前トラクタ23を右下がりに揺動した状
態において、カットシートP1 を後側のCSF21から
給送して印字装置3により印字する使用モードである。
第2の使用モードとしては、図2に示されるように前カ
バー13を開放するとともに前トラクタ23を水平にし
た状態において、両側縁部にその側縁に沿って後トラク
タ22との係合用の送り孔が整列する耳部を有する連続
紙P2 を後トラクタ22から給送して印字装置3により
印字する使用モードである。第3の使用モードとして
は、図3に示されるように前カバー13を開放するとと
もに前トラクタ23を水平にした状態において、カット
シートP3 を前カバー13上から1枚1枚手差しにて給
送して印字装置3により印字する使用モードである。第
4の使用モードとしては、図4に示されるように前トラ
クタ23を右上がり揺動した状態において、両側縁部に
その側縁に沿って前トラクタ23との係合用の送り孔が
整列する耳部を有する連続紙P4 を前カバー13の下方
の挿入口1bを通して前トラクタ23により給送して印
字装置3により印字する使用モードである。CSF21
としては、用紙幅の異なるカットシートP1 であっても
給送できる構成のものが適用され、前トラクタ23や後
トラクタ22としては用紙幅の異なる連続紙P2 、P4
や図10および図11に示されるように複数枚の用紙を
重ね合わせた状態で両側縁部でファスナー部Paによっ
て綴じてある連続紙P2 、P4 (例えば、ノンカーボン
紙を複数枚重ねたものであって、両側縁部がファスナー
によって位置ずれしないように綴じてあるもの)であっ
ても給送できる構成のものが適用されており、必要に応
じて用紙幅の異なる用紙P1 、P2 、P3 、P4 や複数
枚の用紙を重ね合わせた状態で両側縁部でファスナー部
Paによって綴じてある連続紙P2 、P4 にも印字でき
るようになっている。
【0008】右側板11と左側板12との間には、印字
装置3が設けられ、この印字装置3によって用紙P1 、
P2 、P3 、P4 に印字するようになっている。印字装
置3には、印字ヘッド31と印字ヘッド31の下方に印
字ヘッド31と対向して位置するプラテン35とが設け
られ、印字ヘッド31とプラテン35との間に用紙P1
、P2 、P3 、P4 が給送されて印字に供されるよう
になっている。
【0009】印字ヘッド31は側板11,12に両端部
を貫通支持された上下のガイド軸32,33に移動可能
に係合されたキャリッジ34に搭載されている。下方の
ガイド軸33はキャリッジ34を貫通し、上方のガイド
軸32はキャリッジ34が上下に移動するのを許容しつ
つガイドするものである。キャリッジ34は図16に示
されるキャリッジモータ39の駆動力を受けてガイド軸
32,33に案内されつつカットシートP1 、P3 や連
続紙P2 、P4 の用紙送り方向に対して直交する方向
(紙面に垂直な方向)へ走行駆動されるようになってい
る。
【0010】プラテン35は両端部が側板11,12に
固定支持され、カットシートP1 、P3 や連続紙P2 、
P4 の用紙送り方向に対して直交する方向(紙面に垂直
な方向)へ延設されている。そして、印字時には、キャ
リッジモータ39の駆動力を受けて印字ヘッド31がガ
イド軸32,33に案内されつつ用紙P1 、P2 、P3
、P4 の送り方向に対して直交する方向へプラテン3
5に沿って移動して印字を行なうようになっている。
【0011】プラテン35の両端部には、図5に示され
るように凹部35aが形成され、一方の凹部35aに用
紙P1 、P2 、P3 、P4 の幅方向一端部がその用紙幅
の違いにかかわらず対応するように用紙P1 、P2 、P
3 、P4 が片寄せされて給送されるようになっている。
そして、複数枚の用紙を重ね合わせた状態で両側縁部で
ファスナー部によって綴じてある連続紙P2 、P4 で
は、図10および図11に示されるように裏面にファス
ナー部Paが突出するが、幅方向一端部側の凹部35a
がファスナー部Paの逃げとなって片側の側縁部は印字
ヘッド31とプラテン35との間で印字ヘッド31側に
隆起しないようになっている。
【0012】印字ヘッド31とプラテン35との間に
は、印字ヘッド31の移動範囲全域に亘ってリボンカセ
ット36の図示しないインクリボンが挿置されている。
リボンカセット36はリボンカセット支持フレーム37
に着脱可能に支持されている。リボンカセット支持フレ
ーム37は側板11,12の間に架設固定されている。
リボンカセット支持フレーム37には、リボン送りモー
タ38が設けられ、このリボン送りモータ38の正転駆
動によりリボンカセット36のインクリボンが印字ヘッ
ド31とプラテン35との間で一方向に走行されるよう
になっている。
【0013】この印字装置3では、印字ヘッド31がプ
ラテン35に対して接離可能に設けられ、印字ヘッド3
1をプラテン35に対して接離させて印字ヘッド31と
プラテン35との平行度やギャップを調整できるように
なっている。すなわち、図5および図6に示されるよう
に印字ヘッド31をプラテン35に接離させる接離機構
4が設けられ、この接離機構4を駆動して印字ヘッド3
1とプラテン35との平行度やギャップを調整できるよ
うになっている。
【0014】接離機構4について説明すると、ガイド軸
33の両端部が図6に示されるように左右側板11,1
2に貫通支持されているが、その貫通孔が上下方向に長
い、即ち印字ヘッド31がプラテン35に対して接離す
る方向へガイド軸33をガイドする長孔11a,12a
となっている。ガイド軸33の両側板11,12からの
突出端には、偏心カム面40a,41aを有する偏心ブ
ッシュ40,41が連結固定してある。偏心ブッシュ4
0,41には、歯形部40b,41bが設けてある。偏
心ブッシュ40の近傍には、右側板11に突設されたピ
ン42が位置し、このピン42に偏心外周面を有する偏
心ボス部43aが嵌合されている。ボス部43aには、
金属製のパイプ44が回転可能に嵌合し、このパイプ4
4を介して偏心ブッシュ40の偏心カム面40aが接触
されている。偏心ブッシュ41の近傍には、左側板12
に突設されたピン45が位置し、このピン45に偏心ブ
ッシュ41の偏心カム面41aが接触している。偏心ブ
ッシュ40の偏心カム面40aとボス部43aとを接触
させる手段としてL字状のレバー46が用いられている
とともに偏心ブッシュ41の偏心カム面41aとピン4
5とを接触させる手段としてL字状のレバー47が用い
られている。レバー46は中心ピン46aを介して右側
板11に揺動自在に支持され、中心ピン46aを中心と
して揺動可能となっている。レバー47は中心ピン47
aを介して左側板12に揺動自在に支持され、中心ピン
47aを中心として揺動可能となっている。両レバー4
6,47の下端部には、左右方向に長い長孔46b(図
5),47b(図7)が設けられ、この両長孔にガイド
軸33の両端部が貫通している。両レバー46,47の
上端部には、それぞれ引張りばね48が掛止され、この
ばね48の付勢力を受けてボス部43aに偏心ブッシュ
40の偏心カム面40aが弾接されているとともにピン
45に偏心ブッシュ41の偏心カム面41aが弾接され
ている。
【0015】印字ヘッド31とプラテン35との平行度
を調整する手段としては、ボス部43aに平行度調整レ
バー43が一体的に設けられ、この平行度調整レバー4
3の操作によって接離機構4を駆動して印字ヘッド31
とプラテン35との平行度を調整できるようになってい
る。平行度調整レバー43はピン42を中心として揺動
可能となっている。平行度調整レバー43の先端には、
クリック突起43bが設けられている。クリック突起4
3bは、右側板11にピン42を中心として円周上に整
列して設けてある複数のクリック孔11b…に選択的に
係合可能となっている。
【0016】そして、平行度調整レバー43を揺動して
クリック突起43bとクリック孔11bとの係合位置を
変えれば、平行度調整レバー43の揺動に伴うボス部4
3aの回転によりボス部43aと偏心ブッシュ40の偏
心カム面40aとの接触位置が変わり、この変化により
ガイド軸33の左端部を基準としてガイド軸33の右端
部が昇降し、この昇降により印字ヘッド31とプラテン
35との間の平行度を調整できる。なお、ボス部43a
の小径部が偏心カム面40aに接触したときには、ガイ
ド軸33の左端部を基準としてガイド軸33の右端部が
上昇し、逆にボス部43aの大径部が偏心ブッシュ40
の偏心カム面40aに接触したときには、ガイド軸33
の左端部を基準としてガイド軸33の右端部が下降す
る。
【0017】印字ヘッド31とプラテン35とのギャッ
プ調整手段としては、右側板11にギャップ調整モータ
50が固着され、このギャップ調整モータ50の駆動に
よって接離機構4を駆動して印字ヘッド31とプラテン
35とのギャップを調整できるようになっている。モー
タ50の駆動軸には、ピニオン50aが固着され、この
ピニオン50aに歯車51が噛合されている。歯車51
には、ピニオン51aが一体に設けられ、このピニオン
51aに切欠部を有する歯車52が噛合されている。歯
車52には、ピン53aを介して第1レバー53が連結
されている。レバー53には、マイクロスイッチ54が
固着されている。一方、ブッシュ40の歯形部40bに
は、切欠部を有する歯車55が噛合し、この歯車にピン
56aを介して第2レバー56が連結されている。第1
レバー53と第2レバー56とは第、ピン53a,56
aによる歯車52,55との連結部と反対側の端部が相
互に重なっている。第1レバー53と第2レバー56と
の間には、引張りばね57が掛止されている。第2レバ
ー56には、マイクロスイッチ54の作動突起を押圧・
開放してこのスイッチをオン・オフさせるための検出片
56bが設けてある。歯車55の切欠部の角は、イニシ
ャルスイッチ58の作動突起を押圧・開放してイニシャ
ルスイッチ58をオン・オフさせるための検出片55a
となっている。
【0018】そして、通常は、ばね57の付勢力を受け
て第2レバー56の検出片56bがマイクロスイッチ5
4の作動突起に押圧されてマイクロスイッチ54がオン
の状態となるとともに、ばね57の付勢力を受けて歯車
55の検出片55aがイニシャルスイッチ58の作動突
起から離反してイニシャルスイッチ58がオフの状態と
なる。
【0019】印字ヘッド31とプラテン35とのギャッ
プを調整するときには、用紙P1 、P2 、P3 、P4 の
うち、使用する用紙を印字ヘッド31とプラテン35と
の間に給送し、この状態にてギャップ調整モータ50を
駆動してピニオン50aを時計方向に回転する。この回
転時には、ピニオン50aの回転力が歯車51を介して
歯車52に伝達されてレバー53が左方向に移動すると
ともに、この移動力がマイクロスイッチ54と検出片5
6bを介してレバー56に伝達されてレバー56も移動
し、この移動力を受けて歯車55が図5の時計方向に回
転する。この回転により、ブッシュ40が反時計方向に
回転して偏心カム面40aの小径部がパイプ44に接す
る状態となり、ガイド軸33がプラテン35から離れる
方向に変位して印字ヘッド31が上昇する。歯車55の
この時計方向の回転により、検出片55aがイニシャル
スイッチ58に接近し、遂に検出片55aがイニシャル
スイッチ58の作動突起を押圧すると、イニシャルスイ
ッチ58がオンに切り換わり、これにより印字ヘッド3
1の上昇位置(初期位置)が検出される。
【0020】印字ヘッド31の上昇位置(初期位置)の
検出後は、ギャップ調整モータ50が反転駆動されてピ
ニオン50aが反時計方向に回転する。この回転時に
は、ピニオン50aの回転力が歯車51を介して歯車5
2に伝達されてレバー53が右方向に移動するとともに
レバー53に追従してレバー56も右方向に移動し、こ
の移動力を受けて歯車55が反時計方向に回転する。こ
の回転により、歯車55の検出片55aがイニシャルス
イッチ58の作動突起から離反してイニシャルスイッチ
58がオフの状態に戻るとともに、ブッシュ40が時計
方向に回転して偏心カム面40aの大径部がパイプ44
に接する状態となり、ガイド軸33がプラテン35に接
近する方向に変位して印字ヘッド31が下降する。この
下降により、印字ヘッド31が用紙に接してそれ以上の
印字ヘッド31の下降が阻止されるが、その後もギャッ
プ調整モータ50の駆動力を受けてピニオン50aがさ
らに同方向に回転する。この回転時には、レバー56が
最早レバー53の右方向への移動に追従できず、レバー
53のみがばね57を伸長させつつ移動し、この移動に
伴ってマイクロスイッチ54も右方向へ移動し、この移
動により検出片56bがマイクロスイッチ54の作動突
起から離反してマイクロスイッチ54がオフに切り換わ
り、これにより印字ヘッド31の前進位置が検出され
る。
【0021】印字ヘッド31の前進位置の検出後は、再
びギャップ調整モータ50が反転駆動されて上記と同様
にしてレバー53が左方向に移動する。この移動時に
は、初期にばね57が伸長分だけ圧縮されてその間はレ
バー56がレバー53に追従せず、レバー53の移動に
より検出片56bが再びばね57の力を受けてマイクロ
スイッチ54の作動突起を押圧し、マイクロスイッチ5
4がオンの状態に戻り、この位置を基準として印字ヘッ
ド31が望ましいギャップの量だけ後退する。すなわ
ち、その移動量に対応する駆動信号、例えば対応する数
のパルス信号がギャップ調整モータ50に供給されてモ
ータピニオン50aが時計方向に所定の量だけ回転し、
この回転により印字ヘッド31が所定量だけ上記と同様
にして後退し、印字ヘッド31とプラテン35との間に
最適のキャップが設定できる。
【0022】また、印字装置3では、用紙P1 、P2 、
P3 、P4 の用紙幅を検出できるようになっているとと
もに、この検出結果と印字データに基づいて複数枚の用
紙を重ね合わせた状態で両側縁部でファスナー部Paに
よって綴じてある連続紙P2、P4 への印字時に印字ヘ
ッド31の移動が制御されるようになっている。すなわ
ち、用紙P1 、P2 、P3 、P4 の用紙幅検出手段が設
けられているとともに、複数枚の用紙を重ね合わせた状
態で両側縁部でファスナー部Paによって綴じてある連
続紙P2 、P4 への印字時に印字ヘッド31の移動を制
御する制御手段が設けられている。
【0023】用紙P1 、P2 、P3 、P4 の用紙幅検出
手段について説明すると、用紙幅の検出に先立ち、用紙
P1 、P2 、P3 、P4 を印字ヘッド31とプラテン3
5との間に給送しない状態において、印字ヘッド31と
プラテン35とのギャップを調整するときと同様にして
印字ヘッド31の上昇位置(初期位置)を検出するとと
もに、印字ヘッド31とプラテン35とのギャップを調
整するときと同様に接離機構4を駆動して印字ヘッド3
1がプラテン35に接する印字ヘッド31の前進位置を
検出し、この検出結果に基づいて印字ヘッド31が上昇
位置(初期位置)からプラテン35に接する前進位置に
至るまでの印字ヘッド31の変位量を検出し、その後に
用紙P1 、P2 、P3 、P4 のうち、所望の用紙を印字
ヘッド31とプラテン35との間に給送し、この状態に
て用紙幅を検出する。
【0024】以下、用紙幅の検出動作について図8に図
示のフローチャートおよび図9に基づいて説明する。用
紙幅を検出するときには、キャリッジモータ39を駆動
して印字ヘッド31をホームポジションを基準として用
紙の片寄せ側の一端部と対向する給紙位置(図9に実線
で示される位置)に移動する(ステップ201)。印字
ヘッド31の移動路には、図9に示されるように印字ヘ
ッド31のホームポジションを検出するホームセンサH
Sが設けられ、この位置を基準として印字ヘッド31が
上記給紙位置に移動する。
【0025】印字ヘッド31を給紙位置に移動した後
は、用紙厚が検知される(ステップ202)。用紙厚を
検知するときには、印字ヘッド31とプラテン35との
ギャップを調整するときと同様にして印字ヘッド31が
前進する方向に接離機構4を駆動して印字ヘッド31が
用紙に接する前進位置を検出し、この検出結果に基づい
て印字ヘッド31が上昇位置(初期位置)からプラテン
35に接近して用紙に接する前進位置に至るまでの印字
ヘッド31の変位量を検出し、この検出結果に基づいて
用紙厚が検知される。すなわち、上述したように印字ヘ
ッド31が上昇位置(初期位置)からプラテン35に接
近してプラテン35に接する前進位置に至るまでの印字
ヘッド31の変位量が事前に検出されているので、この
検出結果と上記検出結果との差異に基づいて用紙厚が検
知される。用紙厚の検知後は、印字ヘッド31とプラテ
ン35とのギャップを調整するときと同様に印字ヘッド
31が後退する方向に接離機構4を駆動して印字ヘッド
31を後退し上昇位置(初期位置)に復帰する。
【0026】次いで、用紙厚の検知結果に基づいて用紙
厚が所定値m(使用する用紙の最小紙厚よりも小さい
値)以上であるか否かを判断し(ステップ203)、用
紙厚が所定値m未満であるときには紙幅検知不能と判定
し(ステップ204)、用紙厚の検知動作を終了する。
これに対し、用紙厚が所定値m以上であるときには、キ
ャリッジモータ39を駆動して印字ヘッド31を図8に
二点鎖線で示される右側の所定位置B、例えば90桁目
の位置に移動し(ステップ205)、この移動位置にて
上記用紙厚の検知時と同様にして再び用紙厚を検知し
(ステップ206)、この検知結果に基づいて用紙厚が
所定値n(所定値mよりも小さい値)以上であるか否か
を判断する(ステップ207)。
【0027】ステップ207での判断の結果、用紙厚が
所定値n未満であるときには、そのときの印字ヘッド3
1の位置(図9に二点鎖線で示される所定位置B)を記
憶し(ステップ208)、その位置を基準として印字ヘ
ッド31を図9において左側に所定文字数Aに対応した
距離だけ移動し(ステップ209)、このときの印字ヘ
ッド31の位置(図9に二点鎖線で示される所定位置
C)が用紙の最小幅の規格値を下回っているか否かを判
断する(ステップ210)。すなわち、上記給紙位置を
基準とした印字ヘッド31の移動量が用紙の最小幅の規
格値に対応して定められる印字ヘッド31の移動量を下
回っているか否かを判断する。この結果、印字ヘッド3
1の位置(図9に二点鎖線で示される所定位置C)が用
紙の最小幅の規格値を下回っているときには、紙幅検知
不能と判定し(ステップ211)、用紙厚の検知動作を
終了する。これに対し、印字ヘッド31の位置(図9に
二点鎖線で示される所定位置C)が用紙の最小幅の規格
値を上回っているときには、この位置にて上記用紙厚の
検知時と同様にして再び用紙厚を検知し(ステップ21
2)、この検知結果に基づいて用紙厚が所定値n以上で
あるか否かを判断し(ステップ213)、用紙厚が所定
値n未満であるときにはステップ158に戻り、用紙厚
が所定値n以上であるときには、印字ヘッド31を図9
において右側に所定文字数A/2に対応した距離だけ移
動し(ステップ214)、この位置(図9に二点鎖線で
示される所定位置Cと所定位置Bの間の位置)にて上記
用紙厚の検知時と同様にして再び用紙厚を検知し(ステ
ップ215)、この検知結果に基づいて用紙厚が所定値
n以上であるか否かを判断する(ステップ216)。
【0028】一方、ステップ207での判断の結果、用
紙厚が所定値n以上であるときには、印字ヘッド31を
図9において右側に所定文字数Aだけ移動し(ステップ
217)、このときの印字ヘッド31の位置(図9に二
点鎖線で示される所定位置D)が用紙の最大幅の規格値
を超えているか否かを判断する(ステップ218)。す
なわち、上記給紙位置を基準とした印字ヘッド31の移
動量が用紙の最大幅の規格値に対応して定められる印字
ヘッド31の移動量を超えているか否かを判断する。こ
の結果、印字ヘッド31の位置(図9に二点鎖線で示さ
れる所定位置D)が用紙の最大幅の規格値を超えている
ときには、紙幅検知不能と判定し(ステップ219)、
用紙厚の検知動作を終了する。これに対し、印字ヘッド
31の位置(図9に二点鎖線で示される所定位置D)が
用紙の最大幅の規格値を超えていないときには、この位
置にて上記用紙厚の検知時と同様にして再び用紙厚を検
知し(ステップ220)、この検知結果に基づいて用紙
厚が所定値n以上であるか否かを判断し(ステップ22
1)、用紙厚が所定値n以上であるときにはステップ2
17に戻り、用紙厚が所定値n未満であるときには、そ
のときの印字ヘッド31の位置(図9に二点鎖線で示さ
れる所定位置D)を記憶し(ステップ222)、その位
置を基準として印字ヘッド31を図9において左側に所
定文字数A/2に対応した距離だけ移動し(ステップ2
23)、この位置(図9に二点鎖線で示される所定位置
Dと所定位置Bの間の位置)にて上記用紙厚の検知時と
同様にして再び用紙厚を検知し(ステップ215)、こ
の検知結果に基づいて用紙厚が所定値n以上であるか否
かを判断する(ステップ216)。
【0029】そして、ステップ216での判断の結果、
用紙厚が所定値n以上であるときには、印字ヘッド31
を図9において右側に所定文字数A/4に対応した距離
だけ移動し(ステップ224)、この位置にて上記用紙
厚の検知時と同様にして再び用紙厚を検知し(ステップ
225)、用紙厚が所定値n未満であるときには、その
ときの印字ヘッド31の位置を記憶し(ステップ22
6)、その位置を基準として印字ヘッド31を図9にお
いて左側に所定文字数A/2に対応した距離だけ移動し
(ステップ227)、この位置にて上記用紙厚の検知時
と同様にして再び用紙厚を検知する(ステップ22
5)。
【0030】その後は、用紙厚の検知結果(ステップ2
25)に基づいて用紙厚が所定値n以上であるか否かを
判断し(ステップ228)、用紙厚が所定値n未満であ
るときには、そのときの印字ヘッド31の位置を記憶し
(ステップ229)、その位置と上記給紙位置と間の印
字ヘッド31の移動距離に基づいて用紙幅が算出されて
用紙厚の検知動作が終了し、用紙厚が所定値n以上であ
るときにはステップ226での記憶位置と上記給紙位置
と間の印字ヘッド31の移動距離に基づいて用紙幅が算
出されて用紙厚の検知動作が終了する。
【0031】したがって、用紙P1 、P2 、P3 、P4
の用紙幅検出手段によれば、印字ヘッド31がプラテン
35に沿う複数の移動位置でプラテン35に接離するよ
うに印字ヘッド31の移動および接離機構4の駆動を制
御し、各移動位置にて印字ヘッド31がプラテン35に
接近したときの印字ヘッド31の変位量の変化に基づい
て用紙幅を機械的に検出するものであり、そのため前ト
ラクタ23や後トラクタ22との係合用の孔が幅方向両
端部に穿設された連続紙P2 、P4 であっても、また光
反射率の低い着色紙を用紙P1 、P2 、P3 、P4 とし
て用いても、用紙幅を誤りなく検出でき、用紙幅の検出
性能が向上する。特に、複数枚の用紙を重ね合わせた状
態で両側縁部でファスナー部Paによって綴じてある連
続紙P2、P4 を用いたときなど、用紙厚が比較的大き
い印字媒体を用いたときに有効である。また、接離機構
4が印字ヘッド31とプラテン35とのギャップ調整機
構を兼ねる構成であるので、接離機構4を専用部品とし
て設ける必要がなく、構造が簡単で、低コストである。
【0032】複数枚の用紙を重ね合わせた状態で両側縁
部でファスナー部Paによって綴じてある連続紙P2 、
P4 への印字時に印字ヘッド31の移動を制御する制御
手段について説明すると、印字ヘッド31とプラテン3
5との間でファスナー部Paによって印字ヘッド側に隆
起する連続紙P2 、P4 の側縁部に印字ヘッド31が接
触する停止禁止領域を連続紙P2 、P4 の用紙幅の検出
データに基づいて算出するとともに、連続紙P2 、P4
への1行分の印字データの長さに基づいて改行時の印字
ヘッド31の停止位置を算出し、当該算出停止位置が停
止禁止領域内でないときには当該算出停止位置を改行時
の印字ヘッド31の停止位置とし、算出停止位置が停止
禁止領域内であるときには印字ヘッド31が印字動作時
に停止禁止領域を通過して停止禁止領域外で停止する位
置を改行時の印字ヘッド31の停止位置として印字ヘッ
ド31の移動を制御し、改行時に連続紙P2 、P4 の側
縁部が印字ヘッド31に引っ掛かることがないようにす
るものである。
【0033】すなわち、複数枚の用紙を重ね合わせた状
態で両側縁部でファスナー部Paによって綴じてある連
続紙P2 、P4 では、図10に示されるようにその裏面
にファスナー部Paが突出し、このファスナー部Paに
よって側縁部が印字ヘッド31とプラテン35との間で
印字ヘッド側に隆起し、改行時の印字ヘッド31の停止
位置によっては改行時に側縁部が印字ヘッド31に引っ
掛かることとなる。そこで、印字ヘッド31の移動を制
御して改行時に連続紙P2 、P4 の側縁部が印字ヘッド
31に引っ掛かることがないようにしたものである。な
お、本実施例では、上述したようにプラテン35の両端
部に凹部35aが形成され、その一方の凹部35aをフ
ァスナー部Paの逃げとして連続紙P2 、P4 が片寄せ
されて給送されるので、連続紙P2 、P4 がファスナー
部Paによって隆起するのは、片寄せ側と反対の側縁部
となる。
【0034】この制御手段はモードスイッチ等に連動し
て複数枚の用紙を重ね合わせた状態で両側縁部でファス
ナー部Paによって綴じてある連続紙P2 、P4 への印
字時に印字ヘッド31の移動を制御するようになってい
る。
【0035】以下、連続紙P2 、P4 への印字動作につ
いて図12に図示のフローチャートに基づいて説明す
る。複数枚の用紙を重ね合わせた状態で両側縁部でファ
スナー部Paによって綴じてある連続紙P2 、P4 への
印字時には、1行分の印字データに基づいて改行時の印
字ヘッド31の停止位置を算出し(ステップ301)、
この算出された印字ヘッド31の停止位置が停止禁止領
域であるか否かを判断する(ステップ302)。印字ヘ
ッド31の停止禁止領域は、ファスナー部Paによって
印字ヘッド31とプラテン35との間で印字ヘッド側に
隆起する連続紙P2 、P4 の側縁部に印字ヘッド31が
接触する領域であり、用紙P2 、P4 の用紙幅の検出デ
ータに基づいて算出される。
【0036】算出された印字ヘッド31の停止位置が停
止禁止領域でないときには、その停止位置を改行時の印
字ヘッド31の停止位置として通常印字を行なう(ステ
ップ303)。すなわち、印字後は印字ヘッド31が非
停止禁止領域で停止し、この停止状態で連続紙P2 、P
4 が搬送されて改行動作がなされ、改行時に連続紙P2
、P4 の側縁部が印字ヘッド31に接触して引っ掛か
ることがない。
【0037】一方、算出された印字ヘッド31の停止位
置が停止禁止領域にあるときには、図11において印字
時の印字ヘッド31の移動方向が右向きであるか否かを
判断する(ステップ304)。すなわち、印字動作時に
印字ヘッド31が連続紙P2、P4 の隆起側の側縁部に
向けて移動するか否かを判断する。
【0038】印字ヘッド31の移動方向が右向きである
ときには、算出された印字ヘッド31の停止位置と停止
禁止領域に基づいて当該停止位置と当該停止禁止領域の
右端との間の距離Aを算出し(ステップ305)、印字
ヘッド31の移動方向が右向きでないとき、すなわち印
字ヘッド31の移動方向が左向きであるときには、算出
された印字ヘッド31の停止位置と停止禁止領域に基づ
いて当該算出停止位置と当該停止禁止領域の左端との間
の距離Aを算出する(ステップ306)。そして、印字
ヘッド31の定常移動距離に距離Aを加算し(ステップ
307)、印字動作時に印字ヘッド31を印字方向と同
方向への移動により一旦停止させることなく距離Aだけ
空走させた後に減速して停止する(ステップ308)。
すなわち、印字ヘッド31が印字動作時に停止禁止領域
を超えて停止禁止領域外で停止する位置を改行時の印字
ヘッド31の停止位置として印字動作時に印字ヘッド3
1が一旦停止することなく印字方向と同方向への移動に
より停止禁止領域を超えて図11に二点鎖線で示される
ように停止禁止領域外で停止し、この停止状態で連続紙
P2 、P4 が搬送されて改行動作がなされ、改行時に連
続紙P2 、P4 の側縁部が印字ヘッド31に接触して引
っ掛かることがない。
【0039】したがって、1行分の印字データの長さに
かかわらず、印字ヘッド31とプラテン35との間でフ
ァスナー部Paによって印字ヘッド側に隆起する連続紙
P2、P4 の側縁部に印字ヘッド31が接触する領域を
改行時の印字ヘッド31の停止位置としないように印字
ヘッド31の移動が制御される。このため、改行時に連
続紙P2 、P4 の側縁部が印字ヘッド31に接触して引
っ掛かることがなく、改行動作の信頼性が向上する。な
お、連続紙P2 、P4 の用紙幅検出手段としては、接離
機構4を用いて連続紙P2 、P4 の用紙幅を機械的に検
出するものに限らず、例えば光センサ等の光学的手段を
印字ヘッド31に搭載し、印字ヘッド31の走査により
連続紙P2 、P4 の用紙幅を光学的に検出するもの、あ
るいは連続紙P2 、P4 の用紙幅を指定するスイッチを
設け、このスイッチの操作に基づいて連続紙P2 、P4
の用紙幅を検出するものであってもよい。
【0040】また、算出された印字ヘッド31の停止位
置が停止禁止領域にあるときには、印字動作時に印字ヘ
ッド31が一旦停止することなく印字方向と同方向への
移動により停止禁止領域を超えて停止禁止領域外で停止
するので、スループットの低下を最小限に抑えることが
できる。
【0041】印字装置3の近傍には、図1に示されるよ
うに紙送り装置6が設けられ、この紙送り装置6によっ
て用紙P1 、P2 、P3 、P4 が印字ヘッド31とプラ
テン35との間に給送されるようになっている。
【0042】紙送り装置6には、プラテン35の前後に
位置する紙送りローラ61,62が設けられている。図
13に示されるように紙送りモータ60のモータピニオ
ン60aから歯車63に回転力が伝達されるとともに、
そのピニオン63aから歯車64及び歯車65に回転力
が伝達されて紙送りローラ61,62がそれぞれ連動回
転駆動するようになっている。紙送りローラ61,62
には、図1に示すように用紙搬送経路を挾んで印字ヘッ
ド31側に設けてある従動ローラ61a,62aが弾接
し、紙送りローラ61,62と従動ローラ61a,62
aとのそれぞれ1対で記録紙を挟持搬送するようになっ
ている。
【0043】前カバー13に近い側の従動ローラ61a
は、例えば小型化などの必要から印字ヘッド31に近接
する位置に設けられると、印字ヘッド31の交換などの
際に邪魔になることがある。そこで、従動ローラ61a
を印字ヘッド31の交換作業の邪魔とならない位置に移
動させる機構を採用し、図1に示されるように従動ロー
ラ61aが紙送りローラ61に弾接する紙送り位置と図
13に示されるように紙送りローラ61から離反する非
紙送り位置とに切り換え可能となっている。
【0044】この切り換え機構について説明すると、左
右側板11,12の両内面には、図13乃至図15に示
されるように切換えレバー66,66がピン66aによ
って揺動自在に支持されている。両切換えレバー66,
66は板67によって連結されている。切換えレバー6
6には、図15に示されるようにU字状の長溝66bが
形成され、この長溝に図13に示されるように従動ロー
ラ61aの軸が回転自在に嵌合支持されている。従動ロ
ーラ61aの軸には、U字状に屈成されたばね68の一
端部が係止され、このばね68の付勢力を受けて従動ロ
ーラ61aが紙送りローラ61へ弾接可能となってい
る。そして、図1に示した仕切カバー14を開き、手動
にて後述の摺動板70によるロックを外して切換えレバ
ー66を揺動すれば、従動ローラ61aを紙送り位置と
非紙送り位置(図13実線位置)とに切り換えることが
できる。
【0045】従動ローラ61aの紙送りローラ61に対
する弾接力は、使用する用紙のうち、カットシートでは
大きく、連続紙では小さいのが望ましい。そこで、従動
ローラ61aの紙送りローラ61に対する弾接力(ロー
ラフリクション)を強弱の2段階に切り換えられるよう
に従動ローラ61aが異なった弾接力を生じるそれぞれ
の位置に位置決め可能となっている。
【0046】このローラフリクション切換機構について
説明すると、切換えレバー66からは、左右側板11,
12へ向って位置決めピン66cが突設されている。左
側板12の外面には、摺動板70が上下に移動可能に設
けられている。摺動板70の上端部には、左側板12に
設けられた上下方向の長孔12bを貫通して突出する操
作ピン70aが突設され、この操作ピンの側板からの突
出端を押し込むことによって摺動板70の上端部が撓む
ようになっている。また、操作ピン70aの近傍には、
左側板12に設けられた上下方向の長孔12cを貫通し
て突出するカム片70bが突設されている。カム片70
bは、図13に示されるように位置決めピン66cに対
接可能な面に前進位置と後退位置との2段階のカム面7
0c,70dが形成されている。操作ピン70aから遠
いカム面70dの長さは、カム面70cよりも短くなっ
ている。そして、操作ピン70aを押して摺動板70の
上端部が撓むと、両カム面の端面が側板の内面にほぼ一
致する位まで後退し、この状態で切換レバー66が手動
にて揺動可能となる。
【0047】摺動板70の中間部及び下端部には、上下
方向の長孔70e,70fが設けられ、中間部の長孔7
0eに固定軸71が貫通されている。固定軸71は側板
11,12に突設されている。紙送りモータ60からの
伝達輪列の1つである歯車63には、図15に示される
ようにもう1つのピニオン63bが設けられ、このピニ
オンに歯車72が噛合されている。歯車72には、ピニ
オン72aが設けられ、このピニオン72aに歯車7
3,74及び75が順次が噛合されている。歯車75の
中心軸75aは摺動板70の下端部の長孔70fを貫通
している。
【0048】歯車75には、偏心カム76が一体的に設
けられている。偏心カム76の表面には、カム溝が設け
てある。このカム溝は図15に示されるように中心軸7
5aを中心として右まわりに中心角90度の小径円弧の
カム溝76aと、中心角90度離れた位置から始まる中
心角90度の大径円弧のカム溝76bと、両カム溝を連
結する中心角90度の傾斜カム溝76cとを連通させた
ものとなっている。このカム溝76a,76b,76c
には、摺動板70に突設された従動ピン70gが係合さ
れている。
【0049】そして、ローラフリクションを切り換える
ときには、紙送りモータ60からの伝達輪列中のピニオ
ン63bと歯車72との間を連断する後述のクラッチ機
構C1 が連結されて歯車75が回転する。この回転に伴
い、偏心カム76とそのカム溝76a〜76cも回転す
る。
【0050】この回転により、従動ピン70gが図15
(A)の小径のカム溝76aの端部に係合する位置から
図15(B)の小径のカム溝76aと傾斜カム溝76c
との境界に係合する位置までは、摺動板70が下降位置
に位置する。摺動板70の下降位置では、切換えレバー
66の位置決めピン66cが摺動板70の前進位置のカ
ム面70cに接し、切換えレバー66に保持されている
従動ローラ61aが摺動板70の前進位置でばね68の
ばね力を受けて紙送りローラ61に弾接することとな
る。すなわち、この状態では図15(E)のようにロー
ラフリクションは大である。
【0051】一方、従動ピン70gが小径のカム溝76
aと傾斜カム溝76cとを通過し、図15(C)の傾斜
カム溝76cと大径のカム溝76bとの境界に係合する
位置から図15(D)の大径のカム溝76bの端部に係
合する位置までは、摺動板70が上昇駆動して上昇位置
に位置する。摺動板70の上昇位置では、切換えレバー
66の位置決めピン66cが摺動板70の後退位置のカ
ム面70dに接し、切換えレバー66に保持されている
従動ローラ61aが摺動板70の後退位置でばね68の
ばね力を受けて紙送りローラ61に弾接することとな
る。すなわちち、この状態では、図15(F)のように
ローラフリクションは小である。
【0052】したがって、歯車75の回転量を制御して
ローラフリクションを2段階に切り換えることができる
ようになっている。そして、CSF21を用いた場合
(図1図示)および手差しの場合(図3図示)にはロー
ラフリクションが大に設定され(図15(A),
(B))、前トラクタ23を用いた場合(図4図示)お
よび後トラクタ22を用いた場合(図2図示)にはロー
ラフリクションが小に設定されるようになっている。
【0053】このようにして前側の従動ローラ61aの
ローラフリクションが強弱の2段階に切り換えられる
が、これと同時に後側の従動ローラ62aのローラフリ
クションも強弱の2段階に切り換えられるようになって
いる。
【0054】従動ローラ62aのフリクション切換機構
について説明すると、図1に示されるように従動ローラ
62aが板ばね80のばね力によってローラ62に弾接
され、板ばね80のばね力を調整することによって従動
ローラ62aと紙送りローラ62との間のフリクション
を切換可能となっている。板ばね80の上部には、揺動
板81がその中心部で揺動自在に支持され、揺動板81
の下端に板ばね80の中間部が当接されている。揺動板
81の上端側の背後には、突起82aを有するカム82
が設けられ、突起82aにより揺動板81の上端部が押
圧されている。カム82の軸83は左側板12から外面
に突出し、その突出端に図16に示されるようにレバー
84が固着されている。レバー84の先端部には、連結
レバー85の一端部が回転自在に固着されている。連結
レバー85の他端部には、長手方向に長孔85aが設け
られ、先に説明した歯車72の軸が左側板12から外面
に突出する突出軸72aがこの長孔85aに貫通係合さ
れている。
【0055】歯車72には、図16に示されるようにカ
ム86が一体的に設けられ、このカムの表面にはカム溝
が形成されている。このカム溝は歯車72の突出軸72
aを中心とし、左まわりに中心角90度の小径円弧のカ
ム溝86aと、中心角90度離れた位置から始まる中心
角90度の大径円弧のカム溝86bと、両カム溝を連結
し、中心角90度の傾斜カム溝86cとを連通させたも
のとなっている。このカム溝86a,86b,86cに
は、連結レバー85に垂設された従動ピン85bが係合
されている。また、カム86の外周面のカム面は、小径
カム面86dと大径カム面86eとからなっており、両
カム面は中心角180度である。連結レバー85と左側
板12とには、それぞれカム面によりオン・オフ可能な
マイクロスイッチ87,88が中心軸72aを中心とし
て90度の開き角をもって固着されている。
【0056】そして、図16の図示の状態では、従動ピ
ン85bが小径のカム溝86aの端部に係合して連結レ
バー85が下降位置にあり、レバー84が反時計方向に
回転した状態であり、図1に示されるように突起82a
により揺動板81が押圧されて反時計方向に揺動し、揺
動板の下端に板ばね80の中間部が当接して板ばね80
が大きく撓んだ状態であり、従動ローラ62aと紙送り
ローラ62との間のフリクションが大である。この状態
では、マイクロスイッチ87,88の作動突起が共に小
径カム面86dに対向し、両スイッチはオフとなる。こ
れが2つのマイクロスイッチ87,88による第1の検
出状態であり、図15(A)に示したCSF21での紙
送りに対応し、先に説明した従動ピン70gが小径のカ
ム溝76aの端部に係合する位置である。
【0057】この状態からは、紙送りモータ60から歯
車72に回転が伝達されて歯車72が90度回転する
と、従動ピン85bが未だカム溝86aに位置し、連結
レバー85の位置は変わらず、フリクションは大のまま
であるが、マイクロスイッチ88の作動突起は大径カム
面86eにより押し込まれる。したがって、マイクロス
イッチ87はオフのままであるが、マイクロスイッチ8
8はオンとなる。これが2つのマイクロスイッチ87,
88による第2の検出状態であり、図15(B)に示し
た手差しでの紙送りに対応し、先に説明した従動ピン7
0gが小径のカム溝76aと傾斜カム溝76cとの境界
に係合する位置である。
【0058】歯車72が更に90度回転すると、従動ピ
ン85bが大径のカム溝86bに位置して連結レバー8
5が左上方向に移動した上昇位置となり、レバー84が
時計方向に回転し、この回転が軸83を介してカム82
に伝達されてカム82が反時計方向に回転した状態とな
り、図4のように突起82aが揺動板81を押す位置か
ら外れる。このため、揺動板81がその下端で板ばね8
0を押圧することがなくなり、または押圧力が弱まり、
従動ローラ62aと紙送りローラ62との間のフリクシ
ョンが小となる。また、この位置ではマイクロスイッチ
87の作動突起が大径カム面86eにより押し込まれて
マイクロスイッチ87がオンとなり、マイクロスイッチ
88はオンのままである。これが2つのマイクロスイッ
チ87,88による第3の検出状態であり、図15
(C)に示した前トラクタでの紙送りに対応し、先に説
明した従動ピン70gが傾斜カム溝76cと大径のカム
溝76bとの境界に係合する位置である。
【0059】歯車72が更に90度回転すると、従動ピ
ン85bが未だカム溝86bに位置して連結レバー85
の上昇位置は変わらず、フリクションは小のままである
が、マイクロスイッチ88の作動突起は大径カム面86
eを通過して小径カム面86dに対向する状態となる。
したがって、マイクロスイッチ87はオンのままである
が、マイクロスイッチ88はオフとなる。これが2つの
マイクロスイッチによる第4の検出状態であり、図15
(D)に示した後トラクタでの紙送りに対応し、先に説
明した従動ピン70gが大径のカム溝76bの端部に係
合する位置である。
【0060】したがって、前側の従動ローラ61aのロ
ーラフリクションが強弱の2段階に切り換えられると、
これと同時に後側の従動ローラ62aのローラフリクシ
ョンも強弱の2段階に切り換えられ、また歯車72の回
転にマイクロスイッチ87,88が作動し、2つのマイ
クロスイッチ87,88により第1から第4の4つの検
出状態を検出できるようになっている。
【0061】次に、上記各使用モードでの排紙経路につ
いて詳細に説明する。図1に図示の第1の使用モードの
場合の排紙位置は2つあり、その1つは印字後そのまま
前方、つまり左方へ排紙され、前トラクタ23と共に揺
動するテーブル115と用紙受け13a上にカットシー
トP1 が積み重ねられる排紙位置である。他の1つの場
合には、上カバー15を開放した状態にて印字を行な
い、印字時にカットシートP1 が印字装置3を通過した
ことをセンサ(図示せず)で感知し、このセンサの出力
により用紙を送るモータ60を逆転させるとともに切換
レバー装置9を鎖線の状態に変位させてカットシートP
1 を再び後方へ搬送して上方へ導き、カットシートP1
が第1上排紙口1aから出て上カバー15と用紙受け1
5a上に積み重ねられる排紙位置である。
【0062】図2に図示の第2の使用モードの場合の排
紙位置は、連続紙P2 がそのまま前方へ排出されて前カ
バー13の前方で図示しない台上に折り畳み状態で積み
重ねられる排紙位置である。
【0063】図3に図示の第3の使用モードの場合の排
紙位置も2つあり、その1つは印字後にカットシートP
3 が印字装置3を通過したことをセンサ(図示せず)で
感知し、このセンサの出力により用紙を送るモータ60
を逆転させてカットシートP3 を前方へ送り戻して再び
前カバー13上に送り戻す排紙位置である。他の1つの
場合には、上カバー15を開放しを開放するとともに切
換えレバー装置9を鎖線の状態に変位させた状態にて印
字を行ない、カットシートP3 を印字後そのまま後方へ
送り出して更に切換えレバー装置9により上方へ導き、
カットシートP3 が第1上排紙口1aから出て上カバー
15と用紙受け15a上に積み重ねられる排紙位置であ
る。
【0064】図4に図示の第4の使用モードの場合の排
紙位置も2つあり、その1つは連続紙P4 がそのまま後
方へ送り出されて後カバー17の下方の後排紙口1cを
通して排出される排紙位置である。他の1つの場合に
は、切換えレバー装置9を鎖線の状態に変位させるとと
もに切換えカバー16を鎖線のように開放し、連続紙P
4 を印字後そのまま後方へ送り出して更に切換えレバー
装置9により上方へ導き、連続紙P4 が上カバー15と
切換えカバー16との間の第2上排紙口1dを通して排
出される排紙位置である。
【0065】すなわち、図1乃至図4に示されるように
印字部での用紙搬送経路は水平に設けられているが、印
字後の用紙の排出経路は4経路に分岐されている。第1
経路は前方へ排紙される経路であり、これはCSF21
を用いて給紙した場合と、後トラクタ22を用いて給紙
した場合と、手差給紙して印字後にカットシートP3を
前方へ送り戻した場合の3通りがある。第2経路は第1
上排紙口1aへ排紙される経路であり、CSF21を用
いて給紙し、印字後に送り方向を反転して更に後部上方
へ送り戻した場合と、手差し給紙してカットシートP3
を印字後そのまま後方へ送り出した場合の2通りがあ
る。第3経路は第2上排紙口1dへ排紙される経路であ
り、前トラクタ23を用いて給紙した場合である。第4
経路は後排紙口1cへ排紙される経路であり、前トラク
タ23を用いて給紙した場合である。
【0066】第1上排紙口1aと第2上排紙口1dと後
排紙口1cとは、いずれも印字部より後方に位置されて
いる。そして、印字後に後方へ搬送された用紙が切換え
レバー装置9の切換え姿勢によって第1上排紙口1a、
第2上排紙口1dと後排紙口1cのいずれかに切り換え
られるとともに、第1上排紙口1a、第2上排紙口1d
へ向かった用紙が切換えカバー16の切り換えによって
第1上排紙口1aと第2上排紙口1dのいずれかに切り
換えられる。
【0067】第1上排紙口1aと第2上排紙口1dとの
排紙切換装置120について説明すると、図3および図
4に示されるように第1上排紙口1aはガイド板121
と切換えレバー122との間に形成されている経路であ
り、ガイド板121の上端部には排紙ローラ123が回
転自在に支持されている。切換えレバー122はばね材
で形成され、排紙ローラ123を揺動中心として揺動変
位可能に支持されている。排紙ローラ123には、後述
するように紙送りモータ60の回転が伝達されるように
なっている。排紙ローラ123の外部には、用紙受け1
5aが連設されている。切換えカバー16は軸16aに
より揺動自在に支持されており、その内面にガイド板1
24が固着されている。切換えカバー16の両端部に
は、ガイド板124から内方へ突出する2つの突起16
bが設けられ、これらの両突起は少なくとも用紙の幅よ
りも広い間隔をもって切換えカバー16に設けられてい
る。突起16bの先端には、切換えレバー122の下端
がそのばね力により弾接されている。
【0068】そして、切換えカバー16を手動にて図3
の状態から揺動して図4に二点鎖線で示した位置に開放
すると、切換えカバー16の突起16bが切換えレバー
122の下端を押圧し、この押圧力を受けて切換えレバ
ー22が排紙ローラ123を中心として揺動してその下
端がガイド板121の下端に接し、これにより第1上排
紙口1aへの通路が閉じられると同時に、切換えレバー
122とガイド板124との間が離れて第2上排紙口1
dへの通路が開かれる。切換えカバー16を閉じると、
切換えレバー122がそのはばね力により元の位置に復
帰し、第1上排紙口1aへの通路が開かれる。
【0069】切換えレバー装置9について図16乃至図
19を参照して説明する。切換えレバー90は3段に切
り換えられるものであり、その切換位置は図19(A)
に示される下段位置と、図19(B)に示される中段位
置と、図19(C)に示される上段位置である。切換え
レバー90の駆動は、図18に示されるリボン送りモー
タ38から伝達されるものである。すなわち、モータ3
8のモータピニオン38aに歯車91,92が順次噛合
されている。歯車91の中心軸91aには、揺動板93
が回転自在に軸支され、この揺動板93に歯車92が回
転自在に軸支されている。歯車92のピニオン92aに
は、扇形歯車94が噛合可能となっている。扇形歯車9
4は固定の軸94aに揺動自在に軸支されているととも
に連結バー94bが一体的に形成されている。そして、
リボン送りモータ38が逆転駆動されてモータピニオン
38aが反時計方向に回転するときには、ピニオン92
aが扇形歯車94に歯合して扇形歯車94に回転力が伝
達されるが、リボン送りモータ38がリボンを送るに際
して正転駆動されてモータピニオン38aが時計方向に
回転するときには、ピニオン92aが扇形歯車94から
逃げる方向に揺動板93が揺動し、ピニオン92aが扇
形歯車94に噛合せず、扇形歯車94には回転力を伝達
しないようになっている。
【0070】連結バー94bの先端部には、図17に示
されるようにクラッチ機構C1 用の連結バー95が連結
され、この連結バー95に更に切換え用の連結バー96
が連結されている。連結バー94b,95,96は、ば
ね99により上方向に付勢されている。
【0071】クラッチ用の連結バー95は、ローラフリ
クション切換装置7,8を動作させる際にクラッチ機構
C1 を連結し、紙送りモータ60の回転力を伝達するも
のである。連結バー95の先端には、図17および図1
8に示されるようにクラッチレバー97が連結されてい
る。クラッチレバー97は紙送りローラ61の駆動用の
歯車64の中心軸64aに揺動自在に軸支されていると
ともに、一端部にガイド溝97aが設けられ、歯車64
に噛合する歯車69の中心軸69aがガイド溝97aに
嵌合されている。クラッチレバー97の他端部には、カ
ム97bが形成されている。図18に示されるように、
紙送りモータ60のモータピニオン60aに噛合する歯
車63は、中心軸98に軸方向へ摺動可能に軸支されて
いる。そして、ばね98aのばね力により、通常はピニ
オン63bと歯車72とが離脱してピニオン63aと歯
車64とが噛合し、連結バー95が連結バー94bによ
り押し下げられて下降したときには、鎖線で示されるよ
うにカム97bにより歯車63がばね98aのばね力に
抗して押し込まれ、この押し込みによりピニオン63a
と歯車64とが離脱してピニオン63bと歯車72とが
噛合する。
【0072】切換え用の連結バー96は、切換えレバー
90を3段階に切り換える駆動用レバー100を揺動駆
動するものである。切換えレバー90と駆動用レバー1
00とは、図17及び図19に示されるように同一の中
心軸101に固着されて一体として動作するものであ
る。駆動用レバー100には、ばね102が掛止されて
いるとともに一端部に連結ピン100aが突設されてい
る。連結ピン100aは連結バー96の下端部に設けら
れている長溝96a内に摺動自在に嵌合されている。駆
動用レバー100の他端部には、係止部100bが形成
されている。係止部100bは度決めレバー103,1
04の一端部に係止されて位置決めされるものである。
係止部100bが度決めレバー103,104の一端部
に係止されて駆動用レバー100が位置決めされた状態
では、度決めレバー103,104の他端部がマイクロ
スイッチ105,106を押圧してマイクロスイッチ1
05,106がオン状態となる。度決めレバー103,
104には、ばね103a,104aが掛止され、係止
部100bが度決めレバー103,104に係止されな
いときにはばね103a,104aのばね力によりマイ
クロスイッチ105,106の押圧が解放されてマイク
ロスイッチ105,106がオフの状態となる。駆動用
レバー100が連結バー96により最下位まで下降した
状態では、図17に示されるように駆動用レバー100
の係止部100bが両度決めレバー103,104を通
過してその上方に位置し、両度決めレバー103,10
4がばね103a,104aのばね力を受けて中立位置
に位置し、両スイッチ105,106がオフとなる。
【0073】一方、左側板12の外面には、図16に示
されるように紙送りローラ62の軸の左側板12からの
突出端に設けられている歯車107に歯車108,10
9,110が順次噛合可能に設けられている。歯車11
0は図1及び図2に示したCSF21及び後トラクタ2
2の駆動歯車であって、これについては後で詳細に説明
する。歯車109と歯車110との間には、クラッチ機
構C2 が設けてあり、クラッチレバー111の揺動によ
り連断される。クラッチレバー111は切換えレバー9
0と駆動用レバー100の中心軸101に固着され、こ
れらと一体に動作するものである。歯車109は図14
に示されるように軸112にその軸方向へ摺動自在に支
持されているとともに、ばね113により左側板12に
向って付勢されている。クラッチレバー111のの先端
部には、扇形をしておりかつ傾斜面を有するカム部11
1aが設けてあり、歯車109のボス部109aに係合
してこれをばね113に抗して押上げ可能となってい
る。歯車109には、歯車114が噛合し、この歯車1
14に設けたプーリ114aと排紙ローラ123に設け
たプーリ123aとの間にベルト115が掛け回されて
紙送りモータ60の回転が排紙ローラ123に伝達され
るようになっている。
【0074】そして、切換えレバー装置9では、リボン
送りモータ38を一旦逆転駆動して図17の状態にし、
その後リボン送りモータ38を正転駆動すると、連結バ
ー95,96がフリーになり、ばね99のばね力により
両連結バーが上昇し、クラッチ機構C1 のピニオン63
bと歯車72との噛合が切り離される。また、駆動用レ
バー100もフリーとなってばね102のばね力により
時計方向に揺動し、この揺動動作により駆動用レバー1
00が度決めレバー104,103をそのばね力に抗し
て乗り越えて図19(A)のように右下がりの状態にな
る。このレバー100と共に中心軸101が回転するこ
とにより、切換えレバー90及びクラッチレバー111
も揺動し、切換えレバー90が下段位置になる。これと
同時に、クラッチレバー111のカム部111aがボス
部109aから離れて歯車109と歯車110とが噛合
してクラッチ機構C2 が閉じられ、紙送りモータ60か
ら歯車110に回転力が伝達されてCSF21と後トラ
クタ22が駆動され、図1及び図2の使用モードとな
る。
【0075】次いで、リボン送りモータ38を逆転駆動
すると、扇形歯車94が時計方向に回転して連結バー9
5,96が下降して図18に実線で示した中段位置に移
動する。連結バー95が中段位置に移動した状態では、
図18に実線で示されるようにクラッチ機構C1 は未だ
クラッチを切った状態のままであるが、駆動用レバー1
00は連結バー96の中段までの下降によって図19
(B)のように反時計方向に揺動して係止部100bが
度決めレバー103に係止された位置に保持される。こ
れと同時に、マイクロスイッチ105がオンとなり、リ
ボン送りモータ38の逆転が停止される。この状態で
は、切換レバー90が中段位置になる。また、クラッチ
レバー111によって歯車109のボス部109aが押
し上げられて歯車109と歯車110との噛合が外れ、
クラッチ機構C2 が切られる。これにより、歯車110
に最早回転力が伝達されず、CSF21及び後トラクタ
22が駆動不可となり、図3及び図4に図示の使用モー
ドとなる。
【0076】リボン送りモータ38をさらに逆転駆動す
ると、扇形歯車94が時計方向に回転して連結バー9
5,96がさらに下降して図18に右下傾斜の鎖線で示
した下段位置に移動する。連結バー95が下段位置に移
動した状態では、歯車63が押し込まれ、この押し込み
によりピニオン63bと歯車72が噛合してクラッチ機
構C1 が閉じられ、歯車75(図17に図示)に紙送り
モータ60からの回転力が伝達されてローラフリクショ
ン切換装置7,8の駆動が可能になる。また、駆動用レ
バー100は連結バー96の下段までの下降によって図
19(C)のように反時計方向に揺動して係止部100
bが度決めレバー104に係止された位置が保持され
る。これとと同時に、マイクロスイッチ106がオンと
なり、リボン送りモータ38の逆転が停止される。この
状態では、切換レバー90が上段位置となり、図1、図
3及び図4に二点鎖線で図示の使用モードとなる。ま
た、クラッチレバー111によって歯車109のボス部
109aが押し上げられて歯車109と歯車110との
噛合が外れた状態を維持し、クラッチ機構C2 が切られ
たままとなり、CSF21及び後トラクタ22が駆動不
可の状態を維持する。
【0077】CSF21及び後トラクタ22の取付構造
について図20を参照して詳述する。図20(A)に示
されるように両側板11,12にガイドピン18,19
が突設されているとともに、CSF21にガイドピン1
8,19と係合するガイド溝21a,21bが設けられ
ている。ガイド溝21bは下方開放の形状に形成されて
いる。ガイド溝21aは前方に大きく開いた下方開放の
形状に形成されている。そして、CSF21を装着する
際には、ガイド溝21bをガイドピン19に上方から係
合すると同時に、ガイド溝21aをガイドピン18に上
方から係合すればよく、これによってCSF21が装着
される。CSF21の装着状態では、CSF21内に固
定的に設けてある従動歯車21cが歯車110に噛合
し、カットシートP1 に接触するピッキングローラ21
dに従動歯車21cの回転が輪列21eを介して伝達さ
れてカットシートP1 の供給が可能となる。
【0078】また、図20(B)に示されるように後ト
ラクタ22にはガイドピン18,19と係合するガイド
溝22a,22bが設けられている。ガイド溝22aは
前方開放の形状に形成されている。ガイド溝22bは下
方開放の形状に形成されている。そして、後トラクタ2
2を装着する際には、ガイド溝22aをガイドピン18
に後方から前方へ向って係合し、その後にガイドピン1
8を中心にして後トラクタ22を回転しつつガイド溝2
2bにガイドピン19を係合すればよく、これによって
後トラクタ22が装着される。後トラクタ22の装着状
態では、後トラクタ22の従動歯車22cが歯車110
に噛合して従動歯車22cの回転により連続紙P2 の供
給が可能になる。
【0079】次に、前トラクタ23の姿勢変更構造につ
いて図15乃至図17を参照して説明する。前トラクタ
23を使用する場合は、図4に示されるように前トラク
タを右上がりに傾斜した状態にしなければならない。前
トラクタ23は上述したように軸23aを中心として3
つの揺動姿勢をとるものである。このための構造として
前トラクタ23の姿勢変更装置130が設けられてい
る。すなわち、前トラクタ23の従動歯車23bの軸2
3cに従動ローラ23dが設けられている。また、左右
側板11,12には、軸23aを軸受する軸孔131と
この軸孔を中心とした円弧形状のガイド孔132が設け
られ、このガイド孔132に従動歯車23bの軸23c
が移動可能に係合されている。軸23cには、ばね13
3が掛止され、このばね133により下方へ付勢されて
いる。このため、通常は前トラクタ23が図1に示され
るように右下がりの姿勢になっている。
【0080】一方、ローラフリクション切換装置7にお
ける偏心カム76には、その外周面がカム面になってお
り、大径のカム面76dを中心としてその両側に中径の
カム面76e,76eが設けられ、中径のカム面76
e,76eと小径のカム面との間に段落部76f,76
fが形成されている。ローラ23dはこのカム面76d
〜76fにばね133のばね力により弾接されている。
【0081】そして、図15で説明したようにクラッチ
機構C1 が閉じられてモータ駆動力が歯車75に伝達さ
れることにより図15に示されるように以下の4つのモ
ードとなる。すなわち、歯車75の回転により、図15
(A)に示されるようにローラ23dが偏心カム76の
段落部76fに落ち込むと、前トラクタ23が図1に示
されるように右下がりの姿勢となる。このときは従動歯
車23bが歯車69のピニオン69bに噛合せず、前ト
ラクタ23からの連続紙P4 の供給はできず、CSF2
1の使用モードとなる。また、歯車75の回転により、
図15(B)に示されるようにローラ23dが中径のカ
ム面76eに摺接すると、前トラクタ23が図2に示さ
れるように水平姿勢となる。このときも従動歯車23b
が歯車69のピニオン69bに噛合せず、前トラクタ2
3からの連続紙P4 の供給はできず、後トラクタ22の
使用モードとなる。また、歯車75の回転により、図1
5(C)に示されるようにローラ23dが大径のカム面
76dに摺接すると、前トラクタ23が図4に示される
ように右上がりの姿勢となる。このときは従動歯車23
bが歯車69のピニオン69bに噛合し、前トラクタ2
3の従動歯車23bが駆動されて連続紙P4 の供給が可
能になり、前トラクタ23の使用モードとなる。また、
歯車75の回転により、図15(D)に示されるように
ローラ23dが中径のカム面76dに摺接すると、前ト
ラクタ23が図3に示されるように水平姿勢となる。こ
のときは従動歯車23bは歯車69のピニオン69bに
噛合せず、前トラクタ23からの連続紙P4 の供給はで
きず、手差しの使用モードである。
【0082】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るシ
リアルプリンタでは、印字ヘッドをプラテンに接離させ
る接離機構と、印字ヘッドがプラテンに沿う複数の移動
位置でプラテンに接離するように印字ヘッドの移動およ
び接離機構の駆動を制御し各移動位置にて印字ヘッドが
プラテンに接近したときの印字ヘッドの変位量の変化に
基づいて用紙幅を検出する用紙幅検出手段とを有するの
で、光反射率の低い着色紙やピントラクタとの係合用の
孔が幅方向両端部に穿設された連続紙等を用いても、用
紙幅を誤りなく検出でき、用紙幅の検出性能が向上する
という優れた効果を有する。また、接離機構を印字ヘッ
ドとプラテンとのギャップ調整機構を兼ねるものとすれ
ば、接離機構を専用部品として設ける必要もなく、構造
が簡単となり、低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリアルプリンタの第1の使用モ
ードを示す断面図である。
【図2】第2の使用モードを示す断面図である。
【図3】第3の使用モードを示す断面図である。
【図4】第4の使用モードを示す断面図である。
【図5】接離機構を示す右側面図である。
【図6】接離機構を示す断面図である。
【図7】接離機構を示す左側面図である。
【図8】用紙幅の検出動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】用紙幅の検出動作時の印字ヘッドの動作を示す
断面図である。
【図10】従来での連続紙への印字動作時の印字ヘッド
の動作を示す断面図である。
【図11】連続紙への印字動作時の印字ヘッドの動作を
示す断面図である。
【図12】連続紙への印字動作を示すフローチャートで
ある。
【図13】紙送り装置を示す断面図である。
【図14】ローラフリクション切換装置を示す断面図で
ある。
【図15】(A)(B)(C)(D)(E)(F)はロ
ーラフリクションの切り換え動作を段階的に示す正面図
である。
【図16】ローラフリクション切換装置を示す左側面図
である。
【図17】切換えレバー装置を示す右側面図である。
【図18】切換えレバー装置の一部を示す断面図であ
る。
【図19】(A)(B)(C)は切換えレバー装置の動
作とこれに連動する他の部分の動作を段階的に示す正面
図である。
【図20】(A)(B)はプリンタの後部に選択的に装
着されるCSFと後トラクタとの取付構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
4 接離機構 31 印字ヘッド 35 プラテン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 光一 東京都墨田区太平四丁目1番1号 株式会 社精工舎内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字ヘッドを用紙送り方向と直交する方
    向へプラテンに沿って移動させて印字を行なうシリアル
    プリンタであって、 上記印字ヘッドを上記プラテンに接離させる接離機構
    と、 上記印字ヘッドが上記プラテンに沿う複数の移動位置で
    プラテンに接離するように上記印字ヘッドの移動および
    上記接離機構の駆動を制御し、上記各移動位置にて上記
    印字ヘッドが上記プラテンに接近したときの上記印字ヘ
    ッドの変位量の変化に基づいて用紙幅を検出する用紙幅
    検出手段と、 を有することを特徴とするシリアルプリンタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記接離機構は、上
    記印字ヘッドと上記プラテンとのギャップ調整機構を兼
    ねることを特徴とするシリアルプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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