JP2002355016A - レトルト殺菌方法及びレトルト殺菌制御装置 - Google Patents

レトルト殺菌方法及びレトルト殺菌制御装置

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JP2002355016A
JP2002355016A JP2001169017A JP2001169017A JP2002355016A JP 2002355016 A JP2002355016 A JP 2002355016A JP 2001169017 A JP2001169017 A JP 2001169017A JP 2001169017 A JP2001169017 A JP 2001169017A JP 2002355016 A JP2002355016 A JP 2002355016A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 「過剰レトルト殺菌」や「不十分レトルト殺
菌」を防止できるとともに、予想F値を簡単に求めるこ
とができるレトルト殺菌方法及びレトルト殺菌制御装置
のレトルト殺菌を提供する。 【解決手段】過去のレトルト殺菌で測定した釜内温度デ
ータと包装食品の容器内温度データとを時間経過毎に求
めて、横軸を時間軸、縦軸を温度軸とした釜内温度曲線
と容器内温度曲線とを表示し、殺菌開始温度における両
者の時間の差を補正係数Aとして、次に行うレトルト殺
菌の予想F値を下記(式1)により算出し、予想F値に
基づいた殺菌時間で殺菌する。 予想F値=規格F値(分)×10 −A(分)
(式1) T=(殺菌温度−121.1℃)/10 規格F値は所定の殺菌温度で決められている殺菌時間で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料、食品の製造
におけるレトルト釜によるレトルト殺菌方法及びレトル
ト殺菌制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、缶飲料や缶詰等の包装食品の殺
菌では、所定の温度と時間とで殺菌を行うF値が知られ
ており、レトルト釜内に缶飲料等を充填して、レトルト
釜内温度を蒸気により所定温度に高めた後、F値(殺菌
温度で決まる殺菌時間:分)で殺菌することが行われて
いる。しかし、レトルト釜内温度はリアルタイムで直接
測定可能であるが、包装食品の容器内温度はリアルタイ
ムで直接測定できないこと、及び釜内温度と包装食品の
容器内温度とにはずれが生じることから、容器内におけ
るF値(殺菌時間)にずれが生じる。かかるF値のずれ
が生じると、容器内容物が過剰に加熱されたり(過剰レ
トルト殺菌)、殺菌が十分にできていない(不十分レト
ルト殺菌)という不都合が生じる。このような過剰レト
ルト殺菌や不十分レトルト殺菌を防止するため、適正な
F値を求めることが従来から種々行われている。たとえ
ば、特許第3071412号公報には、レトルト釜内温
度と、包装食品の容器の伝熱係数と、実測品温(容器の
内部温度)とを過去のレトルト殺菌から求めてそのデー
タを蓄積し、レトルト試験機で求めた加熱側個別伝熱係
数と、冷却側個別伝熱係数を求めて、実測している釜内
温度での予想F値を求めることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加熱側伝熱係
数及び冷却側伝熱係数の算出結果に基づいて、釜内温度
から包装食品の容器内温度を算出する従来技術では、計
算式が複雑になるとともに、容器の伝熱係数は、釜内温
度と内容物の温度差や釜内温度によっても異なるので、
予想F値に誤差が生じ、上述した「過剰レトルト殺菌」
や「不十分レトルト殺菌」を防止することが困難であ
る。
【0004】そこで、本発明は、「過剰レトルト殺菌」
や「不十分レトルト殺菌」を防止できるとともに、予想
F値を簡単に求めることができるレトルト殺菌方法及び
レトルト殺菌制御装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、過去のレトルト殺菌で測定した釜内温度データと包
装食品の容器内温度データとを時間経過毎に求めて、二
次元グラフの一方の軸を時間軸、他方の軸を温度軸とし
た釜内温度曲線と容器内温度曲線とを表示し、殺菌開始
温度における両者の時間の差を補正係数Aとして、次に
行うレトルト殺菌の予想F値を下記(式1)により算出
し、予想F値に基づいた殺菌時間で殺菌することを特徴
とする。
【0006】
【式2】 予想F値=規格F値(分)×10 −A(分) (式1) T=(殺菌温度−121.1℃)/10 規格F値は所定の殺菌温度で決められている殺菌時間で
ある。を特徴とする。
【0007】この請求項1に記載の発明では、過去のレ
トルト殺菌で得られた釜内温度曲線と、容器内温度曲線
とを表示したグラフから、所定の殺菌温度における時間
のずれAを求め、この時間のずれを補正係数Aとして規
格F値から減じて予想F値とする。従って、釜内温度曲
線と容器内温度曲線とから得られる殺菌温度における時
間のずれ値Aをそのまま規格F値から減じるだけである
から、容易にF値を求めることができる。しかも、過去
の実測値に基づくデータから直接求めることができるの
で、誤差も少ない。これにより、「過剰レトルト殺菌」
や「不十分レトルト殺菌」を防止することができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の予想F値にもとづいて、殺菌開始から現在までの殺菌
時間と残りの殺菌時間とを加算して予想F値の殺菌終了
時間を、二次元グラフの一方の軸に殺菌温度を取り他方
の軸に規格F値をとったグラフ画面に表示するととも
に、過去のデータに基づいて特定された各殺菌温度毎の
過剰レトルト殺菌の境界線と、不十分レトルト殺菌の境
界線とを表示する。
【0009】この請求項2に記載の発明では、請求項1
に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、制御
装置の画面には、過剰レトルト殺菌の境界線と不十分レ
トルト殺菌の境界線とが表示されており、操作者は、予
想F値がこれらの境界線間の適正領域にある値なのか、
それともこれらの境界線間の適正領域から外れて、過剰
レトルト殺菌になるおそれがあるのか、または不十分レ
トルト殺菌になるおそれがあるのかを容易に判断するこ
とができる。万が一、予想F値が適正領域から外れるお
それがある場合には、予想F値が経過する前に予想F値
を修正することができるので、未然に過剰レトルト殺菌
や不十分レトルトを防止できる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、予想F値が過剰レトルト殺菌の境界線
または不十分レトルト境界線との間にある適正領域から
はずれたときに、警報を発することを特徴とする。
【0011】この請求項3に記載の発明では、警報を発
することにより、操作者やレトルト殺菌業務に携わって
いる者に注意を喚起する。警報は、制御装置の画面に表
示したり、音を発するものでも良いし、制御装置本体か
ら、特定の者の携帯電話や他の通信機器等に警報を発振
するものであってもよい。
【0012】請求項4に記載の発明は、レトルト釜内の
同一部位の温度を測定する少なくとも2つの温度検知器
を備え、一方の温度検知器はレトルト殺菌制御装置の測
定用であり、他方の温度検知器はチャート記録用温度検
知器であり、これらの温度検知器の測定データを同時に
取り出して、二次元グラフの一方の軸に時間、他方の軸
に温度を取ったグラフに表示することを特徴とする。
【0013】この請求項4に記載の発明では、レトルト
釜内には同じ部位に2つ以上の温度検知器を設けてお
り、これらが測定する温度をグラフに表示する。各温度
検知器の測定値は一致するべきものであるが、ずれが生
じている場合には、複数の温度検知器のいずれかに故障
や異常が発生しているのであるから、温度検知器におけ
る異常を容易に把握でき、温度検知器の交換等の対応処
置を速やかに取ることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の
いずれかに記載の発明において、二次元グラフの一方の
軸をレトルト釜内温度とし他方の軸を経過時間軸とする
グラフを画面に表示するとともに、経過時間に順じてお
こなうレトルト殺菌の処理工程を表示することを特徴と
する。
【0015】この請求項5に記載の発明では、請求項2
〜3のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏する
とともに、画面にはリアルタイムの釜内温度をグラフで
表示するとともに、経過時間に順じておこなう一次加熱
工程、二次加熱工程、一次冷却工程、二次冷却工程等の
各工程を表示できるので、釜内温度と各工程との温度の
関係が、例えば、二次加熱工程が始まっているのに温度
が上がらないとか、冷却工程が始まっているのに釜内温
度が下がっていない等の異常を容易に把握でき、レトル
ト殺菌設備の異常に対して迅速な対処が可能である。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の
いずれかに記載の発明において、各レトルト釜における
殺菌処理を行った回数を二次元グラフの一方の軸に取
り、他方の軸にF値を取り、各レトルト殺菌処理毎に行
ったF値を画面に表示することを特徴とする。
【0017】この請求項6に記載の発明では、請求項2
〜5のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏する
とともに、各レトルト釜毎の殺菌処理に用いたF値の傾
向が把握でき、例えば、F値がレトルト殺菌運転毎に、
次第に大きくなったり、小さくなってきた場合には、レ
トルト釜における蒸気量が変化していたり、レトルト釜
に漏れ等が発生している等の異常を容易に推察すること
ができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の
いずれかに記載の発明において、レトルト殺菌処理にお
ける各不具合項目を画面に表示し、各不具合項目の中か
ら所定の項目が選択された場合に、選択された項目に対
応するチェック事項を表示することを特徴とする。
【0019】この請求項7に記載の発明では、請求項2
〜6のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏する
とともに、レトルト殺菌における異常(不具合事項)が
生じた場合に、どのような不具合事項かを確認し、ある
いはその不具合に対してどのような配管を調べることが
必要なのかを、マニュアル化して表示することにより、
未熟練者であっても迅速に且つ容易に確認できるととも
に異常事態に対処するための誤操作を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、添付した図面を参照しな
がら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図8
は本実施の形態にかかるレトルト殺菌制御装置の画面表
示を示す図であり、図9はレトルト殺菌制御装置の構成
を示すブロック図である。
【0021】本実施の形態にかかるレトルト殺菌制御装
置は、図9に示すように、画面11と本体13とから構
成されており、本体13は、過去のレトルト殺菌の温
度、圧力、時間、規格F値等の各種データを記録する書
き込み部1と、レトルト釜内に設けられた温度検知器か
らの温度データを取り込むインターフェース部3と、書
き込み部1及びインターフェース部3とから取り込んだ
温度に基づいて予想F値を計算する演算部5と、各種デ
ータを画面にグラフ表示する表示部7と、レトルト殺菌
処理運転におけるトラブル事項に関するデータを記載し
てある記録部9とを備えている。本体13では、画面1
1に初期画面としてメニュー画面を表示し、各メニュ
ー、例えば、「殺菌状態把握画面」、「F値計算画面」
等のメニューを選択することにより、各種のメニューに
応じた画面を表示するようになっている。
【0022】演算部5では、予想F値を演算するが、こ
の予想F値は、図1に示すように、過去のレトルト殺菌
で測定した釜内温度データと包装食品の容器内温度デー
タとを、時間経過毎に求めて、横軸(二次元グラフの一
方の軸)を時間軸、縦軸(二次元グラフの他方の軸)を
温度軸とした釜内温度曲線と容器内温度曲線とから殺菌
開始温度における両者の時間の差Aを求め、これを補正
係数Aとする。予想F値は、下記式1により求める。
【0023】
【式3】 予想F値=規格F値(分)×10 −A(分) (式1) T=(殺菌温度−121.1℃)/10 規格F値は所定の殺菌温度で決められている殺菌時間で
ある。
【0024】即ち、過去のレトルト殺菌における釜内温
度と、缶飲料(包装食品)の内容物温度とを測定してお
き、これらの値を経過時間ごとにプロットした図1に示
すグラフにおいて、例えば、115℃が殺菌の開始温度
であった場合に、A時間(分)のずれを生じる。このず
れ時間Aは、釜内温度に対して、缶内の内容物が同じ温
度になるために伝熱による時間のずれである。したがっ
て、このずれた時間Aを規格F値から減じることにより
適正な予想F値を得ることができる。尚、図1のグラフ
は、操作者による制御装置の画面メニューを選択するこ
とにより、必要に応じて画面11に表示されるものであ
る。このようにして得られた予想F値を用いることによ
り、リアルタイムで逐次測定することができるレトルト
釜内の温度でレトルト殺菌制御をおこなう。尚、レトル
ト釜内の温度は、制御用温度検知器15により行ってい
る。
【0025】また、レトルト釜内の同じ部位には、この
制御用温度検知器15(図9参照)の他にチャート用温
度検知器17(図9参照)が挿入されており、少なくと
も2つの温度計で同じ部位の温度を測定する。制御用温
度検知器15は、予想F値算出用の温度検知器であり、
チャート用温度検知器17は、チャート紙に記録を保存
するための温度検知器である。制御用温度検知器15と
チャート用温度検知器17との検知温度は、図3に示す
「校正機器監視画面」として画面に表示する。図3に
は、横軸に経過時間を取り、縦軸に検知温度を取ったグ
ラフにリアルタイムで表示される。この画面はグラフの
スケールを自由に変更して表示可能であり、任意のスケ
ールによる温度範囲で両者の測定値のずれを確認するこ
とができる。また、表示画面には警報の表示を設けてお
り、測定値のずれが誤差範囲を超えたずれである場合に
は、そのずれの範囲に応じて警報を表示する。即ち、こ
れらの2つの温度検知器15、17の測定値は一致する
べきものであるが、測定温度にずれが生じている場合に
は、温度検知器15、17のいずれかに故障や異常があ
ると推察することができ、例えば故障した温度検知器の
交換等の対応処置を速やかに取ることができる。
【0026】一方、画面11では、レトルト殺菌におけ
る過去の情報や現在の情報が表示可能であり、図2に示
す「F値計算画面」では、殺菌温度における現在までの
時間と、予想F値とを表示する。即ち、この図2に示す
画面は、横軸に温度、縦軸に時間を取り、殺菌開始から
現在までの殺菌時間と、残りの殺菌時間と、予想F値を
グラフに表示することにより、殺菌終了時間を把握する
ことができる。更に、このグラフには、過去のデータに
基づいて特定された各殺菌温度毎の過剰レトルト殺菌の
境界線21と、不十分レトルト殺菌の境界線23とを表
示する。そして、操作者は、現在値及び予想F値が境界
線21、23の間の領域にあることを確認し、もし、予
想F値が境界線21、23の間の領域からずれるのであ
れば、「過剰レトルト殺菌」や「不十分レトルト」にな
るおそれがあるので、それらの事態を未然に防止するこ
とができる。
【0027】制御装置では、メニュー画面において「ト
レンド画面」を選択することにより、レトルト殺菌運転
における各釜毎の現在及び過去の運転状況を連続表示す
るようになっている。図4に示す画面は、横軸に経過時
間、縦軸に釜内温度をとり、各釜における釜内温度の変
化をグラフ化したものであり、グラフとともに、運転開
始時間、運転終了時間、殺菌パターン、予想F値等を項
目別に表示し、運転管理を容易にできるようにしてい
る。
【0028】更に、図4に示す画面は、画面の特定部分
の選択やスケールを変更して、拡大表示が可能であり、
図5の「詳細画面」に示すように、任意の釜における1
回のレトルト殺菌工程を選択して表示することが可能で
ある。また、図5に示すグラフ画面では、品種、一次加
熱時間、予想F値等の種々の項目を同時に表示するとと
もに、一点鎖線で示す釜内の圧力変化についても表示す
る。
【0029】図6に示す画面表示は、図5に示すグラフ
の一部を更に部分的に拡大して示すとともに、一次冷却
工程等の各項工程を経過時間毎に設定した表示を示すも
のである。即ち、図6において、一次冷却工程開始の表
示をグラフに示しているが、その他に一次加熱開始と終
了、二次加熱の開始と終了等の各工程を随時表示可能で
ある。
【0030】図7に示すグラフ画面はメニュー画面で選
択された「F値一覧画面」であり、全てのレトルト殺菌
釜において各レトルト殺菌工程でのF値をグラフとして
示したものであり、横軸は、レトルト殺菌工程の回数で
あり、縦軸にF値を取っている。本実施の形態では、レ
トルト釜は3つあり、これら3つのレトルト釜を順次用
いてレトルト殺菌を連続的に行っており、グラフから各
レトルト殺菌毎のF値の全体的な傾向を把握することが
できる。例えば、レトルト殺菌工程の回を重ねるに従っ
て、F値が次第に高まっていたり、低くなっている場合
には、レトルト釜や設備に何らかの異常が徐々に進行し
ていることが推察できる。そして、連続的に把握するF
値の傾向から、F値が規格(規格F値)から外れる傾向
にある場合には、警報を表示する。尚、上述した各グラ
フ画面において、警報の表示は、赤色等の注意を喚起す
る色でその内容を表示したり、画面を点滅させたり、あ
るいは同時に音を発するようにすることが好ましい。
【0031】上述した各グラフから判断してレトルト殺
菌運転においてトラブルが発生したと判断した場合に、
操作者はメニュー画面から「トラブルシューティング」
を選択すると、図8に示す「トラブルシューティング」
画面を表示する。このトラブルシューティング画面で
は、「スタートボタンを押してもスタートしない」、
「スタートしても温度が上昇しない」等のレトルト殺菌
運転における各不具合(トラブル)事項を表示してお
り、操作者がこれらの該当項目をマウスでクリックして
選択すると、各トラブル事項において必要なチェック
(点検事項)が表示されるようになっている。例えば、
「スタートボタンを押してもスタートしない」を選択し
てクリックした場合には、「電源スイッチを確認してく
ださい」、「レトルト釜の開閉弁を確認してください」
等の各チェック事項を表示するようになっている。従っ
て、レトルト殺菌運転にトラブルが発生した場合にも、
各トラブル内容に応じてチェック事項を確認することに
より、容易に且つ漏れのない対応ができるとともに、未
熟練者であっても落ち着いた状況判断と対策を取ること
ができる。
【0032】本発明は、上述した実施の形態に限定され
ず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形
が可能である。例えば、本実施の形態では、飲料のレト
ルト殺菌に限らず、食品のレトルト殺菌に用いるもので
あってもよい。釜内温度曲線、容器内温度曲線等の各グ
ラフにおいて、二次元グラフの一方の軸及び他方は、い
ずれが横軸であっても縦軸であってもよい。
【0033】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、釜内温
度曲線と容器内温度曲線とから得られる殺菌温度におけ
る時間のずれ値Aをそのまま規格F値から減じるだけで
あるから、容易にF値を求めることができる。しかも、
過去の実測値に基づくデータから直接求めることができ
るので、誤差も少ない。これにより、「過剰レトルト殺
菌」や「不十分レトルト殺菌」を防止することができ
る。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、予想F値
が、過剰レトルト殺菌の境界線と不十分レトルト殺菌の
境界線と間の適正領域にある値なのか否を表示するの
で、未然に過剰レトルト殺菌や不十分レトルトを防止で
きる。
【0035】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、予想F値
が適正でなかった場合に、警報を発することにより、注
意を喚起することができる。
【0036】請求項4に記載の発明によれば、レトルト
釜内には同じ部位に2つ以上の温度検知器を設けて各温
度検知器の測定温度をグラフに表示するので、温度検知
器における異常を容易に把握でき、温度検知器の交換等
の対応処置を速やかに取ることができる。
【0037】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
〜3のいずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとと
もに、画面にはリアルタイムの釜内温度をグラフで表示
するとともに、経過時間に順じておこなう各工程を表示
できるので、レトルト殺菌設備の異常を容易に把握で
き、異常に対して迅速な対処が可能である。
【0038】請求項6に記載の発明によれば、請求項2
〜5のいずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとと
もに、各釜毎の殺菌処理に用いたF値の傾向を把握で
き、これによりレトルト殺菌設備の異常を容易に把握す
ることができる。
【0039】請求項7に記載の発明によれば、請求項2
〜6のいずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとと
もに、レトルト殺菌運転における不具合事項に対してチ
ェック事項を表示するので、未熟練者であっても迅速に
且つ容易に異常事態に対処することができるとともに異
常事態に対処するための誤操作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるレトルト釜内温度
と包装食品の容器内温度との関係を示すグラフ画面の図
である。
【図2】F値の計算画面を示し、F値の現在値と予想F
値との関係を示すグラフ画面の図である。
【図3】制御用温度検知器とチャート記録用温度検知器
との測定データを表示するグラフ画面の図である。
【図4】一つのレトルト釜における連続したデータを表
示するグラフ画面の図である。
【図5】一つのレトルト釜における一回毎のレトルト殺
菌運転のデータを表示するグラフ画面の図である。
【図6】図4に示すグラフの一部をスケールを拡大して
示すグラフ画面の図である。
【図7】各レトルト釜毎におけるF値の傾向を示すグラ
フ画面の図である。
【図8】トラブルシューティング画面を示す図である。
【図9】本実施の形態にかかるレトルト殺菌制御装置の
ブロック図である。
【符号の説明】
1 記録部 3 インターフェース部 5 演算部 7 表示部 9 データ部 11 画面 13 本体 15 制御用温度検知器 17 チャート用温度検知器 21 過剰レトルト殺菌の境界線 23 不十分レトルト殺菌の境界線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽豆 俊哉 富山県下新川郡入善町若栗新321−1 ア サヒ飲料株式会社北陸工場内 Fターム(参考) 4B021 LA03 LP02 LT03 LT06 LW06 MC01 4C058 AA21 BB02 BB05 CC02 CC04 DD02 DD04 DD13 DD14 DD16 DD20 EE26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過去のレトルト殺菌で測定した釜内温度
    データと包装食品の容器内温度データとを時間経過毎に
    求めて、二次元グラフの一方の軸を時間軸、他方の軸軸
    を温度軸とした釜内温度曲線と容器内温度曲線とを表示
    し、殺菌開始温度における両者の時間の差を補正係数A
    として、次に行うレトルト殺菌の予想F値を下記(式
    1)により算出し、予想F値に基づいた殺菌時間で殺菌
    することを特徴とするレトルト殺菌方法。 【式1】 予想F値=規格F値(分)×10 −A(分) (式1) T=(殺菌温度−121.1℃)/10 規格F値は所定の殺菌温度で決められている殺菌時間で
    ある。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の予想F値にもとづい
    て、殺菌開始から現在までの殺菌時間と残りの殺菌時間
    とを加算して予想F値の殺菌終了時間を、二次元グラフ
    の一方の軸に殺菌温度を取り他方の軸に規格F値をとっ
    たグラフ画面に表示するとともに、過去のデータに基づ
    いて特定された各殺菌温度毎の過剰レトルト殺菌の境界
    線と、不十分レトルト殺菌の境界線とを表示するレトル
    ト殺菌制御装置。
  3. 【請求項3】 予想F値が過剰レトルト殺菌の境界線ま
    たは不十分レトルト境界線との間にある適正領域からは
    ずれたときに、警報を発することを特徴とする請求項2
    に記載のレトルト殺菌制御装置。
  4. 【請求項4】 レトルト釜内の同一部位の温度を測定す
    る少なくとも2つの温度検知器を備え、一方の温度検知
    器はレトルト殺菌制御装置の測定用であり、他方の温度
    検知器はチャート記録用温度検知器であり、これらの温
    度検知器の測定データを同時に取り出して、二次元グラ
    フの一方の軸に時間、他方の軸に温度を取ったグラフに
    表示することを特徴とするレトルト殺菌制御装置。
  5. 【請求項5】 二次元グラフの一方の軸をレトルト釜内
    温度とし他方の軸を経過時間軸とするグラフを画面に表
    示するとともに、経過時間に順じておこなうレトルト殺
    菌の処理工程を表示することを特徴とする請求項2〜4
    のいずれかに記載のレトルト殺菌制御装置。
  6. 【請求項6】 各レトルト釜における殺菌処理を行った
    回数を二次元グラフの一方の軸に取り、他方の軸にF値
    を取り、各レトルト殺菌処理毎に行ったF値を画面に表
    示することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載
    のレトルト殺菌制御装置。
  7. 【請求項7】 レトルト殺菌処理における各不具合項目
    を画面に表示し、各不具合項目の中から所定の項目が選
    択された場合に、選択された項目に対応するチェック事
    項を表示することを特徴とする請求項2〜6のいずれか
    に記載のレトルト殺菌制御装置。
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