JP2002353682A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2002353682A
JP2002353682A JP2001156780A JP2001156780A JP2002353682A JP 2002353682 A JP2002353682 A JP 2002353682A JP 2001156780 A JP2001156780 A JP 2001156780A JP 2001156780 A JP2001156780 A JP 2001156780A JP 2002353682 A JP2002353682 A JP 2002353682A
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wave absorber
ultraviolet
absorbing layer
layer
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JP2001156780A
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English (en)
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Kazuyuki Kashiwabara
一之 柏原
Nozomi Fujita
望 藤田
Kazuhiko Kanemitsuya
和彦 金光谷
Katsunobu Hosoya
勝宜 細谷
Toshio Kudo
敏夫 工藤
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、「ミリ波」、「マイクロ波」といっ
た「MHz」の周波数域より高い「GHz」の周波数域
のノイズに対して、高い電波吸収特性を有し、かつ、紫
外線による劣化が抑制される電波吸収体を提供すること
を課題とした。 【解決手段】電波が入射してくる面に紫外線吸収層を設
けていることを特徴とする電波吸収体で解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動料金システ
ム、ナビゲーションシステム等で使用するマイクロ波
(周波数:300MHz〜30GHz帯、波長:1m〜
10mm)、自動車自動走行システムに使用されるミリ
波(周波数:30〜300GHz帯、波長:10〜1m
m)の電磁波吸収特性に優れたマイクロ波、ミリ波に好
適な電磁波吸収体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、ITS(Intelligent
Transport systems:高度道路交通シ
ステム)の導入が活発化にともない、ETC(Elec
tronic Toll Collectionsys
tem:ノンストップ自動料金収受システム)やレーダ
や衛星通信等によるDSRC(DedicatedSh
ort Range Communication s
ystem:狭域通信システム)、AHS(Advan
ce crew assist Highway Sy
stem:自動車走行支援システム)等の導入が急速に
立ち上がっている。また、近い将来自動車自動走行シス
テムの構想が挙げられている。その情報通信には、様々
な波長域(例えば、ミリ波、マイクロ波)の電波が使わ
れている。
【0003】しかし、上記したETC、DSRC、AH
Sに使用される電波が路面、壁面あるいは車両ルーフ等
で反射され不要電波(以下にノイズともいう)となっ
て、そのノイズがシステムの誤作動を引き起こし、例え
ば、ノンストップ自動料金収受システムでは多重課金、
狭域通信システムでは正常な情報伝達が行われなかった
り、自動車走行支援システムでは自動車の誤動作等を引
き起こす恐れがある。
【0004】このような、ノイズによるシステム誤作動
を防ぐ手段として、広範囲の角度で入射する電波に対し
て高い電波吸収特性を持ち、ノイズの反射を抑制する電
波吸収体が要求されてきた。例えば、特開2000−1
38491号公報には、マイクロ波帯域に対応するため
に、マイクロ波用電磁波吸収体を、マイクロ波の波長に
対応する内径からなる多数の孔が所定の開口率で形成さ
れた導電性ゴム体と、該導電性ゴム体に対して誘電体層
を設けて配置され、フェライト粉を所定の含有率で含有
した少なくとも2層のフェライトゴムシート及びフェラ
イゴムシート間に位置し、マイクロ波の波長に対応する
内径からなる多数の孔が所定の開口率で形成された開口
フェライトゴムシートを積層したフェライトゴム体と、
金属反射板から構成する技術が開示されている。
【0005】上記した公報では、電波吸収体としての構
造が複雑であるため、製造工程が煩雑となるので、製造
が簡単に短時間で可能な構造であるシート状の電波吸収
体が開発された。例えば、特開2000−151183
号公報には、Fe系の軟磁性粉末をポリマーを介して結
合してなる電磁波吸収体において、ポリマーとして塩素
含有ポリマーを使用すると共にブロム系の難燃剤を混入
して難燃性を向上させた電磁波の吸収特性(電磁ノイズ
の除去特性)に優れた電磁波吸収体が開示されている。
さらに、特開2000−114767号公報には、優れ
た磁気シールド特性を有していると共に耐曲げ割れ性を
向上させるために、Fe−Si−Al系,Fe−Cr−
Al系等の成分系を有する軟磁性粉末をバインダーを介
して結合してなる電磁波吸収体において、軟磁性粉末は
アスペクト比(長径/厚み比)15以上とした電磁波吸
収体が開示されている。
【0006】しかしながら、上記した従来の技術で得る
ことのできるゴムフェライト系電波吸収体や軟磁性体粉
体を使用した電波吸収体の場合、 「GHz」の周波数域の電波吸収が良好にするために
は、上記した従来の技術に記載したように、構造を複雑
にしなければならなく、そのため製造工程が煩雑となっ
たり、布設箇所での取付作業にも時間を要するといった
問題があった。 シート状の電波吸収体では、「MHz」の周波数域に
おいては高い電波吸収特性が得られるものの、「ミリ
波」、「マイクロ波」といった「MHz」の周波数域よ
り高い周波数域においては良好な電波吸収特性を得るこ
とが困難であるといった欠点があった。また、「MH
z」の周波数域より高い周波数域において良好な電波吸
収特性を得るためには、軟磁性粉末を多量にバインダー
に含有しなければならないので、耐曲げ割れ性が低くな
り製造歩留りや、布設箇所が限定されるといった問題が
あった。
【0007】本発明者らは、特願2001−82722
号公報にて、ナノメートル(nm)サイズでかつ硬磁性を
有する磁性粉末を用いることでシート状に加工ができか
つ、周波数が「GHz」域の電波を20dB以上吸収す
る(減衰させる)電波吸収体を開発した。
【0008】しかし、上記した電波吸収体は、屋外で暴
露されていることが多く、紫外線による劣化が起こる。
加えてアスファルトで舗装された道路からの紫外線の反
射も含めるとその劣化は、単に太陽から直接発せられて
いる紫外線だけによる劣化速度よりも速く劣化すること
が判った。こういった劣化にともなって、電波吸収体の
損傷が激しくなると電波吸収特性の低下や不要電波によ
る誤作動が起こる可能性が出てきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、「ミリ
波」、「マイクロ波」といった「MHz」の周波数域よ
り高い「GHz」の周波数域のノイズに対して、高い電
波吸収特性を有するシート状の電波吸収体であって、か
つ紫外線による劣化が抑制される電波吸収体を提供する
ことを課題とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の電波吸
収体では電波吸収が困難であった「ミリ波」、「マイク
ロ波」といった「MHz」の周波数域より高い「GH
z」の周波数域のノイズに対して、高い電波吸収特性を
有するシート状の電波吸収体であって、かつ紫外線によ
る劣化が抑制される電波吸収体を提供することを特徴と
する。
【0011】すなわち、電波が入射してくる面に紫外線
吸収層を設けていることを特徴とする電波吸収体で解決
される。
【0012】電波吸収体としては、不要な反射電波を吸
収する公知のものであれば適用できる。例えばバインダ
ーに磁性粉末を配合したものが挙げられるが、「MH
z」の周波数域より高い周波数域である「GHz」での
電波吸収特性が良好な電波吸収体が好ましく、バインダ
ーに硬磁性粉末が配合されているものが適用される。硬
磁性粉末としては保磁力が500Oe以上のものであ
り、好ましくは500〜2000Oeが良く、具体的な
硬磁性粉末としては、γ−Fe、Fe、C
rO、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Co−Ni、
Fe−Ni、Co被着γ−Fe、Co被着Fe
が挙げられ、それらを1種類または2種類以上を混
合したものが適用される。中でもγ−Feおよび
Feからなる硬磁性粉末が「GHz」の周波数域
で優れた電波吸収特性を示す。
【0013】前記した硬磁性粉末の形状は、鱗片状、粒
状、円板状、針状等があげられるが、好ましい形状は電
波吸収体(特にシート状の電波吸収体)の耐曲げ割れ性
を向上させる点、電波吸収特性の向上という点で針状が
良く、アスペクト比で規定するとアスペクト比が3以上
の粉末が好ましく、長径が30〜450nmであり、短
径が10〜150nmの針状の粉末が好ましい。
【0014】硬磁性粉末の添加量はバインダー100重
量部に対して10〜2000重量部であり、好ましくは
30〜200重量部が良い。10重量部より少ないと
「GHz」の周波数域の電波吸収特性が低下する傾向に
あり、2000重量部より多いとバインダーとの混錬が
困難になる。
【0015】上記の硬磁性粉末は、上記の硬磁性体のバ
ルク材を溶かし、その溶湯を回転ドラムに溶湯を吹き付
けて急冷して薄帯状に形成したものを作製し、その薄帯
状のものを粉砕して粉末化する方法、上記溶湯を冷却用
気体中に噴出して液滴状態で急冷して直接、粉末状に形
成する方法、あるいはスパッタリングやCVD法による
方法が適用される。また、前記したγ−Feおよ
びFeからなる酸化鉄粉末の製造法としては、特
開平7−335418号公報が挙げられる。
【0016】バインダーは上記した磁性粉末および充填
剤を結合させるものであれば良く、具体的には天然ゴ
ム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、ニトリルゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチ
レンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン,塩素化ブチルゴム,塩素化ポリエチ
レン,塩化ビニル、熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。中でも高充填が可能であるバインダーとして、塩素
化ポリエチレンが最も好ましい。
【0017】バインダーには、上記した磁性粉末の以外
にも、圧延加工性を向上させる目的で、充填剤を添加し
ても良く、充填剤としては、公知である有機物の充填剤
や無機物の充填剤を使用できるが、好ましくは電波吸収
特性を損なわずに、圧延加工性が向上させる無機物の充
填剤が好ましく、例えばシリカ、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、カーボンからなる群から選ばれる少なくと
も1種類以上を適用すれば良い。中でも表面性状が良好
で、電波吸収特性を低下させない充填剤としてカーボン
が挙げられる。充填剤の添加量は、バインダー100重
量部に対して50〜300重量部である。
【0018】電波が入射してくる面に設けてある紫外線
吸収層は、太陽光から照射される紫外線およびアスファ
ルトから反射される前記紫外線から電波吸収体を保護す
るために設けられたものである。その厚さは20〜15
0μmのものである。20μmより薄いと良好な紫外線
吸収特性を得ることができず、150μmより厚いと電
波吸収体の電波吸収特性を低下させる傾向にある。
【0019】紫外線吸収層としては、ベース樹脂に公知
の紫外線吸収剤および、または光安定剤を添加したもの
であれば適用でき、具体的な紫外線吸収剤としては、サ
リチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、ヒンダート・アミン系等が挙げられる。サリチル
酸誘導体では、フェニル・サリシレート、p−第三−ブ
チルフェニル・サリシレートが挙げられ、ベンゾフェノ
ン系では、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシ・ベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシ・ベンゾフェノンと他の4置換ベンゾフェノンの混
合品、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキ
シ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、
4−ドデシロキシ−2−ベンゾフェノン、ビス(5−ベ
ンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メ
タン、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール系で
はベンゾトリアゾール(BTA)、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三−ブチ
ル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’−第三−ブチル−5’−メチル−フェニ
ル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
第三−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”
−テトラヒドロ・フタルイミドメチル)−5’−メチル
フェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビ
ス[4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−
6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]、ベンゾトリアゾール誘導体が挙げられる。その他
に、蓚酸アリニド誘導体、2−エトキシ−5−第三ブチ
ル−2’−エチル蓚酸ビスアリニド、2−エトキシ−2
−エチル蓚酸ビスアニリド、2,4−ジ−第三−ブチル
フェニル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンゾエート、2−エチル・ヘキシル−2−シアノ−
3,3−ジフェニル・アクリレート、1,3−ビス−
(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−
プロピルアクリレート、1,3−ビス−(4−ベンゾイ
ル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−プロピルメタク
リレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸、o−ベンゾイル安息香酸メチル、
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニル・アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシ・ベンゾフェ
ノン、[2,2’−チオビス−(4−第三オクチルフェ
ノラト)]−n−ブチルアミン・ニッケル2、[2,
2’−チオビス−(4−第三オクチルフェノラト)]−
2−エチルヘキシルアミン・ニッケル2、ジブチル・ジ
チオカバミン酸ニッケル、ニッケル・チオビスフェノー
ル複合体、ニッケル含有有機光安定剤、バリウム,ナト
リウム,リン含有の有機・無機複合体、セミカルバゾン
系光安定剤、酸化亜鉛系紫外線安定剤、ヒンダート・ア
ミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]−4−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,
9,9テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリ
アザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4
−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン重縮合物、ポリ[[6−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジ
ン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[[
【0020】紫外線吸収層にはベース樹脂に前記した紫
外線吸収剤および、または光安定剤の他に着色剤を添加
しても良く、着色剤を添加することで色による電波吸収
特性の異なる製品の区別や製品管理などがスムーズ行う
ことが可能となったり、色別に布設年数を示すことで布
設期間が明確になり、張替え作業がスムーズに行うこと
ができる。着色剤としては公知の有機顔料や無機顔料を
使用すれば良いが、耐熱性および耐光性が優れている点
で無機顔料が好ましい。例えば、白色では酸化チタン、
亜鉛華、鉛白、リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、石膏、沈降性シリカ等が適用され
る。黒色では、カーボンブラック、ランプブラック、合
成鉄黒等が適用される。灰色では亜鉛末、亜鉛化鉛、ス
レート粉等が適用される。赤色ではカドミウム赤、カド
ミウム水銀赤、銀朱、べんがら、モリブデン赤、鉛丹等
が適用される。褐色ではアンバー、酸化鉄茶等が適用さ
れる。黄色ではカドミウム黄、亜鉛黄、黄土、黄色酸化
鉄、黄鉛、チタン黄等が適用される。緑色では酸化クロ
ム緑、コバルト緑、クロム緑等が適用される。青色では
群青、紺青・鉄青、コバルト青等が適用される。前記着
色剤はベース樹脂100重量部に対して0.005〜1
0重量部添加すれば良い。
【0021】紫外線吸収層のベース樹脂は公知のもので
あれば良く、アクリル系樹脂や塩化ビニル等が適用され
る。紫外線吸収層の作成方法は、紫外線吸収剤および、
または光安定剤、または着色剤が添加されたベース樹脂
を射出成形した後に厚みを矯正するためにロール加工を
して作製する方法やスピンコーティングによって作製す
る方法等が挙げられる。
【0022】前記電波反射層は、入射してきた電波を反
射して、入射してきた電波を相殺するために設けられた
ものである。電波反射層としては、電波吸収体の終端イ
ンピーダンスが0(ゼロ)となるものであれば良い。特
性としては導電性を示すもので、電波吸収体と隙間なく
接着できるものが用いられる。例えばアルミニウム、
銅、鉄等の金属箔が適用される。また屋外に布設される
ため金属箔を防食する役割をもたせるために防食層を電
波吸収体と貼り合わせる面とは反対の面に設けてあるも
の(金属ラミネート箔)を適用するのが好ましい。前記
防食層は公知の樹脂を用いれば良く、具体的にはアルミ
ニウム、銅、鉄等の金属箔にポリエステル樹脂やポリプ
ロピレン樹脂、ナイロン等を貼り付けたものが使われ、
前記樹脂を金属箔に貼り付ける方法は、熱圧着する方法
や接着剤にて貼り付ける方法が適用される。その他に導
電性塗料が挙げられる。導電性塗料の場合、スプレー方
式で塗料を噴霧させて電波吸収体に塗布する方法や電波
吸収体に導電塗料を滴下した後、電波吸収体を回転させ
て塗料を均一の厚さになるように塗布する方法がある。
【0023】紫外線吸収層、電波吸収体、電波反射層を
それぞれ接着させる技術としては、熱圧着法、接着剤層
を介して接着する方法等が挙げられるが、電波吸収特性
に影響の小さい点で熱圧着法による接着方法が好まし
い。また紫外線吸収層は接着剤層を介して、電波吸収体
と接着させることが可能であるが、この場合は、接着剤
層としては公知ものであれば良く例えばアクリル系接着
剤またはウレタン系接着剤を用いることができ、接着剤
層の厚さは、20〜40μmであることが好ましい。2
0μmより薄いと十分な接着性が得られず、40μmよ
り厚いと電波吸収特性が低下する傾向にある。また、前
記接着剤層には紫外線吸収剤および、または光安定剤を
添加して、紫外線吸収層としての機能も持たせること
で、紫外線による電波吸収体の劣化が抑制されるので好
ましい。
【0024】
【作用】電波が入射してくる方向の電波吸収体の面に紫
外線吸収層を設けることで、電波吸収体の紫外線よる劣
化が抑制され、製品寿命が長くなる。
【0025】
【実施例】本発明の実施例を比較例と比べて説明する。 (実施例1)紫外線吸収層:塩化ビニル100重量部に
対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が1重量部、
着色剤(青色)として紺青・鉄青(フェロシアン化第二
鉄)が5重量部添加したものを射出成形し、ロール圧延
で厚さ50μmにしたもの。電波吸収体:塩素化ポリエ
チレン100重量部に対して硬磁性体粉末(γ−Fe
およびFeからなる硬磁性粉末、Fe2+
Fe3+=0.326、長径400nm、短径30n
m、アスペクト比13.3の針状、保磁力692Oe)
を100重量部配合したものをプレス成形で厚さ2.5
mmにしたもの。電波反射層:10μm厚のアルミニウ
ム箔に防食層(ポリエステル:25μm厚)をポリエス
テル系接着剤で接着して作製したもの。 (実施例2)塩化ビニル100重量部に対し、ヒンダー
ト・アミン系光安定剤が1重量部、着色剤(青色)とし
て紺青・鉄青(フェロシアン化第二鉄)が5重量部添加
したものを射出成形し、ロール圧延で厚さ50μmにし
たもの。電波吸収体および電波反射層は実施例1と同じ
もの。 (実施例3)塩化ビニル100重量部に対しベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤とヒンダート・アミン系光安定
剤の混合したもの1重量部、着色剤(青色)として紺青
・鉄青(フェロシアン化第二鉄)が5重量部添加したも
のを射出成形し、ロール圧延で厚さ50μmにしたも
の。電波吸収体および電波反射層は実施例1と同じも
の。 (比較例1)紫外線吸収層がなく、電波吸収体および電
波反射層は実施例1と同じもの。 (比較例2)紫外線吸収層:塩化ビニル100重量部に
対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が1重量部、
着色剤(青色)として紺青・鉄青(フェロシアン化第二
鉄)が5重量部添加したものを射出成形し、ロール圧延
で厚さ200μmにしたもの。電波吸収体および電波反
射層は実施例1と同じもの。
【0026】前記紫外線吸収層、前記電波吸収体、前記
電波反射層を紫外線吸収層/電波吸収体/電波反射層と
なるように積層させ、熱圧着法(プレス)で接合したも
のを実施例、比較例として製造した(図1に実施例の断
面図を示す)。
【0027】紫外線照射による劣化調査を市販されてい
るサンシャインカーボンアーク灯式の加速劣化装置に前
記実施例の試料および前記比較例の試料をそれぞれセッ
トして、JIS K 5400に基づいて1000時間
行った。紫外線照射による劣化を測定する方法は、紫外
線照射前後の実施例、比較例の試料をJIS K 62
51に基づいて引張試験を行い、紫外線照射後の伸びが
紫外線照射前の伸びの80%以上を有するものを○と評
価し、80%未満のもの×と評価した。また、紫外線照
射後の試料を直径20mm円柱に巻きつけて、表面に割
れが生じるか生じないかを目視にて観察し、割れが確認
されたものを×、割れが確認されなかったものを○と評
価した。電波吸収特性の測定は、紫外線照射前の試料を
アーチ法(測定条件:TE波/5°入射、測定周波数
域:3〜8GHz)に基づいて行い、5.8GHz(E
TCで規定された周波数)での電波吸収特性を評価し、
減衰量が20dB以上を○と評価し、20dBより小さ
いと×と評価した。
【0028】その結果、紫外線照射による劣化調査の結
果は、実施例1〜3と比較例2は○、比較例1は×であ
った。電波吸収特性の評価結果は、紫外線吸収層が50
μm厚または25μm厚の実施例1〜3と紫外線吸収層
が設けていない比較例1は、5.8GHzの周波数の電
波の電波吸収特性が25dBとなり○、紫外線吸収層の
厚さが200μmの比較例2は、5.8GHzの周波数
の電波の電波吸収特性が17dBとなり×であった。こ
れらの結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明により、紫外線が照射されても紫
外線吸収層によって紫外線が吸収されるので、太陽から
の紫外線照射および道路から反射した紫外線から電波吸
収体を保護し、長期にわたって電波吸収体の劣化を抑制
し、良好な電波吸収特性を維持できる電波吸収体を提供
することができた。また、着色剤の添加によって製品管
理や張替え作業がスムーズにできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 紫外線吸収層 2 電波吸収体 3 金属箔 4 防食層 5 電波反射層 6 電波、紫外線が入射してくる方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細谷 勝宜 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 工藤 敏夫 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 Fターム(参考) 5E321 AA41 BB25 BB31 BB32 BB51 GG11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電波が入射してくる面に紫外線吸収層を設
    けていることを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】前記紫外線吸収層が20〜150μmの厚
    さであることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】前記紫外線吸収層には紫外線吸収剤およ
    び、または光安定剤が添加されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】前記紫外線吸収層に無機顔料の着色剤が添
    加されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載の電波吸収体。
  5. 【請求項5】前記電波吸収体がバインダー100重量部
    に対して磁性粉末が10〜2000重量部添加されてい
    ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の電波吸収体。
  6. 【請求項6】前記磁性粉末が保磁力が500Oe以上の
    硬磁性体であり、形状が針状で長径が30〜450n
    m、短径が10〜150nmであることを特徴とする請
    求項5に記載の電波吸収体。
  7. 【請求項7】前記磁性粉末がγ−FeおよびFe
    からなっていることを特徴とする請求項5または
    請求項6に記載の電波吸収体。
  8. 【請求項8】前記バインダーが塩素化ポリエチレンから
    なっていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいず
    れかに記載の電波吸収体。
  9. 【請求項9】前記電波吸収体の電波が入射してくる方向
    と反対側の面に電波反射層として金属箔または防食層が
    設けてある金属箔が貼付けられていることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の電波吸収体。
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