JP2002353009A - 避雷装置 - Google Patents

避雷装置

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JP2002353009A JP2001152207A JP2001152207A JP2002353009A JP 2002353009 A JP2002353009 A JP 2002353009A JP 2001152207 A JP2001152207 A JP 2001152207A JP 2001152207 A JP2001152207 A JP 2001152207A JP 2002353009 A JP2002353009 A JP 2002353009A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、かつ部品点数が増加することがない
絶縁棒と端末金具の固着構造を備えた避雷装置を提供す
ること。 【解決手段】 端末金具2a,2b間に避雷素子を段積
みし、両端の端末金具2a,2bを絶縁棒1で連結し、
避雷素子3と絶縁棒1の外周を樹脂でモールドした避雷
装置において、円盤状の端末金具2a,2bを円周方向
にn分割し、同一円周上に均等の間隔でn個の穴2cを
設ける。そして、上記穴2cに絶縁棒1を挿入し、端末
金具2a,2bの外周からn分割されたダイスで端末金
具の中心点方向に端末金具2a,2bを圧縮して絶縁棒
1を端末金具2a,2bに固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は送電線等に設置さ
れ、架空送電線の碍子を落雷より保護し、送電線の雷害
を低減させる避雷装置に関し、さらに詳細には、酸化亜
鉛素子の回りにFRP等の絶縁ロッドを配し、絶縁ロッ
ドを端末金具に固定して、酸化亜鉛素子同士をバネ等の
押しつけ力により密着させるように構成した避雷装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】送電線においては、上記したように落雷
等から送電線をを保護するために、避雷装置が設置され
ている。上記避雷装置として、構造を簡単にするととも
に組み立てを容易にし、さらにコンパクト化、軽量化を
図るため、端末金具間に配置した酸化亜鉛素子の回りに
FRP等の絶縁ロッド(絶縁棒)を配し、絶縁ロッドの
両端を上記端末金具に固着し、絶縁ロッドにて、酸化亜
鉛素子同士の密着のために加えるバネ等による押しつけ
力を受け持つようにした避雷装置が提案されている(例
えば、特開昭63−312602号公報、特開平06−
310307号公報、実開昭06−60104号公報、
特開平08−115626号公報)。
【0003】上記特開昭63−312602号公報に
は、課電側電極板および接地側電極板(端末金具)のそ
れぞれに複数の切り欠きを形成し、この切り欠きに、絶
縁棒の両端部をねじ等の係止具により係合し、両電極板
の間に限流素子を介在させてバネにより両電極板を押圧
し、電極板、絶縁棒、限流素子の外周をゴムモールドし
た避雷ユニットが記載されている。また、特開平06−
310307号公報には、複数個のZnO素子を積み重
ね、その重合する部分の側面に耐熱性テープを貼り付け
るとともに、上下両端部に上金具と下金具(端末金具)
を配置し、上金具と下金具をFRP棒(絶縁棒)にねじ
により固定し、ZnO素子とFRP棒と上金具と下金具
の外周をモールドした避雷器が記載されている。さら
に、実開昭06−60104号公報、特開平08−11
5626号公報には、避雷素子の円周に沿って複数本の
支持棒(絶縁棒)を配置し、支持棒の両端に、該支持棒
が挿通される支持板(端末金具)を設け、支持板の上と
下の支持棒にストッパを取り付けて、該ストッパに半径
方向の力を加えて潰し、ストッパを支持棒に圧着した
り、かしめ具により、ストッパを部分的に支持棒にめり
込ませることにより、支持棒と支持板を固定するように
した避雷器が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構造の避雷装置に
おいては、酸化亜鉛素子の回りに配置したFRP等の絶
縁棒を、酸化亜鉛素子の両側に設けられる端末金具に、
充分な引っ張り強度を持たせて固着する必要がある。上
記特開昭63−312602号公報、特開平06−31
0307号公報に記載されるものでは、絶縁ロッド(絶
縁棒)にねじを切り、ねじにより絶縁ロッドに電極板
(端末金具)を固着し、ねじの推力よりばねの押しつけ
力を支えている。しかし、絶縁ロッドには、引っ張り強
度を支えるため、FRPが使用されることが多く、FR
Pロッドにねじを切るのはコスト高となる。また、ねじ
を切っても、樹脂の引っ張り強度しか得られず、FRP
本来のガラス繊維による引っ張り強度は期待できない。
このため充分な押圧力を得ることができないといった問
題がある。
【0005】また、上記実開昭06−60104号公
報、特開平08−115626号公報に記載されるもの
では、支持板(端末金具)に支持棒(絶縁棒)を挿通
し、支持板の上と下の支持棒にストッパを、圧着、もし
くは、かしめにより取り付け、支持棒に支持板を固着し
ているが、この方法はストッパを必要とし、部品点数が
増加しコスト高となる。本発明は上記従来技術の問題点
に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、絶縁棒
に端末金具を充分な引っ張り強度をもって固着すること
ができ、安価で、かつ部品点数が増加することがない絶
縁棒と端末金具の固着構造を備えた避雷装置を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を本発明におい
ては、次のように解決する。 (1)端末金具間に避雷素子を段積みし、両端の端末金
具を絶縁棒で連結し、避雷素子と絶縁棒の外周を樹脂で
モールドした避雷装置において、円盤状の端末金具を円
周方向にn分割し、該端末金具の中心と一致する中心を
持つ同一円周上に均等の間隔でn個の穴を設ける。そし
て、上記穴に絶縁棒を挿入し、端末金具外周からn分割
されたダイスで端末金具の中心点方向に端末金具を圧縮
して絶縁棒を端末金具に固着する。 (2)端末金具間に避雷素子を段積みし、両端の端末金
具を絶縁棒で連結し、避雷素子と絶縁棒の外周を樹脂で
モールドした避雷装置において、円盤状の端末金具を円
周方向にn分割し、該端末金具の中心と一致する中心を
持つ同一円周上に均等の間隔でn個の点を配置し、上記
円周上であって、上記n個の点の両側の近傍に2つの穴
を設ける。そして、上記穴に絶縁棒を挿入し、端末金具
外周からn分割されたダイスで端末金具の中心点方向に
端末金具を圧縮して絶縁棒を端末金具に固着する。 (3)上記nを偶数とする。 (4)上記nを4〜8とする。 (5)絶縁棒挿入穴に接着剤を塗布した後に圧縮する。
【0007】本発明においては、上記のように、端末金
具を円周方向にn分割し、端末金具上の同一円周上に均
等の間隔でn個の穴を設け、該穴に絶縁棒を挿入して、
外周からn分割されたダイスで端末金具の中心点方向に
端末金具を圧縮して、端末金具に絶縁棒を固着するよう
に構成したので、部品点数を増やすことなく強固に端末
金具と絶縁棒を固着することができる。このため、安価
にかつ信頼性の高い避雷装置を得ることができる。ま
た、端末金具上の同一円周上に均等の間隔でn個の点を
配置し、n個の点の両側の近傍に2つの穴を設け、該穴
に絶縁棒を挿入して、上記のように固着するすることに
より、nの分割数を増やすことなく、絶縁棒の本数を2
倍にすることができ、さらに引っ張り強度を増加させる
ことができる。また、上記nを偶数とすることにより、
端末金具を均等に圧縮することが可能となる。さらに、
上記nを4〜8とすることにより、避雷素子の抜け落ち
を防止するとともに、端末金具をダイスにより十分に塑
性変形させることができる。またさらに、絶縁棒挿入穴
に接着剤を塗布した後に圧縮することにより、引っ張り
強度を増やすことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例の避雷装置
の構成を示す図である。同図(a)は避雷装置の側面図
を示し、同図は樹脂モールド前の状態を示しており、そ
の外周を同図の点線に示すようにシリコーン樹脂等のモ
ールド材でモールドすることにより、避雷装置を組み立
てる。また、同図(b)(c)は端末金具の構成を示
し、(b)は側面図、(c)は(b)のA方向から見た
図を示す。図1において、1はFRP製の絶縁棒、2
a,2bは例えばアルミ製の端末金具である。端末金具
2a,2bには、同図(b)(c)に示すように上記絶
縁棒1が挿入される穴2cが設けられている。この実施
例では、端末金具2a,2bの円周方向に等間隔に8個
の穴2cが設けられており、端末金具2a,2bに設け
られた穴2cに絶縁棒1の両端を挿入し、後述するよう
に端末金具2a,2bを圧縮することにより、絶縁棒1
を端末金具2a,2bに固着し、端末金具2a,2bを
絶縁棒1を介して連結する。端末金具2a,2bの間に
は、複数個の酸化亜鉛素子3とバネ4が設けられてお
り、バネ4により酸化亜鉛素子3を押圧し、酸化亜鉛同
士を密着させている。上記のような組み立て体を構成し
たのち、図1(a)の点線に示すように、端末金具の一
部を外部に露出させて、その周囲をシリコーン樹脂等の
モールド材5で一体にモールドする。
【0009】図2は図1に示す実施例の避雷装置におい
て、端末金具2a,2bに絶縁棒1をダイスを用いて圧
縮・固着する際のダイスの配置を示す図である。図2
(a)は避雷器の軸方向から端末金具を見た図、図2
(b)は避雷器の側面から端末金具およびダイスを見た
図を示しており、図2(b)では、端末金具の両側のダ
イス以外のダイスは省略されている。図1(c)に示す
ように端末金具2a,2bには、その円周方向に等間隔
に8個の穴2cが設けられている。同図では、8個の穴
を設ける場合について示しているが、一般には、円盤状
の端末金具2a,2bを円周方向にn分割し、端末金具
2a,2bの中心と一致する中心を持つ円周上に、均等
の間隔でn個の穴2cを設ける。
【0010】そして、上記穴2cに絶縁棒1を挿入し、
図2(a)に示すように端末金具2a,2bの周囲に配
置したn個(この例では8個)のダイス6により、上記
穴2cの中心と、円盤状の端末金具2a,2bの中心を
結ぶ直線方向に均等に圧縮力を与えて、端末金具2a,
2bを圧縮する。これにより、上記穴2cが変形し、絶
縁棒1と端末金具2a,2bが固着される。以上のよう
に、ダイス6により端末金具2a,2bを圧縮すること
により、絶縁棒1と端末金具2a,2b間で充分な摩擦
力が得られ、酸化亜鉛素子3を押しつけるバネ4の反力
を絶縁棒1が受け持つことが可能となる。
【0011】ここで、端末金具2a,2bの円周方向の
分割数nは、4以上が望ましい。分割数が4より少ない
と、酸化亜鉛素子3が絶縁棒1の間から抜け落ちてしま
う場合が生ずる。但し、上記nが過剰に多いと、ダイス
の幅が狭くなりすぎ、端末金具2a,2bを充分に塑性
変形させることができなくなり、十分な絶縁棒1と端末
金具2a,2bの間の引っ張り強度をだせない。したが
って、上記分割数nは8程度までがよい。また、端末金
具2a,2bを均等に圧縮するには、端末金具2a,2
bの中心に対して、点対称の位置にダイス6を配置する
のが好ましく、したがってnは偶数とするのが良い。
【0012】本実施例の効果を確認するため、上記端末
金具として径が略φ60mm、厚さが39mmのものを
用い、また、上記絶縁棒としてφ3mmのFRP棒を図
1に示すように8本用い、該FRP棒を端末金具に設け
たφ3.2mmの穴に深さ25mmまで挿入して、その
回りを図2に示すようにダイスにより圧縮して、FRP
棒が抜け落ちる荷重(引っ張り強度)を測定した。その
結果、図2(b)に示すダイスにより85barまで圧
縮した場合に、約2000kgf以上の引っ張り強度が
得られた。酸化亜鉛素子の耐圧縮力(ばね圧)は最大数
百Kgfであり、上記圧縮接続により十分な強度が得ら
れることが確認された。さらに絶縁棒を挿入する穴内部
にアラルダイト系接着剤を塗り、絶縁棒を挿入して、接
着剤が硬化する前に、上と同様に圧縮を行った後、十分
接着剤が乾燥するまで常温放置したものを引張り試験し
たところ、引張り強度が約3000kgfと接着剤を塗
らずに圧縮したものより増加した。これは圧縮され塑性
変形した挿入穴と絶縁棒との隙間に接着剤が充填して硬
化し、絶縁棒の全周にわたって金具と接触することによ
り、圧縮のみでは絶縁棒全周が金具と接触することはな
く隙間が生じていた金具と絶縁棒の接触面が増えて、絶
縁棒に引張り重荷がかかったときに重荷を受け持つ面が
増加したことにより引張り強度が増えたものである。
【0013】図3は端末金具2a,2b上の穴2cの他
の配置例を示す図であり、避雷器の軸方向から端末金具
を見た図を示している。図3では、端末金具2a,2b
を円周方向に8分割し、各8分割点の両側に対称に絶縁
棒挿入用の2個の穴2c(この例では合計16個の穴)
を設けている。すなわち、分割数がnの場合には、円盤
状の端末金具2a,2bの中心と一致する中心を持つ同
一円周上に均等の間隔でn個の点を配置し、上記円周上
であって、上記n個の点の両側の近傍に、それぞれ、該
n個の点を中心として対称に絶縁棒1を挿入する2つの
穴2cを設ける。該2個の穴2cの距離は一つのダイス
で圧縮できる距離内であることが必要である。そして、
上記穴2cに絶縁棒1を挿入し、図3に示すように端末
金具2a,2bの周囲に配置したn個(この例では8
個)のダイス6により、上記n個の点と、円盤状の端末
金具2a,2bの中心を結ぶ直線方向に均等に圧縮力を
与えて、端末金具2a,2bを圧縮する。上記のように
構成することにより、円周上のn分割数を過剰に多くす
ることなく、絶縁棒1の本数を図1に示したものの2倍
とすることができ、その分だけ引っ張り強度を増大させ
ることができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
以下の効果を得ることができる。 (1)端末金具を円周方向にn分割し、端末金具上の同
一円周上に均等の間隔でn個の穴を設け、該穴に絶縁棒
を挿入して、外周からn分割されたダイスで端末金具の
中心点方向に端末金具を圧縮して、端末金具に絶縁棒を
固着するように構成したので、部品点数を増やすことな
く強固に端末金具と絶縁棒を固着することができる。こ
のため、安価にかつ信頼性の高い避雷装置を得ることが
できる。 (2)端末金具上の同一円周上に均等の間隔でn個の点
を配置し、n個の点の両側の近傍に2つの穴を設け、該
穴に絶縁棒を挿入して、上記のように固着するすること
により、nの分割数を増やすことなく、絶縁棒の本数を
2倍にすることができ、さらに引っ張り強度を増加させ
ることができる。 (3)上記nを偶数とすることにより、端末金具を均等
に圧縮することが可能となる。また、上記nを4〜8と
することにより、避雷素子の抜け落ちを防止するととも
に、端末金具をダイスにより十分に塑性変形させること
が可能となる。 (4)絶縁棒挿入穴に接着剤を塗布した後に圧縮するこ
とにより、引っ張り強度を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の避雷装置の構成を示す図であ
る。
【図2】端末金具に絶縁棒を圧縮・固着する際のダイス
の配置を示す図である。
【図3】端末金具に配置する穴の他の配置例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 絶縁棒 2a,2b 端末金具 2c 穴 3 酸化亜鉛素子 4 バネ4 5 モールド材
フロントページの続き (72)発明者 柳沢 健史 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5E034 CA01 CA09 CB01 CC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端末金具間に避雷素子を段積みし、両端
    の端末金具を絶縁棒で連結し、避雷素子と絶縁棒の外周
    を樹脂でモールドした避雷装置であって、 円盤状の端末金具を円周方向にn分割し、該端末金具の
    中心と一致する中心を持つ同一円周上に均等の間隔でn
    個の穴を設け、 上記穴に絶縁棒を挿入し、端末金具外周からn分割され
    たダイスで端末金具の中心点方向に端末金具を圧縮して
    絶縁棒を端末金具に固着したことを特徴とする避雷装
    置。
  2. 【請求項2】 端末金具間に避雷素子を段積みし、両端
    の端末金具を絶縁棒で連結し、避雷素子と絶縁棒の外周
    を樹脂でモールドした避雷装置であって、 円盤状の端末金具を円周方向にn分割し、該端末金具の
    中心と一致する中心を持つ同一円周上に均等の間隔でn
    個の点を配置し、上記円周上であって、上記n個の点の
    両側の近傍に2つの穴を設け、 上記穴に絶縁棒を挿入し、端末金具外周からn分割され
    たダイスで端末金具の中心点方向に端末金具を圧縮して
    絶縁棒を端末金具に固着したことを特徴とする避雷装
    置。
  3. 【請求項3】 上記nが偶数であることを特徴とする請
    求項1または請求項2の避雷装置。
  4. 【請求項4】 上記nが4〜8であることを特徴とする
    請求項1,2または請求項3の避雷装置。
  5. 【請求項5】 絶縁棒挿入穴に接着剤を塗布した後に圧
    縮することを特徴とする請求項1,2,3または請求項
    4の避雷装置。
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