JP2002349572A - 耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート - Google Patents
耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートInfo
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- JP2002349572A JP2002349572A JP2001159994A JP2001159994A JP2002349572A JP 2002349572 A JP2002349572 A JP 2002349572A JP 2001159994 A JP2001159994 A JP 2001159994A JP 2001159994 A JP2001159994 A JP 2001159994A JP 2002349572 A JP2002349572 A JP 2002349572A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】動圧軸受けにおける耐摩耗性に優れた銅合金製
スリーブおよびスラストプレートを提供する。 【解決手段】Zn:40超〜44質量%を含有し、必要
に応じてMn:1〜5質量%を含有し、残りがCuおよ
び不可避不純物からななり、前記不可避不純物を0.5
質量%以下に限定した組成、並びにα+β相(ただし、
β相:10〜50%)の素地組織を有する銅合金で構成
されていることを特徴とする耐摩耗性に優れた銅合金製
動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート。
スリーブおよびスラストプレートを提供する。 【解決手段】Zn:40超〜44質量%を含有し、必要
に応じてMn:1〜5質量%を含有し、残りがCuおよ
び不可避不純物からななり、前記不可避不純物を0.5
質量%以下に限定した組成、並びにα+β相(ただし、
β相:10〜50%)の素地組織を有する銅合金で構成
されていることを特徴とする耐摩耗性に優れた銅合金製
動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動圧軸受けに組み込
まれる耐摩耗性に優れた銅合金製スリーブおよびスラス
トプレートに関するものである。
まれる耐摩耗性に優れた銅合金製スリーブおよびスラス
トプレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、パソコンなどのHDD(ハード
ディスクドライブ装置)にはベアリング軸受けが使用さ
れている。ところが、近年、HDDの記録密度が増加す
ると共に1インチ当りのトラック数(以下、TPIとい
う)が増加する傾向にあり、現在のパソコンに搭載され
ているHDDのTPIは約2万5000であるが、やが
て3万以上となることは明らかである。TPIが3万を
越えると、従来から使用されているベアリング軸受けで
は回転の振れが大きすぎて使用することができない。そ
こで、近年、ベアリング軸受けに換えて、動圧軸受けを
採用しようという動きがあり、一部のメーカーではすで
に採用している。動圧軸受けは、軸が回転するとスリー
ブおよびスラストプレートに形成されたヘリンボーンと
呼ばれる溝に潤滑流体が流れ込み、潤滑流体の圧力が上
がることにより軸と支持体との隙間に満たした潤滑流体
により軸を支持体から浮上させ、軸の回転摩擦を極めて
少なくする構造を有するものである。この動圧軸受けを
構成する部品の内でもスリーブおよびスラストプレート
は動圧軸受けの寿命を左右する重要な部品であり、この
スリーブおよびスラストプレートを構成する材料として
各種材料が使用されている。その中でも銅合金が最も広
く使用されており、銅合金の中でもCu−Zn系合金
(真鍮)は価格が安く、強度および硬さもあるところか
ら好ましい材料の一つであるとして広く使用されてい
る。
ディスクドライブ装置)にはベアリング軸受けが使用さ
れている。ところが、近年、HDDの記録密度が増加す
ると共に1インチ当りのトラック数(以下、TPIとい
う)が増加する傾向にあり、現在のパソコンに搭載され
ているHDDのTPIは約2万5000であるが、やが
て3万以上となることは明らかである。TPIが3万を
越えると、従来から使用されているベアリング軸受けで
は回転の振れが大きすぎて使用することができない。そ
こで、近年、ベアリング軸受けに換えて、動圧軸受けを
採用しようという動きがあり、一部のメーカーではすで
に採用している。動圧軸受けは、軸が回転するとスリー
ブおよびスラストプレートに形成されたヘリンボーンと
呼ばれる溝に潤滑流体が流れ込み、潤滑流体の圧力が上
がることにより軸と支持体との隙間に満たした潤滑流体
により軸を支持体から浮上させ、軸の回転摩擦を極めて
少なくする構造を有するものである。この動圧軸受けを
構成する部品の内でもスリーブおよびスラストプレート
は動圧軸受けの寿命を左右する重要な部品であり、この
スリーブおよびスラストプレートを構成する材料として
各種材料が使用されている。その中でも銅合金が最も広
く使用されており、銅合金の中でもCu−Zn系合金
(真鍮)は価格が安く、強度および硬さもあるところか
ら好ましい材料の一つであるとして広く使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常のCu−
Zn系合金(真鍮)で作製したスリーブおよびスラスト
プレートを動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレー
トとして使用すると、起動時および停止時における接触
摩耗により発生する摩耗粉によって、潤滑流体の機能が
低下し、早期に寿命に至るという課題があった。
Zn系合金(真鍮)で作製したスリーブおよびスラスト
プレートを動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレー
トとして使用すると、起動時および停止時における接触
摩耗により発生する摩耗粉によって、潤滑流体の機能が
低下し、早期に寿命に至るという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
一層使用寿命の長いCu−Zn系銅合金からなる動圧軸
受け用スリーブおよびスラストプレートを得るべく研究
を行った。その結果、(イ)動圧軸受け用スリーブおよ
びスラストプレートは強度および靭性よりも耐摩耗性を
向上させることで寿命が一層向上すること、(ロ)Zn
40超〜44質量%を含有し、残りがCuおよび不可避
不純物からなるCu−Zn系合金(真鍮)は、素地の組
織がα+β相となって耐摩耗性が一層向上し、このα+
β相組織を有するCu−Zn系合金(真鍮)で作製した
動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートは寿命が
一層長くなること、(ハ)しかし、β相が多くなりすぎ
ると強度が極端に低下するのでβ相が占める割合は10
〜50%の範囲内にあることが好ましいこと、などの研
究結果が得られたのである。
一層使用寿命の長いCu−Zn系銅合金からなる動圧軸
受け用スリーブおよびスラストプレートを得るべく研究
を行った。その結果、(イ)動圧軸受け用スリーブおよ
びスラストプレートは強度および靭性よりも耐摩耗性を
向上させることで寿命が一層向上すること、(ロ)Zn
40超〜44質量%を含有し、残りがCuおよび不可避
不純物からなるCu−Zn系合金(真鍮)は、素地の組
織がα+β相となって耐摩耗性が一層向上し、このα+
β相組織を有するCu−Zn系合金(真鍮)で作製した
動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートは寿命が
一層長くなること、(ハ)しかし、β相が多くなりすぎ
ると強度が極端に低下するのでβ相が占める割合は10
〜50%の範囲内にあることが好ましいこと、などの研
究結果が得られたのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、 (1)Zn:40超〜44質量%を含有し、残りがCu
および不可避不純物からなり、前記不可避不純物を0.
5質量%以下に限定した組成、並びにα+β相(ただ
し、β相:10〜50%)の素地組織を有する銅合金で
構成されている耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用
スリーブ、 (2)Zn:40超〜44質量%、Mn:1〜5質量%
を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からななり、
前記不可避不純物を0.5質量%以下に限定した組成、
並びにα+β相(ただし、β相:10〜50%)の素地
組織を有する銅合金で構成されている耐摩耗性に優れた
銅合金製動圧軸受け用スリーブ、 (3)Zn:40超〜44質量%を含有し、残りがCu
および不可避不純物からなり、前記不可避不純物を0.
5質量%以下に限定した組成、並びにα+β相(ただ
し、β相:10〜50%)の素地組織を有する銅合金で
構成されている耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用
スラストプレート、 (4)Zn:40超〜44質量%、Mn:1〜5質量%
を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からななり、
前記不可避不純物を0.5質量%以下に限定した組成、
並びにα+β相(ただし、β相:10〜50%)の素地
組織を有する銅合金で構成されている耐摩耗性に優れた
銅合金製動圧軸受け用スラストプレート、に特徴を有す
るものである。
れたものであって、 (1)Zn:40超〜44質量%を含有し、残りがCu
および不可避不純物からなり、前記不可避不純物を0.
5質量%以下に限定した組成、並びにα+β相(ただ
し、β相:10〜50%)の素地組織を有する銅合金で
構成されている耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用
スリーブ、 (2)Zn:40超〜44質量%、Mn:1〜5質量%
を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からななり、
前記不可避不純物を0.5質量%以下に限定した組成、
並びにα+β相(ただし、β相:10〜50%)の素地
組織を有する銅合金で構成されている耐摩耗性に優れた
銅合金製動圧軸受け用スリーブ、 (3)Zn:40超〜44質量%を含有し、残りがCu
および不可避不純物からなり、前記不可避不純物を0.
5質量%以下に限定した組成、並びにα+β相(ただ
し、β相:10〜50%)の素地組織を有する銅合金で
構成されている耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用
スラストプレート、 (4)Zn:40超〜44質量%、Mn:1〜5質量%
を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からななり、
前記不可避不純物を0.5質量%以下に限定した組成、
並びにα+β相(ただし、β相:10〜50%)の素地
組織を有する銅合金で構成されている耐摩耗性に優れた
銅合金製動圧軸受け用スラストプレート、に特徴を有す
るものである。
【0006】つぎに、この発明の耐摩耗性に優れた銅合
金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートの成
分組成および組織を上記のごとく限定した理由について
説明する。
金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートの成
分組成および組織を上記のごとく限定した理由について
説明する。
【0007】[A]成分組成 (1)Zn Znは銅合金の強度を向上させる成分であるが、Zn:
40質量%以下ではβ相の生成が極めて少なくなって十
分な耐摩耗性が得られず、一方、Znを44質量%越え
て含有すると、強度および靭性が極端に低下するように
なって動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートに
必要な最低限の強度を確保できなくイなるので好ましく
ない。したがって、Zn:40超〜44質量%に定め
た。Znの一層好ましい範囲は41〜43質量%であ
る。
40質量%以下ではβ相の生成が極めて少なくなって十
分な耐摩耗性が得られず、一方、Znを44質量%越え
て含有すると、強度および靭性が極端に低下するように
なって動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートに
必要な最低限の強度を確保できなくイなるので好ましく
ない。したがって、Zn:40超〜44質量%に定め
た。Znの一層好ましい範囲は41〜43質量%であ
る。
【0008】(2)Mn Mnは、素地に固溶して耐摩耗性を一層改善させるため
に、必要に応じて添加するが、Mn:1質量%未満では
その効果が十分でなく、一方、Mn:5質量%を越えて
含有すると熱間加工性が阻害されるので好ましくない。
したがって、Mn:1〜5質量%に定めた。Mnの一層
好ましい範囲は2〜4質量%である。
に、必要に応じて添加するが、Mn:1質量%未満では
その効果が十分でなく、一方、Mn:5質量%を越えて
含有すると熱間加工性が阻害されるので好ましくない。
したがって、Mn:1〜5質量%に定めた。Mnの一層
好ましい範囲は2〜4質量%である。
【0009】(3)不可避不純物 不可避不純物が多いと潤滑流体の機能を低下させるとこ
ろから可及的に少ないことが好ましく、その含有量は
0.5質量%以下に抑えることが好ましく、0.3質量
%以下に抑えることが一層好ましい。
ろから可及的に少ないことが好ましく、その含有量は
0.5質量%以下に抑えることが好ましく、0.3質量
%以下に抑えることが一層好ましい。
【0010】[B]組織 銅合金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート
における素地は強度および靭性に優れたα相と硬いβ相
との混合相であるα+β相であることが好ましい。しか
し、β相が10%未満ではスリーブおよびスラストプレ
ートの耐摩耗性が不足するので好ましくなく、一方、β
相が50%を越えて含まれると靭性が低下して脆くな
り、動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートに必
要な強度を確保できなくなるので好ましくない。したが
って、α+β相素地中に含まれるβ相は10〜50%に
定めた。β相の一層好ましい範囲は、20〜40%であ
る。
における素地は強度および靭性に優れたα相と硬いβ相
との混合相であるα+β相であることが好ましい。しか
し、β相が10%未満ではスリーブおよびスラストプレ
ートの耐摩耗性が不足するので好ましくなく、一方、β
相が50%を越えて含まれると靭性が低下して脆くな
り、動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートに必
要な強度を確保できなくなるので好ましくない。したが
って、α+β相素地中に含まれるβ相は10〜50%に
定めた。β相の一層好ましい範囲は、20〜40%であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】高周波溶解炉により大気溶解して
表1に示される成分組成のCu合金を溶製し、連続鋳造
にて直径:250mm、長さ:900mmの寸法を有す
るインゴットを製造した。得られたインゴットを750
℃において熱間押出し加工し、直径:10mmの線材に
加工して本発明動圧軸受けのためのスリーブおよびスラ
ストプレート用素材(以下、本発明素材という)1〜1
0、比較動圧軸受けのためのスリーブおよびスラストプ
レート用素材(以下、比較素材という)1〜2および従
来動圧軸受けのためのスリーブおよびスラストプレート
用素材(以下、従来素材という)を作製した。
表1に示される成分組成のCu合金を溶製し、連続鋳造
にて直径:250mm、長さ:900mmの寸法を有す
るインゴットを製造した。得られたインゴットを750
℃において熱間押出し加工し、直径:10mmの線材に
加工して本発明動圧軸受けのためのスリーブおよびスラ
ストプレート用素材(以下、本発明素材という)1〜1
0、比較動圧軸受けのためのスリーブおよびスラストプ
レート用素材(以下、比較素材という)1〜2および従
来動圧軸受けのためのスリーブおよびスラストプレート
用素材(以下、従来素材という)を作製した。
【0012】このようにして得られた本発明素材1〜1
0、比較素材1〜3および従来素材から切断して試験片
を作製し、これら試験片の表面を研磨し、金属顕微鏡に
よる組織観察を行なうことにより素地のα+β相に占め
るβ相の割合を測定し、その結果を表1に示した。
0、比較素材1〜3および従来素材から切断して試験片
を作製し、これら試験片の表面を研磨し、金属顕微鏡に
よる組織観察を行なうことにより素地のα+β相に占め
るβ相の割合を測定し、その結果を表1に示した。
【0013】さらに、本発明素材1〜10、比較素材1
〜3および従来素材について、下記の試験を行なった。
〜3および従来素材について、下記の試験を行なった。
【0014】耐摩耗試験本発明素材1〜10、比較素材
1〜3および従来素材をいずれも長さ:15mmに切断
し切削して図1の側面説明図に示されるピンデスク摩耗
試験片1を作製した。この作製したピンデスク摩耗試験
片1は、図1に示されるように、挿入部2、該挿入部2
よりも大きな径を有する支持円盤部3および円錐部4か
らなるコマに類似した形状を有しており、円錐部4は頂
角α:50度、底面の直径φ:3mmの寸法を有してい
る。このピンデスク摩耗試験片1の挿入部2を図2の側
面説明図に示されるピンデスク摩耗試験機の把持部5に
挿入して固定し、ピンデスク摩耗試験片1の円錐部4の
先端Sを、回転するSCM21(浸炭焼入れ鋼)からな
り#600エメリー紙にて1回研磨した相手材ディスク
8に1kgの荷重をかけながら押しつけて摩耗試験を行
なった。1kgの荷重は1kgの荷重リング6を荷重リ
ング支持棒7に挿入することによりかけた。さらに相手
材ディスク8に潤滑油供給ノズル9から潤滑油10を供
給しながら相手材ディスク8を回転させて下記の条件で
試験した。 滑り速度:4m/sec、 滑り距離:15km、 油種 :エステル系オイル、 油温度 :室温、 かかる条件で相手材ディスク8を回転させならが摩耗試
験を行なうと、滑り距離:15km以内でピンデスク摩
耗試験片1の先端Sの摩耗がこれ以上進行しなくなり先
端Sの面積の増加が飽和する。滑り距離が15kmに達
すると相手材ディスク8の回転を終了させ、ついでピン
デスク摩耗試験片1を把持部5から外して先端Sの面積
を測定し、負荷荷重(1kg)を、測定した先端Sの面
積で割って先端Sの限界面圧を算出し、その結果を表4
〜表5に示して耐摩耗性を評価した。限界面圧は大きい
値であるほど耐摩耗性に優れていることを示す。
1〜3および従来素材をいずれも長さ:15mmに切断
し切削して図1の側面説明図に示されるピンデスク摩耗
試験片1を作製した。この作製したピンデスク摩耗試験
片1は、図1に示されるように、挿入部2、該挿入部2
よりも大きな径を有する支持円盤部3および円錐部4か
らなるコマに類似した形状を有しており、円錐部4は頂
角α:50度、底面の直径φ:3mmの寸法を有してい
る。このピンデスク摩耗試験片1の挿入部2を図2の側
面説明図に示されるピンデスク摩耗試験機の把持部5に
挿入して固定し、ピンデスク摩耗試験片1の円錐部4の
先端Sを、回転するSCM21(浸炭焼入れ鋼)からな
り#600エメリー紙にて1回研磨した相手材ディスク
8に1kgの荷重をかけながら押しつけて摩耗試験を行
なった。1kgの荷重は1kgの荷重リング6を荷重リ
ング支持棒7に挿入することによりかけた。さらに相手
材ディスク8に潤滑油供給ノズル9から潤滑油10を供
給しながら相手材ディスク8を回転させて下記の条件で
試験した。 滑り速度:4m/sec、 滑り距離:15km、 油種 :エステル系オイル、 油温度 :室温、 かかる条件で相手材ディスク8を回転させならが摩耗試
験を行なうと、滑り距離:15km以内でピンデスク摩
耗試験片1の先端Sの摩耗がこれ以上進行しなくなり先
端Sの面積の増加が飽和する。滑り距離が15kmに達
すると相手材ディスク8の回転を終了させ、ついでピン
デスク摩耗試験片1を把持部5から外して先端Sの面積
を測定し、負荷荷重(1kg)を、測定した先端Sの面
積で割って先端Sの限界面圧を算出し、その結果を表4
〜表5に示して耐摩耗性を評価した。限界面圧は大きい
値であるほど耐摩耗性に優れていることを示す。
【0015】切削試験 本発明素材1〜10、比較素材1〜3および従来素材1
からいずれも長さ:100mmに切断して切削試験片を
作製し、これら切削試験片を下記の切削条件で切削し、
切削面の表面粗さを測定し、その結果を表1に示して切
削性を評価した。 切削条件 回転数:25回転/sec. 送り量:30μm/回転 切り込み量:10μm
からいずれも長さ:100mmに切断して切削試験片を
作製し、これら切削試験片を下記の切削条件で切削し、
切削面の表面粗さを測定し、その結果を表1に示して切
削性を評価した。 切削条件 回転数:25回転/sec. 送り量:30μm/回転 切り込み量:10μm
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】表1に示される結果から、本発明素材1
〜10は従来素材に比べていずれも摩耗量が少ないこと
から耐摩耗性に優れており、さらに切削面の表面粗さも
従来素材に比べてほぼ同じであるところから、本発明素
材1〜10のCu合金で作製された銅合金製動圧軸受け
用スリーブおよびスラストプレートは、従来素材のCu
合金で作製された銅合金製動圧軸受け用スリーブおよび
スラストプレートと比較して使用寿命が長いことが分か
る。しかし、この発明の条件から外れた比較素材1〜3
は好ましくない特性が表れていることがわかる。
〜10は従来素材に比べていずれも摩耗量が少ないこと
から耐摩耗性に優れており、さらに切削面の表面粗さも
従来素材に比べてほぼ同じであるところから、本発明素
材1〜10のCu合金で作製された銅合金製動圧軸受け
用スリーブおよびスラストプレートは、従来素材のCu
合金で作製された銅合金製動圧軸受け用スリーブおよび
スラストプレートと比較して使用寿命が長いことが分か
る。しかし、この発明の条件から外れた比較素材1〜3
は好ましくない特性が表れていることがわかる。
【0018】上述のように、この発明の銅合金製動圧軸
受け用スリーブおよびスラストプレートは、従来の銅合
金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートに比
べて特に耐摩耗性に優れており、過酷な条件下で使用さ
れても優れた性能を長期にわたって発揮することがで
き、工業上優れた効果をもたらすものである。
受け用スリーブおよびスラストプレートは、従来の銅合
金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレートに比
べて特に耐摩耗性に優れており、過酷な条件下で使用さ
れても優れた性能を長期にわたって発揮することがで
き、工業上優れた効果をもたらすものである。
【図1】耐摩耗性試験で使用するピンデスク摩耗試験片
を示す側面説明図である。
を示す側面説明図である。
【図2】耐摩耗性試験で使用するピンデスク摩耗試験機
を示す側面説明図である。
を示す側面説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】Zn:40超〜44質量%を含有し、残り
がCuおよび不可避不純物からなり、前記不可避不純物
を0.5質量%以下に限定した組成、並びにα+β相
(ただし、β相:10〜50%)の素地組織を有する銅
合金で構成されていることを特徴とする耐摩耗性に優れ
た銅合金製動圧軸受け用スリーブ。 - 【請求項2】Zn:40超〜44質量%、Mn:1〜5
質量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からな
なり、前記不可避不純物を0.5質量%以下に限定した
組成、並びにα+β相(ただし、β相:10〜50%)
の素地組織を有する銅合金で構成されていることを特徴
とする耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用スリー
ブ。 - 【請求項3】請求項1または2記載の銅合金で構成され
ていることを特徴とする耐摩耗性に優れた銅合金製動圧
軸受け用スラストプレート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001159994A JP2002349572A (ja) | 2001-05-29 | 2001-05-29 | 耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001159994A JP2002349572A (ja) | 2001-05-29 | 2001-05-29 | 耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002349572A true JP2002349572A (ja) | 2002-12-04 |
Family
ID=19003481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001159994A Withdrawn JP2002349572A (ja) | 2001-05-29 | 2001-05-29 | 耐摩耗性に優れた銅合金製動圧軸受け用スリーブおよびスラストプレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002349572A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009038657A1 (de) * | 2009-08-18 | 2011-02-24 | Aurubis Stolberg Gmbh & Co. Kg | Messinglegierung |
CN110446795A (zh) * | 2017-03-24 | 2019-11-12 | 株式会社Ihi | 耐磨耗性铜锌合金以及使用其的机械装置 |
-
2001
- 2001-05-29 JP JP2001159994A patent/JP2002349572A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009038657A1 (de) * | 2009-08-18 | 2011-02-24 | Aurubis Stolberg Gmbh & Co. Kg | Messinglegierung |
CN110446795A (zh) * | 2017-03-24 | 2019-11-12 | 株式会社Ihi | 耐磨耗性铜锌合金以及使用其的机械装置 |
US11473172B2 (en) | 2017-03-24 | 2022-10-18 | Ihi Corporation | Wear-resistant copper-zinc alloy and mechanical device using same |
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