JPH0534410B2

JPH0534410B2 -

Info

Publication number: JPH0534410B2
Application number: JP59156775A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Hirao; Kunio Nakajima; Masao Hosoda; Ryoichi Ishikane
Original assignee: Chuetsu Metal Works Co Ltd
Current assignee: Chuetsu Metal Works Co Ltd
Priority date: 1984-07-26
Filing date: 1984-07-26
Publication date: 1993-05-24
Also published as: JPS6134154A

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は、高力黄銅合金特に耐摩耗性が必要
とされる用途に有用な高力黄銅合金に関するもの
である。従来、高速高荷重の下で使用される耐摩耗性黄
銅合金としては、高力黄銅にSiを添加して高硬度
のMn₅Si₃等の化合物を析出させたいわゆるMn−
Si系黄銅が使用されている。しかしながら高速
化、潤滑油の低粘度化等により使用条件が一段と
過酷な摺動条件下では耐摩耗性等実用面で充分と
はいえず更に高性能なものが望まれている。本発明は上記の点に鑑みて提案されたもので、
従来の高力黄銅に比べて強靭で耐摩耗性に優れた
銅合金を安価に提供することを目的とし、重量％
でCu50〜70％、Mn0.5〜5.0％、Al0.1〜5.0％、
Fe0.05〜1.0％、Ni0.01〜1.0％、Si0.1〜2.0％、
Nb0.01〜1.0％および残部はZnからなること、お
よびこの合金にPb0.1〜2.0％添加したことを特徴
とする。すなわち、従来のMn−Si系黄銅にNb、Fe、
Niを添加することによつて、超硬質の微細な金
属間化合物を分散析出させて耐摩耗性及び機械的
性質に優れた銅合金とし、さらに、その合金に
Pbを適量添加することによつてその機械加工性
を向上せしめたことをその要旨とする。上記各構成元素を選定し、また上記割合に限定
した理由は以下の通りである。即ち、Alはβ相形成促進元素であり、合金の
機械的強度を高めるが、添加量が5.0％を超える
と酸化物スラグを生成しやすく靭性を害されるお
それがある一方、添加量が0.1％未満では強靭効
果が認められない。 Mnは、Nb、Siと結合して従来の高力黄銅中に
見られるMn−Si化合物以外にMn−Si−Nb化合
物を析出させるので、Si、Nbの量との比率から
0.5〜5.0％が適当範囲であり、0.5％未満では効果
がなく、5.0％を超えるとスラグ生成量が多くな
り鋳造性を害する。 Feは結晶粒微細化と析出物の均一分散化に効
果があるが、添加量が1.0％を上回ると析出物が
粗大化凝集して逆効果となる一方、添加量が0.05
％を下回ると上記効果は認められない。 Niは基地強化のため添加し、0.01％未満では効
果は認められず、1.0％を超えてもさほど顕著な
改善効果が期待できない。 Siは本合金特有の金属間化合物を生成させるた
めに必須の元素であり、0.1〜2.0％が適当範囲で
あつて、2.0％を超えると合金を脆化させる一方、
0.1％未満では析出物の効果が小さい。 Nbは、上記Siと同様に本合金特有の金属間化
合物の生成、強化に必須の元素であつて、Si添加
量との比率により0.01〜1.0％が好結果を示す。
すなわち、0.01％を下回るときは効果は認められ
ず、0.01％を超えるときは、添加の割に効果が少
ない上、経済的にも不利となる。 Pbは上記銅合金の優れた耐摩耗性を維持しな
がら、機械加工性、特に被切削性を向上させ、添
加量0.1〜2.0％が好範囲である。すなわち、過大
の添加は靭性を低下させる一方、添加量が0.1％
以下では被切削性を向上させる効果は認められな
い。以下本発明の実施例について説明する。実施例１第１表に示す成分の供試材を作成し、これらに
より製作したリングの内径テーパ面とSCr420H
材のテーパコーンとの摺動による摩耗試験を行な
つた結果を第２表に示す。試験条件は、面圧490Kg／cm²、摺動速度5.4ｍ／
secとし、ギヤオイル中でサイクル時間2sec（負荷
0.2sec、無負荷1.8sec）で1000回の押当てを行な
い試験前後の軸方向変位を摩耗量として測定し
た。その結果、本発明品は従来材料と比べ耐摩耗
性の著しい向上が認められる。

【表】

【表】実施例２第１表に示す成分の供試材にて引張試験を行な
つた結果を第３表に示す。その結果、本発明合金
すべてにおいて従来合金より優れており機械的性
質の改善が認められる。

【表】実施例３第１図は本発明合金１に旋削加工を施したとき
に発生した切粉の性状を示す図面であり、第２図
は本発明合金５に切削加工を施したときに発生し
た切粉の性状を示す図面である。第１図および第２図より明らかに本発明合金５
の切粉においては、Pb添加によつて切粉が細か
く切れてバイトへのからみつき等がなく、被切削
性等の機械加工性に優れていることがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は、各々、本発明合金１と同５
とを旋削加工したときに発生した切粉の性状を示
す説明図である。

Claims

【特許請求の範囲】１重量割合でCu50〜70％、Mn0.5〜5.0％、
Al0.1〜5.0％、Fe0.05〜1.0％、Ni0.01〜1.0％、
Si0.1〜2.0％、Nb0.01〜1.0％および残部はZnか
らなることを特徴とする耐摩耗性高力黄銅合金。２重量割合でCu50〜70％、Mn0.5〜5.0％、
Al0.1〜5.0％、Fe0.05〜1.0％、Ni0.01〜1.0％、
Si0.1〜2.0％、Nb0.01〜1.0％、Pb0.1〜2.0％およ
び残部はZnからなることを特徴とする耐摩耗性
高力黄銅合金。