JP2002348677A - 摺動部材とその作製方法 - Google Patents

摺動部材とその作製方法

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朋和 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硬度(Hv=1000以上)で、しかも剥
離強度に優れた摺接層を形成した摺動部材を提供する。 【解決手段】 酸化アルミニウム等の脆性材料微粒子を
ガス中に分散させたエアロゾルを搬送し、高速で基材に
衝突させて、前記脆性材料微粒子の一次粒子が破砕した
微細断片粒子を生成し、前記微細断片粒子の前記基材へ
の接着あるいは前記微細断片粒子同士の接合により焼成
することなく、ビッカース硬度がHv=1000以上ま
たはHv=1400以上で緻密質の脆性材料からなる摺
接層を前記基材表面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガイドレール、ベ
アリングケース、ピストンリング、各種バルブなどの摺
動部材とその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】摺動部材を構成する材料としては、硬く
耐磨耗性に優れたセラミックスが好ましい。しかしなが
ら、セラミックスは加工性に劣り、焼結の際の縮小率が
大きいため、セラミックス単独では摺動部材を製作せ
ず、通常は金属部材の表面に溶射法などによってセラミ
ックコートを施すようにしている。
【0003】溶射法の他に、最近ではガスデポジション
法(加集誠一郎:金属 1989年1月号)や静電微粒
子コーティング法(井川 他:昭和52年度精密機械学
会秋季大会学術講演会前刷)も被膜形成法として提案さ
れている。
【0004】前者は金属やセラミックス等の超微粒子を
ガス攪拌にてエアロゾル化し、微小なノズルを通して加
速せしめ、基材表面に超微粒子の圧粉体層を形成させ、
これを加熱して焼成させることにより被膜を形成する。
後者は微粒子を帯電させ電場勾配を用いて加速せしめ、
この後はガスデポジション法と同様の基本原理で被膜形
成を行う。
【0005】また、上記のガスデポジション法あるいは
静電微粒子コーティング法を改良した先行技術として、
特開平8−81774号公報、特開平10−20217
1号公報、特開平11−21677号公報或いは特開2
000−212766号公報に開示されるものが知られ
ている。
【0006】特開平8−81774号公報に開示される
技術は、融点の異なる2種類の金属または有機物を、抵
抗線加熱、電子ビーム加熱、高周波誘導加熱、スパッタ
リング、アークプラズマ等で加熱蒸発させ、この加熱蒸
発により粒子径が0.1μm以下の表面が非常に活性な
超微粒子とし、この超微粒子を融点の異なる金属ごとに
ノズルを用い、3次元立体形状の断面CADデータに基
づいて基板に吹き付け、これを繰り返すことで融点の異
なる2種類の金属からなる3次元立体形状物を形成し、
この後、2種類の金属の融点の中間温度で3次元立体形
状物を加熱することで低融点金属部分を溶融除去し、高
融点金属部分のみを残すようにしている。
【0007】特開平10−202171号公報に開示さ
れる技術は、前記した抵抗線加熱、電子ビーム加熱、高
周波誘導加熱、スパッタリング、アークプラズマ等で加
熱蒸発することで得た超微粒子を基板に向けて噴射する
にあたり、マスクの開口を通して行うことで、肩だれの
ない3次元立体形状物を得るようにしている。
【0008】特開平11−21677号公報に開示され
る技術は、前記した超微粒子を含むエアロゾルを搬送す
る際あるいは金属やセラミックスを加熱蒸発させる際
に、超微粒子同士が凝集して大きな粒子となるのを防止
するために、中間の経路に分級装置を配置するようにし
ている。
【0009】2000−212766号公報は、本発明
者らが提案したものであり、この公報には加熱手段によ
る加熱なくして超微粒子の膜を形成する方法が開示され
ている。具体的には、粒径が10nm〜5μmの超微粒
子(前記先行技術と異なり加熱蒸発させて得たものでは
ない)に、イオンビーム、原子ビーム、分子ビーム或い
は低温プラズマなどを照射することにより、超微粒子を
溶融せしめることなく活性化し、この状態のまま基板に
3m/sec〜300m/secの速度で吹き付けるこ
とで、超微粒子相互の結合を促進して摺接層を形成する
ようにしたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般的な焼結助剤を用
いた液相焼結では、粒界付近に焼結助剤を含むガラス相
が形成され、得られるセラミックスの純度が上がらず、
緻密体を形成することも難しい。特に摺動部材の摺接層
として液相焼結によるセラミックスを用いるのは硬度及
び耐磨耗性の面で問題が残る。
【0011】一方セラミック粒子の微粒化、焼結温度の
高温化、ホットプレス法などのような加圧環境下での焼
成、焼結助剤の排除などの工夫で高純度かつ緻密質のセ
ラミックスの形成が可能となっている。そこで、この高
純度かつ緻密質のセラミックスを摺動部材の摺接層とし
て用いることが考えられる。
【0012】しかしながら、焼成にてセラミックス摺動
層を得ることはすなわち原子の拡散によって粒子同士の
接合を行うということであり、原料粉が微粒であっても
加熱中に粒成長を起こし、形成物を微細な結晶のまま止
めておくことは不可能である。すなわち焼成では、ナノ
メートルレベルの結晶粒からなる多結晶体を形成させる
ことは困難である。また、焼結助剤を用いて焼成させる
場合は、粒子同士の界面に特定の元素が偏析を起こし、
所望の特性の達成を阻害する原因ともなっている。
【0013】一方、PVD、CVD或いは溶射による場
合は、いずれも数百から1万℃の高温環境を必要とし、
エネルギー投入量が大きく、またゾルゲル法は比較的低
温のプロセスであるが、一回の製膜工程で達成される膜
厚は数nmから数百nmレベルであり、厚膜を形成する
にはこの工程を繰り返す必要がある。この際実質的には
下地膜を強固にする為に加熱処理を施す必要があり下地
層の粒成長が起こる。粒成長を起こさない低温での製膜
では緻密度が大きくならない問題がある。また多数回の
製膜工程を経ると膜にクラックが発生するという問題が
解決できていない。またこのゾルゲル法あるいは溶液中
析出法などの微細組織のセラミック膜作製方法は湿式が
多く、膜中に溶液中の他の溶質や溶媒が混入して膜特性
の劣化や組成のずれなどが生じる場合がある。
【0014】また、特開平8−81774号公報、特開
平10−202171号公報および特開平11−216
77号公報に開示される方法にあっては、超微粒子を得
るための加熱手段(抵抗線加熱、電子ビーム加熱、高周
波誘導加熱、スパッタリング、アークプラズマ等)が必
要となり。また基本原理が衝突の際に運動エネルギーを
熱エネルギーに変換して焼結させるというものであり、
基板上に形成される摺接層の粒子径は粒成長により、原
料の超微粒子よりも大きくなってしまう。
【0015】一方、特開2000−212766号公報
に開示される技術は、各種アシスト法を用いることによ
り、比較的低い微粒子速度で堆積物の形成を可能にさせ
る方法であるが、本発明者らが引き続き追試を行ってき
た結果、十分な硬度(Hv=1000以上)が得られ
ず、部分的に剥離しやすくたり、密度も不均一となり、
特に硬度のコントロールが難しい。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、延展性を持た
ない脆性材料(セラミックス)に機械的衝撃力を付加す
ると、結晶子同士の界面などの壁開面に沿って結晶格子
のずれを生じたり、あるいは破砕される。そして、これ
らの現象が起こると、ずれ面や破面には、もともと内部
に存在し別の原子と結合していた原子が剥き出しの状態
となった新生面が形成される。この新生面の原子一層の
部分は、もともと安定した原子結合状態から外力により
強制的に不安定な表面状態に晒され、表面エネルギーが
高い状態となる。この活性面が隣接した脆性材料表面や
同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基板表面と接
合して安定状態に移行する。外部からの連続した機械的
衝撃力の付加は、この現象を継続的に発生させ、微粒子
の変形、破砕などの繰り返しにより接合の進展、緻密化
が行われ、脆性材料の摺接層(本件の場合は摺接層)が
形成されるという知見に基づいてなされたものである。
【0017】ここで、本発明を理解する上で重要となる
語句の解釈を以下に行う。 (多結晶)本件では結晶子が接合・集積してなる構造体
を指す。結晶子は実質的にそれひとつで結晶を構成しそ
の径は通常5nm以上である。ただし、微粒子が破砕さ
れずに摺接層中に取り込まれるなどの場合がまれに生じ
るが、実質的には多結晶である。 (結晶配向性)本件では多結晶である摺接層中での結晶
軸の配向具合を指し、配向性があるかないかは、一般に
は実質的に配向性のないと考えられる粉末X線回折など
によって標準データとされたJCPDS(ASTM)データを指
標として判断する。摺接層中の脆性材料結晶を構成する
物質をあげたこの指標における主要な回折3ピークのピ
ーク強度を100%として、摺接層の同物質測定データ
中、最も主要なピークのピーク強度をこれに揃えた場合
に、他の2ピークのピーク強度が指標の値と比較して3
0%以内にそのずれが収まっている状態を、本件では実
質的に配向性がないと称する。 (界面)本件では結晶子同士の境界を構成する領域を指
す。 (粒界層)界面あるいは焼結体でいう粒界に位置するあ
る厚み(通常数nm〜数μm)を持つ層で、通常結晶粒
内の結晶構造とは異なるアモルファス構造をとり、また
場合によっては不純物の偏析を伴う。 (アンカー部)本件の場合には、基材と摺接層の界面に
形成された凹凸を指し、特に、予め基材に凹凸を形成さ
せるのではなく、摺接層形成時に、元の基材の表面精度
を変化させて形成される凹凸のことを指す。 (平均結晶子径)X線回折法におけるScherrerの方法に
よって算出される結晶子のサイズであり、マックサイエ
ンス社製MXP-18を使用して測定・算出する。 (内部歪)微粒子に含まれる格子歪のことで、X線回折
測定におけるHall法を用いて算出される値であり、微粒
子を十分にアニールした標準物質を基準として、そのず
れを百分率表示する。
【0018】本発明に係る摺動部材は、その一部に他の
部材と接触する摺接層が形成され、この摺接層は酸化ア
ルミニウム等の脆性材料からなるとともに多結晶であ
り、また実質的に結晶配向性がなく、且つ結晶同士の界
面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在せず、さ
らに前記摺接層の一部は基材表面に食い込むアンカー部
となっており、前記摺接層のビッカース硬度がHv=1
000以上またはHv=1400以上である構成とし
た。
【0019】本発明において適用可能な基材には、セラ
ミック、金属、半金属、有機材料などが利用可能である
が、とりわけ、金属、有機材料の場合、焼成を必要とす
るプロセスは、1000℃以上の高温環境を必要とする
ため、各種金属部材の摺接部位のみ選択的にセラミック
ス摺動層を形成させることは、部材の変質、部材とセラ
ミックス摺動層の熱膨張率の差による剥離や割れなどが
起こり、適用は困難であるが、本発明の方法によれば、
焼成の必要がないので上記問題を生じず、好ましい。
【0020】ビッカース硬度がHv=1000以上の摺
接層を適用できる用途としては、比較的硬度の低い相手
材との摩擦に対する耐摩耗部材、具体的には、腐食性の
スラリーや液に使うポンプのスリーブ,ハウジング,イ
ンペラー及びその他の部品、製鉄機械のハースロールや
合成繊維用機械部品としては、ガゼットロール,ヒータ
ープレート,テンションデスク,加熱フィードロール,
糸道,ロール類など、自動車工業向けとしては、O2
ンサー等の機能部品,加工機においては、ナイフ・包丁
やバイトに代表される刃先へのコート、電子・電機工業
向けにおいては、ヒートシンク,磁気ヘッド,ヒーター
ロール,ガスタービン工業向けにおいては、タービンブ
レード,ノズル,チャンバー,ミッドスパン等が考えら
れる。
【0021】また、同種材料同士との摺動についての耐
摩耗部材では、摩耗による摩滅性粒子が極力発生しない
ほうが好ましいため、ビッカース硬度がHv=1400
以上がよく、この摺接層を適用できる用途としては、同
種材料同士との摺動についての耐摩耗部材、具体的に
は、プレス成形及び切断等に用いられる金型,自動車工
業向けとしては、ピストンヘッド及ぶピストンリング、
摺動性が必要とされるバルブ類への応用が考えられる。
【0022】上記の特性を有する部材は従来の製法では
得ることができず、以下の方法によって得ることができ
る。即ち、酸化アルミニウム等の脆性材料微粒子をガス
中に分散させたエアロゾルを搬送し、高速で基材に衝突
させて、前記脆性材料微粒子の一次粒子が破砕した微細
断片粒子を生成し、前記微細断片粒子の前記基材への接
着あるいは前記微細断片粒子同士の接合により焼成する
ことなく、ビッカース硬度がHv=1000以上または
Hv=1400以上で緻密質の脆性材料からなる摺接層
を前記基材表面に形成して摺動部材を得る。
【0023】上記の製法においては、基材に衝突させる
脆性材料微粒子の速度を変化させることによって摺接層
の硬度をコントロールすることができる。例えば、酸化
アルミニウム微粒子の速度を200〜400m/sec
とすることで、得られる摺接層のビッカース硬度をHv
=1000以上とすることができ、400〜800m/
secとすることで、得られる摺接層のビッカース硬度
をHv=1400以上にコントロールすることができ
る。
【0024】
【発明の実施の態様】以下に本発明の実施の形態を説明
する。原料粉体として酸化アルミニウム(平均粒径:
0.5μm)の微粒子を用い、厚さ3mmのステンレス
(SUS304)基材上に厚さ10μmの酸化アルミニ
ウム膜を微粒子ビーム堆積法(Ultra−Fine particles
beam deposition method)により形成した。
【0025】ここで、微粒子ビーム堆積法とは本発明法
を指し、金属や半金属、セラミックの微粒子を含むエア
ロゾルをノズルより噴出させて高速で基板に吹き付け、
微粒子を基材上に堆積させることによって、微粒子の組
成を持つ圧粉体などの堆積層を形成させる構造物形成法
のうち、特に構造物を基板上にダイレクトで形成する方
法である。エアロゾルデポジション法ともいう。
【0026】図1は上記の本発明方法で形成した酸化ア
ルミニウム膜の組織を平面的に拡大した顕微鏡写真、図
2は同酸化アルミニウム膜の組織を断面的に拡大した顕
微鏡写真であり、図3は従来の溶射法で形成した酸化ア
ルミニウム膜の組織を平面的に拡大した顕微鏡写真、図
2は同酸化アルミニウム膜の組織を断面的に拡大した顕
微鏡写真である。これらの図を比較すれば明らかなよう
に、本発明方法によって形成した酸化アルミニウム膜は
緻密である。また基材と膜との界面には、膜形成前の基
材表面の精度に比較して、構造物形成時に非常に微細な
凹凸が形成されたアンカー部が存在することが確認され
ている。一方、従来方法にて形成した酸化アルミニウム
膜は多数の気孔が存在し、緻密性に劣ることが分る。ま
たプラズマ溶射法では、吹き付ける微粒子をプラズマ中
に晒して溶融させ、基材への付着と同時に急冷させると
いう工程であるため、微粒子同士の界面などはアモルフ
ァスライクな構造をとっている。
【0027】図5はノズルから噴射された微粒子の流速
と、形成した各酸化アルミニウム膜の硬度を示す。なお
比較のために、プラズマ溶射法で作製し実用化されてい
る酸化アルミニウム膜(厚さ約100μm)の硬度測定
も記載する。硬度測定は、島津製作所製ダイナミック超
微小硬度計DUH−W201(ビッカース圧子)で、試
験力は5gf、保持時間30secの条件にて行った。
図5から、流速の増加に伴い硬度が増加する傾向にある
ことが分る。これは酸化アルミニウム微粒子の流速が速
いほど酸化アルミニウム膜が形成される際の反応エネル
ギー、反応速度が大きくなるためではないかと考えられ
る。
【0028】なお、一般に耐摩耗コートとして用いられ
ているプラズマ溶射法で作製される酸化アルミニウム膜
のビッカース硬度はHv=800程度である。これに対
し酸化アルミニウム微粒子の流速を200m/sec以
上として作製する本発明法の酸化アルミニウム膜はこれ
より硬いため実用上有効である。
【0029】また、耐摩耗性の実際の評価として、横擦
り耐久試験における摺動回数に伴う酸化アルミニウム膜
の重量の減少を測定した。実験装置を図6に示す。実験
は、まず評価したい酸化アルミニウム膜付き試験片の重
量を測定し、横擦り試験機のテーブル1の固定ジグ2に
固定して、#1500番の炭化ケイ素研磨紙をローラの
円周上に10mm幅で貼り付けたローラ3を試験片の膜
表面と線接触するように1000gfの一定荷重にて押
しつけた。横擦り耐久試験装置の動作としては、固定治
具が左右に1往復する毎に、ローラ3が約0.3°づつ
回転するようになっている。なお、固定治具の左右に動
くスピードは0.63m/sec固定で実験を行った。
【0030】図7は、各酸化アルミニウム微粒子の速度
において作製した試験片の摺動回数に伴う酸化アルミニ
ウム膜の重量減少量を摺動回数でプロットしたものであ
る。参考までにプラズマ溶射法で作製した酸化アルミニ
ウム膜付きサンプルの結果もプロットした。
【0031】図7から、酸化アルミニウム微粒子の速度
が大きくなるほど、摺動回数に伴う酸化アルミニウム膜
の重量減少量が小さくなることがわかった。この結果
は、図5に示した微粒子の速度の増加に伴い膜の硬度が
向上した結果を示唆するものであった。ガス流速が50
m/sec以上で形成した試験片については、いずれも
プラズマ溶射法で作製した試験片に比べて、摺動回数に
伴う膜の重量減少量が少なく、耐摩耗性が優れているこ
とが明らかになった。200m/sec以上のものは更
に優れている。
【0032】次に、酸化アルミニウム微粒子、PZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)微粒子及びBT(チタン酸バ
リウム)微粒子を材料として形成した摺接層の表面粗さ
(Ra)を以下の表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】上記の表から明らかなように、本発明に係
る摺接層は研磨を行うことなく充分に耐磨耗コートとし
て使用することができる。ただし、更に表面を研磨して
良好な表面粗さを得るようにしてもよい。
【0035】なお、実施例では基材としてステンレスを
示したが、ガラス、金属、セラミックス、半金属あるい
は有機化合物などが挙げられ、また脆性材料として酸化
アルミニウム、PZT、BTを示したが、これ以外に、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニ
ウム、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化ハフニウ
ム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化珪素など
の酸化物、ダイヤモンド、炭化硼素、炭化珪素、炭化チ
タン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオ
ブ、炭化クロム、炭化タングステン、炭化モリブデン、
炭化タンタルなどの炭化物、窒化硼素、窒化チタン、窒
化アルミニウム、窒化珪素、窒化ニオブ、窒化タンタル
などの窒化物、硼素、硼化アルミニウム、硼化珪素、硼
化チタン、硼化ジルコニウム、硼化バナジウム、硼化ニ
オブ、硼化タンタル、硼化クロム、硼化モリブデン、硼
化タングステンなどの硼化物、あるいはこれらの混合物
や多元系の固溶体、チタン酸鉛、チタン酸リチウム、チ
タン酸ストロンチウム、チタン酸アルミニウム、PLZ
Tなどの圧電性・焦電性セラミックス、サイアロン、サ
ーメットなどの高靭性セラミックス、水酸アパタイト、
燐酸カルシウムなどの生体適合性セラミックス、シリコ
ン、ゲルマニウム、あるいはこれらに燐などの各種ドー
プ物質を添加した半金属物質、ガリウム砒素、インジウ
ム砒素、硫化カドミウムなどの半導体化合物などが挙げ
られる。
【0036】微粒子の速度の測定には次の方法を用い
た。図8に粒子速度測定装置を示す。図示しないチャン
バー内にエアロゾルを噴射するノズル21が開口を上に
向けて設置され、その先にモーターによって回転運動す
る回転羽根22の先に設置された基板23およびその基
板表面から19mm下に離れて固定された幅0.5mm
の切りかきをもつスリット24を有する粒子速度測定装
置2を配置する。ノズル21の開口から基板表面までの
距離は24mmである。
【0037】次に粒子速度測定方法を記す。エアロゾル
の噴射は、実際の複合構造物作製方法に準じて行う。構
造物形成装置内で構造物を形成する基板の代わりに、図
の粒子速度測定装置2を設置して行うことが好適であ
る。図示しないチャンバーを減圧下におき、数Torr
以下の圧力としたのちにノズル21から粒子を含むエア
ロゾルが噴射させ、この状態で粒子速度測定装置2を一
定回転速度で運転させる。ノズル21の開口から飛び出
した粒子は、基板23がノズル21の上部に来た際にそ
の一部がスリット24の切りかきの隙間を通過して基板
表面に衝突し、基板23上に構造物(衝突痕)を形成す
る。粒子がスリットから19mm離れた基板表面に到達
する間に基板23は回転羽根22の回転によって位置を
変化させているため、基板23上におけるスリット24
の切りかきからの垂線交差位置よりその変位量分ずれた
位置に衝突する。この垂線交差位置から衝突して形成さ
れた構造物までの距離を表面凹凸測定により計測し、こ
の距離およびスリット24と基板表面からの距離、回転
羽根22の回転速度の値を用いて、ノズル21から噴射
された粒子の速度としては、ノズル21の開口から5m
m離れた場所から24mm離れた場所までの平均速度を
算出し、これを本件における粒子の速度とした。
【0038】次に構造物形成に伴って形成されたアンカ
ー層について、その表面凹凸プロファイルを図9に示
す。表面を鏡面に仕上げた真鍮基板に、微粒子ビーム堆
積法を用いて酸化アルミニウム膜を膜厚10μm程度で
形成させた後、膜に引張り応力を与えて膜を基板より引
き剥がしてアンカー層を剥き出しにし、基板の表面粗さ
とアンカー層を日本真空技術株式会社製触針式表面形状
測定器Dektak3030を用いて計測した。図9の
上のプロファイルが真鍮基板の表面プロファイルであ
り、下がアンカー層のプロファイルである。図より微粒
子の衝突によりアンカー層が形成されている様子がわか
る。また同表面形状測定器によりこれらの表面粗さRa
は、スイープ距離200μmにおいて、基板表面が7.
7nm、アンカー層が73.8nmであった。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように本発明に係る摺動
部材は、従来と比較し極めて高硬度の摺接部を任意の個
所、例えば複雑な曲面や、微細な個所に有するため、摺
動部材としての適用範囲が大幅に拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で作成した酸化アルミニウム膜の組
織を平面的に拡大した顕微鏡写真
【図2】本発明方法で作成した酸化アルミニウム膜の組
織を断面的に拡大した顕微鏡写真
【図3】従来法で作成した酸化アルミニウム膜の組織を
平面的に拡大した顕微鏡写真
【図4】従来法で作成した酸化アルミニウム膜の組織を
断面的に拡大した顕微鏡写真
【図5】ノズルから噴射された微粒子の流速と、形成し
た各酸化アルミニウム膜の硬度を示すグラフ
【図6】横擦り耐久試験の実験装置を示す図
【図7】各酸化アルミニウム微粒子の速度において作製
した試験片の摺動回数に伴う酸化アルミニウム膜の重量
減少量を摺動回数でプロットしたグラフ
【図8】微粒子速度測定装置を示す図
【図9】基板とアンカー層の表面凹凸プロファイルを示
す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳩野 広典 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 清原 正勝 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 横山 達郎 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 伊藤 朋和 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 森 勝彦 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 吉田 篤史 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4K044 AA01 AA16 BA13 BC01 BC06 CA23 CA29 CA53

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に脆性材料からなる摺接層が形
    成された摺動部材であって、前記摺接層は多結晶であ
    り、前記摺接層を構成する結晶は実質的に結晶配向性が
    なく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒
    界層が実質的に存在せず、さらに前記摺接層の一部は基
    材表面に食い込むアンカー部となっており、前記摺接層
    のビッカース硬度がHv=1000以上であることを特
    徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】 基材表面に脆性材料からなる摺接層が形
    成された摺動部材であって、前記摺接層は多結晶であ
    り、前記摺接層を構成する結晶は実質的に結晶配向性が
    なく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒
    界層が実質的に存在せず、さらに前記摺接層の一部は基
    材表面に食い込むアンカー部となっており、前記摺接層
    のビッカース硬度がHv=1400以上であることを特
    徴とする摺動部材。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の摺動部
    材において、前記脆性材料が酸化アルミニウムであるこ
    とを特徴とする摺動部材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の摺動部材において、前記基材は、金属材料又は有
    機材料であることを特徴とする摺動部材。
  5. 【請求項5】 脆性材料微粒子をガス中に分散させたエ
    アロゾルを搬送し、高速で基材に衝突させて、前記脆性
    材料微粒子の一次粒子が破砕した微細断片粒子を生成
    し、前記微細断片粒子の前記基材への接着あるいは前記
    微細断片粒子同士の接合により焼成することなく、ビッ
    カース硬度がHv=1000以上で緻密質の脆性材料か
    らなる摺接層を前記基材表面に形成して得られることを
    特徴とする摺動部材の作製方法。
  6. 【請求項6】 脆性材料微粒子をガス中に分散させたエ
    アロゾルを搬送し、前記脆性材料微粒子の速度を200
    〜400m/secとして基材に衝突させて、前記脆性
    材料微粒子の一次粒子が破砕した微細断片粒子を生成
    し、前記微細断片粒子の前記基板への接着あるいは前記
    微細断片粒子同士の接合により、焼成することなく、緻
    密質の脆性材料からなる摺接層を前記基材表面に形成さ
    せて得られることを特徴とする摺動部材の作製方法。
  7. 【請求項7】 酸化アルミニウム微粒子をガス中に分散
    させたエアロゾルを搬送し、前記酸化アルミニウムの速
    度を200〜400m/secとして基材に衝突させ
    て、前記酸化アルミニウム微粒子の一次粒子が破砕した
    微細断片粒子を生成し、前記微細断片粒子の前記基板へ
    の接着あるいは前記微細断片粒子同士の接合により、焼
    成することなく、ビッカース硬度がHv=1000以上
    の緻密質の酸化アルミニウム摺接層を形成させて得られ
    ることを特徴とする摺動部材の作製方法。
  8. 【請求項8】 脆性材料微粒子をガス中に分散させたエ
    アロゾルを搬送し、高速で基材に衝突させて、前記脆性
    材料微粒子の一次粒子が破砕した微細断片粒子を生成
    し、前記微細断片粒子の前記基材への接着あるいは前記
    微細断片粒子同士の接合により、焼成することなく、ビ
    ッカース硬度がHv=1400以上で緻密質の脆性材料
    からなる摺接層を前記基材表面に形成させて得られるこ
    とを特徴とする摺動部材の作製方法。
  9. 【請求項9】 脆性材料微粒子をガス中に分散させたエ
    アロゾルを搬送し、前記脆性材料微粒子の速度を400
    〜800m/secとして基材に衝突させて、前記脆性
    材料微粒子の一次粒子が破砕した微細断片粒子を生成
    し、前記微細断片粒子の前記基板への接着あるいは前記
    微細断片粒子同士の接合により、焼成することなく、緻
    密質の脆性材料からなる摺接層を前記基材表面に形成さ
    せて得られることを特徴とする摺動部材の作製方法。
  10. 【請求項10】 酸化アルミニウム微粒子をガス中に分
    散させたエアロゾルを搬送し、前記酸化アルミニウムの
    速度を400〜800m/secとして基材に衝突させ
    て、前記酸化アルミニウム微粒子の一次粒子が破砕した
    微細断片粒子を生成し、前記微細断片粒子の前記基板へ
    の接着あるいは前記微細断片粒子同士の接合により、焼
    成することなく、ビッカース硬度がHv=1400以上
    の緻密質の酸化アルミニウム摺接層を形成させて得られ
    ることを特徴とする摺動部材の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項5乃至請求項10のいずれか1
    項に記載の摺動部材の作製方法において、前記基材は、
    金属材料又は有機材料であることを特徴とする摺動部材
    の作製方法。
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