JP2002348416A - 成形用ポリオレフィン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

成形用ポリオレフィン系樹脂組成物およびその製造方法

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JP2002348416A
JP2002348416A JP2001158144A JP2001158144A JP2002348416A JP 2002348416 A JP2002348416 A JP 2002348416A JP 2001158144 A JP2001158144 A JP 2001158144A JP 2001158144 A JP2001158144 A JP 2001158144A JP 2002348416 A JP2002348416 A JP 2002348416A
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polyolefin resin
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molding
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Koichi Murakami
幸一 村上
Minoru Ueda
實 上田
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Okura Industrial Co Ltd
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Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】曲げ強度等の機械的強度に優れ、かつ木材の風
合いを有する成形品が得られるポリオレフィン系樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン系樹脂(A)30〜90重
量部と、木質系材料(B1)及び多塩基酸無水物(C)
でエステル化されたエステル化木質系材料(B2)から
選ばれる有機質充填材(B)70〜10重量部からなる
成形用ポリオレフィン系樹脂組成物であって、当該有機
質充填材(B)が粒径32μm未満の含有率0〜10w
t%、粒径32以上106μm未満の含有率80〜10
0wt%、粒径106μm以上の含有率0〜10wt%
の粒度分布であることを特徴とする成形用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質系材料等の有
機質充填材を含有する成形用ポリオレフィン系樹脂組成
物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは押出成
形、射出成形に好適に使用され、曲げ強度等の機械的強
度に優れ、かつ木材の風合いを有する成形品が得られる
成形用ポリオレフィン系樹脂組成物およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂に木粉等の有機質充填材を
配合した組成物を成形加工することは従来から行われて
いる。しかしながら、有機質充填材は安価で大量に入手
できるという長所を有している反面、熱可塑性樹脂に多
量に混入すると流動性が低下し成形加工が困難となり、
また機械的強度が低下するという問題があった。
【0003】このような問題点を解決するために熱可塑
性樹脂、特にポリオレフィン系樹脂と有機質充填材との
親和性、分散性を向上させるために、例えば、プロピレ
ン系樹脂と木粉等の有機充填剤とよりなる複合組成に変
性プロピレン系樹脂を配合すること(特公平1−222
97号公報、特公昭62−5186号公報等)や、有機
質充填材として多塩基酸無水物でエステル化されたエス
テル化木質系材料を使用すること(特開平9−3162
48号公報等)が提案されている。
【0004】すなわち、前者は、変性ポリプロピレンを
添加することによってポリプロピレンに対する有機質充
填剤の分散を助けプロピレン系樹脂と有機質充填剤との
親和性を保持し結果的に強度低下を防ぎ耐衝撃強度、曲
げ弾性率、熱変形温度を向上させるものであり、後者は
ポリオレフィン系樹脂に対する親和性が向上したエステ
ル化木質系材料を有機質充填材として使用することによ
ってポリオレフィン系樹脂との親和性、分散性を向上さ
せるものである。
【0005】これらの方法は、いずれもポリオレフィン
系樹脂と有機質充填剤との親和性、分散性を向上させる
上で一定の効果があり、特に、有機質充填材としてエス
テル化木質系材料を使用した場合は、かなり高濃度の木
質系材料を含有する成形品の製造も可能となった。しか
しながら、この場合であっても、ポリオレフィン系樹脂
と有機質充填剤の界面接合性が十分とはいえず、微細な
空隙が生じ、成形品の機械的強度が劣り、木材の風合い
が現出できにくいという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
質充填材を含有する樹脂組成物であって、曲げ強度等の
機械的強度に優れ、かつ木材の風合いを有する成形品が
得られるポリオレフィン系樹脂組成物及びその製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の粒度分
布を有する有機質充填材を使用した場合にポリオレフィ
ン系樹脂と有機質充填材との親和性、分散性が向上し、
その結果上記目的が達成できることを見出し本発明に到
達した。
【0008】すなわち、本発明は次のポリオレフィン系
樹脂組成物、およびその製造方法である。 ポリオレフィン系樹脂(A)30〜90重量部と、
木質系材料(B1)及び多塩基酸無水物(C)でエステ
ル化されたエステル化木質系材料(B2)から選ばれる
有機質充填材(B)70〜10重量部からなる成形用ポ
リオレフィン系樹脂組成物であって、当該有機質充填材
(B)が粒径32μm未満の含有率0〜10wt%、粒
径32以上106μm未満の含有率80〜100wt
%、粒径106μm以上の含有率0〜10wt%の粒度
分布であることを特徴とする成形用ポリオレフィン系樹
脂組成物。 多塩基酸無水物(C)でエステル化されたエステル
化木質系材料(B2)のエステル化により導入された多
塩基酸無水物(C)の割合が0.5〜20wt%である
ことを特徴とする記載の成形用ポリオレフィン系樹脂
組成物。 ポリオレフィン系樹脂(A)30〜90重量部と、
木質系材料(B1)及び多塩基酸無水物(C)でエステ
ル化されたエステル化木質系材料(B2)から選ばれる
粒径32μm未満の含有率0〜10wt%、粒径32以
上106μm未満の含有率80〜100wt%、粒径1
06μm以上の含有率0〜10wt%の粒度分布の有機
質充填材(B)70〜10重量部とを150〜200℃
で30秒〜30分間加熱混練することを特徴とする成形
用ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。 ポリオレフィン系樹脂(A)、木質系材料(B
1)、及び木質系材料(B1)100重量部に対して多
塩基酸無水物(C)0.5〜20重量部を加熱混練する
ことを特徴とする記載の成形用ポリオレフィン系樹脂
組成物の製造方法。
【0009】
【実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳細に説
明する。本発明の成形用ポリオレフィン系樹脂組成物に
用いられるポリオレフィン系樹脂(A)としてはα−オ
レフィンの単独重合体および共重合体が制限なく使用で
きる。ポリオレフィン系樹脂(A)の具体的なものとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リ4−メチル−1−ペンテン等の単独重合体や、エチレ
ン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共
重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・
α−オレフィン共重合体等の共重合体などがあげられ
る。これらのポリオレフィン系樹脂(A)は1種単独で
使用することもできるし、2種以上を任意の混合比で混
合して使用することもできる。
【0010】本発明においては、上記ポリオレフィン系
樹脂(A)の中から成形方法や目的とする成形品の種
類、性能等に応じて適宜選択するのであるが、これらの
中でもポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・α
−オレフィン共重合体が好ましい。
【0011】特に、本発明の成形用ポリオレフィン系樹
脂組成物を異形押出成形に使用する場合には、ポリプロ
ピレン及びプロピレン・α−オレフィン共重合体から選
ばれるポリプロピレン系樹脂とポリエチレンとを併用す
るのが好ましい。その際のポリエチレンとしては、AS
TM D1238(JIS K7210)で規定される
190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレー
ト(MFR)が0.01〜1.0g/10分、好ましく
は0.01〜0.5g/10分と分子量が高く溶融張力
の高いポリエチレンを使用するのが望ましい。また、そ
の際のポリプロピレン系樹脂としては、ASTM D
1238により230℃、2.16kg荷重におけるメ
ルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10
分、好ましくは0.5〜100g/10分のものを使用
するのが望ましい。
【0012】本発明の成形用ポリオレフィン系樹脂組成
物に用いられる有機質充填材(B)としては木質系材料
(B1)及び/又は多塩基酸無水物(C)でエステル化
されたエステル化木質系材料(B2)が用いられれる。
その中でもエステル化木質系材料(B2)がポリオレフ
ィン系樹脂との親和性に優れているので好ましい。
【0013】木質系材料(B1)としては、木粉、木質
パルプ等、従来から樹脂の充填剤として使用されている
ものが挙げられ、これらの木質系材料(B1)の原木や
樹種は特に制限されない。また、木質系材料(B1)と
して木材工業における工業廃棄物としての木質材や未利
用の木質材から粉砕して得られる木質系材料を使用する
こともでき、資源の有効利用を図ることもできる。
【0014】また、多塩基酸無水物(C)によりエステ
ル化されたエステル化木質系材料(B2)とは、上述し
た木質系材料(B1)に多塩基酸無水物(C)を付加反
応させて得られるものであり、エステル化によって多塩
基酸無水物(C)が木質系材料中に導入されたものであ
る。多塩基酸無水物(C)としては、例えば無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水テトラヒドロ
フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水イタコン
酸、無水アジピン酸などがあげられる。これらの中で
は、工業的に低廉な無水マレイン酸、無水フタル酸、無
水コハク酸等が好ましい。このような多塩基酸無水物は
1種単独で使用することもできるし、2種以上を併用す
ることもできる。
【0015】この際のエステル化木質系材料(B2)中
のエステル化により導入された多塩基酸無水物(C)の
割合は、木質系材料(B1)に対して多塩基酸無水物
(C)0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%
である。エステル化木質系材料(B2)は、公知の回分
式加圧混練装置、または連続式混練装置により、木質系
材料と多塩基酸無水物とを前記エステル化量となるよう
に混合して加熱混練することにより製造することができ
る。
【0016】さて、本発明においては上述した有機質充
填材(B)を使用するのであるが、その粒度分布が、粒
径32μm未満が0〜10wt%であり、粒径32μm
以上106μm未満が80〜100wt%、粒径106
μm以上が0〜10wt%、好ましくは前記条件に加え
て粒径が10〜150μmの条件を満たすものが、より
好ましくは粒径32μm以上106μm未満が100w
t%のものを使用するのが最も重要な点である。すなわ
ち、粒径32μm未満と細かい粒子が10wt%を超え
て含有されている有機質充填材(B)を用いた場合は、
取扱いが困難であるばかりか、凝集して均一に分散させ
ることが困難となるため、木質系材料が凝集した成形品
は機械的強度が低下し、木材の風合いも現出できにく
い。また、粒径106μm以上の粗大粒子が10%を超
えると、成形のときに樹脂成分と木質系材料の界面接合
性が不十分となり、微細な空隙が生じ、成形品の機械的
強度が劣り、木材の風合いが現出できにくい。このよう
な粒度分布を有する有機質充填材(B)は、例えば、粉
砕方法や粉砕時間を適宜選択することによって、或いは
適宜メッシュの篩で分級することにより得ることができ
る。なお、エステル化木質系材料(B2)については、
エステル化木質系材料(B2)を製造する際に使用する
木質系材料(B1)の粒度分布をもってエステル化木質
系材料(B2)の粒度分布とした。
【0017】また、本発明の成形用ポリオレフィン系樹
脂組成物には、更に、無機系の充填材、例えばタルク、
炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維等、あるいは有機
系の充填材、例えばポリエステル、ポリアミド繊維等、
その他に難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
可塑剤、滑剤等の各種添加剤や染料、顔料等の着色剤な
どの他の成分を添加することができる。
【0018】本発明の成形用ポリオレフィン系樹脂組成
物は、通常、ポリオレフィン系樹脂(A)と有機質充填
材(B)とを150〜200℃、好ましくは160〜1
90℃で、30秒〜30分間、好ましくは1〜20分間
加熱混練することにより製造することができる。加熱混
練に用いられる装置としては、前記条件で加熱混練が可
能なものであれば特に限定されず、例えばブレンダー、
ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、一
軸若しくは二軸の押出機などが挙げられる。
【0019】好ましい製造方法としては、例えば、各成
分を重量フィーダーにより二軸押出機のホッパー部へ直
接投入し、二軸押出機で混練ゾーンの設定温度を前記温
度に設定して混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物を得
る。なお、温度が200℃以上では木質系材料の分解に
よるガスが発生するため、混練温度が200℃を超えな
いように注意する必要がある。そのため、冷却コントロ
ールの効く二軸押出機等を使用するのが好ましい。
【0020】その際に、上記ポリオレフィン系樹脂
(A)と有機質充填材(B)に加えて有機過酸化物を配
合して加熱混練するのが好ましい。有機過酸化物を配合
することによってポリオレフィン系樹脂としてポリプロ
ピレンを使用した場合には加熱混練時にポリプロピレン
の分解が起こって流動性を向上させることが可能とな
り、また、ポリプロピレンとポリエチレンを併用した場
合には、ポリエチレンの架橋によって溶融張力を高めて
異形押出成形性を向上させることができる。有機過酸化
物の配合割合としては、ポリオレフィン系樹脂(A)と
有機質充填材(B)の合計量100重量部に対して有機
過酸化物0.001〜1重量部、好ましくは0.005
〜0.5重量部を添加することが好ましい。
【0021】本発明で用いられる有機過酸化物として
は、分子内に原子団−O−O−を有する有機物が制限な
く使用でき、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオ
キシド、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド等の
有機ペルオキシド;アルキルペルエステル等の有機ペル
エステル;ペルオキシジカーボネートなどが挙げられ
る。具体的には、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペ
ルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが挙げられる。この
ような有機過酸化物は1種単独で使用することもできる
し、2種以上を併用することもできる。
【0022】更にまた、有機質充填材(B)として木質
系材料(B1)を使用した場合に、ポリオレフィン系樹
脂(A)、木質系材料(B1)及び木質系材料(B1)
100重量部に対して多塩基酸無水物(C)0.5〜2
0重量部を加熱混練して本発明のポリオレフィン系樹脂
組成物を製造するのが好ましい。この場合は、エステル
化木質系材料(B2)を使用しなくても加熱混練中に木
質系材料(B1)に多塩基酸無水物(C)が付加反応し
てエステル化木質系材料(B2)を含有するポリオレフ
ィン系樹脂組成物が得られるので好ましい。
【0023】このようにして得られた本発明のポリオレ
フィン系樹脂組成物は、有機質充填材(B)を配合して
いるにもかかわらず、熱流動性に優れ、このため成形加
工性に優れており、押出成形、射出成形などの成形法に
より任意の形状に容易に成形することができる。また、
ポリオレフィン系樹脂(A)と有機質充填材(B)との
界面接合性が改善されているため、成形により得られた
成形品は曲げ強度等の機械的強度などに優れ、かつ木材
の風合いを有するものである。
【0024】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の利
用分野は特に制限されず、従来から熱可塑性樹脂が用い
られている多くの分野に使用することができるが、電気
絶縁材料、工業用部品材料、建築用材料等の分野に好適
に利用でき、中でも住宅部材、建築材料、家電製品の原
料として特に好適に利用できる。
【0025】具体的には、巾木、表面化粧板、ドア材、
外壁材、洗面化粧台、カウンター材、基礎受け板、窓
枠、壁材、廻り縁木、手すり、取っ手、構造材、土木角
材、柱、床柱、飾り柱、耐震材、壁紙、建具天井材、下
地材、畳、床、コンクリートパネル、足場材、遮蔽板、
遮音板、家具の箱天井、扉、前板裏板、棚板、袖板、幕
板、甲板、背板、座板、厨房部材、防水材、防かび材、
防腐材、雨戸板、腰板、側板、バスユニット床パン、バ
ス天井、バス壁、バス、桶、衛陶機器、便座、便蓋、ラ
ジオテレビ受信機、キャビネット、ステレオキャビネッ
ト、アンプキャビネット、スピーカー、ピアノオルガン
の親板、大屋根、巻き屋根、上下巻物板などの材料とし
て好適に利用できる。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。各例
で使用した原材料及び評価方法は次の通りである。 <ポリオレフィン系樹脂(A)> ポリプロピレン(PP) (ホモポリプロピレン、メルトフローレート=1.5g
/10分、比重=0.91) ポリエチレン(PE) (高密度ポリエチレン、メルトフローレート=0.5g
/10分、比重=0.96)
【0027】<有機質充填材(B)> 木粉1 (粒径32μm未満の含有率が5wt%、粒径32以上
106μm未満の含有率が91wt%、粒径106μm
以上の含有率が4wt%の粒度分布を有する木粉であ
る。) MA木粉1 (木粉1に無水マレイン酸(MA)を付加反応させて得
られるエステル化木質系材料を意味しており、木粉1に
対してエステル化によって導入された無水マレイン酸
(MA)の割合は5wt%である。) 木粉2 (粒径32μm未満の含有率が0wt%、粒径32以上
106μm未満の含有率が32wt%、粒径106μm
以上の含有率が68wt%の粒度分布を有する木粉であ
る。) MA木粉2 (木粉2に無水マレイン酸を付加反応させて得られるエ
ステル化木質系材料を意味しており、木粉2に対してエ
ステル化によって導入された無水マレイン酸の割合は5
wt%である。) MA木粉3 (粒径32μm未満の含有率が100wt%である木粉
に無水マレイン酸を付加反応させて得られるエステル化
木質系材料を意味しており、木粉に対してエステル化に
よって導入された無水マレイン酸の割合は5wt%であ
る。) 木粉4 (粒径106μm以上の含有率が100wt%である木
粉である。)
【0028】<有機過酸化物> 有機過酸化物(POx) (2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサンを使用した。)
【0029】<成形性及び分散性> (株)東洋精機製作所製ラボプラストミルの単軸押出機
(シリンダー径25mmφ、L/D=25、圧縮比2.
3)にポリオレフィン系樹脂組成物を供給して径5mm
φのストランドダイスからの押出成形した際の、成形性
及び得られる成形品中の有機質充填材(B)の分散性を
評価した。成形性の評価基準は以下の通りとした。 ○:成形品の外観が良好であり、表面状態が平滑であ
る。 △:成形品の外観が不十分であり、表面状態がわずかに
荒れている。 ×:成形品の外観が悪く、表面状態が荒れている。ま
た、分散性の評価基準は以下の通りとした。 ○:有機質充填材の凝集が見られず、均一に分散してい
る。 △:わずかに有機質充填材の凝集が見られる。 ×:有機質充填材の凝集が著しい。
【0030】また、ポリオレフィン系樹脂組成物を成形
して得られる成形品の物性は、ポリオレフィン系樹脂組
成物を熱板温度:180℃、予熱時間:5分、プレス圧
力:4.9MPa、プレス時間:5分の条件で熱圧成形
してシート状の成形品を製造し、それから試験片を切り
出して曲げ強度、曲げ弾性率はJIS K 7171
に、引張強度、引張弾性率はJIS K 7161に準
拠して測定し、評価した。
【0031】ポリオレフィン系樹脂組成物の加工性を示
す指標としてのメルトフローレート(MFR)はAST
M D 1238に準拠して、温度:190℃、荷重:
2.16kgの時の値で評価した。
【0032】実施例1 ポリオレフィン系樹脂(A)としてのPP:4.0k
g、PE:2.9kg、エステル化木質系材料(B2)
としてのMA木粉1:3.0kg、及び有機過酸化物:
0.1kgの割合でそれぞれの時間当たり供給重量で制
御したフィーダーにより、二軸押出機のホッパーに投入
し、バレル設定温度:160℃、スクリュー回転数:2
50rpmの条件で加熱混練して本発明のポリオレフィ
ン系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の成形性、
物性及び有機質充填材(B)の分散性を表1に示す。
【0033】比較例1 MA木粉1をMA木粉2に変更した以外は実施例1と同
様にして行った。結果を同じく表1に示す。
【0034】比較例2 MA木粉1をMA木粉3に変更した以外は実施例1と同
様にして行った。結果を同じく表1に示す。
【0035】実施例2 ポリオレフィン系樹脂(A)としてのPP:3.2k
g、PE:1.0kg、木質系材料(B1)としての木
粉1:5.5kg、無水マレイン酸:0.2kg、及び
有機過酸化物:0.1kgの割合でそれぞれの時間当た
り供給重量で制御したフィーダーにより、二軸押出機の
ホッパーに投入し、バレル設定温度:160℃、スクリ
ュー回転数:250rpmの条件で加熱混練して本発明
のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物の成形性、物性及び有機質充填材(B)の分散性を
同じく表1に示す。
【0036】比較例3 木粉1を木粉2に変更した以外は実施例2と同様にして
行った。結果を同じく表1に示す。
【0037】比較例4 木粉1を木粉4に変更した以外は実施例2と同様にして
行った。結果を同じく表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から、本発明に係る実施例1、
2のポリオレフィン系樹脂組成物は比較例1〜4のポリ
オレフィン系樹脂組成物に比べて成形性、有機質充填材
の分散性に優れており、その結果、機械的性質において
も優れた性質を示した。一方、106μm以上の粒径の
ものを70wt%近く含有するMA木粉2、或いは木粉
2を使用した比較例1、3のポリオレフィン系樹脂組成
物は機械的強度が低くなるばかりか、表面状態が荒れる
等の問題があった。また、粒径が32μm未満のものの
みからなるMA木粉3を使用した比較例2のポリオレフ
ィン系樹脂組成物はMA木粉3の分散性、成形性が悪
く、その結果機械的強度も低くなった。更に、粒径が1
06μm以上のもののみからなる粗大な木粉4を使用し
た比較例4のポリオレフィン系樹脂組成物は押出成形
性、特に表面状態が悪く、またポリオレフィン系樹脂と
木粉との界面に空隙ができているためか機械的強度も極
めて低くなった。
【0040】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、単に有機質充填材として特定の粒度分布のものを使
用するのみでポリオレフィン系樹脂に対する分散性や界
面密着性を改善して成形性が良く、しかも得られる成形
品の機械的強度も向上するので、木材の風合いを有して
いるにもかかわらず安価で高性能な成形品を提供するこ
とが可能となった。ポリオレフィン系樹脂30〜90重
量部および木質系材料70〜10重量部からなる成形用
ポリオレフィン系樹脂組成物であり、該木質系材料の粒
度分布が32μm未満の粒径のものが0〜10wt%で
あり、32以上106μm未満の粒径のものが80〜1
00wt%であり、106μm以上の粒径のものが0〜
10wt%であるので、木質系材料を含有しているにも
かかわらず、押出成形、射出成形に好適に使用され、曲
げ強度等の機械的強度に優れ、かつ木材の風合いを有す
る成形材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:16 B29K 105:16 201:00 201:00 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AA15 AA66 AC40 FB06 4F201 AA03 AA04 AA11 AB11 AB19 AB28 AH39 AH47 AH48 AH51 BA01 BC01 BC02 BC03 BC12 BC37 BD04 BD05 BK01 BK02 BK13 BK27 BK74 4J002 AH00X BB03W BB12W BB17W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂(A)30〜90重
    量部と、木質系材料(B1)及び多塩基酸無水物(C)
    でエステル化されたエステル化木質系材料(B2)から
    選ばれる有機質充填材(B)70〜10重量部からなる
    成形用ポリオレフィン系樹脂組成物であって、当該有機
    質充填材(B)が粒径32μm未満の含有率0〜10w
    t%、粒径32以上106μm未満の含有率80〜10
    0wt%、粒径106μm以上の含有率0〜10wt%
    の粒度分布であることを特徴とする成形用ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】多塩基酸無水物(C)でエステル化された
    エステル化木質系材料(B2)のエステル化により導入
    された多塩基酸無水物(C)の割合が0.5〜20wt
    %であることを特徴とする請求項1記載の成形用ポリオ
    レフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂(A)30〜90重
    量部と、木質系材料(B1)及び多塩基酸無水物(C)
    でエステル化されたエステル化木質系材料(B2)から
    選ばれる粒径32μm未満の含有率0〜10wt%、粒
    径32以上106μm未満の含有率80〜100wt
    %、粒径106μm以上の含有率0〜10wt%の粒度
    分布の有機質充填材(B)70〜10重量部とを150
    〜200℃で30秒〜30分間加熱混練することを特徴
    とする成形用ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン系樹脂(A)、木質系材料
    (B1)、及び木質系材料(B1)100重量部に対し
    て多塩基酸無水物(C)0.5〜20重量部を加熱混練
    することを特徴とする請求項3記載の成形用ポリオレフ
    ィン系樹脂組成物の製造方法。
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