JP2002348386A - ポリマ材料の製造方法及びポリマ膜の製造方法 - Google Patents
ポリマ材料の製造方法及びポリマ膜の製造方法Info
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Abstract
及びポリマ膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 フォトブリーチング用ポリマ材料を有機
溶媒に溶かしてポリマ溶液とし、ポリマ溶液に紫外線を
照射することにより、ポリマ溶液の屈折率が紫外線の照
射量に比例して略直線状に低下する。しかもその屈折率
の変化の勾配は緩く、かつ変化量は極めて広くとること
でできる。すなわち、紫外線の照射量を変えることで屈
折率を容易に制御することができる。
Description
方法及びポリマ膜の製造方法に関する。
クス、プラスチック等の表面保護用、光反射防止用、光
通信用フィルタ膜等に用いられるようになってきた。こ
の種の材料として、PMMA(ポリメタクリル酸メチ
ル)系、ポリスチレン系、エポキシ系、ポリイミド系、
シリコーン系、ポリシラン系等の材料が検討されてい
る。これらの材料には温度変化に対して、屈折率や熱膨
張係数等の特性が変化しにくい特性を有することが望ま
れている。このため、上記ポリマ材料の中でもポリイミ
ド系、エポキシ系、ポリシラン系の材料が注目され、こ
れらの材料の改良が行われている。
として検討した例(特開平6−222234号公報)、
アモルファスポリシランを用いた例(特開平1−287
916号公報)、直鎖型又は分岐型のポリシランを用い
た例(特開平8−267728号公報)等が挙げられ
る。
よって変えることのできる、フォトブリーチング用ポリ
マ材料が本発明者らによって検討されている。
た材料にはまだ次のような課題がある。
折率を大幅に変えることが困難である。
異なる層を多層状に形成するような場合には、一種類の
ポリマ材料を用いて実現することが困難であり、異なる
材料か、あるいは組成の異なる材料で構成しなければな
らなかった。そのため、多層膜に歪みが発生したり、マ
イクロクラックが発生したりしていた。
の物で構成すると、各層間の界面の濡れ性が悪くなり、
界面が不均一になる。
は、紫外線の照射により屈折率が大きく低下するが、屈
折率が紫外線照射量に対して急激に変化し、かつ、不連
続に変化するため、屈折率を精密に制御することが困難
である。
し、屈折率の制御が容易なポリマ材料の製造方法及びポ
リマ膜の製造方法を提供することにある。
に本発明のポリマ材料の製造方法は、フォトブリーチン
グ用ポリマ材料を有機溶媒に溶かしてポリマ溶液とし、
ポリマ溶液に紫外線を照射し、その照射量を変えること
で屈折率を制御するものである。
方法は、ポリマ溶液中に光酸発生剤を添加した後で紫外
線を照射し、その照射量を変えることで屈折率を制御し
てもよい。
方法は、フォトブリーチング用ポリマ材料として、ニト
ロンを含むシリコーン化合物、ポリシラン化合物、ポリ
シラン化合物にシリコーン化合物、あるいはシリコーン
化合物と光酸発生剤とを添加した化合物等を用いるのが
好ましい。
リーチング用ポリマ材料を有機溶媒に溶かしてポリマ溶
液とし、ポリマ溶液に紫外線を照射し、その照射量を変
えることで屈折率を制御した後で、ポリマ溶液を加熱硬
化させるものである。
法は、加熱硬化時の温度を変えることでポリマ膜の屈折
率を制御してもよい。
法は、ポリマ溶液中に光酸発生剤を添加した後で紫外線
を照射し、その照射量を変えることで屈折率を制御して
もよい。
法は、ポリマ溶液の加熱硬化後、さらに紫外線を照射
し、その照射量を変えることでポリマ膜の屈折率を制御
してもよい。
法は、フォトブリーチング用ポリマ材料として、ニトロ
ンを含むシリコーン化合物、ポリシラン化合物、ポリシ
ラン化合物にシリコーン化合物、あるいはシリコーン化
合物と光酸発生剤とを添加した化合物等を用いるのが好
ましい。
法は、加熱硬化後のポリマ膜の上に紫外線カット層を形
成するのが好ましい。
チング用ポリマ材料の溶液に所望のエネルギーの紫外線
を照射した後にその溶液を加熱して得られたポリマ材料
の屈折率が紫外線の照射量に比例して略直線状に低下さ
せることができ、しかも、その屈折率の変化の勾配は緩
く、かつ変化量は極めて広く大きくとることができるこ
とを本発明者が見出した。本発明により、同一のフォト
ブリーチング用ポリマ材料の溶液を用い、その溶液への
紫外線照射エネルギーを変えるだけで、例えば、それぞ
れ屈折率の精密に制御された膜を多層状に形成すること
ができる。しかも各層間の界面を均一にぬれ性良く塗布
して形成することができる。また、同一材料を用いて多
層膜を形成するので、多層膜への歪みの発生やマイクロ
クラックの発生を抑えることもできる。
マ材料及びポリマ膜に紫外線をさらに照射することによ
り屈折率をさらに低下させることができる。
ばトリアジン系材料を添加しておけば、より低い紫外線
照射エネルギーで屈折率を変えることができる。
際の加熱硬化温度を、例えば、ポリシラン材料の場合に
は120℃から350℃の範囲で変えることにより屈折
率を制御することができる。
チング用ポリマ材料は、多種類のものに適用することが
できる。例えば、ニトロンを含んだシリコーン化合物、
ポリシラン化合物、ポリシラン化合物にシリコーン化合
物、あるいはシリコーン化合物と光酸発生剤を添加した
化合物等を用いることができる。
マ膜の表面に紫外線カット層を形成することにより、屋
内外において長期的に使用しても紫外線の光によって屈
折率の変化を抑えることができ、種々の用途に適用する
ことができる。
図面に基づいて詳述する。
ポリマ膜の製造方法を示す工程図である。
ポリマ溶液を作製し(ステップS1)、フォトブリーチ
ング用ポリマ溶液に紫外線を照射することにより(照射
時間t、照射パワーP)ポリマ材料が得られる。屈折率
の制御は紫外線の照射量を変えることで実現できる(ス
テップS2)。
ポリマ溶液を基板(例えばSi基板)上に塗布(スピン
コーティング法あるいは押し出しコーティング法)(ス
テップS3)し、80℃から150℃の温度範囲でプリ
ベークし(ステップS4)、150℃から300℃の温
度範囲でポストベークすることによりポリマ膜が得られ
る(ステップS5)。尚、このポリマ膜にさらに紫外線
を照射することで屈折率を制御してもよく、ポリマ膜の
上に紫外線カット層を形成してもよい。
共に、具体的な数値を挙げて説明するが本発明はこれに
限定されるものではない。
によって得られたポリマ膜の一実施の形態を示す紫外線
照射に対する屈折率の変化を示す特性図であり、横軸が
ポリマ溶液状態での紫外線照射時間軸であり、縦軸が屈
折率軸である。実線L1は波長633nmで屈折率を測
定したときの特性曲線であり、破線L2は波長1550
nmで屈折率を測定したときの特性曲線である。
8)にニトロン化合物(重量部10.2)を20wt%
添加したポリマを有機溶媒のペグミア(重量部49.
2)に溶かし、粘度55mm2/sのフォトブリーチン
グ用ポリマ溶液とし、このポリマ溶液に紫外線(150
W水銀キセノンランプからの光を直径20mmのイメー
ジファイババンドル内を伝搬させて出力させた光を約1
0cm離して照射した光、出力約120mW/cm2)
を所望時間照射した後、このポリマ溶液をSi基板上に
塗布し、80℃、15分のプリベークの後に、150
℃、15分のポストベークを行って得られたポリマ膜
(膜厚約8μm)の屈折率を評価したものである。
の照射時間に比例して直線的に低下し、かつその低下勾
配も低いことから、屈折率の制御をポリマ溶液への紫外
線照射時間を制御することで極めて高精度に制御できる
ことが分かる。
ング膜の紫外線照射に対する屈折率の変化を示す特性図
であり、横軸が紫外線照射時間軸であり、縦軸が屈折率
軸である。実線L7は波長633nmで測定した屈折率
の特性曲線であり、破線L8は波長1550nmで測定
した屈折率の特性曲線である。
8)にニトロン化合物(重量部10.2)を20wt%
添加したポリマを有機溶媒のペグミア(重量部49.
2)に溶かし、粘度55mm2/sのフォトブリーチン
グ用ポリマ溶液とし、このポリマ溶液をSi基板上に塗
布し、80℃、15分のプリベークの後に、150℃、
15分のポストベークを行って得られたポリマ膜(膜厚
約8μm)に実施例1と同様の紫外線を所望時間照射し
た後、屈折率を評価したものである。
わち照射エネルギーの増加と共に屈折率が大幅に、かつ
不連続に低下することが分かる。
を40wt%添加したポリマ膜の紫外線照射時間に対す
る屈折率の変化を示す特性図であり、横軸が紫外線照射
時間軸であり、縦軸が屈折率軸である。実線L9は波長
633nmで測定した屈折率の特性曲線であり、破線L
10は波長1550nmで測定した屈折率の特性曲線で
ある。
程、少ない照射エネルギーで屈折率が急激に低下するこ
とが分かる。
ずかな照射エネルギーで大幅に変化すると、所望の屈折
率を制御することが難しい。
びポリマ膜の屈折率の制御性が従来の製造方法によるポ
リマ溶液やポリマ膜より優れていることが明らかであ
る。
によって得られたポリマ膜の他の実施の形態を示す紫外
線照射に対する屈折率の変化を示す特性図であり、横軸
がポリマ溶液状態での紫外線照射時間軸であり、縦軸が
屈折率軸である。実線L3は波長633nmで測定した
屈折率の特性曲線であり、破線L4は波長1550nm
で測定した屈折率の特性曲線である。
ルシラン化合物にシリコーン化合物を50%添加したポ
リマを有機溶媒トルエンに溶かしたフォトブリーチング
用ポリマ溶液を作製する。ついで上記ポリマ溶液に紫外
線を照射する。ここで、紫外線の照射時間(あるいは照
射パワー)を所望の値にする。その後に紫外線の照射さ
れたフォトブリーチング用ポリマ溶液を基板(例えばS
i基板)上に塗布する(塗布方法はスピンコーティング
法、押し出しコーティング法等)。ついで前記したのと
同様のプリベーク及びポストベークを行い、基板上にポ
リマ膜を形成する。このポリマ膜の屈折率を評価した結
果が図3に示されている。
線の照射時間に比例して直線的に低下し、かつ、その低
下勾配も低いことから、屈折率の制御をポリマ溶液への
紫外線照射時間で極めて高精度に制御できることが分か
る。
時間に対する屈折率の変化を示す特性図であり、横軸が
紫外線照射時間軸であり、縦軸が屈折率軸である。実線
L11は波長633nmで測定した屈折率の特性曲線で
あり、破線L12は波長1550nmで測定した屈折率
の特性曲線である。
ルシラン化合物にシリコーン化合物を50%添加したポ
リマを有機溶媒トルエンに溶かしたフォトブリーチング
用ポリマ溶液を作製する。このポリマ溶液をSi基板上
に塗布した後、150℃、20分のプリベークの後に、
250℃、20分のポストベークを行って得られたポリ
マ膜(膜厚約9μm)に紫外線(150W水銀キセノン
ランプからの光を直径20mmのイメージファイババン
ドル内を伝搬させて出力させた光を約10cm離して照
射、その出力は約1200mW/cm2)を所望時間照
射した後、屈折率を評価したのが図7である。
折率が急激に、かつ、不連続に低下していることが分か
る。このような特性であると、所望の屈折率を精度よく
得ることが難しい。
リマ材料及びポリマ膜の屈折率の制御性が従来の製造方
法によるポリマ溶液やポリマ膜より優れていることが明
らかである。
によって得られたポリマ膜の他の実施の形態を示す紫外
線照射に対する屈折率の変化を示す特性図であり、横軸
がポリマ溶液状態での紫外線照射時間軸であり、縦軸が
屈折率軸である。実線L5は波長633nmで測定した
屈折率の特性曲線であり、破線L6は波長1550nm
で測定した屈折率の特性曲線である。
ルシラン化合物にシリコーン化合物を50%とパラメト
キシスチルトリアジン(融点192℃、最大吸収波長3
77nm)を5%添加したポリマを有機溶媒トルエンに
溶かしたフォトブリーチング用ポリマ溶液を作製する。
ついでそのポリマ溶液に紫外線を照射する。ここで紫外
線の照射時間(あるいは照射パワー)を所望の値にす
る。その後に上記紫外線の照射されたフォトブリーチン
グ用ポリマ溶液を基板(例えばSi基板)上に塗布する
(塗布方法はスピンコーティング法、押し出しコーティ
ング法等)。ついで前記したと同様のプリベーク及びポ
ストベークを行い、基板上にポリマ膜を形成する。そし
てこのポリマ膜の屈折率を評価した結果が図4に示され
ている。
の照射時間に比例して直線的に低下し、かつその低下勾
配も低いことから、屈折率をポリマ溶液への紫外線の照
射時間で極めて高精度に制御できることが分かる。
時間に対する屈折率の変化を示す特性図であり、横軸が
紫外線照射時間軸であり、縦軸が屈折率軸である。実線
L13は波長633nmで測定した屈折率の特性曲線で
あり、破線L14は波長1550nmで測定した屈折率
の特性曲線である。
ルシラン化合物にシリコーン化合物を50%とパラメト
キシスチルトリアジン(融点192℃、最大吸収波長3
77nm)を5%添加したポリマを有機溶媒トルエンに
溶かしたフォトブリーチング用ポリマ溶液をSi基板上
に塗布後、150℃、20分のプリベークの後に、25
0℃、20分のポストベークを行って得られたポリマ膜
(膜厚約9μm)に紫外線(150W水銀キセノンラン
プからの光を直径20mmのイメージファイババンドル
内を伝搬させて出力させた光を約10cm離して照射、
出力約1200W/cm2)を所望時間照射後、屈折率
を評価した結果が図8である。
に曲線状に、かつ急激に低下しており、屈折率を精度良
く制御することが難しいことが分かる。
リマ材料及びポリマ膜の屈折率の制御性が従来の製造方
法によるポリマ溶液やポリマ膜より優れていることが明
らかである。
くと、粘度を高めることができる。また、溶液への紫外
線照射は、膜や板状、あるいはブロック状のポリマに紫
外線を照射する場合に比して、均一に照射され、屈折率
も一様に低下するが、膜や板状、あるいはブロック状の
ポリマに紫外線を照射する場合には厚さ方向に屈折率の
分布を有したり、屈折率のむらを生じたりする。
状のポリマを形成する際の加熱硬化温度を変えることに
より、屈折率を調節することができる。例えば、図3及
び図4のポリシラン膜の場合において、加熱硬化温度が
250℃よりも高くなると、屈折率は図3及び図4の屈
折率よりも低くなる。また、図2、図3、図4に示した
特性図を作成するのに用いたポリマ膜に紫外線を別途照
射すれば、図5、図6、図7に示した特性図を作成する
のに用いたポリマ膜のようにさらに屈折率を低下させる
ことができる。
安定な値に保持するためには、ポリマ膜や板、ブロック
のそれぞれの表面に紫外線カット層を形成しておけばよ
い。本発明は上記実施例に限定されない。すなわち、種
々のフォトブリーチング用ポリマ材料に適用することが
できる。また、ポリシラン化合物、シリコーン化合物、
トリアジン系化合物、光酸発生剤等も種々のものを適用
することができる。例えば、ポリシラン化合物には分岐
度が2%以上の分岐状ポリシラン化合物が光透明度の点
から好ましい。光酸発生剤にはトリアジン系が好まし
く、その中でも長波長での光透明度の高いもの、融点の
高いものが好ましい。
数5〜12の炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系及びエ
ーテル系等が挙げられる。炭化水素の例としては、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、n−デカ
ン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
トキシベンゼン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素系
の例としては、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジ
クロロエタン、ジクロロメタン、クロロベンゼン等が挙
げられる。エーテル系の例としては、ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、テトラハイドロフラン等が挙げ
られる。フォトブリーチング用ポリマ材料としては、ニ
トロン化合物を含んだシリコーン化合物用の有機溶媒、
すなわちペグミアが挙げられる。
記有機溶媒に溶ける材料でなければならない。本発明の
製造方法に用いられるポリシラン化合物としては、直鎖
型よりは分岐型の方が好ましい。分岐型と直鎖型とはポ
リシラン中に含まれるSi原子の結合状態によって区別
される。すなわち、分岐型ポリシランとは、隣接するS
i原子と結合している数(結合数)が、3または4であ
るSi原子を含むポリシランである。これに対して、直
鎖型のポリシランは、Si原子の、隣接するSi原子と
の結合数は2である。通常、Si原子以外に、炭化水素
基、アルコキシ基または水素原子と結合している。この
ような炭化水素基としては、炭素数1〜10のハロゲン
で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、炭素数6〜
14の芳香族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基
の具体例として、メチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、トリフルオロプロピ
ル基、ノナフルオロヘキシル基等の鎖状のもの、及びシ
クロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等の脂環式の
もの等が挙げられる。また、芳香族炭化水素基の具体例
としては、フェニル基、p−トリル基、ビフェニル基及
びアントラシル基等が挙げられる。アルコキシ基として
は、炭素数1〜8のものが挙げられる。具体例として
は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、オクチル
オキシ基等が挙げられる。合成の容易さを考慮すると、
これらの中でメチル基及びフェニル基が特に好ましい。
i原子との結合数が3または4であるSi原子は分岐型
ポリシラン中の全体のSi原子数の2%以上であること
が好ましい。2%未満のものや直鎖型のポリシランは結
晶性が高く、膜中で微結晶が生成しやすいことにより、
光散乱の原因となり、光透明性が低下するので好ましく
ない。
化シラン化合物をナトリウムのようなアルカリ金属の存
在下、n−デカンやトルエンのような有機溶媒中におい
て80℃以上に加熱することによる重縮合反応によって
製造することができる。また電解重合法や、金属マグネ
シウムと金属塩化物とを用いた方法でも合成可能であ
る。
リハロシラン化合物、テトラハロシラン化合物、及びジ
オルガノジハロシラン化合物からなり、オルガノトリハ
ロシラン化合物及びテトラハロシラン化合物が全体量の
2モル%以上であるハロシラン混合物を加熱して重縮合
することにより、目的とする分岐型ポリシランが得られ
る。
は、隣接するSi原子との結合数が3であるSi原子源
となり、一方のテトラハロシラン化合物は、隣接するS
i原子との結合数が4であるSi原子源となる。尚、ネ
ットワーク構造の確認は、紫外線吸収スペクトルや珪素
の核磁気共鳴スペクトルの測定によって確認することが
できる。
ノトリハロシラン化合物、テトラハロシラン化合物、及
びジオルガノジハロシラン化合物がそれぞれ有するハロ
ゲン原子は、塩素原子であることが好ましい。オルガノ
トリハロシラン化合物及びジオルガノハロシラン化合物
が有するハロゲン原子以外の置換基としては、上記炭化
水素基、アルコキシ基または水素原子が挙げられる。
コーン化合物としては、化1式で表されるものが用いら
れる。
数1〜10のハロゲンまたはグリシジルオキシ基で置換
されていてもよい脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の
芳香族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基からな
る群より選択される基であり、同一でも異なっていても
よい。また、a、b、c及びdは0を含む整数であり、
数1式を満たすものである。
体例として、メチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基、トリフルオロプロピル
基、グリシジルオキシプロピル基等の循環式のものが挙
げられる。また、アルコキシル基の具体例としては、メ
トキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、オクチルオキシ
基、ter−ブトキシ基等が挙げられる。上記R1から
R12の種類及びa、b、c、dの値は特に重要ではな
く、ポリシラン及び有機溶媒と相溶し、膜が透明なもの
であれば特に限定されない。相溶性を考慮したい場合に
は、使用するポリシランが有する炭化水素基と同じ基を
有していることが好ましい。例えば、ポリシランとし
て、フェニルメチル系のものを使用する場合には、同じ
フェニルメチル系又はジフェニル系のシリコーン化合物
を用いるのが好ましい。また、R1からR12のうち、
少なくとも二つが炭素数1〜8のアルコキシ系であるよ
うな、1分子中にアルコキシキ基を二つ以上有するシリ
コーン化合物は、架橋剤として利用可能である。そのよ
うなものとしてはアルコキシ基を15から35重量%含
んだメチルフェニルメトキシシリコーンやフェニルメト
キシシリコーン等を挙げることができる。分子量として
は10000以下がよく、特に3000以下のものが好
ましい。
低減するために、ポリシラン化合物やシリコーン化合物
に重水素化、あるいは一部又は全てがハロゲン化、特に
フッ素化したものを用いれば、上記吸収基による光損失
を大幅に低減することができる。これにより、波長依存
性の少ない低損失のポリマ材料及びそれを用いたポリマ
膜を実現することが可能となり、光学用材料及び部品と
して幅広く用いることができる。また、シリコーン化合
物に架橋性、あるいはアルコキシ基からなるものを用い
ることにより分岐型ポリシラン化合物の中に均一に添加
することができ、しかもトルエンのような有機溶媒中に
容易に可溶してナノメータレベルの超微粒子状溶液とな
り、上記ポリマ溶液を用いることにより、光散乱中心の
無い、均一な構造体や膜を形成することができる。
材料の溶液に所望のエネルギーの紫外線を照射した後に
その溶液を加熱して得られたポリマ材料の屈折率が紫外
線の照射量に比例して略直線的に低下させることができ
る。
折率の制御は紫外線照射量で容易に行うことができる。
また、その変化量は大きくとることができるので、所望
の屈折率を広い範囲から選択することができる。その屈
折率は比屈折率差で数%程度変えることができる。
材の溶液を用い、その溶液への紫外線照射エネルギーを
変えるだけで、例えば、それぞれ屈折率の精密に制御さ
れた膜を多層状に形成することができる。しかも同一材
料のため、各層間の界面を均一にぬれ性良く塗布して形
成することができる。また、同一材料を用いて多層膜を
形成するので、上記多層膜への歪の発生やマイクロクラ
ックの発生を抑えることができる。
外線をさらに照射すれば、屈折率をさらに低下させるこ
とができる。
トリアジン系材料を添加しておけば、より低い紫外線照
射エネルギーで屈折率を変えることができる。
の加熱硬化温度を、例えば、ポリシラン材料の場合には
120℃から350℃の範囲で変えることにより屈折率
を制御することができる。
マ材料としては、多くの種類のものに適用できる。例え
ば、ニトロンを含んだシリコーン化合物、ポリシラン化
合物、ポリシラン化合物にシリコーン化合物、あるいは
シリコーン化合物と光酸発生剤を添加した化合物等を用
いることができる。
マ材料及びそれを用いたポリマ膜の表面に紫外線カット
層を形成しておけば、屋内外において長期的に使用して
も紫外線の光によって屈折率の変化を抑えることがで
き、種々の用途に適用することができる。
により、ポリマ溶液の粘度を高めることができ、またそ
れを用いて作製したポリマ膜やポリマ板、ブロック等の
屈折率を均一にすることができる。
な優れた効果を発揮する。
法及びポリマ膜の製造方法の提供を実現することができ
る。
製造方法を示す工程図である。
膜の一実施の形態を示す紫外線照射に対する屈折率の変
化を示す特性図である。
膜の他の実施の形態を示す紫外線照射に対する屈折率の
変化を示す特性図である。
膜の他の実施の形態を示す紫外線照射に対する屈折率の
変化を示す特性図である。
する屈折率の変化を示す特性図である。
%添加したポリマ膜の紫外線照射時間に対する屈折率の
変化を示す特性図である。
化を示す特性図であり、横軸が紫外線照射時間軸であ
る。
化を示す特性図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 フォトブリーチング用ポリマ材料を有機
溶媒に溶かしてポリマ溶液とし、該ポリマ溶液に紫外線
を照射し、その照射量を変えることで屈折率を制御する
ことを特徴とするポリマ材料の製造方法。 - 【請求項2】 上記ポリマ溶液中に光酸発生剤を添加し
た後で上記紫外線を照射し、その照射量を変えることで
屈折率を制御する請求項1に記載のポリマ材料の製造方
法。 - 【請求項3】 上記フォトブリーチング用ポリマ材料と
して、ニトロンを含むシリコーン化合物、ポリシラン化
合物、ポリシラン化合物にシリコーン化合物、あるいは
シリコーン化合物と光酸発生剤とを添加した化合物等を
用いる請求項1又は2に記載のポリマ材料の製造方法。 - 【請求項4】 フォトブリーチング用ポリマ材料を有機
溶媒に溶かしてポリマ溶液とし、該ポリマ溶液に紫外線
を照射し、その照射量を変えることで屈折率を制御した
後で、該ポリマ溶液を加熱硬化させることを特徴とする
ポリマ膜の製造方法。 - 【請求項5】 上記加熱硬化時の温度を変えることでポ
リマ膜の屈折率を制御する請求項4に記載のポリマ膜の
製造方法。 - 【請求項6】 上記ポリマ溶液中に光酸発生剤を添加し
た後で上記紫外線を照射し、その照射量を変えることで
屈折率を制御する請求項4又は5に記載のポリマ膜の製
造方法。 - 【請求項7】 上記ポリマ溶液の加熱硬化後、さらに紫
外線を照射し、その照射量を変えることでポリマ膜の屈
折率を制御する請求項4から6のいずれかに記載のポリ
マ膜の製造方法。 - 【請求項8】 上記フォトブリーチング用ポリマ材料と
して、ニトロンを含むシリコーン化合物、ポリシラン化
合物、ポリシラン化合物にシリコーン化合物、あるいは
シリコーン化合物と光酸発生剤とを添加した化合物等を
用いる請求項4から7のいずれかに記載のポリマ膜の製
造方法。 - 【請求項9】 上記加熱硬化後のポリマ膜の上に紫外線
カット層を形成する請求項4から8のいずれかに記載の
ポリマ膜の製造方法。
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