JP2002348308A - 磁性体内包樹脂粒子の製造方法及び磁性体内包樹脂粒子 - Google Patents

磁性体内包樹脂粒子の製造方法及び磁性体内包樹脂粒子

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JP2002348308A
JP2002348308A JP2001155373A JP2001155373A JP2002348308A JP 2002348308 A JP2002348308 A JP 2002348308A JP 2001155373 A JP2001155373 A JP 2001155373A JP 2001155373 A JP2001155373 A JP 2001155373A JP 2002348308 A JP2002348308 A JP 2002348308A
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magnetic material
resin particles
polymerization
monomer
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Haruma Kawaguchi
春馬 川口
Wataru Wakui
渉 涌井
Tsukasa Hatakeyama
士 畠山
Norishige Shichiri
徳重 七里
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な磁性を有し、分散安定性に優れ、粒径
分布の狭い磁性体内包樹脂粒子、及び、疎水性モノマー
と親水性モノマーとを共重合して樹脂粒子を形成する反
応と、樹脂粒子中に金属イオンを取り込ませながら金属
イオンを変性して磁性体を形成する反応を同時に行うこ
とによって、均一な磁性を有し、かつ、粒径分布の狭い
磁性体内包樹脂粒子を得ることができる磁性体内包樹脂
粒子の製造方法を提供する。 【解決手段】 疎水性モノマーと親水性モノマーとを共
重合してなる樹脂粒子に磁性体を包含している磁性体内
包樹脂粒子であって、疎水性モノマーを主成分としてな
るコア状部分と、親水性モノマーを主成分としてなるシ
ェル状部分とからなり、磁性体は主として前記コア状部
分に包含されている構造を有する磁性体内包樹脂粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂中に磁性体を
含有する磁性体内包樹脂粒子及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性体内包樹脂粒子の製造方法と
しては、(1)作製済みの高分子微粒子に鉄イオンを取
り込ませて磁性体を作製する方法、(2)モノマーから
粒子を重合する過程で作製済みの磁性体微粒子を取り込
ませる方法が知られている。またこの他、(3)別々に
作製した高分子微粒子と磁性体微粒子とを、ハイブリダ
イザー等を用いて複合化させる方法がある。
【0003】(1)の方法には、鉄イオンを高分子微粒
子に吸収させるため表面に磁性体が露出し、磁性体が酸
化するという課題があった。また(2)の方法には磁性
体微粒子が均一に粒子に取り込まれないという課題があ
る。(3)の方法には高分子微粒子が凝集するため粒径
の小さな微粒子には使用できないという課題がある。
【0004】ドラッグデリバリーのためのキャリア作製
時に試行された方法には、(4)溶解高分子と鉄イオン
から磁性体生成と粒子化を同時に行う方法と、(5)溶
解高分子と作製済みの磁性体微粒子から集合により磁性
体内包樹脂粒子化する方法とがある。(4)及び(5)
の方法には、粒径の制御が困難で、粒径分布の広いもの
となるという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑み、均一な磁性を有し、分散安定性に優れ、粒径分布
の狭い磁性体内包樹脂粒子及び磁性体内包樹脂粒子の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、疎水性モノマ
ーと親水性モノマーとを共重合してなる樹脂粒子に磁性
体を包含している磁性体内包樹脂粒子であって、疎水性
モノマーを主成分としてなるコア状部分と、親水性モノ
マーを主成分としてなるシェル状部分とからなり、磁性
体は主として前記コア状部分に包含されている構造を有
する磁性体内包樹脂粒子である。以下に本発明を詳述す
る。
【0007】本発明の磁性体内包樹脂粒子は、疎水性モ
ノマーと親水性モノマーとを共重合してなる樹脂粒子に
磁性体を包含しているものである。
【0008】本発明で用いられる疎水性モノマーとして
は特に限定されず、例えば、スチレン、αーメチルスチ
レン、p−メチルスチレン、pークロロスチレン、クロ
ロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)
アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等
が挙げられる。
【0009】本発明では、上記疎水性モノマーのなかで
もグリシジル基を有するモノマーが好適に用いられる。
グリシジル基を有するモノマーを用いることにより、コ
ア重合中に高濃度に金属イオンを取り込むことができ
る。グリシジル基を有するモノマーとしては、鉄イオン
及びマグネタイトとの親和性が高い点から、グリシジル
メタクリレート(GMA)が好ましい。これらの疎水性
モノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。
【0010】上記疎水性のモノマーとしては架橋性モノ
マーを使用することもできる。上記架橋性モノマーとし
ては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニ
ル、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)ア
クリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリ
アリルイソシアヌレート及びその誘導体等が挙げられ
る。なかでも、エチレングリコールジメタアクリレート
は鉄イオン及びマグネタイトとの親和性が高いため好適
に使用される。これらの架橋性モノマーは、単独で用い
られてもよく、2種以上が併用されてもよい。本発明で
は、上記疎水性モノマーを用いることにより、金属イオ
ンとの親和性を持ちつつ樹脂粒子を形成することができ
る。
【0011】上記親水性モノマーとしては特に限定され
ず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
フマル酸、マレイン酸等の重合性不飽和結合を有するカ
ルボン酸;重合性不飽和結合を有するリン酸エステル、
重合性不飽和結合を有するスルホン酸エステル;ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート4級塩、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート4級塩等のアクリロイル基を有す
るアミンの塩;ビニルピリジン等のビニル基を有する含
窒素化合物の塩等のカチオン基を有するビニル系モノマ
ー;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アミド、メチロールアクリルアミド、グリセロールメタ
クリレート(GLM)等の非イオン性ビニル系モノマー
が挙げられる。なかでも、アクリルアミドは水中で高分
子微粒子を安定に分散する能力が高く、磁性体の生成を
妨げないので好適に用いられる。また、GMAのグリシ
ジル基のエポキシ部分を開環したグリセロールメタクリ
レート(GLM)も高分子微粒子を水中で安定に分散す
る能力が高く、鉄イオン及びマグネタイトとの親和性が
高いため好適に用いられる。これらの親水性モノマー
は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されても
よい。本発明では、上記親水性モノマーを用いることに
より、水中で安定に分散した状態で樹脂粒子を形成する
ことができる。
【0012】本発明の磁性体内包樹脂粒子は、疎水性モ
ノマーを主成分としてなるコア状部分と、親水性モノマ
ーを主成分としてなるシェル状部分とからなり、磁性体
は主としてコア状部分に包含されている構造を有するも
のである。
【0013】本発明の磁性体内包樹脂粒子を製造する方
法としては特に限定されないが、例えば、水系溶媒中に
おいて、共重合により樹脂粒子を形成する反応と、樹脂
粒子中に金属イオンを取り込ませながら金属イオンを変
性して磁性体を形成する反応とを同時に進行させる方法
が好適に用いられる。このような磁性体内包樹脂粒子の
製造方法や、得られる磁性体内包樹脂粒子、この磁性体
内包樹脂粒子が水系溶媒中に分散している分散液もま
た、本発明の1つである。
【0014】本発明で用いられる金属イオンとしては特
に限定されないが、例えば、鉄イオン、コバルトイオ
ン、ニッケルイオン、マンガンイオン、亜鉛イオン等が
好適に用いられる。上記金属イオンは磁性体の前駆体と
して用いられる。上記金属イオンを変性してなる磁性体
としては特に限定されないが、鉄イオンを変性してなる
マグネタイト、又は、鉄イオン及びマンガンイオンを変
性してなるフェライトが好ましい。マグネタイトは塩化
第2鉄を酸化剤等で酸化して得られる。
【0015】本発明の磁性体内包樹脂粒子の製造方法
は、水系溶媒中において行われる。上記水系溶媒として
は特に限定されず、例えば、蒸留水等が挙げられる。上
記水性溶媒は、塩基性であることが好ましい。水性溶媒
が塩基性でないと、例えば、金属イオンとして鉄イオン
を用いる場合、鉄イオンが磁性体であるマグネタイト
(Fe34)やマグヘマイト(Fe23)に変化しな
い。水性溶媒を塩基性とするためには、水性溶媒中に塩
基を添加すればよい。上記塩基としては特に限定されな
いが、例えば、NH4OHが好適に用いられる。
【0016】本発明の磁性体内包樹脂粒子の製造方法
は、水系溶媒中において、疎水性モノマーと親水性モノ
マーとの共重合により樹脂粒子を形成する反応と、樹脂
粒子中に金属イオンを取り込ませながら、金属イオンを
変性して磁性体を形成する反応を同時に進行させるもの
である。このため、本発明の磁性体内包樹脂粒子は、疎
水性モノマーを主成分としてなるコアと、親水性モノマ
ーを主成分としてなるシェルとからなり、磁性体は主と
して上記コアに包含されている構造を有する。
【0017】本発明の磁性体内包樹脂粒子の製造方法
は、共重合による樹脂粒子形成と磁性体形成とを同時進
行させることにより、磁性体を粒子内に均一に内包する
微粒子を製造する。重合開始剤により、疎水性モノマー
と親水性モノマーとの共重合を開始するとともに2価の
鉄イオンの酸化(マグネタイト化)を行うことにより磁
性体内包樹脂粒子を作製する。
【0018】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、水溶性の有機アゾ化合物、無機過酸化物、有機
過酸化物等が挙げられる。上記の各種重合開始剤のなか
でも、例えば、過硫酸カリウム(KPS;重合温度70
℃)、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩(V−50;重
合温度70℃)、(VA−044;重合温度60℃)が
好適に用いられる。このうち過酸化物系重合開始剤であ
るKPSは、重合開始とともに2価の鉄イオンの酸化に
寄与することを期待して、疎水性モノマー及び親水性モ
ノマーの重合と、鉄イオンによるマグネタイト形成との
同時進行を想定している。V−50及びVA−044は
酸化力が弱く、2価の鉄イオンの緩やかな酸化反応に関
与する重合開始剤となる。
【0019】上記重合開始剤としてKPSを用いた系で
は、水中での分散安定性がよく、粒径分布の狭い単分散
粒子が得られるという利点があるが、酸化力の制御がで
きず、重合系内が酸性になるために磁石への引き寄せら
れ方の弱い粒子になるという不利な点もある。一方、酸
化力を持たないVA−044を用いた系では、重合系内
のpHがほぼ中性であるという利点がある。
【0020】本発明の磁性体内包樹脂粒子の製造方法に
は、懸濁重合、分散重合、乳化重合、ソープフリー乳化
重合等の微粒子重合法が使用できるが、得られる磁性体
内包樹脂粒子のCv値は5%以下であることが好ましい
ので、なかでもソープフリー乳化重合が好適に用いられ
る。
【0021】溶媒として水を用いる場合の乳化重合で
は、水に不溶である疎水性モノマーを界面活性剤(乳化
剤)を用いて乳化させ、水に可溶な重合開始剤を添加し
て重合を行う。まず、重合系内には疎水性モノマー油滴
と乳化剤とによるミセルが共存しているが、水相(溶媒
中)に発生したラジカルが可溶化し、乳化剤のミセルの
中に入って重合が始まる。そして、疎水性モノマー油滴
から拡散し始めた疎水性モノマーが供給されることで重
合が進行し、粒子が成長する。重合の停止は第二のラジ
カルが入ることによって起こり、更にラジカルが入ると
再び重合が開始する。これを繰り返して高分子微粒子が
得られる。
【0022】しかしながら、乳化重合によって得られる
高分子微粒子を使用する場合、粒子内部に混入している
乳化剤が用途によっては害をもたらすことがあるので、
粒子内部から乳化剤を取り除かなければならない。そこ
で、近年ではこの乳化剤を用いないソープフリー乳化重
合が頻繁に行われるようになった。これは、溶媒に難溶
な疎水性モノマーと溶媒に可溶な重合開始剤を用いるも
のである。重合系内に存在する疎水性モノマーが油滴か
ら溶媒に微量ずつ溶け込み、溶け込んでいる重合開始剤
によって重合が始まり、ミセルを形成する。そのミセル
内に少しずつ疎水性モノマーが入り込むことにより高分
子微粒子が成長する。このような重合法は、乳化剤は用
いないけれども乳化重合のような反応機構を持つのでソ
ープフリー乳化重合と呼ばれている。
【0023】以下に、疎水性モノマーと親水性モノマー
とからなるモノマー組成物をソープフリー乳化重合する
ことによる磁性体内包樹脂粒子の製造方法を例示する
が、本発明はこの方法に限定されるものではない。上記
モノマー組成物としては、親水性モノマー、架橋性モノ
マー以外の疎水性モノマー及び架橋性モノマーからなる
組成物が好適に用いられる。
【0024】四つ口フラスコに上記モノマー組成物3g
及び水100gを秤取る。フラスコのそれぞれの口には
攪拌棒、還流冷却管を取り付ける。重合開始剤としてK
PSとV−50とを用いた系では四つ口フラスコを70
℃の恒温槽に入れ、VA−044を用いた系では50℃
又は60℃の恒温槽に入れ、いずれの場合においても攪
拌しながら系内を窒素置換する。その後、水に溶かした
重合開始剤を注射筒で系内に注入する。このときを重合
開始時とし、所定時間後に注射筒を用いて磁性源となる
FeCl2・4H2Oの水溶液を注入する。FeCl2
4H2Oは重合開始剤の1/3〜4倍モルを水5gに溶
かして使用する。
【0025】重合は開始から2〜24時間行うことが好
ましい。適度な酸化力を得るために、重合途中又は重合
終了後にNH4OHを加える。この様にして磁性体を内
包した磁性体内包樹脂粒子を得る。作製した磁性体内包
樹脂粒子は、残存モノマー、残存重合開始剤、未反応の
鉄イオンを取り除くために遠心分離・蒸留水への再分散
を繰り返し行い精製する。遠心分離を行った後、上澄み
をデカンテーションにより捨て、蒸留水を加え、ガラス
棒により再分散を行う。精製後、ガラス製バイアルに移
し、ふたやパラフィルムで密閉・保存する。
【0026】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0027】(実施例1)KPSを用いた粒子の作製 1.1 磁性体内包樹脂粒子の基となる高分子微粒子
(AG粒子)の作製 まず始めに、磁性体内包樹脂粒子の基となる高分子微粒
子のみの作製を試みた。ここでは、モノマーの比率や重
合系内の水の量を変化させることによって、粒径や分散
性にどのような変化を生じるかを調べた。
【0028】モノマーとしては疎水性モノマーとしてグ
リシジルメタクリレート(GMA)を、また親水性モノ
マーとしてアクリルアミド(AAm)を、更に架橋性モ
ノマーとしてエチレングリコールジメタアクリレート
(EGDM)を使用した。この組成より得られる微粒子
を以下AG粒子と呼ぶ。
【0029】モノマーと水との比率を、AAm/GMA
/EGDM/H2O=0.15/2.835/0.01
5/90+10(g)とし、200mLの四つ口フラス
コに上記モノマー及び水を秤量した。それぞれの口には
攪拌シールと攪拌棒、還流冷却管、セラムラバーを取り
付けた。系を70℃の恒温槽に入れ、200rpmで攪
拌しながら系内を30分間窒素置換した。その後、重合
開始剤であるKPS0.06gを10gの水に溶解し注
射筒で系内に注入した。このときを重合開始時とし、所
定時間後に注射筒を用いてFeCl2・4H2O水溶液を
注入した。FeCl2・4H2Oは0.176gを水5g
に溶かして加えた。重合は重合開始から20時間行っ
た。適度な酸化力を得るために、重合途中にNH4OH
を加えた。
【0030】作製した粒子は、蒸留水を用いて遠心分離
・再分散を4回繰り返し行い精製した。この際、遠心分
離は20℃、13500rpmで行った。遠心分離を行
った後、上澄みをデカンテーションにより捨て、蒸留水
を加え、ガラス棒により再分散を行って磁性体内包樹脂
粒子を得た。
【0031】更に、モノマー3gのうちAAmの比率を
表1に示すように変えて粒子の作製を行った。重合開始
剤を加えてから20時間後の重合終了時の様子は、目視
による四つ口フラスコ内の観察とTEM写真による粒子
の融着具合の様子とのどちらにおいても、5%(0.1
5g)のものと比較して3%(0.09g)や10%
(0.30g)の方が激しく凝集していた。また、3%
と10%とでは、凝集物の量やTEM写真による粒子の
融着具合の様子に違いはみられなかった。
【0032】次に、凝集物量の少なかったAAmが5%
の重合系で、表1に示すように水の量を変化させて粒子
の作製を行った。徐々に水の量を増やしていった結果、
重合系内の水が120gで単粒子分散の粒子が得られ
た。このことから、GMA−AAm系のソープフリー乳
化重合では安定な微粒子分散系は得られにくいが、重合
系内の水の量を増やすことで、水中で分散安定した粒子
を得ることができた。表1に示した転化率からもわかる
ように、水の量が多くなるにしたがって転化率が大きな
値になっている。これは、重合系内で水が少ないときは
重合の場が小さいために粒子が成長できず、粒子の成長
が頭打ちになっているためと考えられる。以上の結果か
ら、モノマー3gのうちAAm0.15g/GMA2.
835g/EGDM0.015gを基本処方とした。
【0033】
【表1】
【0034】1.2 磁性体内包樹脂粒子の作製 1.1のGMA+AAm系のソープフリー乳化重合では
重合系内の水の量を増やし、系内のモノマーの割合を小
さくしなければ水中で分散安定性の高い粒子は得られな
かった。しかしながら、重合期間中の適当な時期に塩化
鉄を添加すると凝集は抑えられ、分散液は安定な状態を
保つことができた。よって以下、鉄を加える系では、
1.1における実験では凝集物が見られたAAm0.1
5g/水100gの系で試験を行った。
【0035】1.2.1 AG粒子の経時転化率曲線 塩化鉄を加えるタイミングを検討するために、AAmの
比率が5%で重合系の水の量が100gであるAG粒子
の転化率曲線の作成を行った。この転化率曲線より、重
合開始剤を加えてから1分後には転化率が60%を越え
ているので重合の進行がとても速い系であることがわか
った。約10分で転化率が頭打ちになっているので、重
合による粒子の作製とマグネタイトの形成とを同時に行
うために、塩化鉄を加えるタイミングは、粒子が形成及
び成長していると考えられる重合開始から10分以内が
適当であることがわかった。
【0036】1.2.2 塩化鉄を加えるタイミングの
検討 AG粒子の経時転化率曲線を参考にして、実際に重合開
始剤を添加してから塩化鉄を加えるタイミングを変えて
粒子(FeAG粒子)の作製を試みた。重合開始剤を添
加して1.5分後にFeCl2・4H2Oを注入したとき
の粒子のでき方や粒径を表2に示したとおり1分刻みで
検討した。組成は次の系を用いて70℃で20時間重合
した。 AAm/GMA/EGDM/KPS/FeCl2・4H2
O/H2O=0.15/2.835/0.015/0.
06/0.176/90+10+5(g)
【0037】
【表2】
【0038】この系では、重合開始剤を添加した後の2
〜3分の間で塩化鉄を加えたとき、水中で安定に分散し
た粒子を作製できた。1分後に塩化鉄を加えたものでは
まだ粒子が形成されていない状態で塩化鉄を加えたた
め、開裂していない重合開始剤と2価の鉄イオンとによ
るredox反応(S28 2+Fe2+→SO4 2+Fe3+
+SO4・)が瞬時におこり、ラジカルが瞬時で消費さ
れて重合開始剤効率が低下し、重合が進まなかったもの
と考えられる。
【0039】4、5分後に塩化鉄を加えたものは、どち
らも添加後すぐに凝集した。AG粒子の経時転化率曲線
から、重合開始剤添加後4、5分の転化率は約80%で
あり、粒子はほぼ形成されていると考えられる。この状
態で塩化鉄を加えることは、重合開始剤の影響で表面に
負の電荷をもった粒子に正のイオンである鉄イオンを加
えたことになり、電荷が打ち消しあって粒子の分散性は
悪化し、凝集塊を生じたものと思われる。
【0040】水中で分散安定性の高い粒子のできた2分
と3分では、表2に示したとおり、重合終了時のGMA
の転化率は2分のほうが3分よりも高い。よって、塩化
鉄を加えるタイミングは、重合開始後2分が適切である
ことがわかった。
【0041】1.2・3 加える塩化鉄の量を変化させ
た粒子の作製 磁石へより強く引き寄せられるよう磁性体量を増加させ
るため、加える鉄イオンの量を増やしたときにどのくら
いまで粒子に鉄を含ませることができるかを調べた。結
果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】0.06gのKPSに対して等モルのFe
Cl2・4H2Oは0.044gである。結果はKPSに
対して4倍モルの0.176gまでは分散した粒子が得
られるが、5倍モルの0.22gになると凝集した。こ
れは重合系内の塩化鉄の濃度が大きくなるにつれて、系
内の過剰な鉄が酸化鉄の粒を形成して粒子表面に付着
し、疎水性相互作用によって粒同士が集まり、凝集した
ものと思われる。
【0044】KPSに対して4倍モル(0.176g)
の塩化鉄を加えた粒子のTEMの写真から粒子に鉄の結
晶と思われる針状の影が観察された。この結晶が粒子内
部にあるのか外部にあるのかを検討するためにSEMに
よる撮影を試みた。SEM観察では表面に磁性体は見ら
れなかった。SEM試料作製のひとつの行程であるイオ
ン蒸着中に鉄が溶けるとは考えられないので、この鉄の
結晶は粒子の表面に付着しているのではなく、粒子の内
部に含まれていると考えられた。粒子が完成したときに
はシード重合によりGMAでコーティングするので多少
粒子の外部についていてもかまわないが、表面のきれい
な粒子ができれば、コーティングするGMA量を減らす
ことができ、マグネタイトの漏れ出すことを防ぐことが
できる。
【0045】重合開始剤添加後2分で塩化鉄を加えるこ
とで、水中での分散安定性の悪かったAG粒子は安定に
分散するようになった。また、光散乱による水中粒径の
測定、TEMやSEM写真による粒径測定及び観察から
粒径分布のとても狭い粒子が得られた。
【0046】1.2.4 アンモニア水によるpH調整 重合系のpHを塩基で調整することにより磁性体内包樹
脂粒子を得た。Fe2+はKPSとredox反応を起こ
してマグネタイトの構成イオンであるFe3+をつくる
が、更にKPSによる酸化で鉄イオンが磁性を持たない
Fe23になっていくので、酸化を停止するため、適当
なタイミングでNH4OHを加えることでマグネタイト
を作製した。マグネタイト量は1.2.5にある様にマ
イクロチューブ中の粒子の移動速度で判断した。
【0047】重合終了時である重合開始剤添加の20時
間後にNH4OHを加えたが、磁性が弱く、磁石への引
き寄せられ方が弱い。そこで、この系での転化率曲線を
作製し、転化率が頭打ちになって成長反応が終わったと
きにNH4OHを加えるタイミングを検討した。
【0048】この系での転化率を調べたところ、2時間
で飽和していることがわかった。この時点で粒子の成長
は終わっていると考えられ、NH4OHを加えてマグネ
タイトを形成しても粒子の成長に影響はない。したがっ
て、重合開始2時間後にNH4OHを加えてマグネタイ
トを粒子内に生成し、磁性体内包樹脂粒子を得た。
【0049】1.2.5 磁石への引き寄せられ方の確
認 作製した磁性体内包樹脂粒子は、磁石へ引き寄せられる
ことの確認として1.5mLのマイクロチューブに試料
を少量取り、蒸留水で適当に希釈して磁石つきマイクロ
チューブ立て(DYNAL社製、MPC(登録商標)
M)にチューブを立てて、分散している粒子が磁石に引
き寄せられる速さを目視により確認した。
【0050】(実施例2)低温での粒子の作製 磁性体内包樹脂粒子を作製するにあたって、実施例1で
は重合温度を70℃に設定した。しかしながら、70℃
の高温で重合を行った場合、熱によって加えた塩化鉄が
磁性を持たないFe23になる率が高い。そこで低温
(30℃)において重合が可能であるので、30℃にて
重合を行った。組成は次のとおりである。 AAm/GMA/EGDM/KPS/FeCl2・4H2
O/H2O=0.15/2.835/0.015/0.
06/X/90+10+5(g)
【0051】始めは、塩化鉄の量XはKPSと等モルの
0.044gとして、これを重合開始剤の添加2分後に
加えたが、重合の進行とともに明らかに無視できない凝
集が起こった。よって以後、塩化鉄は重合開始剤を注入
する直前に重合系内に注入しておくことで粒子を作製し
た。また、この系でより多くの磁性体を包含させること
が可能であるかどうかを調べるために、0.088g
(KPSの2倍モル)の塩化鉄を加えたものとの比較を
行った。結果を表4に示した。前者は粒径分布の狭い粒
子が得られ、レーザー光散乱による水中粒径を測定する
ことができた。一方、後者は凝集を生じ、レーザー光散
乱による粒径測定はできなかった。粒径は今まで作製し
てきた粒子の中では粒径がもっとも小さく、粒径分布の
狭いものが得られた。重合開始2時間後にNH4OHを
加えてマグネタイトを粒子内に生成し、磁性体内包樹脂
粒子を得た。
【0052】
【表4】
【0053】(実施例3)V−50を重合開始剤に用い
た粒子の作製 実施例1及び2では2価の鉄イオンを酸化させてマグネ
タイトを形成しながら、重合を進めて粒子を作製する目
的でKPSを重合開始剤に使った。しかし、マグネタイ
トはpHが6より低い状態では形成できないので、中性
付近のpHを持ち、酸化力の弱いV−50での重合を試
みた。
【0054】KPSを用いる重合に比べ、V−50を用
いる重合はフラスコ内の観察から重合速度は遅かった。
よって、鉄を加えるタイミングを少しずらし、重合開始
時の青みが消える重合開始剤をうった5分後に鉄を注入
した。組成は次に示すとおりである。 AAm/GMA/EGDM/V−50/FeCl2・4
2O/H2O=0.15/2.835/0.015/
0.06/0.44/90+10+5(g)
【0055】重合開始2時間後、及び、重合終了時であ
る20時間後にNH4OHを加えたが、どちらも磁石に
引き寄せられた。
【0056】(実施例4)VA−044を用いた粒子の
作製 KPS、V−50と比べて低い温度での重合が可能で、
pHが中性付近であるVA−044を重合開始剤に用い
て、磁性体内包樹脂粒子の作製を試みた。
【0057】4.1 磁性体内包樹脂粒子の基となる粒
子(AG粒子)の作製 モノマーには、粒子の水中での分散安定性をよくし、マ
グネタイトとの親和性を高めることからアクリルアミド
(AAm)とグリシジルメタクリレート(GMA)を用
いた。また、アゾ系の重合開始剤として熱による鉄のF
23化を最小限にするために、開裂する温度が低く、
水中での10時間半減が44℃であるVA−044を用
いた。
【0058】表5に各試料の組成を示した。結果はどの
系も水中での分散安定性はあまりよくなかった。この中
では試料4が一番凝集の程度が小さかったので、この系
を改良して用いた。
【0059】
【表5】
【0060】重合開始剤としてVA−044を用いた場
合は酸化力が弱く、重合系内は中性なので、KPSを用
いていたときのようにGMAのエポキシ基は開裂しな
い。したがって、分散安定性は悪い。また、開裂した−
OH基によるマグネタイトとの親和性も見込めない。そ
こで、AAm、GMA、EGDMの3つのモノマーに加
えて、GMAのエポキシ基を開裂させた構造をもつGL
Mを用いて、いままでのAG粒子よりも更に分散安定性
のよい粒子(AGG粒子)の作製を表5に示した試料4
をもとに試みた。
【0061】GLMは親水性のモノマーで、親水性ポリ
マーの原料として用いられている。構造はGMAに似て
いるが、水に難溶であるGMAに対してGLMは親水性
であること等性質は異なっているので、表5のAG粒子
のGMAと置き換えて作製を試みたが粒子は形成しなか
った。そこで、AAmの一部をGLMに置き換えた次の
系で粒子(AGG粒子)の作製を試みた。 AAm/GLM/GMA/EGDM/VA−044/H
2O=0.10/0.05/2.835/0.015/
0.06/100+10(g) この粒子は、表5の試料4と比べてTEM観察によって
も凝集物が少なかった。また、GLMの部分に−OH基
が存在するので、より多くのマグネタイトを包含させら
れることが期待できる。よって、以下このAGG粒子を
もとに磁性体内包樹脂粒子を作製した。
【0062】4.2 AGG粒子を用いた磁性体内包樹
脂粒子の作製 KPSを用いての磁性体内包樹脂粒子を作製したときの
ようにAGG粒子の重合開始2分後に塩化鉄を添加する
と激しく凝集が起こった。このため、塩化鉄の溶液は重
合に差し支えのないように所定量の塩化鉄を50gの水
に溶かして重合開始2時間後に加えた。
【0063】VA−044を用いた重合系は、ほぼ中性
であるために塩化鉄を加えると重合系は酸性になる。ま
た、重合温度が低いために塩化鉄の水溶液を加えただけ
では、鉄イオンはマグネタイト(Fe34)やマグヘマ
イト(Fe23)にならず、遠心分離を行うと上澄みに
鉄イオンの状態で溶け込んでおり、粒子とは分離してし
まった。そこで、塩化鉄の水溶液を加えてから弱塩基性
であるアンモニア水(NH4OH)を加えてpHを調整
して磁性体の形成を試みた。
【0064】温度は60℃で2時間重合した後に0.1
2gの塩化鉄を50gの蒸留水に溶かして加えた。その
直後に表6に示した量のNH4OHを蒸留水50gに溶
かして加えた。この粒子を磁石に近づけたところ、試料
1、2、3は磁石に引き寄せられた。試料4はNH4
Hの量が少なかったため、重合系内のpHがあまり変わ
らず、マグネタイトは形成しなかったものと思われる。
NH4OHの量は、加える塩化鉄の量を増やしても充分
であるように以後の実験ではNH4OH 0.65g/
2O 50gとした。
【0065】
【表6】
【0066】(実施例5)塩化鉄(III)を用いた磁性
体内包樹脂粒子の作製 マグネタイトを形成するときに2価の鉄イオンのみでな
く3価の鉄イオンを1:1のモル比で作製すると短時間
での形成が可能であるという知見から、今までの2価の
鉄イオンのみでの作製をもとに3価の鉄イオンを混ぜた
系での作製を行った。加えた塩化鉄の量は表7に示した
量で、高分子微粒子の組成は、AAm/GLM/GMA
/EGDM/VA−044/H2O=0.10/0.0
5/2.835/0.015/0.06/100+10
(g)とした。
【0067】温度は60℃で2時間重合した後に塩化鉄
を50gの蒸留水に溶かして加えた。その直後に0.6
5gのNH4OHを蒸留水50gに溶かして加えてマグ
ネタイトを形成した。
【0068】
【表7】
【0069】得られた磁性体内包樹脂粒子の磁性を確認
したところ、試料1、2ともに磁石へは引き寄せられ
た。
【0070】(実施例6)モノマーの後添加による表面
改質 AGG粒子に塩化鉄を加えた状態では、マグネタイトは
粒子の中心部ではなく、外周に近い部分に存在する。そ
こで、マグネタイトの遺漏を防ぎ、粒子の安定性を向上
させるために塩化鉄を加えた直後にGMAを後添加し
た。シード重合を行い、分散安定性を向上させること
と、マグネタイトを包括させることとを試みた。粒子の
組成は次のとおりで、AAm/GLM/GMA/EGD
M/VA−044/H2O=0.10/0.05/2.
835/0.015/0.06/100+10(g)で
あった。
【0071】温度60℃で2時間重合した後に表7の試
料1と同じ量の塩化鉄を50gの蒸留水に溶かして加え
た。その直後にGMAを0.3g後添加し、更に2時間
重合を行った。そして、0.65gのNH4OHを蒸留
水50gに溶かして加えてマグネタイトを形成した。す
べての粒子の粒径がそろったシード重合により被覆した
粒子を得た。
【0072】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるので、疎
水性モノマーと親水性モノマーとを共重合して樹脂粒子
を形成する反応と、樹脂粒子中に金属イオンを取り込ま
せながら金属イオンを変性して磁性体を形成する反応を
同時に行うことによって、均一な磁性を有し、かつ、粒
径分布の狭い磁性体内包樹脂粒子を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 七里 徳重 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 永井 康彦 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J011 PA03 PA04 PB40 PC02 PC03 PC06 4J026 AA17 AA25 AA45 AC35 BA25 BA28 BA32 DB04 FA07 GA08 5E040 AB02 BB05 CA01 HB14 HB17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性モノマーと親水性モノマーとを共
    重合してなる樹脂粒子に磁性体を包含している磁性体内
    包樹脂粒子であって、疎水性モノマーを主成分としてな
    るコア状部分と、親水性モノマーを主成分としてなるシ
    ェル状部分とからなり、磁性体は主として前記コア状部
    分に包含されている構造を有することを特徴とする磁性
    体内包樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 疎水性モノマーと親水性モノマーとを共
    重合してなる樹脂粒子に磁性体を包含している磁性体内
    包樹脂粒子の製造方法であって、前記磁性体内包樹脂粒
    子は、疎水性モノマーを主成分としてなるコア状部分
    と、親水性モノマーを主成分としてなるシェル状部分と
    からなり、磁性体は主として前記コア状部分に包含され
    ている構造を有するものであり、水系溶媒中において、
    前記共重合により樹脂粒子を形成する反応と、樹脂粒子
    中に金属イオンを取り込ませながら前記金属イオンを変
    性して磁性体を形成する反応とを同時に進行させること
    を特徴とする磁性体内包樹脂粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 疎水性モノマーは、グリシジル基を有す
    るモノマーであることを特徴とする請求項2記載の磁性
    体内包樹脂粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属イオンは、鉄イオン、コバルトイオ
    ン、ニッケルイオン、マンガンイオン、及び、亜鉛イオ
    ンからなる群より選ばれる少なくとも1種のイオンであ
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の磁性体内包樹
    脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属イオンは、鉄イオンであり、水系溶
    媒は、塩基性であることを特徴とする請求項2、3又は
    4記載の磁性体内包樹脂粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2、3、4又は5記載の磁性体内
    包樹脂粒子の製造方法を用いて得られることを特徴とす
    る磁性体内包樹脂粒子。
  7. 【請求項7】 請求項1又は6記載の磁性体内包樹脂粒
    子が水系溶媒中に分散していることを特徴とする分散
    液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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