JP2002346307A - 傾斜板沈降装置 - Google Patents

傾斜板沈降装置

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JP2002346307A JP2001155227A JP2001155227A JP2002346307A JP 2002346307 A JP2002346307 A JP 2002346307A JP 2001155227 A JP2001155227 A JP 2001155227A JP 2001155227 A JP2001155227 A JP 2001155227A JP 2002346307 A JP2002346307 A JP 2002346307A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜板の4隅を長尺体に固定するための固定
具により、多数の傾斜板を傾斜させるとともに互いに平
行に保持してなる傾斜板沈降装置において、固定具を改
良し、これによって傾斜板沈降装置の製造を容易にす
る。 【解決手段】 長尺体を貫通させるための貫通孔と、傾
斜板への固定面とを持った固定具において、貫通孔の内
面を貫通孔の軸方向に沿って延びる分離面によって2部
分に分離可能とし、分離によって生じた隙間から長尺体
を挿入可能とし、2部分のそれぞれの分離部分に貫通孔
の軸平面に対して傾斜した摺動面を設け、傾斜した摺動
面の接触によって貫通孔の内面を窄め得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、傾斜板沈降装置に関
するものである。とくに、この発明は、特殊な構造の固
定具を用いて傾斜板集合体を作り、これを沈澱槽内に設
置した傾斜板沈降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】傾斜板沈降装置は、水に含まれている不
純物を沈澱させて、水を浄化するのに用いられる。例え
ば、特公昭60−2886号公報には、図1に示すよう
に、沈澱槽A内に傾斜板集合体Bを設置した構造の傾斜
板沈降装置が開示されている。傾斜板集合体Bは、少な
くとも4本の長尺体Cを互いに平行に並べ、各長尺体に
多数の固定具Dを付設し、固定具Dに傾斜板Eの隅を当
接させ、多数の傾斜板Eを斜めに傾けて互いに平行に間
隔をあけて固定して作られている。傾斜板集合体Bは、
傾斜板Eが垂直面に対して傾斜した状態で沈澱槽A内に
置かれる。こうして作られた傾斜板沈降装置では、水が
矢印Xの方向、すなわち傾斜板E、E間を通るようにゆ
るやかに流され、水に含まれている不純物は傾斜板Eの
上面側に沿って下方に沈降し、傾斜板沈降装置の底に沈
澱して除かれる。
【0003】従来の傾斜板集合体Bは、これをさらに詳
しく説明すると、次のようにして作られていた。例え
ば、実開昭56−44807号公報には、図2に示すよ
うな構造の傾斜板沈降装置が開示されている。すなわ
ち、まず長尺体C1、C2、C3、C4に固定具Dを適
当な間隔をおいて多数固定し、次いでこのような長尺体
を4本互いに平行に並べて直方体状の枠を作り、この枠
内に傾斜板Eを斜めに傾斜させて置き、各傾斜板Eの隅
を固定具Dに固定して傾斜板集合体Bとされた。
【0004】この場合の固定具Dは、図3に示すように
長尺体C1又はC2を貫通させるための貫通孔Kと、傾
斜板Eを固定するための固定面Jとを持ったものとして
一体に作られた。その固定面Jは、図3に示したよう
に、傾斜板Eを挟み込む細隙として形成されることが多
かった。図3に示した固定具D1は、貫通孔Kの一方側
に1個の細隙を持つだけであるが、固定具D2は貫通孔
Kの両側に細隙を持つものとされた。また、固定面Jに
は孔があけられ、孔に棒あるいはピンFが通され、棒あ
るいはピンFが傾斜板Eの隅をも貫通することによっ
て、傾斜板Eは固定具D1及びD2(以下この2つの固
定具を総称して固定具Dという)に固定された。
【0005】長尺体Cと固定具Dとは、何れも水に接触
し、あるいは日光に曝されるものであるから、耐蝕性お
よび耐候性の良好な材料で作る必要があった。そのため
に、長尺体も固定具も合成樹脂で作られ、とくに硬質の
塩化ビニル樹脂で作られた。実際には、長尺体Cとして
押出成形によって作られた硬質塩化ビニル樹脂製のパイ
プが用いられた。また、固定具Dとしては、長尺体Cの
外径より僅かに内径の大きい貫通孔Kを持ち、且つ傾斜
板Eを挟むための細隙と傾斜板Eを固定するための孔と
を持った形状に、硬質塩化ビニル樹脂で一体に成形され
た成形品が用いられた。
【0006】このように一体に成形された固定具Dは、
これを長尺体Cに固定するのに、甚だ煩瑣な作業が必要
とされた。なぜならば、固定具Dの貫通孔K内に長尺体
Cの端を挿入し、こうして、多数の固定具Dを長尺体C
の端から1個ずつ嵌めて所定の位置まで移動させること
が必要であり、また固定具Dと長尺体Cの接触面には接
着剤を塗布することが困難であるため、両者の接触部分
を溶接して互いに固定せざるを得なかったからである。
また、一本の長尺体Cに多数の固定具Dを溶接する必要
があり、しかも、長尺体Cに固定具Dをほぼ全周溶接す
る必要があったので、溶接棒を多数の固定具D夫々につ
いて一回転させねばならなかった。また、隣接する固定
具D間の間隔が狭いために、溶接は容易でなかった。さ
らに、加熱して溶接するのだから、溶接部周辺の材質を
劣化させることが避けられなかった。溶接部近傍の材質
が劣化すると、傾斜板沈降装置の沈澱槽内の水流によっ
て傾斜板にたえず波打ちが生じ、ひいては長期にわたる
繰り返し応力が上記溶接部近傍に加わって、亀裂や割れ
が発生し易かった。特に、屋外に設置される傾斜板沈降
装置の場合、水面上に出ている上段の溶接部は直射日
光、風、雨等によって暴露されることになり、いよいよ
強度が低下する。そこで、上段に位置する溶接部近傍
は、沈澱槽内の水流による長期間の繰り返し応力や、ち
ょっとした衝撃などが働いた際に、亀裂や割れが発生し
て損傷することが多かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、固定具D
を長尺体Cに固定するに際し、必要とされる上述のよう
な煩瑣な作業を解消しようとしてなされたものである。
また、溶接による材質の劣化をなくそうとしてなされた
ものである。すなわち、この発明は、固定具Dの構造を
改良して、固定具Dを長尺体Cに容易且つ確実に固定で
きるものにしようとしてなされたものであり、また、材
質の劣化をきたす溶接作業をなくそうとしてなされたも
のである。
【0008】
【課題解決のための手段】この発明者は、従来の固定具
Dに工夫を加え、長尺体Cを貫通させるための貫通孔の
内面を軸方向に沿って延びる分離面によって少なくとも
2部分に分離し、分離によって生じた隙間から長尺体C
を通して、固定具を長尺体Cの回りに固定することとし
た。また、分離した2部分同士を結合させるのに、各分
離部分に貫通孔の水平方向の軸平面に対して傾斜した摺
動面を設けて、一方の部分を軸方向に移動させることに
より、互いに貫通孔の内面を窄め、貫通孔内面を貫通孔
に貫通させた長尺体Cの外周面に近接させることができ
るようにして、長尺体Cの表面に固定具を固定できるよ
うにした。この発明は、このような改良された固定具を
用いることを骨子とするものである。
【0009】この発明は、少なくとも4本の長尺体を互
いに平行に並べ、各長尺体に多数の固定具を付設し、固
定具により4本の長尺体間に延びる多数の板を互いに平
行に固定するとともに、各傾斜板を垂直面に対して傾斜
させて傾斜板集合体を作り、この傾斜板集合体を沈澱槽
内に入れてなる傾斜板沈降装置において、上記固定具に
上記長尺体が貫通するための貫通孔と、上記傾斜板を固
定するための固定面とを設け、固定具を貫通孔の内面を
軸方向に沿って延びる分離面を有する摺動部材と残余の
固定具本体の少なくとも2部分に分離し、分離によって
生じた固定具本体の隙間を上記長尺体が通過できる大き
さとし、摺動部材及び固定具本体の各分離部分に貫通孔
の水平方向の軸平面に対して傾斜した摺動面を設け、摺
動部材または固定具本体の一方を他方に対して上記軸方
向に移動させることにより上記傾斜した摺動面に沿って
移動させ、互いに貫通孔の内面を窄めて、貫通孔内面を
貫通孔に貫通させた長尺体の外周面に近接させるように
なされている固定具を用いることを特徴とする、傾斜板
沈降装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明をその実施の一例につい
て図面に基づき説明すると、次のとおりである。図4
は、この発明に係る傾斜板沈降装置における傾斜板集合
体の一部切欠斜視図である。図5は、図4に示した固定
具の分解斜視図である。図6は、この発明に係る他の傾
斜板沈降装置における傾斜板集合体の一部切欠斜視図で
ある。図7は図6に示した固定具の分解斜視図である。
図8は図7に示した固定具の矢印X方向から見た正面図
である。図9は、この発明に係るさらに他の傾斜板沈降
装置における傾斜板集合体の一部切欠斜視図である。
【0011】図4において、C1及びC2は長尺体であ
って、この長尺体は何れも硬質塩化ビニル樹脂製のパイ
プで構成されている。Eは傾斜板であって、同じく硬質
塩化ビニル樹脂製の板で構成されている。1と2とは硬
質塩化ビニル樹脂製の固定具であって、それぞれ長尺体
C1又はC2を貫通させるための貫通孔11と、傾斜板
Eを固定するための固定面12とを備えている。固定面
12には、孔13があけられている。孔13は、傾斜板
Eを固定面12に当接したあとで、そこにボルトを通し
ナットを嵌めて、傾斜板Eを固定具に固定するためのも
のである。固定具1と2とは、これらの点では従来の固
定具と変りがない。
【0012】固定具1と2とが従来の固定具と異なるの
は、固定具1と2とが分離できる2部分で構成されてい
る、という点である。図5には、図4に示した固定具2
を2部分に分離した状態が拡大して示されている。
【0013】固定具2は、図5に示したように、分離で
きる2部分、摺動部材19と固定具本体18とで構成さ
れている。すなわち、固定具2は、貫通孔11の内面を
軸方向に沿って延びる分離面Hを有する摺動部材19と
残余の固定具本体18とからなる。その分離は、貫通孔
11の内面をほぼ半円筒状に分割する2個の分割面17
と、各分割面17から外方へ向かう2つの側面16とに
よってなされる。分割面17は貫通孔11の水平方向の
軸平面と平行、もしくは軸平面内にあり、側面16は貫
通孔11の垂直方向の軸平面と平行に延びている。従っ
て、摺動部材19は、これを貫通孔の軸方向に移動させ
ることにより、固定具本体18に嵌め合わせることも、
また固定具本体18から取り出すこともできる。摺動部
材19を固定具本体18から取り出すと、固定具本体1
8には隙間Sができるが、この隙間Sは長尺体C2を通
すことができる大きさとされる。そこで、長尺体C2の
端部であろうと中間部であろうと任意の個所を、この隙
間Sの部分から貫通孔11内へ直ちに挿入することがで
きる。
【0014】図5に示した固定具2では、固定具本体1
8の側面16の上方に突縁181が隙間内へ突出する形
で設けられており、突縁181の下面182、すなわち
貫通孔11の内面へ向かう面が、貫通孔11の軸平面に
対して傾斜している。図5では、突縁181の下面18
2が、矢印Q方向へ進むに従って、分割面17からの距
離を小さくするように傾斜している。
【0015】また、図5に示した摺動部材19の側面1
6の上端部には、上方に向かう突起161が付設されて
いる。突起161の上面162は、摺動部材19が固定
具本体18に嵌め合わされたとき、丁度固定具本体18
の下面182と密接する位置に設けられている。しか
も、上面162は、下面182と同じような傾斜を持
ち、矢印Q方向へ進むに従って次第に高さが低くなるよ
うに形成されている。
【0016】そこで、長尺体C2を固定具本体18の隙
間S内に挿入し、長尺体C2の外周面を貫通孔11に当
接させ、次いで、固定具本体18の分割面17と摺動部
材19の分割面17とを対向させながら、摺動部材19
を固定具本体18の隙間S内に軸方向へ嵌め込み、摺動
部材19をさらに矢印Q方向へ進行させると、初めは固
定具本体18の下面182が摺動部材19の上面162
と離れていて、その間に或る程度の間隙があるが、この
間隙は次第に小さくなってゆき、やがて、固定具本体1
8の下面182と摺動部材19の上面162とが接触す
る。そして、なおも摺動部材19を矢印Q方向へ進行さ
せると、摺動部材19の傾斜した上面162は固定具本
体18の傾斜した下面182に沿って移動し、固定具本
体18及び摺動部材19は貫通孔11の内径を窄めてゆ
く。こうして、固定具本体18の隙間S内に挿入されて
いる長尺体C2の外径と摺動部材19の分離面Hとが密
着し、さらに、摺動部材19の上面162と固定具本体
18の下面182とが密着した状態となった時、摺動部
材19はそれ以上Q方向へ進めなくなる。なお、摺動部
材19がQ方向へどこまで進めるかは、長尺体C2外径
の微妙な寸法誤差によってそれぞれ異なる。ともあれこ
うして、固定具本体18、摺動部材19、長尺体C2の
3者を密着させ、一体的に固定することができる。固定
具2は、このような構造にされている。
【0017】固定具2を長尺体C2に固定する際には、
まず固定具2を固定具本体18と摺動部材19の2部分
に分離し、固定具本体18の貫通孔11の内面、摺動部
材19の分離面H、及び長尺体C2の外周面に接着剤を
塗布し、次いで長尺体C2を固定具本体18の隙間S内
に挿入し、長尺体C2の外周面を貫通孔11に当接さ
せ、その後、摺動部材19を上述のようにして固定具本
体18に嵌め合わせ、摺動部材19を矢印Q方向へ進行
させる。すると、摺動部材19の傾斜した上面162が
固定具本体18の傾斜した下面182に誘導されてゆ
き、最終的には、長尺体C2の外径と摺動部材19の分
離面Hとが密着し、さらに、摺動部材19の上面162
と固定具本体18の下面182とが密着する。こうし
て、固定具本体18、摺動部材19、長尺体C2の3者
を密着させ、この状態で接着剤により一体的に強固に固
着することができる。
【0018】図6は、固定具3と4とを使用し、傾斜板
Eを長尺体C1とC2とに固定することにより、傾斜板
集合体が構成される態様を示している。図6において、
固定具3と4とは、それぞれ長尺体を貫通させるための
貫通孔31及び41と、傾斜板Eが固定されるための固
定面32と42とを備えている。また固定具3と4とは
それぞれ2部分、摺動部材39、49及び固定具本体3
8、48とに分離可能とされており、その分離面Hはそ
れぞれ貫通孔31又は41の軸方向に沿って延びてい
る。
【0019】固定具4が摺動部材49と固定具本体48
とに分離された状態が、図7及び図8に拡大して示され
ている。図7のX矢視図が図8である。図7及び図8に
おいて、固定具4の分割面47とこれから延びる側面4
6とによって、2部分、つまり摺動部材49と固定具本
体48とに分離可能とされている。図8には、分割面4
7が貫通孔41の水平方向の軸平面と距離Lを隔てて平
行な一平面内にあり、側面46が貫通孔41の垂直方向
の軸平面と平行に延びている状態が示されている。な
お、図8においては、固定具本体48の貫通孔41の軸
平面から分割面47に至る距離Lの部分が、長尺体C2
を挿通させることができるように長尺体C2の外径より
も大きく設定されている。
【0020】摺動部材49の側面46には窪み45が左
右対称に形成されている。窪み45は垂行部分451と
横行部分452とからなる。垂行部分451は、摺動部
材49の軸方向の一端490に片寄った位置に付設され
ていて、分割面47から側面46に沿い、貫通孔41の
垂直方向の軸平面と平行に延びており、横行部分452
に接続されている。横行部分452は側面46に沿い貫
通孔41の垂直方向の軸平面と平行に延びている。横行
部分452の上面453は先へ行くほど高さが低くなる
ように傾斜しており、摺動部材49の他端491近くで
止まっている。
【0021】固定具本体48の側面46の開口端には、
開口のほぼ中央部に、貫通孔41の垂直方向の軸平面に
向かう突起44が付設されている。突起44は、摺動部
材49の垂行部分451を丁度通過できるだけの突出高
さと突出幅とを持っている。また突起44の上面441
は、横行部分452の上面453の傾斜に等しい傾斜を
持っている。
【0022】固定具本体48と摺動部材49とが上述の
ように作られているから、両部分を次のようにして容易
に嵌め合わせることができる。まず、摺動部材49の側
面46を固定具本体48の側面46に添わせるとともに
窪み45の垂行部分451を突起44に合わせると、突
起44は垂行部分451内に嵌まり込むので、摺動部材
49を固定具本体48内に下方から上方に向かって押し
込む。こうして、突起44が垂行部分451の下端近傍
に達するまで、摺動部材49を固定具本体48内に挿入
する。このとき、摺動部材49の垂行部分451が軸方
向の一端490に片寄った位置に付設されているので、
摺動部材49の一端490と反対がわの他端491が固
定具本体48の端面より突出している。
【0023】その後、摺動部材49の突出している部分
を固定具本体48内へ挿入するように貫通孔41の軸方
向に押すと、突起44が横行部分452へ入る。横行部
分452の上面453は他端491がわへ行くほど下が
り、突起44の上面もまた同じ方向に傾いているので、
摺動部材49をさらに軸方向へ押すと、傾いた面同士が
接触して進み、摺動部材49と固定具本体48とで形成
される貫通孔41は互いに貫通孔41の内面を窄めてゆ
く。すなわち、貫通孔41の内面は貫通孔41に貫通さ
せた長尺体C2の外周面に次第に接近する。こうして、
固定具本体48と摺動部材49と長尺体C2の3者を密
着させ、この状態で一体的に固定することができる。
【0024】固定具4を長尺体C2に固定する際には、
固定具2の場合と同様に、まず固定具4を固定具本体4
8と摺動部材49の2部分に分離し、固定具本体48の
貫通孔41の内面、摺動部材49の分離面H、及び長尺
体C2の外周面に接着剤を塗布し、長尺体C2を固定具
本体48の隙間S内に挿入し、長尺体C2の外周面を貫
通孔41に当接させる。次いで、固定具本体48の突起
44と摺動部材49における窪み45の垂行部分451
とを嵌合させ、摺動部材49を押し上げることによっ
て、摺動部材49を固定具本体48内に挿入する。その
後、摺動部材49を固定具本体48内へ水平方向へ押し
込む。すると、摺動部材49の窪み45に設けられた横
行部分452の傾斜した上面453が固定具本体48の
突起44の傾斜した上面441に誘導されてゆき、摺動
部材49の分離面Hは長尺体C2の外周面に密着する。
こうして、固定具本体48、摺動部材49、長尺体C2
の3者を密着させ、この状態で接着剤により一体的に強
固に固着することができる。
【0025】図6乃至図8に示された固定具4は、図4
と図5とに示された固定具2に比べると、分離された2
つの部分の嵌め合わせの初めの段階で摺動部材49を固
定具本体48内に下方から上方へ向かって押し込むこと
が余分に必要とされる点で異なるだけであって、摺動部
材49を軸方向に移動させて最終的に両部分を嵌め合わ
せる点では同じである。この差異は、固定具2では嵌め
合わせに必要な傾斜した2つの面が、両方ともそれぞれ
2つの部分の端から端まで設けられていて、外側から接
近可能な場所にあるが、固定具4では、傾斜した2つの
面が、共に2つの部分の端から端まで設けられていなく
て、しかも摺動部材49の傾斜した上面453が側面4
6の窪み45内に形成されており、外側から接近させて
固定具本体48内に直接挿入することが出来ない構造と
なっていることに基づいている。
【0026】こうして固定具4を長尺体C2に固定した
のち、固定具4の傾斜板固定面42に傾斜板Eを固定す
る。図6では、傾斜板Eは次のようにして固定具3と4
とに固定される。まず、上部がへの字状に折曲された傾
斜板Eの上端部にカバーGが被せられる。カバーGは、
傾斜板Eの折曲された上部をギリシア文字Π(パイ)の
字状に覆うとともに、その下端の一方が傾斜板Eの傾斜
部分に沿って斜め方向に延びて傾斜板Eを下方から支え
るように、断面が7の字状に形成されている。
【0027】図6及び図7の場合、傾斜板Eを固定する
ための固定具3及び4の固定部は3個の係止片からな
り、3個の係止片が平行に並び、その間に2個の固定用
間隙が形成されている。また、傾斜板Eの折曲された上
端部は、カバーGとともに固定用間隙の1つへ入り、カ
バーGだけが中央の係止片を包囲して反転している。ま
た、カバーGの反転した一片は、傾斜板Eの手前側の面
に沿って垂下するように延びている。この状態で固定具
3の孔33及び固定具4の孔43内へピンが挿入され、
傾斜板Eは固定具3と4とによって固定される。
【0028】図9は、図6に示した固定具3及び4とほ
ぼ同様の構成とされた固定具5及び6が上下逆に取り付
けられている場合を例示している。但し、傾斜板Eを固
定するための固定部は2個の平行な係止片からなってお
り、摺動部材59の上面部分には材料節約の為に凹部が
形成されている。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、固定具として長尺体
が貫通するための貫通孔と、傾斜板が固定されるための
固定面とを備えたものを用い、しかも、貫通孔の内面を
軸方向に沿って延びる分離面によって少なくとも2部分
に分離し、分離によって生じた隙間を長尺体の通過でき
る大きさとしたので、固定具を分離して貫通孔内に長尺
体を挿入することができ、従って長尺体へ固定具を取り
付けることが容易である。また、固定具の2部分の各分
離部分に貫通孔の水平方向の軸平面に対して傾斜した摺
動面を設けたので、2部分の一方を他方に対して軸方向
に移動させることにより上記傾斜した摺動面に沿って移
動させることができ、2部分からなる貫通孔の内面を互
いに窄めて長尺体の外周面に近接させ、固定具を長尺体
に容易に固定することができる。また、取り付けに当た
って、分離された固定具の2部分および長尺体のそれぞ
れの当接面に接着剤を塗布しておき、ただちに固定具の
2部分及び長尺体の3者を密着させ、この状態で接着剤
により一体的に強固に固着することができる。この発明
は、このような効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の傾斜板沈降装置の一部切欠斜視図。
【図2】従来の傾斜板沈降装置における傾斜板集合体の
一部切欠斜視図。
【図3】従来の傾斜板沈降装置における固定具の使用状
態を示した斜視図。
【図4】この発明に係る傾斜板沈降装置における傾斜板
集合体の一部切欠斜視図。
【図5】図4に示した固定具2の分解斜視図。
【図6】この発明に係る傾斜板沈降装置における他の傾
斜板集合体の一部切欠斜視図。
【図7】図6に示した固定具4の分解斜視図。
【図8】図7に示した固定具4の矢印X方向から見た正
面図。
【図9】この発明に係るさらに他の傾斜板沈降装置にお
ける傾斜板集合体の一部切欠斜視図。
【符号の説明】
A 沈澱槽 B 従来の傾斜板集合体 C 長尺体 D 従来の固定具 E 傾斜板 F 棒(あるいはピン) G カバー H 分離面 K 貫通孔 S 隙間 1、2、3、4、5,6 この発明で使用できる固
定具 11、31、41 貫通孔 12、32、42 固定面 13、33、43 孔 16、46 側面 17、47 分割面 18、38、48、58 固定具本体 19、39、49、59 摺動部材 44、161 突起 45 窪み 162 突起161の上面(傾斜
面) 181 突縁 182 突縁181の下面(傾斜
面) 441 突起44の上面(傾斜
面) 451 垂行部分 452 横行部分 453 横行部分452の上面
(傾斜面)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも4本の長尺体を互いに平行に
    並べ、各長尺体に多数の固定具を付設し、固定具により
    4本の長尺体間に延びる多数の板を互いに平行に固定す
    るとともに、各傾斜板を垂直面に対して傾斜させて傾斜
    板集合体を作り、この傾斜板集合体を沈澱槽内に入れて
    なる傾斜板沈降装置において、上記固定具に上記長尺体
    が貫通するための貫通孔と、上記傾斜板を固定するため
    の固定面とを設け、固定具を貫通孔の内面を軸方向に沿
    って延びる分離面を有する摺動部材と残余の固定具本体
    の少なくとも2部分に分離し、分離によって生じた固定
    具本体の隙間を上記長尺体が通過できる大きさとし、摺
    動部材及び固定具本体の各分離部分に貫通孔の水平方向
    の軸平面に対して傾斜した摺動面を設け、摺動部材また
    は固定具本体の一方を他方に対して上記軸方向に移動さ
    せることにより上記傾斜した摺動面に沿って移動させ、
    互いに貫通孔の内面を窄めて、貫通孔内面を貫通孔に貫
    通させた長尺体の外周面に近接させるようになされてい
    る固定具を用いることを特徴とする、傾斜板沈降装置。
  2. 【請求項2】 分離部分の一方では、傾斜した面が、貫
    通孔の水平方向の軸平面と向き合う突出した面となって
    おり、他方の部分では傾斜した面が上記傾斜した面に接
    触する面であることを特徴とする、請求項1に記載の傾
    斜板沈降装置。
  3. 【請求項3】 分離部分の一方では、傾斜した面が、貫
    通孔の水平方向の軸平面と向き合う突出した面となって
    おり、且つ、分離部分の一部にだけ設けられ、他方の部
    分では上記傾斜した面を垂直方向に通過させる窪みを備
    え、且つ、その窪みが垂行部分と横行部分とからなり、
    傾斜した面が横行部分に形成されている請求項1又は2
    に記載の傾斜板沈降装置。
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