JP2002345460A - 修飾触媒及びそれを用いた反応器並びに防汚樹脂組成物 - Google Patents

修飾触媒及びそれを用いた反応器並びに防汚樹脂組成物

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JP2002345460A
JP2002345460A JP2002075218A JP2002075218A JP2002345460A JP 2002345460 A JP2002345460 A JP 2002345460A JP 2002075218 A JP2002075218 A JP 2002075218A JP 2002075218 A JP2002075218 A JP 2002075218A JP 2002345460 A JP2002345460 A JP 2002345460A
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film
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rod
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JP2002075218A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Kinoshita
隆利 木下
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒中であっても、十分な酵素活性を有
し、酵素反応により有用な物質を効率よく安定生産でき
る修飾触媒及びそれを用いた反応器、並びに高い防汚性
を備えた防汚樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 酵素の表面を両親媒性の棒状有機分子で
被覆してなることを特徴とする修飾触媒、及びそれを用
いた反応器並びに防汚樹脂組成物であり、この場合、前
記棒状有機分子が構造性発色を示すことが好ましい。ま
た、らせん状分子が、α−ヘリックス・ポリペプチド、
DNA及びアミロースのいずれかであることがより好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、修飾触媒及びそれ
を用いた反応器並びに防汚樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素の優れた特性が明らかにされ
るにつれて、これを生理活性物質の有機合成及び新規材
料の開発といった先端技術分野で有効に利用したいとい
う要望が高まっている。
【0003】この場合、一般に生態触媒である酵素は、
有機溶媒中では不安定であるが、有機溶媒中での酵素反
応は、水に難溶な基質を高濃度で反応させることができ
るという利点がある。
【0004】このため、従来から、有機溶媒中にて酵素
の活性を維持したまま反応を行う方法について種々提案
されている。例えば、逆ミセル法(ルイシら、J.A
m.Chem,Soc.,第106号、第7285頁、
1984年)、両親媒性高分子ポリエチレングリコール
で化学修飾する方法(特開平5−184374号公報)
などが提案されている。
【0005】また、酵素と脂質との複合体を形成させ、
これを有機溶媒に可溶化する方法が提案されている(特
開昭64−80282号公報)が、合成脂質の調製が困
難であり、得られた脂質複合体の活性も低いという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、有機溶媒中
であっても、十分な酵素活性を有し、酵素反応により有
用な物質を効率よく安定生産できる修飾触媒及びそれを
用いた反応器、並びに高い防汚性を備えた防汚樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。 <1> 触媒の表面を両親媒性の棒状有機分子で被覆し
てなることを特徴とする修飾触媒である。 <2> 触媒が、酵素であり、加水分解酵素、酸化還元
酵素、転移酵素、脱離酵素、異性化酵素及び合成酵素か
ら選ばれる前記<1>に記載の修飾触媒である。 <3> 有機溶媒に可溶であり、該有機溶媒中で触媒活
性を示す前記<1>又は<2>に記載の修飾触媒であ
る。 <4> 棒状有機分子が、らせん状分子である前記<1
>から<3>のいずれかに記載の修飾触媒である。 <5> らせん状分子が、α−ヘリックス・ポリペプチ
ド、DNA及びアミロースのいずれかである前記<4>
に記載の修飾触媒である。 <6> 棒状有機分子の長さが810nm以下である前
記<1>から<5>のいずれかに記載の修飾触媒であ
る。 <7> 修飾触媒が液滴状である前記<1>から<6>
のいずれかに記載の修飾触媒である。 <8> 修飾触媒が膜状である前記<1>から<6>の
いずれかに記載の修飾触媒である。 <9> 構造性発色を示す前記<1>から<8>のいず
れかに記載の修飾触媒である。 <10> 膜による干渉光が、下記数式(1)の条件で
強められ、下記数式(2)の条件で弱められる前記<8
>又は<9>に記載の修飾触媒である。
【数2】 但し、前記数式(1)及び数式(2)において、λは、
干渉光の波長(nm)を示し、αは、膜への光の入射角
(度)を示し、tは、膜の厚み(nm)を示し、lは、
膜の積層数を示し、nは、膜の屈折率を示し、mは、1
以上の整数を示す。 <11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の
修飾触媒と、該修触酵素を収容する有機溶媒が満たされ
た反応容器とを備えたことを特徴とする反応器である。 <12> 修飾触媒が、該触媒本来の触媒作用と逆の反
応を示す前記<11>に記載の反応器である。 <13> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の
修飾触媒と、塗料樹脂とを含むことを特徴とする防汚樹
脂組成物である。
【0008】本発明によれば、従来に比べて簡単な方法
で、大量かつ安価に安全性の高い修飾触媒(特に修飾酵
素)を得ることができる。また、本発明の修飾酵素は、
従来のものに比べて有機溶媒中で高い酵素活性を有する
ものである。
【0009】また、本発明の反応器によれば、有機合
成、新規機能性材料の開発用途などに有効に活用するこ
とができるものである。
【0010】更に、本発明の修飾触媒を含む防汚樹脂組
成物によれば、有機溶媒中であっても十分な触媒活性を
備えているので優れた防汚性を長期間に亘って持続する
ことができるものである。
【0011】本発明の修飾触媒は、膜状に形成した棒状
体がモルフォ蝶翅の鱗粉の発色基本原理である多層薄膜
干渉理論に基づく構造性発色を示すので、顕著なマーカ
ー機能を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明の修飾触媒は、触媒の表面を両親媒性
の棒状有機分子で被覆してなるものである。この場合、
図2,3に示すように、触媒100の周囲にミセル状に
棒状有機分子10が結合したものであっても、図4に示
すように、触媒100の周囲に膜状に棒状有機分子が結
合したものであっても構わない。
【0013】<棒状有機分子>前記棒状有機分子として
は、例えば、生体高分子、多糖類などが挙げられる。前
記生体高分子としては、例えば、繊維状蛋白、α−ヘリ
ックス・ポリペプチド、核酸(DNA、RNA)などが
好適に挙げられる。該繊維状蛋白としては、例えば、α
−ケラチン、ミオシン、エピダーミン、フィブリノゲ
ン、トロポマイシン、絹フィブロイン等のα−ヘリック
ス構造を有するものが挙げられる。前記多糖類として
は、例えば、アミロースなどが好適に挙げられる。
【0014】前記棒状有機物の中でも、安定に棒状を維
持することができ、また、目的に応じて内部に他の物質
をインターカレートさせることができる点で、分子がら
せん構造を有するらせん状有機分子が好ましく、該らせ
ん状有機分子には、上述したものの内、α−ヘリックス
・ポリペプチド、DNA、アミロースなどが該当する。
【0015】〔α−ヘリックス・ポリペプチド〕前記α
−ヘリックス・ポリペプチドは、ポリペプチドの二次構
造の一つであり、アミノ酸3.6残基ごとに1回転(1
らせんを形成)し、4番目ごとのアミノ酸のイミド基
(−NH−)とカルボニル基(−CO−)との間に螺旋
軸とほぼ平行な水素結合を作り、7アミノ酸を一単位と
して繰り返すことによりエネルギー的に安定な構造を有
している。
【0016】前記α−ヘリックス・ポリペプチドのらせ
ん方向としては、特に制限はなく、右巻きであってもよ
いし、左巻きであってもよい。なお、天然には安定性の
点から前記らせん方向が右巻きのものしか存在しない。
【0017】前記α−ヘリックス・ポリペプチドを形成
するアミノ酸としては、α−ヘリックス構造を形成可能
であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、該α−ヘリックス構造を形成し易いもの
が好ましく、このようなアミノ酸としては、例えば、ア
スパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、ア
ルギニン(Arg)、リジン(Lys)、ヒスチジン
(His)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(G
ln)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、ア
ラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Le
u)、イソロイシン(Ile)、システイン(Cy
s)、メチオニン(Met)、チロシン(Tyr)、フ
ェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)
などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用さ
れてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0018】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの親性
としては、前記アミノ酸を適宜選択することにより、親
水性、疎水性、両親媒性のいずれにも変え得るが、前記
親水性とする場合、前記アミノ酸としては、セリン(S
er)、スレオニン(Thr)、アスパラギン酸(As
p)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Ar
g)、リジン(Lys)、アスパラギン(Asn)、グ
ルタミン(Gln)などが好適に挙げられ、前記疎水性
とする場合、前記アミノ酸としては、フェニルアラニン
(Phe)、トリプトファン(Trp)、イソロイシン
(Ile)、チロシン(Tyr)、メチオニン(Me
t)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)などが挙
げられる。
【0019】また、前記α−ヘリックス・ポリペプチド
においては、該α−ヘリックスを形成する前記アミノ酸
における、ペプチド結合を構成しないカルボキシル基
を、エステル化することにより疎水性にすることがで
き、一方、該エステル化されたカルボキシル基を加水分
解することにより親水性にすることができる。
【0020】前記アミノ酸としては、L−アミノ酸、D
−アミノ酸、これらの側鎖部分が修飾された誘導体など
のいずれであってもよい。
【0021】前記α−ヘリックス・ポリペプチドにおけ
るアミノ酸の結合個数(重合度)としては、特に制限は
なく目的に応じて適宜選択することができるが、10〜
5000であるのが好ましい。前記結合個数(重合度)
が、10未満であると、ポリアミノ酸が安定なα−ヘリ
ックスを形成できなくなることがあり、5000を超え
ると、垂直配向させることが困難となることがある。
【0022】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの具体
例としては、例えば、ポリ(γ−メチル−L−グルタメ
ート)、ポリ(γ−エチル−L−グルタメート)、ポリ
(γ−ベンジル−L−グルタメート)、ポリ(L−グル
タミン酸−γ−ベンジル)、ポリ(n−ヘキシル−L−
グルタメート)等のポリグルタミン酸誘導体、ポリ(β
−ベンジル−L−アスパルテート)等のポリアスパラギ
ン酸誘導体、ポリ(L−ロイシン)、ポリ(L−アラニ
ン)、ポリ(L−メチオニン)、ポリ(L−フェニルア
ラニン)、ポリ(L−リジン)−ポリ(γ−メチル−L
−グルタメート)などのポリペプチド、が好適に挙げら
れる。
【0023】前記α−ヘリックス・ポリペプチドとして
は、市販のものであってもよいし、公知文献等に記載の
方法に準じて適宜合成乃至調製したものであってもよ
い。
【0024】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの合成
の一例として、ブロックコポリペプチド〔ポリ(L−リ
ジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタメート)
60〕PLLZ25−PMLG60の合成をここで示す
と次の通りである。即ち、ブロックコポリペプチド〔ポ
リ(L−リジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタ
メート)60〕PLLZ25−PMLG60は、下記式
で示したように、n−ヘキシルアミンを開始剤として用
い、Nε−カルボベンゾキシ L−リジン Nα−カル
ボキシ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行い、続け
てγ−メチル L−グルタメート N−カルボキシ酸無
水物(MLG−NCA)の重合を行うことにより合成す
ることができる。
【0025】
【化1】
【0026】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの合成
は、上記方法に限られず、遺伝子工学的方法により合成
することもできる。具体的には、前記目的とするポリペ
プチドをコードするDNAを組み込んだ発現ベクターに
より宿主細胞を形質転換し、この形質転換体を培養する
こと等により製造することができる。前記発現ベクター
としては、例えば、プラスミドベクター、ファージベク
ター、プラスミドとファージとのキメラベクター、など
が挙げられる。前記宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌
等の原核微生物、酵母菌等の真核微生物、動物細胞など
が挙げられる。
【0027】また、前記α−ヘリックス・ポリペプチド
は、α−ケラチン、ミオシン、エピダーミン、フィブリ
ノゲン、トロポマイシン、絹フィブロイン等の天然の繊
維状蛋白からそのα−ヘリックス構造部分を切り出すこ
とにより調製してもよい。
【0028】〔DNA〕前記DNAは、1本鎖DNAで
あってもよいが、安定に棒状を維持することができ、内
部に他の物質をインターカレートできる等の点で2本鎖
DNAであるのが好ましい。前記2本鎖DNAは、一つ
の中心軸の回りに、右巻きらせん状の2本のポリヌクレ
オチド鎖が互いに逆方向に延びた状態で位置して形成さ
れた2重らせん構造を有する。前記ポリヌクレオチド鎖
は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)及
びシトシン(C)の4種類の核酸塩基で形成されてお
り、前記ポリヌクレオチド鎖において前記核酸塩基は、
中心軸に対して垂直な平面内で互いに内側に突出した形
で存在して、いわゆるワトソン−クリック型塩基対を形
成し、アデニンに対してはチミンが、グアニンに対して
はシトシンが、それぞれ特異的に水素結合している。そ
の結果、前記2本鎖DNAにおいては、2本のポリペプ
チド鎖が互いに相補的に結合している。
【0029】前記DNAは、公知のPCR(Polym
erase Chain Reaction)法、LC
R(Ligase chain Reaction)
法、3SR(Self−sustained Sequ
ence Replication)法、SDA(St
rand Displacement Amplifi
cation)法等により調製することができるが、こ
れらの中でもPCR法が好適である。
【0030】また、前記DNAは、天然の遺伝子から制
限酵素により酵素的に直接切り出して調製してもよい
し、遺伝子クローニング法により調製してもよいし、化
学合成法により調製してもよい。
【0031】前記遺伝子クローニング法の場合、例え
ば、正常核酸を増幅したものをプラスミドベクター、フ
ァージベクター、プラスミドとファージとのキメラベク
ター等から選択されるベクターに組み込み、大腸菌、枯
草菌等の原核微生物、酵母等の真核微生物、動物細胞な
どから選択される増殖可能な任意の宿主に導入すること
により前記DNAを大量に調製することができる。
【0032】前記化学合成法としては、例えば、トリエ
ステル法、亜リン酸法などのような、液相法又は不溶性
の担体を使った固相合成法などが挙げられる。前記化学
合成法の場合、公知の自動合成機等を用い、1本鎖のD
NAを大量に調製した後、アニーリングを行うことによ
り、2本鎖DNAを調製することができる。
【0033】〔アミロース〕前記アミロースは、高等植
物の貯蔵のためのホモ多糖類であるデンプンを構成する
D−グルコースがα−1,4結合で直鎖状につながった
らせん構造を有する多糖である。前記アミロースの分子
量としては、数平均分子量で、数千〜15万程度が好ま
しい。前記アミロースは、市販のものであってもよい
し、公知の方法に従って適宜調製したものであってもよ
い。なお、前記アミロースは、その一部にアミロペクチ
ンが含まれていても構わない。
【0034】前記棒状体の長さとしては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができるが、構造性発
色を生じさせる観点からは、810nm以下であるのが
好ましく、10nm〜810nmであるのがより好まし
い。
【0035】前記棒状体の径としては、特に制限はない
が、前記α−ヘリックス・ポリペプチドの場合には0.
8〜2.0nm程度である。
【0036】前記棒状有機分子は、その全部が疎水性又
は親水性であってもよく、また、その一部が疎水性又は
親水性であり、他の部分が該一部と逆の親性を示す両親
媒性であってもよい。前記棒状体が前記両親媒性である
と、油相−水相界面での配向、油層又は水相中での分
散、等が容易である点で有利である。
【0037】前記両親媒性の棒状体の場合、疎水性を示
す部分及び親水性を示す部分の数としては特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができる。また、こ
の場合、疎水性を示す部分と親水性を示す部分とが交互
に位置していてもよいし、いずれかの部分が棒状体の一
端部にのみ位置していてもよい。
【0038】ここで、前記両親媒性の棒状体の一例を図
1に示す。図1において、棒状体1は、その一端側に疎
水性部1aを、他端側に親水性部1bを有する。
【0039】前記棒状体は、視認性、識別性等の観点か
らは構造性発色を示し得るのが好ましい。前記構造性発
色は、モルフォ蝶翅の鱗粉の発色基本原理である多層薄
膜干渉理論に基づき、前記膜に電場、磁場、温度、光
(例えば自然光、赤外線光、紫外線光)などの外部刺激
を与えたときに、該膜の厚みとその屈折率に応じて特定
波長の光が反射する結果、該膜の表面で生ずる発色であ
り、前記外部刺激によりカメレオンの表皮のようにその
色調が任意に制御され得る。
【0040】ここで、前記構造性発色の原理について下
記に示す。図5及び図6に示すように、前記棒状体の膜
に光が照射された際に該膜による干渉光の波長(λ)
は、下記(1)に示す条件で強められ、下記(2)に示
す条件で弱められる。
【0041】
【数3】
【0042】前記式(1)及び前記式(2)において、
λは、干渉光の波長(nm)を意味し、αは、前記膜へ
の光の入射角(度)を意味し、tは、膜の厚み(nm)
を意味し、lは、膜の数を意味し、nは、膜の屈折率を
意味し、mは、1以上の整数を意味する。
【0043】前記膜の厚みとしては、810nm以下で
あるのが好ましく、10nm〜810nmであるのがよ
り好ましい。前記厚みを適宜変更することにより、前記
構造性発色の色(波長)を変化させることができる。
【0044】前記膜は、単分子膜であってもよいし、該
単分子膜による積層膜であってもよい。前記単分子膜又
はそれによる前記積層膜は、例えば、ラングミュア−ブ
ロジェット法(LB法)に従って形成することができ、
その際、公知のLB膜形成装置(例えば、日本レーザー
&エレクトロニクス・ラボラトリーズ社製のNL−LB
400NK−MWCなどが好適に挙げられる)を使用す
ることができる。
【0045】前記単分子膜の形成は、例えば、親油性
(疎水性)若しくは両親媒性の前記棒状体を水面上(水
相上)に浮かした状態で、又は、親水性若しくは両親媒
性の前記棒状体を油面上(油相上)に浮かした状態で、
即ち図7に示すように、棒状体1を配向させた状態で押
出部材60を用いて基板50上に形成することができ
る。この操作を繰り返すことにより、基板50上に該単
分子膜を任意の数だけ積層した前記積層膜を形成するこ
とができる。なお、前記単分子膜又は前記積層膜が基板
50に固定されていると、該単分子膜又は積層膜による
構造性発色が安定して発現される点で好ましい。
【0046】このとき、基板50としては、特に制限は
なく、目的に応じてその材質、形状、大きさ等を適宜選
択することができるが、その表面は、適宜、棒状体1が
付着乃至結合し易くする目的で予め表面処理を行ってお
くのが好ましく、例えば、棒状体1(例えばα−ヘリッ
クス・ポリペプチド)が親水性である場合には、オクタ
デシル・トリメチルシロキサンなどを用いた親水化処理
等の表面処理を予め行っておくのが好ましい。
【0047】なお、両親媒性の棒状体の単分子膜を形成
する際に、該棒状体を油相又は水相上に浮かべた状態と
しては、図8に示す通り、前記水相又は油相上で、棒状
体1の親油性部(疎水性部)1a同士が互いに隣接して
配向し、親水性部1b同士が互いに隣接して配向してい
る。
【0048】以上は前記棒状体が単分子膜の平面方向に
配向(横に寝た状態)した単分子膜又はそれによる積層
膜の例であるが、該棒状体が単分子膜の厚み方向に配向
(立設した状態)した単分子膜は、例えば、以下のよう
にして形成することができる。即ち、図9に示すよう
に、まず、両親媒性の棒状体1(α−ヘリックス・ポリ
ペプチド)を水面上(水相上)に浮かした状態(横に寝
た状態)で、該水(水相)のpHを12程度のアルカリ
性にする。すると、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペ
プチド)における親水性部1bが、そのα−ヘリックス
構造が解けてランダムな構造をとる。このとき、棒状体
1(α−ヘリックス・ポリペプチド)における親油性部
(疎水性部)1aはα−ヘリックス構造を維持したまま
である。次に、該水(水相)のpHを5程度の酸性にす
る。すると、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペプチ
ド)における親水性部1bが、再びα−ヘリックス構造
をとるようになる。このとき、棒状体1(α−ヘリック
ス・ポリペプチド)に対し、該棒状体1(α−ヘリック
ス・ポリペプチド)に当接させた押圧部材をその側面か
らエアーの圧力で押すと、該棒状体1は該水(水相)に
対し立設した状態のままその親水性部1bが水相中でそ
の水面と略直交する方向に向かってα−ヘリックス構造
をとるようになる。そして、図7を用いて上述したよう
に、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペプチド)を配向
させた状態で押出部材60を用いて基板50上に押し出
すことにより基板50上に単分子膜を形成することがで
きる。この操作を繰り返すことにより、基板50上に該
単分子膜を任意の数だけ積層した前記積層膜を形成する
ことができる。
【0049】<触媒>前記触媒としては、触媒活性を有
するものであれば特に制限されず、目的に応じて適宜選
定することができるが、例えば、生体触媒である酵素、
細菌等の微生物、光触媒などが挙げられる。これらの中
でも酵素が好ましく、酵素には加水分解酵素、酸化還元
酵素、転移酵素、脱離酵素、異性化酵素、合成酵素など
が好適に用いられる。
【0050】前記加水分解酵素(Hydrolase)
としては、例えば、エステルを加水分解するエステラー
ゼ、リパーゼ、ペプシン、キモトリプシン、カルボキシ
ペプチダーゼ、サーモライシン、ガゼプシン、アミノペ
プチダーゼ、パパイン、キモパパイン、プロメリン、プ
ロティナーゼ及びジペプチダーゼなどのようなペプチド
結合を加水分解する蛋白分解酵素、α及びβ−グルコシ
ダーゼ、α及びβ−グルカナーゼ、α及びβ−ガラクト
シダーゼ、α及びβ−アミラーゼ、セルラーゼ及びプル
ラナーゼ等のような糖のグルコシド結合を加水分解する
グルコシダーゼ、ホスホモノエステラーゼ、ホスホジエ
ステラーゼ及びピロホスファターゼ等のようなリン酸結
合を加水分解するホスファターゼ、アルギナーゼ、ウレ
アーゼ及びグルタミナーゼ等のようなアミド基を加水分
解するアミダーゼ、その他ヌクレアーゼ、コラゲナーゼ
などが挙げられる。
【0051】前記酸化還元酵素(Oxidoreduc
tase)としては、例えば、アルコールデヒドロゲナ
ーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシ
ダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アミンオキシダ
ーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、アルデヒドオキシ
ダーゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸シン
ターゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒ
ドロゲナーゼ、チトクロムcオキシダーゼ、カタラー
ゼ、ペルオキシダーゼ、フェレドキシンヒドロゲナー
ゼ、スーパーオキサイド ジスムターゼなどが挙げられ
る。
【0052】前記転移酵素(Transferase)
としては、例えば、トランスホスホリダーゼ、トランス
グルコシダーゼ、トランスペプチダーゼ、トランスアミ
ダーゼ、トランスグルタミナーゼ、トランスアルドラー
ゼ、トランスケトラーゼ、ホスホリラーゼ、クレアチン
キナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ホス
ホグリセリン酸キナーゼ、RNAポリメラーゼ、DNA
ポリメラーゼ、グルコサミントランスアセチラーゼ、ア
ミノアシルトランスフェラーゼ、アスパラギン酸トラン
スアミナーゼ、アラニントランスアミナーゼ、6−ホス
ホフルクトキナーゼ、などが挙げられる。
【0053】前記脱離酵素(Lyase)としては、例
えば、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ヒスチジンデカ
ルボキシラーゼ、アルドラーゼ、クエン酸(si)−シ
ンターゼ、ATPクエン酸(pro−3S)リアーゼ、
トリプトファナーゼ、フマル酸ヒドラターゼ、アコニッ
ト酸ヒドラターゼ、エノラーゼ、エノイル−CoAヒド
ラターゼ、アスパラギ酸アンモニア−リアーゼなどが挙
げられる。
【0054】前記異性化酵素(Isomerase)と
しては、例えば、リブロースリン酸3−エピメラーゼ、
UDPグルコース 4−エピメラーゼ、トリオースリン
酸イソメラーゼ、グルコースリン酸イソメラーゼ、ホス
ホグリセリン酸ホスホムターゼなどが挙げられる。
【0055】前記合成酵素(Ligase)としては、
例えば、チロシル−tRNAシンテターゼ、シル−Co
Aシンテターゼ、アミドシンテターゼ、ペプチドシンテ
ターゼ、シクロリガーゼ、アセチル−CoAカルボキシ
ラーゼなどが挙げられる。
【0056】なお、これら酵素は、動物由来、植物由
来、微生物由来のいずれであってもよく、また、精製品
が好ましいが、粗精製物であっても構わない。
【0057】前記細菌等の微生物としては、石油を分解
する細菌(クレブシェラsp.TK−122)などが挙
げられる。
【0058】前記光触媒としては、例えば、酸化チタン
などが好適に挙げられる。該酸化チタン等の光触媒は、
表面に付着した、トリクロロエチレン、クロラール(泡
水)、タバコのヤニ等の環境汚染物質が付着した場合
に、これらを分解除去することができる点で好ましい。
【0059】<修飾触媒>前記修飾触媒としては、特に
制限されないが、生体触媒である酵素が好ましく、この
修飾酵素は、本来親水性である前記酵素の表面を両親媒
性の棒状有機分子で修飾することにより有機溶媒に可溶
性としたものである。この場合、修飾酵素の表面に棒状
有機分子を被覆する方法としては、特に制限されない
が、例えば、前記両親媒性の棒状有機分子を親水性溶媒
に溶解し、この親水性溶媒に溶解した酵素を、対象とな
る酵素を至適pHの緩衝液に溶解した溶液に徐々に滴下
し、ゆっくりと攪拌する方法などが挙げられる。
【0060】前記親水性有機溶媒としては、例えばメタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどが
挙げられ、棒状有機分子1mg当たり0.002〜0.
1mlの割合で、棒状有機分子を親水性有機溶媒に溶解
させて調製することが好ましい。
【0061】具体的には、酵素1mgをpH4.0〜
9.0の緩衝液0.02〜20mlに溶解させておき、
0〜30℃で攪拌させている酵素溶液に棒状有機分子を
溶解させた親水性有機溶媒を滴下する。攪拌は、攪拌羽
根、マグネチックスターラー、ホモミキサーなどのよう
な通常用いられる攪拌装置を用いて行い得る。十分に攪
拌を行いながら滴下していくと、酵素−棒状有機分子複
合体が析出し沈殿する。この沈殿を遠心分離又は濾過な
どの方法で分離した後、緩衝液、水で洗浄し、そのまま
凍結乾燥又は流動層乾燥するか、或いは少量の蒸留水に
分散させた後にスプレー乾燥することにより、棒状有機
分子で修飾された酵素の粉末を得ることができる。
【0062】前記修飾方法において、棒状有機分子は、
酵素の質量を基準として質量比0.2〜100、特に
0.5〜20となる量で用いることが好ましい。
【0063】前記修飾触媒は、図2に示すように、触媒
(酵素)100表面の親水性基と棒状有機分子10の疎
水性部1aとが水素結合し、親水性部1bを外側に向け
た状態で酵素100の周囲にミセル状に被覆されてい
る。このため、水には不溶であるが、アルコール、ケト
ン、エーテル等の有機溶媒には均一に溶解するものであ
る。
【0064】また、図3に示すように、酵素100表面
に棒状有機分子10の親水性部1bが結合し、疎水性部
1aを外側に向けた状態で酵素100の周囲にミセル状
に被覆することもできる。
【0065】更に、図4に示すように、酵素100表面
の親水性基と棒状有機分子10の親水性部1bとが結合
し、疎水性部1aが酵素100の上下となるように膜状
に形成される。このため、水には不溶であるが、アルコ
ール、ケトン、エーテル等の有機溶媒には均一に溶解す
るものである。
【0066】<反応器>本発明の反応器は、前記修飾触
媒(特に修飾酵素)と、該修触酵素を収容する有機溶媒
が満たされた反応容器とを備えたものである。この場
合、修飾触媒は液滴状であっても、膜状であっても構わ
ないが、構造性発色を生じる観点から膜状であることが
好ましい。
【0067】前記反応器を用いれば、有機溶媒中でも酵
素本来の触媒作用を十分に発揮することができるので、
有機合成、新規機能性材料の開発用途などに有効に活用
することができるものである。
【0068】また、前記修飾酵素は、有機溶媒中におい
て、その酵素本来の触媒作用と逆の反応を示すものであ
る。例えば、通常、エステル分子である脂肪に水を反応
させてアルコールとカルボン酸に分解する酵素リパーゼ
が、水を含まない有機溶媒中ではその逆反応であるエス
テル合成反応を触媒することができるものである。
【0069】更に、前記修飾酵素は、膜状に形成した場
合には、構造性発色により色を有しているので反応器に
酵素を添加したか否かのマーカーとしての役割も果たす
ものである。
【0070】<防汚樹脂組成物>本発明の防汚樹脂組成
物は、前記修飾酵素と、塗料樹脂とを含み、必要に応じ
て適宜選択したその他の成分を含むものである。
【0071】前記塗料樹脂としては、特に制限されず、
例えば、塩化ビニル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポ
リエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル
樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、石油系樹脂、シリ
コーン樹脂、シリコーンゴム系樹脂、ワックス、パラフ
ィン、ロジエステル及びロジン系樹脂のような有機溶媒
系塗料樹脂、アクリルエマルジョン樹脂、エポキシエマ
ルジョン樹脂、酢酸ビニル樹脂のような水系塗料用樹脂
などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を
混合して用いることができる。
【0072】前記修飾酵素としては、特に制限されず、
目的に応じて前記酵素群から選択することができるが、
防汚効果を高める観点から、タンパク分解酵素、多糖分
解酵素などが好ましく、これらの中でもリパーゼ、エラ
スターゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、アミラーゼ、
グルコアミラーゼ、セルラーゼなどが好ましい。これら
は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0073】前記修飾酵素の添加量は、防汚樹脂組成物
全体に対して、0.0001〜10質量%、好ましくは
0.001〜5質量%である。修飾酵素の添加量が少な
すぎると、樹脂中の酵素活性が低すぎて、十分な酵素の
効果が期待できない場合がある。一方、多すぎると樹脂
特性が損なわれてしまう場合がある。
【0074】なお、前記防汚樹脂組成物には、前記成分
以外にも、通常塗料組成物に用いられる可塑剤、有機溶
媒などの各種添加剤を常用量添加することができる。
【0075】本発明の防汚樹脂組成物は、塗料及び塗膜
中において、酵素が安定して存在し得、優れた防汚性を
長期間に亘って持続することができるものである。ま
た、酵素が構造性発色により着色されているので、着色
顔料としての役割も果たすものである。
【0076】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明について更に具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0077】〔実施例1〕糸状菌(Mucor mie
hei)由来のリパーゼ100mgをリン酸緩衝液
(0.1M、pH7.0)50mlに溶解し、遠心沈降
させて不溶物を取り除いた。
【0078】n−ヘキシルアミンを開始剤として用い、
ε−カルボベンゾキシ L−リジン Nα−カルボキ
シ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行い、続けてγ
−メチル L−グルタメート N−カルボキシ酸無水物
(MLG−NCA)の重合を行うことによりPLLZ部
の重合度が200、PMLG部の重合度が60のブロッ
クコポリペプチドPLLZ200−PMLG60を調製
した。その後、PMLGセグメントを部分的に加水分解
してL−グルタミン酸(LGA)とすることで両親媒性
α−ヘリックスコポリペプチドPLLZ200−P(M
LG42/LGA18)を得た。このα−ヘリックスコ
ポリペプチド100mgをアセトン1mlに溶解した。
【0079】次に、4℃にて攪拌しているリパーゼ溶液
にポリペプチド溶液を滴下して、4時間4℃で攪拌し、
その後、4℃で一晩放置した。沈殿物を含むこの溶液を
遠心分離し、上清を取り除き残った沈殿物をリン酸緩衝
液及び蒸留水で洗浄した。その後、凍結乾燥して修飾触
媒の粉末を得た。
【0080】得られた修飾触媒1mgをトルエン5ml
に溶解し、リパーゼ活性の測定を行った。即ち、修飾触
媒を溶解したトルエン溶液100μlをオリーブ油−ポ
リビニルアルコール乳液に添加し、37℃で30分反応
させた後、精製した遊離脂肪酸量を0.05Nの水酸化
カリウム溶液で滴定した。その結果、前記リパーゼの水
溶液と同等のリパーゼ活性が認められた。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、十分な酵素活性を有
し、酵素反応により有用な物質を効率よく安定生産でき
る修飾触媒及びそれを用いた反応器、並びに高い防汚性
を備えた防汚樹脂組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る棒状有機分子
の模式図である。
【図2】図2は、本発明の修飾触媒の一例を示す模式図
である。
【図3】図3は、同別の修飾触媒を示す模式図である。
【図4】図4は、同更に別の修飾触媒を示す模式図であ
る。
【図5】図5は、構造性発色の原理を説明する説明図で
ある。
【図6】図6は、同模式図である。
【図7】図7は、本発明の機能性分子による単分子膜の
形成を示す概略説明図である。
【図8】図8は、両親媒性の機能性分子が水(水相)上
で配向している状態の一例を示す概略説明図である。
【図9】図9は、両親媒性の機能性分子を水(水相)上
で立設させる方法の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 棒状体 1a 疎水性部 1b 親水性部 10 棒状有機分子 100 酵素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B033 NA22 NB15 NB32 NB46 NB57 NC04 4B050 CC07 KK03 KK18 LL05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の表面を両親媒性の棒状有機分子で
    被覆してなることを特徴とする修飾触媒。
  2. 【請求項2】 触媒が、酵素であり、加水分解酵素、酸
    化還元酵素、転移酵素、脱離酵素、異性化酵素及び合成
    酵素から選ばれる請求項1に記載の修飾触媒。
  3. 【請求項3】 有機溶媒に可溶であり、該有機溶媒中で
    触媒活性を示す請求項1又は2に記載の修飾触媒。
  4. 【請求項4】 棒状有機分子が、らせん状分子である請
    求項1から3のいずれかに記載の修飾触媒。
  5. 【請求項5】 らせん状分子が、α−ヘリックス・ポリ
    ペプチド、DNA及びアミロースのいずれかである請求
    項4に記載の修飾触媒。
  6. 【請求項6】 棒状有機分子の長さが810nm以下で
    ある請求項1から5のいずれかに記載の修飾触媒。
  7. 【請求項7】 修飾触媒が液滴状である請求項1から6
    のいずれかに記載の修飾触媒。
  8. 【請求項8】 修飾触媒が膜状である請求項1から6の
    いずれかに記載の修飾触媒。
  9. 【請求項9】 構造性発色を示す請求項1から8のいず
    れかに記載の修飾触媒。
  10. 【請求項10】 膜による干渉光が、下記数式(1)の
    条件で強められ、下記数式(2)の条件で弱められる請
    求項8又は9に記載の修飾触媒。 【数1】 但し、前記数式(1)及び数式(2)において、λは、
    干渉光の波長(nm)を示し、αは、膜への光の入射角
    (度)を示し、tは、膜の厚み(nm)を示し、lは、
    膜の積層数を示し、nは、膜の屈折率を示し、mは、1
    以上の整数を示す。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    修飾触媒と、該修触酵素を収容する有機溶媒が満たされ
    た反応容器とを備えたことを特徴とする反応器。
  12. 【請求項12】 修飾触媒が、該触媒本来の触媒作用と
    逆の反応を示す請求項11に記載の反応器。
  13. 【請求項13】 請求項1から10のいずれかに記載の
    修飾触媒と、塗料樹脂とを含むことを特徴とする防汚樹
    脂組成物。
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