JP2002345342A - 水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランター - Google Patents

水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランター

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JP2002345342A
JP2002345342A JP2001161337A JP2001161337A JP2002345342A JP 2002345342 A JP2002345342 A JP 2002345342A JP 2001161337 A JP2001161337 A JP 2001161337A JP 2001161337 A JP2001161337 A JP 2001161337A JP 2002345342 A JP2002345342 A JP 2002345342A
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ファ,アーエヌ.
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の小型化を図ることができる水位調節装
置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプラ
ンターを提供する。 【解決手段】ケース10が側面および上面が気密的に閉
じ底面が開放しており、注水口16および通気孔17を
有し、側面下部に通気口18を有する。第1浮き20が
通気用栓24を有して水への浮力および自重により上下
運動可能にケース10の上部に設けられ、通気用栓24
が通気孔17を水位により開閉する。第2浮き30が注
水用栓34を有して水への浮力および自重により上下運
動可能にケース10の内部に設けられる。ケース10内
の水位により注水用栓34は注水口16を塞ぎ、水位が
通気口18を大気に連通させる状態のとき注水用栓34
は注水口16を開く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水位調節装置、水
位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランター
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水位調節装置として、例えば、特
表平8−500974号公報に示すものがある。すなわ
ち、浮きを有して容器への水の流入を調節する第1流れ
コントローラと、浮きを有して第1流れコントローラの
室内への空気の流れを調節する第2流れコントローラ
と、第1流れコントローラの室内への通気装置とを有
し、容器内の水位が所定位置より下がったとき、容器内
に水を流入させるようにし、植物の生育に適した水やり
を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水位調節装置は、第1流れコントローラと第2流れコン
トローラとに分かれて、それぞれケーシングを有するた
め、装置が大型化するという課題があった。
【0004】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、装置の小型化を図ることができる水
位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可
能なプランターを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る水位調節装置は、ケースと、第1浮き
と、第2浮きとを有し、前記ケースは側面および上面が
気密的に閉じ底面が開放しており、注水口および通気孔
を有し、側面下部に通気口を有し、前記第1浮きは通気
用栓を有して水への浮力および自重により上下運動可能
に前記ケースの上部に設けられ、前記ケース内の水位が
所定の第1水位を越えたとき前記通気用栓が前記通気孔
を開き、前記第1水位以下のとき前記通気用栓が前記通
気孔を閉じる構成を有し、前記第2浮きは注水用栓を有
して水への浮力および自重により上下運動可能に前記ケ
ースの内部に設けられ、前記ケース内の水位が前記第1
水位より高い所定の第2水位を越えたとき前記注水用栓
は前記注水口を塞ぎ、前記ケース内が減圧状態のとき前
記注水用栓は前記注水口を塞いだ状態を維持し、水位が
前記通気口を大気に連通させる状態のとき前記注水用栓
が前記注水口を開く構成を有することを、特徴とする。
【0006】本発明に係る水位調節装置は、水受け器な
どの内側底部に設置し、注水口をより高い位置にある貯
水槽などに接続して使用する。水受け器の上には、プラ
ンターなどを設置する。水受け器の内部に水がない状態
では、第2浮きが自重で下降しており、注水用栓が注水
口を開いている。このため、注水口からケースの内部に
水が注入され、水受け器に水が溜まる。ケース内の水位
が上昇するとともに、第2浮きは浮力で上昇する。水位
が所定の第1水位を越えたとき、第1浮きが浮力で上昇
し、通気用栓がケースの通気孔を開く。このため、ケー
ス内に水が入りやすくなる。水位が所定の第2水位を越
えたとき、第2浮きの注水用栓が注水口を塞ぎ、注水口
から水受け器への水の注入が止まる。
【0007】植物による水の吸収および蒸発により水受
け器内の水は減少し、ケース内の水位は次第に下がって
くる。水位が所定の第1水位以下になると、第1浮きは
自重で下降し、通気用栓がケースの通気孔を閉じる。こ
のため、ケース内の水位が下がっても、ケース内が減圧
状態となって第2浮きは自重で下降することなく、注水
用栓が注水口を塞いだ状態を維持する。水位がさらに下
がって通気口を大気に連通させる状態になると、第2浮
きは自重で下降して注水用栓が注水口を開く。これによ
り、再び、注水口からケースの内部に水が注入され、水
受け器に水が溜まる。こうして、水位調節を行うことが
できる。
【0008】この水位調節装置は、ケースと第1浮きと
第2浮きとから簡単に構成することができるため、装置
の小型化を図ることができる。
【0009】本発明に係る水位調節装置で、前記ケース
は、側面に前記注水口を有し、上面に前記通気孔を有
し、前記第1浮きは前記ケースの上部に上下方向に揺動
可能に設けられ、前記第2浮きは前記ケースの内部に上
下方向に揺動可能に設けられていることが好ましい。
【0010】本発明に係る水位調節可能な水受け器は、
水受け器本体と、本発明に係る前述の水位調節装置とを
有し、前記水受け器本体は上部にプランターの取付け部
を有し、前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底
部に設けられていることを、特徴とする。
【0011】本発明に係る水位調節可能な水受け器は、
水位調節装置の注水口をより高い位置にある貯水槽など
に接続して使用する。水受け器本体の上には、プランタ
ーなどを設置する。水位調節装置は、水受け器本体の内
部に水を供給し、内部の水位を調節する。
【0012】本発明に係る他の水位調節可能な水受け器
は、水受け器本体と、吸水マットと、本発明に係る前述
の水位調節装置とを有し、前記水受け器本体は溝を有す
る上面を有し、前記吸水マットは前記水受け器本体の上
面に配置され、前記水受け器本体の内部に前記溝から挿
入される吸水部を有し、前記水位調節装置は前記水受け
器本体の内側底部に設けられていることを、特徴とす
る。
【0013】この水位調節可能な水受け器は、水位調節
装置の注水口をより高い位置にある貯水槽などに接続し
て使用する。吸水マットの上には、プランターなどを設
置する。水位調節装置は、水受け器本体の内部に水を供
給し、内部の水位を調節する。吸水マットは、吸水部か
ら溝を通して水受け器本体の内部の水を吸い上げる。吸
水マットが吸い上げた水は、プランター内の植物により
利用される。
【0014】この水位調節可能な水受け器は、さらに植
木鉢を有し、前記植木鉢は通気性が良好な不織布から成
って前記吸水マットの上に設置されることが好ましい。
この場合、植木鉢は底から吸水マットの水を吸い取り、
植木鉢の中の植物は植木鉢の底から水を吸収する。ま
た、植木鉢は、通気性が良好なため、周囲から空気を取
り入れることができる。
【0015】本発明に係る水位調節可能なプランター
は、プランター本体と、本発明に係る前述の水位調節装
置とを有し、前記プランター本体は側面に壁面への取付
け部を有し、前記水位調節装置は前記プランター本体の
内側底部に設けられていることを、特徴とする。
【0016】本発明に係る水位調節可能なプランター
は、プランター本体の取付け部をビルなどの壁面に取り
付けて使用する。水位調節装置の注水口は、より高い位
置にある貯水槽などに接続しておく。水位調節装置は、
プランター本体の内部に水を供給し、内部の水位を調節
する。
【0017】本発明に係る他の水位調節可能なプランタ
ーは、水受け器と、側壁と、天板と、本発明に係る前述
の水位調節装置とを有し、前記水受け器は通水可能でか
つ植物栽培用土を阻むよう内部を仕切る仕切り材を有
し、前記側壁は前記水受け器の外側周囲に設けられ、前
記天板は中空の容器から成って前記水受け器の上方で前
記側壁の上部に取り付けられ、上面に取水孔を有し、側
面または底面に排水口を有し、前記仕切り材で仕切られ
た一方側の上方で上下方向に植物生育用の貫通孔を有
し、前記水位調節装置は、前記水受け器の内側底部の前
記仕切り材で仕切られた他方側に設けられ、前記注水口
が前記排水口に接続されていることを、特徴とする。
【0018】この水位調節可能なプランターは、天板に
植物生育用の貫通孔を有する一方側の、側壁と仕切り板
とで囲まれた水受け器の上に土を入れ、植物を植える。
植物は、貫通孔から上方に伸びるようにする。天板は、
取水孔から雨水などを取り入れて内部に貯水する。水位
調節装置は、天板の内部の水を排水口から取り入れてプ
ランターの内部に供給し、内部の水位を調節する。仕切
り材は、水位調節装置が設けられた他方側の水を土を入
れた一方側に通す。水は、プランター内の植物により利
用される。
【0019】本発明に係る他の水位調節可能なプランタ
ーは、水受け器と、前記水受け器の内部の水を吸水可能
に前記水受け器の上に配置された吸水マットと、前記吸
水マットの上に配置された防根マットと、前記防根マッ
トの上に配置された排水層と、前記排水層の上に配置さ
れた保水層と、前記保水層の上に配置された種子と、前
記種子の上に配置された日除けマットと、前記水受け器
の中に配置された請求項1記載の水位調節装置とを、有
することを特徴とする。この水位調節可能なプランター
は、セダム類やコケ類の栽培に適している。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図9は、本発明の
実施の形態を示している。図1乃至図6に示すように、
水位調節装置1が、ケース10と、第1浮き20と、第
2浮き30とを有する。
【0021】ケース10は、函状部分11とレバー収容
部分12とから一体的に成って、側面13および上面1
4が気密的に閉じ底面15が開放している。図5に示す
ように、レバー収容部分12は、函状部分11より細く
段差をなして低くなっている。ケース10は、レバー収
容部分12の端部側面に注水口16を有している。ケー
ス10は、函状部分11の上面14に通気孔17を有し
ている。図1乃至図3に示すように、ケース10は、レ
バー収容部分12の側面下部に設置箇所に沿って伸びる
通気口18を有している。通気口18の高さは、好適に
は2〜3mmである。ケース10は下部に突出部19を
有し、突出部19にはビス固定用の孔が形成されてい
る。
【0022】第1浮き20は、レバー21と浮き部22
とから一体的に成っている。レバー21は、一端が函状
部分11の上部の突出部に軸部23で回転可能に取り付
けられている。レバー21は、下側の通気孔17に対応
する位置に通気用栓24を有している。通気用栓24
は、柔軟性の部材から成っている。浮き部22は、レバ
ー21の他端に設けられ、レバー収容部分12の上側に
載るようになっている。浮き部22の内部には重り25
が設けられており、第1浮き20は第2浮き30より重
くなっている。第1浮き20は、浮き部22の水への浮
力および自重により軸部23を中心として上下方向に揺
動可能となっている。このように、第1浮き20は、ケ
ース10内の水位が所定の第1水位W1(図3参照)を
越えたとき浮き部22が浮力で上昇して通気用栓24が
通気孔17を開き、第1水位W1以下のとき通気用栓2
4が通気孔17を閉じる構成となっている。
【0023】第2浮き30は、レバー31と浮き部32
とから一体的に成っている。レバー31は、一端付近の
下部がレバー収容部分12の内側側面下部に軸部33で
回転可能に取り付けられている。レバー31は、注水口
16に対応するよう一端に注水用栓34を有している。
注水用栓34は、柔軟性の部材から成っている。浮き部
32は、レバー31の他端に設けられ、函状部分11の
内側に収容されている。レバー31および浮き部32
は、側面および上面35が気密的に閉じ底面36が開放
している。第2浮き30は、浮き部32の水への浮力お
よび自重により軸部33を中心として上下方向に揺動可
能となっている。第2浮き30は、ケース10内の水位
が第1水位W1(図3参照)より高い所定の第2水位W
2(図2参照)を越えたとき浮き部22が浮力で上昇し
て注水用栓34が注水口16を塞ぎ、ケース10内が減
圧状態のとき注水用栓34が注水口16を塞いだ状態を
維持し、水位が通気口18を大気に連通させる状態のと
き注水用栓34が注水口16を開く構成となっている。
【0024】水位調節装置1は、水受け器などの内側底
部に設置し、注水口16をより高い位置にある貯水槽な
どにフレキシブルチューブ37(図5参照)により接続
して使用する。水受け器は、水を貯められる器であれば
いかなる器であってもよい。注水口16の外周には、フ
レキシブルチューブ37が外れたり水が漏れたりしない
よう密着させる突出部が設けられている。フレキシブル
チューブ37は、留め具38を注水口16に螺合させて
しっかりと取り付けられる。
【0025】水受け器の上には、プランターなどを設置
する。水受け器の内部に水がない状態では、第2浮き3
0が自重で下降しており、注水用栓34が注水口16を
開いている。このため、注水口16からケース10の内
部に水が注入され、水受け器に水が溜まる。ケース10
内の水位が上昇するとともに、第2浮き30は浮力で上
昇する。しかしながら、通気孔17が通気用栓24で閉
じられているため、ケース10の内側の空気は抜け出る
ことができない。このため、第2浮き30は、完全には
上昇せず、注水用栓34は注水口16を塞ぐことができ
ない。
【0026】水位が所定の第1水位W1を越えたとき、
第2浮き30に少し遅れて第1浮き20が浮力で上昇
し、通気用栓24がケース10の通気孔17を開く。こ
のため、ケース10内から通気孔17を通して圧力が高
められていた空気が抜け出て、ケース10内に水が入り
やすくなる。水位の上昇に伴い、第2浮き30はさらに
上昇する。水位が所定の第2水位W2を越えたとき、第
2浮き30はケース10の函状部分11の天井面に当た
り、上昇が止まる。このとき、第2浮き30の注水用栓
34が注水口16を塞ぎ、注水口16から水受け器への
水の注入が止まる。
【0027】植物による水の吸収・蒸散、植物の根部と
接している土の毛細管現象および蒸発により、注水の止
まった水受け器内の水は減少し、ケース10内の水位は
次第に下がってくる。水位が所定の第1水位W1以下に
なると、第1浮き20は自重で下降してレバー収容部の
上に載り、通気用栓24がケース10の通気孔17を閉
じる。このため、ケース10内の水位が下がっても、ケ
ース10内が減圧状態となって第2浮き30は自重で下
降することなく、注水用栓34が注水口16を塞いだ状
態を維持する。水位は、さらに下がって通気口18に達
する。このとき、水位は、水受け器の底から2〜3mm
の高さしかない。こうして、通気口18を大気に連通さ
せる状態になると、通気口18からケース10内に一気
に空気が入り込み、第2浮き30は自重で下降して注水
用栓34が注水口16を開く。これにより、再び、注水
口16からケース10の内部に水が注入され、水受け器
に水が溜まる。このように以上の動作を繰り返すことに
より、水位調節を行うことができる。
【0028】この水位の上下の繰り返しは、植物の生育
条件にとって理想的なことといえる。土に水および空気
の供給が間断なく繰り返され、微生物が活性化し、有機
物を分解させる。これにより、栽培された野菜は味が良
くなり、植物はルーピングを起こすことがなく、水スト
レスを繰り返すこともない。このため、植物は、理想的
な生長を繰り返すことになる。植物は、根が必要以上に
伸びなくとも成長可能なため、従来の植木鉢より小さい
植木鉢でも栽培可能となる。
【0029】この水位調節装置1は、ケース10と第1
浮き20と第2浮き30とから簡単に構成することがで
きるため、装置の小型化を図ることができる。水位調節
装置1は、重力を用いており、動力を使用しないため、
故障しない限り水位調節を続けることができる。
【0030】図7に示すように、水位調節装置1は、芝
生、低木の植木、屋上の植木、路床などに設置してもよ
い。
【0031】水位調節装置1を用いた水位調節可能な水
受け器40は、例えば、図8,図9に示すように、水受
け器本体41と、水位調節装置1とを有する。水受け器
本体41は、上部に2つまたは4つのプランターP1,
P2の取付け部を有する。水位調節装置1は、水受け器
本体41の内側底部に設けられている。
【0032】水位調節可能な水受け器40は、水位調節
装置1の注水口16をより高い位置にある貯水槽(図示
せず)などに接続して使用する。貯水槽の水は、雨水な
どを利用することができる。また、注水口16と貯水槽
との接続経路に肥料の吸引経路を設けてもよい。注水口
16は、貯水槽に接続する代わりに、減圧弁を介して水
道蛇口に接続してもよい。水受け器本体41の上には、
プランターP1,P2を設置する。プランターは、種々
の大きさ、形状のものであってもよい。水位調節装置1
は、水受け器本体41の内部に水を供給し、内部の水位
を調節する。
【0033】水位調節可能な水受け器40は、例えば、
営利用の花、木、特に緑化木、営利用野菜の栽培の場
合、ソーラーパネル、ドライバッテリー、12V4Aモ
ーター、受水タンク、圧力タンク、肥料混入器、EC・
FCメーター等と組み合わせて300坪当たり2000
ポットのトマト、メロン等々の栽培が可能である。水位
調節可能な水受け器40は、カートリッジ式植木、花鉢
用プランター、野菜栽培用カートリッジ式プランター
(円形、角形その他の形状)、縮根草・観葉植物生産用
プランターその他あらゆる植物生育用プランターに適用
することができる。
【0034】図10および図11は、本発明の他の実施
の形態の水位調節可能な水受け器を示している。水位調
節可能な水受け器50は、水受け器本体51と、吸水マ
ット52と、水位調節装置1とを有する。
【0035】水受け器本体51は、溝53を有する上面
54を有する。吸水マット52は、水受け器本体51の
上面54に配置され、水受け器本体51の内部に溝53
から挿入される吸水部52aを有する。吸水マット52
は、その上に薄い防根マット55を有している。水位調
節装置1は、溝53と連通する水受け器本体51の内側
底部に設けられている。
【0036】この水位調節可能な水受け器50は、水位
調節装置1の注水口16をより高い位置にある貯水槽な
どに接続して使用する。吸水マット52の上には、植木
鉢P3などを設置する。水位調節装置1は、水受け器本
体51の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。吸
水マット52は、吸水部52aから溝53を通して水受
け器本体51の内部の水を吸い上げる。吸水マット52
には、毛細管現象により水が全体に行き渡る。吸水マッ
ト52が吸い上げた水は、植木鉢P3内の植物により利
用される。
【0037】すなわち、フレキシブルチューブ37を通
して水門56から入った水は、溝53を通って溝全体に
行き渡り、その上の吸水マット52を経て水受け器本体
51の上面54まで全体に行き渡る。防根マット55の
上に植木鉢P3が置かれる。その植木鉢P3は、薄い麻
の生地のような不織布から成り、通気性が良好である。
このため、植木鉢P3は、周りが常時、空気と接触して
おり、周囲から空気を取り入れることができ、根は内側
へ内側へと入るため、外には現れない。
【0038】植木鉢P3は、防根マット55に接した底
から防根マット55に含まれる水を吸い取る。植木鉢P
3の中の植物は植木鉢P3の底から水を吸収し、吸収し
た水は植物の体内を通り、葉から蒸散される。水受け器
50の水は、溝53の中の吸水部52aから植物の根に
吸収され、溝53の底まで水位が下がる。その時、吸水
マット52は水から離れ、吸水マット52の内部に空気
が入り込む。その時、水が貯水槽からフレキシブルチュ
ーブ37を通って、水位調節装置1の注水口16に入り
込む。水位調節装置1は、前述のとおり配水を行い、水
位の調節を行う。これらの動作は、植物の状態に応じて
繰り返される。このように、植物にとって有害な水スト
レスがなく、また、吸水マット52に空気が入り込むた
め、水位調節可能な水受け器50は、理想的な配水シス
テムである。
【0039】植物を生産する場合、目的に応じた苗から
の生産・生長段階を経て目的の地、または場所に定植さ
れ、観賞もしくは利用される。その場合、望まれること
は「苗半作」といわれるようにどのような環境で苗が育
ってきたのかによって、その後の管理にもよるが、大き
な差異となることが多い。
【0040】一般に、苗木の生産段階では、出荷の際、
根がルーピングしていることが多い。これは、生産段階
で、水が潤沢であるにもかかわらず空気が不足すること
から水ストレスが多いために起こる現象である。ルーピ
ングした根は、必ずしもその後の生長に必要のない根で
あり、むしり取るか切り取ってから定植しなければなら
ない。
【0041】今後、生産段階にて望まれることは、以下
の1〜4の事項である。 1.根がルーピングしていないこと。 2.水が潤沢に供給され、根を伸長しなくても良いこ
と。 3.空気が常時供給され、根を伸長しなくても良いこ
と。 4.植物は乾燥している場所へは根が伸びず、湿潤な場
所に根を張りたがるから、鉢の外側を乾燥させ、内側の
湿っているところに向かって根を張らせること。従っ
て、内側へ内側へと根がもぐり込んでいくことになる。
【0042】その結果、移植したとき、根をむしり取っ
たり切り取ったりすることがないため、移植の痛みがな
く、その後、植物は順調に生育を開始する。
【0043】このことがわかっていながら、合理的に生
育コントロールする方法が今まではなかった。それは、
鉢に水を一時貯め込んで植物を育てるという人間の都合
で植物の水管理をするという発想から脱していなかった
からといえる。
【0044】この水位調節可能な水受け器50は、水位
調節装置1と吸水マット52との相乗効果により、植物
の生育にとって良い環境を創り出すため、ひいては大き
な経済的効果を生むことになる。
【0045】従来は、伸びない植物を短期間で伸ばし、
経済性を高めるため、あらゆる手段を講じて現在の生産
水準を維持してきた。その結果、おびただしい環境の悪
化を招いて来た。従来は、直接、置き肥として水に溶け
出す化学肥料をやり、それが水をやるたびに溶け出し、
鉢底から流れ出し地下水に達していた。あるいは、液体
化学肥料を直接、土に混入し、スプリンクラー等を通し
て相当な時間で大量に土にかけていた。その間、1鉢に
必要な水の蒸散量とはおよそかけ離れた大量の化学肥料
が水と共に地下水に混入して海まで達し、富栄養化によ
る赤潮発生など様々な汚染に結びついていると考えられ
る。
【0046】そのような従来のやり方から脱却し、肥料
等はすべて植物のために供給するものであるから、植物
に全部吸収してもらうことが望ましい。肥料等は、水と
共に地下にたれ流しするべきではない。水位調節可能な
水受け器50を使用すれば、肥料を一滴もこぼさずに植
物のみに配ることができる生産システムを確立すること
ができ、環境にとって極めて良好といえる。
【0047】約1平方メートルに1個の水位調節装置1
をセットすることで、9cm長さのポットで100個、
20cm長さのポットで18個のポットが、無人で水管
理できることになる。このことは、若年労働者が不足し
て行く今、有効な経済効果となる。仮に300 坪(約1000
平方メートル)当たりであっても、無人で一滴の水もこ
ぼすことなく、大量の植物の水管理を動力を用いずに行
うことができる。
【0048】従来は、水をプッシュして圧力を高めて噴
口などから霧状にして灌水するのが常識であった。ある
ときは大量の水を大きなポンプで送り込み、あるときは
底面給水用のトレイに鉢底から水を充満させた後に排水
し、あるときは水に消毒・殺菌用の化学物質や化学肥料
を溶け込ませて同時に灌水している。このようにして供
給した水の大半は、地下に流れ込む。このような水管理
を繰り返している。これが植物生産現場における実態で
あり、このことに疑問を抱くことはあってもその解決方
法は考えられていなかった。
【0049】水位調節可能な水受け器50は、従来、不
可能とされてきた多くの生産現場において水の節約、肥
料の節約、化学物質の節約を行うとともに、地下水を汚
染することなく植物を理想的な生理上の条件を満たした
うえで、人件費を節約し、コストダウンを実現するもの
である。従って、環境に良いばかりでなく、その経済的
効果は極めて大きい。水位調節装置1、不織布から成る
植木鉢P3および吸水マット52は、組み合わせられる
ことにより、植物の生育に大きな効果をもたらすことが
できる。
【0050】図12は、本発明の実施の形態の水位調節
可能なプランターを示している。水位調節可能なプラン
ター60は、プランター本体61と、水位調節装置1と
を有している。プランター本体61は、背面側の側面に
壁面への取付け部62を有している。水位調節装置1
は、プランター本体61の内側底部に設けられている。
水位調節装置1は、メンテナンスを容易にするため、植
物の植込み部と別室に設けられている。また、植物のメ
ンテナンスのため、水位調節装置1は、外して取り換え
られるようになっている。
【0051】水位調節可能なプランター60は、プラン
ター本体61の取付け部62をビルなどの壁面63に取
り付けて使用する。水位調節装置1の注水口16は、よ
り高い位置にある貯水槽などに接続しておく。水位調節
装置1は、プランター本体61の内部に水を供給し、内
部の水位を調節する。
【0052】水位調節装置1による配水システムでは、
水と空気(酸素)が間断なく繰り返し配分されるため、
植物にとって最も必要なものが常時供給される。このた
め、あらゆる植物にとって水ストレスがなくなる。一
方、人による水管理は、非常にむずかしく、不可能とさ
えいえる。人は技術力を駆使してコンピューターセンサ
ー等々、人の感覚では解らない部分を、電気的な手法に
頼ってきたところがある。しかし、それには、種々複雑
な構造と電気的な配線が必要であり、しかもそれらには
水分は望ましいものではない。このため、メンテナンス
も含めて、さらに構造が複雑なものとなる。
【0053】水位調節装置1には何ら電気的な仕掛はな
く、自然の重力をそのまま利用している。このため、水
位調節装置1は、極めてシンプルな構造であり故障も少
ない。このシンプルな水位調節装置1を建物、ビル壁面
に直接取り付けることによって、多くの植物に覆われた
ビルが完成する。その場合、地球環境に与える良い影響
は計り知れない程大きい。
【0054】ところで、壁面では、次の事柄と対策が想
定される。 1.気候の変化への対策として、対応できる植物を選択す
る。 2.日照力の変化への対策として、西日本、東日本によっ
て植物を選択する。 3.雨水の大小への対策として、一定量を超す雨量の場
合、オーバーフローさせる。 4.日照量の変化への対策として、地方によって植物を変
える。 5.季節の変化への対策として、春〜秋、秋〜冬に合う植
物を植える。 6.風力の変化への対策として、強風で飛ばされないよう
ネット掛けを行う。 7.風向の変化への対策として、強風であおられ折れない
植物を植える、つば等をつけて落下させない。
【0055】このような対策を講じることにより、水位
調節可能なプランター60は、全天候に対応することが
可能である。従って、建築構造物の壁面に水位調節可能
なプランター60を利用することにより、緑化の少なく
なる一方の都市の建物に丸ごと緑化を施すことが可能に
なる。水位調節可能なプランター60は、既存の建物の
壁面にもネジ止めで固定することができ、新しいビルに
設置することもできる。
【0056】このような壁面緑化により、建築物、ビル
などまるごと緑化をすることができる。このため、紫外
線から壁面材、防水層を保護し、その耐久年数を延ばす
ことができ、レンガや焼き物の高価なタイルなどを使用
しなくて済む。ヒートアイランド環境の緩和、快適な都
市環境づくり、地球環境保護を図ることができる。この
ような緑化には、あらゆる植物を植えることができる
が、自生する多年草を植生の基本とすることが好まし
い。これにより、自然環境を生かした粗放型緑化システ
ムを構築できる。また、冷房、暖房などのコストおよび
エネルギーの軽減を図ることができ、気化熱による外気
温の上昇を押さえることができる。さらに、植物が雨水
を貯留し、余剰水の流出を遅らせて都市型洪水を防ぐこ
とができる。水だけでなく空気中のほこりや騒音を吸収
することもできる。なお、水位調節可能なプランター6
0には、強風などにより植物が抜け出さないようにつば
をつけてもよい。
【0057】図13は、本発明の他の実施の形態の水位
調節可能なプランターを示している。水位調節可能なプ
ランター70は、水受け器71と、側壁72と、天板7
3と、水位調節装置1とを有している。
【0058】水受け器71は、平面形状が長方形状であ
って、通水可能でかつ植物栽培用土を阻むよう内部を仕
切る仕切り材74を有している。側壁72は、水受け器
71の外側周囲に設けられている。天板73は、中空の
容器から成って水受け器71の上方で側壁72の上部に
取り付けられている。天板73は、上面に多数の取水孔
75を有し、底面に排水口76を有している。天板73
は、仕切り材74で仕切られた一方側の上方で上下方向
に植物生育用の貫通孔77を有している。水位調節装置
1は、水受け器71の内側底部の仕切り材74で仕切ら
れた他方側に設けられている。水位調節装置1は、注水
口16がフレキシブルチューブ37により排水口76に
接続されている。
【0059】水位調節可能なプランター70は、天板7
3に植物生育用の貫通孔77を有する一方側で、側壁7
2と仕切り材74とで囲まれた水受け器71の上に土を
入れ、植物を植える。植物は、貫通孔77から上方に伸
びるようにする。天板73は、取水孔75から雨水など
を取り入れて内部に貯水する。水位調節装置1は、天板
73の内部の水を排水口76から取り入れてプランター
の内部に供給し、内部の水位を調節する。仕切り材74
は、水位調節装置1が設けられた他方側の水を土を入れ
た一方側に通す。水は、プランター内の植物により利用
される。
【0060】水位調節可能なプランター70は、以下の
特徴を有する。 1.雨水を集積することが出来る。 2.雨水を集積するには、容器が必要である。天板73
は、雨水集積容器となる。 3.天板73には、雨水だけが入って行く。そのため、天
板73に傾斜を設けることが好ましい。 4.容器内にも雨水が入るよう傾斜をつける。 5.天板73には、一定の容積があり、それ以上の容積の
雨水は入らない。 6.それ以上の降水があるときは、貫通孔77の中に雨水
は入る。
【0061】7.植物は、天板73の貫通孔77から植え
る。 8.あるいは、植物を植えた後、天板73の貫通孔77か
ら植物が出るように天板73を被せる。 9.植物を貫通孔77から植える場合に植えやすくするよ
う、貫通孔77は片手がすっぽり入るくらいの幅(10.5
cm)を有している。
【0062】10. 天板73には、(1)強い雨水(土砂
降り)から土壌の流亡を防ぐ、(2)強い雨水(土砂降
り)から土壌の固結化を防ぐ、(3)強い降水の場合、
貫通孔77に入った雨水は、植物の葉などを伝わって入
るため、直接、土壌に強い雨水(土砂降り)の影響が少
なく、土壌の固結化を防げる。
【0063】11. 天板73により、強い熱射(日射)か
ら土壌の表面温度の上昇を抑制することができる。 12. 天板73の下に生育する植物の根は天板73によっ
て保護されるため、マルチング剤(ベークチップなど)
を使用せずに済む。
【0064】13. 天板73の貫通孔77は、現在主流に
なっている草花類の苗木のための大きめの鉢でも入れる
ことができる。 14. 天板73の貫通孔77は、12cmの直径のポット菊
でも少しゆがめれば入れることができる。小さなプラダ
菊であればさらに問題がない。
【0065】18. 土壌中に混入しているおびただしい雑
草の種子は、天板73があるため、鬱閉され発芽できな
い。 19. 天板73の貫通孔77から発芽をはじめる雑草は、
植物が上部に生長しているため日照不足となり、発芽は
したものの光合成が出来にくく、ひ弱となる。 20. 後に土壌中に混入している雑草が隙間をぬって、成
長をはじめても、土壌に固結性がなく膨軟なためすぐに
抜けやすい。 21. 後に飛来した雑草の種子でも同様に抜けやすい。
【0066】22. 天板73に集積された雨水はフレキシ
ブルチューブ37を下り、インナーバルブ(調節コー
ク)を経て、水位調節装置1へと入る。 23. 水位調節装置1は、重力式で水位を調節するもので
ある。 24. 水位調節装置1に入り込んだ雨水は、一定水位で水
の流入を止める。 25. 土壌に吸い込まれた雨水は、植物の根によって植物
内に取り込まれる。なお、雨水の一定の水位と土壌は接
触しており、毛細管現象(キャピラリー)で土壌中に吸
収される。
【0067】26. 植物内に取り込まれた水分は、太陽光
のもと蒸散作用を開始する。 27. 植物にとって最も必要な水分は、水位調節装置1に
よって潤沢に、過不足なく常時必要に応じた配水がされ
るため、植物の大敵の水ストレスがなくなる。 28. 同時に必要とされる液体肥料が流入するために順調
な生育を行うことができる。
【0068】29. 水位調節装置1は、空気(酸素)を同
時に送ることができる装置であるから、水、空気、水、
空気が間断なく繰り返される。配水の繰り返しの周期
は、天候、温度、季節、風の強さ、日照時間、空気中の
湿度、日当たりまたは日陰、植物の種類、植物の成長速
度、植物の大きさ等々、あらゆる環境の条件が異なって
も、1鉢1鉢その必要度に応じたものとなる。このた
め、植物は驚く程良く生長する。
【0069】32. この水位調節可能なプランター70
は、植物生長のための理想的な装置を備えている。この
ため、人の手ではままならなかった花・緑栽培の盲点を
解決でき、植物にとって最善の装置といえる。
【0070】30. 植物は必要以上の根は張らなくて済
み、ルーピング(根が水、養分を求めて伸長を繰り返
し、根鉢の中でグルグル巻きになっていく状態、たとえ
ば、花鉢の花を抜いてみると白い根がびっしり巻き込ん
でいる状態)が起きてこない。 31. このことは、植物の栽培にとって極めて良好な状況
といえる。つまり、植物を植え替えなしで生長させられ
る。 32. このため、地上部分の大きさ、伸長量にくらべて驚
く程根が少なくて済む。必要以上の土を入れなくて済
み、必要以上の鉢の大きさがいらず、価格など経済性お
よび重量、資源から大きな意味がある。
【0071】33. この外側の鉢は残存の粘土と消石灰と
水を混ぜ合わせて、昔の「タタキ」の工法で作ることと
する。 34. 地球環境保全が叫ばれている今、製造する工程でC
O2は吸収されて「タタキ」の中で団結する。このた
め、自然の素材で環境に良い資材を用いて環境に良い植
物を植えるものである。
【0072】35. このプランターは、雨水をいったん貯
留するのであるから、たとえわずかずつであっても都市
型洪水の緩和に繋がることといえる。 36. ヒートアイランド現象がさけばれている今、人工的
舗装の上でも天水(雨水)を利用して無効力で理想的な
緑化ができる。
【0073】37. この装置はあらゆる場所(雨が降る場
所)に設置することができ、もし雨が不足したときだけ
バケツ等で水を注ぐこともできる。 38. この装置はFFC(水溶性二量体鉄塩)によって酸
化しない水に変えることができ、腐敗のしない雨水に変
えられる。
【0074】図14は、本発明の他の実施の形態の水位
調節可能なプランターを示している。水位調節可能なプ
ランター80は、水受け器81と、吸水マット82と、
防根マット83と、排水層84と、保水層85と、種子
86と、日除けマット87とから成っている。
【0075】吸水マット82は、水受け器81の内部の
水を吸水可能に水受け器81の上に配置されている。防
根マット83は、吸水マット82の上に配置されてい
る。排水層84は、防根マット83の上に配置されてい
る。保水層85は、フェルトから成り、排水層84の上
に配置されている。種子86は、セダム類、コケ類の種
子から成り、保水層85の上に配置されている。日除け
マット87は、種子86の上に配置されている。
【0076】水位調節可能なプランター80は、屋根緑
化に必要なセダム類の生産を行うためのものである。近
年、屋上のみならず、傾斜している屋根に緑化すること
の意義がさけばれており、仙台市、東京都、他、地方都
市においても、屋上、もしくは屋根の緑化を義務化し、
さらに補助金を出して緑化の奨励をしている。そこで、
屋根に育って地上では育たない植物、言い換えれば出来
る限り過酷な条件にして、そこでギリギリの状態で生き
長らえる植物、セダム類およびコケ類を屋根の上で生育
させる。仮に雑草が入り込んで発芽をしても屋根の上の
過酷な条件のため、雑草だけは枯死し、より一層乾燥等
に強いセダム類、コケ類だけが生き長らえる条件を屋根
の上に作る。栽培する場合、セダム類、コケ類は、屋根
の上と同じ条件下で、地上で生産することが望ましい。
【0077】この水位調節可能なプランター80は、セ
ダム類等の初期生産に好条件である。従来は、セダム類
を栽培する場合、ハウス内に水位調節可能なプランター
80を設置し、セダム類を播種する。できるだけ屋根と
同じ条件に設定し、つまり乾燥を繰り返す。しかしなが
ら、幼苗のうちは水が必要とされていた。それにもかか
わらず、セダム類に過湿は不向きであり、適度の湿度と
乾燥とを与えるタイミングは、人の手とカンのみが頼り
で自動化できなかった。この水位調節可能なプランター
80は、このような従来の問題点を解決するものであ
る。
【0078】セダム種子を播種することは仮に容易であ
っても、発芽後の維持生長はむずかしい。セダム類はデ
リケートなため、人の手による灌水は特にむずかしい。
水位調節可能なプランター80は、正確に水位調節を行
う水位調節装置1との組み合わせによって人件費の削減
を行うことができる。また、セダム類の順調な生育と共
に、やがて移動する屋根の上の過酷な条件に耐え得る生
命力をはぐくむことができる。さらにFFC(水溶性二
量体鉄塩)を用いれば、強健で、病原体に侵されない苗
床を作ることができる。生育したセダム類の出荷時には
配水層とともに巻いたり畳んだりすることにより出荷を
容易にすることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明に係る水位調節装置、水位調節可
能な水受け器および水位調節可能なプランターによれ
ば、ケースと第1浮きと第2浮きとから簡単に構成して
水位の調節を行うことができ、装置の小型化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の水位調節装置の注水状態
を示す断面図である。
【図2】図1の水位調節装置の注水停止状態を示す断面
図である。
【図3】図1の水位調節装置の注水直前の状態を示す断
面図である。
【図4】図1の水位調節装置の斜視図である。
【図5】図1の水位調節装置の分解斜視図である。
【図6】図1の水位調節装置の分解断面図である。
【図7】図1の水位調節装置の使用状態を示す斜視図で
ある。
【図8】本発明の実施の形態の水位調節可能な水受け器
の斜視図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の水位調節可能な水受
け器の斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態の水位調節可
能な水受け器の斜視図である。
【図11】図10の水位調節可能な水受け器の断面図で
ある。
【図12】本発明の実施の形態の水位調節可能なプラン
ターの断面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態の水位調節可能なプ
ランターの断面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態の水位調節可能なプ
ランターの断面図である。
【符号の説明】
1 水位調節装置 10 ケース 16 注水口 17 通気孔 18 通気口 20 第1浮き 21 レバー 22 浮き部 24 通気用栓 30 第2浮き 31 レバー 32 浮き部 34 注水用栓 40 水位調節可能な水受け器 41 水受け器本体 50 水位調節可能な水受け器 51 水受け器本体 52 吸水マット 60 水位水位調節可能なプランター 61 プランター本体 70 水位水位調節可能なプランター 71 水受け器 72 側壁 73 天板 80 水位水位調節可能なプランター 81 水受け器 82 吸水マット 83 防根マット 84 排水層 85 保水層 86 種子 87 日除けマット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 9/04 A01G 9/04 13/00 302 13/00 302 13/02 13/02 F 27/00 27/00 502S 27/04 502E 27/06 502W 502D 502C Fターム(参考) 2B024 DA03 DB03 DB04 2B027 ND01 QC38 RA02 RA14 RA22 RA25 RC32 UA03 UA08 UA10 UA17 UA27 UA29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケースと、第1浮きと、第2浮きとを有
    し、 前記ケースは側面および上面が気密的に閉じ底面が開放
    しており、注水口および通気孔を有し、側面下部に通気
    口を有し、 前記第1浮きは通気用栓を有して水への浮力および自重
    により上下運動可能に前記ケースの上部に設けられ、前
    記ケース内の水位が所定の第1水位を越えたとき前記通
    気用栓が前記通気孔を開き、前記第1水位以下のとき前
    記通気用栓が前記通気孔を閉じる構成を有し、 前記第2浮きは注水用栓を有して水への浮力および自重
    により上下運動可能に前記ケースの内部に設けられ、前
    記ケース内の水位が前記第1水位より高い所定の第2水
    位を越えたとき前記注水用栓は前記注水口を塞ぎ、前記
    ケース内が減圧状態のとき前記注水用栓は前記注水口を
    塞いだ状態を維持し、水位が前記通気口を大気に連通さ
    せる状態のとき前記注水用栓が前記注水口を開く構成を
    有することを、 特徴とする水位調節装置。
  2. 【請求項2】前記ケースは、側面に前記注水口を有し、
    上面に前記通気孔を有し、 前記第1浮きは前記ケースの上部に上下方向に揺動可能
    に設けられ、 前記第2浮きは前記ケースの内部に上下方向に揺動可能
    に設けられていることを、 特徴とする請求項1記載の水位調節装置。
  3. 【請求項3】水受け器本体と、請求項1記載の水位調節
    装置とを有し、 前記水受け器本体は上部にプランターの取付け部を有
    し、 前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底部に設け
    られていることを、 特徴とする水位調節可能な水受け器。
  4. 【請求項4】水受け器本体と、吸水マットと、請求項1
    記載の水位調節装置とを有し、 前記水受け器本体は溝を有する上面を有し、 前記吸水マットは前記水受け器本体の上面に配置され、
    前記水受け器本体の内部に前記溝から挿入される吸水部
    を有し、 前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底部に設け
    られていることを、 特徴とする水位調節可能な水受け器。
  5. 【請求項5】さらに植木鉢を有し、前記植木鉢は通気性
    が良好な不織布から成って前記吸水マットの上に設置さ
    れることを、特徴とする請求項4記載の水位調節可能な
    水受け器。
  6. 【請求項6】プランター本体と、請求項1記載の水位調
    節装置とを有し、 前記プランター本体は側面に壁面への取付け部を有し、 前記水位調節装置は前記プランター本体の内側底部に設
    けられていることを、 特徴とする水位調節可能なプランター。
  7. 【請求項7】水受け器と、側壁と、天板と、請求項1記
    載の水位調節装置とを有し、 前記水受け器は通水可能でかつ植物栽培用土を阻むよう
    内部を仕切る仕切り材を有し、 前記側壁は前記水受け器の外側周囲に設けられ、 前記天板は中空の容器から成って前記水受け器の上方で
    前記側壁の上部に取り付けられ、上面に取水孔を有し、
    側面または底面に排水口を有し、前記仕切り材で仕切ら
    れた一方側の上方で上下方向に植物生育用の貫通孔を有
    し、 前記水位調節装置は、前記水受け器の内側底部の前記仕
    切り材で仕切られた他方側に設けられ、前記注水口が前
    記排水口に接続されていることを、 特徴とする水位調節可能なプランター。
  8. 【請求項8】水受け器と、 前記水受け器の内部の水を吸水可能に前記水受け器の上
    に配置された吸水マットと、 前記吸水マットの上に配置された防根マットと、 前記防根マットの上に配置された排水層と、 前記排水層の上に配置された保水層と、 前記保水層の上に配置された種子と、 前記種子の上に配置された日除けマットと、 前記水受け器の中に配置された請求項1記載の水位調節
    装置とを、 有することを特徴とする水位調節可能なプランター。
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