JP2002343425A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP2002343425A
JP2002343425A JP2001149645A JP2001149645A JP2002343425A JP 2002343425 A JP2002343425 A JP 2002343425A JP 2001149645 A JP2001149645 A JP 2001149645A JP 2001149645 A JP2001149645 A JP 2001149645A JP 2002343425 A JP2002343425 A JP 2002343425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium secondary
secondary battery
battery
electrolyte
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001149645A
Other languages
English (en)
Inventor
Fusayoshi Miura
房美 三浦
Toru Saeki
徹 佐伯
Akio Ito
明生 伊藤
Hiroshi Arakawa
洋 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001149645A priority Critical patent/JP2002343425A/ja
Publication of JP2002343425A publication Critical patent/JP2002343425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過充電の際の安全性に優れたリチウム二次電
池を提供する。 【解決手段】 正極と負極とを多孔質セパレータを介装
して積層した電極体と、電解質を有機溶媒に溶解した非
水電解液と、その電極体およびその非水電解液を収納す
る電池ケースとを備えてなるリチウム二次電池を、非水
電解液の電解質がLiClO4とそれ以外の第2のリチ
ウム塩とからなるように構成する。LiClO4に起因
する発熱により、過充電初期の段階でセパレータが軟化
閉塞して充電電流がシャットダウンされることになり、
その後の急激な連鎖反応による温度上昇を回避して過充
電状態の沈静化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムの吸蔵・放
出現象を利用したリチウム二次電池、詳しくは過充電安
全性に優れたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の
小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、こ
れらの機器に用いる電源として、高エネルギー密度であ
るという理由から、リチウム二次電池が実用化され広く
普及するに至っている。また一方で、自動車の分野にお
いても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急
がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウ
ム二次電池が検討されている。
【0003】ところが、リチウム二次電池は、構成要素
となる電解液に有機溶媒を用いた非水電解液を用いるこ
とから、その安全性には充分な配慮が必要となる。特
に、過充電状態に陥る場合、過充電反応による電解液分
解に伴う内部圧の上昇といった現象を引き起こし、さら
には、連鎖的な発熱反応による温度上昇といった現象に
至ることから、過充電状態における安全性の高いリチウ
ム二次電池が切望されている。
【0004】リチウム二次電池の安全性向上のための技
術として、電池ケースに安全弁を設置することはよく知
られた技術である。この安全弁は、電池内部圧力が所定
の圧力に達した際、内部ガスを開放するというものであ
り、安全性の向上に一定の効果を発揮する。しかしなが
ら、過充電電流が大きい等、過充電条件によっては、安
全弁が開放した後でも電池の温度上昇は進行し続け、急
激な連鎖反応によりさらなる温度上昇に陥る可能性は残
されている。
【0005】リチウム二次電池は、一般に、正極と負極
との間にポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質セパ
レータを有しており、ある温度以上でその微多孔が閉塞
し回路電流を遮断するというシャットダウン性能が備わ
っている。しかし、過充電状態において電池の温度は、
セパレータによるシャットダウンの後もオーバーシュー
トすることから、シャットダウンの時期が遅れる場合
は、温度上昇はさらに継続する。そして、遂には、セパ
レータが溶融してその形状を保持できずに正極と負極と
が直接接触する現象、非水電解液の減少といった現象等
が生じることになる。これらの現象が急激な連鎖反応を
引き起こし、さらなる温度上昇にリチウム二次電池を陥
れることになる。
【0006】一方、過充電状態の初期の段階では、正極
活物質表面において電解液が分解しガスが発生すること
が知られている。そこで、特開平4−345770号公
報に記載されているように、正極内にLi2CO3等を添
加し、安全性の高いCO2ガスを発生させ、過充電早期
に内部圧の上昇を助長して安全弁を開放させ、その後の
過充電反応の沈静化を図ろうとする技術も検討されてい
る。
【0007】ところが、Li2CO3等は、充放電反応に
寄与するものではないことから、このような物質を正極
内に添加することは、電池の容量を低下させることにな
り、高エネルギー密度であるというリチウム二次電池の
利点を失わせることになってしまう。また、Li2CO3
の分解は、所定の電池電圧で生じるものの、正極活物質
の種類、過充電条件等によってはその分解前に過充電反
応を生じる場合もあり、依然として問題を残すものとな
っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、リチウム
二次電池の過充電状態における挙動について研究し、幾
多の実験を経て、ある知見を得た。その知見は、過充電
状態の初期に適切な温度上昇を誘発させ、セパレータに
よるシャットダウンを早めに引き起こせば、その後の電
池温度のオーバーシュートを抑制することができ、急激
な連鎖反応による温度上昇を回避して過充電状態のリチ
ウム二次電池を沈静化できるというものである。本発明
は、その知見に基づいてなされたものであり、過充電の
際の安全性に優れたリチウム二次電池を提供することを
課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池は、正極と負極とを多孔質セパレータを介装して積層
した電極体と、電解質を有機溶媒に溶解した非水電解液
と、該電極体および該非水電解液を収納する電池ケース
とを備えてなるリチウム二次電池であって、前記非水電
解液の電解質は、LiClO4とそれ以外の第2のリチ
ウム塩とからなることを特徴とする。
【0010】非水電解液の電解質となるLiClO
4は、酸化力が強く、発熱性が高いという特性を有す
る。この特性が欠点となって、現在のリチウム二次電池
では、積極的に電解質として用いることは行われていな
い。また、保存特性等の電池特性に対しても悪影響を及
ぼすといった点も、その理由の一つである。本発明のリ
チウム二次電池では、このLiClO4の発熱性を積極
的に利用するものであり、過充電状態の初期に発熱させ
ることで、セパレータによるシャットダウンの時期を早
め、その後の急激な連鎖反応による温度上昇を回避して
過充電反応を沈静化することを可能とし、リチウム二次
電池の過充電安全性を高めている。以下に、本発明のリ
チウム二次電池の過充電時における作用について、さら
に詳しく説明する。
【0011】過充電とは、設定した電池上限電圧を超え
てさらに充電することを意味し、過充電状態では、電解
質の分解、有機溶媒の分解、負極表面へのLiの析出、
正極と非水電解液とが反応することによる熱分解、負極
と非水電解液とが反応することによる熱分解等の様々な
反応を生じ、過充電反応は、これらの反応の総和となっ
て現出する。また、これらの反応、特に非水電解液の分
解反応は、ガスの発生を伴うものであり、電池の内部圧
力は上昇するとともに、非水電解液は減少する。さら
に、これらの反応の殆どは発熱反応であるため、電池の
温度は上昇することになる。
【0012】一方、リチウム二次電池には一般に安全弁
が設けられており、所定の圧力に達した際、安全弁が開
弁して内部圧を開放し、過充電の際の安全性をある程度
確保するように作用する。また、非水電解液の減少は、
以後の過充電反応の抑制するように作用する。そしてま
た、リチウム二次電池は、一般に、正極と負極との間に
ポリエチレン、ポロプロピレン等の多孔質セパレータが
介在しており、温度上昇に伴って、このセパレータが軟
化しその微多孔が閉塞し、それ以上の過充電反応をシャ
ットダウンするようにも作用する。このように、リチウ
ム二次電池は、過充電反応を自己抑制する機能をも併せ
持っている。
【0013】充電電流が小さい等の比較的穏やかな過充
電条件においては、これらリチウム二次電池の持つ自己
抑制作用により、過充電状態のリチウム二次電池は沈静
化し、電池温度は徐々に低下し、連鎖反応による温度上
昇に至るのを回避するようになっている。しかし、充電
電流が大きい等の過酷な充電条件下においては、単位時
間あたりの発熱量は著しく、上記自己抑制作用をもって
しても電池の温度上昇抑えられない。また、逆に電解液
の減少、セパレータの閉塞等といった現象に伴う内部抵
抗の増加による抵抗発熱が放熱をまさり、電池の温度を
上昇させる要因ともなる。このようなリチウム二次電池
の温度上昇は、遂には、非水電解液の酸化反応を引き起
こし、また、場合によっては電池ケースの変形等の悪影
響をリチウム二次電池に与える。そして、温度上昇が急
激であり、一気に連鎖反応を引き起こすような場合に
は、電池ケースの変形はきわめて著しいものとなる。し
たがって、このような急激な連鎖反応による温度上昇を
回避することが、リチウム二次電池の安全性向上には極
めて有効である。
【0014】上述したそれぞれの過充電反応は電池電圧
等に依存しており、過充電開始からの異なる時期に発生
する。つまり、例えば一定の電流で過充電されるような
場合には、個別の反応が順次発生することになる。いく
つかの反応が発生する前に、いずれかの反応による発熱
を優先させれば、セパレータの軟化によるシャットダウ
ンが早期に行われ、以後の他の反応の発生が回避あるい
は抑制されることになる。本発明のリチウム二次電池
は、電解質にLiClO4を含んでおり、このLiCl
4が、過充電の比較的早い段階でリチウム二次電池を
発熱させることになる。この発熱は、LiClO4のC
lO4 -アニオンの耐酸化性が他の電解質のアニオンの耐
酸化性より低く、電解液の分解反応を加速させる触媒作
用を有することによるものである。
【0015】したがって、繰り返すが、電解質にLiC
lO4を含む本発明のリチウム二次電池では、上述した
ように、過充電初期に優先的にLiClO4に起因する
発熱を生じ、いち早くセパレータによるシャットダウン
機能が発揮されることになる。したがって、その後の急
激な連鎖反応による温度上昇を回避させることが可能で
あり、過充電反応の充分なる沈静化が達成され、過充電
安全性の高いものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のリチウム二次電
池の実施形態について説明する。本発明のリチウム二次
電池は、非水電解液を特徴部とするため、便宜的に、非
水電解液と、他の構成要素とに分けてそれぞれ説明す
る。
【0017】〈非水電解液〉非水電解液は、電解質を有
機溶媒に溶解してなる。有機溶媒は、特に限定するもの
ではなく、通常用いられる非プロトン性の有機溶媒を用
いればよい。例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネ
ート、環状エステル、環状エーテルあるいは鎖状エーテ
ル等の1種または2種以上からなる混合溶媒を用いるこ
とができる。環状カーボネートの例示としてはエチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、ビニレンカーボネート等が、鎖状カーボネー
トの例示としてはジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネート等が、環状エステ
ルの例示としてはガンマブチロラクトン、ガンマバレロ
ラクトン等が、環状エーテルの例示としてはテトラヒド
ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が、鎖状エ
ーテルの例示としてはジメトキシエタン、エチレングリ
コールジメチルエーテル等がそれぞれ挙げられる。これ
らのもののうちいずれか1種を単独で用いることも、ま
た2種以上を混合させて用いることもできる。
【0018】溶解させる電解質は、LiClO4とそれ
以外の第2のリチウム塩とからなる。LiClO4は、
上述したように、過充電時の安全性を担保する目的で用
いる。第2のリチウム塩は、特に限定するものではな
く、それ以外の一般的に用いられるリチウム塩を用いれ
ばよい。例えば、LiBF4、LiPF6、LiCF3
3、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN
(C25SO22等が挙げられる。第2のリチウム塩と
して、これらをそれぞれ単独で用いてもよく、また、こ
れらのもののうち2種以上のものを併用することもでき
る。さらに、非水電解液は、ラジカル補足剤、界面活性
剤や難燃剤などを含んでいてもよい。
【0019】なお、上記列挙したリチウム塩のうち、第
2のリチウム塩は、LiBF4およびLiPF6の少なく
とも1種以上であることが望ましい。LiBF4には、
吸湿性が低いため取扱い易い、水分との反応速度が小さ
いため電池性能を低下させるHFを生成させ難いといっ
た利点があり、また、LiPF6には、比較的電気伝導
率が高く、内部抵抗の小さな電池を製造することができ
るという利点があることから、これらの少なくとも1種
を用いることにより、本発明のリチウム二次電池は、高
特性なリチウム電池となる。
【0020】非水電解液中の電解質の濃度は、LiCl
4と第2のリチウム塩との合計濃度は、0.5〜1.
5Mとするのが望ましい。この濃度範囲において、Li
ClO4と第2のリチウム塩とのモル比率が、1:9〜
9:1となるようにすることが望ましい。LiClO4
の割合が上記範囲よりも小さい場合は、充分な過充電安
全性を確保することが困難である。逆に、LiClO4
の割合が上記範囲よりも大きい場合は、過充電安全性以
外の電池特性が低下することになり、実用的でなくなる
可能性が生じる。なお、後に紹介する実験で確かめられ
たことであるが、電解質をLiClO4のみとする非水
電解液を用いたリチウム二次電池では、セパレータによ
るシャットダウンまでの時間が長くなってしてしまい、
過充電安全性を高める効果が充分に得られないことが確
認された。この理由は現状では確かめられていない。
【0021】なお、過充電安全性を優先させてリチウム
二次電池を設計する場合は、LiClO4の割合を高く
することが望ましく、具体的には電解質全体を1とした
場合にモル比率で0.5以上とすることが望ましい。逆
に、他の特性、例えば保存特性、入出力特性等を良好に
保つことを優先させて設計する場合は、LiClO4
割合を小さくすることが望ましく、具体的には、モル比
率で0.5以下とすることが望ましい。
【0022】〈他の構成要素〉正極と負極とを多孔質セ
パレータを介装して積層した電極体と、電解質を有機溶
媒に溶解した非水電解液と、その電極体およびその非水
電解液を収納する電池ケースとを備えてなる。以下、こ
れらの構成要素について説明する。
【0023】正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離でき
る正極活物質となるリチウム遷移金属複合酸化物に導電
材および結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト
状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製
の集電体表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高
めるべく圧縮して形成することができる。
【0024】リチウム遷移金属複合酸化物は、4V級の
電池が構成できるものとして、基本組成をLiCo
2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24等とす
るリチウム遷移金属複合酸化物の粉状体を用いることが
望ましい。さらに、この中でも、基本組成をLiNiO
2とする層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物は、
Coを中心金属としたリチウム遷移金属複合酸化物に比
較して、安価でありまた容量のより大きな二次電池を構
成できる点で優れている。なお、「基本組成をLiNi
2とする」とは、組成式LiNiO2で表される正規組
成のものの他、Niサイトの一部をCo、Mn等で置換
したものや、また、熱的安定性を高めるためAl等で置
換したもの、Liで置換したもの等、他元素置換タイプ
のものをも含むことを意味する。さらに、製造過程で不
可避的に生じる不純物を含むものや、化学量論組成から
若干外れるものを排除することを意味しない。
【0025】なお、基本組成をLiMnO2とする層状
構造リチウムマンガン複合酸化物、基本組成をLiMn
24とするスピネル構造リチウムマンガン複合酸化物
は、原料コストが他のものと比べて安いという利点があ
り、また、基本組成をLiCoO2とする層状岩塩構造
リチウムコバルト複合酸化物は、安定性に優れサイクル
特性の良好なリチウム二次電池を構成できるという利点
を有する。したがって、目的とするリチウム二次電池に
応じて適切なものを選択すればよい。なお、「基本組
成」の意味については、上記リチウムニッケル複合酸化
物の場合と同様に解釈する。
【0026】導電材は、正極の電気伝導性を確保するた
めのものであり、例えば、カーボンブラック、アセチレ
ンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以
上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活
物質粒子を繋ぎ止める役割を果たすもので、例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フ
ッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。これら
活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、N
−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることが
できる。
【0027】負極には、金属リチウム、リチウム合金等
が使用できる。ただし、金属リチウム等はデンドライト
の析出という問題があるため、これらに代えて、正極同
様、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に結
着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負
極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布乾燥し、必
要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成すること
ができる。この場合、負極活物質として、例えば、天然
黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成
体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができ
る。この場合、負極結着剤としては、正極同様、ポリフ
ッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を、これら活物質お
よび結着剤を分散させる溶剤としてはN−メチル−2−
ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0028】正極と負極との間に介装するセパレータ
は、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであ
り、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等
の薄い微多孔膜を用いることができる。PE、PP等は
それぞれ軟化してシャットダウンに至る温度が異なり、
設定するシャットダウン温度に応じ適切なものを使用す
ればよい。なお、PEとPPとを重ねあわせるあるいは
PEをPPで挟むといった多層構造のセパレータを用い
てもよい。
【0029】以上のものから構成される本発明のリチウ
ム二次電池であるが、その形状は円筒型、積層型等、種
々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合
であっても、正極と負極との間にセパレータを介装し、
これらを重畳あるいは捲回することによって、正極と負
極とが積層した電極体を形成させる。正極集電体および
負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子ま
での間を集電用リード等を用いて接続し、その電極体を
非水電解液とともに電池ケースに収納し、電池ケースを
密閉して電池を完成することができる。なお、電池ケー
スの材質、形状等は特に限定するものではなく、通常用
いられる材質のものであって、目的に応じた形状等とす
ればよい。
【0030】本発明のリチウム二次電池では、過充電時
の安全性を高めることを目的としていることから、電池
の内部圧が所定圧に達したときにその内部圧を開放する
ための安全弁を電池ケースに設けることが望ましい。ま
た、PTC素子、温度ヒューズ等、二次電池の温度度上
昇を検知して所定の温度に達したときに電流を制限する
等の機能を果たす他の手段を併用し、過充電時の安全性
をより充分に確保することもできる。
【0031】〈他の実施形態の許容〉以上、本発明のリ
チウム二次電の実施形態について説明したが、上述した
実施形態は一実施形態にすぎず、本発明のリチウム二次
電池は、上記実施形態を始めとして、当業者の知識に基
づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施する
ことができる。
【0032】
【実施例】本発明のリチウム二次電池の過充電安全性を
確認するために、各種の実験を行った。以下にこれらに
ついて説明する。
【0033】〈実施例1;電解質中にLiClO4が存
在することによる効果の確認〉正極活物質の種類を種々
変更したのリチウム二次電池を作製し、それぞれについ
て、非水電解液の電解質としてLiClO4が存在する
ものとそうでないものとの間で過充電安全性に差異があ
ることを確認した。
【0034】(1)作製したリチウム二次電池 作製したリチウム二次電池の構造を図1を用いて説明す
る。作製したリチウム二次電池は電極を捲回したロール
状の電極体を、非水電解液とともに円筒型の電池ケース
に収納したリチウム二次電池である。図1はその断面を
示している。
【0035】本リチウム二次電池1は、電極体10と、
電極体10を非水電解液とともに密封する電池ケース2
0と、電池容器20に付設され電極体10に導通する正
極端子30および負極端子40とから構成されている。
電極体10は、シート状の正極11とシート状の負極1
2とをセパレータ13を挟装し捲回芯14を中心に捲回
したロール状のものとなっている。
【0036】正極11は、まず、正極活物質(詳細は後
述)90重量部に対して、導電材としてカーボンブラッ
クを5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5
重量部混合し、溶剤として適量のN−メチル−2−ピロ
リドンを添加し、これらを充分に混練してペースト状の
正極合材を調製し、次いで、この正極合材を厚さ15μ
mのアルミニウム箔集電体の両面に塗布し、乾燥し、正
極合材密度を高めるべくプレスして作製したものであ
る。正極11は、その厚さを75μmとし、その大きさ
を、124mm×3100mmとした。
【0037】負極12は、負極活物質に黒鉛化メソフェ
ーズ小球体(MCMB)を採用し、まず、このMCMB
の95重量部に対して、結着剤としてポリフッ化ビニリ
デンを5重量部混合し、溶剤として適量のN−メチル−
2−ピロリドンを添加し、これらを充分に混練してペー
スト状の負極合材を調製し、次いで、この負極合材を厚
さ10μmの銅箔集電体の両面に塗布し、乾燥し、負極
合材密度を高めるべくプレスして作製したものである。
負極12は、その厚さを83μmとし、その大きさを、
130mm×3200mmとした。
【0038】セパレータ13は、多孔質ポリエチレン製
のシートで、その厚さを25μmとし、その大きさを、
136mm×3400mmとし、それを2枚用いた。捲
回芯14は、正極端子側に位置するアルミニウム合金製
のアルミ捲回芯部14aと、アルミ捲回芯部14aに同
軸的に螺合連結され負極端子側に位置する樹脂製の樹脂
捲回芯部14bとからなる。
【0039】この捲回芯14に上記正極11および負極
12をその間にセパレータ13を挟装して捲回して作製
された電極体10は、捲回時に正極11と負極12とに
それぞれアルミニウム箔製の正極リード11aおよび銅
箔製の負極リード12aが付設され、それらのリード1
1a、12aは、電極体10のそれぞれの捲回端部から
延出している。
【0040】電池ケース20は、アルミニウム合金製の
円筒状の外装缶21と、外装缶21の両開口端にそれぞ
れ接合されるアルミニウム合金製の円盤状の正極側蓋板
22および負極側蓋板23とからなる。外装缶21の板
厚は1.5mmであり、その外径は33mm、長さは1
70mmとした。正極側蓋板22、負極側蓋板23は、
板厚が1.5mmであり、外装缶21の内径に略等しい
外径の円盤形状を成している。なお、外装缶21と正極
側蓋板22、負極側蓋板23との接合は、図のAの箇所
を全周レーザー溶接することによって行われている。
【0041】正極側蓋板22および負極側蓋板23には
それぞれ電池ケース20の内部圧力が2MPaを超える
場合に開弁する安全弁24が付設されており(正極側は
図示していない)、また、負極側蓋板23には、さらに
電解液注入口25が設けられ、電解液注入口25を封口
する注入孔栓26が螺合して取付けられている。
【0042】正極端子30は、アルミニウム合金製で、
集電部30aと、ボルト状の外部端子部30bとからな
り、集電部30aは、捲回芯14のアルミ捲回芯部14
aに螺合連結され、また、外部端子部30bは、先端を
電池外部に突出する状態で電池ケース20の正極側蓋板
22に設けられた正極端子取付穴22aに、ガスケット
(PTFE製)31を介し、ワッシャ32、ナット33
によって付設されており、電池ケース20とは絶縁が保
たれている。集電部30aには電極体10より延出する
帯状の正極リード11aがその周囲に接合され、正極端
子30と正極11との電気的導通が確保されている。
【0043】負極端子40は、銅合金製で、集電部40
aと、ボルト状の外部端子部40bとからなり、集電部
40aは、捲回芯14の樹脂捲回芯部14bに螺合連結
され、また、外部端子部40bは、先端を電池外部に突
出する状態で電池ケース20の負極側蓋板23に設けら
れた負極端子取付穴23aに、ガスケット(PTFE
製)41を介し、ワッシャ42、ナット43によって付
設されており、電池ケース20とは絶縁が保たれてい
る。集電部40aには電極体10より延出する帯状の負
極リード12aがその周囲に接合され、負極端子40と
負極12との電気的導通が確保されている。
【0044】注液する非水電解液は、エチレンカーボネ
ーとジエチルカーボネートとを体積比で3:7に混合し
た混合有機溶媒に、所定の電解質を所定の濃度で溶解し
たものを用いた(詳細は後述)。非水電解液の注液量
は、70ccとした。
【0045】正極活物質に、組成式LiMn24で表さ
れるスピネル構造リチウムマンガン複合酸化物、組成式
LiCoO2で表される層状岩塩構造リチウムコバルト
複合酸化物、組成式LiNi0.8Co0.15Al0.052
表される層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物の3
種類のリチウム遷移金属複合酸化物を採用した。また、
電解質としてLiClO4とLiBF4とをモル比で0.
2:1に配合し、両者の合計で1.2Mの濃度となるよ
うに溶解した非水電解液(非水電解液A)と、電解質と
してLiBF4のみを1.2Mの濃度となるように溶解
した非水電解液(非水電解液B)の2つの非水電解液を
調製した。
【0046】そして、上記正極活物質と上記非水電解液
とをそれぞれ組み合わせて6種類のリチウム二次電池を
作製した。正極活物質と非水電解液との組み合わせがL
iMn24と非水電解液Aとからなるものを#A1のリ
チウム二次電池とし、同様に、LiCoO2と非水電解
液Aとからなるものを#A2のリチウム二次電池と、L
iNi0.8Co0.15Al0.052と非水電解液Aとからな
るものを#A3のリチウム二次電池と、LiMn24
非水電解液Bとからなるものを#B1のリチウム二次電
池と、LiCoO2と非水電解液Bとからなるものを#
B2のリチウム二次電池と、LiNi0.8Co0.15Al
0.052と非水電解液Bとからなるものを#B3のリチ
ウム二次電池とした。さらに、ガス発生剤としてLi2
CO3を正極活物質に添加し(重量比でLiNi0.8Co
0.15Al0.052:Li2CO3=9:1となるような混
合物を正極活物質とする)、非水電解液Bと組み合わせ
たリチウム二次電池をも作製し、これを#B4のリチウ
ム二次電池とした。
【0047】(2)過充電試験 上記それぞれのリチウム二次電池に対して初期充放電試
験を行い、それぞれのリチウム二次電池の放電容量を測
定した。初期充放電の条件は、上限電圧4.2Vまで7
Aの定電流で充電し、下限電圧3.0Vまで3Aの定電
流で放電するものとした。さらに、それぞれのリチウム
二次電池の1kHzの交流抵抗を測定した。
【0048】次いで、それぞれのリチウム二次電池を、
上限電圧4.2Vまで10Aの電流で定電流充電しさら
にその電圧で通算充電時間が2.5時間となる定電圧充
電を行って、満充電状態とした。そしてさらに、電池電
圧、電池内部温度、充電電流をモニターしながら、10
Aの定電流で過充電を行った。この過充電において、電
池ケースの変形の有無によって過充電安全性を評価し
た。
【0049】上記試験の結果として、それぞれのリチウ
ム二次電池の放電容量、交流抵抗値、電池ケースの変形
の有無を、用いた正極活物質の種類および非水電解液の
電解質と併せて、下記表1に示す。なお、上記過充電試
験は、それぞれのリチウム二次電池について2個行った
が、それぞれ2個とも同じ結果となった。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1に示した電池ケースの変形の有無
から明らかなように、#A1〜#A3のいずれのリチウ
ム二次電池も、過充電反応が沈静化し、電池ケースの変
形は発生していない。これに対して、#B1〜#B3の
リチウム二次電池は、過充電反応が急激な連鎖反応にま
で至った結果、電池ケースは変形している。したがっ
て、LiClO4を電解質として添加した本発明のリチ
ウム二次電池は、過充電時の安全性に優れたリチウム二
次電池であることが確認できる。3種の正極活物質のい
ずれを用いたリチウム二次電池についても、同じ結果と
なっており、いずれの種類の正極活物質を用いたリチウ
ム二次電池にも、LiClO4の添加の効果が充分に得
られることが確認できる。
【0052】なお、正極活物質にLi2CO3を添加した
#B4のリチウム二次電池も、過充電試験により電池ケ
ースの変形が発生しており、Li2CO3の添加では、充
分な過充電安全性は確保できないことが判る。さらに、
同じリチウムニッケル複合酸化物を使用する#B3のリ
チウム二次電池と比較して、放電容量は低下しており、
また、電池の内部抵抗も増加していることから、正極活
物質へのLi2CO3の添加は、悪影響のみが目立つ結果
となった。
【0053】過充電時のリチウム二次電池の挙動を調べ
るべくモニターした電池電圧、電池内部温度、充電電流
の変化を、その代表的として、#A1および#B1のリ
チウム二次電池のものについて、図2に示す。
【0054】図2から解るように、#A1のリチウム二
次電池では、過充電の初期の段階でいち早く電池内部温
度が上昇を始める。この温度上昇は、電解質として添加
したLiClO4に起因するものある。そして、その温
度上昇に伴いセパレータの軟化によるシャットダウンが
生じ、充電電流は減少するとともに電池電圧は電源電圧
と同電圧まで上昇し、過充電反応は停止する。その結
果、電池内部温度は次第に降下して、リチウム二次電池
の過充電状態は沈静化することになった。
【0055】これに対して、#B1のリチウム二次電池
では、電池内部温度の上昇は過充電初期では緩やかであ
り、セパレータによるシャットダウンが初期の段階で起
こらない。シャットダウンに至る温度になるのはかなり
時間が経過してからであり、シャットダウン後にはオー
バーシュートにより、セパレータの溶融破膜温度にまで
一気に上昇する。したがって、充電電流の遮断は観測さ
れず、電池電圧も正負極が短絡した後のIRドロップに
基づく電圧変動が認められるに過ぎない。過充電反応は
急激な連鎖反応であり、セパレータが溶融して正負極が
短絡に至った際には、非水電解液の急激な酸化により瞬
発的な温度上昇となり、その結果、電池ケースの変形を
生じることになる。
【0056】以上のように、電解質中のLiClO4
存在の有無により、過充電時のリチウム二次電池の挙動
が異なることが確認でき、この結果は、電解質にLiC
lO 4の存在する本発明のリチウム二次電池が過充電時
の安全性に優れるものであることを、充分に裏付けてい
る。
【0057】〈実施例2;LiClO4のモル比率の適
正範囲の確認〉電解質におけるLiClO4の割合、つ
まりLiClO4と第2のリチウム塩とのモル比率の適
正範囲を確認すべく、LiClO4のモル比率を種々変
更したリチウム二次電池を作製し、それらに過充電試験
を行った。
【0058】(1)作製したリチウム二次電池 正極活物質に上記組成式LiNi0.8Co0.15Al0.05
2で表される層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化
物を用い、負極活物質に上記MCMBを用い、上記実施
例1の#A3のリチウム二次電池と同様な構成の正極お
よび負極を作製した。上記実施例1の場合と異なるの
は、正極および負極の大きさであり、本実施例の場合
は、正極を54mm×100mm、負極を56mm×1
20mmとした。これらに介装するセパレータは上記実
施例1の場合と同じものであり、その大きさは、58m
m×240mmとした。これらを捲回して電極体を形成
した。この電極体を非水電解液(後述)とともにφ15
mm×120mmのSUS304製円筒型電池ケースに
収納して、放電容量が約110mAhとなる小型円筒電
池を作製した。ちなみに、電池ケースには圧力ゲージを
付設しており、電池内部圧力を測定可能となっている。
【0059】非水電解液は、その有機溶媒にエチレンカ
ーボネーとジエチルカーボネートとを体積比で3:7に
混合した混合有機溶媒を用い、この混合有機溶媒に所定
の電解質を1Mの濃度(電解質の総濃度)で溶解したも
のを用いた。電解質はLiClO4と第2のリチウム塩
としてのLiBF4との混合系であり、LiBF4:Li
ClO4がモル比でそれぞれ、100:0、90:1
0、75:25、50:50、25:75、10:9
0、0:100となる7種の非水電解液を調製し、これ
らをそれぞれ10mL注入して7種のリチウム二次電池
を作製するものとした。
【0060】(2)過充電試験 上記作製したそれぞれのリチウム二次電池に対して過充
電試験を行った。過充電試験の条件は、満充電状態のリ
チウム二次電池に1.1A(10C)の定電流でさらに
充電を続行するものとし、セパレータによるシャットダ
ウン(電流遮断)が起こるまでの時間を測定するととも
に、シャットダウンが起こった時点での電池内部圧力を
測定した。この過充電試験の結果として、図3に、電解
質中のLiClO4の割合とシャットダウン時間および
シャットダウン時の電池内部圧力との関係を示す。
【0061】図3から判るように、LiClO4の割合
が0.9までは、その割合が大きくなるにつれて、シャ
ットダウン時間が短くなることが確認できる。また、シ
ャットダウン時の電池内部圧力は、LiClO4の割合
が大きくなるほど小さくなることが確認できる。この結
果から、LiClO4の添加量を大きくするほど、安全
性の高いリチウム二次電池となることが確認できる。な
お、電解質をLiClO4のみとするリチウム二次電池
においてシャットダウン時間が長くなることの理由は定
かではないが、おそらく、混合電解質の電池では、Li
ClO4のみを電解質とする電池よりも過充電初期の発
熱速度が増し、シャットダウン時間が短くなる相乗効果
を発現したものと思われる。すなわち、見かけ上、Li
ClO4のみからなる電解質の電池のシャットダウン時
間が長くなったためであろうと考える。
【0062】〈実施例3;第2のリチウム塩の変更にお
ける効果の確認〉電解質中の第2のリチウム塩を変更し
たリチウム二次電池をも作製し、第2のリチウム塩の種
類による過充電安全性の差異を調査した。
【0063】(1)作製したリチウム二次電池 上記実施例2の場合と、非水電解液のみ異なるリチウム
二次電池を作製した。非水電解液は、その有機溶媒にエ
チレンカーボネーとジエチルカーボネートとを体積比で
3:7に混合した混合有機溶媒を用い、この混合有機溶
媒に所定の電解質を1Mの濃度(電解質の総濃度)で溶
解したものである。第2のリチウム塩としてLiPF6
を選択し、このLiPF6とLiClO4とをモル比で
1:1となる電解質を用いたリチウム二次電池を#C1
のリチウム二次電池とし、第2のリチウム塩としてLi
BF4を選択し、このLiBF4とLiClO4とをモル
比で1:1となる電解質を用いたリチウム二次電池を#
C2のリチウム二次電池とした。さらに、LiPF6
みを電解質とするリチウム二次電池を#D1のリチウム
二次電池と、LiBF4のみを電解質とするリチウム二
次電池を#D2のリチウム二次電池とした。
【0064】(2)過充電試験 上記それぞれのリチウム二次電池に対して、過充電試験
を行った。過充電試験の条件は、満充電状態のリチウム
二次電池に1.1A(10C)のパルス電流(5秒間
1.1Aの電流を流し、20秒間休止することを繰り返
す)でさらに充電を続行するものとし、セパレータによ
るシャットダウン(電流遮断)が起こるまでの時間を測
定するとともに、シャットダウンが起こった時点での電
池内部圧力を測定した。なお、過充電の上限電池電圧を
22Vに設定し、その電圧で過充電を打ち切ることとし
た。この過充電試験の結果として、下記表2に、それぞ
れのリチウム二次電池のシャットダウン時間およびシャ
ットダウン時の電池内部圧力を示す。
【0065】
【表2】
【0066】上記表2から判るように、電解質に第2の
リチウム塩としてLiPF6を含む#C1のリチウム二
次電池とLiPF6のみを電解質とする#D1のリチウ
ム二次電池とを比較すれば、LiClO4を含む#C1
のリチウム二次電池の方が、シャットダウン時間が短
く、また、その時点での電池内部圧力も低くなってい
る。同様に、電解質に第2のリチウム塩としてLiBF
4を含む#C2のリチウム二次電池とLiBF4のみを電
解質とする#D2のリチウム二次電池とを比較すれば、
LiClO4を含む#C2のリチウム二次電池の方が、
シャットダウン時間が短く、また、その時点での電池内
部圧力も低くなっている。なお、#D2のリチウム二次
電池は電池電圧22Vにおいてもシャットダウンが生じ
なかったため、過充電終了時の値を採用している。
【0067】この結果から、第2のリチウム塩にLiP
6、LiBF4のいずれを採用しても、言い換えれば、
LiPF6、LiBF4のいずれを電解質とする非水電解
液についても、LiClO4を添加することにより、過
充電安全性が向上することが確認できる。このことは、
第2のリチウム塩の種類にかかわらず、LiClO4
存在によって安全性の向上が期待できることが容易に推
認できる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、電解質にLiClO4を添加
混合した非水電解液を構成要素としてリチウム二次電池
を構成するものである。このような構成とすることによ
り、本発明のリチウム二次電池は、このLiClO4
起因する発熱により、過充電初期の段階でセパレータが
軟化閉塞して充電電流がシャットダウンされることにな
り、その後の急激な連鎖反応による温度上昇を回避して
過充電状態の沈静化が可能となる。したがって、本発明
のリチウム二次電池は、過充電安全性に優れたリチウム
二次電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において作製したリチウム二次電池
の断面を示す。
【図2】 実施例1の過充電試験において、リチウム二
次電池の過充電時の電池電圧、電池内部温度、充電電流
の時間的変化を示す。
【図3】 実施例2の過充電試験において、電解質中の
LiClO4の割合とシャットダウン時間およびシャッ
トダウン時の電池内部圧力との関係を示す。
【符号の説明】
1:円筒型リチウム二次電池 10:電極体 20:電池ケース 21:外装缶 22:正極側蓋板 23:負極側蓋板 30:正極端子 40:負極端子
フロントページの続き (72)発明者 佐伯 徹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 伊藤 明生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 荒川 洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ12 AK03 AL06 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 HJ12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とを多孔質セパレータを介装
    して積層した電極体と、電解質を有機溶媒に溶解した非
    水電解液と、該電極体および該非水電解液を収納する電
    池ケースとを備えてなるリチウム二次電池であって、 前記非水電解液の電解質は、LiClO4とそれ以外の
    第2のリチウム塩とからなることを特徴とするリチウム
    二次電池。
  2. 【請求項2】 前記第2のリチウム塩は、LiBF4
    よびLiPF6の少なくとも1種以上である請求項1に
    記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記LiClO4と前記第2のリチウム
    塩とのモル比率が、1:9〜9:1となる請求項1また
    は請求項2に記載のリチウム二次電池。
JP2001149645A 2001-05-18 2001-05-18 リチウム二次電池 Pending JP2002343425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149645A JP2002343425A (ja) 2001-05-18 2001-05-18 リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149645A JP2002343425A (ja) 2001-05-18 2001-05-18 リチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002343425A true JP2002343425A (ja) 2002-11-29

Family

ID=18994783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001149645A Pending JP2002343425A (ja) 2001-05-18 2001-05-18 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002343425A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63148572A (ja) * 1986-12-10 1988-06-21 Fuji Elelctrochem Co Ltd 非水電解液電池
JPS63148571A (ja) * 1986-12-10 1988-06-21 Fuji Elelctrochem Co Ltd 非水電解液電池
JPH02114464A (ja) * 1988-10-24 1990-04-26 Hitachi Maxell Ltd 有機電解液二次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63148572A (ja) * 1986-12-10 1988-06-21 Fuji Elelctrochem Co Ltd 非水電解液電池
JPS63148571A (ja) * 1986-12-10 1988-06-21 Fuji Elelctrochem Co Ltd 非水電解液電池
JPH02114464A (ja) * 1988-10-24 1990-04-26 Hitachi Maxell Ltd 有機電解液二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7544443B2 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP5195499B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP6151431B1 (ja) 非水電解質電池および電池パック
JP2019016483A (ja) 非水電解質二次電池
EP2975668A1 (en) Battery system
JP2011198530A (ja) 非水電解液二次電池
JP5053044B2 (ja) 非水電解質二次電池
WO2015001411A1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2005071678A (ja) 電池
KR100587436B1 (ko) 리튬 이온 이차 전지 및 이 전지를 구비한 전지 장치
JP2002216755A (ja) 非水電解質二次電池
JP2000277146A (ja) 角型非水電解液二次電池
JP2003142078A (ja) 非水系二次電池
JP4595205B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH05290844A (ja) リチウム二次電池
JP4455008B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP3869775B2 (ja) リチウム二次電池
WO2020137817A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP5405353B2 (ja) 非水電解液二次電池
WO2003067688A1 (fr) Cellule secondaire a electrolyte non aqueux
JP2002075460A (ja) リチウム二次電池
JP2002141063A (ja) リチウム二次電池
JP2001297763A (ja) 非水電解質二次電池
JP2000188132A (ja) 非水電解質二次電池
JP4938923B2 (ja) 二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100506