JP2002341022A - レーダ装置、目標類別方法および目標類別プログラム - Google Patents

レーダ装置、目標類別方法および目標類別プログラム

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JP2002341022A JP2001149829A JP2001149829A JP2002341022A JP 2002341022 A JP2002341022 A JP 2002341022A JP 2001149829 A JP2001149829 A JP 2001149829A JP 2001149829 A JP2001149829 A JP 2001149829A JP 2002341022 A JP2002341022 A JP 2002341022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出した目標を固定翼機/回転翼機/ミサイ
ルの中から類別することができないという課題があっ
た。 【解決手段】 高距離分解能受信信号をもとに、目標の
大きさと目標の形状複雑度とをそれぞれ推定してレンジ
プロフィール推定結果Routを出力するレンジプロフ
ィール解析部8と、高ドップラ分解能受信情報をもと
に、目標のドップラ広がりを推定してドップラ分布推定
結果Doutを出力するドップラ分布解析部9と、受信
信号を受信・処理して得られる目標航跡情報をもとに、
目標の高度、速度および旋回加速度に関する目標航跡の
特徴を抽出して航跡推定結果Poutを出力する航跡解
析部10と、各推定結果Rout,Dout,Pout
をもとに、目標が固定翼機/回転翼機/ミサイルである
確率を示した目標類別情報を算出する目標判定部11と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、目標のレンジプ
ロフィール、ドップラ分布および航跡の特徴を利用し
て、固定翼機/回転翼機/ミサイルの中から目標を類別
するレーダ装置、目標類別方法および目標類別プログラ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図22は例えば特開昭60−56276
号公報に開示された従来のレーダ装置の構成を示す図で
ある。図22において、101はレーダの送信信号生成
を行う送信機、102はレーダ電波の送受信を行うレー
ダアンテナ、103はレーダの受信信号処理を行う受信
機、104は受信機103からの受信信号に対して目標
検出処理を行い、目標検出情報を出力する信号処理器、
105は信号処理器104からの目標検出情報の表示を
行う表示器である。
【0003】信号処理器104において、106は受信
機103からの受信信号に対して周波数分析を行う周波
数分析部、107は航空機に対する目標ドップラ周波数
fd,航空機ジェットエンジンのコンプレッサによるド
ップラ周波数fmおよびそのスペクトル幅を周波数分析
部106の周波数分析結果から抽出する信号検出部であ
る。
【0004】ここで、目標のドップラ周波数fd,コン
プレッサのドップラ周波数fmは下記の(1),(2)
式でそれぞれ与えられる。ただし、vは目標の速度、f
はレーダの送信周波数、Cは光速であり、R,ωおよび
θはコンプレッサの羽根の回転半径、回転角速度および
傾き角をそれぞれ表している。
【0005】 fd = 2×v×f/C …(1) fm =(2×f/C)×R×ω×tan(θ) …(2)
【0006】108は航空機の機種毎のコンプレッサに
よるドップラ偏移およびそのスペクトル幅を記憶するメ
モリ部、109は信号検出部107からのコンプレッサ
によるドップラ偏移およびそのスペクトル幅と、メモリ
部108に記憶された航空機の機種毎のコンプレッサに
よるドップラ偏移およびそのスペクトル幅とを比較し
て、航空機の種類および敵味方の類別を行うスペクトラ
ム比較部である。
【0007】このように構成されたレーダ装置を利用す
ることによって、敵味方類別装置を用いることなく、航
空機の機種の類別を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーダ装置は以
上のように構成されているので、固定翼機/回転翼機/
ミサイルの中から目標を類別することができないという
課題があった。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、検出した目標を固定翼機/回転翼
機/ミサイルの中から類別することが可能なレーダ装
置、目標類別方法および目標類別プログラムを構成する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るレーダ装
置は、送信信号を高距離分解能送信した際の受信信号を
受信・処理して得られる高距離分解能受信信号をもと
に、目標の大きさと目標の形状複雑度とをそれぞれ推定
してレンジプロフィール推定結果を出力するレンジプロ
フィール解析部と、送信信号を高ドップラ分解能送信し
た際の受信信号を受信・処理して得られる高ドップラ分
解能受信情報をもとに、目標のドップラ広がりを推定し
てドップラ分布推定結果を出力するドップラ分布解析部
と、受信信号を受信・処理して得られる目標航跡情報を
もとに、目標の高度、速度および旋回加速度に関する目
標航跡の特徴を抽出して航跡推定結果を出力する航跡解
析部と、レンジプロフィール推定結果、ドップラ分布推
定結果および航跡推定結果をもとに、目標が固定翼機/
回転翼機/ミサイルである確率を示した目標類別情報を
算出する目標判定部とを備えるようにしたものである。
【0011】この発明に係るレーダ装置は、受信信号強
度判定しきい値を超える高距離分解能受信信号をレンジ
プロフィール解析部が目標の大きさとし、固定翼機/回
転翼機/ミサイルの大きさから定められる2つの目標大
きさ判定しきい値と目標の大きさとをレンジプロフィー
ル解析部が比較して、目標の大きさを3分類するように
したものである。
【0012】この発明に係るレーダ装置は、受信信号強
度最大値と受信信号強度最小値との比を目標の受信信号
強度比としてレンジプロフィール解析部が算出し、固定
翼機/回転翼機/ミサイルのモデルから算出される2つ
の受信信号強度比判定しきい値と目標の受信信号強度比
とをレンジプロフィール解析部が比較して、目標の受信
信号強度比を3分類するようにしたものである。
【0013】この発明に係るレーダ装置は、受信信号強
度判定しきい値を超える高ドップラ分解能受信情報をド
ップラ分布解析部が目標のドップラ広がり数とし、回転
翼機のロータ半径および回転速度から算出されるドップ
ラビン数判定しきい値とドップラ広がり数とをドップラ
分布解析部が比較して、目標のドップラ広がり数を2分
類するようにしたものである。
【0014】この発明に係るレーダ装置は、回転翼機で
想定可能な飛行可能最大高度から定められる高度判定し
きい値と目標航跡情報から得られる目標の高度とを比較
して、目標の高度を2分類する高度判定回路を航跡解析
部が備えるようにしたものである。
【0015】この発明に係るレーダ装置は、固定翼機/
回転翼機/ミサイルの飛行可能速度の限界値から定めら
れる2つの速度判定しきい値と目標航跡情報から得られ
る目標の速度とを比較して、目標の速度を3分類する速
度判定回路を航跡解析部が備えるようにしたものであ
る。
【0016】この発明に係るレーダ装置は、固定翼機/
回転翼機/ミサイルの旋回可能加速度の限界値から定め
られる2つの旋回加速度判定しきい値と目標航跡情報か
ら得られる目標の旋回加速度とを比較して、目標の旋回
加速度を3分類する旋回加速度判定回路を航跡解析部が
備えるようにしたものである。
【0017】この発明に係るレーダ装置は、目標航跡の
特徴としてそれぞれ判定された目標の高度、速度および
旋回加速度の各判定結果を重み付け加算して規格化し、
この規格化された重み付け加算の結果を航跡推定結果と
して出力する尤度算出回路を航跡解析部が備えるように
したものである。
【0018】この発明に係るレーダ装置は、レンジプロ
フィール推定結果、ドップラ分布推定結果および航跡推
定結果を目標判定部が重み付け加算して規格化し、この
規格化された重み付け加算の結果を目標類別情報として
目標判定部が出力するようにしたものである。
【0019】この発明に係るレーダ装置は、予め設定し
た目標類別条件を満たす目標を検出すると、高距離分解
能送信時の送信信号と高ドップラ分解能送信時の送信信
号とを目標へ順次送信し、目標類別情報を自動的に算出
するようにしたものである。
【0020】この発明に係るレーダ装置は、送信信号に
よって目標を検出する場合と比較して、高距離分解能送
時および高ドップラ分解能送信時の場合における送信信
号の目標ヒット数を増加させるようにしたものである。
【0021】この発明に係るレーダ装置は、高距離分解
能送信時には送信信号のデューティ比が許容範囲内で大
きくなるように、また高ドップラ分解能送信時にはナイ
キスト周波数が大きく得られ、かつ送信信号のデューテ
ィ比が許容する範囲で、送信信号のレーダパルスの送信
間隔を小さくするようにしたものである。
【0022】この発明に係る目標類別方法は、送信信号
を高距離分解能送信した際の受信信号を受信・処理して
得られる高距離分解能受信信号をもとに、目標の大きさ
と目標の形状複雑度とをそれぞれ推定してレンジプロフ
ィール推定結果を出力するレンジプロフィール解析ステ
ップと、送信信号を高ドップラ分解能送信した際の受信
信号を受信・処理して得られる高ドップラ分解能受信情
報をもとに、目標のドップラ広がりを推定してドップラ
分布推定結果を出力するドップラ分布解析ステップと、
受信信号を受信・処理して得られる目標航跡情報をもと
に、目標の高度、速度および旋回加速度に関する目標航
跡の特徴を抽出して航跡推定結果を出力する航跡解析ス
テップと、レンジプロフィール推定結果、ドップラ分布
推定結果および航跡推定結果をもとに、目標が固定翼機
/回転翼機/ミサイルである確率を示した目標類別情報
を算出する目標判定ステップとを備えるようにしたもの
である。
【0023】この発明に係る目標類別方法は、受信信号
強度判定しきい値を超える高距離分解能受信信号を目標
の大きさとし、固定翼機/回転翼機/ミサイルの大きさ
から定められる2つの目標大きさ判定しきい値と目標の
大きさとを比較して、目標の大きさを3分類する目標大
きさ判定ステップをレンジプロフィール解析ステップに
備えるようにしたものである。
【0024】この発明に係る目標類別方法は、受信信号
強度最大値と受信信号強度最小値との比を目標の受信信
号強度比として算出し、固定翼機/回転翼機/ミサイル
のモデルから算出される2つの受信信号強度比判定しき
い値と目標の受信信号強度比とを比較して、目標の受信
信号強度比を3分類する受信信号強度比判定ステップを
レンジプロフィール解析ステップに備えるようにしたも
のである。
【0025】この発明に係る目標類別方法は、受信信号
強度判定しきい値を超える高ドップラ分解能受信情報を
目標のドップラ広がり数とし、回転翼機のロータ半径お
よび回転速度から算出されるドップラビン数判定しきい
値とドップラ広がり数とを比較して、目標のドップラ広
がり数を2分類するドップラ広がり判定ステップをドッ
プラ分布解析ステップに備えるようにしたものである。
【0026】この発明に係る目標類別方法は、回転翼機
で想定可能な飛行可能最大高度から定められる高度判定
しきい値と目標航跡情報から得られる目標の高度とを比
較して、目標の高度を2分類する高度判定ステップを航
跡解析ステップに備えるようにしたものである。
【0027】この発明に係る目標類別方法は、固定翼機
/回転翼機/ミサイルの飛行可能速度の限界値から定め
られる2つの速度判定しきい値と目標航跡情報から得ら
れる目標の速度とを比較して、目標の速度を3分類する
速度判定ステップを航跡解析ステップに備えるようにし
たものである。
【0028】この発明に係る目標類別方法は、固定翼機
/回転翼機/ミサイルの旋回可能加速度の限界値から定
められる2つの旋回加速度判定しきい値と目標航跡情報
から得られる目標の旋回加速度とを比較して、目標の旋
回加速度を3分類する旋回加速度判定ステップを航跡解
析ステップに備えるようにしたものである。
【0029】この発明に係る目標類別プログラムは、送
信信号を高距離分解能送信した際の受信信号を受信・処
理して得られる高距離分解能受信信号をもとに、目標の
大きさと目標の形状複雑度とをそれぞれ推定してレンジ
プロフィール推定結果を出力するレンジプロフィール解
析手順と、送信信号を高ドップラ分解能送信した際の受
信信号を受信・処理して得られる高ドップラ分解能受信
情報をもとに、目標のドップラ広がりを推定してドップ
ラ分布推定結果を出力するドップラ分布解析手順と、受
信信号を受信・処理して得られる目標航跡情報をもと
に、目標の高度、速度および旋回加速度に関する目標航
跡の特徴を抽出して航跡推定結果を出力する航跡解析手
順と、レンジプロフィール推定結果、ドップラ分布推定
結果および航跡推定結果をもとに、目標が固定翼機/回
転翼機/ミサイルである確率を示した目標類別情報を算
出する目標判定手順とを備えるようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるレ
ーダ装置の構成を示す図である。図1において、1はオ
ペレータの操作によって類別対象の目標が指定されると
目標類別指示を出力するレーダ指示部、2はレーダ指示
部1から目標類別指示を受けると高距離分解能送信指令
/高ドップラ分解能送信指令と解析パラメータとをそれ
ぞれ出力するレーダ制御部である。
【0031】また、図1において、3はビームマネジメ
ント部であり、高距離分解能送信指令/高ドップラ分解
能送信指令をレーダ制御部2から受けると、レーダビー
ムの指向方向・レーダパルスの送信間隔・レーダの距離
分解能、目標類別を行う目標が存在する方向へのレーダ
のヒット数等のレーダ送受信信号に関するパラメータを
決定して各制御信号を出力する。
【0032】さらに、図1において、4は送信部、5は
空中線部、6は受信部、7は信号処理部である。送信部
4は、ビームマネジメント部3からの送信部制御信号に
したがって、レーダパルスの送信間隔または距離分解能
を決定するパルス幅およびパルス圧縮比を可変させて空
中線部5へ送信信号を出力する。空中線部5は、ビーム
マネジメント部3からのビーム制御信号で指示される方
向へ送信部4の送信信号を放射し、目標で散乱した送信
信号を受信信号として受信する。
【0033】受信部6は、ビームマネジメント部3から
の受信部制御信号をもとに、送信時可変させたレーダパ
ルスの送信間隔、レーダのパルス幅、パルス圧縮比に応
じて、空中線部5の受信信号を処理して目標を検出し、
目標検出情報を信号処理部7へ出力する。信号処理部7
は、ビームマネジメント部3からの信号処理部制御信号
をもとに、受信部5からの目標検出情報に対して高距離
分解能処理、高ドップラ分解能処理、目標航跡作成処理
をそれぞれ行い、高距離分解能受信信号、高ドップラ分
解能受信情報、目標航跡情報を各処理結果としてそれぞ
れ出力する。
【0034】さらに、図1において、8はレンジプロフ
ィール解析部、9はドップラ分布解析部、10は航跡解
析部、11は目標判定部である。レンジプロフィール解
析部8は、レーダ制御部2からの解析パラメータにした
がって、信号処理部7で処理した高距離分解能受信信号
をもとに目標のレンジプロフィール解析を行い、レンジ
プロフィール推定結果Routを目標判定部11へ出力
する。
【0035】ドップラ分布解析部9は、信号処理部7で
処理した高ドップラ分解能受信情報をもとに目標のドッ
プラ分布の解析を行い、ドップラ分布推定結果Dout
を目標判定部11に出力する。航跡解析部10は、信号
処理部7で処理した目標航跡情報をもとに目標航跡の特
徴抽出を行い、航跡推定結果Poutを目標判定部11
へ出力する。
【0036】そして、目標判定部11は、レーダ制御部
2からの解析パラメータにしたがって、レンジプロフィ
ール解析部8,ドップラ分布解析部9および航跡解析部
10の各推定結果Rout,Dout,Poutから目
標類別情報を算出するものである。
【0037】次に動作について説明する。オペレータが
レーダ指示部1を操作してレーダで検出された目標を類
別対象に指定すると、レーダ指示部1は指定された目標
を類別処理するためにレーダ制御部2へ目標類別指示を
出力する。
【0038】この類別処理の開始動作は、オペレータに
よるレーダ指示部1の操作に限定されるものではなく、
類別処理を行う方位や距離などの目標類別条件をレーダ
指示部1にあらかじめ設定しておき、目標類別条件を満
たす目標がレーダで検出されると、レーダ指示部1がこ
の目標を類別対象に指定して、レーダ制御部2へ目標類
別指示を自動出力するようにしても良い。このようにす
ることで、オペレータの負担を軽減することができる。
【0039】レーダ指示部1から目標類別指示を受けた
レーダ制御部2は、目標の存在する領域へ高距離分解能
送信/高ドップラ分解能送信を行うように、高距離分解
能送信指令/高ドップラ分解能送信指令をビームマネジ
メント部3へ出力する。高距離分解能送信/高ドップラ
分解能送信を行なう順序は特に限定されず、どちらを先
に行なっても良い。
【0040】同時に、レーダ制御部2は、類別対象の目
標を解析するために、レンジプロフィール解析部8,ド
ップラ分布解析部9,航跡解析部10,目標判定部11
へ解析パラメータをそれぞれ出力する。これらの解析パ
ラメータについては後述する。
【0041】<高距離分解能送信、レンジプロフィール
解析部8の動作>まず始めに、高距離分解能送信時にお
ける動作を説明する。高距離分解能送信指令を受けたビ
ームマネジメント部3は、目標の存在する方向における
受信信号の距離分解能とS/N比とを向上させるため、
以下の(a),(b)の動作を行う。受信信号のS/N
比の向上はレンジプロフィール推定時の精度向上のため
に有用である。
【0042】(a) レーダによる目標の通常検出時と
比較して、類別対象の目標が存在する方向へビームの連
続照射回数を増加するように空中線部5に指示する。こ
れは、目標に対するヒット数を増やして受信信号のS/
N比を向上させるための指示である。
【0043】(b) 距離分解能を向上させた送信信号
を生成するように送信部4へ指示を出力する。図2は通
常目標検出時および高距離分解能送信時における距離分
解能を比較する図であり、図2(a)の通常目標検出時
の距離分解能と比較すると、高距離分解能送信時の場合
には距離分解能が高くなる(図2(b))。送信信号の
距離分解能を向上するために、ビームマネジメント部3
は以下の(b−1)〜(b−4)のようにする。
【0044】(b−1) パルス圧縮比を通常目標検出
時より大きくする。 (b−2) 送信パルス幅を通常目標検出時より小さく
する。 (b−3) (b−1),(b−2)で指定したパラメ
ータの変更を反映して受信信号処理と目標検出とを行う
ように受信部6へ指示を出す。 (b−4) (b−1),(b−2)で指定したパラメ
ータの変更を反映して距離分解能処理を行うよう信号処
理部7へ指示を出す。
【0045】ビームマネジメント部3からの送信部制御
信号にしたがって、送信部4は高距離分解能の送信信号
を生成して空中線部5へ出力する。空中線部5は、ビー
ムマネジメント部3からのビーム制御信号にしたがって
送信信号を目標へ放射し、目標で散乱した送信信号を受
信信号として受信する。
【0046】受信部6は、ビームマネジメント部3から
の受信部制御信号にしたがって、空中線部5が受信した
受信信号を処理して目標検出情報を出力する。受信部6
から目標検出情報を受けた信号処理部7は、ビームマネ
ジメント部3からの信号処理部制御信号にしたがって、
目標検出位置を中心にレンジ方向に20m〜数10mの
範囲にあるレンジセル(図2(b))の振幅プロファイ
ルを算出し、レンジプロフィール解析部8へ出力する。
【0047】図3はレンジプロフィール解析部8の入出
力関係を説明するための図であり、図4はレンジプロフ
ィール解析部8の動作(レンジプロフィール解析ステッ
プ)を示すフローチャートである。図3において、レン
ジプロフィール解析部8は信号処理部7から得た高距離
分解能受信信号に対し、レーダ制御部2から得た解析パ
ラメータを用いて図4の処理を行い、レンジプロフィー
ル推定結果Routを目標判定部11へ出力する。図3
に示すように、解析パラメータは、解析範囲、受信信号
強度判定しきい値、目標大きさ判定しきい値(Lmi
n,Lmax)、受信信号強度比判定しきい値(Rmi
n,Rmax)および目標種類の尤度テーブル値からな
る。
【0048】図5は図4の目標大きさ判定ステップST
1の処理を表すフローチャートである。ここでは、固定
翼機/回転翼機/ミサイルの大きさの差異に注目してい
る。
【0049】図5のステップST11において、レンジ
プロフィール解析部8は、信号処理部7から得た高距離
分解能受信信号に対し、受信信号強度判定しきい値を解
析範囲内で連続して超えるレンジ数を求め、目標の大き
さL1を推定する。受信信号強度判定しきい値は、例え
ば目標検出の判定の際に用いるしきい値を使うようにす
る。図6はこの類別対象の目標の大きさL1の推定処理
例を示す図であり、横軸は距離、縦軸は受信信号強度で
ある。図6に示すように、解析範囲内の高距離分解能受
信信号において、受信信号強度判定しきい値を超える部
分が目標の大きさL1に相当する。
【0050】図5のステップST11で目標の大きさL
1を推定すると、続いてステップST12〜ステップS
T13において、レンジプロフィール解析部8は、2つ
の目標大きさ判定しきい値(Lmin,Lmax)と目
標の大きさL1とを比較して、小型目標/中型目標/大
型目標の3分類判定を行う。
【0051】すなわち、ステップST12において、レ
ンジプロフィール解析部8は、目標の大きさL1と目標
大きさ判定下限しきい値Lminとを比較する。L1<
Lminの場合には(ステップST12でYES)目標
を小型と判定し、またLmin≦L1の場合には(ステ
ップST12でNO)ステップST13へ移行する。
【0052】ステップST13では、レンジプロフィー
ル解析部8は、目標の大きさL1と目標大きさ判定上限
しきい値Lmaxとを比較する。Lmin≦L1≦Lm
axの場合には(ステップST13でYES)目標を目
標と判定し、Lmax<L1の場合には(ステップST
13でNO)目標を大型と判定する。小型目標はミサイ
ルである確率が高く、大型目標は固定翼機である確率が
高くなる。
【0053】 L1<Lmin …小型目標 ⇒ミサイルの確率高 Lmin≦L1≦Lmax …中型目標 L1>Lmax …大型目標 ⇒固定翼機の確率高
【0054】なお、ここで用いた目標大きさ判定しきい
値Lmin,Lmaxは、固定翼機/回転翼機/ミサイ
ルの種類により、例えば小型(ミサイル)を〜10m,
中型(戦闘機などの小型固定翼機や回転翼機)を〜25
m,大型(輸送機・大型旅客機などの大型固定翼機)を
25m〜のようにそれぞれの大きさを予め想定してお
き、Lmin=10m,Lmax=25mと設定する。
【0055】また、一般にレーダにとって最大脅威とな
るのはミサイルであり、次に戦闘機や回転翼機となるの
で、目標の誤判定の確率が高くなっても、Lminを上
記の例よりも大きな値にして戦闘機・回転翼機よりミサ
イルの判定確率を高くし、Lmaxを上記の例よりも大
きな値にして輸送機や大型旅客機よりも戦闘機や回転翼
機の判定確率を高くするようにしても良い。
【0056】図4の目標大きさ判定ステップST1の処
理が終わると、次の受信信号強度比判定ステップST2
で、レンジプロフィール解析部8は高距離分解能受信信
号における受信信号強度を解析し、受信信号強度比の3
分類判定を行なう。この解析は、目標の形状が複雑であ
るほど受信信号の最大値と受信信号の最小値との差が大
きくなるという考えに基づいている。
【0057】図7は目標の形状の複雑度と受信信号強度
比との関係性を示す図である。例えば図7に示すよう
に、受信信号強度比R=(解析範囲内の受信信号最大
値)÷(解析範囲内の受信信号最小値)とすると、図7
(a)の固定翼機、図7(b)の回転翼機、図7(c)
のミサイルの各受信信号強度比Rは大、中、小の傾向に
ある。
【0058】受信信号強度比Rの判定処理を具体的に説
明する。図8は図4の受信信号強度比ステップST2の
処理を表すフローチャートである。図8のステップST
21において、レンジプロフィール解析部8は受信信号
強度比R=(解析範囲内の受信信号最大値)÷(解析範
囲内の受信信号最小値)を算出し、ステップST22に
おいて、受信信号強度比Rと解析パラメータ中の受信信
号強度比判定下限しきい値Rminとを比較する。R<
Rminの場合には(ステップST22でYES)受信
信号強度比Rを小と判定し、Rmin≦Rの場合には
(ステップST22でNO)ステップST23へ移行す
る。
【0059】ステップST23では、レンジプロフィー
ル解析部8は受信信号強度比Rと受信信号強度比判定上
限しきい値Rmaxとを比較する。Rmin≦R≦Rm
axの場合には(ステップST23でYES)受信信号
強度比Rを中と判定し、Rmax<Rの場合には(ステ
ップST23でNO)受信信号強度比Rを大と判定す
る。図7で説明したように、受信信号強度比Rが小なら
ばミサイルの確率が高く、受信信号強度比Rが中ならば
回転翼機の確率が高く、受信信号強度比Rが大ならば固
定翼機の確率が高い。
【0060】 R<Rmin …受信信号強度比小 ⇒ミサイルの確率高 Rmin≦R≦Rmax …受信信号強度比中 ⇒回転翼機の確率高 R>Rmax …受信信号強度比大 ⇒固定翼機の確率高
【0061】なお、受信信号強度比判定しきい値(Rm
in,Rmax)は、例えば目標類別対象である固定翼
機/回転翼機/ミサイルのモデルからレーダ送信信号に
よる受信信号強度比を予め以下のように算出しておいて
定める。
【0062】 ミサイルの受信信号強度比≦ミサイルのモデルから算出される受信信号強度比 回転翼機の受信信号強度比≦回転翼機のモデルから算出される受信信号強度比 固定翼機の受信信号強度比≦固定翼機のモデルから算出される受信信号強度比
【0063】そしてレンジプロフィール解析部8は、目
標の大きさ判定ステップST1,受信信号強度比判定ス
テップST2の各結果をもとにして、解析パラメータ中
の図9に示すような目標種類の尤度テーブル値を参照し
て目標の推定を行い、この推定結果をレンジプロフィー
ル推定結果Routとして目標判定部11へ出力する。
例えば小型の場合には、図9から固定翼機:X%:回転
翼機:Y%:ミサイル:Z%が推定結果になる。目標判
定部11の判定動作は最後に説明する。
【0064】<高ドップラ分解能送信、ドップラ分布解
析部9の動作>次に、高ドップラ分解能送信時における
動作を説明する。高ドップラ分解能送信指令をレーダ制
御部2から受けたビームマネジメント部3は、目標の存
在する方向に対して受信信号の周波数分解能を向上させ
るため、以下(c),(d)の動作を行う。
【0065】(c) レーダによる目標の通常検出時と
比較して、類別対象の目標が存在する方向へビームの連
続照射回数を増加するように空中線部5に指示する。こ
れは、目標に対するヒット数を増やして周波数分解能を
向上させるための指示である。図10は通常検出時およ
び高ドップラ分解能送信時におけるドップラ分解能を比
較する図であり、横軸はドップラ周波数、縦軸は受信信
号強度である。図10(a)の通常検出時のドップラ分
解能と比較すると、高ドップラ分解能送信時の場合には
ドップラ分解能が高くなる(図10(b))。
【0066】(d) (c)で指定したパラメータの変
更を反映して受信信号処理と目標検出とを行うように受
信部6へ指示を出し、また高ドップラ分解能処理を行う
よう信号処理部7へ指示を出す。
【0067】送信部4は、ビームマネジメント部3から
の送信部制御信号にしたがって、高ドップラ分解能の送
信信号を生成して空中線部5へ出力する。送信部4から
の送信信号を受けた空中線部5は、ビームマネジメント
部3からのビーム制御信号にしたがって送信信号を目標
へ放射し、目標で散乱した送信信号を受信信号として受
信する。
【0068】空中線部5の受信信号を受けた受信部6
は、ビームマネジメント部3からの受信部制御信号にし
たがって、受信信号を処理して目標検出情報を出力す
る。受信部6から目標検出情報を受けた信号処理部7
は、ビームマネジメント部3からの信号処理部制御信号
にしたがって、目標の存在するレンジセルに対してフー
リエ変換処理を行い、高ドップラ分解能受信情報をドッ
プラ分布解析部9へ出力する。信号処理部7の処理結果
を受けると、ドップラ分布解析部9はドップラ分布解析
処理を行ってドップラ分布の2分類判定を行なう。
【0069】図11はドップラ分布解析部9の入出力関
係を説明するための図であり、図12はドップラ分布解
析部9の動作(ドップラ分布解析ステップ)を示すフロ
ーチャートである。図11において、ドップラ分布解析
部9は信号処理部7から得た高ドップラ分解能受信情報
に対し、レーダ制御部2から得た解析パラメータを用い
て目標類別を行い、ドップラ分布推定結果Doutを目
標判定部11へ出力する。ここで、解析パラメータは、
ドップラビン数N,受信信号強度判定しきい値、ドップ
ラビン数判定しきい値Lthrからなる。
【0070】図12のステップST3において、信号処
理部7から得たドップラビン数Nの高ドップラ分解能受
信情報に対し、受信信号強度判定しきい値よりも大きい
受信信号強度を連続して持つドップラビン数を算出し、
このドップラビン数を目標のドップラ広がり数L2とす
る。図13はこの目標のドップラ広がり数L2の推定処
理例を示す図であり、横軸はドップラ周波数、縦軸は受
信信号強度である。図13に示すように、ドップラビン
数N内の高ドップラ分解能受信情報において、受信信号
強度判定しきい値を超える部分がドップラ広がり数L2
に相当する。
【0071】受信信号強度判定しきい値は、例えば回転
翼機のモデルから回転翼機のロータ先端の受信信号強度
を予め算出しておき、受信信号強度判定しきい値=(モ
デルから算出されるロータ先端の受信信号強度)とす
る。これは、ロータによる受信信号強度がロータの中心
成分(ドップラの0成分)で最も大きくなり、ロータ先
端部分(ロータによるドップラ成分が最も大きい箇所)
で最小となるからである。
【0072】図12のステップST3でドップラ広がり
数L2が算出されると、図12のステップST4におい
て、ドップラ分布解析部9はドップラ広がり数L2とド
ップラビン数判定しきい値Lthrとを比較する。L2
≦Lthrの場合には(ステップST4でYES)目標
のドップラ広がり無しと判定し、Lthr<L2であれ
ば(ステップST4でNO)目標のドップラ広がり有り
と判定する。回転翼機のロータからのレーダ散乱波は幅
広い周波数帯域を持つため、ドップラ広がりがあれば、
目標は回転翼機と類別することができる。
【0073】 L2≦Lthr …目標のドップラは広がっていない L2>Lthr …目標のドップラは広がっている ⇒回転翼機の確率高
【0074】なお、ドップラ判定しきい値Lthrは、
回転翼機のロータ半径および回転速度を知ることによ
り、ロータによるドップラ成分が算出できるので、例え
ばこの算出値からドップラ判定しきい値Lthrを定め
れば良い。ロータのドップラ成分f[Hz]は、f=v
÷(2×π×r)(ただしvはロータの回転速度[m/
s],rはロータ半径[m])から算出できる。
【0075】図12の処理から得られたドップラ広がり
判定結果をもとにして、ドップラ分布解析部9は、解析
パラメータ中の図14に示すような目標種類の尤度テー
ブル値を参照して目標種類の推定を行ない、この推定結
果をドップラ分布推定結果Doutとして目標判定部1
1へ出力する。例えばドップラ広がり無しの場合には、
図14から固定翼機またはミサイル:A%,回転翼機:
B%がドップラ分布推定結果Doutになる。
【0076】<航跡解析部10の動作>レンジプロフィ
ール解析部8,ドップラ分布解析部9の動作と平行し
て、航跡解析部10も目標の類別を行う。図15は航跡
解析部10の構成を示す図である。図15において、1
2は高度判定回路、13は速度判定回路、14は旋回加
速度判定回路、15は尤度算出回路である。また、高度
判定しきい値Hthr,速度判定しきい値Vmin,V
max,旋回加速度判定しきい値Gmin,Gmax,
目標種類の尤度テーブル値、重み付け係数は解析パラメ
ータである。
【0077】・高度判定 航跡解析部10の高度判定回路12は、目標航跡情報か
ら目標の高度Hを抽出し、この高度Hを高度判定しきい
値Hthrと比較して目標の飛行高度の高低を2分類判
定する。一般に、固定翼機やミサイルと比較すると、回
転翼機は飛行可能な最大高度が低いため、高度判定しき
い値Hthrを回転翼機で想定可能な飛行可能最大高度
より大きくとれば、高度判定しきい値Hthrより高い
高度を飛行する目標は固定翼機またはミサイルと推定さ
れる。
【0078】図16は高度判定回路12の動作(高度判
定ステップ)を示すフローチャートである。図16のス
テップST5において、高度判定回路12は目標高度H
と高度判定しきい値Hthrとを比較する。H≦Hth
rの場合には(ステップST5でYES)目標高度Hを
低空飛行と判定し、H>Hthrであれば(ステップS
T5でNO)目標高度Hを高空飛行と判定する。
【0079】前述したように、低空飛行の目標は固定翼
機/回転翼機/ミサイルのいずれも想定可能であり、高
空飛行の目標は固定翼機/ミサイルのいずれかと考えら
れる。
【0080】 H≦Hthr …低空飛行 ⇒固定翼機/回転翼機/ミサイル Hthr<H …高空飛行 ⇒固定翼機/ミサイル
【0081】・速度判定 航跡解析部10の速度判定回路13は、固定翼機/回転
翼機/ミサイルの飛行速度の差異に注目して目標を類別
する。つまり、速度判定回路13は目標航跡から目標の
速度Vを抽出し、この速度Vを速度判定しきい値Vma
x,Vminと以下のように比較して3分類判定する。
【0082】図17は速度判定回路13の動作(速度判
定ステップ)を示すフローチャートである。図17のス
テップST6において、速度判定回路13は速度Vと速
度判定下限しきい値Vminとを比較する。V≦Vmi
nの場合には(ステップST6でYES)目標速度Vを
低速度と判定し、Vmin<Vの場合には(ステップS
T6でNO)ステップST7へ移行する。目標速度Vが
低速度の場合、固定翼機あるいはミサイルはヘリコプタ
の飛行速度範囲での飛行が困難であるため、目標は回転
翼機である確率が高くなる。
【0083】ステップST7では、速度判定回路13は
速度Vと速度判定上限しきい値Vmaxとを比較する。
Vmin<V<Vmaxの場合には(ステップST7で
YES)速度Vを中速度と判定し、Vmax≦Vの場合
には(ステップST7でNO)速度Vを高速度と判定す
る。速度判定しきい値(Vmin,Vmax)は、Vm
inは回転翼機の飛行可能速度の上限を、Vmaxは固
定翼機の飛行可能速度の上限を設定すれば良い。中速度
の目標は固定翼機またはミサイルである確率が高くな
り、高速度の目標は、ミサイルの飛行可能速度は固定翼
機の飛行可能速度の上限と比較して大きいため、ミサイ
ルである確率が高い。
【0084】 V≦Vmin 低速度 ⇒回転翼機の確率高 Vmin<V<Vmax 中速度 ⇒固定翼機またはミサイルの確率高 V≧Vmax 高速度 ⇒ミサイルの確率高
【0085】・旋回加速度判定 旋回加速度判定回路14は、固定翼機/回転翼機/ミサ
イルの旋回加速度の差異に注目して目標を類別する。つ
まり、旋回加速度判定回路14は目標航跡から目標の旋
回加速度Gを抽出し、この旋回加速度Gを旋回加速度判
定しきい値Gmax,Gminと以下のように比較して
3分類判定する。
【0086】図18は旋回加速度判定回路14の動作を
示すフローチャートである。図18のステップST8に
おいて、旋回加速度判定回路14は旋回加速度Gと旋回
加速度判定下限しきい値Gminとを比較する。G≦G
minの場合には(ステップST8でYES)旋回加速
度Gを低旋回加速度と判定し、Gmin<Gであれば
(ステップST8でNO)ステップST9へ移行する。
低旋回加速度の目標の場合は固定翼機/回転翼機/ミサ
イルのいずれもが想定される。
【0087】ステップST9では、旋回加速度判定回路
14は旋回加速度Gと旋回加速度判定上限しきい値Gm
axとを比較する。Gmin<G<Gmaxの場合には
(ステップST9でYES)旋回加速度Gを中旋回加速
度と判定し、Gmax≦Gの場合には(ステップST9
でNO)旋回加速度Gを高旋回加速度と判定する。旋回
加速度判定しきい値(Gmin,Gmax)は、Gmi
nは回転翼機が旋回可能な加速度の上限を、Gmaxは
固定翼機が旋回可能な加速度の上限を設定すれば良い。
目標旋回加速度Gが中旋回加速度の場合には、目標は固
定翼機またはミサイルである確率が高くなり、目標旋回
加速度Gが高旋回加速度の場合には、ミサイルが旋回可
能な加速度は固定翼機が旋回可能な加速度の上限と比較
して大きいため、目標はミサイルである確率が高い。
【0088】 G≦Gmin …目標は低旋回加速度 ⇒固定翼機/回転翼機/ミサイルのいずれの場合もある Gmin<G<Gmax …目標は中旋回加速度 ⇒固定翼機またはミサイルの確率高 G≧Gmax …目標は高旋回加速度 ⇒ミサイルの確率高
【0089】・航跡推定結果算出 高度判定回路12の高度判定結果Hout,速度判定回
路13の速度判定結果Vout,旋回加速度判定回路1
4の旋回加速度判定結果Goutをもとにして、尤度算
出回路15が以下のように算出した航跡推定結果が航跡
解析部10の出力となる。
【0090】図19は尤度算出回路15の構成を示す図
である。図19において、W1,W2,W3はそれぞれ
解析パラメータ中の重み係数、16,17,18はそれ
ぞれ乗算器、19は加算器、20は規格化器である。
【0091】尤度算出回路20の動作について説明す
る。乗算器16,17,18は、高度判定回路12の高
度判定結果Hout,速度判定回路102の速度判定結
果Vout,旋回加速度判定回路103の旋回加速度判
定結果Goutに重み係数W1,W2,W3をそれぞれ
乗算する。重み係数W1,W2,W3はすべて等しい値
に設定しても良いし、各判定結果Hout,Vout,
Goutのうちのいずれかを重視したい場合は、重視す
る判定結果に対応した重み係数W1,W2,W3の値を
大きくしても良い。
【0092】加算器19は各乗算器16,17,18の
乗算結果を加算して規格化器20へ出力する。規格化器
20は、固定翼機/回転翼機/ミサイルの確率パーセン
テージ合計が100%となるよう規格化を行う。そし
て、規格化器20は、航跡解析部10の航跡推定結果P
outとしてこの規格化結果を出力する。
【0093】<目標判定部11の動作>レンジプロフィ
ール解析部8のレンジプロフィール推定結果Rout,
ドップラ分布解析部9のドップラ分布推定結果Dou
t,航跡解析部10の航跡推定結果Poutが全てそろ
った時点で、図1の目標判定部11は目標の類別結果の
算出および出力を行い、最終的な目標類別情報(固定翼
機:X%,回転翼機:Y%,ミサイル:Z%)を出力す
る。
【0094】図20は目標判定部11の構成を示す図で
ある。図20において、Wr,Wd,Wpはそれぞれ解
析パラメータ中の重み係数、21,22,23はそれぞ
れ乗算器、24は加算器、25は規格化器である。
【0095】目標判定部11の動作について説明する。
乗算器21,22,23は、レンジプロフィール解析部
8のレンジプロフィール推定結果Rout,ドップラ分
布解析部9のドップラ分布推定結果Dout,航跡解析
部10の航跡推定結果Poutに重み係数Wr,Wd,
Wpをそれぞれ乗算する。重み係数Wr,Wd,Wpは
すべて等しい値に設定しても良いし、各判定結果Hou
t,Vout,Goutのうちのいずれかを重視したい
場合は、重視する判定結果に対応した重み係数Wr,W
d,Wpの値を大きくしても良い。
【0096】加算器24は各乗算器16,17,18の
乗算結果を加算して、固定翼機/回転翼機/ミサイル毎
の評価関数をそれぞれ求める。
【0097】 固定翼機の評価関数=Wr×A+Wd×G+Wp×P 回転翼機の評価関数=Wr×B+Wd×H+Wp×Q ミサイルの評価関数=Wr×C+Wd×I+Wp×R
【0098】加算器24から規格化器25へ加算結果が
出力されると、規格化器20は固定翼機/回転翼機/ミ
サイルの確率パーセンテージ合計が100%となるよう
規格化を行う。そして、規格化器25は、目標判定部1
1の目標類別情報としてこの規格化結果を出力して類別
処理が完了する。
【0099】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、送信信号を高距離分解能送信した際の受信信号を受
信・処理して得られる高距離分解能受信信号をもとに、
目標の大きさと目標の形状複雑度とをそれぞれ推定して
レンジプロフィール推定結果Routを出力するレンジ
プロフィール解析部8と、送信信号を高ドップラ分解能
送信した際の受信信号を受信・処理して得られる高ドッ
プラ分解能受信情報をもとに、目標のドップラ広がりを
推定してドップラ分布推定結果Doutを出力するドッ
プラ分布解析部9と、受信信号を受信・処理して得られ
る目標航跡情報をもとに、目標の高度、速度および旋回
加速度に関する目標航跡の特徴を抽出して航跡推定結果
Poutを出力する航跡解析部10と、レンジプロフィ
ール推定結果Rout,ドップラ分布推定結果Dout
および航跡推定結果Poutをもとに、目標が固定翼機
/回転翼機/ミサイルである確率を示した目標類別情報
を算出する目標判定部11とを備えるようにしたので、
固定翼機/回転翼機/ミサイルの中からレーダで検出さ
れた目標を類別することができるという効果が得られ
る。
【0100】また、この実施の形態1によれば、受信信
号強度判定しきい値を超える高距離分解能受信信号をレ
ンジプロフィール解析部8が目標の大きさL1とし、固
定翼機/回転翼機/ミサイルの大きさから定められる2
つの目標大きさ判定しきい値Lmin,Lmaxと目標
の大きさL1とをレンジプロフィール解析部8がそれぞ
れ比較して、目標の大きさL1を3分類するようにした
ので、目標の大きさによって固定翼機/回転翼機/ミサ
イルの類別が可能になるという効果が得られる。
【0101】さらに、この実施の形態1によれば、受信
信号強度最大値と受信信号強度最小値との比を目標の受
信信号強度比Rとしてレンジプロフィール解析部8が算
出し、固定翼機/回転翼機/ミサイルのモデルから算出
される2つの受信信号強度比判定しきい値Rmin,R
maxと目標の受信信号強度比Rとをレンジプロフィー
ル解析部8がそれぞれ比較して、目標の受信信号強度比
Rを3分類するようにしたので、目標の形状の複雑度に
よって固定翼機/回転翼機/ミサイルの類別が可能にな
るという効果が得られる。
【0102】さらに、この実施の形態1によれば、受信
信号強度判定しきい値を超える高ドップラ分解能受信情
報をドップラ分布解析部9が目標のドップラ広がり数L
2とし、回転翼機のロータ半径および回転速度から算出
されるドップラビン数判定しきい値Lthrとドップラ
広がり数L2とをドップラ分布解析部9が比較して、目
標のドップラ広がり数L2を2分類するようにしたの
で、ドップラ広がりによって回転翼機と固定翼機/ミサ
イルとの類別が可能になるという効果が得られる。
【0103】さらに、この実施の形態1によれば、回転
翼機で想定可能な飛行可能最大高度から定められる高度
判定しきい値Hthrと目標航跡情報から得られる目標
の高度Hとを比較して、目標の高度Hを2分類する高度
判定回路12を航跡解析部10が備えるようにしたの
で、目標の高度Hによって回転翼機と固定翼機/ミサイ
ルとの類別が可能になるという効果が得られる。
【0104】さらに、この実施の形態1によれば、固定
翼機/回転翼機/ミサイルの飛行可能速度の限界値から
定められる2つの速度判定しきい値Vmin,Vmax
と目標航跡情報から得られる目標の速度Vとをそれぞれ
比較して、目標の速度Vを3分類する速度判定回路13
を航跡解析部10が備えるようにしたので、目標の速度
Vによって固定翼機/回転翼機/ミサイルの類別が可能
になるという効果が得られる。
【0105】さらに、この実施の形態1によれば、固定
翼機/回転翼機/ミサイルの旋回可能加速度の限界値か
ら定められる2つの旋回加速度判定しきい値Gmin,
Gmaxと目標航跡情報から得られる目標の旋回加速度
Gとをそれぞれ比較して、目標の旋回加速度Gを3分類
する旋回加速度判定回路14を航跡解析部10が備える
ようにしたので、目標の旋回加速度Gによって固定翼機
/回転翼機/ミサイルの類別が可能になるという効果が
得られる。
【0106】さらに、この実施の形態1によれば、目標
航跡の特徴としてそれぞれ判定された目標の高度H,速
度Vおよび旋回加速度Gの各判定結果Hout,Vou
t,Goutを重み付け加算して規格化し、この規格化
された重み付け加算の結果を航跡推定結果として出力す
る尤度算出回路15を航跡解析部10が備えるようにし
たので、目標の高度H,速度Vおよび旋回加速度Gによ
る各判定結果Hout,Vout,Goutを一つにま
とめて航跡推定結果Poutとして出力することがで
き、各判定結果Hout,Vout,Goutを反映さ
せて航跡解析の信頼性を向上することができるという効
果が得られる。
【0107】さらに、この実施の形態1によれば、レン
ジプロフィール推定結果Rout,ドップラ分布推定結
果Doutおよび航跡推定結果Poutを目標判定部1
1が重み付け加算して規格化し、この規格化された重み
付け加算の結果を目標類別情報として目標判定部11が
出力するようにしたので、レンジプロフィール推定結果
Rout,ドップラ分布推定結果Doutおよび航跡推
定結果Poutを一つにまとめて目標類別情報として出
力することができ、各推定結果Rout,Dout,P
outを反映させて目標類別情報の信頼性を向上するこ
とができるという効果が得られる。
【0108】さらに、この実施の形態1によれば、予め
設定した目標類別条件を満たす目標を検出すると、高距
離分解能送信時の送信信号と高ドップラ分解能送信時の
送信信号とを目標へ順次送信し、目標類別情報を自動的
に算出するようにしたので、オペレータの負担を軽減で
きるという効果が得られる。
【0109】さらに、この実施の形態1によれば、送信
信号によって目標を検出する場合と比較して、高距離分
解能送時および高ドップラ分解能送信時の場合における
送信信号の目標ヒット数を増加させるようにしたので、
受信信号のS/N比が向上して、レンジプロフィール解
析の解析精度を向上することができるという効果が得ら
れる。
【0110】実施の形態2.図21はこの発明の実施の
形態2によるレーダ装置の構成を示す図である。図1と
同一符号は同一または相当する構成を示している。この
実施の形態2では、実施の形態1の構成(図1)に基づ
き、レーダ制御部2’からの指令によってビームマネジ
メント部3’が高距離分解能送信指令/高ドップラ分解
能送信指令を出力する際に、レーダパルスの送信間隔を
小さくするよう送信部4’に指示し、また受信部6’お
よび信号処理部7’に対しても、レーダパルスの送信間
隔の変更に対応し処理を行うように指令するものであ
る。
【0111】レーダ制御部2’はレーダパルスの送信間
隔を小さくした際、レンジプロフィール解析部8,ドッ
プラ分布解析部9,航跡解析部10のそれぞれに対して
も必要があれば解析パラメータの変更を通知する。レー
ダパルスの送信間隔を小さくすることにより、発明の実
施の形態1に加えてさらに下記の効果が得られる。
【0112】(1) 送信信号のデューティ比の向上に
より、レーダパルスの送信間隔を小さくしない場合と比
較して送信平均電力が大きくなるため受信信号のS/N
比が向上し、高距離分解能受信信号処理時および高ドッ
プラ分解能受信情報処理時の推定精度が向上する。
【0113】(2) 高ドップラ信号処理時におけるナ
イキスト周波数がレーダパルスの送信間隔を小さくしな
い場合よりも大きくとれるため、より広い帯域でのドッ
プラ分布解析が可能となり、解析精度が向上する。
【0114】なお、レーダパルスの送信間隔は、高距離
分解能送信を行なう場合には送信部4’が許容する範囲
で送信信号のデューティ比が大きくなるように、高ドッ
プラ分解能送信を行なう場合にはナイキスト周波数が大
きく得られ、かつ送信信号のデューティ比が許容する範
囲で小さく選べば良い。
【0115】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、高距離分解能送信時には送信信号のデューティ比が
許容範囲内で大きくなるように、また高ドップラ分解能
送信時にはナイキスト周波数が大きく得られ、かつ送信
信号のデューティ比が許容する範囲で、送信信号のレー
ダパルスの送信間隔を小さくするようにしたので、送信
平均電力が大きくなって受信信号のS/N比が向上し、
高距離分解能送信/高ドップラ分解能送信における推定
精度を向上することができるという効果が得られる。
【0116】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、送信
信号を高距離分解能送信した際の受信信号を受信・処理
して得られる高距離分解能受信信号をもとに、目標の大
きさと目標の形状複雑度とをそれぞれ推定してレンジプ
ロフィール推定結果を出力するレンジプロフィール解析
部と、送信信号を高ドップラ分解能送信した際の受信信
号を受信・処理して得られる高ドップラ分解能受信情報
をもとに、目標のドップラ広がりを推定してドップラ分
布推定結果を出力するドップラ分布解析部と、受信信号
を受信・処理して得られる目標航跡情報をもとに、目標
の高度、速度および旋回加速度に関する目標航跡の特徴
を抽出して航跡推定結果を出力する航跡解析部と、レン
ジプロフィール推定結果、ドップラ分布推定結果および
航跡推定結果をもとに、目標が固定翼機/回転翼機/ミ
サイルである確率を示した目標類別情報を算出する目標
判定部とを備えるようにしたので、レーダで検出された
目標を固定翼機/回転翼機/ミサイルの中から類別する
ことができるという効果が得られる。
【0117】この発明によれば、受信信号強度判定しき
い値を超える高距離分解能受信信号をレンジプロフィー
ル解析部が目標の大きさとし、固定翼機/回転翼機/ミ
サイルの大きさから定められる2つの目標大きさ判定し
きい値と目標の大きさとをレンジプロフィール解析部が
比較して、目標の大きさを3分類するようにしたので、
目標の大きさによって固定翼機/回転翼機/ミサイルの
類別が可能になるという効果が得られる。
【0118】この発明によれば、受信信号強度最大値と
受信信号強度最小値との比を目標の受信信号強度比とし
てレンジプロフィール解析部が算出し、固定翼機/回転
翼機/ミサイルのモデルから算出される2つの受信信号
強度比判定しきい値と目標の受信信号強度比とをレンジ
プロフィール解析部が比較して、目標の受信信号強度比
を3分類するようにしたので、目標の形状の複雑度によ
って固定翼機/回転翼機/ミサイルの類別が可能になる
という効果が得られる。
【0119】この発明によれば、受信信号強度判定しき
い値を超える高ドップラ分解能受信情報をドップラ分布
解析部が目標のドップラ広がり数とし、回転翼機のロー
タ半径および回転速度から算出されるドップラビン数判
定しきい値とドップラ広がり数とをドップラ分布解析部
が比較して、目標のドップラ広がり数を2分類するよう
にしたので、ドップラ広がりによって回転翼機と固定翼
機/ミサイルとの類別が可能になるという効果が得られ
る。
【0120】この発明によれば、回転翼機で想定可能な
飛行可能最大高度から定められる高度判定しきい値と目
標航跡情報から得られる目標の高度とを比較して、目標
の高度を2分類する高度判定回路を航跡解析部が備える
ようにしたので、目標の高度によって回転翼機と固定翼
機/ミサイルとの類別が可能になるという効果が得られ
る。
【0121】この発明によれば、固定翼機/回転翼機/
ミサイルの飛行可能速度の限界値から定められる2つの
速度判定しきい値と目標航跡情報から得られる目標の速
度とを比較して、目標の速度を3分類する速度判定回路
を航跡解析部が備えるようにしたので、目標の速度によ
って固定翼機/回転翼機/ミサイルの類別が可能になる
という効果が得られる。
【0122】この発明によれば、固定翼機/回転翼機/
ミサイルの旋回可能加速度の限界値から定められる2つ
の旋回加速度判定しきい値と目標航跡情報から得られる
目標の旋回加速度とを比較して、目標の旋回加速度を3
分類する旋回加速度判定回路を航跡解析部が備えるよう
にしたので、目標の旋回加速度によって固定翼機/回転
翼機/ミサイルの類別が可能になるという効果が得られ
る。
【0123】この発明によれば、目標航跡の特徴として
それぞれ判定された目標の高度、速度および旋回加速度
の各判定結果を重み付け加算して規格化し、この規格化
された重み付け加算の結果を航跡推定結果として出力す
る尤度算出回路を航跡解析部が備えるようにしたので、
目標の高度、速度および旋回加速度による各判定結果を
一つにまとめて航跡推定結果として出力することがで
き、各判定結果を反映させて航跡解析の信頼性を向上す
ることができるという効果が得られる。
【0124】この発明によれば、レンジプロフィール推
定結果、ドップラ分布推定結果および航跡推定結果を目
標判定部が重み付け加算して規格化し、この規格化され
た重み付け加算の結果を目標類別情報として目標判定部
が出力するようにしたので、レンジプロフィール推定結
果、ドップラ分布推定結果および航跡推定結果を一つに
まとめて目標類別情報として出力することができ、各推
定結果を反映させて目標類別情報の信頼性を向上するこ
とができるという効果が得られる。
【0125】この発明によれば、予め設定した目標類別
条件を満たす目標を検出すると、高距離分解能送信時の
送信信号と高ドップラ分解能送信時の送信信号とを目標
へ順次送信し、目標類別情報を自動的に算出するように
したので、オペレータの負担を軽減できるという効果が
得られる。
【0126】この発明によれば、送信信号によって目標
を検出する場合と比較して、高距離分解能送時および高
ドップラ分解能送信時の場合における送信信号の目標ヒ
ット数を増加させるようにしたので、受信信号のS/N
比が向上して、レンジプロフィール解析の解析精度を向
上することができるという効果が得られる。
【0127】この発明によれば、高距離分解能送信時に
は送信信号のデューティ比が許容範囲内で大きくなるよ
うに、また高ドップラ分解能送信時にはナイキスト周波
数が大きく得られ、かつ送信信号のデューティ比が許容
する範囲で、送信信号のレーダパルスの送信間隔を小さ
くするようにしたので、送信平均電力が大きくなって受
信信号のS/N比が向上し、高距離分解能送信/高ドッ
プラ分解能送信における推定精度を向上することができ
るという効果が得られる。
【0128】この発明によれば、送信信号を高距離分解
能送信した際の受信信号を受信・処理して得られる高距
離分解能受信信号をもとに、目標の大きさと目標の形状
複雑度とをそれぞれ推定してレンジプロフィール推定結
果を出力するレンジプロフィール解析ステップと、送信
信号を高ドップラ分解能送信した際の受信信号を受信・
処理して得られる高ドップラ分解能受信情報をもとに、
目標のドップラ広がりを推定してドップラ分布推定結果
を出力するドップラ分布解析ステップと、受信信号を受
信・処理して得られる目標航跡情報をもとに、目標の高
度、速度および旋回加速度に関する目標航跡の特徴を抽
出して航跡推定結果を出力する航跡解析ステップと、レ
ンジプロフィール推定結果、ドップラ分布推定結果およ
び航跡推定結果をもとに、目標が固定翼機/回転翼機/
ミサイルである確率を示した目標類別情報を算出する目
標判定ステップとを備えるようにしたので、レーダで検
出された目標を固定翼機/回転翼機/ミサイルの中から
類別することができるという効果が得られる。
【0129】この発明によれば、受信信号強度判定しき
い値を超える高距離分解能受信信号を目標の大きさと
し、固定翼機/回転翼機/ミサイルの大きさから定めら
れる2つの目標大きさ判定しきい値と目標の大きさとを
比較して、目標の大きさを3分類する目標大きさ判定ス
テップをレンジプロフィール解析ステップに備えるよう
にしたので、目標の大きさによって固定翼機/回転翼機
/ミサイルの類別が可能になるという効果が得られる。
【0130】この発明によれば、受信信号強度最大値と
受信信号強度最小値との比を目標の受信信号強度比とし
て算出し、固定翼機/回転翼機/ミサイルのモデルから
算出される2つの受信信号強度比判定しきい値と目標の
受信信号強度比とを比較して、目標の受信信号強度比を
3分類する受信信号強度比判定ステップをレンジプロフ
ィール解析ステップに備えるようにしたので、目標の形
状の複雑度によって固定翼機/回転翼機/ミサイルの類
別が可能になるという効果が得られる。
【0131】この発明によれば、受信信号強度判定しき
い値を超える高ドップラ分解能受信情報を目標のドップ
ラ広がり数とし、回転翼機のロータ半径および回転速度
から算出されるドップラビン数判定しきい値とドップラ
広がり数とを比較して、目標のドップラ広がり数を2分
類するドップラ広がり判定ステップをドップラ分布解析
ステップに備えるようにしたので、ドップラ広がりによ
って回転翼機と固定翼機/ミサイルとの類別が可能にな
るという効果が得られる。
【0132】この発明によれば、回転翼機で想定可能な
飛行可能最大高度から定められる高度判定しきい値と目
標航跡情報から得られる目標の高度とを比較して、目標
の高度を2分類する高度判定ステップを航跡解析ステッ
プに備えるようにしたので、目標の高度によって回転翼
機と固定翼機/ミサイルとの類別が可能になるという効
果が得られる。
【0133】この発明によれば、固定翼機/回転翼機/
ミサイルの飛行可能速度の限界値から定められる2つの
速度判定しきい値と目標航跡情報から得られる目標の速
度とを比較して、目標の速度を3分類する速度判定ステ
ップを航跡解析ステップに備えるようにしたので、目標
の速度によって回転翼機と固定翼機/ミサイルとの類別
が可能になるという効果が得られる。
【0134】この発明によれば、固定翼機/回転翼機/
ミサイルの旋回可能加速度の限界値から定められる2つ
の旋回加速度判定しきい値と目標航跡情報から得られる
目標の旋回加速度とを比較して、目標の旋回加速度を3
分類する旋回加速度判定ステップを航跡解析ステップに
備えるようにしたので、目標の旋回加速度によって回転
翼機と固定翼機/ミサイルとの類別が可能になるという
効果が得られる。
【0135】この発明によれば、送信信号を高距離分解
能送信した際の受信信号を受信・処理して得られる高距
離分解能受信信号をもとに、目標の大きさと目標の形状
複雑度とをそれぞれ推定してレンジプロフィール推定結
果を出力するレンジプロフィール解析手順と、送信信号
を高ドップラ分解能送信した際の受信信号を受信・処理
して得られる高ドップラ分解能受信情報をもとに、目標
のドップラ広がりを推定してドップラ分布推定結果を出
力するドップラ分布解析手順と、受信信号を受信・処理
して得られる目標航跡情報をもとに、目標の高度、速度
および旋回加速度に関する目標航跡の特徴を抽出して航
跡推定結果を出力する航跡解析手順と、レンジプロフィ
ール推定結果、ドップラ分布推定結果および航跡推定結
果をもとに、目標が固定翼機/回転翼機/ミサイルであ
る確率を示した目標類別情報を算出する目標判定手順と
を備えるようにしたので、レーダで検出された目標を固
定翼機/回転翼機/ミサイルの中から類別することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるレーダ装置の
構成を示す図である。
【図2】 目標の通常検出時および高距離分解能送信時
における距離分解能を比較する図である。
【図3】 レンジプロフィール解析部の入出力関係を説
明するための図である。
【図4】 レンジプロフィール解析部の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 目標大きさ判定ステップの処理を表すフロー
チャートである。
【図6】 目標の大きさの推定処理例を示す図である。
【図7】 目標形状の複雑度と受信信号強度比との関係
性を示す図である。
【図8】 受信信号強度比判定ステップの処理を表すフ
ローチャートである。
【図9】 目標種類の尤度テーブルを示す図である。
【図10】 目標の通常検出時および高ドップラ分解能
送信時におけるドップラ分解能を比較する図である。
【図11】 ドップラ分布解析部の入出力関係を説明す
るための図である。
【図12】 ドップラ分布解析部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図13】 目標のドップラ広がり数の推定処理例を示
す図である。
【図14】 目標種類の尤度テーブルを示す図である。
【図15】 航跡解析部の構成を示す図である。
【図16】 高度判定回路の動作を示すフローチャート
である。
【図17】 速度判定回路の動作を示すフローチャート
である。
【図18】 旋回加速度判定回路の動作を示すフローチ
ャートである。
【図19】 尤度算出回路の構成を示す図である。
【図20】 目標判定部の構成を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態2によるレーダ装置
の構成を示す図である。
【図22】 従来のレーダ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーダ指示部、2 レーダ制御部、3 ビームマネ
ジメント部、4 送信部、5 空中線部、6 受信部、
7 信号処理部、8 レンジプロフィール解析部、9
ドップラ分布解析部、10 航跡解析部、11 目標判
定部、12 高度判定回路、13 速度判定回路、14
旋回加速度判定回路、15 尤度算出回路、16,1
7,18 乗算器、19 加算器、20 規格化器、2
1,22,23 乗算器、24 加算器、25 規格化
器、W1,W2,W3 重み係数、Wr,Wd,Wp
重み係数。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号を生成して目標へ送信するとと
    もに、上記目標で散乱した上記送信信号を受信信号とし
    て受信・処理して上記目標を検出するレーダ装置におい
    て、 上記送信信号を高距離分解能送信した際の上記受信信号
    を受信・処理して得られる高距離分解能受信信号をもと
    に、上記目標の大きさと上記目標の形状複雑度とをそれ
    ぞれ推定してレンジプロフィール推定結果を出力するレ
    ンジプロフィール解析部と、 上記送信信号を高ドップラ分解能送信した際の上記受信
    信号を受信・処理して得られる高ドップラ分解能受信情
    報をもとに、上記目標のドップラ広がりを推定してドッ
    プラ分布推定結果を出力するドップラ分布解析部と、 上記受信信号を受信・処理して得られる目標航跡情報を
    もとに、上記目標の高度、速度および旋回加速度に関す
    る目標航跡の特徴を抽出して航跡推定結果を出力する航
    跡解析部と、 上記レンジプロフィール推定結果、上記ドップラ分布推
    定結果および上記航跡推定結果をもとに、上記目標が固
    定翼機/回転翼機/ミサイルである確率を示した目標類
    別情報を算出する目標判定部とを備えることを特徴とす
    るレーダ装置。
  2. 【請求項2】 レンジプロフィール解析部は、 受信信号強度判定しきい値を超える高距離分解能受信信
    号を目標の大きさとし、固定翼機/回転翼機/ミサイル
    の大きさから定められる2つの目標大きさ判定しきい値
    と上記目標の大きさとを比較して、上記目標の大きさを
    3分類することを特徴とする請求項1記載のレーダ装
    置。
  3. 【請求項3】 レンジプロフィール解析部は、 受信信号強度最大値と受信信号強度最小値との比を目標
    の受信信号強度比として算出し、固定翼機/回転翼機/
    ミサイルのモデルから算出される2つの受信信号強度比
    判定しきい値と上記目標の受信信号強度比とを比較し
    て、上記目標の受信信号強度比を3分類することを特徴
    とする請求項1記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 ドップラ分布解析部は、 受信信号強度判定しきい値を超える高ドップラ分解能受
    信情報を目標のドップラ広がり数とし、回転翼機のロー
    タ半径および回転速度から算出されるドップラビン数判
    定しきい値と上記ドップラ広がり数とを比較して、上記
    目標のドップラ広がり数を2分類することを特徴とする
    請求項1記載のレーダ装置。
  5. 【請求項5】 航跡解析部は、 回転翼機で想定可能な飛行可能最大高度から定められる
    高度判定しきい値と目標航跡情報から得られる目標の高
    度とを比較して、上記目標の高度を2分類する高度判定
    回路を備えることを特徴とする請求項1記載のレーダ装
    置。
  6. 【請求項6】 航跡解析部は、 固定翼機/回転翼機/ミサイルの飛行可能速度の限界値
    から定められる2つの速度判定しきい値と目標航跡情報
    から得られる目標の速度とを比較して、上記目標の速度
    を3分類する速度判定回路を備えることを特徴とする請
    求項1記載のレーダ装置。
  7. 【請求項7】 航跡解析部は、 固定翼機/回転翼機/ミサイルの旋回可能加速度の限界
    値から定められる2つの旋回加速度判定しきい値と目標
    航跡情報から得られる目標の旋回加速度とを比較して、
    上記目標の旋回加速度を3分類する旋回加速度判定回路
    を備えることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  8. 【請求項8】 航跡解析部は、 目標航跡の特徴としてそれぞれ判定された目標の高度、
    速度および旋回加速度の各判定結果を重み付け加算して
    規格化し、この規格化された重み付け加算の結果を航跡
    推定結果として出力する尤度算出回路を備えることを特
    徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  9. 【請求項9】 目標判定部は、 レンジプロフィール推定結果、ドップラ分布推定結果お
    よび航跡推定結果を重み付け加算して規格化し、この規
    格化された重み付け加算の結果を目標類別情報として出
    力することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  10. 【請求項10】 予め設定した目標類別条件を満たす目
    標を検出すると、高距離分解能送信時の送信信号と高ド
    ップラ分解能送信時の送信信号とを上記目標へ順次送信
    し、目標類別情報を自動的に算出することを特徴とする
    請求項1記載のレーダ装置。
  11. 【請求項11】 送信信号によって目標を検出する場合
    と比較して、高距離分解能送信時および高ドップラ分解
    能送信時の場合における送信信号の目標ヒット数を増加
    させることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  12. 【請求項12】 高距離分解能送信時には送信信号のデ
    ューティ比が許容範囲内で大きくなるように、また高ド
    ップラ分解能送信時にはナイキスト周波数が大きく得ら
    れ、かつ送信信号のデューティ比が許容する範囲で、送
    信信号のレーダパルスの送信間隔を小さくすることを特
    徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  13. 【請求項13】 生成した送信信号を目標へ送信し、上
    記目標で散乱した上記送信信号を受信信号として受信・
    処理して上記目標を検出し、固定翼機/回転翼機/ミサ
    イルの中から上記目標を類別する目標類別方法におい
    て、 上記送信信号を高距離分解能送信した際の上記受信信号
    を受信・処理して得られる高距離分解能受信信号をもと
    に、上記目標の大きさと上記目標の形状複雑度とをそれ
    ぞれ推定してレンジプロフィール推定結果を出力するレ
    ンジプロフィール解析ステップと、 上記送信信号を高ドップラ分解能送信した際の上記受信
    信号を受信・処理して得られる高ドップラ分解能受信情
    報をもとに、上記目標のドップラ広がりを推定してドッ
    プラ分布推定結果を出力するドップラ分布解析ステップ
    と、 上記受信信号を受信・処理して得られる目標航跡情報を
    もとに、上記目標の高度、速度および旋回加速度に関す
    る目標航跡の特徴を抽出して航跡推定結果を出力する航
    跡解析ステップと、 上記レンジプロフィール推定結果、上記ドップラ分布推
    定結果および上記航跡推定結果をもとに、上記目標が固
    定翼機/回転翼機/ミサイルである確率を示した目標類
    別情報を算出する目標判定ステップとを備えることを特
    徴とする目標類別方法。
  14. 【請求項14】 レンジプロフィール解析ステップに、 受信信号強度判定しきい値を超える高距離分解能受信信
    号を目標の大きさとし、固定翼機/回転翼機/ミサイル
    の大きさから定められる2つの目標大きさ判定しきい値
    と上記目標の大きさとを比較して、上記目標の大きさを
    3分類する目標大きさ判定ステップを備えることを特徴
    とする請求項13記載の目標類別方法。
  15. 【請求項15】 レンジプロフィール解析ステップに、 受信信号強度最大値と受信信号強度最小値との比を目標
    の受信信号強度比として算出し、固定翼機/回転翼機/
    ミサイルのモデルから算出される2つの受信信号強度比
    判定しきい値と上記目標の受信信号強度比とを比較し
    て、上記目標の受信信号強度比を3分類する受信信号強
    度比判定ステップを備えることを特徴とする請求項13
    記載の目標類別方法。
  16. 【請求項16】 ドップラ分布解析ステップに、 受信信号強度判定しきい値を超える高ドップラ分解能受
    信情報を目標のドップラ広がり数とし、回転翼機のロー
    タ半径および回転速度から算出されるドップラビン数判
    定しきい値と上記ドップラ広がり数とを比較して、上記
    目標のドップラ広がり数を2分類するドップラ広がり判
    定ステップを備えることを特徴とする請求項13記載の
    目標類別方法。
  17. 【請求項17】 航跡解析ステップに、 回転翼機で想定可能な飛行可能最大高度から定められる
    高度判定しきい値と目標航跡情報から得られる目標の高
    度とを比較して、上記目標の高度を2分類する高度判定
    ステップを備えることを特徴とする請求項13記載の目
    標類別方法。
  18. 【請求項18】 航跡解析ステップに、 固定翼機/回転翼機/ミサイルの飛行可能速度の限界値
    から定められる2つの速度判定しきい値と目標航跡情報
    から得られる目標の速度とを比較して、上記目標の速度
    を3分類する速度判定ステップを備えることを特徴とす
    る請求項13記載の目標類別方法。
  19. 【請求項19】 航跡解析ステップに、 固定翼機/回転翼機/ミサイルの旋回可能加速度の限界
    値から定められる2つの旋回加速度判定しきい値と目標
    航跡情報から得られる目標の旋回加速度とを比較して、
    上記目標の旋回加速度を3分類する旋回加速度判定ステ
    ップを備えることを特徴とする請求項13記載の目標類
    別方法。
  20. 【請求項20】 生成した送信信号を目標へ送信し、上
    記目標で散乱した上記送信信号を受信信号として受信・
    処理して上記目標を検出し、固定翼機/回転翼機/ミサ
    イルの中から上記目標を類別する目標類別プログラムに
    おいて、 上記送信信号を高距離分解能送信した際の上記受信信号
    を受信・処理して得られる高距離分解能受信信号をもと
    に、上記目標の大きさと上記目標の形状複雑度とをそれ
    ぞれ推定してレンジプロフィール推定結果を出力するレ
    ンジプロフィール解析手順と、 上記送信信号を高ドップラ分解能送信した際の上記受信
    信号を受信・処理して得られる高ドップラ分解能受信情
    報をもとに、上記目標のドップラ広がりを推定してドッ
    プラ分布推定結果を出力するドップラ分布解析手順と、 上記受信信号を受信・処理して得られる目標航跡情報を
    もとに、上記目標の高度、速度および旋回加速度に関す
    る目標航跡の特徴を抽出して航跡推定結果を出力する航
    跡解析手順と、 上記レンジプロフィール推定結果、上記ドップラ分布推
    定結果および上記航跡推定結果をもとに、上記目標が固
    定翼機/回転翼機/ミサイルである確率を示した目標類
    別情報を算出する目標判定手順とを備えることを特徴と
    する目標類別プログラム。
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