JP2002340560A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP2002340560A
JP2002340560A JP2001149602A JP2001149602A JP2002340560A JP 2002340560 A JP2002340560 A JP 2002340560A JP 2001149602 A JP2001149602 A JP 2001149602A JP 2001149602 A JP2001149602 A JP 2001149602A JP 2002340560 A JP2002340560 A JP 2002340560A
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vibrators
adjustment
electrodes
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Hideya Kurachi
秀哉 倉知
Manabu Kato
加藤  学
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査調整工数の負荷を軽減するとともに、対
を形成する振動体の角速度に対する各感度を好適に調整
することができる角速度センサを提供する。 【解決手段】 第2の振動体12,22は、互いに略対
称となる対を形成して基板10に対してそれぞれ浮動支
持されている。これら第2の振動体12,22は第1の
振動体11,21とともにx方向に互いに逆方向で振動
駆動されている状態においてz軸廻りの角速度が加えら
れることにより同角速度に基づくコリオリの力に応じて
y方向に互いに逆方向で振動する。これら第2の振動体
12,22のy方向の振動振幅に基づき角速度が検出さ
れる。第2の振動体12,22に対向して基板10にそ
れぞれ固定配置され、直流電圧が印加されることで第2
の振動体12,22のy方向の共振周波数を調整する調
整用電極を複数に分割して設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に対して浮動
支持された振動体を対で備え、これら振動体の振動状態
に基づき角速度を検出する角速度センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、角速度センサとしては、例えば基
板に対して第1のばね梁を介して駆動方向(x方向)に
振動可能に支持された第1の振動体と、同第1の振動体
に第2のばね梁を介して検出方向(y方向)に振動可能
に支持された第2の振動体とを備えたものが知られてい
る。こうした角速度センサにおいては、第1及び第2の
振動体が駆動方向(x方向)に振動駆動されている状態
においてz軸廻りの角速度が加えられると、同角速度に
基づくコリオリの力に応じて第2の振動体が検出方向
(y方向)に振動する。角速度センサは、この第2の振
動体の検出方向(y方向)の振動状態に基づき加えられ
た角速度を検出する。
【0003】なお、加えられた角速度をΩとすると、第
2の振動体の検出方向(y方向)の感度、すなわち角速
度に対する感度に相当する変位Δyは、下記数1式で表
されることが知られている。
【0004】
【数1】 ここで、fdは第1及び第2の振動体の駆動方向(x方
向)の共振周波数(コリオリ力の周波数)、fs及びQ
は第2の振動体の検出方向(y方向)の共振周波数とそ
のQ値、vdは第1及び第2の振動体の駆動方向(x方
向)の振動速度(駆動振動速度)をそれぞれ示す。数1
式からわかるように、角速度センサとしての感度を決め
るのは、駆動方向(x方向)の共振周波数fd及び振動
速度vd、検出方向(y方向)の共振周波数fs及びそ
のQ値である。特に、駆動方向(x方向)及び検出方向
(y方向)の各共振周波数fd,fsの比の値(fd/
fs)の影響度が最も大きくなっている。従って、この
比の値(fd/fs)を精度良く決めることが最も重要
となる。
【0005】このような特性を有する角速度センサの感
度調整のため、例えば第2の振動体に対して駆動方向の
静電引力を発生させる櫛歯状の調整用固定電極を設けた
角速度センサが知られている。すなわち、この調整用固
定電極に対して所要の直流電圧を印加することで電気的
なばねを付加し、第2の振動体の検出方向の共振周波数
を調整する。
【0006】なお、上記直流電圧の印加による調整後の
第2の振動体の共振周波数をfstとすると、この調整
後の共振周波数fstは、下記数2式で表されることが
知られている。
【0007】
【数2】 ここで、Vtは調整用固定電極に対して印加した直流電
圧(調整電圧)を、ntは櫛歯の本数を、ltは各櫛歯
が第2の振動体と重なる長さを、ttは調整用固定電極
(櫛歯)の厚さを、msは第2の振動体の質量を、dt
は電極間距離をそれぞれ示す。従って、上記調整用固定
電極に直流電圧を印加し、第2の振動体の検出方向(y
方向)の共振周波数を下げる方向に調整することで角速
度に対する感度を調整する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした角
速度センサにおいては、第1の振動体は第1のばね梁に
て駆動方向にのみ振動しやすく支持されており、第2の
振動体は第2のばね梁にて検出方向にのみ振動しやすく
支持されている。一方、角速度の検出に関しては、1つ
の振動体(第2の振動体)のみの振動に基づいているた
め、例えば車載された場合などのように振動の多い環境
では、検出に際して所定方向に作用する加速度などの外
力の要因を分離することができず、角速度の検出精度の
低下を余儀なくされている。
【0009】そこで、例えば図5に示されるように、上
記に準じた形状を有する一対の振動体を備えて同一平面
上に音叉型に構成された角速度センサが知られている。
すなわち、この角速度センサは基板80に対して第1の
ばね梁81,91を介して駆動方向(x方向)に振動可
能に支持された第1の振動体82,92と、同第1の振
動体82,92に第2のばね梁83,93を介して検出
方向(y方向)に振動可能に支持された第2の振動体8
4,94とを備えている。そして、静電引力によりこれ
ら第1の振動体82,92(及び第2の振動体84,9
4)を駆動方向に互いに逆相(逆方向)で振動させるた
めの駆動用固定電極85a,85b,95a,95b、
第1の振動体82,92の駆動方向の振動を検出するた
めの変位検出用固定電極86a,86b,96a,96
b、直流電圧を印加する調整用固定電極87,97、第
2の振動体84,94の検出方向の振動を検出するため
の角速度検出用固定電極88a,88b,98a,98
bが基板80に対して接合されている。
【0010】第1の振動体82,92(第2の振動体8
4,94)が駆動方向に互いに逆相(逆方向)で振動す
る状態で、xy平面に直交するz軸廻りの角速度が加え
られると、同角速度に基づくコリオリの力に応じて第2
の振動体84,94がそれぞれ検出方向に振動する。こ
のとき、第2の振動体84,94は駆動方向に互いに逆
相で振動しているため、その検出方向の振動も互いに逆
相(逆方向)となっている。従って、これら第2の振動
体84,94の検出方向の振動に基づく静電容量の変動
に応じた各信号(電圧値)を差動増幅することで、その
信号レベルを略2倍にするとともに、同相で検出された
ノイズを略相殺する。このため、例えば加速度などの外
力のように第2の振動体84,94に対して同相で影響
を及ぼす要因を略相殺することができ、その角速度の検
出精度の向上を図ることができる。
【0011】また、上記調整用固定電極87,97に対
して所要の直流電圧を印加することで、角速度に対する
感度が調整される。ここで、このような音叉型の角速度
センサにおいては、各第2の振動体84,94の検出方
向の共振周波数fsの上述の調整(比の値fd/fsの
調整)に加えて、対となる両第2の振動体84,94の
検出方向の共振周波数を互いに一致させるための調整を
共通な1つの直流電圧(調整電圧)で行う必要がある。
このため、調整手順が複雑となって調整工程の自動化が
困難であるため、調整時間の増大を余儀なくされてい
た。
【0012】本発明の目的は、検査調整工数の負荷を軽
減するとともに、対を形成する振動体の角速度に対する
各感度を好適に調整することができる角速度センサを提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、互いに略対称となる対
を形成して基板に対してそれぞれ浮動支持され、x方向
に互いに逆方向で振動駆動されている状態においてz軸
廻りの角速度が加えられることにより該角速度に基づく
コリオリの力に応じてy方向に互いに逆方向で振動する
振動体を備え、該振動体のy方向の振動振幅に基づき角
速度を検出する角速度センサにおいて、前記振動体に対
向して前記基板にそれぞれ固定配置され、直流電圧が印
加されることで該振動体のy方向の共振周波数を調整す
る調整用電極を複数に分割して設けたことを要旨とす
る。
【0014】請求項2に記載の発明は、互いに略対称と
なる対を形成して基板に対してそれぞれx方向及びy方
向に振動可能に浮動支持された振動体と、前記振動体の
x方向の振動振幅が略一定となるように該振動体を互い
に逆方向で振動駆動する駆動手段と、前記振動体のy方
向の振動振幅をそれぞれ検出する検出手段とを備え、該
検出された振動体のy方向の振動振幅に基づきz軸廻り
の角速度を検出する角速度センサにおいて、前記振動体
に対向して前記基板にそれぞれ固定配置され、直流電圧
が印加されることで該振動体のy方向の共振周波数を調
整する調整用電極を複数に分割して設けたことを要旨と
する。
【0015】請求項3に記載の発明は、互いに略対称と
なる対を形成して基板に対してそれぞれx方向に振動可
能に浮動支持された第1の振動体と、前記第1の振動体
に対してy方向に振動可能にそれぞれ支持された第2の
振動体と、前記第1の振動体のx方向の振動振幅が略一
定となるように該第1の振動体を互いに逆方向で振動駆
動する駆動手段と、前記第2の振動体のy方向の振動振
幅をそれぞれ検出する検出手段とを備え、該検出された
第2の振動体のy方向の振動振幅に基づきz軸廻りの角
速度を検出する角速度センサにおいて、前記第2の振動
体に対向して前記基板にそれぞれ固定配置され、直流電
圧が印加されることで該第2の振動体のy方向の共振周
波数を調整する調整用電極を複数に分割して設けたこと
を要旨とする。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の角速度センサにおいて、前記調整用電
極は、y方向略中間部を通るx方向に対して略対称とな
るように分割されたことを要旨とする。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の角速度センサにおいて、前記分割され
た調整用電極には、互いに独立した2つの直流電圧が印
加されることを要旨とする。
【0018】(作用)請求項1又は2に記載の発明によ
れば、上記調整用電極は複数に分割されている。一般
に、調整用電極に対して直流電圧を印加して電気的なば
ねを付加することで、振動体のy方向の共振周波数を低
減調整できる(数2式参照)。従って、対を形成する振
動体のy方向の共振周波数を互いに一致させるために、
同共振周波数が大きい方の振動体に対向する分割された
いずれかの調整電極に直流電圧を印加する。また、角速
度に対する振動体の感度において影響度合いの大きいx
方向及びy方向の各共振周波数の比の値(数1式参照)
を所要の値にするため、更に各振動体に対向する分割さ
れた残りの調整電極に共通の直流電圧を印加する。以上
により、対を形成する振動体の角速度に対する各感度は
好適に調整される。また、検査調整工程においては、分
割された各調整電極に印加すべき直流電圧を順次、確認
・設定することで、対を形成する振動体のy方向の共振
周波数を互いに一致させるための調整と、振動体のx方
向及びy方向の各共振周波数の比の値を所要の値にする
ための調整とを行える。このため、調整手順の単純化に
よる調整工程の自動化が可能となり、調整時間が低減さ
れる。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、上記調整
用電極は複数に分割されている。一般に、調整用電極に
対して直流電圧を印加して電気的なばねを付加すること
で、第2の振動体のy方向の共振周波数を低減調整でき
る(数2式参照)。従って、対を形成する第1の振動体
に対してそれぞれ支持された第2の振動体のy方向の共
振周波数を互いに一致させるために、同共振周波数が大
きい方の第2の振動体に対向する分割されたいずれかの
調整電極に直流電圧を印加する。また、角速度に対する
第2の振動体の感度において影響度合いの大きいx方向
及びy方向の各共振周波数の比の値(数1式参照)を所
要の値にするため、更に各第2の振動体に対向する分割
された残りの調整電極に共通の直流電圧を印加する。以
上により、対を形成する第2の振動体の角速度に対する
各感度は好適に調整される。また、検査調整工程におい
ては、分割された各調整電極に印加すべき直流電圧を順
次、確認・設定することで、対を形成する第2の振動体
のy方向の共振周波数を互いに一致させるための調整
と、第2の振動体のx方向及びy方向の各共振周波数の
比の値を所要の値にするための調整とを行える。このた
め、調整手順の単純化による調整工程の自動化が可能と
なり、調整時間が低減される。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、調整用電
極は、y方向略中間部を通るx方向に対して略対称とな
るように分割されている。従って、調整用電極に対する
直流電圧の印加による電気的なばねの付加は、振動体
(第2の振動体)に対して略均等に作用する。従って、
電気的なばねの付加による振動体の振動ぶれが抑制され
る。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、分割され
た調整用電極に対して互いに独立した2つの直流電圧を
印加する極めて簡易な回路構成とされる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図1〜図3に従って説明する。図1に示されるよう
に、この角速度センサは、絶縁層を形成するシリコン基
板10に略平行な同一平面上に浮動支持される態様で、
互いに略対称となる一対を形成して音叉型に構成されて
いる。上記角速度センサは、例えば導電性とするために
不純物の添加されたポリシリコン(以下、「導電性ポリ
シリコン」という)にて形成された第1の振動体11,
21、第2の振動体12,22、駆動用固定電極13
a,13b,23a,23b、変位検出用固定電極14
a,14b,24a,24b、調整用の直流電圧を印加
する第1調整用固定電極15,25及び第2調整用固定
電極16,26、角速度検出用固定電極17a,17
b,27a,27b並びに浮動体アンカーa11,a1
2,a13,a14,a16,a17,a18,a19
を備えている。なお、上記駆動用固定電極13a,13
b,23a,23b、変位検出用固定電極14a,14
b,24a,24b、第1調整用固定電極15,25及
び第2調整用固定電極16,26、角速度検出用固定電
極17a,17b,27a,27b並びに浮動体アンカ
ーa11〜a14,a16〜a19はシリコン基板10
に接合されている。
【0023】上記第1の振動体11は略四角枠状に形成
されており、その一側(図1の左側)には、y方向に所
定間隔をおいてx方向内側及び外側に延びる略櫛歯状の
駆動用可動電極31がそれぞれ形成されている。なお、
x方向は第1及び第2の振動体11,12の駆動方向と
なっており、y方向はx方向と略直交する角速度の検出
方向(感度軸)となっている。これらx方向及びy方向
は、シリコン基板10と略平行な方向となっている。上
記第1の振動体11の他側(図1の右側)には、y方向
に所定間隔をおいてx方向内側及び外側に延びる略櫛歯
状の変位検出用可動電極32がそれぞれ形成されてい
る。上記駆動用可動電極31は、前記駆動用固定電極1
3a,13bに供給される互いに逆相となる駆動信号に
より同駆動用固定電極13a,13bとの間での静電引
力が周期的に変動され、上記第1の振動体11に駆動方
向(x方向)の振動を発生させる。また、上記変位検出
用可動電極32は、上記第1の振動体11の駆動方向
(x方向)の振動による前記変位検出用固定電極14
a,14bとの間での静電容量の変動に基づき発生した
振動を検出する。
【0024】また、上記第1の振動体21は第1の振動
体11と略同等の形状に形成されており、第1の振動体
11と略対称になるようにその一側(図1の右側)及び
他側(図1の左側)には、同様の駆動用可動電極41及
び変位検出用可動電極42がそれぞれ形成されている。
上記駆動用可動電極41は、前記駆動用固定電極23
a,23bに供給される同様の駆動信号により第1の振
動体11と逆相(逆方向)になる振動を上記第1の振動
体21に発生させる。また、上記変位検出用可動電極4
2は、上記第1の振動体21の駆動方向(x方向)の振
動による前記変位検出用固定電極24a,24bとの間
での静電容量の変動に基づき発生した振動を検出する。
【0025】これら第1の振動体11,21の四隅は、
それぞれx方向に撓み性が高くなるようにy方向外側に
略クランク状に屈曲して延びる導電性ポリシリコンの第
1のばね梁33,43を介して支持されている。すなわ
ち、x方向外側に配置された第1のばね梁33,43は
上記浮動体アンカーa11〜a14にそれぞれ連続して
おり、同内側に配置された第1のばね梁33,43は互
いに連続している。そして、y方向一側及び他側の第1
のばね梁33,43間は、それぞれ各基端部からy方向
外側に突出する支持梁34を介して連結されており、同
支持梁34を介して上記浮動体アンカーa16〜a19
に連続している。これら第1の振動体11,21、第1
のばね梁33,43及び支持梁34は、例えばフォトリ
ソグラフ及びエッチングによる半導体プロセス加工に
て、上記シリコン基板10から浮くように形成されてい
る。
【0026】上記第2の振動体12は上記第1の振動体
11よりも小さい幅及び長さを有して略四角枠状に形成
されており、その内側はx方向に延びる角速度検出用可
動電極35にてy方向に複数(図1では5つ)に均等に
区画されている。上記角速度検出用可動電極35は、上
記第2の振動体12の検出方向(y方向)の振動による
前記角速度検出用固定電極17a,17bとの間での静
電容量の変動に基づき発生した振動を検出する。
【0027】また、上記第2の振動体12のx方向一側
及び他側には、y方向に所定間隔をおいてx方向外側に
延びる略櫛歯状の第1調整用可動電極36がそれぞれ形
成されている。上記第1調整用可動電極36は、上記第
1調整用固定電極15に対して所要の直流電圧が印加さ
れ、静電引力に基づき第1調整用固定電極15との間に
電気的なばねが付加されることで第2の振動体12の検
出方向(y方向)の共振周波数を調整する。さらに、上
記第2の振動体12のx方向一側及び他側には、上記第
1調整用固定電極15のy方向両側においてx方向外側
に延びる略櫛歯状の第2調整用可動電極37がそれぞれ
形成されている。この第2調整用可動電極37も、上記
第2調整用固定電極16に対して所要の直流電圧が印加
され、静電引力に基づき第2調整用固定電極16との間
に電気的なばねが付加されることで第2の振動体12の
検出方向(y方向)の共振周波数を更に調整する。
【0028】上記第2の振動体22は第2の振動体12
と略同等の形状に形成されており、その内側はx方向に
延びる角速度検出用可動電極45にてy方向に複数(図
1では5つ)に均等に区画されている。上記角速度検出
用可動電極45は、上記第2の振動体22の振動による
前記角速度検出用固定電極27a,27bとの間での静
電容量の変動に基づき発生した振動を検出する。
【0029】また、上記第2の振動体22のx方向一側
及び他側には、それぞれ同様の第1調整用可動電極46
及び第2調整用可動電極47が形成されている。これら
第2の振動体12,22の四隅は、それぞれy方向に撓
み性が高くなるようにx方向外側に延びる導電性ポリシ
リコンの第2のばね梁38,48を介して上記第1の振
動体11,21の内側にそれぞれ連続している。これら
第2の振動体12,22及び第2のばね梁38,48
も、例えばフォトリソグラフ及びエッチングによる半導
体プロセス加工にて、上記シリコン基板10から浮くよ
うに形成されている。
【0030】上記駆動用固定電極13a,13b,23
a,23bは、それぞれ対応する第1の振動体11,2
1の内側及び外側においてy方向に略沿って形成されて
おり、上記駆動用可動電極31,41に対して互い違い
に突出する略櫛歯状に形成されている。これら駆動用固
定電極13a,13b,23a,23bは、後述の駆動
信号(電圧)が印加されることで、上記駆動用可動電極
31,41との間での静電引力を周期的に変動し、第1
の振動体11,21をx方向に振動させる。なお、第1
の振動体11,21は略対称に配置されており、駆動用
固定電極13a,13b,23a,23bには互いに逆
相となる駆動信号が供給されている。従って、これら第
1の振動体11,21は互いに逆相(逆方向)でx方向
に振動する。ちなみに、上記第2の振動体12,22
は、x方向に延びるばね梁38,48を介して第1の振
動体11,21にそれぞれ連結されているため、第1の
振動体11,21がx方向に振動することでともにx方
向に振動する。第1及び第2の振動体11,12及び第
1及び第2の振動体21,22は、それぞれ上記駆動信
号が加えられることでその共振周波数にてx方向に励振
されるようになっている。そして、この第2の振動体1
2,22が第1の振動体11,21とともにx方向に振
動している状態においてz軸廻りの角速度が加わると、
第2の振動体12,22はこの角速度に基づくコリオリ
力によりy方向の振動成分を有する楕円振動を行う。こ
のとき、第2の振動体12,22は、互いに逆相(逆方
向)でy方向に振動することはいうまでもない。
【0031】上記変位検出用固定電極14a,14b,
24a,24bは、それぞれ対応する第1の振動体1
1,21の内側及び外側においてy方向に略沿って形成
されており、それぞれ上記変位検出用可動電極32,4
2に対して互い違いに突出する略櫛歯状に形成されてい
る。これら変位検出用固定電極14a,14b,24
a,24bは、第1の振動体11,21のx方向の振動
に基づく第1の振動体11,21(変位検出用可動電極
32,42)との間の静電容量の変動により、第1の振
動体11,21のx方向の振動状態(変位)を検出す
る。すなわち、例えば第1の振動体11が一側(図1の
右側)に移動するときには、変位検出用固定電極14a
と変位検出用可動電極32との間の静電容量が減少する
とともに、変位検出用固定電極14bと変位検出用可動
電極32との間の静電容量が増加する。また、第1の振
動体11が他側(図1の左側)に移動するときには、こ
れらの関係は逆となる。従って、第1の振動体11のx
方向の変位に伴う上記変位検出用固定電極14a,14
bの静電容量の変動は、互いに逆相となっている。ま
た、第1の振動体21についても同様である。
【0032】上記角速度検出用固定電極17a,17
b,27a,27bは、それぞれ対応する第2の振動体
12,22の角速度検出用可動電極35,45にて区画
された各空間内の一側及び他側(図1の上側及び下側)
において対向する角速度検出用可動電極35,45に対
して離隔されてそれぞれ形成されている。これら角速度
検出用固定電極17a,17b,27a,27bは、第
2の振動体12,22のy方向の振動に基づく第2の振
動体12,22(角速度検出用可動電極35,45)と
の間の静電容量の変動により、第2の振動体12,22
のy方向の振動状態を検出する。すなわち、例えば第2
の振動体12が一側(図1の上側)に移動するときに
は、第2の振動体12と角速度検出用固定電極17aと
の間の静電容量が減少するとともに、第2の振動体12
と角速度検出用固定電極17bとの間の静電容量が増加
する。また、第2の振動体12が他側(図1の下側)に
移動するときには、これらの関係は逆となる。すなわ
ち、第2の振動体12のy方向の変位に伴う上記角速度
検出用固定電極17a,17bの静電容量の変動は、互
いに逆相となっている。また、第2の振動体22につい
ても同様である。
【0033】第2の振動体12,22がそれぞれ第1の
振動体11,21とともにx方向に振動している状態に
おける第2の振動体12,22のy方向の振動状態によ
り、加えられたz軸廻りの角速度が検出されるようにな
っている。
【0034】上記第1調整用固定電極15,25は、そ
れぞれ対応する第2の振動体12,22の外側において
y方向に略沿って形成されており、それぞれ上記第1調
整用可動電極36,46に対して互い違いに突出する略
櫛歯状に形成されている。上記第1調整用固定電極1
5,25は、互いに独立に調整可能な直流電圧が印加さ
れることで第2の振動体12,22との間の静電引力に
基づき第2の振動体12,22のy方向(検出方向)の
共振周波数を調整する。本実施形態では、検査調整工程
においてこれら第2の振動体12,22のy方向(検出
方向)の共振周波数が互いに同等となることが確認され
た直流電圧を印加するようになっている。
【0035】一方、上記第2調整用固定電極16,26
も、それぞれ対応する第2の振動体12,22の外側に
おいてy方向に略沿って形成されており、それぞれ上記
第2調整用可動電極37,47に対して互い違いに突出
する略櫛歯状に形成されている。そして、第1、第2調
整用固定電極15,16及び第1、第2調整用固定電極
25,26は、それぞれy方向略中間部を通るx方向に
対して略対称となるように分割されている。上記第2調
整用固定電極16,26は、互いに独立に調整可能な直
流電圧が印加されることで第2の振動体12,22との
間の静電引力に基づき第2の振動体12,22のy方向
(検出方向)の共振周波数を更に調整する。本実施形態
では、検査調整工程においてこれら第2の振動体12,
22のx方向(駆動方向)の共振周波数とy方向(検出
方向)の共振周波数との比が互いに同等となることが確
認された直流電圧を印加するようになっている。
【0036】ここで、例えば第2の振動体12の振動に
係る第1調整用固定電極15及び第2調整用固定電極1
6への各直流電圧の印加による調整後の検出方向(y方
向)の共振周波数をfstとすると、この調整後の共振
周波数fstは下記数3式で表される。これは、第1調
整用固定電極15及び第2調整用固定電極16への各直
流電圧の印加による電気的なばねの付加、すなわち第2
の振動体12のy方向(検出方向)の共振周波数の調整
がそれぞれ独立して作用することによる。
【0037】
【数3】 ここで、Vt1,Vt2はそれぞれ第1及び第2調整用
固定電極15,16に対して印加した各直流電圧(調整
電圧)を、nt1,nt2は第1及び第2調整用固定電
極15,16の櫛歯の本数を、ltは各櫛歯が重なる長
さを、ttは第2調整用固定電極15,16(櫛歯)の
厚さを、msは第2の振動体12の質量を、dtは電極
間距離をそれぞれ示す。従って、例えば上記第1調整用
固定電極15に直流電圧を印加し、検出方向(y方向)
の共振周波数を下げる方向に調整することで第2の振動
体12,22のy方向(検出方向)の共振周波数が互い
に同等となるように調整しうる。この状態において、更
に第2調整用固定電極16,26に直流電圧を印加し、
検出方向(y方向)の共振周波数を下げる方向に調整す
ることで第2の振動体12,22のx方向(駆動方向)
の共振周波数とy方向(検出方向)の共振周波数との比
が互いに同等となるように調整する。以上の態様で調整
を行うことにより、対を形成する第2の振動体12,2
2の角速度に対する各感度が互いに同等となるように調
整される。
【0038】次に、この角速度センサの角速度検出に係
る電気的構成について説明する。図1に示されるよう
に、この角速度センサは、第1の振動体11,21(及
び第2の振動体12,22)を略一定の振幅にてそのx
方向の共振周波数で振動駆動する駆動装置51と、第2
の振動体12,22のy方向の振動(すなわち角速度)
を検出するための検出装置61とを備えている。
【0039】図2に上記駆動装置51のブロック図が示
されるように、第1の振動体11のx方向の振動を検出
するための変位検出用固定電極14a,14bは、例え
ばチャージアンプ等のアンプ52a,52bにそれぞれ
接続されている。そして、第1の振動体11との間に形
成される静電容量に蓄えられる電荷は、上記アンプ52
a,52bを介して電荷−電圧変換されて電圧値として
出力される。既述のように、第1の振動体11の変位に
伴う上記変位検出用固定電極14a,14bと第1の振
動体11との間の静電容量の変動は、互いに逆相となっ
ているため、これらアンプ52a,52bから出力され
る信号(電圧値)も互いに逆相となっている。
【0040】上記アンプ52a,52bは差動増幅器5
3に接続されており、これらアンプ52a,52bから
の信号は、同差動増幅器53を介して差動増幅されて出
力される。従って、例えば第1の振動体11(変位検出
用可動電極32)及び変位検出用固定電極14a,14
b間の寄生容量、電磁気学的外乱等による同相ノイズの
抑制された信号を形成することができ、同信号のS/N
比の向上を図ることができる。
【0041】上記差動増幅器53は同期検波回路54に
接続されている。そして、差動増幅器53からの信号
は、同期検波回路54において同期検波されることでそ
の振幅、すなわち第1の振動体11の振動振幅に応じた
電圧値として出力される。
【0042】上記同期検波回路54は自励発振回路55
に接続されており、第1の振動体11の振動振幅に応じ
た同期検波回路54からの信号に基づき所要の増幅及び
移相を行った信号(駆動信号)を生成する。すなわち、
自励発振回路55は、第1の振動体11(及び第2の振
動体12)の共振時の振動振幅を略一定に保持するよう
に増幅された振幅を有するとともに、第1の振動体11
を効率的に駆動しうるように移相(例えば90度移相)
した駆動信号を生成する。
【0043】上記自励発振回路55は駆動用固定電極1
3aに、反転回路56を介して駆動用固定電極13bに
それぞれ接続されて、生成した駆動信号を出力してい
る。これにより、互いに助勢しあう態様で駆動用固定電
極13a,13b及び第1の振動体11間の静電引力を
周期的に変動させ、第1の振動体11をそのx方向の共
振周波数で振動駆動する。
【0044】なお、第1の振動体21のx方向の振動を
検出するための変位検出用固定電極24a,24bも、
同様にアンプ52a,52b、差動増幅器53及び同期
検波回路54を介して自励発振回路55に接続されて、
第1の振動体21の変位(振動振幅)に応じた信号が出
力されている。そして、自励発振回路55は、第1の振
動体21(及び第2の振動体22)の共振時の振動振幅
を略一定に保持するように増幅された振幅を有するとと
もに、第1の振動体21を効率的に駆動しうるように移
相(例えば90度移相)した駆動信号を生成して、同様
に駆動用固定電極23a,23bに出力している。
【0045】以上により、第1及び第2の振動体11,
12と第1及び第2の振動体21,22とは、互いに逆
相(逆方向)にてx方向に振動する。図3に上記検出装
置61のブロック図が示されるように、第2の振動体1
2のy方向の振動を検出するための角速度検出用固定電
極17a,17bは、例えばチャージアンプ等のアンプ
62a,62bにそれぞれ接続されている。そして、第
2の振動体12との間に形成される静電容量に蓄えられ
る電荷は、上記アンプ62a,62bを介して電荷−電
圧変換されて電圧値として出力される。既述のように、
第2の振動体12の変位に伴う上記角速度検出用固定電
極17a,17bと第2の振動体12との間の静電容量
の変動は、互いに逆相となっているため、これらアンプ
62a,62bから出力される信号(電圧値)も互いに
逆相となっている。
【0046】上記アンプ62a,62bは差動増幅器6
3に接続されており、これらアンプ62a,62bから
の信号は、同差動増幅器63を介して差動増幅されて出
力される。従って、例えば第2の振動体12(角速度検
出用可動電極35)及び角速度検出用固定電極17a,
17b間の寄生容量、電磁気学的外乱等による同相ノイ
ズの抑制された信号を形成することができ、同信号のS
/N比の向上を図ることができる。
【0047】一方、第2の振動体22のy方向の振動を
検出するための角速度検出用固定電極27a,27b
も、同様にアンプ62a,62b及び差動増幅器63に
接続されている。
【0048】なお、既述のように第2の振動体12,2
2は駆動方向に互いに逆相で振動しているため、z軸廻
りの角速度が加えられると、これら第2の振動体12,
22は互いに逆相で検出方向に振動する。従って、この
角速度に基づく両差動増幅器63からの出力信号も互い
に逆相となっている。
【0049】これら両差動増幅器63は更に差動増幅器
64に接続されており、これら両差動増幅器63からの
信号は、同差動増幅器64を介して更に差動増幅されて
出力される。従って、これら第2の振動体12,22の
検出方向の振動に基づく各差動増幅器63からの信号を
差動増幅することで、その信号レベルを略2倍にすると
ともに、同相で検出されたノイズを略相殺する。このた
め、例えば加速度などの外力のように第2の振動体1
2,22に対して同相で影響を及ぼす要因を略相殺する
ことができ、その角速度の検出精度の向上を図ることが
できる。
【0050】そして、差動増幅器64からの信号は、同
期検波回路65において同期検波されることでその振
幅、すなわち第2の振動体12,22の振動振幅によっ
て表される角速度に応じた電圧値(角速度信号)として
出力される。
【0051】なお、上記第1調整用固定電極15,25
及び第2調整用固定電極16,26には、検査調整工程
において確認された所要の直流電圧が印加されている。
これにより、第2の振動体12,22のy方向(検出方
向)の共振周波数が互いに同等となり、第2の振動体1
2,22のx方向(駆動方向)の共振周波数とy方向
(検出方向)の共振周波数との比が互いに同等となるよ
うに調整され、第2の振動体12,22の角速度に対す
る各感度が略同等に設定されることは既述のとおりであ
る。
【0052】次に、この角速度センサの検査調整工程の
手順の概略について以下に説明する。前記数3式に示し
たように、各第2の振動体12,22の検出方向(y方
向)の共振周波数fsは、前記第1調整用固定電極1
5,25及び第2調整用固定電極16,26に印加する
直流電圧Vt1,Vt2によって調整される。従って、
例えば第2の振動体12の検出方向(y方向)の共振周
波数fsが第2の振動体22の同共振周波数よりも大き
いことが確認されると、同共振周波数fsが第2の振動
体22の共振周波数に一致するまで第1調整用固定電極
15に印加する直流電圧Vt1を大きくする。
【0053】次いで、第2の振動体12,22のx方向
(駆動方向)の共振周波数とy方向(検出方向)の共振
周波数との比が互いに同等となるように第2調整用固定
電極16,26に印加する共通の直流電圧Vt2を調整
・確認する。
【0054】以上の態様で角速度センサの検査調整工程
を行うことで、調整手順の単純化による調整工程の自動
化が可能となり、調整時間が低減される。以上詳述した
ように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られ
るようになる。
【0055】(1)本実施形態では、第1及び第2調整
用固定電極15,16、第1及び第2調整用固定電極2
5,26からなる複数の調整用電極を備えている。従っ
て、対を形成する第1の振動体11,21に対してそれ
ぞれ支持された第2の振動体12,22のy方向の共振
周波数を互いに一致させるために、同共振周波数が大き
い方の第2の振動体12又は22に対向する第1調整用
固定電極15又は25に直流電圧を印加する。また、角
速度に対する第2の振動体12,22の感度において影
響度合いの大きいx方向及びy方向の各共振周波数の比
の値(fd/fs)を所要の値にするため、更に各第2
の振動体12,22に対向する第2調整用固定電極1
6,26に共通の直流電圧を印加する。以上により、対
を形成する第2の振動体12,22の角速度に対する各
感度を好適に調整できる。また、検査調整工程において
は、第1調整用固定電極15,25、第2調整用固定電
極16,26に印加すべき直流電圧を順次、確認・設定
することで、対を形成する第2の振動体12,22のy
方向の共振周波数を互いに一致させるための調整と、第
2の振動体12,22のx方向及びy方向の各共振周波
数の比の値を所要の値にするための調整とを行える。こ
のため、調整手順の単純化による調整工程の自動化が可
能となり、調整時間を低減できる。
【0056】(2)本実施形態では、第1及び第2調整
用固定電極15,16、第1及び第2調整用固定電極2
5,26は、y方向略中間部を通るx方向に対して略対
称となるように分割されている。従って、第1及び第2
調整用固定電極15,16、第1及び第2調整用固定電
極25,26に対する直流電圧の印加による電気的なば
ねの付加は、振動体(第2の振動体12,22)に対し
て略均等に作用する。従って、電気的なばねの付加によ
る振動体の振動ぶれを抑制できる。
【0057】(3)本実施形態では、分割された第1及
び第2調整用固定電極15,16、第1及び第2調整用
固定電極25,26に対して互いに独立した2つの直流
電圧を印加する極めて簡易な回路構成にできる。
【0058】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記実施形態においては、第2の振動体12,22を
ばね梁38,48を介して第1の振動体11,21に対
してy方向に振動可能に支持した。これに対して、図4
に示されるように、第2の振動体12,22を支持梁7
5,76を介して第1の振動体11,21に一体で支持
して単独の剛体となる振動体73,74を形成してもよ
い。そして、これら振動体73,74の四隅を、シリコ
ン基板10に対してそれぞれx方向及びy方向に撓み性
が高くなるようにy方向に略楕円形状に延びる導電性ポ
リシリコンのばね梁71,72を介して支持する。この
ように変更をしても前記実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0059】・前記実施形態において、第1調整用固定
電極15,25及び第2調整用固定電極16,26のy
方向の共振周波数の調整に係る役割を入れ替えてもよ
い。 ・前記実施形態において、調整用電極(第1調整用固定
電極15,25、第2調整用固定電極16,26)の分
割の仕方は一例であってその他の態様で分割してもよ
い。
【0060】・前記実施形態においては、変位検出用固
定電極14a,14b,24a,24b若しくは角速度
検出用固定電極17a,17b,27a,27bに蓄積
された電荷をチャージアンプにて電荷−電圧変換して第
1の振動体11,21のx方向、若しくは第2の振動体
12,22のy方向の各振動振幅を検出するようにし
た。これに対して、変位検出用固定電極14a,14
b,24a,24b若しくは角速度検出用固定電極15
a,15b,27a,27bに蓄積された電荷の変動に
基づく交流電流を、例えば帰還抵抗を有する反転増幅回
路を介して電流−電圧変換して第1の振動体11,21
のx方向、若しくは第2の振動体12,22のy方向の
各振動振幅を検出するようにしてもよい。
【0061】・前記実施形態において、第1の振動体1
1,21、第2の振動体12,22、駆動用固定電極1
3a,13b,23a,23b、変位検出用固定電極1
4a,14b,24a,24b、第1調整用固定電極1
5,25及び第2調整用固定電極16,26、角速度検
出用固定電極17a,17b,27a,27b並びに浮
動体アンカーa11〜a14,a16〜a19等を導電
性ポリシリコン以外の単結晶シリコン、金属等の導電性
材料にて形成してもよい。
【0062】・前記実施形態におけるシリコン基板10
に代えて、例えば多結晶、単結晶、又は非晶質のSi,
Ge,SiC,SixGe1-x ,SixGeyC1-x-y
にて形成された基板としてもよい。
【0063】・前記実施形態における駆動信号の生成
を、自励発振回路55に代えて、例えばファンクション
ジェネレータにて行ってもよい。またこの場合には、駆
動信号は正弦波に限らず矩形波などであってもよい。
【0064】・前記実施形態における駆動信号の生成若
しくは角速度検出に係る回路構成は一例であってその他
の構成を採用してもよい。 ・前記実施形態における第1の振動体11,21、第2
の振動体12,22、ばね梁33,43及びばね梁3
8,48等の構造体の形状は一例であってその他の形状
を採用してもよい。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3のい
ずれかに記載の発明によれば、検査調整工数の負荷を軽
減するとともに、対を形成する振動体の角速度に対する
各感度を好適に調整することができる。
【0066】請求項4に記載の発明によれば、電気的な
ばねの付加による振動体の振動ぶれを抑制できる。請求
項5に記載の発明によれば、分割された調整用電極に対
して互いに独立した2つの直流電圧を印加する極めて簡
易な回路構成とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角速度センサの一実施形態を示す
概略図。
【図2】同実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図4】本発明に係る角速度センサの別例を示す概略
図。
【図5】従来の角速度センサを示す概略図。
【符号の説明】
10 基板としてのシリコン基板 11,21 第1の振動体 12,22 第2の振動体 13a,13b,23a,23b 駆動用固定電極 14a,14b,24a,24b 変位検出用固定電極 15,25 第1調整用固定電極 16,26 第2調整用固定電極 17a,17b,27a,27b 角速度検出用固定電
極 36,46 第1調整用可動電極 37,47 第2調整用可動電極 51 駆動装置 61 検出装置 73,74 振動体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F105 AA02 BB02 BB20 CC04 CD03 CD05 CD13 CD20 4M112 AA02 BA07 BA08 CA04 CA06 CA11 CA13 EA02 EA03 EA04 EA05 EA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに略対称となる対を形成して基板
    に対してそれぞれ浮動支持され、x方向に互いに逆方向
    で振動駆動されている状態においてz軸廻りの角速度が
    加えられることにより該角速度に基づくコリオリの力に
    応じてy方向に互いに逆方向で振動する振動体を備え、
    該振動体のy方向の振動振幅に基づき角速度を検出する
    角速度センサにおいて、 前記振動体に対向して前記基板にそれぞれ固定配置さ
    れ、直流電圧が印加されることで該振動体のy方向の共
    振周波数を調整する調整用電極を複数に分割して設けた
    ことを特徴とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 互いに略対称となる対を形成して基板
    に対してそれぞれx方向及びy方向に振動可能に浮動支
    持された振動体と、前記振動体のx方向の振動振幅が略
    一定となるように該振動体を互いに逆方向で振動駆動す
    る駆動手段と、前記振動体のy方向の振動振幅をそれぞ
    れ検出する検出手段とを備え、該検出された振動体のy
    方向の振動振幅に基づきz軸廻りの角速度を検出する角
    速度センサにおいて、 前記振動体に対向して前記基板にそれぞれ固定配置さ
    れ、直流電圧が印加されることで該振動体のy方向の共
    振周波数を調整する調整用電極を複数に分割して設けた
    ことを特徴とする角速度センサ。
  3. 【請求項3】 互いに略対称となる対を形成して基板
    に対してそれぞれx方向に振動可能に浮動支持された第
    1の振動体と、前記第1の振動体に対してy方向に振動
    可能にそれぞれ支持された第2の振動体と、前記第1の
    振動体のx方向の振動振幅が略一定となるように該第1
    の振動体を互いに逆方向で振動駆動する駆動手段と、前
    記第2の振動体のy方向の振動振幅をそれぞれ検出する
    検出手段とを備え、該検出された第2の振動体のy方向
    の振動振幅に基づきz軸廻りの角速度を検出する角速度
    センサにおいて、 前記第2の振動体に対向して前記基板にそれぞれ固定配
    置され、直流電圧が印加されることで該第2の振動体の
    y方向の共振周波数を調整する調整用電極を複数に分割
    して設けたことを特徴とする角速度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の角速
    度センサにおいて、 前記調整用電極は、y方向略中間部を通るx方向に対し
    て略対称となるように分割されたことを特徴とする角速
    度センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の角速
    度センサにおいて、 前記分割された調整用電極には、互いに独立した2つの
    直流電圧が印加されることを特徴とする角速度センサ。
JP2001149602A 2001-05-18 2001-05-18 角速度センサ Withdrawn JP2002340560A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345476A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Robert Bosch Gmbh 周波数トラッキングによる回転レートセンサ
JP2011058860A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Hitachi Automotive Systems Ltd 角速度検出装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005345476A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Robert Bosch Gmbh 周波数トラッキングによる回転レートセンサ
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