JP2002340217A - 弁装置の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

弁装置の製造方法およびその製造装置

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JP2002340217A
JP2002340217A JP2001140396A JP2001140396A JP2002340217A JP 2002340217 A JP2002340217 A JP 2002340217A JP 2001140396 A JP2001140396 A JP 2001140396A JP 2001140396 A JP2001140396 A JP 2001140396A JP 2002340217 A JP2002340217 A JP 2002340217A
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valve seat
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shaft member
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JP2001140396A
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Hideaki Shirai
秀彰 白井
Hiroyuki Nishina
浩行 仁科
Yoshiteru Kashiwabara
義輝 柏原
Masahiko Abe
雅彦 安部
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁密性を向上しつつ、接合による組付が可能
な弁装置の製造方法および製造装置を提供する。 【解決手段】 弁座29aを有する弁ボディ29と、弁
座29aに当接、離間可能な弁部材26と、弁ボディ2
9と接合する所定の部材14とを備えた弁装置の製造方
法において、弁部材26が当接、離間する弁座29a
に、先端3aの弁座29aに当接する部分が球面形状を
有する軸部材3を当接させ、弁座29aに軸部材3を介
して所定の押圧荷重Fを加えるとともに、弁ボディ29
に所定の部材14を溶接して接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁装置の製造方法
およびその製造装置に関し、特に弁ボディに所定の部材
を溶接等により接合する弁装置の製造方法およびその製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】弁装置としては、流体の流通、遮断を正
確に行なうため、弁座と弁部材とが当接、離間するシー
ル部を精密に加工することが必要である。例えば自動車
用内燃機関に用いられる燃料供給装置としての燃料噴射
弁において、弁装置の開弁期間を可変にすることで燃料
噴射量の調整を行なう際に、弁全閉時に燃料が燃焼室内
へ流入すると、燃料の不完全燃焼により排出ガス中の炭
化水素(HC)等の有害物質が増加し環境に悪影響を及
ぼすため、弁全閉時の燃料漏れ量を極小化させる必要が
ある。
【0003】このような流量調整を行なう弁装置の弁密
性を向上させる製造方法としては、例えば特開平8−1
05370号公報では弁座の円錐台斜面を精密加工する
製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法および
製造装置では、いずれも、弁座または弁部材のシール部
を単体で精密加工するものであり、部材単体を高精度に
加工することは可能であっても、他の部材と組付けて弁
装置をなした後に弁密を確保するには限界があった。
【0005】例えば、他の部品を接合するための圧入に
よる変形、または溶接による熱歪み等によりシール部に
隙間が生じる可能性がある。
【0006】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、弁密性を向上しつつ、接
合による組付が可能な弁装置の製造方法および製造装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1による
と、弁座を有する弁ボディと、弁座に当接、離間可能な
弁部材と、弁ボディと接合する所定の部材とを備えた弁
装置の製造方法において、弁部材が当接、離間する弁座
に、先端の弁座に当接する部分が球面形状を有する軸部
材を当接させ、弁座に軸部材を介して所定の押圧荷重を
加えつつ、弁ボディに所定の部材を溶接して接合する。
【0008】一般に、溶接による被接合物を構成する弁
ボディは、高エネルギー熱源である溶接よって、熱エネ
ルギーが加わると熱歪みが生じ易い。すなわち、この溶
接過程において、弁ボディのうち、溶接によって熱エネ
ルギーが注入された部分については、溶融して熱膨張す
る。一方、その注入が停止すなわち溶接が停止される
と、溶融されていた部分は、自然冷却等による冷却過程
で逆に収縮する。この際、溶融されていた部分と溶融さ
れていなかった部分との熱収縮差から収縮応力が発生す
る。この収縮応力は、熱膨張時には熱膨張に伴う応力が
生じていないため、相殺ができず、結果として残留応力
となり、弁ボディには熱歪みが生じる。このため、この
熱歪みの影響によって、弁部材が当接、離間する弁座の
真円度が悪化するので、弁部材と弁座が当接する弁全閉
時の弁密性が低下する可能性がある。
【0009】これに対して、本発明の弁装置の製造方法
では、弁部材が当接、離間する弁座に、軸部材を介して
所定の押圧荷重を加えるので、弁座、すなわち弁ボディ
内部から外側に向かって弾性変形させておき、予め応力
を生じさせておくことができる。よって、熱歪みによる
変形を防止できる。
【0010】しかも、弁座に当接する軸部材の先端形状
を球面に形成しておくので、軸部材を介して押圧荷重が
加えられた弁座には、安定した弾性変形すなわち応力を
発生させることができる。
【0011】本発明の請求項2によると、弁座を有する
弁ボディと、弁座に当接、離間可能な弁部材と、弁ボデ
ィと接合する所定の部材とを備えた弁装置の製造方法に
おいて、弁部材が当接、離間する弁座に、先端の弁座に
当接する部分がこの弁座に対応する傾斜面を有する軸部
材を当接させ、弁座に軸部材を介して所定の押圧荷重を
加えつつ、弁ボディに所定の部材を溶接して接合する。
【0012】これにより、弁部材が当接、離間する弁座
に、軸部材を介して所定の押圧荷重を加えるので、弁
座、すなわち弁ボディ内部から外側に向かって弾性変形
させておき、予め応力を生じさせておくことができる。
よって、熱歪みによる変形を防止できる。しかも、弁座
に当接する軸部材の先端形状を弁座に対応する傾斜面に
形成しておくので、軸部材を介して押圧荷重が加えられ
た弁座には、安定した弾性変形すなわち応力を発生させ
ることができる。
【0013】本発明の請求項3によると、所定の押圧荷
重を弁座に加える際に、弁ボディには、軸部材が押圧す
る方向とは逆向きの荷重を加える。
【0014】これにより、弁座、すなわち弁ボディ内部
に、弾性変形すなわち応力を確実に発生させるととも
に、押圧荷重に応じた法線方向の合成力を弁座に作用さ
せることができる。
【0015】上記請求項1または請求項2に記載の先
端、すなわち球面または弁座に対応する傾斜面を有する
先端は、本発明の請求項4に記載のように、弁座と弁部
材とが当接、離間する弁座側のシール部を含んだ面接触
範囲を押圧する。
【0016】これにより、軸部材は、弁装置を構成する
弁部材と弁座とが当接する弁座側のシール部を含んだ範
囲に面接触させて押圧することができる。このため、弁
装置を構成する弁部材と弁ボディ、それぞれの部品とし
ての製造ばらつきに係わらず、溶接時に生じる熱歪みの
影響に対して、シール部が確実に押圧されるので、シー
ル部の変形抑制が確実にできる。
【0017】したがって、弁部材と弁座が当接、離間す
るシール部の隙間発生防止が確実にできる。
【0018】本発明の請求項5によると、弁座を有する
弁ボディと、弁座に当接、離間可能な弁部材と、弁ボデ
ィと接合する所定の部材とを備えた弁装置の製造方法に
おいて、弁部材が当接、離間する弁座に、先端の弁座に
当接する部分がこの弁座と異なる傾斜角を有する傾斜面
より形成される円錐台形部を備えた軸部材を当接させ、
弁座に軸部材を介して所定の押圧荷重を加えつつ、弁ボ
ディに前記所定の部材を溶接して接合する。
【0019】これにより、弁部材が当接、離間する弁座
に、軸部材を介して所定の押圧荷重を加えるので、弁
座、すなわち弁ボディ内部から外側に向かって弾性変形
させておき、予め応力を生じさせておくことができる。
よって、熱歪みによる変形を防止できる。
【0020】なお、弁座に軸部材を押圧するとは、請求
項6に記載のように、弁座と弁部材とが当接、離間する
弁座側のシール部を、円錐台形部を形成する上円または
底円をエッジとする稜線部によって押圧することである
ことが望ましい。
【0021】これにより、軸部材がシール部を押圧する
ので、シール部の変形抑制が確実にできる。
【0022】本発明の請求項7によると、軸部材は、回
転力が加えられ、前記弁座に共ずりを行なう。
【0023】これにより、例えば、弁ボディを製造する
際、研削加工等により削り残した弁座の凸部、すなわち
弁座の面粗さのうち表面頂部を、共ずりにより滑らかに
することができる。
【0024】このため、請求項1または請求項2に記載
の先端部が球面形状または弁座に対応する傾斜面を有す
る軸部材の場合には、少なくとも弁座側シール部を含む
面接触範囲において、軸部材の共ずりによって、弁座側
のシール部の形状精度、例えば円形状のシール部の真円
度が向上できるので、弁装置の弁密性の向上が可能であ
る。
【0025】また、請求項5に記載のように先端側に弁
座と異なる傾斜角を有する傾斜面より形成される円錐台
形部を備えた軸部材の場合には、例えば、円錐台形部を
形成する上円または底円のエッジを稜線とする稜線部に
よる共ずりによって、弁座側のシール部の形状精度、例
えば円形状のシール部の真円度が向上できるので、弁装
置の弁密性の向上が可能である。
【0026】本発明の請求項8によると、軸部材は、被
接合物を構成する弁ボディに蓄えられる溶接による熱エ
ネルギーを、当接する弁座を介して外部へ逃す。
【0027】これにより、溶接により熱エネルギーが蓄
えられる弁ボディから軸部材を介して外部へ逃すので、
溶接による熱エネルギー注入によって生じる弁ボディの
温度上昇を抑制できるので、溶接停止後に生じる熱収縮
差が、その温度に応じて低減できる。
【0028】したがって、溶接による溶接部の熱歪みを
低減できるので、その熱歪みが、弁部材が当接、離間す
る弁座の形状精度、例えば真円度へ及ぼす影響を低減可
能である。
【0029】本発明の請求項9によれば、溶接とは、レ
ーザ溶接であって、弁ボディと所定部材との全周溶接で
ある。
【0030】これにより、高速溶接可能なレーザ溶接を
用いて全周溶接するので、溶接による熱エネルギーの注
入量を抑えつつ、溶接することで弁装置を気密接合でき
る。
【0031】なお、全周溶接においては、被接合物であ
る弁ボディと溶接手段を相対移動させて弁ボディの全周
を溶接するので、上記溶接停止とは、弁ボディの全周上
の各溶接点において、相対移動に従って、連続的に生じ
るものである。
【0032】本発明の請求項10によると、弁座を有す
る弁ボディと、弁座に当接、離間可能な弁部材と、弁ボ
ディと接合する所定の部材とを備えた弁装置の製造装置
において、弁ボディを保持する受け治具と、受け治具と
ともに弁ボディを挟み込めるように、弁座の軸方向に移
動可能かつ先端の弁座に当接する部分が球面形状または
円錐台形状を有する軸部材とを備え、軸部材が弁座に押
圧若しくは共ずりを行なうとともに、レーザ溶接手段を
用いて弁ボディと所定部材とを全周接合する。
【0033】これにより、レーザ溶接手段を用いて弁ボ
ディと所定部材とを全周接合するとき、溶接による熱エ
ネルギーが弁ボディに注入されても、弁部材が当接、離
間する弁座には、先端が球面形状または円錐台形形状を
有する軸部材を用いて弁座に押圧若しくは共ずりを行な
うので、溶接による熱歪みによる弁座の変形抑制ができ
る。
【0034】したがって、弁部材と弁ボディから構成さ
れる弁装置の弁密性向上が可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の弁装置の製造方法
およびその製造装置を、弁装置としての内燃機関用燃料
噴射弁の製造方法およびその製造装置に適用して、具体
化した実施形態を図面に従って説明する。
【0036】(第1の実施形態)図1は、本発明の実施
形態の製造装置の構成を表す模式図である。図2は、本
発明の弁装置に係わる要部を表す説明図であって、被接
合物としての弁ボディの弁座に、被接合物をレーザ溶接
する製造装置の軸部材が当接している状態を表す模式図
である。図3は、本実施形態による製造装置に適用され
る弁装置としての燃料噴射弁を表す断面図であり、図4
は、図3中の被接合物としての弁ボディ周りを拡大した
断面図である。
【0037】(弁装置の製造方法およびその製造装置の
概略)図1に示すように、本発明の第1の実施形態をな
す製造装置1は、被接合物8を溶接するためにエネルギ
ーを放出する熱源2と、被接合物8としての弁ボディ2
9(図3、図4参照)の弁座29aに当接可能な軸部材
3と、軸部材3を弁座29aに押圧する方向に付勢する
付勢手段4と、軸部材3付勢手段4を用いて軸部材3を
弁座29aに押圧荷重を加える際、軸部材3が押圧荷重
に抗して弁ボディ29を保持する支持部材5とを含んで
構成されている。
【0038】なお、被接合物8は、弁装置を構成する弁
ボディ29(図3、図4参照)とこの弁ボディ29と接
合する所定の部材14(図3、図4参照)とからなり、
弁装置としての燃料噴射弁9の構成の詳細については、
後述する。
【0039】溶接手段としての熱源2は、被接合物を溶
接によって接合できるものであって、高密度なエネルギ
ーを放射可能な熱源であればよく、例えばアーク、電子
ビーム、レーザを熱源として用いる。
【0040】なお、本実施形態で使用する熱源2は、レ
ーザを用いた溶接装置にて以下説明する。
【0041】軸部材3は、略円筒状であって、被接合物
8としての弁ボディ29の弁部材26(図3、図4参
照)を収容する内周壁29d(図3、図4参照)と摺動
自在に形成されている。この軸部材3の弁座29a側の
先端部3aは、弁部材26が当接、離間する弁座に当接
可能な形状に形成されている。一方、他端部3bは、付
勢手段4に当接または固定される構成となっている。
【0042】なお、先端部3aの形状の詳細について
は、後述する。
【0043】付勢手段4は、図1に示すように、所定の
押圧荷重Fにて弁座29aを押圧する矢印方向に、軸部
材3を弁座29aに付勢することが可能な構成を有す
る。例えば、図1に示す如く圧縮ばね4aを軸方向の両
側から挟み込む加圧治具4bからなり、軸部材3に所定
の押圧荷重Fを作用させることができる構成であればよ
い。なお、押圧荷重Fを発生させる駆動源は、図1に示
すような圧縮ばね4aに限らず、油圧力を用いた油圧装
置、または電磁力を用いた電磁駆動装置であってもよ
い。
【0044】支持部材5は、被接合物8を構成する弁ボ
ディ29を挟んで、弁座29aを押圧する軸部材3の押
圧荷重Fに抗して、軸部材3の押圧方向とは逆向きの荷
重(−F)が加えられるように、弁ボディ29を保持可
能な構成を有する。例えば、図1に示す如く被接合物8
すなわち弁ディ29に当接する軸部材3を、付勢手段4
を用いて矢印方向Fに押圧するとき、弁ボディ29を支
持する構成であればよい。これにより、支持部材5は、
付勢手段4を用いた押圧荷重Fに抗して、弁ボディ29
を保持可能である。
【0045】ここで、被接合物8は弁装置、すなわち燃
料噴射弁9を構成するため、被接合物である弁ボディ2
9と所定の部材14との接合は、全周溶接が望ましい。
これにより、Oリング等のシール部材を用いることな
く、被接合物8(詳しくは、弁ボディ29と所定部材1
4)を全周溶接することで、内燃機関に燃料噴射する燃
料噴射弁9の油密を確保することが可能である。
【0046】全周溶接とは、レーザ溶接する熱源2を、
被接合物8すなわち燃料噴射弁9の軸中心に二点鎖線の
矢印方向Rに回転移動させるものでもよいし、あるいは
熱源2を固定させておいて、逆に、図1に示す駆動部7
が支持部材5を回転駆動することにより、支持部5と共
に被接合物8が、矢印方向Rに熱源2と相対移動させる
ものであってもよい。なお、本実施形態では、熱源2は
固定し、駆動部7により支持部材5を回転駆動すること
で、矢印方向Rに熱源2と被接合物が相対移動する構成
を有する製造装置として、以下説明する。
【0047】(弁装置としての燃料噴射弁)次に、本発
明の実施形態である弁装置の製造方法およびその製造装
置に適用する弁装置としての燃料噴射弁9について、図
3および図4に従って以下説明する。
【0048】図3および図4に示すように、本実施形態
の被接合物8として適用される燃料噴射弁9は、内燃機
関、特にガソリンエンジンに用いられ、内燃機関へ燃料
噴射するものである。この燃料噴射弁9は、略円筒形状
であり、弁装置としての弁ボディ29、および弁部材
(以下、ノズルニードルと呼ぶ)26と、電磁駆動部と
してのスプール30に巻回されたコイル31、コイル3
1に通電して生じる電磁力による磁束が流れる磁気回路
を形成する円筒部材14、およびこの磁束による吸引力
によってノズルニードル26側の軸方向に移動可能なア
ーマチュア25、およびコイル31が通電されていない
ときにはノズルニードル26が弁ボディ29へ当接して
閉弁するようにアーマチャ25を弁ボディ側に付勢する
圧縮スプリング24とを含んで構成されている。
【0049】まず、弁装置としての弁ボディ29、およ
びノズルニードル26等について以下説明する。
【0050】弁ボディ29は、弁ボディ29と接合する
所定の部材としての円筒部材14の内壁にレーザ溶接に
より固定されている。詳しくは、図4に示すように、弁
ボディ29は、円筒部材14の磁性筒部14cに圧入、
または挿入可能になっている。この磁性筒部材14cの
内壁に挿入された弁ボディ29を、磁性筒部14cの外
周側からこの外周に沿って全周溶接することで、図4に
示す如く弁ボディ29と円筒部材14を溶接する溶接部
100が環状に形成される。
【0051】この弁ボディ29の内周側には、ノズルニ
ードル26が当接、離間する弁座29aが形成されてい
る。詳しくは、図4に示すように、弁ボディ29の内周
側には、内燃機関へ燃料噴射する燃料の燃料通路が形成
されており、内燃機関側の下流から燃料上流に向かっ
て、弁座としての円錐斜面29a、大径円筒壁面29
b、円錐斜面29c、ノズルニードル26を摺動自在に
支承する小径円筒壁面29d、円錐傾斜面29eが順に
形成されている。この円錐傾斜面すなわち弁座29a
は、燃料噴射方向に縮径し、後述するノズルニードル2
6の当接部26cが当接、離間することで当接部26c
と弁座とが着座可能に配置されている。これにより、燃
料噴射する燃料の連通、遮断を行なう弁装置としてのい
わゆる開弁、閉弁が可能である。また、大径円筒壁面2
9bは、燃料溜り孔、つまりノズルニードル26と共に
囲まれる燃料溜り室29fを形成しており、小径円筒壁
面29dは、ノズルニードル26を摺動自在に支承する
ニードル支持孔を形成している。この小径円筒壁面29
dにより形成されるニードル支持孔は、大径円筒壁面2
9bにより形成される燃料溜り孔より小径である。な
お、円錐斜面29eは燃料上流に向かって拡径してい
る。
【0052】弁部材としてのノズルニードル26は、ス
テンレスからなる有底筒状体であって、ノズルニードル
26の先端部には、弁座29aに当接、離間可能な当接
部26cが形成されている。詳しくは、図4に示すよう
に、ノズルニードル26は、先端部すなわち燃料噴射側
が燃料上流側に比べて小径の円柱状に形成される小径柱
体部26dと、弁ボディ29の内周(詳しくは、小径円
筒壁面29d)に摺動自在に支承される大径柱体部26
eから構成されており、この小径柱体部26dの燃料噴
射側の端面は、面取りされて円錐傾斜面を形成しており
当接部26cを構成している。これにより、当接部26
cの径の大きさすなわちシート径は、小径円筒壁面29
dのニードル支持孔の径より小さく形成される。一方、
大径柱体部26eは、ノズルニードル26の燃料上流側
に構成され、弁ボディ29の小径円筒壁面29dに摺動
可能に収容されるよう、小径円筒壁面29dの内径より
やや小さい外径の円柱状に形成されている。これによ
り、大径柱体部26eの外周壁面と小径円筒壁面29d
とが摺接するようにこれら壁面の間に所定の微小隙間が
形成される。
【0053】また、大径柱体部26eの大部分は、薄肉
の円筒状に形成され、図4に示すように、その内周壁面
26aには、燃料噴射側下流に流れる燃料の内部通路2
6fが形成されている。この内部通路26fは、大径柱
体部26eの燃料上流側の端面を穿孔加工する等によっ
て形成されるものであって、その穿孔深さは、弁座29
aに着座するとき生じる衝撃にノズルニードル26の底
部が耐えられるような深さに設定される。
【0054】これにより、ノズルニードル26の軽量化
と弁座29aに当接、離間する当接部26cの加工容易
性が両立できる。
【0055】なお、大径柱体部26eの内部通路には、
下流側の弁座29aへ、すなわち燃料溜り室29fに連
通するように、少なくとも1つの出口孔26bが設けら
れている。
【0056】次に、電磁駆動部としてのコイル31、円
筒部材14、アーマチュア25、および圧縮スプリング
24等について以下説明する。なお、この電磁駆動部
は、通電することで燃料噴射弁9の弁装置を開弁、閉弁
させるものであって、弁装置を構成する弁ボディ29に
所定の部材としての円筒部材14をレーザ溶接により接
合し、接合した後にノズルニードル26を組み込んで燃
料噴射弁9を組立てる構成のものであればよい。
【0057】コイル31は、図3に示すように、樹脂製
のスプール30の外周に巻回されており、このコイル3
1の端部には電気的に接続するターミナル12が設けら
れている。なお、このスプール30は、後述の円筒部材
14の外周に装着されており、また、円筒部材14の外
周に形成された樹脂モールド13の外壁から突出るよう
に、コネクタ部16が設けられており、このターミナル
12がコネクタ部16に埋設されている。
【0058】円筒部材14は、磁性部と非磁性部からな
るパイプ材であり、例えば複合磁性材で形成されてい
る。円筒部材14の一部を加熱して非磁性化することに
より、図3に示す円筒部材14を、下方の燃料噴射側か
ら上流に向かって、磁性筒部14c、非磁性筒部14
b、および磁性筒部14aの順に形成している。なお、
円筒部材14の内周には、アーマチュア収容孔14eが
設けれており、非磁性筒部14bと磁性筒部14cとの
境界近傍に、後述のアーマチュア25が収容されてい
る。
【0059】また、コイル31に通電して生じる電磁力
による磁束が流れる磁気回路を形成する円筒部材14の
外周には、図3に示すように、磁性部材23、樹脂モー
ルド15、磁性部材18が設けられている。詳しくは、
磁性部材23がコイル13の外周を覆っており、磁性部
材18はコイル31の燃料上流側に、リブ17を避ける
よう、例えば扇状に設けられている。樹脂モールド15
は磁性部材18,23の外周に形成され、樹脂モールド
13と結合している。
【0060】これにより、コイル31に通電して生じる
電磁力による磁束が、磁性筒部14a、後述の吸引部材
22、後述のアーマチュア25、磁性筒部14c、磁性
部材23、および磁性部材18の順に流れる磁気回路を
構成している。
【0061】アーマチュア25は、磁性ステンレス等の
強磁性材料からなる段付きの筒状体であって、ノズルニ
ードル26に固定されている。これにより、コイル31
に通電すると、コイル31に発生した電磁力による磁束
が、吸引部材22を介してアーマチュア25に作用する
ことで、アーマチュア25と共にノズルニードル26
を、吸引部材22側の軸方向、つまり弁座29aから遠
ざかる方向へ移動可能である。アーマチュア25の内部
空間25eは、ノズルニードル26の内部通路26fと
お互いに連通する構成となっている。
【0062】吸引部材22は、磁性ステンレス等の強磁
性材料からなる円筒体であって、円筒部材14の内周に
圧入等により固定されている。
【0063】圧縮スプリング24は、吸引部材22の内
周に配置されたアジャスティングパイプ21の端面と、
アーマチュア25の内部空間25fを形成する段差部で
あるスプリング座25cとの間に挟まれることで、コイ
ル31が通電されていないときには、アーマチュア25
に固定されたノズルニードル26を弁ボディ29へ当接
(詳しくは、当接部26cを弁座29aへ当接)させ閉
弁させるように、アーマチャ25を弁ボディ29側へ所
定の付勢力にて付勢する。
【0064】なお、アジャスティングパイプ21は、吸
引部材22の内周に圧入固定され、このアジャスティン
グパイプ21の圧入量により圧縮スプリング24の付勢
力を所定の付勢力に調整できる。
【0065】なお、円筒部材14の燃料噴射側には、弁
ボディ29および噴孔プレート28が収容されている。
この噴孔プレート28は、薄板状に形成されており、中
央部に複数の噴孔28が形成されている。一方、円筒部
材14の上方には、図3に示すようなフィルタ11が取
付けられており、このフィルタ11によって、燃料噴射
弁9の燃料上流から流入する燃料中に含まれる異物の除
去が可能である。
【0066】ここで、上述の構成を有する燃料噴射弁9
の作動、特に弁密性に係わる作動について以下説明す
る。
【0067】電磁駆動部のコイル31に通電すると、コ
イル31には電磁力を生じる。このとき、磁気回路を構
成するアーマチャ25と吸引部材22とにおいて、吸引
部25には、アーマチュア25を吸引する吸引力が発生
する。これにより、アーマチャ25に固定されたノズル
ニードル26が、弁ボディ29の弁座29aから離間す
る。よって、弁ボディ29とノズルニードル26が開弁
され、燃料噴射弁9の上流側から流入している燃料が、
噴孔28aを通して、内燃機関へ噴射される。一方、通
電を停止すると、コイル31に生じていた電磁力が消失
するので、アーマチャ25を吸引部材22側へ吸引して
いた吸引力もなくなる。このため、アーマチュア25に
付勢している圧縮スプリング24によって、ノズルニー
ドル26が、弁ボディ29の弁座29aに当接する方向
に押圧される。よって、弁ボディ29とノズルニードル
26が閉弁され、内燃機関へ噴射によって流出される燃
料が遮断される。このとき、弁装置の閉弁状態(詳しく
は、ノズルニードル26の当接部26cと弁座29cと
が当接したときのシール状態)が弁密であれば、精度よ
く燃料流出の遮断ができる。
【0068】これにより、燃料噴射弁9は、通電期間、
すなわち開弁期間を可変にすることにより、内燃機関へ
噴射される燃料噴射量を調整できる。
【0069】しかしながら、上述の燃料噴射弁9、特に
弁装置の構成は、燃料噴射弁9を構成する各部品単位で
精度よく加工されたとしても、燃料噴射弁9に組付ける
際、その製造過程にて、部品間を接合するために圧入、
または溶接を行なう場合、圧入による変形、または溶接
による熱歪み等によって、閉弁状態すなわちシール状態
に影響を与えてしまってシール部に隙間が生じる可能性
がある。
【0070】(弁装置の製造方法およびその製造装置の
詳細)そこで本発明の実施形態の弁装置の製造方法およ
び製造装置は、以下の特徴を具備することで、弁密性を
向上しつつ、溶接を用いた接合による組付が可能な燃料
噴射弁9を提供する。
【0071】ここで、本実施形態に適用した燃料噴射弁
9(図3および図4参照)は、弁装置としては、以下の
ような製品構成上の弁密性向上に対する配慮が十分され
たものであって、なお溶接を用いた接合による弁装置の
組付において、本実施形態を適用することにより、弁密
性向上すなわち弁全閉時の燃料漏れ量の極小化を図れ
る。したがって、周知の弁装置において、溶接を用いた
接合による組付けを行なうものであれば、本発明の実施
形態による弁装置の製造方法およびその製造装置によっ
て、弁密性の向上と溶接による接合組付を効果的に両立
可能である。
【0072】なお、図3および図4に示す燃料噴射弁9
の弁密性向上の配慮とは、製品構成として、開閉弁の応
答性を向上させて弁全閉時の速やかな燃料遮断を行なう
目的で、ノズルニードル26の軽量化(詳しくは、大径
柱体部26eを薄肉の円筒状体化)、および燃料噴射弁
9の外部から燃料と共に流入するおそれがある燃料中に
含まれる異物に対して弁全閉時の弁密性を確保する目的
で、燃料が流入する円筒部材14に異物除去手段を備え
る構成(詳しくは、円筒部材14の上流側にフィルタ1
1の装着)等の構成を備えていることである。
【0073】まず、一般的に、溶接によって被接合物
(本実施形態でいう弁ボディ29と弁ボディ29に接合
する所定部材としての円筒部材14)に生じる熱歪みに
ついて以下説明する。溶接による被接合物を構成する弁
ボディ29は、高熱熱源である溶接よって熱エネルギー
が加わると熱歪みが生じ易い。
【0074】すなわち、高密度エネルギー熱源であるレ
ーザ溶接を用いた溶接過程において、弁ボディ29のう
ち、溶接手段2によって熱エネルギーが注入された部分
すなわち溶接部分100については、溶融して熱膨張す
る。一方、溶接が停止される(詳しくは、全周溶接にお
いては、弁ボディ29と溶接手段2相対移動させて弁ボ
ディ29の全周を溶接するので、溶接停止は、弁ボディ
29の全周上の各溶接点において、相対移動に従って連
続的に生じる)と、溶融されていた溶接部分100は、
自然冷却等による冷却過程で逆に収縮する。この際、溶
融されていた溶接部分100と溶融されていなかった部
分(詳しくは、溶接部100を除く弁ボディ29)との
熱収縮差から収縮応力が発生する。この収縮応力は、熱
膨張時には熱膨張に伴う応力が生じていないため、相殺
ができず、結果として残留応力となり、弁ボディ29に
は熱歪みが生じる。このため、この熱歪みの影響によっ
て、ノズルニードル26の当接部26cが当接、離間す
る弁座29aの真円度が悪化するので、当接部26cと
弁座29aが当接する弁全閉時の弁密性が低下する可能
性がある。
【0075】そこで、本実施形態では、図1に示すよう
に、弁部材としてのノズルニードル26が当接、離間す
る弁座29aに、軸部材3を介して所定の押圧荷重Fを
加えるので、弁座29a、すなわち弁ボディ29の内部
から外側に向かって弾性変形させておき、予め応力を生
じさせておくので、熱歪みによる変形を防止できる。
【0076】しかも、図2に示すように、弁座29aに
当接する軸部材3の先端部3aを球面形状に形成してお
くので、球面形状に起因して弁座29aに面接触可能で
あり、その面接触する接触領域は、球面形状を有する先
端部3a、つまり軸部材を介して弁座29aへ押圧する
押圧荷重に応じて可変にできる。
【0077】このため、弁座29aに先端部3aを面接
触させ、所定の押圧荷重Fにて押圧することができるの
で、弁座29aつまり弁ボディ29に安定した弾性変形
すなわち応力を発生させることができる。
【0078】なお、上述の実施形態で説明した弁座29
aに先端部3aを面接触させ、所定の押圧荷重Fにて押
圧する際に、弁ボディ29を、図1に示す如く、軸部材
3が押圧する方向(矢印方向F)とは逆向きとなる方向
(矢印方向−F)の反作用力で抗するように、支持部材
よって保持することが望ましい。
【0079】これにより、弁座29aすなわち弁ボディ
29の内部に、弾性変形つまり応力を確実に発生させる
とともに、押圧荷重Fに応じた法線方向の合成力Fn
(図2参照)を弁座29aに作用させることができる。
【0080】なお、軸部材3は、高伝熱材料で形成さ
れ、被接合物8を構成する弁ボディ29に蓄えられる溶
接による熱エネルギーを、当接する弁座29aを介して
外部へ逃すようにしてもよい。
【0081】これにより、溶接により熱エネルギーが蓄
えられる弁ボディ29aから軸部材3を介して外部へ逃
すので、溶接による熱エネルギー注入によって生じる弁
ボディ29の温度上昇を抑制できる。よって、全周溶接
によって連続的に発生するいわゆる溶接停止後に生じる
熱収縮差が、その抑制された温度に応じて低減できる。
【0082】また、本実施形態で説明する溶接手段とし
ての熱源2は、高密度エネルギーを照射可能なレーザ溶
接を用いるので、全周溶接する弁ボディ29と円筒部材
14とからなる被接合物を高速溶接できるとともに、全
周溶接する弁装置を油密に接合できる。
【0083】なお、本実施形態による弁装置の製造方法
および製造装置を適用した燃料噴射弁9の弁ボディ2
9、特に弁座29aにおいて、溶接前後の変形が防止さ
れていることを確認するため、弁座29aの形状精度と
して真円度を測定した結果を図9に示す。図9(a)
は、レーザ溶接前の弁座の真円度、図9(b)、(c)
は、軸部材3による押圧荷重を押圧荷重を変えたときの
レーザ溶接後の弁座29aの真円度を示し、図9(d)
は、比較例として弁座29aに軸部材3による押圧荷重
を加えない場合におけるレーザ溶接後の弁座の真円度を
示すグラフである。ここで、図中で実線で示す円状曲線
が弁座29aの真円度を測定した結果であって、一点鎖
線で示すいわゆる内接円、外接円は、その測定結果の真
円度値を内接円と外接円の半径差Δδで表わす。なお、
図9(c)は、押圧荷重F=F1(F1<F2)とし、
図9(b)の押圧荷重F=F2より小さい所定荷重であ
る。
【0084】比較例としての図9(d)の押圧荷重を加
えない場合に比べ(詳しくは真円度がΔδd)、本実施
形態により製造された弁ディ29の弁座29aの真円度
が押圧荷重Fの増加に応じて真円度が向上できる(詳し
くは、押圧荷重F2>F1に対し、Δδa>Δδb>Δ
δa)。
【0085】(変形例1)変形例1としては、軸部材3
すなわち球面形状の先端部3aは、弁座29aとノズル
ニードル26の当接部26cとが当接、離間する弁座側
のシール部を含んだ面接触範囲を押圧するようにする。
【0086】これにより、軸部材は、先端部3aの球面
形状に起因して、ノズルニードル26と弁座29aとが
当接する弁座側のシール部を含んだ範囲に面接触させて
押圧することが可能である。このため、弁装置を構成す
る弁部材としてのノズルニードル26と弁ボディ29、
それぞれの部品としての製造ばらつきに係わらず、溶接
時に生じる熱歪みの影響に対して、シール部が確実に押
圧されるので、シール部の変形抑制が確実にできる。
【0087】したがって、当接部26cと弁座29aが
当接、離間するシール部の隙間発生防止が確実にでき
る。
【0088】(第2の実施形態)第2の実施形態として
は、第1の実施形態で説明した全周溶接する方法(詳し
くは、熱源2は固定し、駆動部7により支持部材5を回
転駆動することで、矢印方向Rに熱源2と被接合物とを
相対移動させること)にて、支持部材5の回転駆動によ
って被接合物の弁装置および軸部材3も回転する構成に
対して、図5に示すように、軸部材3は回転させず、弁
ボディ29すなわち弁座29aに対して矢印方向Lに相
対移動させることで、弁座29aの共ずりを行なう構成
とする。
【0089】これにより、弁ボディ29を部品単体とし
て製造する際に、内周研削加工等により削り残した弁座
29aの表面の凸部、すなわち弁座29aの面粗さのう
ち表面頂部を、共ずりによって滑らかにすることができ
る。
【0090】このため、軸部材3の先端部3aが球面形
状であることに起因して、少なくとも弁座29a側のシ
ール部を含む面接触範囲において、軸部材3の共ずりに
よって、弁座29a側のシール部の形状精度としての真
円度が向上できるので、弁装置の弁密性の向上が可能で
ある。
【0091】なお、上述で説明した軸部材3によって弁
座29aの共ずりを行なう構成は、支持部材5を回転固
定して、逆に軸部材3を回転駆動する構成としてもい。
この場合、全周溶接は、熱源2を、被接合物8すなわち
燃料噴射弁9の軸中心に一点鎖線の矢印方向Rに回転移
動させるようにすればよい。
【0092】また、後述する第3実施形態に示すような
先端部3aが弁座29aに対応する径斜面であっても、
弁座29aに面接触するので、弁座29aの面粗さを共
ずりによって滑らかにすることができるとともに、少な
くとも弁座29a側のシール部を含む面接触範囲におい
て、軸部材3の共ずりによって、弁座29a側のシール
部の形状精度としての真円度が向上できるので、弁装置
の弁密性の向上が可能である。
【0093】なお、後述する第4実施形態に示すような
先端部3aが弁座29aと異なる傾斜角を有する傾斜面
より形成される円錐台形部を備えた軸部材3であって
も、ノズルニードル26の当接部26cが当接、離間す
る弁座29aのシール部に対応する円錐台形部の上円3
a2または底円3a1を稜線(エッジ)とする稜線部に
よって弁座29aを共ずりすれば、弁座29aの面粗さ
を共ずりによって滑らかにすることができるとともに、
弁座29a側のシール部の真円度が向上できるので、弁
密性向上が可能である。
【0094】(第3の実施形態)第3の実施形態として
は、第1の実施形態で説明した軸部材3の先端部3aの
球面形状にかえて、図6に示すように、弁座29aに対
応する傾斜面とする構成にする。
【0095】これにより、第1実施形態と同様な効果が
得られる。
【0096】すなわち、ノズルニードル26が当接、離
間する弁座29aに、軸部材3を介して所定の押圧荷重
Fを加えるので、弁座29aすなわち弁ボディ29内部
から外側に向かって弾性変形させておき、予め応力を生
じさせておくことができる。よって、熱歪みによる変形
を防止できる。しかも、弁座29aに当接する軸部材3
の先端部3aを弁座に対応する傾斜面に形成しておくの
で、軸部材を介して押圧荷重が加えられた弁座には、安
定した弾性変形すなわち応力を発生させることができ
る。
【0097】また、弁座29aに当接する先端部3aの
傾斜面が弁座29に対応する径斜面であるので、変形例
1同様に、ノズルニードル26と弁座29aとが当接す
る弁座側のシール部を含んだ範囲に面接触させて押圧す
ることが可能である。このため、弁装置を構成する弁部
材としてのノズルニードル26と弁ボディ29、それぞ
れの部品としての製造ばらつきに係わらず、溶接時に生
じる熱歪みの影響に対して、シール部が確実に押圧され
るので、シール部の変形抑制が確実にできる。したがっ
て、当接部26cと弁座29aが当接、離間するシール
部の隙間発生防止が確実にできる。
【0098】(第4の実施形態)第4の実施形態として
は、第3の実施形態で説明した軸部材3の先端部3aが
弁座29aに対応する傾斜面を有する構成にかえて、図
7に示すように、弁座29aと異なる傾斜角を有する傾
斜面より形成される円錐台形部とする構成にする。
【0099】これにより、ノズルニードル26が当接、
離間する弁座29aに、軸部材3を介して所定の押圧荷
重Fを加えるので、弁座29aすなわち弁ボディ29内
部から外側に向かって弾性変形させておき、予め応力を
生じさせておくことができる。よって、熱歪みによる変
形を防止できる。
【0100】また、軸部材3の先端部3aを、図6に示
すように、円錐台形部の底円3a1を稜線(エッジ)と
する稜線部が、ノズルニードル26の当接部26cが当
接、離間する弁座29aのシール部に対応するように設
定すれば、軸部材3がシール部を押圧するので、シール
部の変形抑制が確実にできる。
【0101】(変形例2)変形例2としては、第3実施
形態で説明した先端部3aの円錐台形部の底円3a1を
稜線(エッジ)とする稜線部が、ノズルニードル26の
当接部26cが当接、離間する弁座29aのシール部に
対応する構成にかえて、図8に示すように、円錐台形部
の上円3a2を稜線(エッジ)とする稜線部がシール部
に対応する構成としてもよい。
【0102】なお、本実施形態の弁装置の製造方法を適
用する弁装置として、軽量化等のため薄肉円筒状化した
ノズルニードル26を有する燃料噴射弁9で説明した
が、薄肉化され中空部を有するものに限らず、いわゆる
中実構造のノズルニードルを備えた燃料噴射弁に適用し
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の製造装置の構成を表
す模式図である。
【図2】本発明の弁装置に係わる要部を表す説明図であ
って、被接合物としての弁ボディの弁座に、被接合物を
レーザ溶接する製造装置の軸部材が当接している状態を
表す模式図である。
【図3】第1の実施形態による製造装置に適用される燃
料噴射弁を表す断面図である。
【図4】図3中の被接合物としての弁ボディ周りを拡大
した断面図である。
【図5】第2の実施形態をなす製造装置の構成を表す模
式図である。
【図6】第3の実施形態をなす製造装置に係わる要部を
表す説明図であって、被接合物としての弁ボディの弁座
に、被接合物をレーザ溶接する製造装置の軸部材が当接
している状態を表す模式図である。
【図7】第4の実施形態をなす製造装置に係わる要部を
表す説明図であって、被接合物としての弁ボディの弁座
に、被接合物をレーザ溶接する製造装置の軸部材が当接
している状態を表す模式図である。
【図8】変形例の製造装置に係わる要部を表す説明図で
あって、被接合物としての弁ボディの弁座に、被接合物
をレーザ溶接する製造装置の軸部材が当接している状態
を表す模式図である。
【図9】本発明の一実施例による弁装置の製造方法およ
び製造装置を適用した弁装置、特に弁ボディの弁座にお
いて、溶接前後での弁座の真円度を示すグラフであっ
て、図9(a)は、レーザ溶接前の弁座の真円度、図9
(b)、(c)は、レーザ溶接後の弁座の真円度を示
し、図9(d)は、比較例として弁座に軸部材による押
圧荷重を加えない場合におけるレーザ溶接後の弁座の真
円度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 製造装置 2 熱源(溶接手段) 3 軸部材 3a 先端部 4 付勢手段 5 支持部 7 駆動部 8 被接合物(弁装置を構成する弁ボディ29と弁ボデ
ィ29に接合する所定の部材) 9 (弁装置としての)燃料噴射弁 11 フィルタ 14 円筒部材 22 吸引部材 24 圧縮スプリング 25 アーマチュア 26 ノズルニードル(弁部材) 26c 当接部 26e 大径柱体部(薄肉の円筒状体) 28 噴孔プレート 28a 噴孔 29 弁ボディ 29a 弁座 29d 小径円筒壁面(ニードル支持孔) 31 コイル 100 溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏原 義輝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 安部 雅彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G066 AA01 AB02 BA36 CC06U CC14 CE22 3H106 DA07 DA13 DA23 DB02 DB12 DB23 DB32 DC02 EE34 EE35 GB15 JJ04 JJ08 KK18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁座を有する弁ボディと、該弁座に当
    接、離間可能な弁部材と、前記弁ボディと接合する所定
    の部材とを備えた弁装置の製造方法において、 前記弁部材が当接、離間する前記弁座に、先端の前記弁
    座に当接する部分が球面形状を有する軸部材を当接さ
    せ、 前記弁座に前記軸部材を介して所定の押圧荷重を加えつ
    つ、前記弁ボディに前記所定の部材を溶接して接合する
    ことを特徴とする弁装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 弁座を有する弁ボディと、該弁座に当
    接、離間可能な弁部材と、前記弁ボディと接合する所定
    の部材とを備えた弁装置の製造方法において、 前記弁部材が当接、離間する前記弁座に、先端の前記弁
    座に当接する部分が前記弁座に対応する傾斜面を有する
    軸部材を当接させ、 前記弁座に前記軸部材を介して所定の押圧荷重を加えつ
    つ、前記弁ボディに前記所定の部材を溶接して接合する
    ことを特徴とする弁装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記所定の押圧荷重を前記弁座に加える
    際に、前記弁ボディには、前記軸部材が押圧する方向と
    は逆向きの荷重を加えることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の弁装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記先端は、前記弁座と前記弁部材とが
    当接、離間する前記弁座側のシール部を含んだ面接触範
    囲を押圧することを特徴とする請求項1から請求項3の
    いずれか一項に記載の弁装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 弁座を有する弁ボディと、該弁座に当
    接、離間可能な弁部材と、前記弁ボディと接合する所定
    の部材とを備えた弁装置の製造方法において、 前記弁部材が当接、離間する前記弁座に、先端の前記弁
    座に当接する部分が前記弁座と異なる傾斜角を有する傾
    斜面より形成される円錐台形部を備えた軸部材を当接さ
    せ、 前記弁座に前記軸部材を介して所定の押圧荷重を加えつ
    つ、前記弁ボディに前記所定の部材を溶接して接合する
    ことを特徴とする弁装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記弁座に前記軸部材を押圧するとは、
    前記弁座と前記弁部材とが当接、離間する前記弁座側の
    シール部を、前記円錐台形部を形成する上円または底円
    をエッジとする稜線部によって押圧することであること
    を特徴とする請求項5に記載の弁装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記軸部材は、回転力が加えられ、前記
    弁座に共ずりを行なうことを特徴とする請求項1から請
    求項6のいずれか一項に記載の弁装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記軸部材は、被接合物を構成する前記
    弁ボディに蓄えられる溶接による熱エネルギーを、当接
    する前記弁座を介して外部へ逃すことを特徴とする請求
    項1から請求項7のいずれか一項に記載の弁装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記溶接とは、レーザ溶接であって、前
    記弁ボディと前記所定部材との全周溶接であることを特
    徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の
    弁装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 弁座を有する弁ボディと、該弁座に当
    接、離間可能な弁部材と、前記弁ボディと接合する所定
    の部材とを備えた弁装置の製造装置において、 前記弁ボディを保持する受け治具と、 前記受け治具とともに前記弁ボディを挟み込めるよう
    に、前記弁座の軸方向に移動可能、かつ先端の前記弁座
    に当接する部分が球面形状または円錐台形形状を有する
    軸部材とを備え、 前記軸部材が前記弁座に押圧若しくは共ずりを行なうと
    ともに、前記レーザ溶接手段を用いて前記弁ボディと前
    記所定部材とを全周接合することを特徴とする弁装置の
    製造装置。
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