JP2002339986A - ころ軸受 - Google Patents
ころ軸受Info
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- JP2002339986A JP2002339986A JP2001146162A JP2001146162A JP2002339986A JP 2002339986 A JP2002339986 A JP 2002339986A JP 2001146162 A JP2001146162 A JP 2001146162A JP 2001146162 A JP2001146162 A JP 2001146162A JP 2002339986 A JP2002339986 A JP 2002339986A
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- roller bearing
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- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】軸受装置に対して高荷重・高速回転で運転され
ているときでも、焼き付き等の不具合の生じにくいころ
軸受を提供する。 【解決手段】内輪部材３と外輪部材２との間に複数のこ
ろ４を介在させるとともに、内輪部材２と外輪部材３と
のうち少なくとも一方の部材の軸方向端部に、ころ４の
端面４Ａをすべり接触で案内する案内面８を有する鍔部
７を設けたころ軸受１において、ころ４の端面４Ａの研
磨痕９を無方向性もしくは多方向性にしてある。特に、
円錐ころ軸受が好ましい。
ているときでも、焼き付き等の不具合の生じにくいころ
軸受を提供する。 【解決手段】内輪部材３と外輪部材２との間に複数のこ
ろ４を介在させるとともに、内輪部材２と外輪部材３と
のうち少なくとも一方の部材の軸方向端部に、ころ４の
端面４Ａをすべり接触で案内する案内面８を有する鍔部
７を設けたころ軸受１において、ころ４の端面４Ａの研
磨痕９を無方向性もしくは多方向性にしてある。特に、
円錐ころ軸受が好ましい。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、内輪部材と外輪部
材との間に複数のころを介在させるとともに、前記内輪
部材と外輪部材とのうち少なくとも一方の部材の軸方向
端部に、前記ころの端面をすべり接触で案内する案内面
を有する鍔部を設けたころ軸受に関する。
材との間に複数のころを介在させるとともに、前記内輪
部材と外輪部材とのうち少なくとも一方の部材の軸方向
端部に、前記ころの端面をすべり接触で案内する案内面
を有する鍔部を設けたころ軸受に関する。
【０００２】
【従来の技術】ころ軸受の一例の円錐ころ軸受は、例え
ば、図３に示されるように構成されている。
ば、図３に示されるように構成されている。
【０００３】すなわち、この円錐ころ軸受は、外輪部材
２、内輪部材３、その両部材２，３間に組み込まれた複
数個の円錐ころ４と両部材２，３とがグリース等の潤滑
剤で潤滑されるものである。
２、内輪部材３、その両部材２，３間に組み込まれた複
数個の円錐ころ４と両部材２，３とがグリース等の潤滑
剤で潤滑されるものである。
【０００４】そして、従来においては、図４に示すよう
に、円錐ころ４の端面４Ａの研磨痕１１が多数の同心円
を形成するものとなっていた（図上は２条のみ）。一
方、外周形状が円錐台状となる内輪部材３の鍔部７にお
けるころ端面４Ａとすべり接触する案内面８の研磨痕１
４は、周方向に沿い複数条形成されていた。
に、円錐ころ４の端面４Ａの研磨痕１１が多数の同心円
を形成するものとなっていた（図上は２条のみ）。一
方、外周形状が円錐台状となる内輪部材３の鍔部７にお
けるころ端面４Ａとすべり接触する案内面８の研磨痕１
４は、周方向に沿い複数条形成されていた。
【０００５】また、ころ端面４Ａの中心部には凹部Ｐが
形成されている。
形成されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記従来
構成の場合、ころ４は回転しながら内輪部材３の鍔部７
の案内面８と端面４Ａにおいてすべり接触することにな
る。そのため、高荷重あるいは高速回転時に、このすべ
り接触面Ａにおいて潤滑油分が不足すると潤滑油膜の形
成が難しくなり、潤滑油膜が切れ、焼き付きなど、不具
合の生じるおそれがあった。
構成の場合、ころ４は回転しながら内輪部材３の鍔部７
の案内面８と端面４Ａにおいてすべり接触することにな
る。そのため、高荷重あるいは高速回転時に、このすべ
り接触面Ａにおいて潤滑油分が不足すると潤滑油膜の形
成が難しくなり、潤滑油膜が切れ、焼き付きなど、不具
合の生じるおそれがあった。
【０００７】本発明は、このような事情に鑑み、軸受装
置に対して高荷重・高速回転で運転されているときで
も、ころ端面と内輪または外輪の鍔部の案内面とにおい
て焼き付きなどの不具合の生じにくいころ軸受を提供す
ることを解決課題としている。
置に対して高荷重・高速回転で運転されているときで
も、ころ端面と内輪または外輪の鍔部の案内面とにおい
て焼き付きなどの不具合の生じにくいころ軸受を提供す
ることを解決課題としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明のころ軸受は、内
輪部材と外輪部材との間に複数のころを介在させるとと
もに、前記内輪部材と外輪部材とのうち少なくとも一方
の部材の軸方向端部に、前記ころの端面をすべり接触で
案内する案内面を有する鍔部を設けたころ軸受におい
て、前記ころの前記端面の研磨痕を無方向性あるいは多
方向性にしてあることを特徴としている。
輪部材と外輪部材との間に複数のころを介在させるとと
もに、前記内輪部材と外輪部材とのうち少なくとも一方
の部材の軸方向端部に、前記ころの端面をすべり接触で
案内する案内面を有する鍔部を設けたころ軸受におい
て、前記ころの前記端面の研磨痕を無方向性あるいは多
方向性にしてあることを特徴としている。
【０００９】本発明のころ軸受によれば、ころにおける
鍔部とすべり接触する端面の研磨痕が無方向性あるいは
多方向性になっている。そのため、滑り面での潤滑油分
の保持性が従来のころ軸受よりも高いので、潤滑油分の
不足が起こりにくく、潤滑油膜が切れにくい。それによ
り、ころ端面と内輪鍔の間のすべり接触部において金属
接触が起こりにくく、発熱が抑制されるため、焼き付き
などの不具合は抑制される。
鍔部とすべり接触する端面の研磨痕が無方向性あるいは
多方向性になっている。そのため、滑り面での潤滑油分
の保持性が従来のころ軸受よりも高いので、潤滑油分の
不足が起こりにくく、潤滑油膜が切れにくい。それによ
り、ころ端面と内輪鍔の間のすべり接触部において金属
接触が起こりにくく、発熱が抑制されるため、焼き付き
などの不具合は抑制される。
【００１０】本発明に係るころ軸受としては、前記ころ
の前記端面をすべり接触で案内する前記鍔部の前記案内
面の研磨痕を無方向性もしくは多方向性にしてあるもの
でも良い。
の前記端面をすべり接触で案内する前記鍔部の前記案内
面の研磨痕を無方向性もしくは多方向性にしてあるもの
でも良い。
【００１１】この場合も同様に、鍔部の案内面の研磨痕
も無方向性もしくは多方向性であるから、従来の鍔部の
研磨痕が円周方向もしくは１方向にある軸受と比べ、潤
滑油分の保持性が高く焼き付きなどの不具合は抑制され
る。
も無方向性もしくは多方向性であるから、従来の鍔部の
研磨痕が円周方向もしくは１方向にある軸受と比べ、潤
滑油分の保持性が高く焼き付きなどの不具合は抑制され
る。
【００１２】本発明のころ軸受としては、円錐ころ軸受
に適用できる。
に適用できる。
【００１３】特に、内輪部材にころ大径側端面鍔部とす
べり接触する鍔部を設けた円錐ころ軸受は、前記鍔部案
内面と前記ころ端面の接触部が荷重を受けて接触するた
め、この接触部での潤滑油膜の形成が厳しく、焼き付き
などの不具合を生じやすい。このため、前記円錐ころ軸
受においては、前記円錐ころの大径側端面もしくは前記
ころ大径側端面と滑り接触する前記内輪部材の鍔部の案
内面の研磨痕を無方向もしくは多方向にしてあることが
好ましい。
べり接触する鍔部を設けた円錐ころ軸受は、前記鍔部案
内面と前記ころ端面の接触部が荷重を受けて接触するた
め、この接触部での潤滑油膜の形成が厳しく、焼き付き
などの不具合を生じやすい。このため、前記円錐ころ軸
受においては、前記円錐ころの大径側端面もしくは前記
ころ大径側端面と滑り接触する前記内輪部材の鍔部の案
内面の研磨痕を無方向もしくは多方向にしてあることが
好ましい。
【００１４】本発明のころ軸受としては、内輪部材と外
輪部材との間に複数の円錐ころを介在させるとともに、
前記内輪部材と外輪部材とのうち少なくとも一方の部材
の軸方向端部に、前記円錐ころの端面をすべり接触で案
内する案内面を有する鍔部を設けたころ軸受において、
前記円錐ころの大径側端面がすべり接触する案内面を備
える前記鍔部を、前記内輪部材に設けてあるとともに、
前記円錐ころの大径側端面の研磨痕を無方向性または多
方向性にしてあることが好ましい。
輪部材との間に複数の円錐ころを介在させるとともに、
前記内輪部材と外輪部材とのうち少なくとも一方の部材
の軸方向端部に、前記円錐ころの端面をすべり接触で案
内する案内面を有する鍔部を設けたころ軸受において、
前記円錐ころの大径側端面がすべり接触する案内面を備
える前記鍔部を、前記内輪部材に設けてあるとともに、
前記円錐ころの大径側端面の研磨痕を無方向性または多
方向性にしてあることが好ましい。
【００１５】この場合、特に高い荷重が円錐ころの大径
側端面と内輪部材の大径側鍔部案内面との接触箇所に作
用しやすいが、この円錐ころの大径側端面の研磨痕が無
方向性または多方向性となっていることで、鍔部の案内
面との接触において、接触面間に潤滑油分が保持されや
すくなっているから、その接触面間で潤滑油膜が途切れ
たり薄くならないようになっている。このため、潤滑油
膜が途切れることを抑制でき、焼き付きなどの不具合が
生じないようになっている。
側端面と内輪部材の大径側鍔部案内面との接触箇所に作
用しやすいが、この円錐ころの大径側端面の研磨痕が無
方向性または多方向性となっていることで、鍔部の案内
面との接触において、接触面間に潤滑油分が保持されや
すくなっているから、その接触面間で潤滑油膜が途切れ
たり薄くならないようになっている。このため、潤滑油
膜が途切れることを抑制でき、焼き付きなどの不具合が
生じないようになっている。
【００１６】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。
態に基づいて説明する。
【００１７】図１から図３は本発明の一実施形態を示し
ている。図１は、円錐ころの大径端面の研磨痕を示す正
面図、図２は、砥石により円錐ころ端面を研磨する様子
を示す斜視図、図３は、円錐ころ軸受の一部破断斜視図
である。
ている。図１は、円錐ころの大径端面の研磨痕を示す正
面図、図２は、砥石により円錐ころ端面を研磨する様子
を示す斜視図、図３は、円錐ころ軸受の一部破断斜視図
である。
【００１８】図３において、ころ軸受の一例として、円
錐ころ軸受１を示している。この円錐ころ軸受１は、外
輪部材２、内輪部材３、その両輪部材２，３間に介在す
る状態で組み込まれた複数個の円錐ころ４、および各円
錐ころ４を保持する保持器５により構成されているとと
もに、円錐ころ４と両輪部材２，３とが油潤滑されるも
のである。
錐ころ軸受１を示している。この円錐ころ軸受１は、外
輪部材２、内輪部材３、その両輪部材２，３間に介在す
る状態で組み込まれた複数個の円錐ころ４、および各円
錐ころ４を保持する保持器５により構成されているとと
もに、円錐ころ４と両輪部材２，３とが油潤滑されるも
のである。
【００１９】軌道輪としての内輪部材３は円錐台状に形
成されているとともに、その先すぼまりの端縁部と、底
広がりの端縁部とのそれぞれに、鍔部６,７を形成して
いる。
成されているとともに、その先すぼまりの端縁部と、底
広がりの端縁部とのそれぞれに、鍔部６,７を形成して
いる。
【００２０】鍔部６,７のうち大径側の鍔部７は、各円
錐ころ４の大径側の端面４Ａを案内面８ですべり接触す
る状態で案内するように構成している。
錐ころ４の大径側の端面４Ａを案内面８ですべり接触す
る状態で案内するように構成している。
【００２１】次に、本発明の特徴について説明する。
【００２２】図１に示すように、各円錐ころ４の大径側
の端面４Ａは、特定方向でのみ研磨されるのでなく、研
磨方向としては、アトランダム（無方向、多方向）に研
磨処理されるものであって、それにより、大径側の端面
４Ａの研磨痕９は無方向性もしくは多方向性のものとな
っている。なお、端面４Ａの中央部には、円形状の浅い
凹みＰが形成されており、この凹みＰにおいては研磨加
工がない。
の端面４Ａは、特定方向でのみ研磨されるのでなく、研
磨方向としては、アトランダム（無方向、多方向）に研
磨処理されるものであって、それにより、大径側の端面
４Ａの研磨痕９は無方向性もしくは多方向性のものとな
っている。なお、端面４Ａの中央部には、円形状の浅い
凹みＰが形成されており、この凹みＰにおいては研磨加
工がない。
【００２３】すなわち、特定方向に揃った研磨痕とはな
っておらず、その研磨痕の単一の方向性が認められない
無秩序なものとなっている。
っておらず、その研磨痕の単一の方向性が認められない
無秩序なものとなっている。
【００２４】図２を参考に説明すると、各円錐ころ４
は、例えば、研削用の円盤状の砥石Ｔにおける研削作用
面Ｓに対して、研磨するための接触と該接触位置からの
退避とをきわめて短時間ごとに繰り返すとともに、その
ときに円錐ころ４は一定速度でころの軸心周りで回転さ
せながら研磨する。
は、例えば、研削用の円盤状の砥石Ｔにおける研削作用
面Ｓに対して、研磨するための接触と該接触位置からの
退避とをきわめて短時間ごとに繰り返すとともに、その
ときに円錐ころ４は一定速度でころの軸心周りで回転さ
せながら研磨する。
【００２５】詳述すると、円錐ころ４をチャックなど支
持具（図示せず）で支持する状態で、円錐ころ４の大径
端面４Ａを砥石Ｔの研削作用面Ｓに対して遠近移動（図
２におけるＹ方向に沿う往復移動）できるよう対向さ
せ、研削作用面Ｓと大径端面４Ａとが平行となるこの対
向状態が変わらないまま支持具を円錐ころ４の軸心周り
で所定速度で回転（図２におけるＲ方向を周方向とする
一定向きの回転）させることで円錐ころ４をその所定速
度で回転させる。
持具（図示せず）で支持する状態で、円錐ころ４の大径
端面４Ａを砥石Ｔの研削作用面Ｓに対して遠近移動（図
２におけるＹ方向に沿う往復移動）できるよう対向さ
せ、研削作用面Ｓと大径端面４Ａとが平行となるこの対
向状態が変わらないまま支持具を円錐ころ４の軸心周り
で所定速度で回転（図２におけるＲ方向を周方向とする
一定向きの回転）させることで円錐ころ４をその所定速
度で回転させる。
【００２６】そして、研削装置に備える制御手段の制御
によって、支持具を図２のＹ方向で移動させて、きわめ
て短時間、円錐ころ４の大径端面４Ａが砥石Ｔに研磨さ
れるように接触させ、ただちに研磨位置から退避させる
ことを数回もしくは十数回繰り返す。なお、研磨のため
大径端面４Ａを砥石Ｔの研磨作用面Ｓに接触させておく
時間は、研磨作用面Ｓの移動速度と円錐ころ４の回転速
度との関係に応じて、円錐ころ４が一周回転するよりも
短い時間が好ましく、円錐ころ４が半周回転するよりも
短い時間であることが一層好ましい。
によって、支持具を図２のＹ方向で移動させて、きわめ
て短時間、円錐ころ４の大径端面４Ａが砥石Ｔに研磨さ
れるように接触させ、ただちに研磨位置から退避させる
ことを数回もしくは十数回繰り返す。なお、研磨のため
大径端面４Ａを砥石Ｔの研磨作用面Ｓに接触させておく
時間は、研磨作用面Ｓの移動速度と円錐ころ４の回転速
度との関係に応じて、円錐ころ４が一周回転するよりも
短い時間が好ましく、円錐ころ４が半周回転するよりも
短い時間であることが一層好ましい。
【００２７】これにより、円錐ころ４の大径端面４Ａに
おいては円錐ころ４が上記のように回転していることも
あって、砥石Ｔによる研磨方向が不特定となる状態でそ
の研磨がなされる。
おいては円錐ころ４が上記のように回転していることも
あって、砥石Ｔによる研磨方向が不特定となる状態でそ
の研磨がなされる。
【００２８】したがって、砥石Ｔの砥粒によって無方向
性もしくは多方向性の研磨痕９が凹溝の条痕として円錐
ころ４の大径端面４Ａに形成される。その研磨痕９の一
例を図１に示している。
性もしくは多方向性の研磨痕９が凹溝の条痕として円錐
ころ４の大径端面４Ａに形成される。その研磨痕９の一
例を図１に示している。
【００２９】なお、上記方法では、円錐ころ４を一定速
度で回転させながら研磨するものを示したが、研磨時に
は円錐ころ４の回転を停止した状態にして、きわめて短
時間研磨した後研磨位置から退避し、次の研磨時には適
宜円錐ころ４をころの軸心周りで適宜角度回転させてか
ら回転停止した状態で再びきわめて短時間研磨すること
を繰り返すようにしても良い。
度で回転させながら研磨するものを示したが、研磨時に
は円錐ころ４の回転を停止した状態にして、きわめて短
時間研磨した後研磨位置から退避し、次の研磨時には適
宜円錐ころ４をころの軸心周りで適宜角度回転させてか
ら回転停止した状態で再びきわめて短時間研磨すること
を繰り返すようにしても良い。
【００３０】本発明者は、上記円錐ころ４を備える円錐
ころ軸受で無給油焼き付き試験を行った。
ころ軸受で無給油焼き付き試験を行った。
【００３１】試験条件は、標準型番ＨＭ８０４８４３／
１０（ＪＩＳ規格）のころ軸受に対し、表１に示すよう
に、ギアオイル（ＳＸ９０）を塗布して試験機に組み込
み１０分放置した後、アキシャル荷重８ｋＮを加え、３
８００ｒ／ｍｉｎで回転させ、回転開始から焼き付きま
での時間を測定した。
１０（ＪＩＳ規格）のころ軸受に対し、表１に示すよう
に、ギアオイル（ＳＸ９０）を塗布して試験機に組み込
み１０分放置した後、アキシャル荷重８ｋＮを加え、３
８００ｒ／ｍｉｎで回転させ、回転開始から焼き付きま
での時間を測定した。
【００３２】なお、回転開始から１５ｓで３８００ｒ／
ｍｉｎに到達させた。
ｍｉｎに到達させた。
【００３３】
【表１】 これにより、表２に示す試験結果が得られた。その結
果、同一条件において無給油焼き付き試験された本発明
に係る円錐ころ軸受と従来の円錐ころ軸受とを比較する
と、無給油試験で本発明に係る円錐ころ軸受は従来のも
のよりも１０倍以上の時間破損することなく耐えること
が判明した。
果、同一条件において無給油焼き付き試験された本発明
に係る円錐ころ軸受と従来の円錐ころ軸受とを比較する
と、無給油試験で本発明に係る円錐ころ軸受は従来のも
のよりも１０倍以上の時間破損することなく耐えること
が判明した。
【００３４】
【表２】 なお、上記実施の形態では、円錐ころ４の大径側端面４
Ａの研磨痕９が無方向性もしくは多方向性になるよう研
磨し、鍔部７の案内面８の研磨痕が周方向に沿うように
研磨するものを示したが、鍔部７の案内面８についても
研磨痕が無方向もしくは多方向性になるように研磨して
も良く、この場合、より一層焼き付きや摩耗等の不具合
は抑制されることになる。
Ａの研磨痕９が無方向性もしくは多方向性になるよう研
磨し、鍔部７の案内面８の研磨痕が周方向に沿うように
研磨するものを示したが、鍔部７の案内面８についても
研磨痕が無方向もしくは多方向性になるように研磨して
も良く、この場合、より一層焼き付きや摩耗等の不具合
は抑制されることになる。
【００３５】また、上記実施の形態では、内輪部材を軌
道輪としてその端部に鍔部を備えるものを示したが、外
輪部材を軌道輪としてその端部に鍔部を備える形態のこ
ろ軸受にも本発明を適用しても良い。
道輪としてその端部に鍔部を備えるものを示したが、外
輪部材を軌道輪としてその端部に鍔部を備える形態のこ
ろ軸受にも本発明を適用しても良い。
【００３６】また、上記実施の形態では、内輪部材の底
部側の鍔部で案内される円錐ころの大径側端面の研磨痕
を無方向性としたものを示したが、内輪部材の先部側の
鍔部で案内される円錐ころの小径側端面の研磨痕を無方
向性とするものでも良い。
部側の鍔部で案内される円錐ころの大径側端面の研磨痕
を無方向性としたものを示したが、内輪部材の先部側の
鍔部で案内される円錐ころの小径側端面の研磨痕を無方
向性とするものでも良い。
【００３７】上記実施の形態では、円錐ころ軸受につい
て説明したが、本発明は、円柱状や樽状のころを内輪部
材と外輪部材との間に介在させて構成しているころ軸受
に対しても適用可能である。
て説明したが、本発明は、円柱状や樽状のころを内輪部
材と外輪部材との間に介在させて構成しているころ軸受
に対しても適用可能である。
【００３８】この場合、ころの両端の端面の研磨痕、も
しくは軸方向での荷重が強く作用する側の端面のみの研
磨痕を無方向性もしくは多方向性とするものでも良いと
ともに、ころの端面がすべり接触する内輪部材もしくは
外輪部材の軸方向端部に備える鍔部の案内面の研磨痕も
無方向性もしくは多方向性としても良い。
しくは軸方向での荷重が強く作用する側の端面のみの研
磨痕を無方向性もしくは多方向性とするものでも良いと
ともに、ころの端面がすべり接触する内輪部材もしくは
外輪部材の軸方向端部に備える鍔部の案内面の研磨痕も
無方向性もしくは多方向性としても良い。
【００３９】
【発明の効果】本発明によれば、内輪部材または外輪部
材の鍔部とすべり接触するころの端面の研磨痕が無方向
性もしくは多方向性になっていて、研磨痕はその端面に
沿う方向で不規則になっていることから、例え鍔部にお
けるころの端面をすべり接触で案内する面の研磨痕が周
方向に沿うものとなっていても、その鍔部の研磨痕とこ
ろの端面の研磨痕とが従来のように摩擦接触箇所で平行
またはほぼ平行な状態のまま互いに摩擦接触することは
解消される。
材の鍔部とすべり接触するころの端面の研磨痕が無方向
性もしくは多方向性になっていて、研磨痕はその端面に
沿う方向で不規則になっていることから、例え鍔部にお
けるころの端面をすべり接触で案内する面の研磨痕が周
方向に沿うものとなっていても、その鍔部の研磨痕とこ
ろの端面の研磨痕とが従来のように摩擦接触箇所で平行
またはほぼ平行な状態のまま互いに摩擦接触することは
解消される。
【００４０】したがって、鍔部の案内面の研磨痕と、こ
ろの端面の研磨痕とは、接触箇所において必ず交差する
ものとなり、それによって、その接触箇所に対して潤滑
剤の保持が円滑になされて、潤滑油膜が互いの摩擦面間
から途切れるのを抑制できることになって摩擦に伴う発
熱は低いものとなり、焼き付きなどの不具合は抑制され
るという効果を奏する。
ろの端面の研磨痕とは、接触箇所において必ず交差する
ものとなり、それによって、その接触箇所に対して潤滑
剤の保持が円滑になされて、潤滑油膜が互いの摩擦面間
から途切れるのを抑制できることになって摩擦に伴う発
熱は低いものとなり、焼き付きなどの不具合は抑制され
るという効果を奏する。
【図１】本発明に係る円錐ころの大径端面の研磨痕の状
態を示す正面図
態を示す正面図
【図２】砥石により円錐ころ端面を研磨する様子を示す
斜視図
斜視図
【図３】円錐ころ軸受の一部破断斜視図
【図４】従来におけるころと鍔部とのそれぞれの研磨痕
を示す正面図
を示す正面図
１ 円錐ころ軸受 ２ 外輪部材 ３ 内輪部材 ４ 円錐ころ（ころ） ４Ａ 大径側の端面（端面） ７ 鍔部 ９ 研磨痕
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 博樹 大阪市中央区南船場三丁目５番８号 光洋 精工株式会社内 Ｆターム(参考） 3C043 BC01 CC03 3J101 AA12 AA32 AA42 AA52 AA54 AA62 BA57 DA11 FA33
Claims (4)
- 【請求項１】 内輪部材と外輪部材との間に複数のころ
を介在させるとともに、前記内輪部材と外輪部材とのう
ち少なくとも一方の部材の軸方向端部に、前記ころの端
面をすべり接触で案内する案内面を有する鍔部を設けた
ころ軸受において、 前記ころの前記端面の研磨痕を無方向性または多方向性
にしてある、ことを特徴とするころ軸受。 - 【請求項２】 請求項１に記載のころ軸受であって、 前記ころの前記端面をすべり接触で案内する前記鍔部の
前記案内面の研磨痕を無方向性または多方向性にしてあ
る、ことを特徴とするころ軸受。 - 【請求項３】 請求項１または２に記載のころ軸受であ
って、 前記ころは円錐ころである、ことを特徴とするころ軸
受。 - 【請求項４】 内輪部材と外輪部材との間に複数の円錐
ころを介在させるとともに、前記内輪部材と外輪部材と
のうち少なくとも一方の部材の軸方向端部に、前記円錐
ころの端面をすべり接触で案内する案内面を有する鍔部
を設けたころ軸受において、 前記円錐ころの大径側端面がすべり接触する案内面を備
える前記鍔部を、前記内輪部材に設けてあるとともに、
前記円錐ころの大径側端面の研磨痕を無方向性または多
方向性にしてある、ことを特徴とするころ軸受。
Priority Applications (5)
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|---|---|---|---|
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| EP02010756A EP1260723B1 (en) | 2001-05-16 | 2002-05-14 | Roller bearing having streaked grinding trail on the rollers end faces and on the flange guide surface |
| DE60217941T DE60217941T2 (de) | 2001-05-16 | 2002-05-14 | Wälzlager mit strichförmigen Schleifspuren auf den Walzenendflächen und auf die Flanschfürungsfläche |
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|---|---|---|---|
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Related Child Applications (1)
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|---|---|---|---|
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|---|---|
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|---|---|---|---|
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007232076A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Jtekt Corp | ころ軸受 |
| JP2009079535A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Toyota Motor Corp | ピストン |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05306719A (ja) * | 1992-02-27 | 1993-11-19 | Ntn Corp | ころがり要素 |
| JPH0742746A (ja) * | 1993-07-30 | 1995-02-10 | Ntn Corp | ころ軸受 |
| JPH0754849A (ja) * | 1993-05-31 | 1995-02-28 | Ntn Corp | ころがりまたはすべり運動する機械部品 |
| JPH0791452A (ja) * | 1993-07-30 | 1995-04-04 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
-
2001
- 2001-05-16 JP JP2001146162A patent/JP2002339986A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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