JP2002338735A - ゴム組成物及び該ゴム組成物を有してなる二輪車用タイヤ - Google Patents

ゴム組成物及び該ゴム組成物を有してなる二輪車用タイヤ

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JP2002338735A
JP2002338735A JP2002066605A JP2002066605A JP2002338735A JP 2002338735 A JP2002338735 A JP 2002338735A JP 2002066605 A JP2002066605 A JP 2002066605A JP 2002066605 A JP2002066605 A JP 2002066605A JP 2002338735 A JP2002338735 A JP 2002338735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維材料として金属繊維を用いた場合、該金
属繊維へのコーティング率を高め、且つコーティング剥
離を抑制することができるコーティング用ゴム組成物の
提供。 【解決手段】 金属繊維を有してなるスパイラルベルト
層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴ
ム組成物であって、該ゴム組成物がa)スチレンブタジ
エン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(N
R)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴ
ム成分を配合してなり、該ゴム成分中、a)スチレンブ
タジエン(SBR)が10重量%以上30重量%以内で
あり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム
(IR)が90重量%以下70重量%以上である上記ゴ
ム組成物により、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二輪車用タイヤに
用いられるゴム組成物、特に金属繊維を有してなるスパ
イラルベルト層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コー
ティング用ゴム組成物に関する。また、本発明は、該コ
ーティング用ゴム組成物を有してなるスパイラルベルト
層を有する二輪車用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりスパイラルベルト層を有する二
輪車用タイヤが種々開発されている。このスパイラルベ
ルトは、従来、ケブラー、ナイロンなどの有機繊維を有
して製造されていた。スパイラルベルト層は、具体的に
は、2つの工程、即ちインシュレーション工程及び成型
工程を経て製造されていた。インシュレーション工程
は、上記有機繊維にゴムをコーティングする工程であ
る。該コーティングした有機繊維の単線又は複線を同時
にボックスロールに巻き上げてもよい。また、成型工程
は、ボックスロールから該コーティングされた有機繊維
を巻き出し、コアドラム上に配置されたタイヤケース部
材上に、周方向に平行な方向でスパイラル状に該繊維を
巻きつける工程である。
【0003】一方、上述の有機繊維を金属繊維にするこ
とにより、タイヤの運動特性、例えばシミー性能、キッ
クバック性能、安定性などを向上させることが近年見出
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維材
料を有機繊維から金属繊維に変えると、従来のコーティ
ングゴムでは製造上の問題が生じた。具体的には、イン
シュレーション工程において、ゴムのペネトレーション
性が悪くなりゴムのコーティング率の低下を招くという
問題が生じた。また、この問題と同時に、成型工程にお
いて、ゴムでコーティングされた繊維材料を巻きだす
際、コーティングゴムが剥離する問題が生じた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、上記課題を解決することにある。具体的には、本発
明の目的は、繊維材料として金属繊維を用いた場合、該
金属繊維へのコーティング率を高め、且つコーティング
剥離を抑制することができる、製造上最適なコーティン
グ用ゴム組成物を提供することにある。
【0006】また、本発明の目的は、上記目的に加え
て、上記コーティング用ゴム組成物を用いることによ
り、タイヤの運動特性、例えばシミー性能、キックバッ
ク性能、安定性などを向上させた、二輪車用タイヤを提
供することにある。
【0007】本発明者は鋭意検討の結果、以下の発明に
より、上記課題を解決できることを見出した。即ち、<
1> 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有す
る二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴム組成物
であって、該ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重
合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び
/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を
配合してなり、a)及びb)の合計量を100重量部と
したとき、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SB
R)が10重量部以上30重量部以内であり、b)天然
ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90
重量部以下70重量部以上である上記コーティング用ゴ
ム組成物。
【0008】<2> 上記<1>において、コーティン
グ用ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、
ゴム成分を100重量部としたとき、ワックス成分の量
が2〜10重量部であるのがよい。
【0009】<3> 金属繊維を有してなるスパイラル
ベルト層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティン
グ用ゴム組成物であって、該ゴム組成物がゴム成分及び
ワックス成分を配合してなり、ゴム成分を100重量部
としたとき、ワックス成分の量が2〜10重量部である
上記コーティング用ゴム組成物。
【0010】<4> 上記<1>〜<3>のいずれかに
おいて、スパイラルベルト層は、コーティング用ゴム組
成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長尺リ
ボンを実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラル状
に巻きつけ構成されるのがよい。
【0011】<5> 二輪車用タイヤのスパイラルベル
トの製造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成
物をコーティングしてコーティッド金属繊維を得るイン
シュレーション工程、及び該コーティッド金属繊維をス
パイラル状に巻き付ける成型工程を有し、前記インシュ
レーション工程において、前記ゴム組成物のタッキネス
を1N以上5N以内としてコーティングを施すことを特
徴とする、二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方
法。
【0012】<6> 上記<5>において、ゴム組成物
がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並
びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム
(IR)からなるゴム成分を配合してなり、該ゴム成分
を100重量部としたとき、a)スチレンブタジエン共
重合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内
であり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴ
ム(IR)が90重量部以下70重量部以上であるのが
よい。
【0013】<7> 上記<6>において、ゴム組成物
がワックス成分をさらに配合してなり、該ワックス成分
の量が、ゴム成分を100重量部としたとき、2〜10
重量部であるのがよい。
【0014】<8> 上記<5>において、ゴム組成物
がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム成分
を100重量部としたときにワックス成分の量が2〜1
0重量部であるのがよい。<9> 上記<5>〜<8>
のいずれかにおいて、ゴム組成物のムーニー粘度を5N
・m以上6.6N・m以内としてコーティングを施すの
がよい。
【0015】<10> 上記<5>〜<9>のいずれか
において、スパイラルベルトは、コーティング用ゴム組
成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長尺リ
ボンを、タイヤケース部材上、例えばカーカスプライ
上、実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラル状に
巻きつけ構成されるのがよい
【0016】<11> 二輪車用タイヤのスパイラルベ
ルトの製造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組
成物をコーティングしてコーティッド金属繊維を得るイ
ンシュレーション工程、及び該コーティッド金属繊維を
スパイラル状に巻き付ける成型工程を有し、前記インシ
ュレーション工程において、前記ゴム組成物のムーニー
粘度を5N・m以上6.6N・m以内としてコーティン
グを施すことを特徴とする、二輪車用タイヤのスパイラ
ルベルトの製造方法。
【0017】<12> 上記<11>において、ゴム組
成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレ
ンゴム(IR)からなるゴム成分を配合してなり、a)
及びb)の合計量を100重量部としたとき、a)スチ
レンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量部以
上30重量部以内であり、b)天然ゴム(NR)及び/
又はイソプレンゴム(IR)が90重量部以下70重量
部以上であるのがよい。
【0018】<13> 上記<12>において、ゴム組
成物がワックス成分をさらに配合してなり、該ワックス
成分の量が、ゴム成分を100重量部としたとき、2〜
10重量部であるのがよい。
【0019】<14> 上記<11>において、ゴム組
成物がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム
成分を100重量部としたとき、ワックス成分の量が2
〜10重量部であるのがよい。<15> 上記<11>
〜<14>のいずれかにおいて、ゴム組成物のタッキネ
スを1N以上5N以内としてコーティングを施すのがよ
い。
【0020】<16> 上記<11>〜<15>のいず
れかにおいて、スパイラルベルトは、コーティング用ゴ
ム組成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長
尺リボンを実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラ
ル状に巻きつけ構成されるのがよい。
【0021】<17> 金属繊維を有してなるスパイラ
ルベルト層を有する二輪車用タイヤであって、該金属繊
維がゴム組成物によってコーティングされており、該ゴ
ム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレ
ンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、
a)及びb)の合計量を100重量部としたとき、前記
a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10
重量部以上30重量部以内であり、前記b)天然ゴム
(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量
部以下70重量部以上である二輪車用タイヤ。
【0022】<18> 上記<17>のタイヤにおい
て、ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、
ゴム成分を100重量部としたとき、該ワックス成分の
量が2〜10重量部であるのがよい。 <19> 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を
有する二輪車用タイヤであって、該金属繊維がゴム組成
物によってコーティングされており、該ゴム組成物がゴ
ム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム成分を1
00重量部としたとき、ワックス成分の量が2〜10重
量部である二輪車用タイヤ。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、金属繊維を有してなる
スパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤに関し、特
に該金属繊維にコーティングするゴム組成物に関する。
以下、該ゴム組成物について詳細に説明する。
【0024】ゴム組成物は、ゴム成分を配合してなり、
さらにワックス成分を配合するのがよい。ゴム成分は、
a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並び
にb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(I
R)を有するのがよい。なお、b)は、天然ゴム又はイ
ソプレンゴムのいずれか、もしくはその双方を有するこ
とができることを表している。ゴム成分は、a)及び
b)以外に他の成分、例えばブタジエンゴム又はブチル
ゴムなどを有してもよいが、これらの成分のみからなる
こともできる。
【0025】a)及びb)の量は、双方を合わせた量を
100重量部とした場合、a)スチレンブタジエン共重
合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内で
あり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム
(IR)が90重量部以下70重量部以上であるのがよ
い。好ましくは、a)SBRが15重量部以上25重量
部以内であり、b)NR及び/又はIRが85重量部以
下75重量部以上であるのがよい。なお、ゴム成分が
a)及びb)のみからなる場合、上記a)及びb)の量
は、ゴム成分100重量部中の値を示す。
【0026】ゴム成分内のSBR、並びにNR及び/又
はIRが上記範囲内にあると、金属繊維へのコーティン
グが良好となり得られるタイヤの耐久性も良好となる傾
向が生じる。一方、ゴム成分内のSBRの量が多すぎる
と、後述するスパイラルベルトの製造工程において、ゴ
ムと金属繊維との接着が阻害される傾向が生じ、これに
より得られたタイヤ自体の耐久性が低下する傾向が生じ
る。また、SBRの量が少なすぎると、後述するスパイ
ラルベルトの製造工程において、コーティングされた金
属繊維をボックスロールより巻き出す際、コーティング
したゴムが剥離する傾向が生じる。
【0027】本発明のゴム組成物は、ゴム成分の他にワ
ックス成分を配合するのがよい。このワックス成分とし
て、例えば日石三菱(株)製135°パラフィンワック
ス及びパラノック250Bを挙げることができるが、こ
れらに限定されない。
【0028】本発明のゴム組成物に含まれるワックス成
分の量は、ゴム成分100重量部に対して、2〜10重
量部であり、好ましくは4〜8重量部、より好ましくは
5〜6重量部であるのがよい。ワックス成分が少なすぎ
ると、後述するスパイラルベルトの製造工程において、
コーティングされた金属繊維をボックスロールより巻き
出す際、コーティングしたゴムが剥離する傾向が生じ
る。一方、ワックス成分が多すぎると、後述するスパイ
ラルベルトの製造工程において、コーティングするゴム
と金属繊維との接着が阻害される傾向が生じ、これによ
り得られたタイヤ自体の耐久性が低下する傾向が生じ
る。
【0029】本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分及
びワックス成分の他に、ゴム組成物に通常用いられる成
分を配合することができる。このような成分として、例
えば、充填剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、促進助
剤、老化防止剤、及び金属との接着を促進させる金属塩
(例えばCo塩)その他の接着促進剤を挙げることがで
きる。
【0030】なお、本発明のゴム組成物がコーティング
される金属繊維は、二輪車用タイヤに所望の特性を付与
する目的などに応じて、適宜選択することができる。例
えば、金属繊維としてスチールコードを挙げることがで
きる。
【0031】本発明のゴム組成物及び金属繊維を用い
て、二輪車用タイヤのスパイラルベルトを製造する。以
下、この製造方法について説明する。二輪車用タイヤの
スパイラルベルトの製造方法は、次の工程を有してな
る。即ちインシュレーション工程及び成型工程である。
【0032】インシュレーション工程は、1本又は複数
本の金属繊維に本発明のゴム組成物であって未加硫のゴ
ム組成物をインシュレーション方式でコーティングする
工程である。なお、この工程で、同時に、コーティング
済の金属繊維を長尺リボン、特に小幅長尺リボンにする
のがよい。得られたリボンは例えばボックスロールに巻
き取ることができる。
【0033】次いで、成型工程に付される。成型工程
は、得られたコーティング済の金属繊維、例えば小幅長
尺リボンを、コアドラム上に配置されたタイヤケース部
材上、例えばカーカスプライ上に、タイヤ周方向と平行
な方向に、スパイラル状に巻き付けてスパイラルベルト
を成型する工程である。なお、カーカスプライ「上」と
は、カーカスプライの直上を意味するだけでなく、カー
カスプライと本発明のスパイラルベルトとの間に他の
層、例えばクッション材などを有することができる意で
ある。
【0034】インシュレーション工程において、未加硫
のゴム組成物のタッキネスを1N以上5N以内、好まし
くは2〜3Nとするのがよい。この範囲にすることによ
り、本発明のゴム組成物は、金属繊維と良好なコーティ
ングをもたらすことができる。一方、タッキネスが不足
している場合、成型工程においてスパイラル状に巻き付
けられない傾向が生じる。また、タッキネスが過剰な場
合、ボックスロールより巻き出す際に、コーティングし
たゴム組成物が剥離する傾向が生じる。
【0035】タッキネスは、例えば次のように測定する
ことができる。即ち、混練したゴム組成物をロール温度
90℃で厚さ2mmにシート化する。シート化後、1時
間放置して、10mm幅に切り出し、50φmmのリン
グに巻き付ける。巻き付けられたゴムと該ゴムと同一組
成のゴムシートとを圧着させ、その粘着力を測定する。
例えば、圧着時の力:4.9N;圧着時間:30秒;引
張り速度:30mm/分;測定回数:5回(平均値を採
用する);測定機器:東洋精機製作所製ピクマタックテ
スター、という条件下で測定を行うことができる。な
お、本明細書において、特記しない限り、タッキネスの
測定方法及び条件は、上記の例に沿って行われる。
【0036】また、インシュレーション工程において、
本発明のゴム組成物は、上記タッキネスの条件と共に、
又は上記タッキネスとは別個に、そのムーニー粘度を5
N・m以上6.6N・m以内、好ましくは5.4N・m
〜6.2N・mとするのがよい。この範囲にすることに
より、本発明のゴム組成物は、金属繊維と良好なコーテ
ィングをもたらすことができる。一方、ムーニー粘度が
不足している場合、コーティングゲージが薄くなり強固
なコーティングが得られない傾向が生じる。また、ムー
ニー粘度が過剰な場合、インシュレーション工程におい
て、ゴムのペネトレーション性の低下及びコーティング
率の低下を招く傾向が生じ、成型工程においてスパイラ
ル状に巻き付けられない傾向が生じる。
【0037】ムーニー粘度は、例えば次のように測定す
ることができる。即ち、JIS K 6300−199
4に準拠して、L型ローターを用いて、130℃で予熱
1分間、及び4分間攪拌した後のムーニー粘度を、例え
ば島津製作所製SMV201を用いて測定する。なお、
本明細書において、特記しない限り、ムーニー粘度の測
定方法及び条件は、上記の例に沿って行われる。
【0038】本発明は、上述のゴム組成物を用いたスパ
イラルベルト層を有する二輪車用タイヤにまで及ぶ。本
発明の二輪車用タイヤは、このスパイラルベルト層を除
く、他の構成、材質、形状、大きさ等については、特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、公知のものと同様に構成することができる。
【0039】また、本発明の二輪車用タイヤは、ラジア
ルタイヤ、空気入りタイヤ、空気入りラジアルタイヤな
ど、種々に適用することができる。例えば、その内部に
空気が満たされた空気入りラジアルタイヤを挙げること
ができるが、これに限定されるものではない。即ち、本
発明の二輪車用タイヤは、その内部に種々のガスを満た
したタイヤとすることができ、例えばガスとして窒素の
みを満たしたものであってもよく、ガスとして空気に種
々の混合比となるように窒素を入れたものであってもよ
い。
【0040】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例によって限定されるものではな
い。
【0041】(実施例1〜9及び比較例1〜5)以下の
表1〜表3に記載した組成比で、コーティング用ゴム組
成物を調製した。得られたゴム組成物をスチールコード
(1×5撚り、コード径:約0.61mm、線径:約
0.21mm)にコーティングを行った。この際のコー
ティング用ゴム組成物に関して、インシュレーション工
程での作業性及び成型工程での作業性を評価した。実施
例1〜3、並びに比較例1及び2については、タッキネ
スを変化させた場合についても、成型時の作業性を評価
した。この場合、巻き出し時の作業性及び巻き付け時の
作業性の双方を評価した。
【0042】また、実施例7〜9、並びに比較例4及び
5については、ムーニー粘度(表3中、「ML1+4」
と表記する)を変化させた場合についても、インシュレ
ーション作業性、及び成型工程時の作業性、特に巻き出
し時の作業性を評価した。さらに、各実施例又は各比較
例のコーティング用ゴム組成物と上記スチールコードと
の接着性を評価した。以下、上記の各評価について詳し
く記載する。
【0043】(1) 各作業性の評価 各作業において、その作業性の評価は、次のように行っ
た。即ち、問題ないレベルを○、やや問題があり生産性
が少し落ちるレベルを△、問題があり生産性が大幅にダ
ウンするか又は生産不可能なレベルを×とした。
【0044】(2) 接着性の評価 金属繊維とゴム組成物との接着性は、混練したゴム組成
物に金属繊維を埋設し、ゴム組成物を加硫後、AST
M:D2229に準拠した引き抜き試験を行い、金属繊
維に付着したゴムの被覆率(平均値)を測定して、評価
した。○は80%以上の被覆率であり、全く問題のない
レベルである。△は50%以上80%未満の被覆率であ
り、市場で問題とならないレベルである。×は50%未
満の被覆率であり、市場で問題となる可能性が高いレベ
ルである。
【0045】なお、タッキネスの測定条件及びムーニー
粘度の測定条件は、上述の方法にしたがった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】表1〜表3を見てわかるように、各実施例
のコーティング用ゴム組成物は、インシュレーション工
程時の作業性及び成型工程時の作業性の双方共に、良好
な評価結果をもたらすことがわかる。一方、各比較例の
コーティング用ゴム組成物は、インシュレーション工程
時の作業性又は成型工程時の作業性のいずれか、もしく
は双方共に、問題がある評価結果をもたらすことがわか
る。
【0050】
【発明の効果】本発明により、繊維材料として金属繊維
を用いた場合、該金属繊維へのコーティング率を高め、
且つコーティング剥離を抑制することができる、製造上
最適なコーティング用ゴム組成物を提供することができ
る。また、本発明により、上記効果に加えて、上記コー
ティング用ゴム組成物を用いることにより、タイヤの運
動特性、例えばシミー性能、キックバック性能、安定性
などを向上させた、二輪車用タイヤを提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91/06 C08L 91/06 // B29K 9:06 B29K 9:06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属繊維を有してなるスパイラルベルト
    層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴ
    ム組成物であって、該ゴム組成物がa)スチレンブタジ
    エン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(N
    R)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴ
    ム成分を配合してなり、前記ゴム成分中、前記a)スチ
    レンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量%以
    上30重量%以内であり、前記b)天然ゴム(NR)及
    び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量%以下70
    重量%以上である上記コーティング用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記コーティング用ゴム組成物がワック
    ス成分をさらに配合してなり、前記ゴム成分を100重
    量部としたとき、該ワックス成分の量が2〜10重量部
    である請求項1記載のコーティング用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 金属繊維を有してなるスパイラルベルト
    層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴ
    ム組成物であって、該ゴム組成物がゴム成分及びワック
    ス成分を配合してなり、前記ゴム成分を100重量部と
    したとき、前記ワックス成分の量が2〜10重量部であ
    る上記コーティング用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記スパイラルベルト層は、前記コーテ
    ィング用ゴム組成物がコーティングされた金属繊維を有
    してなる長尺リボンを実質上タイヤ周方向に平行な方向
    でスパイラル状に巻きつけ構成される請求項1〜請求項
    3のいずれか1項記載のコーティング用ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製
    造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成物をコ
    ーティングしてコーティッド金属繊維を得るインシュレ
    ーション工程、及び該コーティッド金属繊維をスパイラ
    ル状に巻き付ける成型工程を有し、前記インシュレーシ
    ョン工程において、前記ゴム組成物のタッキネスを1N
    以上5N以内としてコーティングを施すことを特徴とす
    る、二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製
    造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成物をコ
    ーティングしてコーティッド金属繊維を得るインシュレ
    ーション工程、及び該コーティッド金属繊維をスパイラ
    ル状に巻き付ける成型工程を有し、前記インシュレーシ
    ョン工程において、前記ゴム組成物のムーニー粘度を5
    N・m以上6.6N・m以内としてコーティングを施す
    ことを特徴とする、二輪車用タイヤのスパイラルベルト
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属繊維を有してなるスパイラルベルト
    層を有する二輪車用タイヤであって、該金属繊維がゴム
    組成物によってコーティングされており、該ゴム組成物
    がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並
    びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム
    (IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、前記ゴ
    ム成分中、前記a)スチレンブタジエン共重合体ゴム
    (SBR)が10重量%以上30重量%以内であり、前
    記b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(I
    R)が90重量%以下70重量%以上である二輪車用タ
    イヤ。
  8. 【請求項8】 前記ゴム組成物がワックス成分をさらに
    配合してなり、前記ゴム成分を100重量部としたと
    き、該ワックス成分の量が2〜10重量部である請求項
    7記載の二輪車用タイヤ。
  9. 【請求項9】 金属繊維を有してなるスパイラルベルト
    層を有する二輪車用タイヤであって、該金属繊維がゴム
    組成物によってコーティングされており、該ゴム組成物
    がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、前記ゴム
    成分を100重量部としたとき、前記ワックス成分の量
    が2〜10重量部である二輪車用タイヤ。
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CN106188674A (zh) * 2016-07-29 2016-12-07 潍坊市跃龙橡胶有限公司 一种全钢载重子午胎带束层钢丝帘布胶及带束层的生产工艺

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