JP2002338708A - ポリエステルフィルム - Google Patents
ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
ンサ用途をはじめとする各種電気部品用途において好適
なポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム中の灰化残存物量が1000p
pm以下であることを特徴とするポリエステルフィル
ム。灰化残存物量は100ppm以下であることが好ま
しい。また、フィルムのガラス転移点は100℃以上で
あることが好ましい。
Description
たポリエステルフィルムに関する。
度と絶縁抵抗などから絶縁性を必要とする各種電気部品
に使用されてきた。例えば、フィルムコンデンサ用途、
フレキシブルプリント配線基板用途、電線被覆用途など
が挙げられる。これらの用途で使用されるポリエステル
フィルムは、高電圧が長時間印加されても絶縁性を保持
することが求められており、特に絶縁性が低下する高温
域における保持時間あるいは印加電圧の増加圧力がます
ます高まっている。かかる要求に応えるべく、従来最も
良く使用されてきたポリエチレンテレフタレートに代え
て、ポリエチレンナフタレートなど新規素材が使用され
る例が増えてきており、一定の成果は上げてはいるが、
尚も更なる絶縁特性の向上が求められている。
鑑みなされたものであって、その解決課題は、優れた電
気絶縁特性を有し、フィルムコンデンサ用途をはじめと
する各種電気部品用途において好適なポリエステルフィ
ルムを提供することにある。
に鑑み鋭意検討の結果、フィルム中の灰化残存物量を極
限まで低減することによって絶縁特性を著しく向上させ
うることを見いだし、本発明を完成するに至った。
灰化残存物量が1000ppm以下であることを特徴と
するポリエステルフィルムに存する。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグ
リコール成分とが重縮合されたポリマーであって、ジカ
ルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、あ
るいはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4
−シクロヘキシルジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸
が挙げられ、グリコールの例としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
00ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに
好ましくは100ppmである。灰化残存物量が100
0ppmを超えると、電気絶縁性が低下するため好まし
くない。一般的にポリエステルフィルムに含まれるもの
のうち、灰化処理した際に残存する主な無機化合物成分
として、ポリエステル重合に関わる成分と、滑り性付与
のため形成される表面突起の核剤としての粒子成分とが
挙げられる。前者として最も一般的なものは三酸化アン
チモン/正リン酸/酢酸マグネシウム等々の混合系であ
り、通常400〜600ppm以上含まれている。後者
の例としては、無定形シリカ、球状シリカ、天然炭酸カ
ルシウム、合成炭酸カルシウム、アルミナ、カオリン、
タルク等々が挙げられ、一般的には300ppm以上含
有される。
mに満たない薄番手においては、表面突起形成能が著し
く低下するため、通常3000ppm以上の粒子が含有
される。ところが、重合触媒系も滑剤粒子系もポリエス
テルが本来有する電気絶縁特性を損ねるという点では等
しく負因子となっており、本発明のフィルムは両者およ
び多目的で含有される他無機成分を含め、1000pp
m以下としなければならない。かかる灰化残存物量を実
現するためには、前述の2要素の少なくとも一方の要素
をほとんど無視できるようにすれば良い。
は、使用するポリエステルに粒子を含有を極力低減させ
れば良い。ただし、単に無粒子系や極少粒子系としただ
けでは、滑り性が極端に低下するためフィルム製造時お
よびフィルム使用時におけるハンドリングに支障が出
る。そこで、押出成形後延伸前の工程において、滑剤粒
子を含有するコート層を設けることで、滑り性を付与す
る方法などの措置を取ることが必要となる。かかる手法
に使用される滑剤粒子は成分としてはフィルム含有に使
用されるものをそのまま使用することができ、サイズを
コート層厚みに合わせ、その粒径を数十nmレベルとし
た上で、厚さ数十nmのコート層に数重量%含有されて
いれば十分である。一方、重合触媒系の含有量を著しく
低減するためには、重合主触媒を最も一般的なアンチモ
ン化合物ではなくチタン化合物とする等の処方を取るこ
とが好ましい。重合主触媒のチタン化合物の例として
は、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネー
ト、等々が挙げられ、チタン元素量として数ppmあれ
ば工業的に生産可能な重合時間内で十分にポリエステル
の製造が可能である。
ラス転移温度が100℃以上、可能であれば110℃以
上であることが推奨される。ガラス転移温度が100℃
以上であれば、室温よりも高い温度雰囲気下、特に湿潤
かつ高温雰囲気下において優れた電気絶縁特性を発揮す
る。ガラス転移温度が100℃であって、工業的にフィ
ルム製造が可能な好ましいポリエステル素材の例として
エチレンナフタレート単位、すなわち2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸成分とエチレングリコール成分とが縮合
したエステル単位を主たる成分とするポリエステルが挙
げられる。とりわけエステル単位の97モル%以上がエ
チレンナフタレートであるポリエチレンナフタレートが
好適である。本発明で得られるポリエステルフィルムに
は、発明の主旨を損ねない限りにおいて、各種表面処理
を行うことができる。前述の滑り性付与のための易滑コ
ート層の他に、要すれば紫外線吸収剤等々の耐候性コー
ト層、遮光コート層等を設けてもよい。また、染料など
の有機化合物をフィルム中に含有させてもよい。
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例に
おいて、「部」とあるのは重量部の意味である。
で、白金坩堝内に入れガスバーナーで灰化処理を行っ
た。得られた灰化残存物を秤量し、元の試料フィルムに
対する比率を求め灰化残存物量とした。
し急冷固化したガラス固体を調製する。得られたガラス
固体を昇温速度10℃/分にてDSC測定を行い、ガラ
ス転移温度を求めた。
端面にメタリコンを施した後、各電極端子にリ−ドを取
りつけてコンデンサーを作製する。得られたコンデンサ
を135℃大気圧下にて500Vの直流電圧を印加し続
け、5時間後に尚も絶縁特性を保持している素子の比率
すなわち残存率を求めた。残存率が80%以上であるも
のを高温絶縁性良好、90%以上であるものを高温絶縁
性優良とした。
リコール70部とを反応器に仕込み、エステル交換を行
った。すなわち、反応開始温度を225℃、内圧を0.
9kg/cm3とし反応を開始し、その後徐々に反応温
度を上昇させ、4時間後に260℃まで昇温し、エステ
ル交換反応を終了させた。次いで正燐酸をポリエステル
樹脂の理論収量に対して燐原子として18ppmとなる
ように、次いで酢酸コバルト4水和物をポリエステル樹
脂の理論収量に対してコバルト原子として15ppmと
なるように、さらにテトラ−n−ブチルチタネートを、
ポリエステル樹脂の理論収量に対してチタン原子として
5ppmとなるようにそれぞれ順次添加し、重縮合反応
を行った。すなわち、反応温度を260℃から徐々に高
めるとともに圧力を常圧から徐々に減じ、2時間後に温
度を280℃、圧力を1mmHg以下とし、所定の時間
経った時点で反応を停止し、ポリエステルAを得た。ポ
リエステルAの固有粘度は0.61dl/gであった。
均粒径0.3μm)のエチレングリコールスラリーを添
加した他はポリエステルAと同様にしてポリエステルB
を得た。ポリエステルBの固有粘度は0.61dl/
g、含有シリカ濃度は300ppmであった。
代えて、三酸化アンチモン300ppmとした他はポリ
エステルAと同様にしてポリエステルCを得た。ポリエ
ステルCの固有粘度は0.60dl/gであった。
3μm)のエチレングリコールスラリーを添加した他は
ポリエステルCと同様にしてポリエステルDを得た。ポ
リエステルDの固有粘度は0.62dl/g、含有シリ
カ濃度は5000ppmであった。
レフタル酸100部とした他はポリエステルAと同様に
してポリエステルEを得た。ポリエステルEの固有粘度
は0.70dl/gであった。
融し、Tダイよりシート状に押し出した。押し出し後直
ちに冷却ドラム上で50℃まで急冷し実質的に非晶質の
フィルムを得た。得られた非晶質フィルムに日産化学
(株)製シリカ微粒子SL−YLを水分散系ポリエステ
ル塗布剤と混合したものをコーティングした。塗布層の
乾燥後、ロール延伸機にて長手方向に130℃で4.0
倍延伸し、さらにテンター延伸機にて、横方向に160
℃で4.0倍延伸を施した後、引き続きテンター内で幅
方向に7%の弛緩を施しながら240℃1秒間の熱固定
を施し、さらに幅を固定して160℃1秒間の熱固定を
施した後、室温まで冷却して巻き取りフィルム製品とし
た。得られたフィルムは、厚さ3.7μm、固有粘度
0.57dl/gであった。
かは実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムは、厚さ3.7μm、固有粘度
0.57dl/gであった。
かは実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムは、厚さ3.7μm、固有粘度
0.56dl/gであった。
かは実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムは、厚さ3.7μm、固有粘度
0.58dl/gであった。
ルEとを重量比60:40で混合したポリエステルを使
用し、さらに縦延伸温度を130℃に代えて85℃、横
延伸温度を160℃に代えて100℃としたほかは実施
例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られ
たフィルムは、厚さ3.7μm、固有粘度0.62dl
/gであった。
た電気絶縁特性を有し、フィルムコンデンサ用途をはじ
めとする各種電気部品用途のポリエステルフィルムとし
て好適であり、その工業的価値は非常に高い。
Claims (3)
- 【請求項1】 フィルム中の灰化残存物量が1000p
pm以下であることを特徴とするポリエステルフィル
ム。 - 【請求項2】 フィルム中の灰化残存物量が100pp
m以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエス
テルフィルム。 - 【請求項3】 ガラス転移温度が100℃以上であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
ステルフィルム。
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- 2001-05-21 JP JP2001150443A patent/JP4951156B2/ja not_active Expired - Fee Related
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